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逆流 越境捜査 (双葉文庫) 笹本稜平

2014年単行本、2017年に文庫化された、「越境捜査シリーズ」の第4弾となる作品です。このシリーズは、2019年までに7作品まであります。

また2008年から2011年にかけて単発で柴田恭兵主演のテレビドラマが制作されています。

このシリーズは、「越境捜査」(2007年)、「挑発 越境捜査2」(2010年)、「破断 越境捜査3」(2011年)、「逆流 越境捜査」(2014年)、「偽装 越境捜査」(2015年)、「孤軍 越境捜査」(2017年)、「転生 越境捜査」(2019年)が既刊です。

著者の作品は過去にシリーズ物ではない「時の渚」(2001年)、「太平洋の薔薇」(2003年)、「グリズリー」(2004年)を読んでいます。いずれもまずタイトルにグッと惹かれたのと、実際に読んでみてもたいへん面白く一気にファンとなりました。

主人公は警視庁捜査一課捜査協力係の警部補で、いろいろと庁内で波風を立てたために、出世はできず、遊軍として捜査の応援をしたり、古い未解決の事件を追いかけたりしています。

ファンと言っても読むのは久しぶりで、調べると2007年から今回12年ぶりと言うことになります(すみません、ファンとは言えません)。

なにか本格的警察ミステリーと言うよりは、「相棒」や「あぶない刑事」などのように、テレビドラマ化を視野に入れた感のあるエンタメ性重視の作品です。

となると、お定まりの主人公の相棒にはハチャメチャでお調子者の金髪の刑事や、主人公の身辺警護には柔道の達人でやたらとジグザウエルを振り回す若い女性刑事とか、テレビ映えするようになっています。

ストーリーとしてはよく練られている感じで面白かったけど、あまりにも非現実すぎてちょっとなぁ、、、って感じでした。

★☆☆

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友がみな我よりえらく見える日は (幻冬舎アウトロー文庫) 上原隆

1996年に単行本、1999年に文庫化された20年以上前の作品ですが、古くささは微塵も感じません。

著者は団塊世代の70歳、週刊誌や雑誌などに寄稿しているエッセイストとして有名です。

タイトルは、石川啄木の「一握の砂」の「友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ」から取られています。なかなか含蓄のある言葉です。

著者がインタビューしたり、旧友との再会など、人とのコミュニケーションの中で、格好付けではなく、そのまま感じたことを素直に文章として書いているって感じのエッセイです。

最近はエッセイと言いながらもまるでフィクションの小説のようなものも増えていますが、まだ13年前は純たるエッセイが生きていたのでしょう。著者にもよりますけど。

なにか問題を解決してくれるという内容ではなく、様々な交友関係や気になった人との面談を通じて、人が生きていくという気持ちを気づかせてくれるような内容です。

他人との関係に悩んだり、気持ちが塞いだときなど、ちょっと気分転換のつもりで読んでみるのも良いかもしれません。なにか吹っ切れるきっかけとなるかも知れません。

★★☆

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ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y) 三浦 展

その新書は今から15年前の2004年に発刊されたもので、やや内容やデータが旧聞になってしまってはいますが、大枠として地方の郊外化と犯罪の拡がりなど様々な問題を知るのには役に立ちます。

タイトルの「ファスト風土化」は、チェーン展開する画一的なファストフードにモロひっかけたオヤジギャク的な著者の造語ですが、「下流社会」ほどには一般的に使われることはありませんでした。しかし言わんとする意味はよく理解できます。

この本が書かれた2009年頃は、リーマンショック直後ということもあり、不況の影が忍び寄り、犯罪認知件数が特に伸びだした時期で、こうした危険を啓発するのに適していましたが、その後は重大犯罪は大きく下降し、犯罪数そのものは横ばいに推移しているのは以前「暗黒の1950年代 2019/4/20(土)」で書いた通りです。

特に犯罪認知件数が増加している理由のひとつには、人の人権意識や弱者救済の理解が進み、例えば今まで泣き寝入りしていて犯罪とならなかった、いじめや校内暴力、ストーカー行為などが犯罪と認識され、それを訴える人が増えてきているという事情もあるでしょう。

都市部のしかも繁華街で起きていたような犯罪が、地方でも起き出したというのは、それが確かなのかもう少し期間を追った検証が必要でしょう。

大ベストセラーになり流行語にもなった「下流社会」は、著者の中でも最大のヒット作品ですが、同著も読みましたが、やや炎上商法とまでは言いませんが、著者の作品にはやや大げさに不安を煽るようなところがあるのかも知れません。それが著者の本業でもあるマーケティングの鉄則ってことなのでしょう。

確かに地方の主要国道を走ると、大手スーパー、ディスカウントチェーン店、ファミリーレストラン等、全国どこにでも都心の郊外と同じような風景が見られます。

だからと言ってそれが今まで都市部で多く起きていた犯罪が地方で起きてきたというぶっ飛んだ仮説はまだちょっと行きすぎかなと思えます。

現実的に少年犯罪も、重大犯罪も10年単位で見れば、ずっと減少傾向にあり、ホンのわずかな1~2年だけの比較を出して「この地域でこーんなに増えている」とか言うのはどうなのでしょう。

全体としては、参考になる話しもあり、勉強になりました。

★★☆

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ピストルズ (講談社文庫)(上)(下) 阿部和重

2007年から2009年にかけて雑誌群像に連載され、2010年に単行本として、2013年に文庫化された長編小説で、2010年には時代を象徴する優れた小説が選ばれる谷崎潤一郎賞を受賞しています。

著者の作品は初めてだったかな?と思って調べると2015年に「グランド・フィナーレ」(2005年刊)を読んでいました。

2015年5月後半の読書(グランド・フィナーレ)

小説の内容ですが、実在する著者の出身地山形県東根市神町を舞台に、古くから土着している魔術を操る一家についての話しで、その華やかな一家には一子相伝で魔術を操れる子孫が生まれるという筋書きです。

その一家にまつわるいろいろな噂を耳にした町の書店主が、小説を書いてデビューした一家の次女に頼み、一家にまつわる噂の真相や家の歴史について聞き出していきます。

とにかく祖父の代から父親、そして妹へと一子相伝の秘術が伝わっていく長い長い物語で、途中から退屈しながらも我慢して読み進めていくと、最後まで特に盛り上がることもなく、ズルズルと終わってしまう割と単調なストーリーでした。

そう言えば、タイトルのピストル(拳銃)って一度も出てこなかったなぁって不思議に思っていたら、文庫の解説で「雌しべ(Pistil)」のことだってことがわかりました。

これはいまいち理解出来ませんが、すべての母親が違っているという一家の4姉妹のことを表しているのでしょう。

★☆☆

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