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1529
仕事を辞めてから、今さらながら時々思うのは、仕事には「人に命令・指示をされてする仕事」と「人に命令・指示をする仕事」の二通りがあったなぁということ。

あと、命令・指示される前に、自分で考えて自主的におこなう仕事もありますが、それはさておきます。

ボリュームはおそらく圧倒的に「人に命令・指示をされてする仕事」のほうが多いでしょう。割合からすると10:1か、もっと100:1ぐらいの割合かも知れません。

当然ながら、割合的に少ない「人に命令・指示をする仕事」をする人のほうが、「人に命令・指示をされてする仕事」をする人よりも貴重と考えられています。

なぜって言われても、できる人が少ないからというしかありません。

人は誰かに命令や指示をされて動くほうが楽ですから、口には出さなくても自然とそれを求めます。

ちょうど捕食動物から身を守るために習性としていつも群れになって行動・生活している野性の草食系動物や小さな鳥類などがそれです。

一般的に人に命令をし、指示をするためには、より大きな責任を負い、時には胃に穴が開くほど悩み考えなくてはいけないこともあります。

そしてもしその判断や指示に間違いがあり失敗したときには、針のむしろに座らされることも覚悟しなければなりません。

そうした「人に命令・指示をする仕事」は誰でもができることではないですが、決して家柄や先天的な才能ではなく、経験や知識、行動力、そして「それをしたいという強い意志」によって後からでも備わることができる能力です。リーダーシップがそれに近いかも知れません。

長くビジネスをやっていると、そうした「人に命令・指示をされてする仕事」ができるチャンスが稀ではありますが必ずあります。

そのチャンスを一歩前に出てモノにするか、そのチャンスから逃げ出したり敬遠して「人に命令・指示をされてする仕事」に引き下がって安住することを望むかで、その人のその後の可能性や、生々しい話しでは生涯獲得できる所得が何倍も大きく変わってきます。

ちょっと飛躍した話になりますが、若い官僚が数年で退職するケースが増えてきていると国会でも話題になりました。

コロナで激務に ~霞が関の官僚にいま何が~(NHK)
内閣人事局などによると、昨年度、自己都合で退職した20代官僚は87人。6年間で4倍以上に急増しました。また、20代の官僚の14.4%、実に7人に1人が「数年以内に辞めたい」とも答えています。
官僚のなり手も減っています。今年度、国家公務員の採用試験(総合職)に申し込んだのは1万6730人と、5年前に比べて23%も減少しました。

若い人のライフワークやキャリアプランなどの変化など、様々な理由はあるでしょうけど、私が思っているのは、以前なら国を動かしているのは、ころころと数年で変わっていく大臣や政治家ではなく、実質は専門家集団の官僚だという自負がありました。

2009年の総選挙で自民党が惨敗し、民主党政権が誕生しました。そこで民主党はいきなり「政治主導」を打ち出し、官僚の力を削ごうとしたため、官僚から総スカンを食らって、結局はガタガタになってしまいました。

国民は「やっぱり自民党じゃないとダメね」ということで、自民1強時代に入りますが、そこで打ち出したのが、民主党がやろうとしてできなかった、官僚の人事権を政治家が握る官邸主導政治です。

人事権を握られた官僚の行動はと言うと、もうあえて書くまでもないことですが、政治家への忖度や、過度のヨイショのため、それにコロナ禍が加わり若手官僚が疲弊し、しらけてしまうことになります。

そりゃそうです。

以前なら、官僚が主導して法律が作られ、政治家を動かし、結果、国を動かしてきたのに、急に政治家主導、官邸主導になり、自分たちのプライドも、利権も、自由な意志も、崇高な志も奪われてしまったうえに、今まで阿吽の呼吸で全面的に任されてやってきたことが、素人同然の政治家に事細かくレクチャーして了解をもらわないといけないので仕事量だけは増えていきます。

官僚制度は明治時代以来、営々と国に根ざしてきたことで、自他とも認める優秀な人達が使命感を持って役所に入ってきたのが、「人(素人の政治家)に命令・指示をする仕事」から「人(素人の政治家)に命令・指示をされてする仕事」に変わってしまったことで、若い人が官僚という仕事から逃げ出しているということなのです。

ひとつよく勘違いする人がいるので書いておくと、「人に命令・指示をする仕事」は自分で手を挙げてすぐにできるものではなく、その人の実績や行動力、もっと言えば発言の重みや誠実性、対人関係能力などから、彼(彼女)に「人に命令・指示をする仕事」をやらせてみようと、誰かが推薦してくれて初めてできることだと言うことです。

