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755
通勤電車の中でも最近スマホやタブレットで新聞や書籍を熱心に読んでいる人が増えてきました。

数年前までは、スマホや携帯では、せいぜいツイッターやメール、ゲームをやっている人ばかりだったのですが、電子書籍や新聞の電子版が普及してきてその利用者が増えてきています。

私自身はと言うと、旧世代側の人間なので、未だに電子書籍や新聞の電子版には縁遠く、新聞も書籍も「紙でないと嫌だ」派ですが、新聞、雑誌、小説、漫画はもちろんのこと、各種ペーパー類の電子化ブームにのっかって、そのうちトイレットペーパーまでもが電子化されそうな勢いです(なわけない)。

先日ブックオフで柳田国男の「遠野物語」(集英社)を買って読みましたが、この作品のように著作権が切れている書籍は、ネットで探してみるとテキストデータやPDF化された電子書籍が無料で提供されていることがあります。

その代表的なものはインターネット上にある無料の電子書籍を集めた「青空文庫」で、知っている人も多いでしょう。

この「青空文庫」をボランティアで推進してきた富田倫生氏が今年8月に亡くなりましたが、その遺志はきっと引き継がれていくことでしょう。私も数年後無事にリタイアができれば、そういった作業のボランティアに参加したいと思っています。

一般的に小説などの著作物の期限は日本国内では「著作者の死後50年まで」とされていますので、概ね太平洋戦争以前に書かれた作品は、すでに著者が亡くなってから50年以上が経っているケースが多く、今後も相当数の作品が著作権切れとなってきています。

そのような著作権が切れた古い作品は、一部の名作以外は数が出ないため出版社としてはビジネスとして成り立ちにくく、再版をしてくれません。

したがって古書を探して手に入れるか、それとも現状では「青空文庫」のようなボランティアの手による電子書籍を手に入れるかしかありません。

電子書籍の場合、紙の書籍と比べ、印刷して流通・販売するための経費はかからず、大幅に安く済みますから、このような新たに発行されない、あるいは埋もれてしまった書籍を再び世に出すには大いに向いています。

著作権切れではない書籍でも、著者や権利者の了解を取ることができれば、再版するよりは経費がずっと安く上がりますので、リスクも少なくビジネスとしても成り立ちます。

しかし過去の書籍だけの需要では電子書籍の普及は進みません。

やはり最新の情報(ニュース)や、話題作、新作などが紙の本や新聞と同様かそれ以上の早さで読めることが電子書籍の最大のアピールポイントでなければなりません。

そのためには、過去ずっと慣れ親しんだ新聞や書籍の慣れという普及への障害があり、子供の頃からファミコンや携帯電話等で液晶ディスプレーに親しみ抵抗感のない今の40歳以下の人達は問題ないとしても、その年代より上の人達には、今のままでは普及が進まないでしょう。

中高年以上になると視力が弱り、小さな画面のスマホなどでは見づらいという問題も合わせてあります。

先日NHKを見ていると、「高齢者は重い本を買いに出掛けるのもつらく、その点タブレットで読む電子書籍ならネットで購入でき、しかも文字を自分の好みの大きさに拡大して読めるので、電子書籍こそ高齢者向きだ」みたいな話題が出ていました。

その使い方や設定、わからないときにすぐに教えてくれる友人や家族などが周囲にいればそれもアリでしょうけど、年とともに保守的で頑固で偏屈になっていく高齢者が、自ら新しいことにチャレンジしたり、気軽に人に教えを請うたりすることをするかな?と、まだ私はその普及に半信半疑です。

それに価格も紙の書籍と比べてあまり安くない、ほとんど同じという点で年金生活者の高齢者にとってあえて変える意味がないということもあります。

ただし大量消費する紙の原料となる木材、つまり資源・環境問題の観点や、書籍などの印刷、製本、輸送などの大きなコストを考えると、やがては電子書籍や新聞の電子版が今後の常識となるのは必然でしょう。

現在のところ国内の新聞や書籍に関しては著作権法と再販制度に守られて、他の業界とは違い価格競争や外国企業との競争にさらされていませんので、新聞社や出版社は危機感も薄くそれにあぐらをかいてしまっているところです。

携帯からスマホへ切り替わり、iPadなどのタブレット型端末などが一斉に発売され、電子書籍元年と言われたのは2010年で、それからすでに3年が経っていますが、その時から大きく進んだとは少なくとも私の周りでは思えません。

IT関連サービスの普及のスピードとして、電子メール、SNSやゲーム、通販、地図・ナビゲーションなどと比べると、電子書籍の普及速度は極めてゆっくりで遅いと言わざるを得ません。まだブームが爆発しそうな予兆が見えてきたという雰囲気もありません。

私はあと10年間ぐらいは今まで通り紙の書籍や媒体が電子版よりも優先され、電子化はその後という予測をしていますが、いずれは電子化の波は避けられず、しかもそれが一気にやってくる可能性があります。

