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988
雪の夜話 (中公文庫) 浅倉卓弥

デビュー作で映画化もされた「四日間の奇蹟」(2003年)をだいぶんと前に読んだことがある著者の2005年(文庫は2007年)の作品です。そしてここ5年ほどは目立った作品もなく、どういう生活をされているのか気にかかるところです。ほっとけ!って言われそうですが。

札幌出身の著者らしく、主人公は雪国の出身に設定。東京の美術学校を出て、東京の印刷会社に就職し、着々と商業デザイナーの地位を築いていきますが、人間関係に悩み、やがては会社を辞め、実家に舞い戻ってきます。

高校生の時、自宅近くの公園で、雪の降る夜中にふと見掛けて、少し話しをした少女に再び雪の降る夜に出会います。出ました雪女伝説?といきたいところですが、、、まぁ似たようなものでしょうか。

途中までは現実的な仕事の話しで興味津々面白く読めていたのですが、途中からガラリと雰囲気が変わって、読者は幻想的?な死者と幽霊、異次元の世界に導かれていきます。それだけでちょっと引いてしまう人も多そうな感じです。

デビュー作で大ヒットした「四日間の奇蹟」も同様な感じでしたから、この著者の成功パターンなのでしょう。

そうした幽霊?(登場する幽霊は自分は幽霊ではないと言い張りますが)はなにか目的を持っていることが多いのですが、メインに出てくる少女の目的とかはよくわかりません。

2003年のテレビドラマ「スカイハイ」に出てきた地獄の門番の釈由美子みたいな存在?っていうのもちょっと違うような気がするし。

昔ならそれなりに面白く読めたのでしょうが、歳を重ねるにつれて、こうした突拍子もない筋書きにはなかなか感情移入ができずにどうしてもつまらなく思えてしまう自分が残念です。

★☆☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) ダグラス・アダムス

原題は「The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」とそのままで、タイトルだけではなんのこっちゃわからないナンセンスコメディのSF小説です。

元々は1978年にBBCのラジオドラマとして発表されたものですが、この小説シリーズは1979年以降順次刊行され、大ヒットして、全世界で約1,600万部が売れたとのこと。

ノルウェイの森」や「人間失格」が全世界で1200万部と言われていますので、それらを上回る大ベストセラーですね。そして2005年には映画にもなっています。

なんというか、英国人独特のジョークや下世話話しが下地にあるので、英国文化や英国流ジョークに馴染みがなく、しかも翻訳版を読むというのではこの作品の面白さは伝わりにくく、ちょっと無理があります。

ただ全体の発想はなかなかたいしたもので、よくこれほどバカバカしくも楽しい銀河世界を描ききったものだと感心も。

宇宙モノというと、なにかと異星人と人間の対決とか、地球滅亡の危機一髪というものが多うのですが、この小説では主人公の自宅が道路建設のために取り壊されそうになっていた矢先、地球も銀河ハイウェー計画のためにサクッと消されてしまうところが導入部ですから他のSFとは大きく異なることがわかります。

しかしこの広くて際限のなさそうな宇宙に、生命体が地球だけということは決してなく、人間よりもっと進化した生命があってもまったく不思議ではありません。そうした宇宙の様々な生命体が登場してくるこのコメディ小説は多くのシリアス路線とは違う新しい趣向でそれなりに楽しいかもです。

★★☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

首都崩壊 (幻冬舎文庫) 高嶋哲夫

テロや事故、天災などによる影響を描き、元原子力の研究員でもあり、原発にも詳しい著者の2014年の最新刊で2015年に文庫化されています。過去にはデビュー作「イントゥルーダー」(1999年)や、「ミッドナイトイーグル」(2000年)など計5作品を読んでいます。

ここ数年、私が好んで(金銭的都合から)読む文庫版小説は、2011年の東日本大震災後に書かれた作品が大半を占めるようになり、その大震災を下敷きとしたり、影響を再確認して書かれています。それだけリアリティがあるというところでしょうか。

