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1781
無駄だらけの社会保障(日経プレミアシリーズ) 日本経済新聞社編

無駄だらけの社会保障2020年に発刊された新書ですが、本文中で使われているデータやインタビューなどの調査がコロナ禍前のもので、やや出版のタイミングが悪かったと言うしかありません。

というのも、中身は平穏な世の中において高騰し続ける医療や介護の社会保障費の実態と、それらをどうやって削減していくべきかのご立派な提言で、あのコロナ禍中のドタバタを見ていると、日本の医療・社会保障行政や医療機関はまるで頼りにはならないことが露呈してしまったわけで、その内部から実のある改革ができるとはとても思えません。

しかし本文中で繰り返し語られているように、病院は空きベッドを減らすため無理してでも入院患者を増やし、医薬品の処方箋をたっぷりと出すことで利益が得られ、経営が安定するという構造や、介護施設でもコロコロ変わる政策に合わせ補助金頼みで、医療と介護がうまく連携ができていない状況が変わらない限り、医療費の削減はいくら一般患者に「医療費削減」を求めても無理な話です。

患者は医者や病院からの提案を断ることはできないから、治療や入退院、投薬などすべては専門家の言いなりになるしかありません。つまりまずは医療機関や医者自身が大きく変わらない限り、今のままズルズルといくことになるのでしょう。

それでも一般的には何年も入居待ちと言われている要介護者が入居できる特別養護老人ホーム(特養)が、実は介護人材不足と、高い個室部屋が敬遠され、国の机上の予想との乖離があってかなり空きがあるということはこの本で知りました。

あと、本著では一切触れられていませんが、政治的な圧力団体で医者の利益代表でもある保守的で利権体質の医師会の存在が改革の大きな障壁になっていると思っていて、患者第一主義ではない現在の各種の医療業界にはびこる規制やルールなどの問題にも触れて欲しかったというのが感想です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

あなたが消えた夜に(毎日文庫) 中村文則

あなたが消えた夜に本作品は2014年に毎日新聞の連載小説として掲載され、2015年に単行本、2018年に文庫化されました。

主人公は子供の頃に起きた(起こした)トラブルからトラウマに悩まされている東京郊外の警察署所属の中堅刑事と、殺人事件発生で応援にやってきた警視庁の新米刑事の女性の二人です。こういう組み合わせ、よくありますね。

その二人の刑事の掛け合いがメインですが、捜査する事件や登場人物が複雑で、読んでいても混乱します。

ましてや新聞連載小説だと、毎日切れ切れで読むことになり、時には読めない日もあったりして「これで大丈夫だったの?」と勝手に心配しました。

しかし所々で、登場人物や、事件に関わりのある人の説明が加わっていたので、なんとか路頭に迷わず最後まで読むことができました。

連続殺人事件や模倣犯といった、古くからある犯罪ミステリーですが、そこは一筋縄では終わらない著者の鋭いアイデアがちりばめられています。

また現実にはこれから殺そうとする人物を探偵会社に頼んでその居場所を突き止めてもらうとか、刑事が通りで不審者を見つけ、本人の了解もなしに持ち物のバッグの中をあらためるとか、現実的にはちょっと無理がありそうというところはともかく、当初の人間関係がガラガラと崩れ変わっていく物語は、ミステリー小説としての醍醐味は感じられました。

★★☆

著者別読書感想(中村文則)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

木漏れ日に泳ぐ魚(文春文庫) 恩田陸

木漏れ日に泳ぐ魚婦人公論に2006年~2007年に連載され、2007年に単行本、2010年に文庫化された長編小説です。

主人公は二人、一緒に住んでいた若い二人の男女ですが、次の日の朝には部屋の鍵を不動産会社に渡し、この部屋を出て別々の道を行くことが決まっていて、その最後の夜から始まります。

なぜ別れるのか、お互いがある殺人に関わっていたのではという疑念があり、それはどのようなことだったのか?など、読者に数々の疑問を抱かせながら二人の深夜の話し合いが淡々と進められていきます。

登場人物は少なく、わかりやすい設定ながら、徐々に明らかになってくる二人の関係性や、複雑な家族の話などが明らかになるにつれ物語の深刻さがジワジワと浸みてきます。

ただ最後はいまいちわかりにくい感じで、二度三度読んでもなにがどうした?って混乱してしまいました。著者の作品は、割とこうした読者に考えさせる終わり方をする作品が多いようです。

★★☆

著者別読書感想(恩田陸)

