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二人静 (光文社文庫) 盛田隆二

2010年発刊、2012年に文庫化され、第1回Twitter文学賞第1位に輝いた話題作で、その評判をいろいろなところから聞いていたので早く読みたかった作品です。

そのタイトルからすると内田康夫著「天河伝説殺人事件」にも出てくる世阿弥作と言われている謡曲「二人静」をモチーフとした作品かなと思っていましたが、読んでみるとそうでもなさそうです。

謡曲「二人静」は義経討伐のあと、子供とも生き別れとなり、うち捨てられた静御前の霊がある女性に乗り移り、それを証明するために舞を踊ってみせるというストーリーです。

それならばもうひとつの「二人静」、明治から大正時代に活躍した柳川春葉の家庭小説からきているのかと調べてみるものの、その内容はわかりませんでした。

もしかすると文庫本の解説に書かれているのかも知れませんが、今回は単行本を読んだので不明です。

主人公は母親は既に亡くなり、認知症を患っている父親と二人で暮らしている会社員の男性。ある昔の出来事がきっかけとなり女性を心から愛することができず、30代半ばになった今でも独身で、会社の同僚女性からモーションをかけられても興味を持ちません。

そして認知症で身体も弱っている父親を抱え、毎日朝から夜遅くまでの会社勤めをすることにやがて無理が生じ、一時的な介護施設へ入居させることになりますが、そこで出会った担当の女性介護士との間に愛情が芽生えていきます。

しかしその女性介護士にも暗くつらい過去があり、まだ小さな子供(しかも人前では言葉が出なくなる場面緘黙症)を抱え、前の夫とのあいだにはDVや離婚裁判の怨恨で今も悩まされ続けています。

と、現代の社会問題が山積みされた内容ですが、どれをとっても日本国民は目をふさぐことはできず、今後ますますこうしたことがすぐ身近な問題として降りかかってくる可能性があります。

この主人公は、正規社員としてバリバリと働いていて、同僚にも恵まれ、さらに父親が買った自宅があるという、経済的にはまだ恵まれた環境にあるとも言えます。

現実的には長引く不況で職場を失ったり、地方への転勤を余儀なくされたり、また父親が住む家は借家で大きな財産もなく、認知症が判明した時点で火事の心配もあり借家から追い出されるというケースも考えられます。

この小説は決してすべて解決しハッピーエンドに終わるお気楽ものではありません。読書中にはこれでもかというぐらいに重石がどっしりと肩の上に乗っかってくる気分を味わされますが、読後には少しそれが和らいでいることに気がつくでしょう。

著者別読書感想(盛田隆二)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ザビエルの首 (講談社文庫) 柳広司

2004年に「聖フランシスコ・ザビエルの首」として初出、2008年に改題されて文庫化された小説です。大ヒット作となったD機関シリーズ第1作目の「ジョーカー・ゲーム」(2008年)が、来年2015年に映画公開されることが決まり、いままさにノリにノッている作家さんのひとりでしょう。

この作品はいくつか雑誌に連載されたものを再構成し、ひとつの小説にまとめ上げられたものですが、物語の構想というか目の付け所がいつもながら素晴らしく感心します。

ストーリーは貧乏なフリーライターがオカルト雑誌の取材で四国で発見されたというザビエルの首を取材しに行くところから始まります。

ザビエルの遺骸はインドのボン・ジェズ教会に安置されているので、日本に首だけがあるというのも変なのですが、そこはオカルト雑誌の手前、一応下調べをしてノー天気なカメラマンと一緒に出かけます。

フランシスコ・ザビエルは小・中学生の教科書に出てくるほど、日本へキリスト教を初めて伝えた伝道師として有名ですが、それ以前の活動や、その後の人生についてはほとんど知られていません。

主人公のフリーライターは、そのザビエル(とされる)首を見ると同時に感化され意識が飛んでしまい、ザビエルに誘われるがごとくザビエルが生きたその時代に移っていきます。