すでに極めて少数ですが一部では電子版が先にリリースされ、その後に紙の書籍が売られるケースや、電子版で先行発売し、そこで好評を得たものが、紙でも発刊するという新しい流れが始まっています。

紙か電子かという対立軸だけではなく、新聞社や出版社がとる戦略、紙と電子とを組み合わせて販売という、変革時によく現れるハイブリッドを取り入れた優柔不断モデルもそこそこヒットしています。自動車でも一気にEVが普及するのではなく、まずはハイブリッドが主流でしょ。

それに関連して革命児でもあるAmazonがまた新たなことをやってきました。

Amazon、紙版書籍購入者に対して無料(ないし安価)での電子本提供プログラムを開始予定(livedoor NEWS)
Amazonで紙の書籍を購入した利用者に対し、その本のデジタル版を無料ないし2ドル99セントの価格で提供するというものだ。価格は書籍によって決まることになる。本プログラムの対象となるのは、Amazonが書籍販売を開始した1995年から、これまでに購入した本ということなのだそうだ。

まずアメリカで始まったサービスですが、Amazonで書籍を購入すれば(過去に購入したものも含め)、電子版が無料か2~3百円で追加購入できるというものです。さすがにうまいやり方です。

紙の書籍購入者にしてみれば、とりあえず電子版は不要だけど、もし欲しくなったときに無料(安価)で電子版が購入できるなら、他の書店や通販会社ではなくAmazonで買おうと考えます。

電子版の書籍が欲しい人も、同時に紙の書籍が無料(安価)で手にはいるなら、それを読むかどうかは別として、あっても困らないという人はそのサービスを優先的に利用するでしょう。手間を惜しまなければ紙の本はすぐに古書店で売ってしまってもいいわけですから。

著作権者からすると、紙でも電子でも買ってもらえれば、その購入者からの印税は入ってくるので、紙と電子の両方だから印税も倍額欲しいとはならないでしょう。紙と電子と関係なく、作品が話題となって多くの人に買って読んでもらうことが著作者にとっては一番いいはずです。

これを新聞に当てはめると、自宅で朝日新聞(Paper)をとっていたら、その新聞電子版が無料でついてくるみたいな感覚です。これって新聞(Paper)購読者にとっては得した気分になれて嬉しいものです。

しかし実際には朝日も日経も紙の新聞とは別に電子版を読みたければ別料金(朝日も日経も+1000円)がとられます。そんなケチくさいことをやっていたら、10年先、20年先に電子書籍大ブレークが起きたとき、紙の読者からは逃げられ、しかも電子版読者は少数というじり貧状態に陥ります。

近い将来のことを考えて、今こそ電子版で紙の読者の囲い込みをするべきでしょう。

他の新聞では読売新聞が+157円/月と極めて安価な設定、産経新聞は購読している否か関係なく420円/月、毎日新聞は現在のところアプリを入れると無料で見ることができます。こうしてみると日経や朝日がどれだけ高飛車かというのがわかります。

考えてみてください。紙の新聞の場合だと、購入者の分だけ印刷や輸送、配送の手間と経費がかかります。しかし電子版は一度それを作れば読者が1千万人でも2千万人でもかかる経費はほとんど変わりません(配信サーバの増強ぐらい)。

それならば従来からの新聞紙購読者には無料で電子版も提供することで、より多くの人に広告も見てもらい、自社メディアのファンを数多く作ることに集中すべきでしょう。もちろん電子版だけを購入したいという人にはそれなりのチャージをすればいいのです。

いずれにしても書籍にしろ新聞にしろ、現在のところ両方でそれぞれ儲けなければダメという頭の固い経営判断がされる場合が多いですが、Amazonが考えているように、やがて紙の書籍や新聞が大きく傾くとき(個人的には十数年後と思われる)、いかに自社サービスのファン(登録会員)を抱え込んでいるかが勝負の分かれ目となります。

書籍の場合は多くの出版社がありますので、メディアの代わりに取次や販売店(Amazonや紀伊国屋書店のような)がその役割を果たすことになるのでしょう。

まとめると電子書籍を普及させ、さらに本格的に電子書籍の時代が到来した時に勝者となるためには、それが電子版だけでなく、従来の紙版とセットで紙版の価格にぶっ込んで販売する。今はこれに尽きると思うのです。

そうすれば私のような「絶対紙派」の人にも、「せっかく電子版がついてくるなら試しにちょっと見てみよう」となり、そういうところから順々に慣らしていき、やがて時が来たら電子版がいろいろ便利だと気づかせていけばいいのです。

そしてタイミングを見て「電子版だけなら紙よりも安くなりますよ」という流れに持っていき、決定打として専用の電子タブレットを新聞社が無料で配布するのです。その専用タブレットでは、新聞以外にも書籍や雑誌、そして食料品や家電といった商品までが簡単に購入でき、それらが新聞社の収益の柱となっていきます。