主人公は国土交通省のエリート官僚で、アメリカ留学から日本に戻ってきたばかりの独身男性。なんかミーハーな肉食女子ならほっておかないブランド男子ですね。

そのスーパー官僚の友人関係がもの凄い。アメリカ大統領の補佐官とアポなしで勝手に自宅を訪問する仲だったり、国立地震学会の学者や経済新聞社の女性記者、財務省女性官僚と同級生だったり。

とにかく東日本大震災のあと、プレート構造に異変が現れ、予想されている首都圏を遅う大地震が起きる確率が高まり、同時に起きる時期が早まってしまうと言う研究結果が出ます。

そうした首都が壊滅する可能性が高まってくることで、世界恐慌の引き金になることを恐れたアメリカ政府からの圧力と、歴史に名前を残したい総理大臣が、わずか6年後の首都遷都を決断し、走り始めることになります。

政治やハゲタカファンドなどの金融経済など、様々な要素が入り込んで、それなりにエンタメ的には楽しめるのでしょうけど、ちょっと政治も金融も建築土木も専門的に知識がある人から見れば、子供向けにデフォルメされたコミックか、観客を楽しませることだけに特化したハリウッドアクション映画ぐらいにしか映らないでしょう。

個人的には遷都は大いにやるべきと思いますが、それはこの小説のように、東京が壊滅する前に、政治家と高級官僚だけが逃げ出すかのようにバタバタとやるのではなく、もし東京が震度8に見舞われても、大きな被害を受けず、それによる死亡者も限定的という、強靱な東京を作るためにまずは首都機能を地方へ分散移転させるという流れでないと、国民、特に首都圏で生活する国民は納得しないでしょう。

最後のクライマックスで披露されますが、首都移転先の具体的な場所は、、、過去に候補として挙がったこともなく、まったく意外な場所で驚きましたが、個人的には悪くないと思います。

★☆☆

著者別読書感想(高嶋哲夫)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

龍は眠る (新潮文庫) 宮部みゆき

直木賞始め各種の文学賞の審査員を勤める今や押しも押されぬミステリー界の大物作家さんですが、この小説はまだ駆け出し?に近いデビュー4年目の1991年に発刊された長編ミステリーです。

直木賞候補にも上がり、1992年第45回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した著者の代表する作品となりました。

過去には石黒賢、東幹久、鶴田真由などの出演で一度テレビドラマ化されたそうですが、同氏の著名な作品としては珍しく映画化はまだされていないようです。

内容はサイキック能力を扱った推理小説ですが、何度もその特殊能力に疑問符が付き、信じるか信じないかで登場人物も揺れ動くところがリアルでよく書けています。

主人公は新聞社の記者からある出来事がきっかけで、関連の週刊誌記者に出向している中年にさしかかる男性。その主人公が嵐の夜に、自転車がパンクしたと言ってずぶ濡れで困っていた少年を助けたことから始まります。この最初のプロローグの入り方は、嵐のような出来事を巻き込む予感を想像させてお見事です。

人の考えていることがその人に触れるだけでわかったり、人が触ったものに触れるだけで、誰が何の目的でどうしたということがわかってしまうと言うような能力は、想像すればいくらでも世の中で活躍できそうですが、テレビの下手物?番組でよく取り上げられる「FBIの犯罪捜査に協力!」とか、「迷宮入り事件を解決!」「スプーンが曲がった!」とかしか表に出てこないのは不思議です。

この小説のキーになっていますが、そうした能力を持って生まれると、人が信じられなくなり、また他人からは気味悪がられ、まともな生活ができなくなるようですが、個人的にはそういう能力があれば、駆け引きに負けることはなく、大金持ちになることも簡単ですし、犯罪摘発など社会の役に立てることもできますので、いったいなにが困るのかな?って気がします。

★★☆

著者別読書感想(宮部みゆき)


【関連リンク】
 12月前半の読書 早春の化石、冬蛾、中国化する日本、恍惚の人
 11月後半の読書 ラストチャイルド(上・下) 、老いる覚悟、Nのために、昭和の犬
 11月前半の読書 悪女について、空の中、アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風、青い約束

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987
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年は個人的には比較的穏やかな一年でした。仕事もまぁまぁ順調で、高齢者の親戚に不幸があったり、子供が夜中に急に苦しみ出し救急車を呼んだりしましたが、大事には至らず、現在は全員無事健康です。

