忍者ブログ
リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~ HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
Calendar
<< 2024/11 >>
SMTWTFS
1
3456 78
10111213 1415
17181920 212223
24252627 282930
Recent Entry
Recent Comment
Category
1291   1290   1289   1288   1287   1286   1285   1284   1283   1282   1281  

[PR]

Amazonタイムセール

ビジネスの書籍売れ筋ランキング 

文庫の売れ筋ランキング

新書の売れ筋ランキング


ミュージックの売れ筋ランキング 

車&バイクのほしい物ランキング

ヘルメットのほしい物ランキング

洗車用品のほしい物ランキング


1596
しゃばけ(新潮文庫) 畠中恵

著者は1959年生まれということで私とほぼ同年代です。数多くの小説を出されていますが、読むのは今回が初めてです。

本著は実質的なメジャーデビュー作ですが、2001年に単行本、2004年に文庫化された小説で、日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞しています。

その後もこの「しゃばけシリーズ」が2021年から毎年1巻ずつ、2021年には20作品目の「もういちど」まで続いています。

ファンタジーと言うと、私のもっとも苦手なジャンルですが、できるだけ好き嫌いを言わず、「精霊の守り人」や「英雄の書」「光の帝国 常野物語」「陰陽師」「妖星伝」など、頑張って読んでいます。

本著が面白かったのは、時代は江戸時代、主人公は身体が弱い大店の若旦那で、隔世遺伝?で妖怪が見えて話しができる上、亡くなった祖母の依頼で妖怪達が自分を守ってくれる存在という変わった主人公の話しです。

もちろんファンタジーですからリアリティなどクソ食らえですが、江戸の夜は現代と比べるとそれはそれは真っ暗闇の世界ですから、日本独自の奇怪な妖怪とは相性が良さそうです。

ともかく、パッと読んでサッと忘れてしまうのがファンタジーで、映画で見た「ハリーポッターシリーズ」ももうほとんど忘却の彼方です。それで良いのがファンタジーでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

深海のアトム (上)(下) (角川文庫) 服部真澄

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。

日本の東北地域を日本の特別な自治地域「陸滸国(リアス)」として、そこで暮らしている少年が主人公のひとりで、政治と大企業の癒着、エネルギー問題(原発誘致)、漁業の衰退がこの地域で様々起きています。

別の主人公、アメリカで鉱物や微生物を研究している日本人学者はこの陸滸国の出身で、陸滸国の海洋学者とともに一発逆転の放射性元素の処理技術を作り上げていくという流れです。

そして東北、リアスとくれば起きるのが大地震であり、大津波であり、原発事故です。

少年は鉱山トンネルの中で落盤事故に遭い、少年の姉は漁船に乗っている時に避けられない大津波に遭い、登場人物の多くがこの大地震や津波に襲われるシーンは迫力のあるシーンとなっています。

ともかく、サイエンスとサスペンス、それにエンタメなどがギュッと詰まった内容で、ひと言で説明は難しいです。

★★☆

著者別読書感想(服部真澄)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ノモンハンの夏 (文春文庫) 半藤一利

今年2021年に亡くなられた著者の1998年のノンフィクション作品で、2001年に文庫化されています。

司馬遼太郎氏が最後に書くつもりで共に取材を進めてきた中、司馬氏が1996年に亡くなったあとにその思いを継ぐつもりで書かれた作品です。

ノモンハン事件と言えば、太平洋戦争前に、日本軍とソ連軍が戦い、大きな損害を受けたという簡単な知識しかもっていませんでした。

実際は満州国とモンゴルの国境の一部が明確になっていなかったことから、互いの都合が良い国境ラインを守るため「相手が侵略してきた」と双方の軍が激突したわけです。

しかも満州は日本が、モンゴルはソ連がそれぞれの国の防衛を担っていて、厳密に言えば代理戦争ということになります。

事件が起きたのは1939年のことで、三宅坂にある陸軍参謀本部とその満州の出先機関である関東軍参謀部とで、不明瞭だった満州とモンゴル国境線の取り扱いについて意見が割れます。