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ロウソクの科学(角川文庫) ファラデー

ロウソクの科学1861年と言いますから今から163年前に英国の王立研究所で行われた物理学者マイケル・ファラデーの講演をまとめたものです。

1860年~1861年頃と言うと、日本は江戸時代で桜田門外の変(1960年)、アメリカではリンカーンが大統領に就任し(1860年)し南北戦争が始まり(1961年~)、中国は清の時代で西太后の摂政政治が始まります(1861年~)。

当然、当時はまだ電灯はなく、夜の灯りと言えばガス灯かロウソクしかない時代です。また科学や化学も今の小中学生レベルの常識がまだ通用するかしないかの社会です。

そういう時代に、多くの市民や子供を集めたクリスマス講演で、ロウソクがなぜ灯るのか、火がついてどう変化するのか、なにが発生するのか、発生した気体はどういう特徴があるのか、などを様々な実験器具を用いてわかりやすく説明していきます。

現代人が読むと、「そんなこと知っているよ」という酸素や水素、窒素、炭素(二酸化炭素)の話などが中心になりますが、160年も前にそれらの役割を知っていた人は限られるでしょう。

ローソクが燃えると言うことは、その酸素や水素、窒素、炭素が関係するということで、テーマが馴染みのあるローソクにスポットを当てているのでしょう。

今、大人が読んでもその話は面白く、当時の子供達が科学をこれから勉強したいと思わせるような良い講演だったろうと思います。

★★☆

【関連リンク】
 3月後半の読書 ものごとに動じない人の習慣術、アジアンタムブルー、アウトサイダー 陰謀の中の人生、僕の探偵 
 3月前半の読書 とれない「痛み」はない、記憶の渚にて、袋小路の男、おれの死体を探せ
 2月後半の読書 帰郷 三世代警察医物語、人はどう死ぬのか、総員起シ、傷だらけのカミーユ


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1778
ものごとに動じない人の習慣術(KAWADE夢新書) 菅原圭

ものごとに動じない人の習慣術著者は元出版社で勤務したあとフリーライター、作家として活動されていて数多くの啓発本を出版されています。

この本は、2020年出版ということでまだ新しい本と思って買いましたが、元は2008年に出版した同名の新装版ということで、すっかり河出書房新社に騙されてしまいました。

お正月に国立競技場へラグビーの試合を見に行ったとき、河出書房新社のビルが健在で懐かしかったです。

というのも、40数年前の1980年頃に、週1回は河出書房新社へ仕事で通っていたことがあり、当時の担当者が「良かったら読んでみて」とくださった書籍は読んだ後今でも私の書棚に置いてあります。

河出書房新社は、歴史ある名門の出版社ですが、過去2度倒産の憂き目に遭い、苦労しながら再建してきた会社で、社名につけられた「新社」がそれを物語っています。仕事ではたいへんお世話になったこともあり、陰ながらずっと応援していました。

閑話休題、著書の感想ですが、20代後半から30代の人向けと思われる内容で、還暦過ぎた酸いも甘いも経験してきた親父が読むのには向きませんでした。

私も若いときにもっとこういう自己啓発本を読んでいれば、また違った人生を歩んでいたかもと思いますが、なにぶん今の人向きにノリが軽い話が多く、私の若いときの仕事や上司には絶対服従の根性論とは違っていますから合わなかったでしょう。

個人的には、予定通りにいかなかったときに、冷静になれず慌ててしまう性格で、それを直したいな~と思ってタイトルに惹かれ手に取りましたが、そういう感じではありませんでした。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

アジアンタムブルー(角川文庫) 大崎善生

アジアンタムブルー著者の作品は、20年前の2004年に「パイロットフィッシュ」(2001年)を読んで以来なので20年ぶりです。本著は2002年に単行本、2005年に文庫版が出版されています。また2006年には阿部寛主演で映画も製作されています。見てないけど。

この作品は、「パイロットフィッシュ」、「エンプティスター」(2012年)とともにエロ系雑誌の編集者、山崎隆二を主人公とする恋愛三部作です。

アジアンタムブルーって何?と知らないまま読み始めましたが、作中に「観葉植物のアジアンタムが水不足で葉がちりちりになってしまい、その状態がみるみるうちに葉全体に広がってしまう現象のこと」ということだそうです。

観葉植物のアジアンタムの話や、熱帯魚の王様といわれている飼育が難しいディスカスの話、ブリティッシュ・ロック、そして酒と料理の話など、著者の趣味の多くが小説の中で生かされている感じがします。

