リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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マイカー(2リッターセダン)を3回目の車検を前に乗り換えることにしました。最近の国産車は頑丈で、スタイルや燃費はともかく、10年や15年ぐらいではさして故障することもなく、日常使う分にはまったく支障がありません。
20年以上前のクルマだと、10年も経過すれば、ボディやトランク内のあちこちから錆が浮かんでくるのが常でしたが、近年は溶接や塗装技術の向上で、10年ぐらいでは見事なぐらいに綺麗なままを維持しています、
そのクルマをなぜわずか7年で乗り換えたかって?
免許を取って19歳ぐらいから37数年間、ずっと5ナンバーの小型または3ナンバーの普通乗用車に乗ってきましたが、今回初めて軽自動車に試乗する機会があり、期待もせずに乗ってみたところ、たいへんなショックを受けました。
元々はすぐに買い換えるつもりも、まして乗り換えるにしても軽に乗り換える気はまったくなかったのですが、つい魔が差したというか、、、。
軽自動車といえば、「貧乏臭い」「非力」「狭い」「危険」という固定観念が出来上がっていましたので、なおさらなのですが、今回試乗した軽自動車は、乗ってみても、そしてカタログの装備など内容を見ても、固定概念すべてを打ち破るものでした。
車両価格では倍以上、税金や保険、燃料費など維持費も倍近くする今乗っているクルマと比べて、試乗した軽自動車は、横幅以外は車内がゆったり広々としていて、サイドのカーテンエアバッグや衝突防止の自動停止ブレーキ、横滑り防止装置、4輪アンチロックブレーキ、坂道発進の逆進を防ぐヒルスタートアシスト機能、オートライトなど、安全装備が充実しています。
さらにパワーも市街地を走る分には、なんの不満もないぐらいに進化していて、モタモタと鈍くさいイメージはなく、燃費はアイドリングストップ機能の効果もあり、リッター30kmを超えるモデルさえ珍しくありません。
ちなみに私が乗っている15年前の100ccのミニバイクはリッターで20kmぐらいしか走りませんからカタログ通りならミニバイクよりも燃費のいい自動車になります。
それに子供達が大きくなって、クルマを利用したい時もあるようで、今乗っているクルマよりも、取り回しが楽な小型車か軽自動車がいいらしく、そのリクエストにようやく応えることができそうです。
電車などの交通が少ない地方に住んでいると、旦那用に普通車、妻や子供用に軽自動車という一家に2台以上のクルマを保有するケースが多いですが、一方では都会に住む人の中には、エコ意識、維持費の高騰などからクルマを手放す人も増えています。
我が家はJRの駅まで徒歩8分、私鉄駅までも自転車で10分程度と、電車を使っての通勤通学には比較的恵まれた環境ですが、育ち盛りの子供が三人もいるので、毎週最低1度、日用品や食料品をまとめ買いする量が半端なく、それらを運べるクルマを手放すことはできません。
それに10年ほど前に股関節を悪くしてからは、長距離を歩くことも、自転車に乗ることもできません。ミニバイクはたいへん重宝しますが、雨の日やちょっと遠出する時には困り、また荷物の積載量も限られていて、やっぱり移動に自動車を欠かすことができません。
ただ軽自動車にすると、1日に700キロ近くを走るようなロングドライブはできなくなりそうです。って言うかもうそういう旅行は最近は滅多にしなくなりました。
たまたまご近所に、私が買ったのと同じタイプの軽自動車を1年前に買った人がいて、その方と少し雑談をしました。その方も普通車から初めて軽自動車に乗り換えたとのことです。
私 「軽自動車の走りはどうですか?」
近 「走りは市街地ではまったく問題なく、狭い道で小回りがきいて楽ですよ」
私 「高速道路は軽自動車では厳しくないですか?」
近 「先日長野まで走ったけどエンジンの騒音以外は問題ないよ」
私 「普通車から乗り換えて不満な点は?」
近 「う~ん、、、、特にないねぇ」
ま、感じ方は人それぞれですが、今の軽自動車は上級仕様なら小型自動車のスタンダードモデルよりも高価だったりしますが、それだけ安全性や快適性などの装備面には力が入っていて、ドライバーの満足も高いようです。
ただいかんせん、660ccというエンジン排気量の小ささゆえ、加速など瞬発力、長い登坂時のエンジンの粘り、高回転まで回したときの振動や騒音、また軽自動車規格サイズゆえの事故が起きた際のクラッシャブルゾーンの少なさ、トレッド幅が狭くコーナリング時の踏ん張りのなさ、軽い上に限られた車幅を最大限に使うため側面が垂直に立っているので横風に弱いなど、弱点もたくさんあります。
そしてこの軽自動車の規格(全長3.4m×全幅1.48m×全高2m 660cc以下)は、日本だけの規格のため、ガラパゴスとも言われていて、他の普通乗用車のように海外で販売するための大量に生産ができずコスト高となります。
