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neko001.jpg平成23年度(2011年度)の統計データでは、年間に犬が43,606頭(匹)猫が131,136匹、合計174,742頭(匹)が殺処分されています。

これは1日平均にすると毎日480頭の犬猫が殺されていることになります。その他に負傷した犬猫が年間約9,000頭が殺処分されています。(出典はいずれも環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室)

しかしこれら処分されている数は統計開始以来、毎年減少しているのが唯一の救いで、1974年には122万頭、2000年には53万頭もの犬猫が殺処分されていたことからすると、動物愛護管理法の改正と強化、飼育者マナーの向上や、処分前に里親へ譲渡されるなどして、殺処分数は大幅に減ってきています。

それでもまだ年間18万頭(負傷による殺処分含む)の犬や猫が、多くは無責任な飼い主や悪徳業者により一方的に死刑を宣告されているというのは、ペットが好きかどうかは関係なくまったく許し難いことです。

ちなみに保健所での殺処分の方法は、10頭ぐらいまとめて箱に入れ、その箱の中に二酸化炭素を注入し酸欠状態で殺すようです。はからずも毎日こうした仕事をされている保健所の方々は、仕事とはいえ夢見も悪くなるでしょうし同情の念を禁じ得ません。

一方でNPO法人やボランティア団体によって、殺処分される数を少しでも減らすため、ペットの保護活動や里親捜しをおこなわれています。殺処分の減少にはこれらの組織だった動きにより、認知が拡がってきたきたことによるのも大きいでしょう。

ただどこの世界にも善意を踏みにじる悪い人はいるようで「里親になる」と言って善意の人を騙して大量の猫を集め、そのまま何十匹の猫とともに行方不明になったという事件や、元の飼い主と里親のあいだで起きるトラブルは決して少なくないようです。

譲渡の相手が公的機関でない場合は、預ける時も、譲り受ける場合も十分に気をつける必要がありそうです。

それでふと思い出したのは、私が小学生の頃、自宅で飼っていた三毛猫が子供を産み、まだ赤ちゃん猫だった1匹を3軒隣の家に里親に出しました。

やがて子猫は大きくなり、誰かが教えたわけではないのですが、しばらくして我が家の親猫のところに時々遊びに来るようになり、夕方の食事時間になると里親のところへ帰って行くというなかなか微笑ましい里親との関係が続きました。

逆になぜか親猫が図々しく里親の家へ行くことはなく、その辺り猫の中にもなにかルールがあったのでしょうか、謎です。

ペットと言えば犬や猫が代表的ですが、その他に魚類、鳥類、は虫類、昆虫など様々です。内閣府の2010年の調査ではペットを飼っている人の割合は全体の34.3%とのことで、概ね3人のうち1人はなにかしらのペットを飼っているということになります。

飼っているペットの種類は、犬が58.6%と最も多く、以下猫が30.9%、魚類が19.4%、鳥類5.7%、昆虫類3.6%、うさぎ3.3%、ねずみ類(ハムスター等)2.7%、は虫類(ヘビやトカゲ等)2.6%、両生類(カエル、イモリ等)1.8%となっています(合計100%を超えるのは複数のペットを飼っている人がいるため)。

同調査ではペットを飼うメリットも書かれていますが、同様にペット飼育による他人の迷惑についても書かれています。

neko002.jpg他人がペットを飼うことでどのような迷惑を感じるかという質問に対し、「散歩している犬のふんの放置など飼い主のマナーが悪い」が55.9%と最も高く、「猫がやって来てふん尿をしていく」(37.8%)、「鳴き声がうるさい」(31.7%)、「犬の放し飼い」(28.8%)、「咬まれるなど危害を加えられそう」(19/1%)、「悪臭がする」(18.5%)などの順となっています。

個人的には、躾ができていないバカ犬の「鳴き声がうるさい」に、ほぼ毎日悩まされ続けています。よく知ったご近所さんと言うこともあり、解決にはなかなか難しいハードルがあります。っていうか解決は、飼い主は躾ける気も、犬が満足するぐらい散歩に連れ出すこともないようなので、気の長い話しですが犬の寿命がくるまで無理だろうとあきらめてます。

飼い主にとって犬が吠えるのは百歩譲って防犯上のこととかコミュニケーションの一種ということであっても、周囲の人にとっては騒音以外のなにものでもありません。

特に、深夜帰宅する人や、早朝に新聞配達人などに延々と吠えまくり、昼夜を問わず飼い主が家から外へ出ると散歩に連れて行けとばかりに吠えまくり、毎朝、起床時間のずっと前に起こされるのはたまったものではありません。躾もロクにできない飼い主がペットを飼うなんぞ100年早いです。

「犬を飼う十箇条」(または「犬の十戒」、「犬と私の10の約束」とも言う)には躾のことや近所迷惑のことはなにも触れられていませんが、猫を飼う人は最低でもこれを理解してから飼ってほしいなと思います。あとついでに飼い主の十箇条も作って欲しいですね。ちょっと綺麗事すぎるきらいはありますが。


1.私の一生は10~15年くらいしかありません。ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。私のことを飼う前にどうかそのことを考えてください。

