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渇いた夏 (祥伝社文庫) 柴田哲孝

「私立探偵・神山健介シリーズ」の最初の作品で、2008年に単行本、2010年に文庫化されています。著者は元々はフリーカメラマンや冒険家として活躍後、ノンフィクション、フィクションとその活躍の場を拡げてきたという多彩な才能の持ち主です。

著者の作品では過去に「KAPPA」と「Tengu」の「有賀雄二郎シリーズ」を読みましたが、いずれも意外性と物事の洞察力に光ったところがあり、なかなか面白かった記憶があります。

この小説は私立探偵ハードボイルドで、チャンドラーやロスマク、パーカーなどの影響を受けた小説を最近はあまり読んでいなかったので、すっかり魅了されることになりました。

私の好きな日本の私立探偵小説では、大沢在昌氏の「佐久間公シリーズ」は「心では重すぎる」が2003年文庫化されて以降出ていないし、原りょう氏の「私立探偵沢崎シリーズ」も2007年に「愚か者死すべし」が文庫化されて以降出ていません。

内容は、たった1人残った肉親だった叔父が、福島県の西郷村にある自宅近くの湖で水死し、警察は自殺と判断します。東京で保険調査員をしていた主人公は仕事を辞め、残された叔父の家を相続し、部屋に残された写真や行動の痕跡から不審な死の謎を探っていきます。

調査をしていると、夜道でその筋の男達に「余計なことをするな」とボコられたり、叔父となんらかの接点がありそうな謎の女性が近づいてきたりと、いかにも私立探偵小説らしく話しが展開していきます。

ストーリーは割と単純で、ミステリーファンなら半分も読まないうちに、真犯人がわかってしまうかも知れません。よくあるパターンで「早くから登場しつつ、一番怪しくないのが真犯人」はここでも十分に活かされてます。あ、言っちゃった。でもさらにもうひとひねりされていますので、犯人が想像できても最後まで十分楽しめます。

この主人公神山健介のシリーズは、「早春の化石」(2010年)、「冬蛾 私立探偵」(2011年)、「秋霧の街 私立探偵」(2012年)、「漂流者たち」(2013年)とすでに5作出ています。夏→春→冬→秋+αで、季節四部作+α(東日本大震災)となっています。気に入ったのでさっそく買ってこなくっちゃ。

★★☆

著者別読書感想(柴田哲孝)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

女系家族 (新潮文庫)(上・下) 山崎豊子

「じょけい」と読むものとずっと思っていましたが、「にょけい」が正しい読み方なのですね。今から52年も前、1963年に発刊され、その後映画(1963年)やテレビドラマ(1963年、1970年、1984年、1991年)化されていますから、中高年以上の人にはお馴染みのストーリーなのかも知れません。私はまったく予備知識なく読みました。

物語の舞台は、大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」。タイトルにあるとおり、この問屋を経営する名門家は、過去代々番頭の中から婿養子をとる女系の家という設定です。

なんだかそれだけで、いかにも大正・昭和時代の家制度が華やかしき時代の上流社会の華麗なドラマですが、両親が亡くなったあとの華燭の三人娘(長女は出戻り、次女は既婚ではあるが)とくれば、それはもう話のネタには困りません。

有名な谷崎潤一郎著の「細雪」(1948年)も同じく大阪・船場が舞台で、美しい四姉妹を中心に展開される耽美な物語ですが、こちらの三姉妹は莫大な遺産相続を巡り、人間の欲望をむき出しにした壮絶なる家族同士の憎しみや、金持ち一家の傲慢さでドロドロしています。

亡くなった繊維問屋の当主(入り婿)には女系の三姉妹と、それ以外に今で言うところの愛人がいて、遺産相続の欲の固まりになっている三姉妹と分家させられた叔母、そして取引先からのリベートや先祖代々からの財産を横領しようとする老獪な大番頭も絡み、財産のぶんどり合戦が延々と繰り広げられます。

お金持ちの家の遺産相続ってこういうことが起きるのですねぇ、、、いや、お金には縁のない家に生まれた私を含めた大多数の人には関係のない話しですけど、他人事で遠い世界で起きていることだけに、派手なほど面白く、大いに娯楽として楽しめるってやつです。

結構、その財産分与について、それぞれのいやらしい思惑が詳細に長々と書かれていて、それをもって長編小説でございっていうのもなんだかつまらない気もしますが、こうした他人の懐をのぞき見るような小説が好きな人にはたまらないのかも知れません。私はそんな細かなことことはどうでもいいやって途中で飛ばし気味でした。

そして最後のどんでん返しは、それまでに溜まってきた鬱憤を一気に晴らす効果もあるのでしょうけど、それについてはここでは触れないで起きましょう。今までの事細かに書かれてきた遺産を巡る戦いはなんだったの?って終わり方です。

著者山崎豊子氏の小説と言えば、実際に起きた事件や史実を元にして、実在するモデルがいる小説と思われていますが、この女系家族までは自身の実家での経験やそれを元にした創作がベースになっていて、特定のモデルがいたわけではなかったそうです。この小説以降にそうした方向へ転換したようですね。

★☆☆

著者別読書感想(山崎豊子)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

定年後 年金前(祥伝社新書231) 岩崎日出俊

わかりやすいタイトルで、2011年に発刊された新書ですが、いよいよ自分も現実の問題として身近な話しとなってきたので興味を覚え買ってきました。

つまり会社の定年を迎える60歳と、年金が(フルに)受給できる65歳の間、お金の問題をどうしましょう?っていう話しが中心の本です。

たっぷり退職金がもらえた団塊世代以前や手堅い公務員はともかく、中小零細企業の勤務者や、途中で転職をしている人は退職金はあまりあてにはできません。最近は中小企業をはじめ、ベンチャー企業など最初から退職金を制度としては取り入れてない、あるいは廃止している会社も多いです。

国としては、「高年齢者雇用安定法」の改正をおこない、定年後はこれでなんとかしてくださいってことですが、これにはいろいろと抜け道や問題があって、ほどほどに機能するのは感覚的に半分ぐらいの人かなって思っています。

この本でも「罰則がない法律なので遵守しない会社も出てくるだろう」「定年延長ではなく再雇用制度を選ぶ企業がほとんどで、その場合給料は半分以下」「元部下の指揮命令下に入って、心穏やかな人は少ない」など様々な問題が書かれています。

ま、いずれにしても、親の財産でもなければ、いま50代以下の人で、年金だけで満足いく老後の生活がおくれる人は少なく、定年後もなんらかの収入を得ないと老後破産じゃないけど厳しい老後となるのは確実で、そうならないよう、いろいろとシミュレーションしながら考えましょうというノリの本です。

個人的には、そうした定年後の具体的な計画を作る際にいろいろと参考になり背中を押される話しで、当ブログで書いてきた中高年の危機的扇動雑談ネタと比べるとはるかに役に立つものと思います(反省してます)。

一応参考までに手前ミソですが当ブログの定年後や年金関連の過去記事のリンクを貼っておきましょう。

もらえる年金の額はモデルケースとは違うということ

年収600万円と1100万円の生活の違い

高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)

旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か

仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か

高齢就業者と非正規雇用

中高年者の雇用不安


★★☆

【関連リンク】
 9月前半の読書 新編 銀河鉄道の夜、切れない糸、音もなく少女は、SOSの猿
 8月後半の読書 時が滲む朝、追風に帆を上げよ クリフトン年代記第4部、午前三時のルースター、八朔の雪
 8月前半の読書 超・格差社会アメリカの真実、恋する空港-あぽやん(2)、津軽殺人事件、恐山殺人事件



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