その同居の家族では、今年3月で最後の1人が無事社会に巣立つことができ(予定)、子育てもこれにて完了の予定です。

3人の子育ては妻がメインにやってくれましたが、それにしても最初の長男が生まれてから、3人目が成人し社会に出るまでの期間、トータルで28年間、いや~ホント長かったです。お金も想像していた以上にいっぱいかかりました。

私の年代(1957年生まれ)の夫婦は、まだ昭和時代の風習が色濃く残っていて、妻が結婚前に仕事を辞めていて、なんの疑問もなく専業主婦へ。私が外で稼いでくる代わりに、家事や子育てはすべて妻任せという期間が長く続きました。

今の若い人なら考えられないでしょうけど、それが当時(1980年代)までは標準的な夫婦間の暗黙の了承事項だったのです。バブルが弾けた以降(1990年代半ばぐらい)、それに変化の兆しができてきました。

ところが、3人目を授かった頃、その2年前に請われて転職をした先の業績が傾き、すでに年齢が高かった私を含め十数名が標的となってリストラされる羽目に。その後しばらくは無職の生活を余儀なくされました。

しかしその失業中に、それまでほとんど無縁だった子育てをやってみて、「意外に面白い」ことに気がつきました。時々聞くことがある「子育ては大変だけど、人生でもっともやりがいのある仕事」というのを実感したのも、遅ればせながらこの頃です。

「切った貼ったじゃないけど、つまらない金儲けなんかよりも、こっちのほうが絶対に楽しいしやりがいがあるなぁ」って思った次第。

そこで上の二人はもう子育てと言うにはちょっと遅かったけど、3人目はまだ間に合うと、それから積極的に子育てに関わるようになっていきました。

職場では「仕事よりも家庭を中心に考えている」って思われるようになったかも知れませんが、だって元々好きではない仕事なんかよりも、子供と遊んだり、簡単な料理を一緒に作ったり、映画を見に行ったり、宿題を見てやり、その成長ぶりを実感している方がずっと楽しいのだからしょうがない。

こうした子育てを少しだけでも経験できたのは自分にとって有意義だったなと思うわけです。もしそれを知らずに3人とも妻に全て任せていて、自分は毎日夜遅くまで働いて、ただ生活費を稼いでくるだけだったら、なんと味気なかったと今になって思います。

そう考えると、リストラされて、長く家に引きこもる期間があったことは、そうした子育てに目覚めるいい機会だたということで、あながち悪いことばかりではなかったなと考えています。

もっとも失業期間が失業保険の受給が切れる前の7ヶ月で済み、紆余曲折もありましたが、一応再就職ができたことが、家庭を壊すことなく子供達にも貧しい思いをさせずにラッキーだったこともあります。

無職期間中には、このサイトの開設もそうですが、大きな挫折感を味わい、手に職がない中高年者の再就職の厳しさを経験したことで、自分の中の何かが大きく変わり始めてきました。

ま、過去の当時の日記を読むと被害妄想的というか、厭世気分が漂ったものが多いですが、それは、他人や社会を批判し、鬱憤を晴らさないと神経がまいってしまいそうだったからでしょう(今でも多少皮肉っぽいものはありますが)。

結局私は、そのストレスが多い無職生活を家族によって救われましたが、もしそれができないと、精神的に追い詰められて、さらに厳しい環境となりかねません。

失業保険の申請で行くハローワークでは若造の窓口担当者に「本当に仕事する気あるの?」「ちゃんと探している?じゃその証拠を見せてよ」などと、居丈高に冷たい言葉を浴びせられ、プライドも再起しようと思う気もそがれてしまいます。

そんな下衆野郎ばかりでないことは知っていますが、私が会った担当者はおしなべて高圧的で猜疑心に満ちあふれたバカ野郎ばかりでした。

もっとも職安で働いている人の多くも非正規の契約職員で、奥の方で新聞を読んで暇そうにしている正規職員に威張られ、その不満をぶつけるかのように、失業者(≒失業保険申請者)に対して高圧的に出るのかも知れません。回り回っているわけです。