しかし、ご近所さんも言っているとおり、日本の狭い道路や都市部の駐車場で効率よく動かすのには軽自動車の機動性や小回転半径が便利で、通常は一人か二人しか乗らず、長距離もそれほど走らないならば、今後は都市部においてもっとブレークしてもおかしくないなと思います。
それらの影響か、四輪乗用車全体に占める軽四輪乗用車の割合は、20年前の1993年には18.9%だったものが、昨年度2013年度は37.7%と倍増しています。今は国内においては新車で売れる車の3台に1台以上が軽自動車なんですね。おそらく来年4月からの自動車税の増税の影響もあり、今年2014年はその比率はもっと高まっていそうです。
四輪乗用自動車数推移(普通乗用+小型乗用と軽四輪乗用)
出典:日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会
上記で、この軽自動車規格はガラパゴスって書きましたが、実はこの軽自動車規格があるからこそ、日本は海外からの激しい低価格攻勢に遭わずに済んでいるとも言えます。
もしBMWやフォルクスワーゲンが、日本の軽規格で中国やタイの安い労働力で高品質でお洒落なクルマを大量に作り、それを日本で販売したとしたら、それなりに軽自動車のシェアを奪われていくでしょう。韓国や中国の格安車も出てきて不思議ではありません。
しかし彼らにとってわざわざ日本の軽規格で無理をしてクルマを作っても、その他の国では「帯に短し、たすきに長し」で売りにくく、わざわざ将来性がなく日本のマーケットでしか売れない規格に合わせて作る意味もなく、結果としてそのような攻勢が避けられています。
メルセデス・ベンツグループのスマートは過去に二人乗り小型乗用車を、日本に輸出するものだけ軽自動車規格に合わせて改造し販売していましたが、その後エンジンが大きくなり、安全性の確保のため横幅も拡がり、現在は小型乗用車の範疇に入ってしまっています。
もし一部から声が上がっているような、排気量は800ccまで、横幅を1560mmまでとか、軽自動車の規格を緩和すると、おそらく世界中の大手メーカーの小型戦略車がその範疇に含まれるようになり、昔はNECが独占していたパソコンのように、あっという間に国産軽自動車は低価格競争に巻き込まれ、やがては駆逐されてしまうかもしれません。
そうならないように、経産省や国土交通省、業界団体は、必死になってこの規格を死守しているとも言えます。なので、軽自動車で屋台骨を支えているスズキの会長が昨年軽自動車の増税に関して「弱い者いじめ」と発言しましたが、それはあまりにも近視眼的で身勝手な発言です。
米や牛肉のように、関税で輸入制限をしてでも業界を守る方のがいいか、それとも規制を大幅に緩和(=軽の規格を緩和)して自由競争に任せ、国際競争力を付けていく方向にするか、悩ましい問題ではありますね。
ともかく、自動車税(軽自動車税)だけをとってみても、軽自動車(乗用)が7,200円/年なのに対して、2リッタークラス(1500~2000cc未満)の普通乗用車だと39,500円/年と5倍以上の差があります。2015年4月1日以降登録する軽自動車はおよそ3割アップの10,800円に上がりますが、それでもまだ3.7倍の差があります。
軽自動車を買うなら来年3月末までに買え(納車)ば、ずっと旧税制のままで済みますので、この年末から年度末にかけては、各社とも販売にかなり力が入るのではないでしょうか。
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現在の日本の最低賃金は、最低賃金法により、地域別(都道府県単位)と特定の産業別で定められています。
平成26年度地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)
その中から地域別最低賃金の低いところと高いところだけを抜き出してみました。
四国や沖縄、九州、東北は全体的に低く、大都市圏は高いというのがよくわかります。特に東京、神奈川が抜きんでて高くなっているのが特徴的です。また同じ東北でも震災需要が高いと思われる太平洋側の地域のほうがやや高めとなっています。全国の加重平均は764円(2013年度)です。
さらに都道府県ごとに一部の業種(鉄工業、小売業等)で別途最低賃金が定められていますが、面白いことに、地域別最低賃金が低い地域ではその特定産業の最低賃金は高く設定されていて、逆に東京など地域別最低賃金の高いところでは、特定産業の最低賃金は低く設定されています。
(例)
沖縄 地域別最低賃金664円→新聞業768円、糖類製造業693円
東京 地域別最低賃金888円→出版業857円、各種商品小売業792円
この一部業種の別途定められている最低賃金については、なにか調べるといろいろと問題が出てきそうな気がします。つまりその地域で特定の業種について大企業のごり押しが強いとか、大物地方議員と特定業種との癒着があるとか。
最低賃金について、他の国ではどうなっているのでしょう?