内容は、仕事がらみで知り合った女性のカメラマンと付き合うようになったきっかけや、一緒に同棲を始めた後にその恋人が胃がんの末期ということがわかり、、、という悲恋の物語です。

ま、若い恋人や連れ合いが不治の病に倒れてあらためて愛を考えるというのは恋愛小説やドラマでは定番過ぎて、もう今はお腹いっぱいっていう感じですが、青春時代に読むとそれなりに感動もするのでしょう。えぇ私にもそういう時期がありましたもの。

この小説に出てくる登場人物はいずれも魅力的で、主人公と気の合うSMの女王や、主人公と仕事を超えて気の合う風俗ライター、恋人の余命宣告をし主人公の無茶な提案を受け入れてくれる主治医、フランスのニースで知り合ったタクシー運転手など善人ばかりで、実際には周囲に山ほどいるはずの悪人は表だって出てこない私の好きなタイプの小説です。

★★☆

著者別読書感想(大崎善生)

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アウトサイダー 陰謀の中の人生(角川文庫) フレデリック・フォーサイス

アウトサイダー日本語版の単行本が2016年に出版されたこの作品は著者の今までの国際陰謀スリラーとは違い、完全な自伝です。

理解のある両親の元で比較的裕福な家庭に育った著者の中学生時代、全寮制の高校時代、そしてパイロットを志望して空軍に入り、その後は海外特派員になりたくて新聞社や放送局(BBC)などで活躍する姿とその失望などが生々しく書かれています。

ジャーナリストとして世界中を飛び回ったことで、デビュー作「ジャッカルの日」や2作目「オデッサファイル」、3作目「戦争の犬たち」の構想を得て、窮乏状態をなんとかしようと小説を書いて打開しようと出版社を回ったことなどリアルです。

そして出版社回りがうまくいかずバーでやけ酒を飲んでいるところに知り合った紳士の助けで幸運もありベストセラー作家として上り詰めていきます。

特に秀逸だったのは新聞社に記者として勤務していた時に、どこへ行くにも監視がつく東ドイツのベルリンでの勤務時代です。

子供の頃からフランスやドイツにホームステイして多国語を自由に操れるようになり、その能力を生かしてまるでサスペンス映画のような様々な危機をしのいでいきます。

また英国の情報部から東ドイツのドレスデンまで行き、ソ連のスパイと書類を交換する仕事を頼まれ、自分のクルマで美術研究者として活動するシーンはスパイ映画も顔負けの展開です。

その後はアフリカへ飛んで、ナイジェリアから独立しようとするビアフラとの戦争を中に入り込んで取材をしてレポートを揚げますが、雇い主のBBCは英国政府が支持するナイジェリア政府の汚点は表面化することがなく、逆に著者はビアフラで悲惨な飢餓状態や英国製の武器で一般市民が蹂躙されるのを目の当たりにします。

解説で少し書かれていましたが、著者はアフリカの赤道ギニア共和国の政府を転覆させようと、私財をつぎ込み傭兵を雇ってクーデターを起こしたと言われていますが、本文中にはそれらのことはあまり触れられていません。著者にとっては根も葉もないことなのか、それとも触れたくない大きな汚点だったのかは不明です。

あと、著者はずっと昔のインタビュー記事で、日本嫌いということが書かれていたのを読んだことがあります。

理由は確か太平洋戦争時の日本軍と英国軍の戦いと、日本の戦争捕虜の扱いなどに憤慨したということでしたが、今ではその日本嫌いの思いは薄まっているようで、本著の中にも夫婦で日本を旅行し、高野山などへ行ったことなどが書かれています。しかし相変わらず日本や日本人が好きという感じではなさそうです。

この自伝がおそらく著者の最後の作品となりそうです。1996年に一度絶筆宣言をし、その4年後に再び作品を出した経緯がありますが、もうお金を稼がなくても十分らしいので、そのモチベーションはなさそうです。

★★★

著者別読書感想(フレデリック・フォーサイス)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

僕の探偵(創元推理文庫) 新野剛志

僕の探偵2012年に「素人がいっぱい ラブホリックの事件簿」というタイトルで単行本が出版され、2016年に文庫が出版されるときにタイトルが変更された連作短篇集です。

「死者に名を」「雨宿り」「女王様のクリスマスプレゼント」「恋は紫色」「生者に花を」の5篇で組み立てられていて、最後まで読むと不可思議な登場人物の謎などが明らかになります。

単行本タイトルの「ラブホリック」とは主人公が勤務する渋谷の風俗店デリバリーヘルスの店名で、その主人公と大学時代の頭脳明晰な友人が探偵役で、三軒茶屋のアパートで同居しています。