それがうまくいった新聞社の売上高自体は減るかも知れませんが、その代わり利益は大きく伸びるでしょう。今の時代、企業が売上規模を誇るのは愚の骨頂で、健全な利益が毎年伸びているかが一番重要なのです。

電子書籍ではありませんが、つい先日ネット通販のyahoo!ショッピングが、大きく引き離されたライバルの楽天に対抗するためか、出店料や販売ロイヤリティを廃止し、出店者の数を増やすことで、より商品数を増やし、来場者を増やしていくという作戦に大転換を計りました。

その成否はおそらく2~3年後には出ると思われますが、リスクを恐れて従来からのやり方を踏襲していては、やがてじり貧になってしまうのがこの世界です。


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754
7年後に東京でオリンピックが開催されるということは、オリンピックとパラリンピックが終了するまでのあいだ、いままでになく多くの外国人が日本を訪れることになります。

それは選手やコーチだけでなく、多くの大会及び競技の関係者、報道陣、通訳、観光客などで、同時にビジネス的に選手を支援するスポーツ用品メーカー、食品関連、IOC公式スポンサー、今後の誘致を目指す都市や代理店の視察などなど。

また新設したり修繕が必要なオリンピック関連施設や老朽化が目立つインフラなどについても、閉鎖的で遅れていると言われている日本の様々な公共事業の入札に、この開かれたイベントを機会として海外企業が新たに参入してくる可能性が高まるでしょう。

すでに開会式などのメイン会場となる国立霞ヶ丘陸上競技場の立て替えに、イラク生まれの建築家ザハ・ハディッド氏のデザインが見事に最優秀賞を収めましたが、今後はデザインのみならず、工事や建設、設備機器などにおいても、外国資本の企業が入ってくることが想定されます。

それをヨシとしない国内ゼネコンや国交省の抵抗もあるでしょうけど、もう時代は変わってきています。

一方では、日本を訪れる外国人の多くが、日本で独自に進化してきたモノやサービスを体感し、それらが今後外国でも使われ、流行する可能性が十分あります。これが日本企業にとっては一番大きな狙い目ではないでしょうか。

例えば、シャワートイレは日本が世界を完全にリードしていますが、これはカタログなどを見て話を聞くのと、実際に自分が何度か使ってみるのとではその感想は180度変わってきます。数回使ってみるともうこれなしではいられなくなるのがシャワートイレです。

すでに外国のお金持ちの家では普及が始まっていますが、オリンピックやその前の商談などで長期に日本に滞在する普通の外国人にもそのメリットを実感してもらうことで、一気に海外への普及が進むかも知れません。

そのためには公共施設の中だけでなく、街のいたるところにある公衆トイレもすべてシャワートイレに改修しPRするべきでしょう。なにも税金を使わなくても世界に向けてPRしたいというメーカーに協力させればいいのです。

小さなものですが、カッパ橋商店街に並ぶレストランなどの料理見本の蝋細工は、その精巧さとアイデアは簡単に他国に真似できるものではありません。

外国人が料理の内容がわからなくても、それがどういうものかが一目でわかる料理見本は、旅行客が多い場所の外国のレストランでも差別化につながり、ブレークする可能性を秘めています。近い将来は手作りから3Dプリンターに取って代わられるかもしれませんが。

同様にiPadのようなタブレット型端末で料理の写真や説明(各国語対応)を見て、そのタブレットから料理が注文できるシステムはすでに日本の一部のレストランで導入が始まっていますが、これはその国の言葉が話せず、うまく注文できない観光客や、障害のため発声や発音がうまくできない人にとって優しいシステムです。

また注文を聞きに回るウエイター・ウエイトレスも減らせるなど、レストランのメニューがすべて電子タブレットになると、その応用は様々に拡がっていきます。

主に先進国向けですが、日本のコインパーキングに仕組みはすぐにでも海外に持っていけそうです。都市部に残る小さな空き地を無駄にせず、簡単に有料駐車場が設置ができる仕組みはどの国においても便利です。

ただ日本と違って治安が悪い場所では、無人の精算機で現金を収集する仕組みは考慮する必要があるでしょう。

すでにインドなどへの輸出がされていますが、ICカードを利用した地下鉄の駅の改札システムも、交通インフラと一緒に発展途上国へ売り込むチャンスです。

オリンピック期間中、来日した外国人には全員1000円分のパスモカードを進呈するぐらいの大判振る舞いを国と企業が協力しておこなっても、今後それらのPR効果が効いてインフラとシステムが輸出につながればすぐに回収ができそうです。

その他では、JR東海はこのせっかくの機会を利用しようと、リニア新幹線の建設工事を前倒しで急ぎ、世界遺産となった富士山観光を外国人にしてもらうため、東京-山梨間だけでも2020年初頭開通を目指すという噂があります(無理だと社長と国交省が表明しています)し、いい悪いかははともかく、お台場に日本初のカジノを作ろうという機運も高まっているそうです。

確かにディズニーランドなど昼間に遊べる子供向けのレジャー施設は充実していても、大人向けのレジャーと言えばパチンコと居酒屋ぐらいしかなく、しかも夜中に遊べるところはなにもなく、立ち後れていると言われていますね。

