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超高齢化社会を迎えつつある今、国を挙げての研究と実験がおこなわれつつあるのが、高齢者の都市部から地方移住です。
そう言えば、過去にも国を挙げて南米やハワイ、満州など、政府主導の移民(棄民)政策が何度も繰り返されてきました。今度もまた真面目で善良な国民に対してだまし討ちのようなことが繰り返されるのでしょうか。
定年で仕事からリタイアした団塊世代を中心として、都市部やその郊外には65才以上高齢者が大きな群れをなして住んでいるのは何度も書いてきたとおりです。
そしてこの高齢者の群衆は増え続け、10年後には私も仲間入りしますが、今から約30年後の2042年頃にそのピークを迎えると言われています。
その高齢者の多くは元々都市部で生まれ育ったわけではなく、60~70年代の高度成長の波に乗り、地方から働くために争うように都会へと出てきた人達やその子供達で、そのまま出身地には帰らず都市部で家族を持ち根付いています。
都会での生活は、買い物や公共交通を使っての移動、文化芸術やスポーツなどエンタテーメントなど便利な面が多いものの、高齢者には不要な通勤交通網や、子育てのスペース、それに老後を迎える際に必要な介護人や老人向け住宅や施設の不足、人であふれかえり混雑する病院、若年齢層の失業者や不良外国人などによる環境や治安の悪化、そして築何十年を経過した古い住まいの使い勝手の悪さや老朽化など様々な問題が起きてきています。
国や自治体からすれば、賞味期限が切れて所得税や住民税、高額の消費税を払ってくれないばかりか、医療費や生活保護など社会保障費ばかりが増大する高齢者を都市部につなぎ止めておくよりも、その限られた生産性の高い都市部のスペースを、労働力となり、子供を作り育て、大量に消費し税金も払ってくれる若い人達のために有効に使いたいと考えても不思議ではありません。
一方では目立った産業がないので若者は出て行ってしまい、人口減ですっかり寂れてしまった地方では、昔景気のよかった時に国からばらまかれたお金で作った立派な公民館や小・中学校、健康ランドなどの公共施設があります。
ならばということで、都市部に住むバリヤフリーにもなっていない古い家やアパートに住む高齢者、それに何年も入居待ちが続いている公営老人ホームなどに住む高齢者達を、そうした土地も施設も余っている地方へ、なにか餌をぶらさげてさっさと移住させてしまえという動きが活発になっているわけです。
そこで問題になるのは、地方税や消費税。つまり現役時代には都市部の自治体に収めていた人が、引退して収入がなくなってから地方へ移住すると、地方には税収の恩恵はほとんどないのに、高齢者の医療費や介護費、生活保護費などの社会保障費用の負担を押しつけられてしまうことになります。
特に都会の自治体や行政が、地方に高齢者施設を作るとなると問題は大きくなります。
杉並区 南伊豆に特養 16年度にも開所(2013年5月28日東京新聞)
東京都杉並区が、伊豆半島の先端にある静岡県南伊豆町にある区有地に、特別養護老人ホーム(特養)を整備することになった。入所待ちの高齢者が増えているが、都内で用地確保が難しいためだ。厚生労働省によると、自治体が地域外に特養を設置するのは異例。試みが成功すれば全国に先駆けたモデルケースになる。隣接区も熱い視線を送る。 中略 最も問題だったのが介護保険料の自治体負担分の扱い。施設のある自治体が負担すべきものだが、静岡県や南伊豆町に負担してもらうわけにもいかず、県や町に費用負担を発生させないことで話がまとまった。 |
上記はモデルケースとしてとらえられているようですが、おそらく国や都市部の行政はこのスタイル(都市部の行政が地方に施設を提供してもらい補助金も出す)を積極的に進めていくことになるでしょう。
様々な研究やアンケートもおこなわれていて、総務省の「都市から地方への移住・交流の促進に関する調査報告書」では、地方移住へのネガティブな意見を打ち消そうと必死です。笑えるモノもあるので少し抜粋してみました。
「Q」がよくある質問で、「A」がそれに対する模範的回答です。いかにも頭のいい人が考えたお役所的な回答です。
Q:地方は公共交通機関が少なく生活が不便だ。買い物にしても商店が少なくて、欲しいものが商品が手に入りにくいのではないか。 A1:日用品の買い物は近所のスーパー等で不足はない。渋滞がないため車を使えば大型ショッピングセンター等へのアクセスも問題にならない場合が多い。仮に不足分があってもインターネット通販による補完が可能である。 A2:地方では車での移動が中心であり、特に町村では車がないと生活が困難な場合が多くなるが、車さえあれば生活利便性は確保できる。 →高齢者ドライバーの事故が急増している中で、高齢者にクルマを使わせることを前提にしているのには困ったものです。またクルマを使えない人は移住は無理と言っています。ネット通販を使えというのはもっともですが、都市部と違い当日・翌日配送がなかったり、送料が割高だったりします。高齢者が一番欲する食料品や食材の宅配等も、現状では都会ならではのサービスです。さらにネット環境は都市部と比べると選択の幅は少なく、高額で貧弱な可能性もあります。スマホや携帯電話の電波も、都市部では高速通信があり、通常電波ほぼ100%つながりますが、地方の山間部などでは、通常電波でさえまだつながらない地域も相当あります。 |