最低賃金が法律等で定められている国もあればない国もあります。ドイツのように2015年から施行される国もありますが、先進国は概ねなにかしらの規制ができているようです。
平均賃金に対する最低賃金の割合(OECD2012年)では、各国とも共通の金額(例えばUSドル)で比較するのは、国によって物価も違い、毎日為替レートで変動しますので比較しにくく、それぞれの国の平均賃金に対する最低賃金の割合で比較しています。
日本は世界平均37.9%より低い33.3%(平均賃金に対する最低賃金の割合)です。アメリカはもっと低く27.2%というのは意外ですが、考えてみると移民国家アメリカでは英語が話せない人も多く、都市部から遠く離れた広大な農場や牧場で、単なる肉体労働だけを提供する労働者も多いのでそういうことになるのかなと推測します。
ちなみに、2014年9月の為替レートで比べると、フランスの最低賃金は9.43ユーロ(約1305円)、英国は6.31ポンド(約1095円)、ドイツは8.5ユーロ※(1176円)、カナダは10カナダドル(975円)、オーストラリアは15.96AUドル(1560円)という水準です。ヨーロッパやオセアニアでは金額ベースで見ても日本(764円)よりはずっと高かそうです。
※ドイツは2015年から適用
また上記には出てこない、スイスやスウェーデン、フィンランド、シンガポールなど、最低賃金の定めがない国もあります。
で、国内の話しに戻り、この最低賃金を「上げよう」、「いやそのままでいい」という両論があり、それぞれに主張が入り乱れています。
最低賃金を「上げよう」とする根拠は、「正社員労働者との賃金格差を縮める」「低賃金では生活保護支給額との逆転現象、またはその差が少なく、労働意志をなくす(低賃金で働くより生活保護で暮らすほうが得)」「多く給料を支払えば、それだけ可処分所得が増えて景気を押し上げる」などがあり、逆に「上げるのは反対」という人の主張は、「最低賃金が上がれば企業は人を雇わなくなり失業率が上がる」「企業の人件費負担が大きくなると商品やサービス価格に跳ね返り物価が上がる」「コスト上昇で生産品の国際競争力が失われる」など。
ま、学者さんならば、難しい理論をかざして、そのどちらかの主張をする人がいるでしょう。
でも実際にはどうなのよ?
実は世界中でこれという回答も事例も見つかっていないようで、それは導入する時期や、国によって失業率も違えば経済状況も常に変化するので、こうすればこうなるという定性的な解答は出ないのです。
つまり、失業率や有効求人倍率など雇用状況は、その時々の経済状況、先の見通し、優遇税制、移民政策、人口構成など様々な要因で変わってきますので、それらの状況が複雑に絡み合ってくるからです。
景気の問題にしても、経済が調子いいから雇用が増え賃金もアップなのか、雇用が増え、賃金がアップするからそれが消費や投資に回って経済が好転するのか、鶏が先か卵が先かという問題でもあります。
特に企業の正社員雇用政策は短期間ではなく何十年と先を見た長期間を視野に入れて採用をおこないます。それと基本的には短期間で雇う非正規雇用とは大きく違う点です。そして一般的に最低賃金に引っかかってくるのは一部の業種を除いて非正規雇用のケースが大半でしょう。
なので、最低賃金によって正社員の長期雇用政策がぶれるということは考えにくく、企業にとっては短期的な需給バランスの調整弁として使う非正規雇用のコストに影響すると言えるでしょう。
それならば、多少最低賃金を上げたからといって、企業の利益を圧迫するというほどの影響は受けないのではないか、もし大きく圧迫すると言うのならば、それは非正規社員の使い方を間違っているか、正社員と非正規社員(パートとか)の割合がおかしいのではないか?と考えられます。
外食や小売り(スーパーなど)では正社員比率が全体の10%以下という極端なところもありますが、そういう企業には恒常的に必要な労働者の多くを低額の非正規で雇うという考え方をあらためる必要があるのと、もし最低賃金を上げることで、正社員の賃金との逆転現象が起きるようならば、それは正社員の賃金が低すぎるとも言えるので、とっとと値上げでも経営者一族の特権を減らすか何でもして正当な最低賃金の水準にすることが求められるのではないかと、私は考えます。
人件費を抑えてライバル同士が低価格競争で消耗戦を繰り広げる不毛な経営手法はいずれ破綻するものです。国際的な水準よりも低い最低賃金に守られてどうにか経営が成り立つというのは経営者の甘えであり、怠慢です。
ただ最低賃金で除外すべきは、弱者といわれる高齢者や障害者の雇用を促進するためと、戦略的な特殊な職種に対しては、現在すでにあるように、各自治体で特別措置を作ればいいのではないでしょうか。
【関連リンク】
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717 非正規から正規雇用への転換策
707 ハローワークは非正規職員のおかげで回っている