そのデルヘリで起きる様々な事件や不可解な出来事を推理して解決に導くホームズ役が主人公の友人で、その周囲でオタオタするのがワトソン役の主人公というよくあるパターンです。

解説でも書かれていましたが、居候として同居する友人が探偵役とするのは、三浦しをん著の直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」と設定等が似ているところがあります。

ま、事件も風俗の仕事の様子もあまりリアリティはなく、さすがに著者自身が実際に現場経験してきた空港勤務の旅行代理店職員「あぽやん」と比べて内容に軽さと薄さが目立ちます。仕方ないですけど。

★★☆

著者別読書感想(新野剛志)

【関連リンク】
 3月前半の読書 とれない「痛み」はない、記憶の渚にて、袋小路の男、おれの死体を探せ
 2月後半の読書 帰郷 三世代警察医物語、人はどう死ぬのか、総員起シ、傷だらけのカミーユ
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1776
高齢夫婦63歳になる少し前にすべての仕事からリタイアしましたが、その前後にはいくつかの「定年本」を読みあさりました。またリタイアと同時にやってくる年金生活や老後の問題など関連本も読みました。何事も知識を得るのは重要です。

しかし、本当は定年やリタイアしてからそういう本を読むのは遅く、少なくとも定年やリタイアする10年ほど前には読んでおくべきだったと後悔しています。

なかなかバリバリ働いている40代や50代のはじめに定年後や老後の関連本を読むというのは心理的にも難しいもので、できれば老後のことなんか考えたくないという感覚が普通ではないかと思います。

なぜ10年前に知識を得ておかなければならないかというと、個人個人で資産や住まい、ローン、子供の教育、趣味やライフスタイルなどが違っているのが普通で、それをよく調べ、考え、対処をした上でリタイアや年金生活に入っていくのが望ましいからです。

わかりやすいのは、定年の時までには住宅ローンや子育て(教育費など)が終わっていることが望ましいですが、人によって違っているはずです。

住宅ローンが65歳まで続くから退職金で繰り上げ返済するか、定年後も引き続き働こうとぼんやり考えていても、定年後に得られる収入は信じられないぐらい減り、退職金も団塊世代がリタイアする頃とは違って今は大きく減っています。私が勤務していたところは自主的に決めるわずかな確定拠出年金制度(401K)はありましたが、退職金制度はありませんでした。

それまで収入に占める割合が低いためにあまり気にならなかった健康保険料や介護保険、各種の税金が少ない収入にズシリと乗っかってきてそれまでの生活スタイルを維持するためには老後のためと思っていた貯蓄がみるみる減っていくことになります。

しかし退職する10年前(50~55歳頃)なら、様々な手がまだ打てます。例えば、持ち家の場合、屋根や外壁の修理など大金がかかる修繕や、マイカーを老後も乗り続ける場合、退職する前に新車を購入しておくほうが良さそうで、さらに住宅ローンも退職する前には完済しておきたいものです。

老後に備えて今流行っている積み立て債権に投資する場合や、国民年金に上乗せする国民年金基金も、60歳になってからではもう遅く、少なくとも50歳になるまでには始めないとその恩恵を得られるのは定年後のずっと後と言うことになりかねません。

その他、保険の見直しや、定年後の仕事(資格取得や勉強)、住まい(住み替えや自宅修繕、移住、引っ越し)なども退職してからではなくその前から準備や計画を始めておくのが望ましいでしょう。

そうしたリタイア後のためにあらかじめできるだけ早く定年本や老後のリアルな話を読んでおくことをお勧めします。

ただ、その一部には実際の世の中のことを知らない学者の先生や、お金持ちの評論家などが非現実的な机上の論理でご立派な自説を述べている書籍もあり、その取捨選択は必要です。

どの本が役立つかは、お金、仕事、健康、介護、家族、人間関係、住まいなど、読者が何を求めるかによっても違ってきますので、「これだけ!」というものはありません。

私が過去に読んだ定年本や老後本と、その感想(リンク)を並べておきます。少しでもお役に立てば良いですが、何を重要に思うかの価値観は人それぞれで、時代によっても変わってきますのでご参考まで。