よく「オリンピックバブルが終わったあとは廃墟のようになる」と「宴のあと」を心配する声もありますが、それはオリンピックを国威発揚に利用したり、市場を閉鎖し内需ばかりに投資をすることから起こりえることです。

上記のようにオリンピック開催に合わせ、東京や観光地を様々な日本発の壮大な実験場として作り上げ、オリンピック期間中に合わせ、一般の旅行客向けに最先端の医療設備を使った人間ドックや精密検査、B級グルメ、ラーメン博、アニメ・コミックショーなど数多くの見本市なども催し、それを世界中のメディアにも紹介してもらうことで、日本の医療、製品、サービス、システムを世界中に広めることができるのです。

例えば、日本人にはあまり人気がない競技があるとして、しかしその競技に参加している強豪国というのは必ず複数あるわけです。そしてその国と取引をしたい日本企業が、その競技のスポンサーや参加国の支援を買って出て、試合の入場券を優先的に確保し、その国の有力者や取引相手を商談を兼ねてオリンピックに招待するということだって可能でしょう。公務員相手の賄賂はいけませんが、企業同士なら問題はないはずです。

いずれにしても、従来の日本の特徴だった「クルマや家電を大量に安く作って世界中で売る」という仕組みはすでに破綻していますが、まだまだ日本独自のシステムや日本で改良されて進化した素晴らしい仕組みや商品など世界に誇れるものはたくさんあり、それらを世界中に売り込むチャンスが大いに高まりビジネスが活性化されることについては、オリンピック開催に反対する人も文句は付けられないのではないでしょうか。


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753
今住んでいる自宅は、ちょうどバブルが崩壊し土地神話が崩れて値段が急落していた1992年(平成4年)8月に購入した建売りの一戸建て住宅です。売れ残りに近く、当初の価格から大きく値が下がっていたものを思わず飛びついて買いました。

今から考えると、なにも焦らなくてもその後20年間は下がったり横ばいが続きましたので、じっくり見てから買っても同じだったようなものですが、なにかにつけ勢いというかタイミングというのがあり、結局は重い住宅ローンを抱え込むことになりました。

ただその後3人目の子供ができ、それまで住んでいたマンションよりはずっと広めの一戸建てで結果オーライとも言えます。

その後転職を経験し、その会社が左前になってリストラ解雇、約半年後に再就職と波乱の人生が待っていて、当初借りたときは25年ローンだったので本当ならあと4年で借金返済が終わるところ、銀行と交渉して、月々の支払額を減らすため、支払期間を30年に伸ばしたため、まだあと9年も支払い続けなければなりません。

その当時新築だった我が家もすでに21年が過ぎました。鉄筋のマンションでも20年経つと外壁塗装や共有部の床の張り替え、コンクリートのひび割れの修繕などがおこなわれるのが普通です。

まして木造の安普請住宅など20年も経つと、あちこち手を入れなければ傷み放題です。使い方や普段からのメンテナンスが悪いと言われるとその通りなのですが。

さらに建売住宅の欠点は、注文住宅やメーカーのプレハブ住宅とは違い、見えないところに使われている木の材質や、耐久性、サイズ、広さなどが、一般的な基準でなかったり、今で言うところのユニバーサルデザイン化がされていなかったりと、安いだけのことはあります。

 過去には屋根と壁の塗装(築10年目)、キッチンの壁補修(築13年目)、洗面台の交換(築19年)などをおこなってきましたが、とうとう同じく水回りで傷みやすい浴室のリフォームが必要となってきました。

家の北側にある浴室は、従来工法のタイル張り&ステンレス浴槽で、冬は激寒のうえ、タイルの目地のカビ汚れもひどく、カビキラーで洗っても磨いてもすぐに真っ黒、また浴槽とタイルのあいだに隙間ができてしまい、おそらくそこから床下に水が漏れている気配です。こうなると基礎や柱などの木材が湿気で腐る前に早めに手を打たなければ、大ごとになってしまいます。

そこでまずは自分で浴室のサイズを計ってみて、TOTOなどユニットバスメーカーの商品寸法図と比べてみると、奥行きはともかく幅が一戸建て用の最少のサイズ(1216サイズ)のユニットバスですら、収まりきらないのでは?という疑問が出てきました。

もちろんもっと小さな、いわゆるマンションタイプのユニットバスなら入るのですが、せっかくの一戸建てに、マンションタイプの小さな浴槽では、トホホです。

ちなみに1216サイズとは幅1200mm×奥行き1600mmタイプのユニットバスという意味で、内寸でこれだけあるということは設置するためにはそれからさらに20~30mmの余裕が必要となります。

浴室の幅を拡げるためにタイル張りのタイルを全部はがして拡げたとしても、ユニットバスの据え付け必要寸法にあと数センチ足りなそうな感じです。そういうことを理解した上で、新聞チラシに入っていたリフォーム会社やネットで調べた近所のリフォーム業者さんへ連絡をとってみました。