Q:(高齢で働く場合)地方では収入が減るだろうが、食べる分量は変わらないので食費は都会と大差なくかかってしまうのではないか。 A:小都市や町村では、野菜などを自ら栽培するほか、野菜や魚などを中心としたお裾分けの頻度が多く、トータルの食費はあまりかからない A:地方では耕作放棄地などを借りて自給自足の生活がしやすい。 →地方へ行けば働きたくとも仕事はなく、収入は年金と貯金または生活保護費という人がほとんどでしょう。それに都会では店が多く競争も激しいので安い食材を選んで買うことができますが、地方ではそう言うことができません。要は貧乏人は老いた身体にむち打って、畑を耕し慣れない自給自足の生活をしろということでしょうか。 |
Q:地方には音楽ホール等の文化施設や図書館などが少なくて、余暇活動や文化活動などがあまり楽しめなさそうだ。 A:都会にはない伝統文化に触れ、自ら担い手になることもできる。 A:地方は自然環境が近接しているので、地域で周遊的にレジャーに出かける機会が多く、費用も安い →映画や演劇、図書館など都会では当たり前の高齢者に向いたレジャーやサービスはないので、健康のために自然の中を勝手に歩き回れと、高齢者に。またその土地に縁もゆかりもないよそ者の人達が、その地域の伝統文化に馴染むのか?という問題は考えていません。 |
その他にも、地方の中では「よそ者扱い」で人間関係に苦労するのでは?という質問に、地方のほうが都会より人間関係は密接だから大丈夫的な回答ですが、それは新たに都会へ引っ越したときはそうかもしれませんが、すでに何十年も都会に住んでいて近所の人や知り合いが周囲にいっぱいいるのと比べると、新たに住む地方で人間関係がより密接とはとても思えません。
特に高齢になってから新たな人間関係を作っていくというのは想像以上に難易度が高そうです。
いい点としては、都市部で頻発している高齢者を狙うひったくりや強盗、訪問詐欺などは、不良外国人や若者が少ない分起きにくいでしょう(オレオレ詐欺は都会、地方関係なく起きています)。
でも逆に犯罪が起きても、都会のように犯人を特定する目撃者や監視カメラも少なく、今後それに気がついた犯罪者がこぞって地方の高齢者を狙ってこないとも限りません。
さて、上記の移住計画で都市部と地方の各行政、高齢者の三者がま~るく収まるのかというと、案外都市部の自治体側は冷たく、三菱総合研究所が全国の自治体に対してアンケート調査をおこなったところ、高齢者の受け入れを希望する自治体は全体の15.9%(135自治体)あったものの、送り出しを希望した自治体は全体のわずか5.2%(44自治体)だけという結果でした。
自治体が送り出すのに消極的な理由は「住民ニーズがない」というのが一番の理由だったそうですが、もうひとつには今後都市部においても人口が減少していく中で、個人資産のほとんどを持つ高齢者住民が移転して減ってしまうと、商店など経済活動にも影響し、そうなるとやがては役所の人員や予算も削減されてしまうという自らの職のリスクも考えてのことでしょう。
私のかつての職場で一緒だった少し年配の方は、仕事を引退されたあと、川崎市の住宅地にあった一戸建て住宅を売却し、そのお金で伊豆高原の別荘地に家を買って、夫婦共々移住されました。そうやって行政の世話にはならず、自ら地方へ移住する人も少なからずいるのでしょうが、それが主流になるとは思えません。
一般的な都市部に住む高齢者は、住み慣れた場所で、知った同年代の友人や知人が周りにいて、という環境からはなかなか離れられないのも事実で、実際に知り合いもいない地方移住を積極的にしたいと思っている人は、そう多くないと思われます。
例え若いときは田舎でのんびり過ごすことにあこがれている人も、自分が高齢になると身体の自由がきかなかったり、身近に信頼できる知人がいないと不安だったりと、なかなか今の住まいを離れられなくなるのです。
まだ高齢とは言えませんが、私の場合は、静かで空気の美味しい地方でゆっくりと余生を過ごしたく、ただ寒い地域は苦手なので、できれば和歌山や四国、九州辺りで、小さな農地付きの古民家に移住ができればいいなと考えているところです。
しかし老後の資金は3人の子供の教育費で底を尽いてしまったので、夢のままで終わりそうです。
もうあと10年早く生まれていれば、退職金や年金も満額もらえ、晴れて地方移住ができたのに残念です。