さて、年もあらたまりましたので、今年の抱負を。

歳月不待(さいげつふたい)
「今を大切にして日々努力せよ」の意味で、出典は陶潜「雑詩」

いよいよ仕事の定年まであと2年となり、このままでいいのか?って思う焦りや将来に向けての不安がいつも横切ります。

しかしもうできることは限られていて、いまさらジタバタしても仕方がないという思いもあり、ストレスをためないよう、あるがままに、日々精進していくことだけを考えればいいかなと思ってこれを選びました。

また同時に、自分の定年後の身の振り方もいろいろと考えておく必要がありそうです。できれば働かずに家のこたつの中でジッとしていたいのですが、そういうワケにはいきませんから、、、

【関連リンク】
884 年明けにつらつら思うこと 2015/1/3(土)
778 今年もなんとか無事に1年が終えられそうです 2013/12/31(火)
673 2013年あけましておめでとうございます 2013/1/1(火) 
566 理想の国家のあり方 2012/1/1(日)
458 初日の出のご来光を富士山とともに拝む 2011/1/1(土)
310 九十九里浜で初日の出 2010年1月1日 (金) 


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986
今年もいよいよ押し詰まってきました。歳を取ると1年がだんだんと早く過ぎ去っていきます。これは感覚というのではなく、20歳の1年はその人の人生において1/20の時間に過ぎないのに対して、60歳の1年は1/60という短い時間でしかなく、20歳と60歳を比較すれば1年のスピード(感覚)は3倍にも速くなっているということです。

この1年はなにをしたかとこの日記をみながら振り返ってみます。

まずは雇用について。この「リストラ天国」最大かつ不変のテーマですが、昨今はリストラよりもブラック企業のほうがニュースに取り上げられることが多く、決してリストラが減ってきているわけではなさそうですが、話題性には乏しいようで、私も最近ちょっとサボリ気味な感じ。えぇ反省してますとも。

■雇用
890 非正規問題の真実
907 派遣法改正三度目の正直なるか?
926 在宅派遣就労が拡がる可能性はある?
944 派遣法改正について様々な見解
947 不法解雇や退職勧奨を強要された時に打つ手


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

次は、超高齢化社会を迎え、私自身もまさにその中にもうすぐ加わろうとしているわけで、このテーマが身近に感じられ最近取り上げることが多くなってきました。えぇ勝手ですとも。

■高齢化社会
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
896 多死社会と葬儀ビジネス
946 介護人材を増やす
967 平成27年度高齢社会白書を読む
970 生活保護世帯の増加は高齢者増加だけが原因なのか?
985 高齢者の健康には会話が重要だということ

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

今年の初め頃、続けて火災をテーマに書きました。これは身近なところで悲惨な火災事故が起きた影響によるところが大です。冬場は火事が多くなりますので、注意をするのと、万一火事に見舞われた時に備えることも必要だということを書いています。

■火事
888 火事と高齢化社会の因果関係
892 火事と賠償
894 火災保険・地震保険について調べてみた


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

歳を取ることは、同時に身体のあちこちが傷んでくることと同義です。どんなに高品質で精巧に作られた機械でも、動かし続けていると数年から数十年で必ず故障します。メンテナンスも重要ですが、機械と違って新品部品に交換ができる肉体パーツはほとんどなく、何十年もあいだ、だましだまし使い続けていかなければなりません。えぇオッサンですとも。

■健康
902 イボを取る
906 トクホが売れるわけ
917 耳鳴りは治るのか?
924 高齢化社会で変形性股関節症が増加する
930 加齢性難聴とは
958 男の更年期障害について調べてみる
961 マッサージというかリラクゼーションサロンとやらへ
965 とうとう杖を買いました orz
984 広告とブラック企業と心の病


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

実は悲しいことに今年は一度も映画館へ行っていません。何本か見たい映画はあったのですが、休日に痛い足をひきずってでも見に行くモチベーションが盛り上がりませんでした。その代わりにテレビ放送を毎週事前にチェックして、見たい映画を片っ端に録画しておき、週末などにまとめて見るようにしました。BS放送では古い有名な映画をノーカットでよくやっているので助かります。