もし、「自分は上司に理解されないからつまらない仕事ばかり」「いつまで経っても昇進しない」というのは、それは上司が悪いのではなく、自分のことがよくわかっていないというだけというケースがほとんどだと言うことです。

【関連リンク】
1163 フラリーマンの哀愁
903 私の想像を超えるビジネスマナー崩壊
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
792 ビジネスにおける私的リーダー論

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1528
お薦め小説 2021年版(国内小説)」や「お薦め小説 2021年版(海外小説)」を以前書きましたが、今回は、お勧めの新書やエッセイ、ノンフィクション、ビジネス書から選んでみます。

新書やエッセイ、ノンフィクション、ビジネス書の蔵書は全部で約200冊あります。しかしあいにく日記で読書感想を書き始めたのが2012年頃からで、それ以前に読んだ中にもお勧めのものは数多くありますが、今回は感想を書いた2012年以降、2020年までに読んだ中から20冊を選びました。

書籍タイトルのリンク先は私が過去に書いた複数書籍の感想記事へ飛びますが、記事の下の方にある場合は下へスクロールをして見てください。

大往生したけりゃ医療とかかわるな
誰しもいつかは迎えることになる往生。その死への旅をどうすれば人間らしく尊厳をもって向かえることができるかを老人ホームの医師でもあり、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰する中村仁一氏が現場で経験したことから書いたものです。
タイトルが刺激的で、当然他の医者や医師会などからは反発を招き、様々な反論や批判を浴びることになるというのも本人は承知の上です。
基本的にこの本では高齢者の老衰死を扱っているので、まだ若い人へのメッセージではありません。…
中村仁一
累犯障害者
著者の山本譲司氏は、演歌歌手山本譲二氏とは違い、民主党の衆議院議員でありながら、2001年に秘書給与流用の詐欺容疑で実刑判決を受けた方です。
秘書給与として支給されたお金を事務所の運営費などに充てていたわけで、もちろん犯罪行為にあたりますが、自分か親が金持ちでない若手議員は、そうしてやりくりでもしないと、まともな議員活動ができないという実態もあるのでしょう。
当時は辻元清美衆議院議員など何人かの議員に同様な公費流用が指摘されていたに関わらず、現職の議員で実刑を受けたのはこの山本氏だけで(辻元氏は執行猶予付き)、一種みせしめ的な逮捕・起訴・実刑判決だったようにも思えます。…
山本譲司
人間の土地
1939年と言いますから今から75年も前に出版されたサン=テグジュペリのエッセイ集で、主として第二次大戦前の民間航空機のパイロット時代の話しがメインです。
小説ではないので、特に物語があるわけではなく、パイロットという仕事を通して、世界中で見てきたもの、感じたこと、友情やアフリカの奴隷制度など、幅広い話題で淡々と書かれています。
特に「砂漠のまん中で 」では、サハラ砂漠の上空で砂嵐に巻き込まれ前後不明となり、砂漠に不時着したときのことが書かれていますが、この死をもっとも身近に感じた時にあの名作「星の王子さま」の着想を得たと言われています。…
サン=テグジュペリ
冷血
1958年に発刊された「ティファニーで朝食を」が映画化されそれで一躍有名になったアメリカの作家さんですが、19歳の時に始めて作品を世に出し、60歳の時に心臓発作で亡くなるまで40年あったわりには作品数は少なく、短編集を含めて12作品だけです。
この作品は1966年に書かれたカポーティの最後の長編作品で、1959年に実際にアメリカで起きた一家殺人事件が元となっています。…
カーポティ
旅をする木
著者は1952年生まれで、慶応大学生時代に写真で見たアラスカの動物や自然に魅了され、ついにはアラスカ大学野生動物管理学部に入学(中退)するほどのアラスカやその自然が好きな写真家、冒険家です。
しかし1996年にテレビ番組の取材で滞在していたロシアのカムチャツカ半島南部のクリル湖畔でヒグマに襲われ死亡されています(享年44歳)。…
星野道夫