それは当時の日本、インド、パリ、そして生まれ故郷、さらには終焉の地、中国へと変わっていきます。

著者はこのような歴史上の有名人物を主人公としたり、あるいはモチーフとして使い、新たなフィクションを創り出した小説が多いのが特徴ですが、いずれも事実とフィクションがうまく混ざり合い、時にはコミカルで、そしてなにより大昔に習って、もうすっかり忘れていた歴史の知識を再確認できるという優れものです。

クライマックスでは、なぜザビエルは死後もまるで生きているかのように、身体が腐らなかったのかという奇跡の謎が明かされ、さらには続編を意識させる終わり方で突然閉じられています。

この小説の初出から10年も経った今でも続編は出てきていませんが、もし今後出てくればぜひ読みたいものです。

著者別読書感想(柳広司)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

真夜中の男(光文社文庫) 結城昌治

日本のハードボイルド作家の草分け的な作家さんで、その後そのジャンルで有名になった生島治郎氏のペンネームの名付け親とも言われています。

残念ながらすでに故人となられていますが、残された作品は全部で100冊近くに及んでいます。1970年には「軍旗はためく下に」で直木賞、1985年には「終着駅」で吉川英治文学賞を受賞されています。私は2006年に「軍旗はためく下に」を読んだだけでこれが2冊目です。

この本は今から30年以上前の1979年初出の作品ですが、読んでみるとその内容に古臭くは感じられません。

もちろん携帯電話やパソコンなどは出てきませんが、元刑事が主人公のハードボイルドミステリーですので、その世界においては30年前も今も、環境にはほとんど変わりがないとも言えます。

これが中途半端に90年代頃の探偵小説だと、ダイヤルアップでパソコンをつないでメールを読んだりネットを見たり、ヤクザが高級車に搭載された自動車電話で指示をしたりと時代を感じさせるものですが。

主人公は若いチンピラヤクザに足を洗わせようとなにかと世話をしていたために、癒着を疑われ刑事の仕事を追われてしまい、現在は退職した元刑事達で作る探偵をしている中年男性。

その主人公が世話をしていた若いヤクザの実姉と、ふとしたきっかけで姉の自宅で一度だけ関係を持ちます。そしてそのことが忘れられずに、翌日再び女の家に行くと、その女は自宅で亡くなっています。元刑事の勘から、自分が殺したと一番に疑われると判断し、指紋を消すなど偽装工作をしてそのまま逃げます。

しかし当日アパート近くに主人公がいたという目撃者が現れ、翌日には逮捕され、当初からなにも知らないと嘘をついたり、偽装工作をしていたことで、無実だという言葉は誰にも信じてもらえず、7年の実刑判決を受けて服役することになります。

場面は変わり、7年後に出所し、殺された女性のことや、なぜ自分が犯人と間違われたのか、そして真犯人と思われる、自分が女性の家を訪問する直前にアパートから走り去った不審な男の行方を捜すために行動を開始します。

探偵小説の定石通り、わずかな手掛かりを元にして関係者を探しだし、直接会って話しを聞いていきます。そうしていると定石通りに暴かれたくない真犯人と思われる者から邪魔が入るものなのですが、この小説では自分を目撃したと証言したキーマンが、会う直前に何者かに殺されてしまい、事態が動き出すことになります。

こうした最初は遠いと思える地道な調査から、少しずつ関係者に近づいていき、そして過去を知られたくないという真犯人をあぶり出していくというパターンはボストンの探偵スペンサー曰く「藪をつつく」ですが、必ず望むような結果に結びつき安心して読んでいられます。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

殺し屋 最後の仕事 (二見文庫) ローレンス・ブロック

2008年にアメリカで発行、翻訳された文庫は2011年に出版されています。タイトルにあるようにシリーズ化されてきた殺し屋ケリーの最終版となりますが、その後アメリカではKindleの電子書籍だけで続編が出ているそうです。そしてこのシリーズは連作短編のものが多いのですが、この作品は長編小説となっています。