2.私が「あなたが私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間が必要です。

3.私を信頼して下さい…それだけで私は幸せです。

4.私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。でも…私にはあなただけしかいないのです。

5.時には私に話しかけて下さい。たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、私に話しかけているあなたの声で理解しています。

6.あなたが私のことをどんな風に扱っているのか気づいて下さい。私はそのことを決して忘れません。

7.私を叩く前に思い出して下さい。私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど、私はあなたを噛まないようにしているということを。

8.私のことを言うことをきかない、頑固だ、怠け者だとしかる前に私がそうなる原因が何かないかとあなた自身考えてみて下さい。適切な食餌をあげなかったのでは?日中太陽が照りつけている外に長時間放置していたのかも?心臓が年をとるにつれて弱ってはいないだろうか?などと。

9.私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じように年をとるのです。

10.最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送ってください。「見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言わないでほしいのです。あなたがそばにいてくれるだけで、私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。

そして…どうか忘れないで下さい。私があなたを愛していることを。
 

あと、これから問題になってきそうなのが、老夫婦だけ、または連れ合いを亡くして独居している高齢者が、犬や猫のペットを新たに飼うことで、その寂しさを紛らわそうとする飼い方が増えてきたことです。

高齢者がペットを飼うことにより、生活に張りが出て、生き甲斐につながるという癒し効果については実証もされていてわかるのですが、そのペットの行く末が気になります。

高齢者ならいつ転んで怪我をしたり、具合が悪くなって病院へ入院するかわかりません。自分がもしペットの世話ができなくなれば、ペットを飼えないマンションに住み、共働きをしている息子や娘達か、それとも犬が好きか嫌いかもわからないご近所さんが仕方なしに世話をしなければならないという事態が考えられます。

少なくとも、もし自分が世話ができなくなった時に、ペットを預かったり引き取ってくれるNPO団体を予め決めておき(お金が必要なら先に支払っておき)、誰かに連絡をしてもらうよう依頼をしておくのが最低限のマナーでしょう。

いずれにしても住宅が密集し、防音対策も緩やかな閑静な住宅地において、家の中で飼う小動物ならともかく、中型犬以上の犬や、外で自由にさせておく猫を飼うのは、50坪以上の庭がある家限定とかにしてもらいたいものです。

またペット税という話しも過去に何度か出ていますが、いまだに結論は出ていません。ペットを飼っていない人にとって、ペットの処分や道路や公園に残された糞尿の始末に多額の税金が使われるのは納得がいきません。

時々ですが逃げ出したペットの大蛇やワニを捕まえるのに、警察官や消防隊まで動員されているのを見ると腹も立ちます。

ペットを飼うのはペットを飼わない人よりも比較的裕福な人ですから、それに課税をしても誰も反対はしないと思うのですけどね。

小さな子供が近所の川で取ってきたザリガニにまで税金をかけられたらそれは困りますが、ザリガニの場合は「これはペットではなく食材だ」と言い張ることができそうです。


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 623 古い写真を整理してみてわかったこと
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世の中は婚活ブームで、やがてそれも収束するのでしょうけど、あと何年ぐらい続くのかさっぱりわかりません。いずれにしても結婚したい男女にとっては、お金も手間もかかるし、やっかいな世の中になってきたものです。

最近はあまりそういうことは言われなくなりましたが、私が結婚した頃(1980年代)ではまだ「結婚というのは家と家との結びつき」みたいなことが言われ、結婚式場でも「○○家、△△家ご両家結婚披露宴会場」という表示が当たり前で、誰もが不思議に思いませんでした。

私が客として招かれるようになった時代、1990年頃からは、仲人を置かないカジュアルな結婚式(披露宴)がボチボチ増えてきて、2000年代には、披露宴は会費制パーティ形式のようなものまで現れました。

まぁそれはそれで、本人達がよければ全然構わないのですが、両親や年配の親戚にしてみると、違和感があり複雑な思いをしているかもしれません。

あと、都会と地方ではその考え方にもまだまだ差があるようで、地方の結婚式へ呼ばれると、仲人さんから聞いていてこちらが恥ずかしくなるような新郎新婦をベタ誉めする紹介があったりする昔ながらの家同士の結婚式が多く、都会のお洒落なレストランを借り切った披露宴ばかり出ているとなにか昭和に戻ったような錯覚に陥ります。

特に田舎の長男坊の結婚は派手婚が多く、その家の名誉がかかっているとばかりに、結婚する本人達の希望や意見よりも両親や祖父母の意気込みが伝わってきます。

少子化が進んだ1980年代以降(合計特殊出生率が2.0を割り込んだのはオイルショック後の1975年)、一人っ子の家が増えていきます。2005年にいたっては出生率が1.26まで下がりましたので、そこで生まれた子供が結婚適齢期となるのは2030年頃です。

折れ線グラフ:合計特殊出生率推移(一人の女性が一生に産む子供の平均数)
データ出典:内閣府政策統括官
syusyouritsu.jpg


夫婦の出生児数推移(棒グラフは最終出生児数の各割合、折れ線グラフは最終出生児数)
データ出典:国立社会保障・人口問題研究所
syusyouritsu2.jpg

グラフをみると1組の夫婦が得る子供(グラフ下の赤線)は2010年には2を切り、平均1.96人と、子供は0か1人という夫婦が2005年以降急速に増えてきています。

最近の平均初婚年齢は男性が31才、女性が29才です。1980年生まれは現在33才ですから、当時平均出生率が1.7ぐらいだった一人っ子の多くがすでに結婚適齢期に差しかかっています。そこでおのずと起きるのが長男と長女の一人っ子同士の結婚です。