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率
著者の浅川氏は1974年生まれの雑誌「農業経営者」の副編集長で、株式会社農業技術通信社の専務取締役です。
いわゆる農業ジャーナリストといったところでしょうか。この本は2010年に発刊されていますが、その後もこの手の本を出しておられ、2012年には続編とも言える「TPPで日本は世界一の農業大国になる」が発刊されています。…
浅川芳裕
20歳からの社会科
すでにあちこちで語られていて多くの人は知っていながらも、政治家含めどうすることもできずにただあきらめているという感がある、日本の高齢化社会、格差社会、外交、未来の課題に真正面から向き合い、様々な学者や識者と言われる人が、わかりやすく解説しています。内容は、第1章 高齢者の意見が通りやすい国 第2章 どうすれば若者が社会を動かせるのか 第3章 今の若者が担う外交で日本は生き残れるか 第4章 年金や医療費を誰が支えるのか 第5章 人が減り、教育に熱心でなくなった国 第6章 未来の地球に何を贈るのか…
明治大学世代間政策研究所
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く
2010年に出版されて大ベストセラーになった「デフレの正体」の筆者とNHK広島取材班がタッグを組んだ作品です。
里山と言えば、少し前ならTOKIOのダッシュ村をふと思い出したりしますが、あのような山間に囲まれた地で農業を中心に半自給自足をおくっている昔ながらの風景です。
アメリカを中心とする「マネー資本主義」に対応した「里山資本主義」という造語を新たに作り、今後経済が縮小していく日本において、ある一定の人口を支える基礎的な生活パターンとして、里山で暮らすという選択肢を提案しています。…
藻谷浩介・NHK広島取材班
日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか
同じ医師でありながら作家として二足のわらじをはく恵まれた才能を持つ人は多いのですが、その医師の中でも大病院や大学病院の中で働く医師とは違い、在宅医療の医師であることが特徴的です。
在宅医療の本質は、終末医療に大きく関わっています。またグループホームや軽費老人ホームなど、医師が常駐しないホームへ訪問医師として関わることも多く、患者はおしなべて高齢者で、様々な健康問題を抱え、特に認知症患者と関わるケースも多そうです。…
久坂部羊
福翁自伝
ネット上のお勧め本のリストを見て購入してはみたものの、約2年半ほど読まずに本棚の肥やしとなっていましたが、別のところで「この本はめちゃ面白い!諭吉ってファンキーで生き方がロックだ!」という絶賛?する評判を聞きおよび、暮れの忙しいときに読み始めました。
この本のことはWikipediaには「1898年(明治31年)7月1日から1899年(明治32年)2月16日まで計67回にわたって「時事新報」に掲載され、単行本は1899年(明治32年)6月15日に刊行。今日でも慶應義塾大学では毎年、新入生に配布されている」と書いてあります。…
福沢諭吉
戦艦大和
この戦記は、戦後まもなく吉川英治の勧めで執筆され、1946年に雑誌に掲載される予定だったのが、GHQの検閲で出版ができず、1951年のサンフランシスコ講和条約後の1952年になってようやく出版ができたという「戦艦大和ノ最期」を元としています。
当初はノンフィクションだと思っていましたが、生き残った他人に聞いた話や、著者の推測や想像で書かれた部分も混じっているようで、公式にはノンフィクションではなく戦記文学のジャンルに入るようです。…
吉田満
定年後のリアル
多くの新書を中心とする著書を書いている著者の2010年単行本、2013年に文庫版が発刊されている新書的な文庫本です。その後、この本の売れ行きがよかったのか、二匹目のドジョウ的に「定年後7年目のリアル」(2014年)、「さらなる定年後のリアル」(2015年)と次々定年本が出ています。自分のことを、そのまま書くわけですから割と楽にかけそうですね。…
勢古浩爾
フェルマーの最終定理