【関連リンク】
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711 地方が限界集落化していく
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689 自分の終焉をどう演出するか
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「ソウル・キッチン」
2009年のドイツ映画でヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。監督は「愛より強く」(2004年作品)でベルリン国際映画祭で金熊賞受賞しているファティ・アキン。
主演はアダム・ブースドゥーコス。いずれもあまり日本ではお馴染みのない人ばかりの映画ですが、たまにはいいね、こういうの。
ここでいうソウルは韓国の首都のことではなく、ドイツのハンブルグにある気楽に騒げるレストランの店名です。ハンブルグといえばブレーメンなどと同様、中世からの伝統が残る自由ハンザ都市で、芸術や経済などが盛んで、ハンバーグの語源にもなったところです。
ベルリンに次いでドイツ第二の都市で、日本で言えば大阪と言ったところでしょうか。
監督はトルコ系移民二世、主演のアダム・ブースドゥーコスはギリシア系移民二世で、そのせいか、ドイツ映画でありながら、ドイツ映画らしくはなく、様々な人種や職業の人が出入りする雑多なレストランが舞台です。
主人公のジノスは苦労してソウル・キッチンをオープンしたものの、あまり品のいい場所ではなく苦労しています。そして恋人には別れを告げられ、おまけに椎間板ヘルニアを患ってしまうは、さらには税務署から滞納している税金の督促をされたりと不幸が連続して起きます。
そんな中、自分の代わりに雇ったシェフが素晴らしい天才料理人だったことや、刑務所に入って疎遠になっていた兄の手助けなどもあり、店を騙し取ろうとしていた投資家をやっつけて、最後には成功するという軽いノリのコメディ映画です。
作者は何が言いたかったのか、監督は何を描きたかったのかは、結局よくわかりませんでしたが、貧しい移民達が必死にとけ込もうともがき苦しんでいるドイツの世相や、古いハンブルグという伝統のある街の雰囲気がよく伝わってくる映画です。
古くから多くの移民を受け入れてきたドイツ在住の外国人とドイツ人との問題についても、表向きは人種差別はないとされていても、職業や収入などにおいてはまだ色濃く残っています。これから日本でも起きてくるはずの外国人問題についてサラッと考えさせられるものでもありました。
日本も将来移民達を多く受け入れるようになると、こうした「貧しい移民たちvs.金満日本人(悪役)」という関係を描いた日本映画が、作られるようになるかも知れません。それが世界的にヒットすれば、ようやく日本の国際化も果たせたということなのかも知れません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ニューヨークの王様」
チャールズ・チャップリンが右傾化するアメリカから追放された後、1957年にイギリスで制作した作品で、ちょうど私の生まれた年のことです。監督、脚本、制作、音楽、主演までがチャップリンで、ニューヨークを舞台とする作品ですが、撮影はすべてロンドンのスタジオでおこなわれました。
第二次世界大戦が終結した後、1950年頃からアメリカでは敵対する反ソ、反共思想が強くなり、それまでチャップリンが作ってきた反ファシズムの「独裁者 」や、近代工業をパロディとした「モダン・タイムス」、お金のために人殺しをする社会を皮肉った「殺人狂時代」などが、容共的思想と判断され、チャップリンは赤狩りをする下院非米活動委員会に何度も呼び出され喚問を受けることになります。
そしてついに名作と名高い「ライムライト」を発表した1952年には国外追放令を受け、スイスへ渡り映画の仕事からは身を引くことになります。
最後にアメリカで撮影を行った「ライムライト」以来、5年間を経てイギリスのスタジオで作られたのがこの「ニューヨークの王様」で、アメリカ社会のゆがみを皮肉たっぷりに作られています。
そういう事情もあり、アメリカで上映されたのは1970年代に入ってからといういわくつきの作品です。
内容は、社会主義革命で国を追われた王様(チャップリン)が、アメリカへ亡命してきてからの顛末をユーモアたっぷりに描いたモノクロのトーキー映画です。チャップリンの山高帽にステッキのいつもの格好ではなく、普通のスーツ姿が印象的です。
なんとなく似た設定で、エディ・マーフィー主演の映画に「星の王子ニューヨークへ行く」(1988年)というのがありましたが、こちらは某国からやってきた皇太子が、ニューヨークの素晴らしさをユーモアたっぷりに描いています。