ざっくりとした統計データでは、最近の日本人のうち長男、長女がおよそ6割強、次男次女が3割、3男以降が1割未満ということです。

つまり10組の結婚のうちなんと8組以上に長男か長女のどちらか、またはその両方が含まれることになります。一人っ子が増えている中で長男と長女が結婚する確率はおよそ3割にもなってきています。

本人同士はたまたま好きになった者同士が一人っ子の長男と長女であったというだけで、家の事情など関係ないのですが、両親や祖父母にしてみるとこれが大きな問題となってきます。

つまり家系の断絶の危機というわけです。皇太子徳仁親王の一人っ子愛子内親王がもし他家へ嫁入りすれば、直系長子の徳仁親王のお世継ぎがいなくなるのと同じことですね。

天皇家ほど注目されることはないにしても、もし出自がそこそこ地元では名門とされた家系や資産家であったりすると、この跡継ぎ問題はお家の一大事へと発展してしまいます。

そういう家系に生まれた人(男女)は、小さい頃から、嫁や婿をとるものだと言い聞かされていたり、周りから縁談を次々持ってこられたりして、なんとか家系をつなごうと期待されているのでしょうが、今の割り切った若い人にとってはそれらのことははた迷惑に思うだけでしょう。

ただそうは言っても若者の収入の低さを考えると、家を継ぐことで受けられる恩恵もバカにはできず、名門家であれば家や土地など資産も多くあり、将来の損得を考えるとそれになびく人もいるでしょう。

ただ名門家ではなくたいした資産もない家の長男、長女からすれば、その家を継ぐメリットは少なく、逆に親の介護や生活費まで子供が面倒を見なければならないとすると、もう親の意見や要望には耳を貸さないという子供が今後増えてくる可能性があります。

そういう家系はその時点で消滅していくことになり、ご先祖を奉ったお墓も荒れてしまうのではとちょっと心配です。

家を継ぐのは長男の役目という形式も最近は薄れているのか、先に出ていった長男は都会で天職を見つけて田舎には帰ってこず、残った次男が後を継ぐというケースも時々聞くようになってきました。男子が2名以上いると、そのような技が使えて便利です。

本来なら、次男坊は、学校を出ると家を出て、新たな家系を作るべく独り立ちしなければなりません。真っ先に戦争の兵士や移民としてかり出されるのも、たいてい次男坊の役目です。次男ってそうやって都合よく使われてしまいつらいんですよ。

後継者として大事にされ、法律上は平等ですが実態は家や土地など財産のほとんどをそのまま引き継ぐことが多い長男とは違い、子供の頃は着るものから学校の文具まで長男のおさがりが多かったり、親が亡くなった後は、長男夫婦に先取りされてしまい、財産はほとんどを放棄せざるを得ない、基本的には損な役回りを求められます。

その次男坊、実は私もそうなのですが、高校生ぐらいの時だったか、親からこう打診されたことがあります。

「もしその気があるならどこかへ養子にいかない?」

その時はどこかの家へ養子に入れば名前が変わってしまうなぁぐらいにしか思っていませんでしたが、親が言うには、「名門家に養子に入ればたいした苦労もせずに楽ができる」との甘い誘い。

まだ具体的な話しがあったわけではなく、出来の悪い次男坊を思う親心で、私にその気があるなら、将来どこかへ売り込もうと考えていたのかも知れません。

確かに何人かに聞くと、何代も古くから商売や事業をやっていたりする名門家の養子に入れば、その家がやっている商売や、婿入り先の両親の世話は基本的に嫁さんが、つまりそこの娘さんが全部おこない、自分は若旦那(バカ旦那とも言う)として、まったく関係のない外で働くもよし、暇つぶしに実家の商売を手伝うもよしで、好きにすればいいとのこと。なんと言っても一番のお役目は元気な跡取りを作り家系を断たぬようにするためなのですから。

このときは中二病じゃないですが、自分にはもっと大きな可能性が秘められていて、それこそ「末は博士かエリート商社マンか」など勝手に空想していた時でもあり、結婚などまだ考えもしていなかったので、その話しはうやむやに消えてしまいましたが、後で考えるともうちょっと真剣に検討しておけばよかったかなと、ちと反省するというのはよくある話し。

なにが言いたいかというと、「次男諸君!もし将来を不自由なく暮らしたいなら、名門資産家に狙いを定め、そこへ婿養子で入るのが手っ取り早いですぞ!」ってこと。

またそういう婿を必死になって探している女系の家はいくらでもあります。イメージ的には、そう、必殺シリーズの中村主水みたいな感じです。

家の中では婿様と呼ばれてふにゃふにゃですが、一歩外へ出るとお役目の仕事はともかく、自由奔放な生活で好き勝手をやり、しかもいざというときはキリッとして格好いいでしょ?