17世紀に数学者フェルマーが残した「3以上の自然数nについて、xn(xのn乗)+yn(yのn乗)=zn(zのn乗となる自然数の組(x,y,z)は存在しない」という定理について、フェルマーが「証明できるけど余白がないので書かない」とした証明を、360年後にやってのけた数学者アンドリュー・ワイルズのノンフィクションドラマです。
なにか難しそうで最初はためらわれましたが、多くの先駆者達のお勧め本に上がっていましたので、思い切って買ってきて読んでみました。…
サイモン・シン
「子供を殺してください」という親たち
著者は精神障害者移送サービスを営み、精神に異常を来した人と直接に接してきた方で、このノンフィクションは、2015年に文庫が刊行されています。
まずタイトルに驚かされますが、当初はどうせ引きの良い派手なタイトルだろうぐらいに思っていましたが、あに図らんや、どうしてどうして、精神的におかしくなった人とその家族の葛藤が、現場からの緊迫感、臨場感、悲壮感が漂うドキュメンタリーとして展開され、読みながらその話しに息をのんでしまいます。…
押川剛
言ってはいけない 残酷すぎる真実
宝島30の元編集長だった著者は、名前を見ると女性ジャーナリストだと思っていましたが男性です。小説もいくつか書いておられますが、著書を読むのはこれが初めてです。
タイトルだけ見ると「大げさな~」と思っていましたが、中身はもっと過激、こんなこと書いて良いの?というようなことがズバズバ出てきます。炎上商法も真っ青な感じで、恥ずかしながら衝撃を受けてしまいました。…
橘玲
バッタを倒しにアフリカへ
著者は芸能人ではなく、日本の農学者であり昆虫学者の方で、1980年生まれと言うから今年で不惑の40歳、研究者としては若い方です。実は、表紙(カバー)に載っているバッタのかぶり物をした著者らしい人物から、売れないお笑い芸能人が、ネタとして本を書いたぐらいにしか思ってませんでした。本書は、2017年に出版され、中央公論・新書大賞などいくつもの賞をとった作品です。…
前野ウルド浩太郎
陰翳礼讃
難しい旧漢字のタイトルは「いんえいらいさん」と読みます。今の漢字で書くと陰影礼賛となります。
1933年から雑誌に連載され、1939年に単行本として発刊された随筆(エッセイ)です。今回読んだ文庫は1975年初版、2008年改版の中央公論新社版です。
実はこの本は、2015年2月に購入したまま、5年半も塩漬けにしていました。特に理由はないのですが、タイトルをみただけではやや重々しい感じがしていました。…
谷崎潤一郎
無私の日本人
映画で有名になった「武士の家計簿」などの著書がある磯田氏は、今やテレビの歴史番組の解説者として欠かせないキャラクターとなっているユニークな学者先生です。
私も毎週欠かさずNHK BSの「英雄たちの選択」を録画して楽しく見ています。それにしても、古代天皇から、昭和時代まで、どうしてそんなに詳しいの?と思えるぐらい博学で、しかもテレビに向いた雄弁な方です。…
磯田道史
おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
2014年に発刊された新書ですが、ベストセラーとしてよく知られています。なにかありふれたタイトルですが、書かれているテーマは(1)宗教、(2)宇宙、(3)人類の旅路、(4)人間と病気、(5)経済学、(6)歴史、(7)日本と日本人と7章立てです。
ジャーナリストの著者ですが、2012年から理系のエリートが集う東京工業大で教鞭をとることになり、そこのリベラルアーツ(現代の教養)センターに属し、学生に理系バカにならないよう、理系以外の教養を身につけてもらおうとしています。…
池上彰
日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実
2018年に「アジア・太平洋賞特別賞」や、2019年の「新書大賞」1位の本書は、2017年に発刊された硬派な新書です。
新書というと、著者の自己満足的な自慢話しと事業の宣伝に終始しているものが多く、うんざりしているのですが、最近読んだ「バッタを倒しにアフリカへ」、「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」、「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」など、良いものも時々混じっているので、欠かせません。…
吉田裕