◆殺し屋ケリーシリーズ(Wikipediaより)
 『殺し屋』 Hit Man(1998)- 連作短編集
 『殺しのリスト』 Hit List(2000)
 『殺しのパレード』 Hit Parade(2006)
 『殺し屋 最後の仕事』 Hit and Run(2008)
 『Keller in Dallas』(2009) Kindleのみ

さて、このケラーシリーズ最終作?は、巻末の解説でも書かれていましたが、できれば過去の作品を1冊以上読んでからのほうがいいでしょう。

それは主人公ケラーとその周辺の人達との関係、殺しの手法、、趣味の切手コレクションのこだわり方などある程度の予備知識があるほうが面白く読めるからです。

そしてこの長編に関しては、シリーズの従来スタイルではなく、著者ローレンス・ブロックの代表作、マット・スカダーシリーズと同様なハードボイルドタッチで描かれていることも、この作品の前に前作を読んでおくひとつの大きな理由です。

それは過去の作品のようにコミカルで軽快なところはほとんどなく、今までは準備万端で難なく仕事をこなしてきたクールな殺し屋ケラーが、大きな罠にはめられてしまい、追い詰められていくというシリアスなドラマとなっているからでもあります。

しかし捨てる神あれば拾う神ありで、しかも今までの流れからすると考えられない結末へと向かっていきます。考えられないというのは、「まさかあのクールな殺し屋ケラーが、安い週給で大工の見習い仕事を始め、まともな××をして○○までできちゃうなんて!」ということです。

もちろん先に書いたように電子版の続編が出ていると言うことは、少なくともここで主人公が死んで終わってしまうということではないのはわかってしまうのですが。

個人的には、こうしたシリアスな展開は「マット・スカダーシリーズ」やマイクル・コナリー著の「ハリー・ボッシュシリーズ」に任せておいて、ケラーはケラーのお気楽で計算し尽くされた殺し屋というイメージを最後まで貫いて欲しかったなというのが本音のところです。

ところで、本当の最終版、Kindle版の「ダラスのケラー」?は、日本語版では電子版だけでなく文庫版も出してくれないものかと書籍は絶対アナログ派だけに、ひたすらそう願うばかりです。

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)

【関連リンク】
 1月前半の読書 冷血、クリフトン年代記 第2部(上)(下)、八つ花ごよみ
 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍
 12月後半の読書 植物図鑑、四畳半神話大系、アイの物語、タクシードライバー 一匹狼の歌
 12月前半の読書 NHKへようこそ、舟を編む、死への祈り、美しい隣人

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788
過去の経緯はこちら
 ユニットバスへのリフォーム道険し
 続:浴室のユニットバスへのリフォーム前編
 続:浴室のユニットバスへのリフォーム後編


昨年9月に大型台風が関東南部を襲った直後から交渉をスタートした、我が家の大規模リフォーム第3弾「浴室リフォーム」の工事が、数々の試練を乗り越え無事に終わりました。

ちなみに大規模リフォーム第1弾は10年前に実施したスレートの屋根とモルタル外壁の塗装、第2弾は7年ぐらい前におこなったキッチンのリフォームです。やはりキッチンとか浴室など水回りの箇所は傷みがとても激しく、近いうちにはトイレの全面改装も必要かなと思っています。

今回依頼したのは、従来工法のタイル張りで、お湯を溜めるだけだったお風呂を、最新のユニットバスに取り替え、同時にガス湯沸かし器も大きなタイプに変更、追い炊き機能、浴室暖房乾燥機を新たに設置し、さらに浴室と接する洗面所の床が湿気にやられてしまい抜けそうなのでその張り替えと、壁や天井のクロス張り替え、と当初考えていたより大規模な工事となりました。

当初は9月に交渉を開始し、9月から10月初めに現地調査、見積もりをおこない、寒くなる前の11月頃に工事をと楽観的に考えていました。

ところが9月下旬になって今年4月からの消費税増税が決定し、そのせいで急にリフォーム会社が忙しくなり、年内は工事職人さん達のスケジュールが押さえられないと業者から泣きが入り、結局1月の工事となってしまいました。