モンゴルの背後にいる極東ソ連軍など恐るるに足らずとなめきっていた関東軍エリート幹部達が、国境付近にいるソ連軍を追い払おうと暴走気味に戦端を開きます。

最初のうちは調子が良かったものの、ドイツと不可侵条約を締結することでソ連の西側に憂いがなくなり、スターリンの指示を受け近代兵器を大量に極東地域に投入したソ連軍に関東軍がコテンパンにやられてしまうという国境紛争です。

タイミング的には、中国との戦争が泥沼状態に入り込み、英国や米国との関係が悪化、しからばとヒットラー率いるドイツと同盟交渉をしますが、陸軍と海軍で意見が割れ、さらに英国大好きで陸海軍の最高責任者でもある天皇陛下への説得もままならず、陸軍参謀本部は混乱の極みに陥っている時期でした。

その結果、能なしで危なくなると自分たちはとっとと逃げ出す最高幹部達に命令された最前線の哀れな兵士達はソ連軍の近代兵器に蹂躙され、日本軍だけで7千人以上の戦死者(ソ連軍は9千人以上の戦死者)を出すことになります。

「その地に重要な資源が埋まっているとか石油が出るとかでもなく、目印になるような木も1本もなく、ただ広いだけの寒冷地域の草原で、国境線がわずか数キロあっちだこっちだと言って殺し合いすることの無意味」という感想は確かにその通りに思います。

でも威勢の良いところを見せて、新たな勲章を胸に飾りたいエリート国粋主義者にはそれが許せなかったのでしょう。

本著では、実名で戦後までのうのうと生き続けたノモンハン事件の首謀者の参謀などをバッサリと斬り捨て、陸軍組織や幹部達の愚かな一面をさらし、さらにその反省がまったく生かされることなく、太平洋戦争でも繰り返すことを辛辣に書いています。

★★☆

著者別読書感想(半藤一利)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

玻璃の天 (文春文庫) 北村薫

以前、昭和初期の帝都で起きる推理小説シリーズ、「ベッキーさんシリーズ」では、直木賞を受賞した3作目の「鷺と雪」を読んでいます。

2013年12月後半の読書(鷺と雪)

本著は、2007年に単行本、2009年に文庫化されたそのシリーズ第2作目で、「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の中篇3作が収録されています。

現在の明仁上皇、当時の第一皇男子(皇太子)が誕生した1933年頃の東京が時代背景で、主人公は大企業の令嬢と自家用車の運転手(別宮、愛称ベッキー)のコンビです。

同時期に読んだ半藤一利著「ノモンハンの夏」のノモンハン事件が起きたのが1939年ですから、その6年前という、日本では軍部勢力が拡大し続け、民主主義的なことが徐々に抑圧されつつある時期です。

そうした時代ですが、財閥系大企業社長令嬢として上流階級にいる主人公が、自家用車の女性運転手とともに、女学校の同級生の家の悩み事や、駆け落ち騒動、新築祝いに招待された先での転落事故に首を突っ込んで推理し解決していくという内容です。

所々に出てくる銀座の町並みや三越百貨店ビル天井のステンドグラス、資生堂パーラーのクロケットなど、まだ戦災に遭う前の平和な時代が偲ばれます。

そうしたまだ私も生まれてはいない時代ですが、なにかしら懐かしい日本の都市の原風景が頭の中でイメージできて楽しいです。

★★☆

著者別読書感想(北村薫)

【関連リンク】
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻
 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声
 10月後半の読書 沖で待つ、瑕疵借り、熊野古道殺人事件、東京消滅、最後の命


リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR

コメント
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
プロフィール
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
============
プライバシーポリシー及び利用規約
Template & Icon by kura07 / Photo by Abundant Shine

Powered by [PR]


忍者ブログ