■映画とドラマ
885 年末年始にみた映画(神様のカルテ2、選挙、トリック劇場版 ラストステージ、夜叉、ドクトル・ジバゴ)
915 「風と共に去りぬ」を観てわかるアメリカ史
937 浅見光彦シリーズドラマにはまる
966 映画 無法松の一生
983 我が青春のヒーロー、スティーブ・マックイーン

日記で書いた映画以外に、今年見て強く印象に残った映画は「雨月物語」(1953年)、「戦争のはらわた」(1977年)、「八月の狂詩曲」(1991年)、「戦場の馬」(2011年)


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なんだかんだと言われながらもテレビの役割はまだ大きいです。私はバラエティ番組はほとんど見ませんが、ニュース、スポーツ、ドキュメンタリー、映画、時事問題、趣味(歴史とか読書とか紀行など)番組はよく見ています。

その視聴法としては、ニュースやスポーツはリアルタイムで見ることが多く、その他の番組は基本的に録画をしておき、休日に一気に見ています。ゆっくりとしゃべってくれるNHKの場合は1.5倍速の早回しで、民放番組はCMをスキップすれば、概ねリアルタイムで見るよりも2/3の時間で見られ、大いに時間を節約できます。

また10年以上前から言われるままに支払い続けてきた高額なケーブルテレビの視聴料を再検討しました。結果はしばらく継続することになりました、毎月の費用を下げることに成功しました。生活インフラの水道・電気・ガス代は仕方ないとしても、固定電話、携帯電話、ネット接続、新聞、クレジットカード年会費等、継続して引き落とされていく嘘と錯誤で固めた騙しの経費は時々思い切った見直しと断捨離が必要だと言うことがわかります。

■テレビ
910 テレビ番組はタイムシフト視聴が当たり前?
900 テレビ・ラジオの長寿番組について
962 ケーブルテレビの契約見直し
963 続:ケーブルテレビの契約見直し


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

若いときに比べるとクルマに乗って出掛けることは大きく減りましたが、クルマやクルマ社会を取り巻く環境も大いに変わってきています。超高齢化社会におけるモビリティをどう考えていくかというのは、今後の日本社会のあり方を考えることにもつながります。

■クルマ
891 昨年の自動車販売データ
904 金持ち道楽な燃料電池車への補助金は税金から
916 春風の中をオープンスポーツカーで走りたい
955 道の駅の転換期
957 歩行アシスト、パーソナルモビリティについて
975 自動車の分類「セグメント」とはなにか?


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お金のかかる子育てはほぼ終わったものの、老後のために残すはずだった貯金はほとんど残らず、これからの年金生活とどう向き合っていくのか?ってところを、お金について、若い人には失敗してもらいたくなく、ぜひ早めに考えてもらいたいと思って書いたものが多いです。

特に「953 年収600万円と1100万円の生活の違い」の本文中に出てきますが、「リスクとの付き合い方」については、今に思えばまったく不案内で失敗しました。

人生においていつも順風満帆が続くはずもないのですが、順調にいっている時にはそのことには気がつかないものです。健康なときに病気になった時のことを考えられないのと同じです。

いや気づいていても、気がつかない振りをしているのかもしれません。40代以上で慌てても遅いので、できれば30代までに様々なリスク軽減策をとり、いい人生がおくれますように。

■お金
921 もらえる年金の額はモデルケースとは違うということ
934 子供の教育費にいくらかけますか?
941 それでも宝くじに夢を見る
953 年収600万円と1100万円の生活の違い
977 奨学金という名の学生ローン


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

日本国のことを悪く言う人は多いですが、visaなし海外渡航にしろ、殺人事件発生率の少なさにしろ、日本は世界に誇るべきものをいくつも持っています。逆に自殺者の多さや外交下手、労働生産性の低さ、農業生産力の低下など、今後の課題も山積みです。統計データや、ちょっとした思いつき、アイデアをとりとめもなく書いたものです。