選んだ業者さんは、過去に新聞のチラシで入っていたところや、ネットで調べて数社に見積もりを依頼し、その中からいくつかの基準で決定しました。

そこで今回実感したのは、この業界はIT化からかなり遅れていて、現地調査のあと「見積もりはメールで送って」と頼んでも「データ変換の仕方がよくわからない」とか「メールは使ったことがなくて」とか言われ、まだ完全にアナログの世界のところが多く驚きました。

ホームページが立派でも中の人の多くはそういう感じです。メールで質問をしても1週間ぐらい経ってから電話で返答されるとか(仕事中に私用の電話は困るんですけどね)、見積もり書はPDFで送っていただければと依頼しても、(不在だと言っておいても)わざわざ直接家のポストに入れておいてくれたり。

ただし、中にはいかにもベテラン職人さんという風情ながら、自分でブログも書き、過去におこなったリフォーム工事のビフォー・アフターを綺麗にまとめている方もいらっしゃいましたが、それはまだレアなケースです。

工事は4日間。水曜日から土曜日までかかりました。契約後に業者から職人さんのスケジュールの都合で5日間でやらせてくれないか?という打診もありましたが、さすがにそれは困る(洗濯、風呂、洗面が使えない)ので4日で終わらせられる日程で組んでくれと頼みました。

見積もりを依頼した別の業者さんは工事は3日間で十分と言っていましたので、仕事の手際のよさや人員配置のノウハウなども多少あるのでしょうけど、今回実際に工事に立ち会ってみたところ、4日間のうち、無駄だなと思える時間(待機時間など)はほとんどなく、これだけ詰めておこなった4日間の作業を、3日間でやるのはさすがにキツイだろ?と思いました。ただし人数をもっとかければ半日ぐらいは短縮が可能だったかも知れません。

工事の内容は、
初日 再利用する洗面台・洗濯機等移動、浴室3面タイル+天井取り壊し、浴槽取り外し、土台コンクリ打ち、湯沸かし器交換、配管
2日 洗面所床はがしと仮床設置、浴室と洗面所の間の腐蝕した基礎修復、浴室換気口新設
3日 ユニットバス(窓枠、換気暖房機含む)一式組み立て設置
4日 電気配線、浴室入り口工事、床仕上げ、壁クロス貼り、洗面台・洗濯機設置

当初は「3日目の夜にはシャワーは使える」と業者から言われていましたが、工事に来た職人さんからは「まだ継ぎ目の防水シールが乾いていないのでとても無理!」と断言されました。

それに照明もまだつながってなく夜は真っ暗なのでいずれにしても無理でした。また業者の根拠のないいい加減な甘言に騙されました。

数日この新しいTOTOのユニットバスを使ってみての感想は、

×TOTO自慢の「ほっカラリ床」は、思ったほど暖かくなく、やっぱりタイルと同様に冷たい

○洗面所と浴室との段差が解消(8センチ⇒1センチ)されたのがちょっとしたことなのにすごくいい

○浴室のドアの開口部が拡がり、特に高さが2mになったので入り口が広々した感じがする(今までは高さ180cm)

△浴室暖房を入れて浴室に入ると次第にサウナ風呂状態になってくる(10分ぐらいで切れるといいのに)

△高さや幅のある大きめのバスチェアを同時に新調したが、浴室が狭いので逆に窮屈になってしまった

○自分が使ったり、あふれたお湯を少しだけ足しておくのに10リットルの「(1プッシュの)お湯足しボタン」があるのは便利

×浴室の鏡は最初から最後まで曇りっぱなしでまったく役に立たない(高級品には曇り止めのヒーター入りが付くらしい)

×浴槽のフタを収納フックにうまく収められない(これは改良の余地ありですぞ)