660 40~50歳代プチ高所得者がハマる罠
541 厳しさ続く非正規雇用
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プラナリア (文春文庫) 山本 文緒
2001年の直木賞を受賞した作品を含む短編集です。収録されているのはタイトルの「プラナリア」をはじめ、「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」の5編です。
実はこの本、9年前、2005年に文庫化されてまもなく購入し一度読んでいました。
しかし今回読み始めてもそれがわからず、頭の中からスッポリと抜け落ちています。
老化のせいにはしたくありませんが、その可能性も否定はできません。と同時に、それだけこの小説の内容が、印象に残らなかったということで、特にこのような短編集の場合はそういうことはよくあります(言い訳)。
内容はおそらくですが、著者自身が分身となり主人公を作り上げ、話しを膨らませていったものと考えられます。一番最後の「あいあるあした」以外は主人公は女性で、性格は少々ひねくれているってところがあります。
しかも主人公の言葉や行動、性格に鬱病の症状が垣間見えたり(著者はこの作品の後、うつ病のためしばらく休筆)して、かなり自分を無理して主人公達に投影しているなぁって感じます。
テーマはそれぞれ「乳ガン」であったり、「離婚」であったり、「夫と子供」であったり、女性独特の感じ方、行動、考え方をよくとらえているようです。そして終わり方はどれも思わせぶりな中途半端な形で、その先はどうなるのだろうかなと考えさせる形です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
暗闇にひと突き (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) ローレンス・ブロック
マット・スカダーシリーズ4作目の作品で、1981年刊(翻訳文庫版は1990年刊です。原題は「A STAB IN THE DARK」。直訳すれば「当てずっぽう」ということになります。
このシリーズはほぼ著者と主人公の年齢というか時間の経過がほぼ一致していて、第1作目では39歳だった主人公は44歳になっています。
この頃はまだ酒を飲み、時にはアルコール漬けになるときもある時代で、別れた妻との会話や、同じアルコール中毒の女性との出会いなど、私生活面での話しもところどころで見られます。
その後のアルコールとの闘いを先に読んでいるだけに、この頃のアルコール摂取量は半端なく、そりゃ中毒にもなるでしょうという状態です。
無職でありながら、朝から晩までずっとアルコールを飲んで、それでよくお金が続きますねっていうのが本音なところ。
ストーリーは、9年前に娘を殺された男からの依頼で、当初は無差別な連続殺人のひとつに思われていたところ、そうではないということがわかり、その真相を暴いて欲しいというもの。
犯人に偶然突き当たるまでの思考が、単に元警官の勘と臭覚というのではちょっと無理があり、ご都合主義的に作られているなとは思いますが、犯人を追い詰めるだけではなく、それに至る様々な主人公の生活スタイルや、過去から引きずっている苦悩などを知る回と思えば悪くはありません。
このシリーズの長編は2014年までに17作品が翻訳され出ていますが、あと3作品がまだ未読です。
できれば最初から順序通りに読んでいきたかったのですが、1990年代初頭は、書店の棚に置いてあるものを買うしか方法がなかったので、仕方ありません。
多少一部にあやふやなところがありますが、マット・スカダーシリーズのタイトル、発表年、主人公(著者とほぼ同じ)の年齢です。
1 過去からの弔鐘 Sins of the Fathers 1976年 39歳
2 冬を怖れた女 Inthe Midstof Death 1976年 39歳
3 1ドル銀貨の遺言 Time to Murderand Create 1977年 40歳
4 暗闇にひと突き A Stabin the Dark 1981年 44歳
5 八百万の死にざま Eight Million Ways to Die 1982年 45歳
6 聖なる酒場の挽歌 When the Sacred Ginmill Closes 1986年 49歳
7 慈悲深い死 Out on the Cutting Edge 1989年 52歳
8 墓場への切符 A Ticket to the Boneyard 1990年 53歳
9 倒錯の舞踏 A Dance at the Slaughterhouse 1991年 54歳
10 獣たちの墓 A Walk Among the Tombstones 1992年 55歳
11 死者との誓い The Devil Knows You're Dead 1993年 56歳
12 死者の長い列 A Long Line of Dead Men 1994年 57歳