その作品のように単なるエンタテーメントに終わらず、政治的なメッセージが強いのがチャップリン映画の特徴です。
そして「ニューヨークの王様」では、チャップリン自身がアメリカを追放された恨み神髄、アメリカ社会の軽薄さと騒々しさ、政治信条の非寛容さ、マスコミの横暴さ、商業主義を思い切り皮肉って茶化してしまい、それを世界中の笑いものに変えてしまうところがさすがです。
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冒険家三浦雄一郎氏が80才にしてエベレスト登頂成功というニュースがありましたが、その目的のため過酷な環境に耐えられるだけの訓練は想像を絶するものがありました。
こういうニュースは世界でも例のない超高齢化社会を迎える我々日本人にとって、元気な高齢者が頑張っていると誇らしく思う反面、俺もまだまだやれるんだと勘違いをする高齢者が増えてしまいそうで少し心配です。
山の遭難、過去最多=10年で1.5倍 4人に3人中高年・警察庁(時事通信)
2012年に全国の山で遭難した人は2465人おり、前年より261人増えて過去最多となったことが13日、警察庁のまとめで分かった。10年間で1.5倍に増え、40歳以上が4人中3人の割合を占め続けている。 中略 遭難者の内訳は、死者249人、行方不明者35人、負傷者927人、無事救出1254人。総数は10年間で48%増え、20年間では3倍になった。 全体の75%に当たる1837人が40歳以上で、60歳以上に限っても半数近い1227人に上った。中高年の割合は死者・不明者でさらに高く、40歳以上が89%(254人)、60歳以上は68%(194人)だった。 |
山登りは本格的なものでなければ、そうお金もかからず、自然とふれあい足腰を鍛えることができ、特に定年後に時間がある高齢者にとっては最適とも言える余暇でもありスポーツです。
20年前から遭難者が3倍になったというのは、若い頃にワンダーフォーゲル部が流行して、第1次登山ブームを経験してきた団塊世代前後の人達が高齢化し、会社も定年で辞めたことで自由な時間が増え、再び登山に目覚めたと考えられます。
第一次登山ブームが起きたのは、1953年に世界最高峰エベレストの登頂に始めてイギリスの登山隊が成功し、1956年には日本山岳会がマナスル峰に初登頂した頃からジワジワと拡がりだしたと言われています。
さらに1958年には実際に起きた事故を元にした井上靖氏の山岳ミステリー小説「氷壁」が発表され、映画にもなり大ヒットしました。
1947年に東京新聞社より「岳人選定による日本百名山」が刊行され、続いて1964年に深田久弥著「日本百名山」が発刊されました。
当時これらの綺麗な山の写真を目にして感動した子供の中には、いずれは順番に登ってみたいと思った人も多かったでしょう。
第二次登山ブームは、1970年代に入ってからで、団塊世代が大学生~社会人に成り立ての20代の頃でした。ちょうどその頃にはアメリカからアウトドアブームがやってきて、多くの若者がレジャーとしての登山やキャンプを楽しんだ時期です。
スポーツとは言えませんが、浅間山荘事件を起こす赤軍派も、身を隠すためフル装備の登山者として、群馬や長野の険しい山に入り、人の少ない場所で訓練をしながら再起を狙っていました。
そして最近の第三次登山ブームです。
映画では「劔岳 点の記」(2009年)や「岳 -ガク-」(2011年)などもありましたが、なんと言っても「山ガール」の流行や、比較的気軽に挑戦ができる世界遺産にも登録された富士山登山など、初心者が身近な山を目指す環境が整ってきました。
NHKが百名山に目を付け特集を始めたのが1994年からで、さらに1995年には「NHK趣味百科 中高年のための登山学」、1997年からは「趣味悠々 中高年のための登山入門~日本百名山をめざす」、2009年には「山で元気に!田部井淳子の登山入門」などが、中高年、さらには会社を辞め、暇を持て余す元気な高年齢層に第三次登山ブームの火を付けたと言ってもいいでしょう。
登山の装備も第一次、第二次ブームの頃から比べると格段に進歩し、衣類はファッション性にあふれ、保温性、快適性に優れ、軽量コンパクトで中高年者にとっては体力が落ちた分も十分に補えるモノとなってきました。
そして流行に敏感な旅行会社もそのような現象を見逃すはずもなく、ガイド付きのトレッキングツアーや登山ツアーを次々企画して、平日に参加できる高齢者をごっそりと集めて山へ送り出すことに成功しています。
そうした中で、ガイド付きツアーなどで多少の経験を積んだに"わか登山者"が、より自由さを求め、ガイドなしの知った仲間だけで山に入って遭難してしまうという事故が増えても別に驚きません。
年を取ると体力低下だけでなく、登山道の記憶や、天候が変わった時のとっさの判断力も確実に鈍ってきているのですが、本人はまだまだ若いつもりでそれらが自覚できません。