シンデレラやプリティー・ウーマンに代表されるような、女性が玉の輿を狙うことは常識ですが、男性も次男坊にこそ許される(長男でも両親をキッパリ捨てればいいのだが)特権というか、双六で言えば一気に十も二十も先へ進めるビッグチャンスってことです。

なので次男の場合はあまり拙速に身を固めてしまわず、ジックリと戦略を練ればいいのです。

土地や財産などがある名門家に養子に入ればどのようなメリット、デメリットがあるかって?

まず生涯よほどの下手を打たなければお金で苦労をすることはないでしょう。義理の両親や祖父母からもらう小遣いや生活費とは別に、自分で働いて得たお金は全部自分のために使えます。

住宅ローンの心配も、子供の教育費の心配も、親の介護の心配も、自分の老後の心配も不要です。もちろん結婚するときには結納金として高級外車が1台ぐらいは買えるお金をもらいます(そういう家にしか養子に行ってはダメ)。

但し最低限覚悟しておかなければならないのは「追い出されてしまう犯罪やバレるような浮気はダメ(逆に言えばバレなければなにしてもOK)」、「相手の両親に好かれるよう温厚で従順な態度」、「外で働く場合は転勤とか見栄えの悪い仕事はダメ(義理親のコネで役所勤めとかがベスト)」「住むのは義理の両親と同居で、何部屋もある大きな実家(都心のお洒落な高層マンションというわけにはいかない)」ということでしょう。

ドラマで出てくるような劇的な出会いから恋愛に発展し、誰にも邪魔されず二人で幸せな家庭を築き、、、なんて夢想するのは勝手ですが、そういう千にひとつもないようなことに身を削るより、次男坊であれば、親や親戚や情報通の近所のおばちゃんに、養子を探しているお金持ちがあれば考えてもいいと一言頼んでおくのがこういう厳しい時代には一番いい世渡りではないかとアドバイスです。


 【関連リンク】
 583 人口が減るのもいいんじゃない
 529 それでもしたいか結婚
 457 未婚+親との同居が増えてきている
 427 学校ビジネスの暗く長い闇
 425 棄民政策は日本の伝統か

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michi1.jpg以前、限界集落など過疎化が進んだところでは、商店やガソリンスタンドなど生活に必要な店が次々と撤退し、その地域で人が住むのはたいへんで、その対策として、物流拠点を兼ねる特殊なコンビニ展開が必要だと書いた「小売ビジネスはどこへいくのか」がありますが、もうひとつ地方で成功事例が多い「道の駅」について書いてみます。

道の駅は私もクルマで遠出をする際には必ずといっていいほど利用する便利な施設です。

クルマに「全国SA・PA 道の駅ガイド」を積んでいて、コースを決める際にトイレ休憩や、お土産購入などで寄るために参考にしているのと、その近くを通るときはカーナビが教えてくれるので特に用がなくても寄ってみたりします。

その道の駅は1993年4月に当時の建設省が旗を振り103駅を登録したのが最初ですが、それから今年でちょうど20年、2013年4月現在では約10倍の1004カ所に増えています。

私がまだ学生だった1970年代には道の駅という名称はなく、似たような施設のことは単なるドライブインとか休憩所と呼んでいました。

道の駅に登録するためには、下記のような条件を備えなければなりません。

・24時間利用可能な一定数の駐車スペース、トイレ
・24時間利用可能な電話、情報提供施設を備えた施設
・防災拠点としての機能(断水時でも使用可能なトイレ、非常食・飲料水の備蓄、停電時の非常用電源の確保等)


michi2.jpgあとこれは知らなかったのですが、民間企業が勝手に作れるものではなく、自治体や第三セクターなど公的団体などによる設置や管理が必要のようです。

この点は損失や経済環境の変化などに影響されず、継続して標準的なサービスが提供できるというメリットと、役人が関わり続けることで、運営業者や関連団体への天下り先を確保されてしまうというデメリットがあります。

元々は高速道路におけるサービスエリアやパーキングの機能とイメージで、増えつつあるマイカー旅客のために主要な国道沿いなどに休憩施設を設置していこうというものですが、開設当初から比べて現在ではその役割も大きく変わってきています。

道の駅は駐車場として使える広い場所さえあれば、どこでもオープンが可能です。

つまり過疎の地域で土地だけはいっぱい余っているというところに設置するには最適で、目的はどうであれ、そこに人を集めることができれば自ずと飲食や土産ものなど需要が出てきます。

現在道の駅全体での売上は年間約3500億円ということですから、1駅平均すると年間3.5億円、1日平均100万円近い売上があります。

都会にある平均的なコンビニの1店舗の売り上げがおよそ1日4~50万円ですから、高額な駅前の一等地でなく、タダみたいな土地でその2倍以上の売り上げがあります。

道の駅にどれぐらいの人が集まるかというと、年間で5億人が利用しているとのこと。

東京駅(JR、地下鉄、バスなど)の年間利用者がおよそ4億人ですからそれよりも多い人が全国の道の駅に集まっています。1駅平均すると年50万人が利用している勘定になります。