13 処刑宣告 Even the Wicked 1996年 59歳
14 皆殺し Everybody Dies 1998年 61歳
15 死への祈り Hope to Die 2001年 64歳
16 すべては死にゆく All the Flowers Are Dying 2005年 68歳
17 償いの報酬 A Drop of the Hard Stuff 2011年 74歳
◇著者別読書感想(ローレンス・ブロック)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「反原発」の不都合な真実 (新潮新書) 藤沢数希
著者は理論物理学研究者であり金融工学の専門家ということで、特に原子力技術や環境科学などを専門にしている人ではないのですが、逆にその少し離れた立ち位置から、「果たして今の脱原発や反原発運動は正しいのだろうか?」というテーマを、様々なデータを駆使して検証したものです。
ただタイトルを見ればすぐわかる通り「原発推進の結論ありき」とも思えるので、その点は多少割り引いて読む必要があるかもしれませんが、感情的に最初からダメダメとすべてを否定しながら読むのはお勧めしません。
そういう人は山田 孝男著「小泉純一郎の「原発ゼロ」」とか古賀茂明著の「原発の倫理学」などを読むべきでしょう。
この本を出して以来、著者に対しては、反論というレベルではなく、一部の過激な原発反対派から様々な嫌がらせ、脅迫に近いものがあったのではないかと推察します。
もし著者の売名行為のためにこのような過激なタイトルを付けたというのなら、それは成功したと言えるのかも知れませんが、それで結果は果たして良かったのか悪かったのか微妙とも言えそうです。
で、中身ですが、いちいちちゃんとデータの出典先が書いてあり、根も葉もない噂話しや感情論ではなく、日本と世界のエネルギー問題について、福島を初めとする原発事故について、放射能と健康問題について、原発事故の際の政府や国の対応についてなどが素人にもわかりやすく書かれています。
そのデータや統計がおかしいとか、使い方が間違っているという反論も当然あるでしょうけど、それは著者の問題ではありません。
それらの主張については、正反対の反論や異論も多数あると思いますが、言論や出版の自由ということを考えると、単なる感情論や批判のための批判ではなく、それぞれの項目について、間違っているなら間違っていることを根拠を示して訂正を求めるべきで、性格やら過去の発言やら、悪意を込めた誹謗中傷などすべきではないと思うのですが、実際はそういう傾向が強くなっているようです。
それと、以前にも書きましたが、統計データというのは意図があればどのようにでも作為が入りこむ要素があり、それはなにも日本に限ったことではありません。
偉い研究者や国際機関が出した医学データや統計データをいくら眺めても、人間が社会の中で幸せに生活をおくれる訳ではなく、様々な個人的な感情や思惑、国家や巨大企業の駆け引きなど多くの要素が絡み合うことで納得や合意というものが得られていきます。
私はこの本から知らなかったことをいくつか教えられたり、逆に著者の考え方に納得ができなかったりするところもありますが、こうした問題提起の作品は大いに歓迎です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫) 貴志 祐介
著者は作風からすると、もっと若い作家さんかと思っていたら、私とほぼ同年代ですでに50代に入っています。作家さんの年齢というのはなかなかわかりにくいものです。
この作品は1999年に単行本、2003年に文庫化された作品で、以前読んだ「黒い家」と同様、ホラーと言える小説です。
観ていませんが一時期問題作品として話題となった無人島で少年少女が殺し合いをするという「バトル・ロワイアル」と似たようなシチュエーションで、こちらはオーストラリアの無人地帯で、生き残るために日本人同士が繰り広げる殺人ゲームです。
と、書いちゃうと、荒唐無稽な話しで、まともな中年以上の読者は興味を失ってしまいそうですが、そこは売れっ子作家だけあって、単なる殺人ゲームだけではなく、様々なサバイバル術や登場人物に仕掛けなどが施され、主人公もうだつの上がらないホームレスになりかけていた中年男性という設定で、若い人以外にも共感が得られ、読み応えのある作品となっています。
タイトルのクリムゾンとは火星の表面のような濃く明るい赤色で、マゼンダとも近い色のことです。オーストラリアの大地を火星に見立て、そこに閉じこめられた男女9人がサバイバルをゲームのように繰り広げます。やっぱり荒唐無稽な話しですね。
◇著者別読書感想(貴志祐介)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
監査難民 (講談社BIZ) 種村大基