今65歳前後の団塊世代が元気なあいだ、つまりあと10年ぐらいはこの登山ブームが続きそうで、それまでは高齢者の遭難事故が増えていきそうです。
NHKも「中高年のための登山入門 日本百名山をめざす」など、意図してかどうかはさておき、多くの高齢者を山に呼び込び事故を増やした責任を少しは感じて、登山者が多い夏場だけでも報道用ヘリコプターを警戒用や救助用に貸し出すなど貢献してもらいたいものです。
でもそれでコストアップだとか言って聴取料を上げるのはやめてもらいたいです。
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40 翼ふたたび (講談社文庫) 石田 衣良
著者の作品は「エンジェル」「美丘」「REVERSE リバース」に続き4作目です。著者のファンからすると3冊では読んでいないのも同然ですが、私感で言えば、よく言うと「若い人の感性にうまくマッチした作品」、悪く言えば「商業的に若者におもねった作品」が多そうで、50代半ばのオヤジとしては読むのを敬遠していたということもあります。
「40 翼ふたたび」は2006年初出、2009年文庫化された作品ですが、この作品は中高年の入り口の40代にスポットを充てた、従来にはない中年向けの作品のようなので、読んでみることにしました。
内容は短編の連作で、大手広告代理店を辞めた主人公がフリーの広告宣伝マンとなり、銀座ののっぽビルに間借りをして仕事を始めます。最初はホームページの開設から始まり、ブログを書くようになってからボチボチと変わった仕事が舞い込むようになってきます。
サラリーマンからフリーになったあとのもがきや苦しみについて書き込みが不足している気もしますが、短編ですからそう長々と悲哀を書き連ねるわけにもいかないのでしょう。
落ち目になってきたAV女優に頼まれ会社から追い出されてしまい失意の中にいる恋人のIT長者の話し相手をしたり、20年以上引きこもっている40才の男性を親の老夫婦に依頼され外へと連れ出したり、40才までフリーター生活をおくってきて一発奮起して起業した男に広告を依頼されたりします。なんとなくフリーになって様々な変な仕事が舞い込むという意味では三浦しおん著の「まほろ駅前多田便利軒」を彷彿させます。
その他、仕事ではなく、同窓会で出会った友人の離婚問題に関わったり、前職の会社で部下だった女性に頼まれ、不倫にけじめを付けるために新しい恋人と称して不倫相手と会うなど次々と出てくる展開が面白くて飽きさせません。
40才というのは確かに男性にとって大きな岐路がやってくる時でもあり、心ではまだまだ若い、なんでもできるぞと思いながらも、実は社会の中では中途半端な存在で、特に未婚だったり結婚していても子供がいないと、自由ということと引き替えに自分の居場所を見失ってしまうような時期です。
同時に40才ぐらいから体力の衰えを感じる時で、視力も落ち、夜も無理が利かなくなってくる時期でもあります。この小説でも主人公が間借りしている会社で働く同年代のコピーライターが、肺ガンに侵され倒れるなど40代を襲う様々なケースを明るくユーモアを交えながら描かれています。
そして最後には各編で登場した様々な40代が一堂に会するシチュエーションが用意されていて、概ねハッピーエンドで締めくくられます。なかなか軽めながら、時には考えさせられることもある、面白い作品でした。
◇著者別読書感想(石田衣良)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
沈底魚 (講談社文庫) 曽根圭介
同作品は2007年に出版された著者の長編小説デビュー作品で、江戸川乱歩賞を受賞しています。話しは熱帯魚マニアが、、、ではなく、敵対する国へ極秘情報の提供をおこなうスパイ活動を扱った小説で、曽根氏の小説を読むのはこれが最初です。
日本では外国人犯罪やスパイを取り締まるのは警視庁公安部外事課の仕事で、主人公はその中の刑事の1人です。中国に潜っているスパイから日本の有力政治家から情報が中国側に流れているという情報と、証拠を突きつけられ捜査が始まります。
その政治家の秘書が失踪したり、犯行に手を貸した在日中国大使館の館員が亡命を希望したりと、話しは結構複雑でややこしくなってきますが、このスパイの世界というのは二重スパイ、三重スパイという可能性もあり、騙し騙され、裏切りや密告などいったいなにが真実でなにが虚偽なのかわからず人間不信になってきます。
しかし読者は主人公の刑事の目を通してしか情報が得られないので、余計な想像や推理ができず、最終的には意外な展開へと話しが進み、思いもしなかった結末がまっています。いや~長編デビュー作とは思えない素晴らしさです。
欧米のスパイもの小説は数多くありますが、その中でもフレデリック・フォーサイスやイアン・フレミング、ジョン・ル・カレ、レン・デイトン、トム・クランシー、スティーヴン・クーンツなどが有名です。