結局、見積を依頼したのは、6社(チラシ広告業者2社、ネット検索で探した近所の業者3社、ユニットバスメーカーからリンクされていた近所の業者1社)に、上記のことなど話しをしてみたところ、すべて自宅へ見に来て現地調査をしてからとの回答でした。

まず1216サイズのユニットバスが入るかどうかの判断ですが、1216サイズでもメーカーによって多少の違いはあり、特にINAXの場合はS1216というやや狭い1216サイズ、タカラスタンダードは四方の柱をうまく回避してより大きいユニットバスが入るタイプなどがあります。

その中でINAXのS1216サイズの製品にターゲットを絞り、6社に聞いてみたところ、3社は「なんとか入る」、残り3社は「入らない」とまっぷたつに分かれました。微妙ですねぇ、、、

「入らない」と自信をもって言った業者さんの中には「基礎を削らないとムリ。削ると大きな地震で耐えられなくなるのでできない」とか、「無理して入れると柱など構造体とユニットバスが干渉(接触)して揺れた時にユニットバスが壊れるおそれがある」そして、「悪質な業者によっては契約を取るために安請け合いしておき、工事を始めてもう後戻りができない状態で入らないので高くつく代案をと言ってくる可能性がある」とアドバイスというか脅し?のようなことまで言われました。

「入らない」という業者さんは結局現在の浴槽とほぼ同じ大きさのマンションタイプの小さなユニットバスを勧められました。経験豊富そうな方にそう言われると1216サイズはあきらめるしかないのかなぁという気持ちになります。

一方「入る」と回答した業者さんは、「ちょっと楽観的過ぎやしないか?」と思う面と、「数多くの施工実績を持つベテランが言ってるのでなんとか工夫してやってくれるだろう」と信じたい気持ちが、心の中で争っている状態です。

希望サイズのユニットバスが入るかどうかという最大の問題以外で、いろんなリフォーム業者さんと話しをしていてわかったのは、いまは住宅のリフォームをするのにあまりいい時期ではないということです。

東北大震災の復興工事のためユニットバスなどを含む建築資材が不足しているというのもありますが、来年4月からの消費税増税が決定したため、リフォーム会社には消費税が上がる前にリフォームをおこなおうと見積の依頼と発注が激増しているそうで、そのためどこも売手市場の強気の営業です。

つまり想像も含みますが、リフォーム会社では「手っ取り早く、素人同然の職人でも簡単にポン付けできて、しかも高額な製品を買ってくれる客を優先」的な感じ。職人さんが不足しているというのは先日新聞でも報じられていました。

東北で建設工事の競争入札をしても、「その予定価格では職人が集められない」ということで応札が一件もない異常事態がしばしば起きているとか。

確かに1980年代の住宅建築ブームから30年以上が経過し、多くの団塊世代が購入したマイホームのリフォーム時期を迎えています。段差をなくしたりする高齢者対応、介護対応のリフォームもブームとなっています。

そして同時に住宅建設ブームの時に活躍した腕のいい経験豊富な職人気質の大工さんなど職人さん達が高齢のため続々とリタイアしています。

そのような状況の中、我が家の場合は、「基準に満たない狭い場所に、規格製品のユニットバスを押し込むため工夫と技術が必要で、しかも思いっきり値切られる」的な依頼なので、次々に依頼が舞い込んでくるリフォーム会社にとっては、積極的にはやりたくない客だろうと思います。

道理で、現地調査に来たあと、見積書が出てくるまで3週間近くかかったり、基準の1216サイズが入らない理由ばかりをくどくどと熱心に説いて、代案のひとつも考えてくれないやる気のない業者もありました。

しかしなんとか年内には工事をしてと思っていますが、さてどうなりますやら、、、(決まればまた続報を書きます)



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752
脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書) 林成之

著者の林氏は、危篤患者に対する救命療法である脳低温療法を開発するなど、脳医学のスペシャリストで、東大学閥とは距離を置いて独自の研究と理論を展開している現場主義のお医者さんです。

脳を活性化させるには、いろんな人が様々な理論や方法を主張し、自分の主張こそが正しいというでしょうから、我々はそれら数多くの話しをフンフンと聞いたり実践するしかなく、いったいなにが本当のことなのかは神のみぞ知るってところです。

実際のところ脳の仕組みや役割、連携の仕組みなどまだわかっていないことが多く、この2009年に発刊された新書もひとつの考え方ということで、読むのがいいでしょう。

脳科学が今よりは進むはずの100年後に、現代の脳科学(脳に限らず科学全般)は未来人にどう映るのか見てみたい気がします。幕末の頃に登場した写真機に魂が吸い取られてしまうと噂が広まったり、笑い話になっていることも多々あるような気がします。