20年前のできた頃の道の駅は、それこそ愛想もなく、閑散とした建物の中にトイレと自販機、あとはその地域の観光案内のしょぼいチラシが置いてあるぐらいでしたが、最近の道の駅はそれをうまく活用して商売熱心で活気にあふれています。

michi3.jpg午前中に行くと、道の駅が地元の人達の憩いの場となっていたり、早朝に刈り取った野菜や果物を軽トラで次々と運び込まれてくる姿がよく見られます。

遠くの地域から時間をかけて運ばれ、大きさや長さが揃えられスーパーの売り場に並んでいるものとは違い、いかにもみずみずしく新鮮で購買意欲がかき立てられます。

それ以外にもご当地名産品を使ったソフトクリームやラーメンなど、トイレ休憩だけのつもりがついつい買い物や飲食をしてしまいます。

そしてこの道の駅、20年で数が10倍に増えたにも関わらず、登録が抹消されたのはわずか2カ所だけという超優良事業です。

役所主導のハコモノ行政は無駄と失敗の象徴と思われがちですが、少なくともこの道の駅は、利用者や地元業者など誰からも喜ばれ、しかもうまくいっている稀少な成功例でしょう。どれほどの税金がそこに使われているのかは不明ですが。

道の駅は過疎化する町を活性化するにも役立っています。例えば最近よく目立つ野菜や地元の加工食品などの直売所とともに、レストランや日帰り温泉施設、ドッグラン、バーベキュー場、広い芝生の多目的場などを設置しているところもあり、24時間営業のため交代制で、少なく見ても2~300人の新たな雇用が生まれています。

さらにお土産品などを納入する農家や漁業者、地場の工場従業員も、流通コストや卸売り業者のマージンが不要となるので収入が増え、地方に住む人にとって大きな収入源となります。

私が考えるのは、この地方にある道の駅にさらに物資の共同流通拠点(郵便、宅配の共同物流センター)を設置し、高齢者が多くなった個別の家への配達を効率化するため共同でおこない、さらには、スーパー・コンビニ機能、介護サービスや役所の一部の機能、ATMなど金融機関機能、ガソリンスタンドの併設などをして、高齢者がわざわざ遠くの大きな町へ出掛けなくてもよい仕組みを作ることです。毎日でなくとも週に数日開業する診療所や薬局、学習塾を併設してもいいでしょう。

今までは地方の道の駅と言えば都会からやってくる利用者のための施設、サービスであったものが、これからは地元の特に遠くまで出掛けるのが不自由な高齢者にも活用される拠点となれば、過疎化した地方でも多少は住みやすくなるのではないかなと考えています。


 【関連リンク】 
 711 日本が限界集落化していく 
 706 高齢化社会の行方
 702 アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
 669 ネット人口の正しい統計 
 667 減りゆくガソリンスタンドが生き残る道

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散る。アウト 盛田隆二

2004年に発刊、2009年に文庫化された小説です。(文庫版の)盛田氏の作品は過去概ね読んできましたが、その中ではちょっと異色の作品です。「散る。アウト」は「chill out」とかけていて、意味は「頭を冷やせ」とか「落ち着け」と言ったような意味です。

主人公は大学を卒業し、信州の精密機械メーカーに勤務し、順風満帆な生活をおくっていたものの、ある時から先物相場に手を出してしまいます。結局、その穴埋めでサラ金などから1千万円以上の借金を作ってしまい、妻は逃げだし職場からは追われ、借金取りから逃れるために東京の公園で寝泊まりしています。

日比谷公園で遠く中国やモンゴルから飛来する黄砂を浴びながら、死ぬことだけを考えていたところ、外国人との偽装結婚にスカウトされ、モンゴルへ飛び立つことになります。

そこで現地の女性と結婚式をあげ、証明書を発行してもらって帰国する予定が、同行していた男性がホテルで何者かに殺され、事件に巻き込まれてしまいます。その辺りから盛田作品には今までなかったハードボイルド的な展開となってきます。

モンゴルは元々社会主義国で日本との関係はそれほど深くはなかったものの、ここ数十年のあいだは様々なODA援助や資源輸入など関係は深まってきています。日本からも毎年2万人程度が観光やビジネスで訪れ、日本の国技と言える大相撲の力士ではモンゴル勢が上位を占めているのは両国の友好に貢献しています。

しかし、モンゴル国内はと言えばまだまだインフラ整備が遅れ、治安も悪く、ストリートチルドレンが多いなどアジアの中でも経済発展が遅れています。おそらくそのようなモンゴルの姿を著者が目の当たりにして、創作意欲をかき立てられたものと思います。

以前の社会主義国によくある外貨稼ぎのために観光客を誘致し、その観光客が辿るルートだけは見かけ上綺麗にしておくものの、一歩裏道に入ると腹黒い役人や様々な利権を手にするマフィアが暗躍し、捨てられた子供達が路上で必死に生きているという貧しい国の姿がよく伝わってきます。

主人公の日本人はモンゴルに着いてからは、ひ弱ながらも懸命に生きようともがきながら、やがては運命にまかせてロシアへ、そして再び日本へと帰ってきます。最後の終わり方がちょっと気に入りませんが、この主人公のその後を描いた続編を期待したいところです。