定年/老後/介護本既読一覧
定年本/エッセイ 著者 感想
定年後 年金前 岩崎日出俊 Entry/650/
定年後 50歳からの生き方、終わり方 楠木新 Entry/876/
定年前後の「やってはいけない」人生100年時代
の生き方、働き方
郡山史郎 Entry/1102/
定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方 杉山由美子 Entry/1132/
定年バカ 勢古浩爾 Entry/1443/
定年後7年目のリアル 勢古浩爾 Entry/1038/
定年後のリアル 勢古浩爾 Entry/982/
退職金貧乏 塚崎公義 Entry/694/
定年ですよ 退職前に読んでおきたいマネー教本 日経ヴェリタス Entry/1086/
超リタイア術 野口悠紀雄 なし
定年病! 野末陳平 Entry/698/
 
老後・介護/エッセイ 著者 感想
脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 新井平伊 Entry/1333/
おひとりさまの老後 上野千鶴子 Entry/557/
老後に破産しないお金の話 大竹のり子 Entry/802/
年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方 荻原博子 Entry/1400/
みっともない老い方 60歳からの「生き直し」のすすめ 川北義則 Entry/938/
老いの才覚 曾野綾子 Entry/811/
老後に本当はいくら必要か 津田倫男 Entry/864/
介護ビジネスの罠 長岡美代 Entry/973/
老いた家 衰えぬ街 住まいを終活する 野澤千絵 Entry/1314/
老いる家 崩れる街 野澤千絵 Entry/933/
風のささやき 介護する人への13の話 姫野カオルコ Entry/698/
下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 藤田孝典 Entry/690/
東京消滅-介護破綻と地方移住 増田寛也 Entry/1273/
老いと記憶 加齢で得るもの、失うもの 増本康平 Entry/1340/
老いる覚悟 森村誠一 Entry/668/
 
定年・介護・老後/小説 著者 感想
ハッピー・リタイアメント 浅田次郎 Entry/235/
恍惚の人 有吉佐和子 Entry/672/
老後の資金がありません 垣谷美雨 Entry/1118/
定年ゴジラ 重松清 なし
介護退職 楡 周平 Entry/565/
老いた男 トマス・ペリー Entry/1427/
介護入門 モブ・ノリオ Entry/608/


【関連リンク】
1397 早期退職はありかなしか
1394 あと半年に迫ったリタイア準備
1215 定年退職後の再就職はどうする

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1775
とれない「痛み」はない(幻冬舎新書) 柏木邦友

とれない「痛み」はない著者は珍しい麻酔科医でありながら、現在はフリーの立場で麻酔医として病院で勤務しながら動物病院にも勤務されているという変わり種の方で、本著は2022年に出版されています。


私は2016年に初めて全身麻酔で手術を受けたとき、事前に麻酔医との面接?があり、アレルギーや体調などについてあれこれ問診されたことを思い出しました。

麻酔は手術をする医者(執刀医)がその前段としておこなうものとばかり思っていたので、その時は、「へぇー麻酔の専門医がいるんだー」と思いましたが、この本を読んで麻酔医の役割や、重要性がよくわかりました。

そういうあまり麻酔医という馴染みがない専門医療について書かれた本です。

一般的に人は加齢とともに、様々の痛みと闘っていかなければなりません。関節痛や神経痛、頭痛、腰痛などはもちろん、癌や慢性病など関わっていく病気も増えていきます。また出産という非常に強い痛みを伴う時にも麻酔を使った無痛出産が広がってきています。

麻酔というのは手術の時だけではなく、そうした痛みを和らげ、日常生活に支障が出ないようにする、また残された時間を安寧に送れるようにするために必要な術式で、「麻酔=危険、中毒」という従来からある概念はすでに変わってきています。

麻酔や鎮痛にも種類があり、使いすぎると中毒やオーバードーズになってしまう薬剤もあり、そのあたりの説明もなされています。

一般論としての話で、自分に当てはめてみてどうなのか?というのはわかりにくいのと、馴染みがない専門性の強い話が多くてやや理解が難しいですが、知識として知っておくのには役立ちそうです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

記憶の渚にて(角川文庫) 白石一文

記憶の渚にて2016年に単行本、2019年に文庫版が出版された小説で、ジャンルとしてはミステリーとか一部ファンタジー?という感じの話でした。文庫版で577ページという長編です。

第1部では地方都市で零細なアトピー患者向け石鹸の販売代理をしている主人公が、長く疎遠状態だった作家をしていた兄が謎の自殺し上京しますが、兄の世話をしてくれていたと思われる女性を探し出したところ、その女性と離婚した元夫から難癖を付けられあっさりとナイフで刺されて死んでしまいます。

第2部では第1部から数年後、主人公とその自殺した兄の義理の甥という縁者が主人公となり、作家として活動していますが、自殺した作家の叔父がなぜ自殺しなければならなかったのか、叔父と仕事で関係があった元新聞記者とともに調べていきます。