■その他
911 visa(査証)なしで何カ国へ渡れるのか
914 殺人事件の国際比較
919 春は自殺者が多いという話し
923 ハイブリッド型植物工場は異常気象の野菜急騰を防げるか
951 日本経済と外交を大阪商人に任せてみる
954 書店数や出版業界売上減と未来
971 数字で見るプロ野球名監督列伝
972 大阪道修町と大阪万博
973 ゴルフ場と利用者の推移
981 大きく変化していく農業従事者


とりとめもなく、またこの1年を書いてきましたが、数年後に読み返してみて、「あ、これは当たっていたな」とか「外れた~」とか反省会でも開きたいと思っています。

みなさんのこの1年が素晴らしい年であり、また来年ももっと素晴らしい1年になることを願っています。1年間どうもありがとうございました。今年よりも一段とよいお年をお迎えください。

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985
以前、NHKのニュースで『ふだん笑わない高齢者ほど「健康状態悪い」』という調査結果が報告されていました。笑いは健康によく、長生きの秘訣だとよく言われていることを証明しているものということです。

毎年12月初旬にニュースで流れる山口県防府市小俣地区に伝わる神事「笑い講」は、鎌倉時代の1199年から始まったそうで、豊作を祈ることが目的ですが、おそらくは農民達の健康増進という意味もあったのでしょう。

下記のはてなブックマークのコメントではこのニュースに対して「健康だからふだんから笑えるのであって因果関係が逆」と書かれていて確かにそうだとも思えます。

はてなブックマーク ふだん笑わない高齢者ほど「健康状態悪い」NHKニュース

笑うと言うことは、思い出し笑いや、テレビをみていて単独でケラケラ笑うケースもありますが、本来の笑いは他の誰か相手とのコミュニケーションから発生するものです。

「今日仕事中にこんな面白い事件が起きたよ」とか「こんな間抜けな失敗してしまったよ」、「電車の中に一風変わった人がいてね」など。

あるいは子供や孫の想定外の行動や発言が、親や祖父母を大いに笑わしてくれることはよくあります。もちろん親しい友人との馬鹿話も笑いには不可欠です。

つまり、「笑う門には福来たる」は、会話が弾むことで、健康になれるという意味がこめられている気がします。コミュニケーションあってこその笑いが生じるという意味で。

ところが高齢化社会では、独居、または老夫婦だけの家族構成が急増しています。

2012年では65歳以上高齢者がいる家族構成の中で、ひとり住まいの高齢者が16.1%、高齢者夫婦だけの世帯が37.5%で、合計すると53.6%に達します。

まず一人住まいの高齢者数ですが、年々増加し2010年は男性139万人、女性341万人、合計479万人ですが、「国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」によると、今から5年後の2020年は男性217万人、女性451万人、合計668万人(2010年比189万人増)2030年には男性243万人、女性486万人、合計730万人(同251万人増)となっています。(いずれも千人以下を四捨五入)


データ出典:平成22年までは総務省「国勢調査」、平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計

この高齢者の一人住まい(独居)は、自らが進んでどこへでも出掛けてコミュニティに加わる社交的なタイプでない限り、公的なサポートがなければ、何日も誰とも会話をしないということが起こります。

したがって笑いも限られてきます。趣味など見つけ、面倒がらずに毎日仲の良い友人達と一緒に過ごせる人はいいのですけどね。

ひとり住まいで、いつもひとりで食事をしていると、鬱になりやすいという統計もあります。

「孤食」の高齢者 鬱リスク増 独居男性は2・7倍 東大研究チーム発表(産経ニュース)

そりゃそうなりますよ。今後ますます介護人材の不足が深刻化していくことを考えると「弧食」はますます進みそうです。

またサービスが身近にあっても、高齢になると、そういう人との付き合いが面倒くさくなって、いくら福祉担当者が勧めても動きたがらない人も多いと聞きます。

「チィチィパッパだけはゴメンだ」とディサービスの決まり切った老人を子供扱いするような健康法だけでは一回行っただけでもう二度と行きたくないと思う高齢者がいても不思議ではありません。