著者別読書感想(盛田隆二)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

盗作 (上)(下) (講談社文庫) 飯田譲治・梓河人

飯田譲治氏はどちらかといえば小説家というより映画監督や脚本家としてのほうが有名で、監督・脚本作品としては「NIGHT HEAD 劇場版」(1994年)、「らせん」(1998年)、「アナザヘヴン」(2000年)など、その他「世にも奇妙な物語」など数多くのテレビドラマの脚本等を書いています。

この小説は2006年に単行本、2009年に文庫化されました。梓河人氏との共作はこの「盗作」をはじめ、いくつかの小説でおこなわれていますが、実際この梓河人氏がいったいどのような人か調べてもよくわかりません。謎ですね。

この小説を読み始めたときは、女子高生の学園ドラマかと思いましたが、そうではなく、ちょっと精神世界に踏み込むオカルトチックなテーマのものです。

主人公の女子高生に、ある日突然天から神が降臨してきたような超常現象が起き、筆をとりがむしゃらに絵を描くことになります。そしてその絵を見ると誰もが呆然としてしまう傑作が出来上がっています。そしてその絵が全国的に話題になるも、やがてそれがあるモザイク絵とうり二つだということが判明し、盗作の疑惑をかけられてしまいます。

時は過ぎ、主人公は社会人になって東京で地味なOL生活をおくっていた時、やはり絵を描いた時と同じような突然のひらめきで、歌を作詞作曲します。これがまた大ヒットして多額の印税を手にすることになりますが、今度はオーストラリアの原住民アボジニが歌う曲とそっくりということがわかり、再び大きな非難を浴びてしまうことに。

本人は絵にしても曲にしても元の作品とはまったく接点がないのに、なぜそのような瓜二つの作品ができてしまうのかという奇妙な出来事に打ちひしがれてしまいます。自分の頭に浮かんだひらめきを作品にすることが芸術だと信じていたものの、それが盗作だと言うことになれば、創作とはいったいなんだという疑問にぶつかります。

そして盗作の疑惑をかけられたまま、逃げ出すように結婚してアメリカへ渡り、子供も授かり幸せな暮らしをおくっていた主人公は、三度自己の欲求を抑えることができず、夫の制止を振り切り、家を飛び出して今度は大河小説を書くことになります。その小説がなんとノーベル文学賞を受賞することになりますが、果たしてその作品は、、、という最後までドキドキハラハラの展開です。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

黄昏の百合の骨 (講談社文庫) 恩田陸

2004年発刊、2007年に文庫化されたミステリー作品ですが、初出は文芸誌メフィストで2002年だったということで、10年以上前に書かれています。デビュー後10年が経ち、人気作家として次々とヒット作品を発表していた頃でもあります。

三月は深き紅の淵を」(1997年刊)、「麦の海に沈む果実」(2000年刊)の続編で、主人公だった水野理瀬のその後が描かれていますが、実は読み始めてからそのことを知り、その前作は読んでいません。道理で複雑な人間関係がすでに知っているものとして次々登場し、この作品から読み始めると、その複雑な縁戚関係、人間関係がどうなっているのかがすぐにはつかめません。ちょっと失敗してしまいました。

そう言うときはいったん読むのを中止して、前作から読むのが筋なのですが、気がついたのがもう半分近く読んでからでしたので、ままよと最後まで読むことに。

貴志祐介氏の「黒い家」のように、とかく変な噂と謎が多く近所の人から「魔女の家」と呼ばれ、室内にはいつも白百合が飾られている家で、そこの住人が連続して事故死する事故が起きます。その亡くなった祖母の遺言で留学中のイギリスから帰ってきてその家に住むようになった主人公の高校生は、同居する伯母や京都から法事にやってきた従兄弟とその謎について調べていきます。

恩田陸氏の小説にしては、ちょっと過激なシーンが多くて驚きですが、ストーリーを盛り上げていくにはそのような場面も必要なのでしょう。そして最後の最後までドキッとさせられるのもちょっと意外な感じで、これですべてが終わったとは思えない結末となり、またそのうち続編が出てきそうです。もう出ているのかな?よく知らないけど。

著者別読書感想(恩田陸)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

兎の眼 (角川文庫) 灰谷 健次郎

灰谷健次郎氏は、貧しい家から苦労して大学を出て、小学校教員を務めながら小説を書いていた苦労人で、その中の短編小説「笑いの影」(1962年)では、部落解放同盟から差別小説と激しく糾弾を受け、身内の不幸などもあり、その後教師を辞めています。

小学校教員としての経験を生かして文筆業に入り、実質のデビュー作品となるこの「兎の眼」は1974年に発刊され、児童文学の傑作として、ミリオンセラーに輝き、1979年には壇ふみ主演で映画化もされています。ということで、今さらながらと言われそうですが、人からのお薦めで読んでみました。

児童文学というと、小学生向けの文部省推薦図書というイメージを持っていましたが、実際はそうではなく、この小説は小学生でも読みやすくなっていますが、それよりも子供を持つ親や、教員を目指す若い人達にぜひ読んでもらいたい小説です。

小学生の教師を主人公にした小説は、古くは壺井栄氏の「二十四の瞳」や、伊集院静氏の「機関車先生」、湊かなえ氏「往復書簡(二十年後の宿題)(映画「北のカナリアたち」の原作)など数多くありますが、その中でもこの作品は特に秀逸と言えるものでしょう。発刊当時ミリオンセラーを記録しているので、おそらく65才以上の人はよく馴染みがあるのではないでしょうか。