このあたりから、宗教やスピリチュアルの話が多くなってくるのと、人間関係が叔父や叔母、腹違いの姉妹、遠い親戚など多くの人が登場してきてなかなか頭の中で整理がつかなくなります。

一応、巻頭には主な登場人物が書かれていましたが、実際に登場するのはその何倍もの人たちが次々出てきて、メモリー領域が少ない私は完全にオーバーフローしました。

本当なら登場人物と同時に、その相関関係図(家系図など)もあれば良いのですが、それは後でわかる本題のミステリーの要素にも関わってくるので最初には書けないでしょう。

こうした遺伝子に組み込まれているという前世に経験したことや、手をかざして治療する特殊能力、一晩でアトピーが治る神秘の樹木、亡くなった人の天の声が聞こえるなど、霊やスピチュアルな話はどうも苦手で、読んでいて徐々にしらけてしまったのは個人的な問題で、エンタメとしては脈々とつながる壮大なドラマという話になっています。

★☆☆

著者別読書感想(白石一文)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

袋小路の男(講談社文庫) 絲山秋子

袋小路の男3作の短篇が収録された短篇集で、2004年に単行本、2007年に文庫版が出版されています。

収録作品は「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」、「アーリオ オーリオ」の3作で、そのうち「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」はほぼ同じ登場人物で展開する不思議な恋愛小説で、二つは視点を変えた同じ物語ですが、見方が変わるだけで内容も変わり、「こういうやり方もあるのか」と感心しました。

個人的には3作の中で一番好きな「アーリオ オーリオ」は、パスタ好きで、星座に詳しい主人公と、兄貴の中学生の娘(姪)とのほのぼのとした物語で、手紙でやりとりする仲になり、その手紙が届く先を3光日先の星としてタイトルのパスタの名称を付けています。

少し前に読んだ白石一文著「記憶の渚にて」も、兄弟や甥、姪などの関係が甚だしい物語でしたが、このように、家族でも疎遠になっている兄弟や、姪などとの近そうで遠い微妙な関係というのは物語になりやすそうです。

★★☆

著者別読書感想(絲山秋子)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

おれの死体を探せ(徳間文庫) 小松左京

おれの死体を探せ1983年に文庫で出版された短篇集で、「長い部屋」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「共食い」「男を探せ」「鳩啼時計」の6篇が収録されています。

前の3作は貧乏な私立探偵が主人公で、コミカルな連作です。後の3作はいずれも独立していますが、どの作品もSFをうまく取り入れていたり、著者の作品にしては幽霊が自分の死体を探しに出てきたり、同時に複合的な誘拐事件が発生したり、性転換手術だったりといろんな面を見せてくれます。

個人的には最後の「鳩啼時計(はとなきどけい)」が好きで、小説の舞台はずっと未来の話ですが昔懐かしい「鳩時計」が出てきます。実は母方の実家に行くと、(本物の)鳩時計があって、欲しくてたまりませんでした。

タイトルの「鳩啼時計」とは、明治生まれの詩人で作詞家だった西条八十が昭和8年に書いて少女向け雑誌「令女界」に掲載された「鳩啼時計」という詩のことです。

詩の1番は「鳩啼時計今啼き 冬の夜ふけの十一時 凩さむき戸外には 利鎌のごとき月冴えて」と、「冬の夜更けの11時に鳩時計がちょうど今啼いて、木枯らしが吹く外にはよく切れる鎌のような月が出ている」という意味。

2番は「過ぎし日君と一つづつ 銀座の街に購へる 鳩啼時計いま啼けば うれいは深しわが心」で、意訳すれば「ずっと昔にあなたと銀座で鳩時計を一つずつ買って、それを今啼くと切ない思いが心に広がる」という、鳩時計の音で昔の恋人を思い出すという内容です。

小説では、その詩のように、昔の恋人と一緒に買った二つの鳩時計が絡む殺人事件が起きて、、、というストーリーです。

なお、この詩は4番までありますが、3番以降はその恋人のことを想う愁いをシクシクと繰り返していて、恋する女学生達に向けた今で言うところのラブソングです。

1980年代のSFらしく、40数年後に読むとテレビ電話や人体移植、人工的に重力を曲げる装置など、40数年後の現在既にあるものもあればまだないものなどあって創造力の面白さを味わえました。

★★☆

著者別読書感想(小松左京)