行政や福祉団体側も、老人が喜んで行きたくなるような多彩なメニューや趣味嗜好を考えた仕組みを、もっともっと頭を使って考えるべきでしょう。

老人クラブも集会所を公民館みたいなところだけでなく、今週はラウンドワン、来週はゲーセン、再来週はカラオケ貸し切りというような工夫も必要でしょう。

次に、高齢者夫婦の世帯ならば、ひとりではないので問題ないのでは?と考えそうですが、高齢者夫婦だけで、いったいどれほどの会話などコミュニケーションがあるか?って考えてみると、若い人には想像できないかもしれませんが、毎日顔を合わせている夫婦間でも、何日も会話がまったくない(話しをすることがない)夫婦なんてざらにいます。

子供や孫が来てくれると大喜びする老夫婦は、つまり「会話やコミュニケーションできる相手が来てくれた」と喜ぶわけです。

私のところも今は子供達が同居しているので、夫婦とも会話がなくなるということはありませんが、子供がみんな外へ出てしまうと、もうほとんど会話らしい会話はなくなってしまいます。そういうものでしょう。

あと数年もすれば子供達も巣立っていくでしょうから、そうしたときに残った老夫婦の日常生活は容易に想像ができます。

さて、今から子供達がみんないなくなっても、夫婦で会話ができる、夫婦以外で趣味などで近くにいつでも話ができる知人やご近所さんがいるって状態を夫婦で作っておかなければ、一気に健康を壊してしまいそうです。これが高齢者になると面倒になってきて、できないんですよねぇ、、、


【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
888 火事と高齢化社会の因果関係
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
768 無口な人はコミュニケーション能力が低い?
740 高齢者の犯罪が増



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984
派遣社員はほとんどいない「年越し派遣村」とか、ネットからブラック企業の存在が騒がれ出したら「ブラック企業大賞」などが生まれたりと、旬のネタをうまく利用して金儲けや売名行為に走る人や団体がありますが、主催者の多くはおそらく使命感や清廉?な気持ちから「社会のため」「正義を守る」という想いや大義名分があるのでしょうから文句は言いません(棒)。

ブラック企業大賞・セブン「収益構造に歪み」「メディアが取り上げない」実行委が指摘(弁護士ドットコム)


一時期ブラック企業の代表みたく言われていたワタミの場合は、メディアに対してそれほど広告出稿もなく、ニュースとして大きく取り上げてもマスメディアの収入に影響することもなかったでしょうけど、さすがに今回大賞を受賞したセブンイレブンは、広告出稿量で言えば、トヨタやソニーなみとまではいかないまでも、その次の規模であることは確実で、同社の広告をテレビやネットで見ない日がないぐらい巨大なものです。

つまりそのような大型広告主(クライアント)の悪評をメディアで取り上げることは、マスコミ企業にとっては広告収入の激減に直面する可能性があり、大手マスコミは「大人の事情」を勘案し、この手のニュースはよほどのことでない限り取り上げられません。

広告主の意向や評判がメディアのニュースや記事の内容に反映することは、資本主義社会の中では過去も現在も普通に行われていることで、別に今更って気もします。

NHKスペシャルでやっていた「新・映像の世紀 第2集 グレートファミリー 新たな支配者」では、石油王のロックフェラー、金融業のモルガン、火薬などの死の商人デュポン、自動車のフォードなど、その戦略は国家権力にうまく入り込み、ライバルを叩きのめし、金の力でマスコミを味方に付けて繁栄を独り占めしていくストーリーが描かれています。


日本でも前述のトヨタやホンダ、パナソニック、ソニー、花王など巨大な広告出稿クライアントに対するマスコミの扱いは別格で、下手を打てばマスコミ本体だけではなく代理店や制作下請け会社など影響が大きいので、そうしたクライアントの不祥事や事件などの扱いには極めて慎重です。

例えば先月事業終了が案内されたNTTドコモのグループのNOTTV関連ニュースは、累積赤字が996億円と相当な巨額にもかかわらず、大手マスコミはどこも報道しませんでした。大口のクライアントに配慮しているとしか考えられません。

破綻した「NOTTV」の見せた電波行政の深い闇(JB Press)


先の弁護士ドットコムの記事でも、「メディアへの影響力から週刊誌などは(大賞の受賞を)取り上げないのではないかと指摘」と書かれていますが、この大賞が広告費をほとんど使っていない企業や団体でない限りは、今後もそうしたメディアの影響による差別的自主規制は働くでしょう。