【関連リンク】
1520 お薦め小説 2021年版(海外小説)

1516 お薦め小説 2021年版(国内小説)

932 お薦めの面白い小説(翻訳本)

920 お薦めの面白い小説(国内本)


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1527
獄中記―煉獄篇(原題:A Prison Diary II) ジェフリー・アーチャー

シリーズ第1作目の「獄中記 地獄篇」は2005年に読みましたが、ブログに感想文はまだ書いていない時期でした。

第1作「地獄篇」は収監1日目から22日目までが書かれていましたが、この第2作目の「煉獄篇」は2004年に単行本が発刊され、その後文庫が出てくるのを待っていましたが、大人の事情なのかどうか知りませんが、一向に文庫化されず、あきらめて単行本を購入しました。

「地獄篇」「煉獄篇」に続いて第3作目の「天国篇」は2005年に英国では発刊されていますが、日本語版は2021年3月時点でまだ発刊されていません。もう出そうもないですね。なにか出版社とエージェントとの大人の事情がありそうです。

で、こちらの煉獄篇は22日目の続きから始まります。この22日目で、それまで収監されていた”地獄の”刑務所から別の”煉獄”刑務所へ移動します。

つまり1作目の「地獄」から脱出し、「天国」と「地獄」の中間にあたる「煉獄」に移ったということです。

煉獄とは、「カトリック教で説く、天国と地獄との間にある所。死者の霊が天国にはいる前に、ここで火によって浄化される。」(Oxford Languages and Google)とのことです。

しかし英国の刑務所というのは、なんと自由というか、自主性に任されているというか、不思議なところです。

・男性収容者の刑務所内に女性の刑務官や各種講師、事務官などが普通にいる
・外部のサッカーやラグビーやクリケットのチームが刑務所囚人チームとの試合にやってくる
・ほぼ毎日、刑務所内から好きなところへ電話ができる
・昼食と夕食は数種類の中から選べ(ベジタリアン食など)、自分の部屋で食べる
・刑務所内にあるトレーニングジムには一般のスポーツジムと変わらない器具がある
・囚人でも個人で新聞が購入できる
・芸術や語学など様々な講習が用意されていて、受講すればお金が支給される
・朝に部屋の扉の鍵が開けられ、夜に閉められるまで他の部屋へ行くのが割と自由
・各部屋にテレビが設置
・囚人同士で大麻やヘロインなどが普通に流通している

などなど。

面白いですねぇ~

刑務所内の話し(ノンフィクション)は、堀江貴文著「刑務所なう。」、山本譲司著「獄窓記」、佐藤優著「獄中記」 など数多くあります。

その中では「獄窓記」だけ読んでいます。

2012年4月後半の読書と感想、書評(獄窓記)

しかし現役のベストセラー作家が書くこの「獄中記」はまたひと味もふた味も違います。

でもさすがにあまり代わり映えのない刑務所内の日々の話しだけで2冊読むと、もう良いかなぁ~って気もします。

★★☆

著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)

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さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫) 窪美澄

初出は2013年~2015年に文藝春秋に掲載され、2015年に単行本、2018年に文庫化された短編小説集です。

まったく内容を知らず(カバー裏のあらすじも読まず)に読み始めましたが、14歳の少年Aが年下の少女を殺し、首を切り取って門の上に置くという、神戸連続児童殺傷事件の加害者少年Aをモチーフにした内容で、それぞれ直接的なつながりはありませんが、連作短編集となっています。

少年Aはその後名前を変えて社会に出ますが、彼を英雄視したり、思いが募って探して会いに行ったりする人までいます。

また、作家を目指していくつもの小説を書いては懸賞に応募してもダメで、ある編集者から言われた「実際に起きた事件をモチーフにした作品」を書くべく少年Aのことを調べ始めます。

さらに被害者の母親も、複雑な思いで、少年Aにあこがれる少女と仲良くなっていく話しや、元少年A、現在はひとり寡黙に人に会わないで済む仕事をしながら、自分の生い立ちから異常性を持つようになった経緯などを語っていくという重くて暗い話しです。

ここで言う「ニルヴァーナ」というのは初耳でなんのことか知りませんでしたが、1989年にデビューしたアメリカのロックバンドのことなんですね。医療少年院に入院中に同房の少年から好きな曲だと聞かされたことばです。

「ニルヴァーナ」の元々の意味は、インド哲学に由来し、仏教用語の涅槃、魂の解放を意味するとのことです。そのあたりをうまく内容にかけているのかも知れません。

もちろんこの話しはすべてが小説であり、少年の生い立ちや、殺害に至った動機、退院したあとの生活などはすべてフィクションです。

実際にその元少年Aがこれを読んだらどういう感想を持つだろうなぁ~とボンヤリ考えてしまいました。

★★☆

著者別読書感想(窪美澄)

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邪馬台国殺人紀行 歴女学者探偵の事件簿 (実業之日本社文庫) 鯨統一郎

2013年に書き下ろし文庫化された連作短編集で、邪馬台国はどこ?をモチーフとして、他のシリーズ作品も出てくる歴史学者の早乙女静香、女子大生の桜川東子、そして静香のライバルとして登場する歴史学者翁ひとみの美女三人組が旅をする内容です。

旅先は、邪馬台国九州説の吉野ケ里遺跡、畿内説の箸墓遺跡、そして青森の三内丸山遺跡で、それぞれ三人が行くとそこで殺人事件が起き、誰がどういう目的で事件を起こしたのか?それぞえの遺跡と邪馬台国の関係は?と推理をしていく漫画的なストーリーです。

そう言えば10年前の2011年に読んだ「邪馬台国はどこですか?」(1998年)は、九州説、畿内説をひっくり返し、岩手県の八幡平説が書かれていましたが、斬新で面白かったことを思い出しました。

2011年8月前半の読書(邪馬台国はどこですか?)