ストーリーはゴミ処理施設が近くにあり、その処理施設で働いている貧しい家庭も多い小学校へ赴任してきた新任の女性教師が、子供やその親、同僚の先生に支えられて差別や子供の教育を学び、自らも成長していく姿を描いています。

中でもゴミ処理場近くに住み一言も喋らず暴力的な性格の問題児が、ハエのことになると夢中になり、それをきっかけとして先生が文字を教え、心の交流をしていくところは感動します。またそのゴミ処理場で働く祖父が実は早稲田卒のインテリで、戦争中には壮絶な思いをして朝鮮人の友人を失った記憶を訥々と語るところなども、物語にいいスパイスを効かせています。

また教頭の反対を押し切り、知恵遅れの子供を養護学校に行くまでしばらくの間、普通の小学校で預かることを受け入れ、最初は様々な問題を起こし、生徒や父兄からの激しい非難や苦情をうけながらも、やがては生徒や同僚教師の助けが得られ、保護者達にもこれこそ本当の教育だと理解されていくところは感動さえ覚えます。

解説に書かれていましたが、この本を読むことで、教師を目指している若者から「このようなたいへんな試練があるのならとても自分には勤まらない」という感想が出てくるのはすごくまともなことで、単に「子供が好きだから」「人に教えることが好き」というだけで教師にはなってもらいたくはないと思う反面、そうした問題意識を心の隅に置いているのなら、もう立派な教師の卵になっているとも言えます。

この小説は40年前の小学校の姿ですが、登場する一部の保護者のモンスターぶりや、子供のことよりも自分の出世や学校の評判ばかりを考えている上司(教頭)などいまの学校となにも変わっていないようです。そうした発見ができるだけもこの小説をよむ価値はありそうです。久しぶりにいい本に出会えました。

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717
以前書いた「40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ」の続編にあたります。

その時には「正社員の解雇規制を緩和するのには反対で、逆にもっと解雇規制強化すべし」と書きましたが、ではどうすればその正社員(=無期限の正規雇用)を増やすことが出来るのか?という問題について考えてみました。

まず、非正規雇用の中身を復習してみましょう。

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2010年のデータでは、正社員3,355万人に対して非正規雇用は1,755万人で就業者全体の34.3%を占めていることになります。

この非正規雇用の中身を見てみると、パート847万名(非正規全体に占める割合48.3%)、アルバイト345万人(同19.7%)、派遣社員96万人(同5.5%)、契約社員・嘱託330万人(同18.8%)、その他137万人(同7.8%)です。

一般論から言えば、パートやアルバイトの大半を占めるのは、フルタイムで勤務ができなかったり、勤務地が限定されたり、長期間の勤務ができない人達でしょう。

例えば育児や介護のため働ける時間や曜日に制限がある主婦(夫)、学校へ行きながら空いた時間にアルバイトをする学生、劇団の練習や司法試験受験のため出勤が比較的自由な仕事しかできない人、様々な理由から住んでいるところから離れられない人などなど。

そういう人達(非正規雇用の68%)は果たして本当に正社員(フルタイム勤務、残業・休日出勤あり、転勤あり、合宿研修あり、会社行事参加必須、職種や部署変更ありetc.)の仕事を望んでいるでしょうか?

それでも統計データ等を見ると(意外にも)半数近くが「正社員になりたい」と回答しています(内閣府国民生活白書)。しかし実際に正社員になるための諸条件(勤務時間、残業、転勤、仕事内容の変更など)を認識して覚悟をした上でのことなのかと言えばたぶんそうではないでしょう。学生のアルバイトが学校をやめて飲食店の正社員になりたいと思っているとは考えにくいです。

もちろんパート・アルバイト就労している人の中には、正社員となって残業、転勤上等、ガンガン働きたいし、すでに正社員よりも働いているという人もいるでしょう。

しかし実際には統計の聞き方が「パートやアルバイトのままがいいか、正社員になりたいか」であれば、思い浮かぶのは「仕事はいまと同じで給与や福利の待遇だけ正社員と同じがいいか」という現実ではあり得ない回答を引き出す質問ではなかったのではと推察します。ちょっとうがった見方でしょうか?

次に派遣社員、契約社員・嘱託の非正規雇用の人達はというと、長期で働く派遣社員や契約社員は、不況時にはかなりの割合で正社員志向が強いことが予想されます。逆に好況時になると、派遣社員の中で正社員になりたい人の割合は一気に下がる傾向があります。

それは派遣で働く人にとっての大きなデメリットが仕事が切れてしまうととたんに収入がなくなるということだからです。それ以外では派遣で働くメリットもあり、好景気で仕事が次々ありさえすればそのような問題は起きにくいのです。

しかし最近急増している嘱託はどうでしょう?一般的に嘱託というのは、定年後にその後も働いてもらうために作られた制度と言ってもいいでしょう。

特に今年度から高年齢者雇用安定法が改正され、定年後65才までの雇用が企業に(段階的に)義務づけられることになりました。その先取りとして、60才以降、嘱託になって働く人がここ数年で急増しています。その嘱託の人達が、現役時代と同じように残業や転勤もいとわずガンガン働く正社員になりたいかというと、多くはそうは思えません。