かつて日本の4大監査法人のひとつだった旧中央青山監査法人(みすず監査法人)が、過去に監査を行っていた先で不祥事が起きたり、粉飾決算を見抜けなかったことなどにより、営業停止の重い処分を受け、社会から信頼を失い、2007年に解散をするまでの経緯と経済界の混乱を描いたノンフィクションです。
ちなみに当時の4大監査法人とは新日本監査法人・あずさ監査法人・監査法人トーマツ・中央青山監査法人の4つでした。現在は中央青山から実質的に分離した、あらた監査法人が加わって4大監査法人と言われています。
みすず監査法人の前身だった中央青山監査法人は、国内最大手として業界では威勢を誇り、ソニー、トヨタ、JAL、NTTなど日本を代表する大手企業を含め国内5000社以上の企業の監査を担ってきた名門の監査法人でした。
しかし90年代、山一證券・ヤオハン・足利銀行など、経営破綻した企業の監査をしていながら、倒産の危機を事前に見抜けなかったことや、カネボウや日興コーディアルグループの粉飾決算において監査人が粉飾の事実を知りながらそれを開示しなかった不祥事が起き、金融庁から厳しい処分を受けることになります。
タイトルの監査難民とは、みすず監査法人に監査を委託していた数千の企業と、その中でも特に株式を上場している数百社の大企業は、決算時には監査法人の監査報告書が必要になりますが、突然業務停止や、解散が決まることで、法に定められた監査ができなくなり混乱を引き起こした事態を現しています。
もちろん監査法人が企業の粉飾決算を見抜けなかったり犯罪に手を貸したりするケースは日本だけの問題ではなく、2001年に当時全米7位の売上を誇っていたエンロンの倒産や、2002年には6万人の社員を抱えていたワールドコムの破綻など、粉飾決算をおこない、それが監査法人にも見逃され、多くの投資家に訴えられた事件はいくつもあります。
またトヨタやソニーのような大手企業の場合、国内だけではなく海外にも工場や現地法人があり、それらを含めた監査が必要となり、かなり大がかりなものとなります。
そのため、大手監査法人は、トーマツ=米大手のデロイト、新日本=アーンスト&ヤング、あずさ=KPMGのように、欧米の監査法人や会計事務所と密接な提携関係にあります。
当時の中央青山は、プライスウォーターハウスクーパース(PWC)と提携関係にありましたが、中央青山の不祥事で行政処分が必至となった際、その負の連鎖を断ち切るため、PWCと元青山監査法人出身者達が中心となり、あらた監査法人を設立します。
残った中央青山監査法人は、社名をみすず監査法人に変更して再出発を計りますが、結局は顧客や会計士の流出が止まらず、解散するに至るわけですが、その経過と経済界に巻き起こした混乱を当時の関係者の話しを中心にまとめられていますが、なかなか普段知り得ない監査法人の世界が垣間見えて面白く読めました。
【関連リンク】
9月後半の読書 マスカレード・ホテル、西の魔女が死んだ、オレ様化する子どもたち、ペンギン・ハイウェイ、動物農場
9月前半の読書 暗く聖なる夜(上)(下)、ロード&ゴー、寝ても覚めても、やさしい人
8月後半の読書 私の嫌いな10の人びと、人間の土地、きよしこ、奇面館の殺人、俺俺
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860
英語といえば最初に習い始めた中学生の頃から、嫌で嫌で仕方がなく、高校・大学と合わせて8年(大学では第一語学はドイツ語を履修し、英語は第二語学として2年間のみ)も習いながら、ビジネスではまったく役に立たないホンの基本的な会話しかできないという情けない私です。
社会人になってからしばらくは国内の仕事だけでなにも問題なかったのですが、入社して5年ほど経った時、短期間ですが海外勤務を命ぜられ、慌てて会話集を買ってきたり、ヒアリングのためにウォークマンで英会話のカセットテープを聞いたりと、もう本当にドタバタしました。
結局その時だけのやっつけではほとんど役に立たず、現地では苦労の連続でした。中には現地の日本人同士で話しをするときも、嫌がらせみたいに英語で話す人がいたり、休日に洋画を見に行っても、細かなニュアンスが理解できず※、もっとちゃんと勉強しておくのだったと毎日後悔の連続でした。
※英語が理解できる友人の駐在員が言うには「映画の場合、ジョークやスラングがやたらと多く、元々わかりにくいよ」と慰めてくれましたが、スラングなどないテレビニュースでも半分以下しか理解できなかったので慰めにはなりません
それ以外にも、特に希望したわけでもないのに、仕事で英語圏の国へ何度か出張する機会があり、その時もちょっとした会話しか理解できず、これまた情けない思いをしました。
「多国語ができる人はリズム感がある人」あるいは「耳のいい人は語学が堪能」とかと言います。これは両方ともその通りだろうと思います。
私は音感というかリズム感はなく、しかも耳が決してよくなく、英語の授業で教師の微妙な発音や、音楽の時間で和音の違いが聞き取れない、違いがわからないということがよくありました。