【関連リンク】
 2月後半の読書 帰郷 三世代警察医物語、人はどう死ぬのか、総員起シ、傷だらけのカミーユ
 2月前半の読書 やがて、警官は微睡る、キル・リスト、検事の本懐、みちづれ 短篇集モザイクI
 1月後半の読書 25時、晴子情歌(上)(下)、淀川八景

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1772
帰郷 三世代警察医物語(光文社文庫) 新津きよみ

帰郷ホラーやサスペンス小説が有名な著者ですが、過去読んだ2作ではその要素はあまり感じられませんでした。今回はどうかな?と思って読み始めましたが、やはりそうした要素はなく、医者を主人公としたミステリー小説といったジャンルになるでしょう。

発刊は2014年でいきなり文庫です。著者あとがきで初めて知りましたが、著者の父親は医者で、地方の警察署の嘱託医を長く務めていて、それがこの小説のモチーフとなっています。

ただサブタイトルの「三世代警察医」は正しくなく、小説では祖父と孫(主人公)の二人が医者で、警察の嘱託医ということで、間の父親は画家という設定です。

また小説に登場する長野県大町市は、あとがきを読むまで架空の都市だとばかり思っていたら、実際に著者の出身地で実家のある場所だということを後になって知りました。

長野と言えば、松本市や長野市、あとは観光で行く安曇野や美しが丘、諏訪湖ぐらいしか馴染みがなく、安曇野のまだ先の北アルプスの麓にある大町市というのは盲点でした。本格的な山登りの好きな人には馴染みがありそうです。

その大町市で開業しながら警察の嘱託医をしている医者の祖父の代わりに空き家で発見された他殺死体の検死をすることになった東京の大学病院で研修医をしている主人公が、どうしてなんの縁もない大町市の空き家に放置されたのか、その謎を追いかけます。

こうした医者を主人公とした小説は、同じ長野県が舞台の「神様のカルテ」など、現役の医者が書くケースが多いのですが、著者の場合は、父親が医者と言うことで、その知識が豊富なのでしょう。

事件としてはそれほど複雑なものではなく、何度も繰り返される「空き家」がキーワードとなっています。日本で一番空き家率が高いのは確か山梨県でしたが、おそらく隣の長野県でも空き家の問題が日常化しているのだろうと思います。それがこの作品のヒントになっていそうです。

またこの小説は既に「父娘の絆 三世代警察医物語」という続編が2015年に出版されています。

★★☆

著者別読書感想(新津きよみ)

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人はどう死ぬのか(講談社現代新書) 久坂部羊

人はどう死ぬのか2022年に発刊された新書で、様々な医療現場に携わったあと、現在は在宅医療を中心にされている著者が本音で語る終末医療、つまり人の死に方についての指南書と言えるものです。

繰り返し書かれているのは、終末医療には限界があり、患者本人のためではなく、その周囲(家族や遠い親戚など)のために、「ベストを尽くしている」という態度や医療を提供することだけという空しい話です。

つまり患者の意思とは関係なく、高齢者や末期癌を患っている人の具合が悪くなると、家族などが慌てて救急車を呼んで病院へ移送されると、そこで待っているのは、ほとんど意味のない検査と治療でそれことスパゲッティ状態にされてしまうという現在の終末医療を非難しています。

現在は約7割の人が病院で亡くなるということですが、「死にたくなければ病院へ行くな。病院へ行くから死ぬんだ」と誰かがテレビの番組で話をしていましたが、7割の人が病院で亡くなっているならそれも正しいかも知れません。

著者も繰り返し、穏やかに最期を全うしたいなら「高齢者や末期癌の人はむやみに病院へ行くべきでない」と書いています。

著者の小説や他の新書でも同様のことがよく書かれていますが、そうした無用な終末医療を避けようとする思想や行動はマスコミや医療従事者含む一部の人には不評で、「人命は地球よりも重い」という迷言でなかなか普及していかないことが著者のジレンマとなっているようです。

私自身、もう高齢者になって、終末を迎える時期も近くなってきましたが、自分の死に方というのはなかなか思い描けず、たとえ考えたとしてもそう思い通りにいくわけもなく、難しい問題です。

本著にも出てきますが、医者に対して「自分ならどういう死に方が一番良いか」という質問では「癌」という答えが一番多いそうで、それはある日突発的に死に至るのではなく、ある程度は計画的に死に近づけるため、その準備をすることができるということでしょう。

この本の中でちょっとわかりづらいなと思ったのは、書かれている理想の終末医療の前提は寿命が近い高齢者向けの話のはずで、これが癌など他の重篤な病気でも体力もある若い人の場合はまたちょっと違うように思います。