内容は、7つの悪い習慣をなくしていくことで、脳の働きをよくしていきましょうと単純明快です。

「脳に悪い習慣」とは?」
 1)「興味がない」と物事を避けることが多い
 2)「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
 3)言われたことをコツコツやる
 4)常に効率を考えている
 5)やりたくないのに、我慢して勉強する
 6)スポーツや絵などの趣味がない
 7)めったに人をほめない

私に当てはめると2)と6)以外はすべて上記に当てはまる悪い習慣を実践しています。だから記憶力が悪く、頭の回転もよくないのでしょう。えらく納得ができます。せめて40年前にこの本と出会っていれば、もう少し違った人生を歩んでいたかも知れません。それが今より素晴らしいものであったかどうかは別としてですが、、、

ものは試しに、子供によく読ませてみようかと思っています。親の遺伝の壁を果たして破れるか興味あるところです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

コンダクター (角川文庫) 神永学

著者の作品は今回初めて読みますが、1974年生まれと言うから39歳、2004年にデビューした、この世界では若手の作家さんです。

「心霊探偵八雲シリーズ」や「天命探偵真田省吾シリーズ」など探偵ものがお得意と見えますが、今回読んだ作品はそれらとは一線を画し、タイトル通り音楽の世界を舞台としたミステリー仕立ての作品となっています。

またこの作品を原作とした野奇夜氏作のコミックも評判をとっていますが、それだけコミックに向いた奇想天外な内容とも言えるかも知れません。

この本に登場する最初は脇役と思った登場人物が、最後には主役となっていて、他の小説にもこの人物が登場してくるものがあるそうです。詳しくは書きませんが。

ストーリーは音楽学校で同期だった男女が一堂に会し、演劇のバックオーケストラを担当することになります。コンダクターと言うべき指揮者は、同期の中でも優秀な男性で、国費でドイツ留学をしていたところ、途中で日本へ帰ってきた男性です。

その男性とピアノをひく男性の間には女性を巡る争いが過去にあり、それが今回の再び再燃することになります。なにかドロドロした気配を感じながら読み進めていくと、いろいろなところに張られた伏線が、一気に表に出てきます。

なかなかのトリック使いだとは思いますが、細かなところではかなり無理がありそうです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫) 米原万里

過去に主に書評集などを読んだ著者の作品が目に留まったので買ってきました。以前に書きましたが、この方はロシア語の同時通訳として、そしてエッセイストや作家としても名を馳せていましたが、2006年にガンのため56歳で亡くなりました。この作品は2003年に文庫として発刊されたものです。

2011年に読んだ「打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)」の感想

中学時代までチェコに在住し、当時のチェコではもっともまともと言われていたソ連人向けのインターナショナルスクールへ通いロシア語をマスターし、同時に日本人としてのアイデンティティを失うまいと、日本から書籍を取り寄せ、片っ端から読みふけっていたことで幅広い知識が増え、首脳会議や国際会議などの同時通訳などをこなすまでになります。

通訳というのは翻訳家とは違い、通訳中にわからない言葉に出会ったとき、考えたり調べたりということができず、とっさの判断でなにかを決め打ちするしかなく、そういうことが起きないよう、絶えず新しい言葉をインプットしておかなければなりません。確かに日本語でも十年前と今では、通常の会話で使われる言葉や略称、流行語などどんどん変わっていきますから、通訳の人はたいへんなことですね。

また医学界の通訳でも、講演などで出てくる話は医学用語だけでなく、身体と同じような役割をする自動車のパーツの名前や、その病気に罹ったとされる歴史上の人物なども知っていないといけません。

特にジョークの場合、まず通訳なしでもわかる人がどっと笑い、その後に通訳してくれるのを待っている人達が「なにか面白いことを言ったぞ」とワクワク期待されることほどつらいことはないそうで、しかもそのジョークがロシアの歴史やことわざを知らないと通用しないジョークだったりすると、もうお手上げだそうです。

日本人が講演でよく使う日本のことわざも、同じような意味のロシア語があって、それを知っていればいいですが、それを知らないと、そのことわざの意味を短時間で説明しなければなりません。

例えば「弘法も筆の誤り」を同時通訳でロシア人に対して訳せと言われても、同じことを示すロシアのことわざをとっさに思い出せなければ、その意味をわかりやすく解説しなくてはなりません。まったく同時通訳者の集中力や幅広い知識はもの凄いものだとわかります。

著者別読書感想(米原万里)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

その街の今は (新潮文庫) 柴崎友香

1998年にデビューした若手作家さんの作品で、2006年に発表され、惜しくも受賞は逃しましたが芥川賞候補になった作品です。同作品は同じく2006年に関西を舞台とした優秀な作品に贈られる織田作之助賞を受賞しています。

大阪生まれで大阪育ち、作品にもそのコテコテの濃い大阪の街と人がふんだんに登場してきます。ジャンルや内容はまったく違いますが、同じく大阪の街を描いた万城目学氏の「プリンセス・トヨトミ」や宮本輝氏の「道頓堀川」、織田作之助の「「夫婦善哉 」、谷崎潤一郎の「細雪」をちょっと思い出しました。