さて、ここまでで非正規雇用の実態が少しだけ明らかになってきたので、正社員への道を考えてみたいと思います。

企業からすると、非正規雇用を採用するのは、

1)定型業務や単純作業など軽作業はできるだけコストを抑えたい
2)景気の影響で業務量が上下するのでその緩衝役として
3)季節要因で業務量が上下するのでその緩衝役として
4)正社員は基本幹部候補生という考え
5)まず非正規雇用で働きぶりをみてから正社員に登用する(採用の一手段)
6)期限が決まっている仕事をこなすため

などが考えられます。

2)や3)6)のような業務量や期限の関係で一時的に補充しなければならないケースはさておき、それ以外では、問題点を解決してあげれば非正規雇用を採用する理由はなくなります。

例えば1)の単純作業や軽作業ですが、正社員の採用において何種類かのパターンが用意されていて、それによって採用条件を違えても合法とすると、今まではアルバイトで採用していた人を正社員として採用と言うことが可能でしょう。

つまりわざわざ本社と工場で別会社や子会社にしたり、雇用形態を変えて非正規社員を採用するのではなく、ひとつの会社の正社員というくくりの中に、いくつもの職制とキャリアパスがあり、それを選択して採用試験や昇進試験を受けるというもの。

昔あった一般職と総合職、国家公務員のキャリアとノンキャリアのようなもので、それをもっと細かく分類します。

当然幹部候補生となる経営職と軽作業が中心の業務職では、入社採用試験時の条件(例えば経営職は大卒以上&TOEIC700点以上とか)や、試験の難易度や条件、入社してから与えられる業務量、研修時間、勤務時間、その他転勤や出向などの諸条件も違ってきます。

当然支払われる賃金や昇給率も違ってきます。単純労働の場合は、アルバイトとそう変わらない給料で年功制度もなく昇級もほとんどありません。しかし双方とも解雇規制があり、福利厚生や有給休暇制度など正社員としての扱いはどの職でも同じです。

そうなるとおそらく社内の中に入社時のクラス(階級)がハッキリと分かれてしまい、それなりの弊害もあるでしょうけど、それは現在のアルバイトや派遣社員と正社員との格差を比べればまだマシに思えるはずです。

そして入社時に一度決まったクラスでも、入社後に入れ替わることも想定しておきます。

例えば幹部候補クラスで入ったけど、病気になりストレスの溜まる激務から、単純労働へ移りたいという希望をすれば変更でき、その逆で軽作業業務で採用された人が抜群のリーダーシップを持ち、数々の改善提案を成功させ、認められて一定の条件と社内試験をクリアすれば、マネジメントクラスや幹部クラスへ抜擢されることも可能とします。

そういう制度を義務づけ、入社時の条件と選択がすべてではないようにします。

おそらく労働組合などからは、平等の精神に反するなど反対意見も多そうですが、ひとつの企業内でも様々な職種や場所がある中で、労働条件や賃金、ベースアップが一律同じというほうがおかしな話しで、すでに有名無実化している年功序列を完全になくすのであれば、せめて実力主義、成果主義にして、それを職能給として賃金に反映すべきでしょう。

5)の採用の一手段として非正規雇用を利用するケースも増えていますが、企業側からするとせっかく非正規雇用を正社員にしようとしているのに、それを禁止されるのではあまりにも理不尽です。

ただ言えるのは数ヶ月のアルバイトや契約社員だった時には有能であっても、正社員に登用したとたん?という人が経験上少なくなかったことです。

正社員になるというのがモチベーションの人は、それが達成されてしまうと、いきなりそれに安住してしまい普通の凡人になってしまうことがよくあります。

つまり非正規社員の働きはあまり参考にならないというのが実感です。自ら考え自主的に動くことが多い正社員に求められる資質と、基本は指示された範囲の中で動く非正規社員に求められるそれとが違うこともひとつの要因です。

正社員となると通常は数年間ではなく、何十年間と長いつき合いになるわけで、その間ずっと全速力で走り続けられるかというとそれも無理な話しです。

逆に入社時はあまりパッとしなくても、十年後、二十年後に大活躍し会社の危機を救う社員が出てくることがあるのはドラマだけでなく実話を元にした「プロジェクトX」によく登場していました。

つまり、正社員の試用期間の代わりにと非正規雇用を長くやったところで、それでは才能を見抜くことはできないということを論理的にまた事例をもって証明し、そのような採用手法を採るところが(主としてワンマン経営の中小企業)減るでしょう。どうしてもという場合は、派遣で紹介予定派遣というのがあり、それをうまく活用すればいいのです。

ユニクロが始めた地域限定社員のような制度を政府も検討を始めたようです。

果たしてそれがどのようなものかはまだわかりませんが、なにか解雇規制の緩和とセットで論じられているところが嫌な雰囲気です。つまり「(中高年や病気がちな)正社員をどんどん解雇して、その代わりに地域限定社員を安く雇えば企業はお得です」的な。

ま、議論が始まったのはいいことなので、しばらくその様子をウォッチするしかないですね。


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