△エアインシャワーは少ない湯量を多く見せかけるトリックみたいなもので物足りなさを感じる

×シャワーを留め置くフックが滑り、すぐに動いて回ってしまうので頭を洗うときに困る

×狭くて浅い浴槽から立ち上がるとき、つかまるものがなく結構たいへん

×自動モードで入っていると突然出てくる熱湯で足が焦げそうになる

と、まぁいろいろ不満もありますが、全体的には従来よりはずっとよくなりました。


【関連リンク】
771 続:浴室のユニットバスへのリフォーム前編
753 ユニットバスへのリフォーム道険し
675 我が家のテレビ視聴環境改善 工事編
671 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その2
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1

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787
実は我が家でもそうなのですが、世帯内単身者が急速に増えているそうです。

世帯内単身者とは、一時期「花嫁修行中」の「家事手伝い」そして「パラサイトシングル」とか呼ばれてきた社会人になってからも親や親戚の家で生活をともにしている独身者のことで、昔は女性にその傾向が強かったのですが、最近は男女に関係なく増えているそうです。

世帯内単身者 増え続け、30代前半では4分の1に(ビッグイシューPDF)
親もとに住む未婚の世帯内単身者の割合は、1980年から2005年にかけて、25~29歳では 24%から41%、30~34歳では8%から 25%に増え、年齢の高い35~39歳においても3%から16%に上がった。

その原因としては、ここ20年間、若者の収入の伸びは低く、家を出てひとりで生活するのは苦しいからと推測できます。

一般的に収入に占める家賃の割合は20~30%以内と言われていますが、実家に住めば、家賃分が浮きますし、家にお金を入れていても、光熱費を含む家賃の半分程度で済めば安いものと考えるのでしょう。

また親の実家に住むメリットはそれ以外にもたくさんあります。

都会や都市部郊外に住んでいる親の家だと仕事も遊びにいくにも不自由がなく、朝晩の食事や掃除、洗濯までやってくれる家に住む方が、楽でいいでしょう。田舎暮らしの親の実家だとそうはいきません。

私が就職した時代と決定的に違うのは、最初会社に入社したとき、新入社員全員(当時は男性だけ)が会社の寮へ入っての生活を求められました。社員数が50名未満の小企業だったに関わらずです。

自宅や実家が通勤圏にあっても最初の数年間は必ず全員が寮生活を求められました。以前はそういう会社が多く、自然と親や家からの自立や独立を求められました。

会社の寮に入り、昼も夜も休日も先輩社員と顔を合わせ共同生活をおくるなんて、今の若者には耐え難いことで流行らず、大手企業でも福利厚生費が削減できることもあり、自宅通勤できる人はできるだけそうさせる仕組みになっていると聞きます。

ユニクロなど特殊な一部の会社では、今でも新入社員はしばらく全員入寮させているようですが、そのような会社は稀になってきています。

数十年前の若者は、地方に住む親の家を出て、勉強も仕事もまた遊びにも好都合な都会で生活するためにひとりで住むというパターンが多く、企業も若手の社員を抱え込むため、また安い給料でも生活ができるように、さらに深夜まで働かせても大丈夫なように便利な場所に寮を完備していたところが多かったのですが、今は多くの親が都会に住んでいるのなら、わざわざ家から出る必要も、会社が経費を負担して寮を完備する必要もありません。

別に「社会人になれば、とっとと家を出て自立すべき」という意見に丸々賛同しているわけではないのですが、10数年前から急速に少子化となった今では「長男や長女イコールたったひとりの我が子」という家が多く、昔なら何人もの子供がいて長男だけが家を継ぎ、次男や娘は早々に家から追い出すというパターンがなくなってきています。

その結果、どういうことが起きる(起きている)かと言うと、

 1)子供の自立心が弱まり、その必要もないので結果、結婚願望が薄れる
 2)収入が途切れても食・住は保証されているので気軽に仕事が辞められる
 3)自分で高い家賃を負担せず、頑張って高収入を得たいなど高望みしなくなる
 4)親は子を過剰に甘やかし、子供の親離れとともに親の子供離れもできない