ちなみに世界の中で広告宣伝費の多いのは、下記の通りです。当然メディアに対して大きな力を有しているということです。

1位 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
2位 ユニリーバ
3位 ロレアル
4位 トヨタ
5位 ゼネラルモーターズ
6位 コカ・コーラ
7位 ネスレ
8位 フォルクスワーゲン
9位 マクドナルド
10位 ペプシコ
出典:トップ100グローバル・マーケターズ2013

日本の上場企業だけの広告宣伝費のランキング(2014年5月期~2015年4月期)では、

1位 ソニー
2位 トヨタ
3位 日産
4位 イオン
5位 セブン&アイ ホールディングス
6位 ブリヂストン
7位 マツダ
8位 武田薬品工業
9位 NTT
9位 三菱自動車
出典:東洋経済データ事業局


で、セブンイレブン擁するセブン&アイホールディングスは堂々4位、1年間で1,656億円もの宣伝広告費を使っています。

よく見掛けるホンダや花王、マクドナルド、P&G、NTTドコモ、パナソニックあたりが上位に入ってこないのはちょっと謎ですが。

 ◇ ◇ ◇

さて、広告費の出稿量と企業のブラック度はまったく関係はありませんが、そうしたブラック企業で働くと、心の病に罹ってしまう可能性が高くなるというのが一般的な風潮です。

ちなみに下記の新聞社説によると2014年度で心の病(うつ病など)を発症して労災申請した人の数はと言うと1,456人、認定されたのは497人とのことです。

働く人と心の病 企業の意識を変えよう(毎日新聞)

年間(申請)で1,456人と聞いて「多い」と感じるか「少ない」と感じるかは人それぞれの環境や経験によって違うと思いますが、私は「一桁少ない?」って思いました。

もっともこの1,456名は「心の病+労災申請」した数であって、単に「心の病を発症」や「心の病+休職または退職」などは含まれていません。そうしたことから1桁少ないという感触をもったのだと思います。

国家公務員と地方公務員の合計は約345万人ですが、その公務員でうつによる長期休職者は4万名とされています(人事院及び地方公務員安全衛生推進協議会調べ)。率にすれば全体の1.2%になります。

そのうつ病の原因が業務と直接的に関係し明らかに「労災」であるかどうかは別として、日本の総労働者数5700万人の1%がうつに罹っている可能性があり、その数は57万人になりますので、上記の労災申請者数1,456名との差があまりにも違いすぎています。

5700万人が生涯40年間働くと仮定し、40年のあいだの1年に1%の人がうつを発症したと仮定すれば、年間14,250名となります。うつを発症した人の中のおよそ10人に1人が労災を申請したと考えると、上記の数字が適当だということになります。

私の感覚的にもたぶんそんな感じでしょう。

公務員はもちろん、先のメディアへの影響力を持っている大手企業は、それらの心の病に対する対処が比較的できている方で、不幸にも心の病に罹患してもその処置や保障が十分受けられ、復帰する場合も再発しないように最善の注意を払われて別の業務を任されたりします。

例えば公務員(国家、地方等で多少の違いはあるようですが)の場合は、長期休職しても医者の診断書があれば最初の90日間!は有給で休むことができ、さらに長引く場合でも1年間は給料の80%!!が支払われることが多いそうです。

時々公務員で病欠を理由に長期休職し、その期間に海外へ遊びに行ったり、資格をとるために勉強をしたりしているのがばれたりすることがありますが、少なくとも2年半ぐらいは食うに困らないだけの、なんらかの給料や保障が与えられています。公務員とやはり好待遇の大企業は優遇されていると言われるわけです。

しかし一般的な中小企業、零細企業では、そうした官公庁や大企業なみの余裕はなく、多くの場合は、病欠で有給休暇を全部使ってしまったらあとは無給扱い、さらには露骨に退職を強要されたり、復帰するにもまともな仕事はなく、結局は追い出されてしまうというのが実体ではないでしょうか。

そうしたことを考えると、いかに「寄らば大樹の陰」が就職活動において一番重要なことかがわかってくるというものです。


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