文庫の解説にも書かれていましたが、この作品には悪人は出てこないし、物語の中で人が死ぬこともなく、また精神異常者もでてこない最近では珍しいパターンの小説です。

そんな刺激のない淡々とした日常を描いた小説が楽しいのか?面白いのか?と聞かれると私的にはYESでとっても新鮮です。

次々と人が死に、若くして白血病やガンに罹っていて死にかけている恋人や、ストーカーや殺し屋やギャングが暴れ回り、味方と思っていた人が実は精神異常者で主人公が危機に瀕するとか、小説や映画の中ではそれが普通になってきていてもうお腹がいっぱいです。

ある高校の教師が、生徒達に夏休みの宿題で「人が誰も死なない小説で感想文を書いてくること」という宿題をだしましたが、これって探すと結構難しかったりします。すぐに思い浮かびますか?

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自動車事故は様々な要因で起きます。まずは運転者の操作ミスによる事故、飛び出しなど被害者側にも責任がある事故、自然災害や道路陥没などで起こる事故や、トンネル天井落下や道路に大きな落下物がありそれを避けようとしての事故など様々です。

1970年には日本の交通事故死亡者(事故から24時間以内に死亡した人の数)は1万6千人を越えていましたが、その後様々な死亡事故防止対策や救命医療体制の発達により、年々減り続け2012年には4411人と1/3以下に減りました。

特に1985年(昭和60年)に高速道路でのシートベルトの(前席)着用義務化が施行され(翌年には一般道においても前席着用義務化)、違反者は減点されるようになったことや、1980年代にバイクのヘルメット着用義務、それらとあわせてクルマの乗員安全性の研究と成果が進んできたことが大きく関係しています。

その他ではやはり医療技術や救急救命の体制が整い、従来なら生きてはいなかったであろう、意識不明の瀕死の重傷者でも延命装置を施し24時間以上生きながらえさせることができるようになり、統計上24時間以内の死亡者が発生しにくくなったこともあります。24時間を超えてから、どうなったかは過去と現在で比較する資料がないので不明です。

最近ではスバルのアイサイトをはじめとする衝突防止装置を装着するクルマが続々と登場し、ドライバーの脇見などによる追突事故や、アクセルとブレーキを間違って踏んでしまう暴走事故などにたいへん有効なプレ・セーフティ装置として大きな期待が寄せられています。

ただ残念なことにそのような装備は、後付けで装着できるものはなく、新車にオプションという割り増し価格で購入する必要があり(標準装備というのもありますが)、本来なら一番使って欲しい高齢ドライバーや免許取り立ての初心者が、わざわざ高いお金を出して新車や高額オプションを購入してくれそうもなく、行き渡るようになるまでにはまだだいぶんとかかりそうです。

この衝突防止装置は乗員の安全はもちろんですが、一部には自転車や歩行者などの飛び出しに有効なものもあり、従来のように乗員の安全さえ守られればそれでいいという身勝手な安全装備だけではなく、クルマの歴史からみて、初めて乗員以外の安全にも配慮した装置として大きな意義のあるものです。

と言うと、すでに何年も前からボンネットの形状や材質などは、人と衝突したときに跳ね飛ばされた人の衝撃を和らげる工夫をしているとか言われそうですが、実際には事故の状況は実験室の想定とは大きく違っていて、付け焼き刃的な対応ではエンジニアの自己満足でしかなく、気休め程度の効果しかないでしょう。

クルマの歴史は、スピードや乗員の快適性の追求とともに、安全性の追求の歴史でもあります。

衝突の際の衝撃を和らげる衝撃吸収バンパーや、一般的に2点式だったシートベルトをボルボ社が開発して特許を無償でオープンにした3点式シートベルト、ハンドルの中に埋め込んだエアバッグ装置。その発展型で助手席エアバックやサイドエアカーテン、制動時に滑りやすい路面で不安定となる姿勢を安定させる4輪アンチロックブレーキシステム、さらにはカーブで不安定になるのを防ぐ横滑り防止装置など、自動車そのものの安全に関わる装備や装置はこの20~30年のあいだにずいぶん進化してきました。

しかし同じ車種でもそれらの安全装備のいくつかはオプション設定となるケースが多く、同じ車種であっても安全性能に差ができます。本当に有効な安全性の装備はなにとなにか?と聞かれるとそれを証明するデータがなく、我々はメーカーが主張する広告を信用するしかありません。作った会社が一方的にいいと主張するものほどアテにならないものはありません。

例えば衝突防止装置も各メーカーがそれぞれ別々に開発し、光学カメラ、レーザー、赤外線などを組み合わせていますが、実際にそれらを公平な第3者機関が様々な状況で徹底的に検証したものはありません。