中でもフォーサイスの「THE DECEIVERシリーズ」や、クランシーの初期の作品などはすべて読みましたがなかなか秀逸でした。もちろんフレミングの「007シリーズ」は派手でエンタメを追求した映画とは違い、真面目で人間臭いスパイ、ジェームス・ボンドを描いた作品でこれもお勧めです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け (講談社文庫)(上)(下) 白石一文
2009年に発刊されたのこの長編小説は、山本周五郎賞を受賞しています。同氏の作品は文庫化されているものはほとんど読んでいますが、今までにない長編で、じっくりと楽しむことができました。
著者の作品タイトルには「僕のなかの壊れていない部分」とか「見えないドアと鶴の空」など少々変わったものがありますが、この作品はその最たるものでしょう。
なにか村上春樹氏を意識しているのかなとも思えますが、それは直木賞作家にとって失礼な感想かもしれません。
しかし小説を読んでいると、意識しているのかどうかはともかく村上春樹氏の香りが漂ってきます。登場人物の名前が日本人なのにすべてカタカナとか、現代の社会の問題をあぶり出し、まるで記事や著者の主張が入ったコラムかと思える箇所がいくつもあります。
例えば、テレビのニュース番組で世界中の貧困層の問題について深刻な顔をして話しているキャスターの年収は5億円ぐらいあって、国内や海外にいくつもの投資マンションを持っていたりします。
また朝日新聞など大手新聞記者の年収は30歳代で軽く1千万円を超えていて、優遇された生活が約束されている人達が、明日をも知れない生活保護受給者や派遣切りにあった人達のことを紙面で代弁できるのか?また年間30億円以上の収入があるイチロー選手や映画一本で数百億円を稼ぐハリウッドスターは、そのお金を使うことができるのか?使えないなら貧困層に回してくれてもいいのではないか?など根源的な社会問題が綴られています。
私も以前読んで大きな衝撃を受けた山本譲司著「累犯障害者」を引いて、人には多かれ少なかれ能力には優劣があり、その優劣を無視して「お前は努力不足」と両断してしまうのは狡い勝者のやり方などについては納得させられます。
個人的には遺伝などによる知能や才能の優劣と、あとは家庭の経済的環境の違い、つまり裕福な環境で育てられ、莫大な遺産(お金だけではなく人脈や血縁など)やを引き継げる人と、劣悪な環境で育てられ、自力で生きていかなければならないのとでは、その後の人生に大きな差が生じてしまうことは誰でも理解していますが、それをなくそうとは誰も言い出しません。
前置きが長くなってしまいましたが、主人公は、東大で学者の道を歩んでいる妻をもつ大手出版社のやり手の週刊誌編集長。まさに夫婦とも超インテリで、世田谷に買ったマンションで暮らす典型的な勝ち組です。
しかしその主人公は結婚後に胃ガンが発見され、手術で胃の半分を切除、現在も薬を飲みつつ元の仕事に戻って働いています。また子供はひとりいますが、もうひとり赤ちゃんの時に手当てが遅れて死亡させてしまったという過去があります。
この業界がそうだというわけではないでしょうが、主人公は女性関係が派手で、次から次へととっかえひっかえです。もう不倫は文化というより不倫は息抜きかレジャーとでも言わんかのようにです。と思っていると奥さんのほうもしっかりと師でもある教授とデキていたりします。
そういうわけで話しは生臭いものとなるかと思いきや、主人公に見えるはずのない死者が見えたり、死んだ子供の声が聞こえたりとオカルト的な話しへと変わってきて、、、とこれ以上は書きません。
決してとんでも物語というわけではなく、生きているといろんなことが起きるなということや、ひとつの事象を巡って社会ではこういう物事のとらえ方をする人もいるんだなとか、あと時事にまつわる話しも多く登場し、これが10年、20年経ったあとに読むとまた違った感想を持つのかも知れませんが、ちょっと肩肘張って張り切りすぎた白石一文を堪能することができます。
この本は表紙の帯に「書き下ろし」と大きく書いてありましたが、それをみて昨年著者がTwitterに書いたことが大きな話題となったことを思い出しました。
『一年かけて500枚(×400字)の長編小説を書き、晴れて出版。定価1500円で初版部数は5000部。作家の収入は一割(税込み)なので75万円。手取りだと67万5千円。それが年収。
ということは月収にすれば56250円。皆さんが図書館を利用すると良心的な作家ほど行き詰まる。』
『だから、せめて「書き下ろし」と銘打たれた本だけでも書店で買ってほしい。書き下ろしの場合、本の印税以外の原稿料は一銭もない。雑誌に連載されたものは掲載時に原稿料を受け取っているのですが、それがない書き下ろしは本の売れ行きがすべて。一年かけて月収6万円ではさすがにやれない。』