そして私の結論を言えば、英会話はいかに英単語を多く知っているとか、正しい文法や用法を知っているとか、誤解を恐れず言うのなら発音が正しくできるというのは関係なく、要は、「相手が喋っている内容がキチンと聞き取れる」かどうかに尽きるように思いました。
相手の喋っている内容が聞き取れさえすれば、それに対する返事は自分でいかようにでも返すことができるからです。これがコミュニケーションの場ではなにより大切なのです。
もし自分が多くの外国人に対して重要なテーマでプレゼンをしたり、ハードな契約交渉をしなければならないのなら、専門用語の知識や正確な発音が必要でしょうけど、そうではなくちょっとした海外出張やプライベートで海外旅行する分にはそれらの能力はまったく不要です。
つまり相手が「なにを言っているのか」「なにを求めているのか」「なにを聞きたがっているのか」さえわかれば、こちらも発音なんて気にしなくても伝わる「Yes! Thanks」「No! Thanks」「Excellent!」「Wonderful!」「Good!」「No so bad!」「I don't know」「Enough!」とか簡単な一言で済ませることが大部分の場合できるのです(笑)。
なにを言っているか理解できないと、困ったことに「もう一度ゆっくりと」お願いしたり、それでもわからないと首を振ってお手上げしたりと、まともな会話が成立しません。
もし相手が自分の知らない単語を使ってきたら、聞き取れたその単語だけをオーム返しに聞き返せば、たぶんもっとわかりやすい言葉に代えて話しをしてくれます。
例えば「I think this restaurant is a delicious beef and saury.Which one you want?」って聞かれて、聞き取れなかったらまったくそのあと会話は進みませんが、聞き取れているなら例えば自分が知らない単語「Saury?」って聞き返せば、「It is a kind of fish」って教えてくれるでしょう。
どちらでもよければ「Up to you」、魚が良ければ「I want to fish」とか言っておけばとりあえず会話は成立します。
結局は本格的に英語でビジネスをしようというのでなければ、日常の会話ってそのレベルの連続でいけるんですよね。
恥ずかしいことに私の年代の英語というと、英文法とリーディングが主で、あとは試験によく出る英単語やイディオムをどれだけ知っているかということが優先され、会話(コミュニケーション)という概念が完全に欠落していました。
自分ができないことを教育のせいにしていますが、そういう面白くもない詰め込み教育と合わさって、根っから語学習得に向かない体質とが重なってしまい、典型的な語学が苦手な中高年が出来上がったという次第です。
「耳がいい」人は本当に羨ましく、微妙な音や発音が聞き分けられ、とりあえずそれを真似ることで自分の発音にもいい影響を与えていきます。
まだ私の世代は、そういう意味では、かろうじて「逃げ込みセーフの時代」で、英語ができなくとも会社員生活をなんとかやり過ごせましたが、今の若い人が今後成長する会社で勤務をしたいなら、そしてある程度はその中で昇進もしたいのなら、英語や中国語などの語学がそこそこできるようにならないと、まずはまともな会社に入れないし、入ってからもいい仕事にもありつけず、転職するにもいい条件ではできないことなりそうです。
TOEFLやTOEICがコミュニケーション能力を量るツールとして一般化してきてもう何十年が過ぎていますが、確かにこれはいかに聞き取れるか(もちろん語彙力も必要ですが)が勝負で、大学入試センター試験にも2006年からヒアリングが加わり、日本の語学教育も多少は変わってきていますが、コミュニケーション力のアップということに関して言えば、まだまだ不十分な気がします。
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90年代のバブル崩壊以降、なんどか持ち直しはしたものの、リーマンショックにより再び就職氷河期に突入していましたが、昨年以降はアベノバブル効果もあり、新卒の就職は一時的にしろかなり雪解けされてきているようです。
と、悠長なことをぼんやり考えていたら、なんと今は就職氷河期ではなく採用氷河期ですと。
一転「採用氷河期」、内定辞退止まらない、新卒16%増見通しだが…企業、確保に苦闘(日経産業新聞)
企業の採用意欲が高まるなか、新卒採用が難しくなっている。2015年3月卒の大学生の就職内定率は7月末時点で67.2%と過去5年で最高を記録した。」 (中略) 「極端な採用難=売り手市場は弊害ももたらす。人事担当者は「15年卒の学生はレベルが低い」と一様に頭を抱える。提出物の締め切りを守らないなど基本動作に欠け「入社後、相当鍛えないと戦力にならない」。人事担当者の悩みは尽きない。」 「バブル崩壊後の1990年代前半から10年余り、企業が一気に新卒の採用を控え、就職氷河期と言われた。少子高齢化が深刻化するなか、今年が採用氷河期の元年となるかもしれない。 |