その「邪馬台国はどこですか?」を読んでから、今回で著者の小説を読むのは9作目で、概ね1年に1冊のペースで読んでいることになります。

最近では2019年に「幕末時そば伝」を読んでいます。

2019年11月前半の読書と感想、書評(幕末時そば伝)

どれも発想が斬新で、古代史ながら小難しいこともなく、頭の切り替えなど軽く読書をするのに最適な作品が多く、今後も時々手に取って読みたいと思います。多作な作家さんで、まだ読んでいない小説がざっと百冊ぐらいはありますので。

★★☆

著者別読書感想(鯨統一郎)

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眠りの森 (講談社文庫) 東野圭吾

刑事加賀恭一郎シリーズ第2作目の長編小説で、1989年に単行本、1992年に文庫化されています。

加賀恭一郎シリーズと言うと、阿部寛主演で連続テレビドラマ化された「新参者」(2009年)や、映画になった「麒麟の翼」(2011年)が有名ですが、この2作目では、主人公の刑事が地方出身で貧しくも一途なバレエダンサーに一目惚れするなど、まだ人間味があふれた刑事の姿が印象的です。

内容は、東京のバレエスタジオに窓から侵入していた男と部屋の中で鉢合わせし、襲ってきたので花瓶で殴ったところ頭から血を流して死んでしまったと自供するダンサーの女性が逮捕されます。

またそのすぐ後に、公演直前のリハーサル中に、演出などを手がけるバレエマスターが毒殺されるという事件が起きます。さらに事件を調べようとしていた男性ダンサーの水筒にも毒が盛られあわや3人目の殺人!?という事態にまで発展していきます。

これらの事件につながりはあるのか?男を撲殺した女性には正当防衛が成り立つのか?毒殺犯は誰でなんのために?など、ふたつの事件が複雑に絡み合いながら、刑事とバレエダンサー、バレエ団とそれぞれの思惑が交錯していくという感じです。

なかなか複雑な構成ですが、狭いバレエ団の中だけの話しなので、読んでいても複雑さは感じられません。

推理小説ですから、一応自分なりに、犯人は誰?って考えながら読みましたが、まったくかすりもしませんでした。

実際にリアリティがあるかどうかはともかく、31年前の小説ですが、よくできたミステリーで、面白く読めました。

★★☆

著者別読書感想(東野圭吾)

【関連リンク】
 3月後半の読書 証言拒否 リンカーン弁護士、コンビニ人間、官報複合体、レプリカたちの夜
 3月前半の読書 武田信玄 風の巻、林の巻、火の巻、山の巻 新田次郎
 2月後半の読書 草花たちの静かな誓、THE ONE THING、そして誰もいなくなった、悪寒、逢魔が時に会いましょう

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1526
先月3月15日には和歌山県北部でマグニチュード4.6、そして20日には宮城県沖でマグニチュード6.9の地震が起き、東日本大震災から10年目に地震の恐ろしさをあらためて思い出した人も多かったのではないでしょうか。

地震予測はどこまで信用できるのか?起きる確率何%というのはどういう根拠なのか?とか、一般的によくわからないことが多いです。

政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会が「全国地震動予測地図2020年版」(令和3年3月26日公表)を更新して発表しています。

報道では、「太平洋側、高い傾向続く 30年間の震度6弱以上確率―水戸で80%・全国予測地図」(時事通信社)など、その概略が説明されています。
今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、北海道東部のほか、関東から東海、近畿、四国の太平洋側などで26%以上となり、非常に高い傾向が続いた。

各エリアや都道府県ごとに、震度6以上が想定される確率や、地盤の揺れやすさ(表層地盤増幅率)の強弱などが地図(PDF)で示されています。その一部を掲載しておきます。

今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(関東)


表層地盤増幅率(地盤の揺れやすさ)(関東)


今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(東京都とその周辺)


表層地盤増幅率(地盤の揺れやすさ)(東京都とその周辺)