1)~4)の結果、ニートや引きこもり、親依存の大人になった子が増加してしまい、「このままじゃいけない!」とある日親が気がついても時すでに遅し、子に「家を出て働け!」と突然意見すると「キレられて逆襲に遭う」といったパターンかなと。

子供が娘の場合だと家庭内暴力はないにしても、親の小言を避けようと、親とは顔を合わせないよう生活パターンを変え、会っても口もきかず、自宅を避けるようにして外泊、夜遊び三昧という可能性もありそうです。

心配なのは、親が働いているうちはまだ収入もあり、家長としての存在意義もあり、ひとりやふたりを余分に養っていくことはそう難しいことではありません。しかし定年退職し年金生活に入ってしまうとそうはいきません。

それまで家にお金を入れず、自分の給料は自分のためだけに自由に使っていた同居の子供に、せめて食事代と光熱費ぐらいはお金を入れるように言うと、逆ギレのような反発を食うことになります。

多くの親世代は高齢化で健康に不安があり、家も築20~30年を超えて大規模な修繕の負担なども気になるところで、成人した子供のためにいつまでも使える余分なお金などないはずです。

さらにその親もやがては健康を害したり、介護を必要とするようになってきますが、その時、果たして子供達が献身的に親の面倒を見てくれるかというと、親の期待値とは違ってまったく怪しい限りです。少なくとも大きな期待はしてはいけません。

少子化で、一人っ子の子供が二人の親の介護を、一人っ子同士が結婚すると、二人で4人親の介護をしなければなりません。例えその気があっても、仕事を持ちながらであれば、とてもそんなことはできないでしょう。

結局、親がよかれと思って子供の世話を甲斐甲斐しくおこなっていいのは、せいぜい成人または社会に出るまでで、それ以降は、突き放し、お互いが自立して生計を立てるために、長子や一人っ子であっても一旦は家を追い出すのがいいように思います。

そうすることで、子供が世間の波にもまれ、精神的に強くなり、社会適応力も養われてくるでしょうし(堕落してつぶれてしまうリスクもありますが)、また一緒に住むパートナー探しや、結婚する意義、社会人としての責任感などが、少なくてもずっと自宅に住み親に頼り続けるよりはいいように思えます。

とは言いつつ、我が家にはもう働いている社会人が二人もいながら、なかなか追い出せずにいるんですよねぇ、、、どうすれば追い出せますかね?


【関連リンク】
724 離婚の多さと結婚という形式
720 そして次男坊は希少価値を持つ
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと
604 ニート対策ひとつの考え方
596 ニートって言うな!と言われても



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786
日本茶といえば一般的には煎茶の緑茶を思い浮かべる人が多いと思いますが、種類としてはまず大きく抹茶と煎茶に分かれ、次に煎茶の中に小分類として玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶、豆茶などがあります。お抹茶は茶道で使われている形式張ったあの苦いお茶ですね。そのいずれもが一般的に日本茶と呼ばれます。

それら日本茶全般を指す言葉として緑茶と呼ばれていますが、とても緑色とは思えない番茶やほうじ茶なども含まれますので、子供の時には緑茶と呼ばれることにちょっと違和感がありました。

調べてみると、緑茶は「摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの」と定義されており、大分類では同じ製法の中国茶の龍井茶(ロンジン茶)、碧螺春(へきらしゅん)なども中国では代表的な緑茶と分類されています。

一般的な知識として中国のお茶と言えば緑茶ではない烏龍茶というイメージが強いのですが、実は現在でも中国茶の中では緑茶が一番よく飲まれており、元々は奈良時代あたりに中国から伝来した製造法なので、「緑茶=日本茶」という認識は誤っています。

烏龍茶(ウーロン茶)は「茶葉を発酵途中で加熱して発酵を止め、半発酵させた茶」と定義されており、緑茶とは別の青茶としての大分類となります。その種類は有名な鉄観音、凍頂烏龍茶などがありますが、意外なことに中国では一般的に飲まれているわけではなく、日本で言えば特別な機会にお抹茶をたしなむように、まれに飲まれているそうです。