テストには莫大な費用がかかり、また条件設定などにより装置の有利不利などが起き、比較されるのを嫌がるメーカーからの協力も得にくいからです。

また効果が一番得られると言っても、その装備を付けるのに車両価格の1割以上も占める高価なものだとなかなか普及は進まないでしょう。

もっと具体的に言うと、登場して間がない前方衝突防止装置は、例えばですが、前方に障害物があることを俊敏に検知して自動的に急ブレーキをかける能力が優れていると、それによって後続のクルマの制動が間に合わず追突してしまうことさえ懸念されます。後を走るクルマに衝突防止装置が付いていないことが多いからです。

上記の場合、装置の誤認識だったり、本来ならハンドルを少し切ることで避けられ、急ブレーキをかける必要がない場合でも、衝突防止装置が働き余計な事故を増やしてしまう本末転倒の結果が出ることも考えられます。

流れの中で十分な車間距離をとることができればいいのですが、必ずそういう場面ばかりではありません。阪神高速などを走行していると、前のクルマとホンの10mも空けていると、すぐに2~3台が割り込んできます。

私は重大な交通事故の検証・調査を警察が事件性の検証をするだけではなく、第三者機関が車種と安全装備の有無、車体の色、使用年数、走行距離、整備状況、タイヤの摩耗度、運転者の習熟度(過去の運転歴とその事故を起こしたクルマの運転歴)、その他に事故が起きた道路状況や事故発生の時刻、天候・気温などを総合的に検証し、できるだけ多くの事故のデータを公表する必要があると前から主張しています。

安全なクルマとそうでないクルマ、安全な装備とそうでもない装備、車内の乗員の安全性と歩行者など車外にいる人の安全性、運転習熟度によって選ばれるクルマの違い、事故が起きやすい車種、車体の色、時間、天候、整備状況、運転者の詳細など様々な角度から第三者が検証します。

損害保険会社には、過去の事故や盗難など、車種ごと、運転者の年齢ごとに保険の支払に関するデータが残っていて、車種や年齢など条件によって保険金額のランクが違っていたりするのは普通です。

つまり保険会社のデータにさらにもっと条件を付加して公平中立な機関がデータを蓄積していけば、保険会社が個々に調べる必要もなくなりますし、消費者にとってはクルマを選ぶ際に、スピードや快適性などより、乗員安全性を求めるならこの車種と装備の組み合わせというのがわかります。

また前席の乗員に死亡者が多いクルマや、逆に後席の乗員に死亡者が多いクルマ、夕暮れに追突されやすいクルマの色、スリップ事故の起きやすい車種やタイヤのメーカー、過去○年間、ひとりの死亡者も出していない車種と言った有意義な情報が得られます。メーカーにとっては困るでしょうけど。

下記は最近起きた自動車事故のうち自損と考えられる転落事故です。

フェンスを突き破って40m下まで転落するも軽傷
道路右側のフェンスを突き破って、約40m下まで転落する事故が起きた。転落によって車両は大破したが、運転していた42歳の男性は軽傷だった。

駐車場で暴走のクルマ、フェンスを突き破って15m下に転落
金属製のフェンスを突き破って、約15m下を流れる川へ転落する事故が起きた。クルマは大破し、乗っていた2人が死傷している。

ヘアピンカーブを曲がりきれなかったクルマ、約25m下に転落
ガードレールを突き破って、約25m下の雑木林に転落する事故が起きた。運転していた30歳代とみられる男性が重傷。

ガードレール突き破って50m下に転落、運転者が意識不明の重体
道路右側のガードレールを突き破り、約50m下の谷に転落する事故が起きた。運転していた21歳の男性はヘリコプターで救出された。

このように40m転落しても軽傷で済んだケース、15mの転落で死傷者が出たケースと様々です。事故の様々な状況にもよりますが、それに加えて事故を起こしたクルマの車種や安全装備、シートベルト着用の有無、運転者の運転経験度などを数多く蓄積することにより、事故の原因や死亡原因、そしてクルマの車種別、装備別の安全性などがわかってくるはずです。そしてそれらは警察だけの秘密情報ではなく、広く公開すべき情報だと思っています。

多額の広告料でマスコミを押さえている大メーカーの自動車会社は、そんなレベル分けをしてもらっては商売に影響があるということで猛反対するでしょうけど、毎日十数名の死亡者や多くのけが人を出し続けている凶器とも言えるクルマを作って売る以上は、もう経済性や乗員安全性ばかりを主張するのでなく、自動車メーカー同士互いに切磋琢磨して乗員や歩行者ともに安全で、事故が起きにくく、またドライバー(=自社の製品のユーザー)の安全教育にも力を入れるようにしていくのが当然の義務ではないでしょうか。

そしてそれが世界の市場に対して日本車が他国の安いけれど安全でないクルマと差別化できる数少ない優位な点となります。

それでもまだ事故の車種別公表に反対するのであれば、美味そうに吸うタバコの広告が禁止されたように、音も出さず誰もいない綺麗な海岸線を違法スピードに違いないハイスピードで走り抜ける自動車のコマーシャルなどは即座に禁止し、「このクルマは昨年交通事故により○○人の死亡者を出しました」という表示をCMに入れるよう義務付けするのが妥当という気がします。


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