事情などまったく知らない私にはこういった作家さんの悲痛な声は頭にズシンと響きました。でも、ごめんなさい、4年前に出版されたこの本は、著者には1円も入らないブックオフで買ってしまいました。次の新刊(文庫ですが)はちゃんと本屋で買いますので許してください。
◇著者別読書感想(白石一文)
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729
そろそろ夏休みも近くなってきて、子供達も学校も普通の授業から、午前中だけの軽めのものへと変わってくる時期ではないでしょうか?それとも週休二日制の今は、夏休みギリギリまで普通の授業が目一杯おこなわれているものなのか、よく知りません。
そんなわけでもありませんが、ずっと昔から、いつかは自分がそれに関わることができればいいなぁと夢のような想像を繰り返し考えてきた壮大な計画というか夢が二つあります。恥ずかしながら、ちょっとそれを披露しておきたいと思います。
まずひとつめは、一部ではすでに実現に向かっていると聞きますが、端的に言えば砂漠を農地や食料工場などに変える夢です。現在地球の陸地のうち1/4が砂漠と言われています。面積にすると36億ヘクタール、日本の国土のおよそ100倍近い面積です。
小学生の頃の授業で「アフリカには大きな砂漠があってそこには木や草もなく人も住めない」、一方では「アフリカでは今もまだ満足に食事ができない地域があり、飢え死にする人も多い」というのを教わりました。
このことがずっと頭に残っていたところにアーサー・C・クラークのSF小説「グランド・バンクスの幻影 」で、タイタニック号を引き上げるために船の周囲をまるごと氷付けにして浮かび上がらせるというのがありました。
ロシアの原子力潜水艦を使い、大量の電気で海中で氷を作る話しが登場し「これだ!」とひらめいたわけです。つまり「現役を引退した原子力潜水艦の平和的な使い方」と「電気で海水を真水に変えて砂漠にまく」が結びつきました。
まずは砂漠の海岸線で安全に原子力潜水艦を固定できる場所を建設し、原子力潜水艦で作った電気(水を沸騰させてタービンを回して発電)を陸地に建設した海水を真水に変える工場へと送り込みます。原潜の原子炉で得られる電気は、本来推進力や酸素を作るために回す分も含めすべて発電に使います。
あるいは途中の発電をすっ飛ばして、原子炉で海水を湧かしてその蒸気だけを取り出す装置を作り、とにかく真水を大量に作ります。
建設したフーバーダムの電力と水源を得たことにより出来上がった砂漠の中の街ラスベガスと同じように、電気と真水により人が生活でき、植物が育つ土地へと変えていくのです。
もちろんアフリカの場合、カジノなどエンタテーメントのためではなく、食料を自給するための主食や野菜を栽培する工場を設置するために電力や水を使います。
なぜ発電のために原子力潜水艦?と言えば、産業やインフラ基盤がない地域に新たに発電所を作るのはヒトモノカネの投資だけでも莫大です。
しかし廃船と廃炉に巨額のコストがかかる現役を引退した時代遅れの原子力潜水艦なら、武装や電子機器等は取り除き格安で譲り受けることが可能です。
しかも必要なのは原子炉と電気を作るタービンもしくは蒸留装置だけですので、潜水艦としての機能、つまり航行のための装備や水圧に耐える構造に寿命がきていても関係なく、原子炉とタービンの保守だけで済みます。
ちなみに現在ではロシアやフランスにおいて浮体原子力発電所や水中原子力発電などの計画が進められていますが、もちろんそれを利用することも可能ですが、果たしてそれが経済的に貧しい国で利用できるかどうかということでしょう。
原潜の小型原子炉とは言えそこは原子力です。本来海中を数十ノットで動き回る推進力に回していた電気や熱量を、24時間真水を作るためだけに使えば、それは面白いように豊富で安い水を作ることができるでしょう。
そこで作られた水と電気は砂漠に張り巡らせたパイプラインを使って何キロも先まで自由に使える水として国が提供するのです。
さらにはこの仕組みを最初に考えた10数年前にはまだほとんど実用化がされていなかった太陽光パネルでの大規模発電装置メガソーラーも、砂漠なら高効率に運用が可能です。
当面は土が不要の水耕栽培の野菜工場を造り、その屋根には太陽光発電パネルを設置することで、工場で利用する電気は相当部分それで間に合うでしょう。
3日に一度雨が降る日本でソーラーパネルを設置するのは地球規模で考えるとまったくの非効率なことで、それこそ砂漠地域にこそ有効に機能する発電方法ではないでしょうか。
とにかく砂漠に真水と電気を無料か格安で提供できれば、今まで無価値だった土地は広大にありますので、大規模な食料生産ビジネスが可能となります。
十年ぐらい前からオランダで成功を収めているITを取り入れた巨大な野菜工場など、アフリカの砂漠でおこなうにはもってこいのシステムではないでしょうか。