ついでに日本では烏龍茶として一緒にされてしまうことが多いプーアル茶は、麹菌により数ヶ月以上発酵させる後発酵製法で、緑茶でも青茶でもなく黒茶の大分類となります。今まではそのプーアル茶や香りのいいジャスミン茶(花茶)なども烏龍茶の一種だと思っていましたが、あらためてその違いを認識しました。

一方、西洋で一般的な紅茶は「摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させたもの」を言い、発酵させるかさせないか、茶葉をもみ込むかどうかの製法が緑茶との区分で、決して茶葉の種類や茶を抽出したあとの色で判別するものではないということです。確かに紅茶の葉はもみ込まれてよじれているのが多いです。

さて、日本茶の話しに戻すと、まず日本で一般的によく飲まれている煎茶や番茶は、日本各地で茶葉が生産されていてそれぞれに特徴があります。煎茶と番茶の違いは茶葉の収穫時期などで製法はほぼ同じだそうです。

私の好きなほうじ茶は名の通り茶葉をコーヒー豆のように焙煎したもので、それが独特の香りを引き出します。ほうじ茶は比較的関西、特に京都などで日常的に飲まれていることが多く、そう言えば関東では番茶はよく見かけますが、こうばしい香りが立つほうじ茶にはあまりお目にかかりません。

そしてほうじ茶は焙煎することで苦味成分のタンニン(カテキンなど)が壊れ、渋味や苦味がなくなり、口当たりがさっぱりしています。胃に負担がかかるカフェインの量が少なく、子供や高齢者でも安心して飲用できることから病院での入院患者などにも出されています。

そう言えば、胃潰瘍で入院して4日間絶食したあと、食事の前に出されて最初に口に入れた(薬は別として)のがこのほうじ茶だったような気がします。

もうひとつ私の好きな玄米茶は、その名の通り炒った玄米を番茶に混ぜ込んだ緑茶で、玄米のこうばしい味と香りが子供の頃からとても好きでした。今も昼休みに自分でいれてよく飲んでいます。

ただこの玄米茶というのは茶葉はもちろんですが、炒った玄米の質によっても味や香りが大きく左右され、スーパーで買うティーバックでは残念ながらあまり美味しいものには出会えません。やはりちゃんと品質管理され、製造に手間をかけたお店で買わないと本当の玄米茶は味わえないようです。

先日、食べ物の糖質を減らしてダイエットをという記事を書きましたが、日本茶は基本的には糖質ゼロで、ビールや日本酒、ジュース類と違い、いくら飲んでも太りません。

私は朝はコーヒーを飲みますが、午後はその日の気分で抹茶(狭義の意味で普通の緑茶)、玄米茶、ほうじ茶、紅茶を選び、自分でティーバックをいれて飲んでいます。その都度缶コーヒーやペットボトルのジュースを買って飲むより、エコでふところにもそして健康にもよさそうです。

そう言えば関東中心に展開している喫茶室ルノアールでは、少し長居(30分以上ぐらいかな)する客に、途中で緑茶のサービスがあります。これは決して「早く帰れ」の合図ではなく、「どうぞゆっくりしていってください」という店のサービスで、私は熱くて茶碗に触れないぐらい煮立ったあのお茶が気に入っています。飲むときには茶碗をおしぼりでくるんで飲んでます。

アメリカなどでもダイエットブームや健康志向の波にのって、日本茶ブームが起きていると少し前にテレビで見たことがあります。伊藤園の「お~い!お茶」のペットボトルが頭脳労働するアメリカ人に大人気だとか。確かにどんな添加物が入っているかわからないコーラを飲むより健康的でしょう。

健康のことを考えると日本茶は最高ですね。ただしストレスなどで胃が荒れている人や、寝る前なのでカフェインを抜きたい時は、ほうじ茶を選ばなくてはなりません。それだけはお忘れなく。


【関連リンク】
759 糖質ダイエットについての備忘録その1
712 最近気になる食品の安全性
634 味覚の変化について
334 ミネラルウォーター飲んでますか?