ちょっと短絡的な見方で「どうなのよ~」と思わなくもありませんが、一部の企業では採用難に陥っているとのこと。
しかしこれだけ少子化が加速度的に進めば、誰だって新卒者(=若者)の採用は次第に難しくなるって事ぐらい、20年も前からわかっていたことで、今さらジタバタしているのは「先を読めない素人の人事部です」と自分で言っているようなものです。
また新人が喜んで来てくれるような評判のいい会社であれば、規模の大小は問わず、なにも心配ないはずで、苦心するって事は、会社、仕事、経営者に魅力がない3ない会社で、さらに給料水準が低い、社員レベルが低い、知名度が低いなどの3低会社でもあるわけです。
しかし人事部は、採用できない理由や責任を、自分たちの無能とは認めず、概ね他人や環境のせいにします。必ずです。
また記事によると、内定を出したからと言っても安心ができず、昨年も今年も複数内定を得て、ギリギリまで決断せずに、入社近くになってから「実は・・・」という内定辞退者が出るということがよく起きているそうです。
数年前までは、画一的で味も素っ気もない「お祈りメール」を学生に大量に送りつけ、まるで人間として社会人として不合格のレッテルを貼るかのような失礼な扱いを学生にしてきたことへの仕返しをいまされていると思えば納得もいくでしょう。
就職というのはそういう意味では、採用する側とされる側の「化かし合い」で、採用側からすれば「博打」というのが私の結論で、たった数時間数回の面談やテストで、もしかすると40年以上の長い期間、うまく才能を発揮し続け、会社に多大な利益をもたらしてくれる人かどうかなんてわかるわけもないというのが持論です。
ところが人事部は「この大学にいたのだから地頭はいいはずだ」「受け応えもしっかりしていて基本ができている」などと私に言わせればバカバカしい基準で判断するのが普通で、そんなものは社会人になって荒波にもまれ、海千山千の先輩に鍛えられていけば少々の地頭の良さやにわか作りのマナーなど役に立たないばかりか弊害です。
未だに企業の採用ページで、過去採用者の学校名や、先輩社員の出身校が誇らしげに書いているようなところは、そうした学校で人を選んだり、人の潜在能力を発揮させられる能力のないロクでもない会社だと思って間違いないでしょう。
採用される側も、最初のうちは、できればこの会社で気持ちよく長く働きたいと思ってくるものの、だいたいは「聞いていた話と違う!」となり、見切りを付け退職する人が後を絶ちません。
そして転職しても、今までより条件が好転したかと言うと実はほとんどの場合、そうでもなく、結局はどこにいても同じと言うことにやがて気がつきます。
また学生の中には、数年してお金を貯めたら自分で起業をするんだ!という志が立派な若者も結構な割合でいそうですが、実際に会社に入って、その心地いい会社員生活の流れに身を任せていると、なかなかそこからは抜け出せなくなり、中高年になって追い出される立場になったときに、ふと若いときに思った起業を思い立ったりすることになります。
もちろんそうした「仕方ないから、起業でもするか」という考えでうまくいくほど世間は甘くないので、失敗したあげく、非常に条件が悪い再就職をすることになり、まだ正社員になれるとラッキーなほうで、たいていは不安定な契約社員や業務委託などとして働くことを強いられます。
だから、私はずっと前から、若者の就職率は少子化が進む中でやがては回復するに決まっているから、ちょっと就職氷河期だから、大学卒業しても正社員になれないとか言って大騒ぎをするのではなく、それよりも人生の中で一番お金のかかるミドルからシニア層にかけての再就職など雇用対策をもっと政策として力を入れるべきじゃないかと書いてきました。
ま、いずれにしても採用氷河期が続けば、若い人が就職先を自由に選べ、その影響で若者に不人気な業界や業種に求人難が続けば、いま望まず非正規社員として中途半端な立場にいる人にも正社員になれる道が大きく開かれていくでしょうから、たいへん結構なことではないでしょうか。
採用側の企業も、若い社員を採用し増やすためには、それなりに条件をよくし、働きやすい環境を整え、新卒者の半分近い女性の積極採用が進むことは確実です。これはいま国を挙げて進めようとしていることとまさに合致しています。
高齢化社会で働き手が減ると言うことばかりが言われていますが、それよりもっと大きな問題として、消費税増税と、年金生活に入る高齢者増で、やがて国内の消費活動がパタッと停まってしまう問題があり、それは国内需要を大きく落ち込ませることになります。
そういう意味では、新卒の一括採用以外の方法、例えば海外留学生や留年者の10月入社採用や、アルバイトからの正社員登用採用(経験者採用)、親の介護等で転勤できない社員向けの地域限定正社員など、多様な働き手の採用が、これからは進んだ企業のトレンドになっていくのだろうと思います。
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