このパッケージがうまくいけば世界中にある砂漠や痩せた大地など食料生産が無理と思われた無価値な土地の有効活用が進みます。
それは子供の頃から気になっていた「地球の砂漠化」と「食糧危機」のふたつが同時に解決でき、やってみる価値があるのではないかと暖めていることです。
それをするためには日本の総合商社がまずロシアやアメリカの中古原潜を手に入れるところからスタートですので、総合商社の方々にはぜひ頑張ってもらいたいものです。
私は大学卒業の就職時に、そういう夢もあり第一志望として総合商社を目指しましたが、まるで歯が立たずに撃沈しました。
二つめの夢は、ロケットの打ち上げをより簡単に、安全に、低コストでおこなうという夢です。
子供といっても高校生ぐらいになってから考え始めましたが、ロケットにしても飛行機にしても地上から飛び上がる時に最大のエネルギーが必要なのは誰でも知っていることです。
アメリカの戦闘機が重武装して飛ぶ場合には、一旦離陸をしたあとすぐに空中給油して燃料補給をおこなうというシステムが普通にあるぐらい離陸時には大量の燃料を消費します(重武装での離陸時は軽くするため燃料を少なめに入れているせいでもありますが)。
ロケットの場合、スペースシャトル計画では、スペースシャトル本体を繰り返し使うことで、コストを削減するという理由の他、打ち上げ時の推進ロケット部分を簡素化し、コストダウンする目的もあったと記憶しています。
つまりロケットにしても飛行機にしても打ち上げ時や離陸時の負担が少なければ少ないほど、本体の軽量化や打ち上げのコスト削減につながり、さらに先日もロシアでロケットの打ち上げに失敗し、爆発事故が起きましたが、もっとも事故が多いと言われる打ち上げ時や離陸時の事故も減らすことが可能となります。
ところでロケットが打ち上げられる時の速度はどのぐらいでしょう?
スペースシャトルの場合、初速は当然0で、打ち上げから約2分(ブースター切り離し)でおよそ高度45kmに達し、その時の速度は4,800km/hに達するそうです。
そこまでの平均時速1,350km/hということになります。大ざっぱに言えばそれが重力の影響がもっとも大きな地上から大気圏外へ送り出すに必要な速度だと言えます。
そこで考えたのは、富士山なら標高3700m、世界にはその倍以上の高さの山があり、それをロケットの打ち上げ台に利用するのです。
まず、その山の稜線に沿って日本が誇る超電導磁気浮上式リニアモーターカーのロケット発射用台車の軌道を作ります。
リニアモーターカーの最高時速はおよそ800km/hと言われています。営業速度ではなく理論上、安全に停止できることを考慮した上で現実的な数値としてです。技術がもっと進めば将来的には1000km/hも可能かもしれません。
そのリニアモーターカーの台車にロケット本体を乗せて一気に山の頂上へ向かい、時速800km/hまで加速し、同時にロケットのメインエンジンにも点火をして一気に飛び立ちます。航空母艦のカタパルトから戦闘機や爆撃機が飛び立つイメージです。
高度3700m(富士山の山頂付近)だとすでに空気も多少は薄くなっていて、海抜数十メートルの地上にある従来の打ち上げ台より空気抵抗も少なく、しかも台車で運ばれるため初速も0ではなく時速800kmからの打ち上げですから、ロケット本体やブースターに積む燃料は相当減らすことができます。
また打ち上げの台車は繰り返し何度でも利用可能ですので、打ち上げコストも格段に安く抑えられます。
さらにその気があれば、普段は、航空機の発射場(離陸)としても使えます。こちらも航空機燃料が相当抑えられますので、打ち上げ場近くに、飛行場や整備工場などを誘致することも可能でしょう。民間旅客機は厳しいとしても、自衛隊機の訓練やスクランブル発進などにも最適です。
今この話をすると「世界遺産の富士山になんてなんて非礼な!」と怒られそうですが、別に富士山でなくても3000メートル級の山であればそれを実現できる可能性はあると考えています。
これからは世界中で宇宙ビジネス競争です。このロケット発射システムがうまくいけば、インドやヨーロッパの高い山を持つ国々には、商用や軍事用衛星用ロケットの「リニアモーター打ち上げ台セット」として、オペレーションセンター込みで世界中に輸出することができます(武器輸出三原則は考慮せず)。
いつ大きな事故が起きて地球規模で責任を問われるかも知れない不完全な原発をあちこちへ輸出するよりずっといいと思いませんか?
また地下鉄や上下水道インフラの輸出と違い、中国や韓国と安値で競争する必要もなく、日本独自のアイデアと最新技術をこちらの言い値で世界に売り込めるチャンスだと思うのです。
誰かこのアイデアを実現してくれませんかね?リニア技術を持つJR東海や、宇宙ビジネスに力を入れている総合商社とか、JAXAさん、オールジャパンでどうでしょう。
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