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785
もうだいぶんと旧聞になってしまいましたが、今年の元旦の朝日新聞の別刷版で奥田英朗氏のコラムに個人的な考え方と断って「2020年東京オリンピックでの日本が果たすべき役割」を書かれていました。

それが以前から私が思っていた今後の日本が目指すべき方向性と合致していたので取り上げてみます。

奥田氏と言えば2004年に直木賞を受賞、2009年に発刊された「オリンピックの身代金」が吉川英治文学賞に輝き、ベストセラーとなり、昨年にはそれを原作とするテレビドラマ化もされました。

そのオリンピックつながりで朝日新聞社からコラムを依頼されたのかなと勝手な想像です。

新聞はもう手元にないので詳細は書けませんが、1964年の時は敗戦で焦土と化した東京は見事に蘇ったのだということを世界にアピールするだけでよかったのですが、今度の東京オリンピックでは成熟した文化都市でおこなうというという意味の他に、オリンピックをまだ自国では開催できないけれど、世界に誇れるスポーツの自国の英雄を待ち望んでいるアジア諸国に手を貸すべきだというものです。

近代オリンピックでみると、まだ金メダルをとったことがない国が東南アジアだけでもマレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールなどがあります。比較的地域が近いアジアやオセアニアに拡げると、スリランカ、サウジアラビア、カタール、クエート、イラク、アフガニスタン、トンガなども金メダルをまだ獲得していません。

まだ金銀銅のいずれのメダルも獲得していないアジア・オセアニアの国は、カンボジア、バングラデシュ、ブータン、ミャンマー、ネパール、パブアニューギニア、パラオ、フィジー、サモアなどがあります。

過去に金メダルは獲得していても、極めて少ない国もたくさんあります。モンゴル2個、台湾2個、パキスタン3個、インドネシア6個、タイ7個、インド9個など(日本は金メダルだけで130個、金銀銅合わせて398個)。

それらの国は、スポーツができる環境が十分でなかったり、科学的な練習を取り入れられなかったり、優れた指導者やコーチがいなかったり、ハイレベルの練習相手がいなかったりで、国内においては、いつまで経っても世界の強豪に勝つことができません。

そこで6年後に日本で開催することで、それらの国からメダリストを誕生させるべく、今から優秀なそれぞれの国の若者を日本に受け入れて、最先端の練習と指導を日本の強化選手とともにおこなってはどうかという(奥田英朗氏の)提案です。

それで別に恩に着せようというものではなく、どうせ日本人選手の強化にお金をつぎ込むのならば、日本の選手にも刺激となり、そして日本古来の体罰や根性など非科学的トレーニングを一掃し、開かれたグローバルで高度な科学スポーツが実現できるようにも思え、日本人選手にとってもいいことだと思います(私の考え)。

そうした結果、メダルを取る選手が出てくれば、長い目でみるとその選手や一緒に招聘するコーチ、関係者、マスコミが、日本とそれらの国との間で様々な友情の架け橋となってくれることも考えられます。

上記にあげた国々は、これからまさに人口が増え、発展していこうとしている国ばかりで、日本(の企業)にとっては道筋さえできれば進出したい国々でもあります。

そうした経済問題だけでなく、成熟した文化国家として、またこのアジアという地域を代表しての開催ですから、1964年の東京オリンピックや、中韓でおこなわれた過去のアジア開催のオリンピックとは違い、自国のメダルの数を世界と競うのではなく、欧米では誰も知らないようなアジアの多くの国々が、日本とともに成長した証を世界に披露する大会にしてもらいたいものです。

どうしてもオリンピック誘致が決まると、やれ交通インフラ整備が、やれ新しい競技場が、やれ観光業がとなりがちですが、それよりもオリンピック開催はもとより、金メダルなど無縁だと思って冷めた目で見ている(たぶん)アジアの国々に対し、熱いハートの支援を日本が真っ先におこなうことがいままさに必要なのではないでしょうか。


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