そのあたりの区別が書かれていないので、「若い人の終末医療を懸命におこなわないとはけしからん!」という誤解を生じる人がいるように思います。

私もそう遠くない時期にこうした終末医療を選択する時がやってきます。その時には、本書を参考にして
・口から栄養を摂れなくなっても胃ろうは断る
・痛み止め以外の栄養補給などの点滴も断る
・呼吸が苦しくても人工呼吸器は断る
・自宅で倒れてもむやみに救急車を呼ばない
を大きく紙に書いて貼っておき、家族にも重々申し渡しておこうと思います。

★★☆

著者別読書感想(久坂部羊)

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総員起シ(文春文庫) 吉村昭

総員起シ戦史短編小説集で、当初1971年に単行本が出版された後、2篇が追加され1981年に文庫化されたノンフィクションに極めて近いと思われる作品集です。

収録されているのは、「海の棺」「手首の記憶」「烏の浜」「剃刀」「総員起シ」の5篇です。この5篇はそれぞれ太平洋戦争中か、終戦直後に実際に起きた事件や事故を、関係者などから聞き取り、調べて書かれたもので、極力著者の推理や想像を排して書かれているようです。

「海の棺」は、太平洋戦争中に北海道の襟裳岬近くの日高沖で輸送船大誠丸が米潜水艦に撃沈され、乗員約1400名のうち、死者・行方不明者が651名をで大量の兵士の遺体が日高町の海岸へ流れ着いた話ですが、なぜかその遺体の多くに手首が切り落とされていた謎とは?

「手首の記憶」は、太平洋戦争当時日本の領土だったサハリンにある太平炭鉱病院に勤務していた看護師達が終戦後にソ連の侵攻で追い詰められ集団自決をしますが、そこで死ぬことができず生き残った女性達のその後。

「烏の浜」は終戦直後の8月22日、樺太から避難してきた疎開者を乗せた小笠原丸が北海道の増毛町沖で、米軍の指示で無線信号を出しマストに航海灯を点灯して航海中、国籍不明(その後ソ連と判明)の潜水艦から攻撃を受けて乗員乗客638名が死亡した事件。

「剃刀」は、那覇の民間人の理容師が軍属として、司令部とともに米軍に南へ南へと追い詰められていく切ない話。

「総員起シ」は、愛媛県松山沖で、試験航海中に沈没してしまった伊号第三十三潜水艦の戦後9年が経ってから引き上げることになった話です。沈没しながらも二名が決死の脱出を成功させたことで、その状況が明らかになっていきます。

その沈没した潜水艦の中で、9年間、酸素が尽きた艦内の閉鎖区域では遺体は腐敗せず「総員起シが発令されたらみな飛び起きそうな状態」だったという話には泣かされます。

いずれの作品も、暗く、不条理な悲劇ばかりで、読んでいて息が詰まるほど重苦しいですが、こうしたリアルな歴史をわずか80年前に日本人が経験していたということは知っておくべきことかなと思いました。

★★★

著者別読書感想(吉村昭)

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傷だらけのカミーユ(文春文庫) ピエール・ルメートル

傷だらけのカミーユ「カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作」の第3弾にあたり、2012年にフランスで発刊され、翻訳版は2016年に文庫で発刊されています。原題は「Sacrifices」(犠牲)です。

毎度壮絶な残虐なシーンが出てきて、読み終えてからもしばらく嫌な思いが残ってしまうので、もういいかなと思っていましたが、忘れた頃にまた読みたくなる一種の中毒に罹ってしまったかのようです。と言ってもまだ今回が3作品目です。

今回もいきなり主人公カミーユ警部の恋人が宝石店に入ったギャングと鉢合わせして散々な目に遭わされます。世界一ついてない男と称されるジョン・マクレーン(映画ダイ・ハードの主人公)ばりにこのフランス警察のカミーユ警部もとことんついていません。

上司をだまし、同僚をだまして、恋人に重傷を負わせた強盗犯をひとりで追い詰めようとします。まったく後先のことを考えない直情的な性格で、それゆえ一歩離れた場所から眺めている読者は一緒に感情を高めていくことになるか、あるいはしらけていくかのどちらかでしょう。

私は仕事に感情を持ち込まないのを常としていたので、その後者の方です。したがって、どうも主人公には感情移入ができず、気持ちもわからず、逆に冷静な犯人を応援したくなってしまいます。

このシリーズは、この3部で終わりらしいので、どうでも良いですが、もし続編が出てももうさすがに良いかなと思っています。

★☆☆

著者別読書感想(ピエール・ルメートル)


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