この「全国地震動予測地図」にはかなり専門的な内容も書かれていますので、興味のある人は(笑)熟読してみてはいかがでしょう。

私は、、、地図で大雑把に我が家のある場所を見て、「ヤバいなぁ~ふぅ~」と、ため息をつくぐらいです。

でもこの前、3月20日に起きた宮城県沖地震では自宅周辺では震度3で、モノが落ちてくるようなことはありませんでしたが、これがもし震度6や7の地震が起きると、想像ができませんが、かなりの被害が出そうです。

2011年3月の東日本大震災の時も我が家のある場所では震度4で、棚や書棚の上に置いていたモノが少し落ちていましたが、家具等の転倒や、家屋の破損などはありませんでした。

大地震が起きたとき、幸い、自宅は海や川からも遠く、津波や浸水被害はなさそうですが、密集した住宅街なので、家屋の倒壊や火災(広域延焼)が心配です。

やがてかなりの確率でやってくる大きな地震に備えるためには、自宅の耐震補強や、水・食料品などの備蓄、家具や備品の固定など様々ありますが、地震保険の加入というのが最終手段としてはあります。

今は一般の火災保険には加入していますが、地震保険には加入していません。火災保険では地震で起きた火事(延焼による罹災も含む)は補償外になります。

地震保険に加入していない理由は、地震保険はエリアによってはメチャクチャ高くて、我が家のある川崎市においては、掛け金がとても割に合いそうもないほどの高額だからです。

割に合わないとは、地震保険の場合は、例えば1000万円の建物が地震で全壊しても、損害が全部出るのではなく1000万円の30~50%しか補償されません。それでいて掛け金は火災保険よりも高額(地域による)になります。

つまり、地震で家が壊れ、地震保険の補償金で、ささやかな2000万円の家を建てようと思っても、満額入っていても600万円~1000万円しか出ないので、それだけでは家は建てられません。結局は、その他の資産がない年金生活者は土地を売ってどこかへ移り住むしかないのです。、

ま、割が合わないというのは、それだけ今の予測では地震で大きな被害(=損害賠償)が出る確率が高いからなのでしょう。

悩ましい限りですが、自宅も築30年近く経っているので、つぶれたらつぶれたで仕方ないと割り切ることにしました。

上記の地震予測マップを見て、大きな地震が起きそうもない場所に引っ越したい気持ちもありますが、こればかりは家族の意向もあるので、なかなかひとりでは決められません。

【関連リンク】
1376 台風と地震被害と保険について
1327 震災に備えて2019
894 火災保険・地震保険について調べてみた
594 震災など非常時の備え その1
479 国内で地震から逃れることができるか?



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3月から4月にかけては1年の中でもっとも引越が多い時期です。

学校を卒業して進学や就職するため、中・大企業の会社員なら転居を伴う人事異動で引越しをする人達が日本中、いや世界中を大移動します。

「選挙開票速報」や「NHKニュース7」、「紅白歌合戦」、「クローズアップ現代+」などの司会を務め、エース級と言われるNHK東京アナウンス室所属の武田真一アナウンサーも、この4月からは大阪放送局へ異動です。ただし異動についてはいろいろと噂が広がっていますが。

武田真一氏が『クロ現』降板。「やり残したことがある気もします」無念さ滲ませる(HUFFPOST)
1月19日の『クローズアップ現代+』。武田アナは二階氏に新型コロナ対策について聞いた。「政府の対策は十分なのか。さらに手を打つことがあるとすれば何が必要か」と質問すると、二階氏は「いちいちそんなケチをつけるもんじゃないですよ」と不快感をあらわするシーンがあった。
武田アナのNHK大阪放送局への異動が発表されたのは、その1カ月後の2月10日。『週刊文春』2月25日号では、二階幹事長へのインタビューが「菅政権の怒りを買った」のが理由とみる局内の声を報じている。

私も学校を出て最初に就職をした会社で、何度か引越をともなう異動を経験しました。その後転職をしてからは、いずれも東京にしかオフィスがなかったので、引越をともなうような異動はありませんでした。

引越は、進学や就職、人事異動だけではなく、賃貸の場合だと、契約終了時に引越する時もあれば、家を買ったときに賃貸から引越することもあります。

また、結婚するときに、それまでの狭い部屋から広い部屋へ引越したり、子供ができてさらに広いところへ引っ越すこともあるでしょう。

特に最近はリモートワークが進み、狭い都会の家から、自然豊かな郊外や地方の広い家に住み替える人も増えているようです。

私の場合、大学を卒業するまでは、関西の生家(一軒家)に住んでいました。その後の引越ライフを書いておくと、、、

1回目 1980年4月 就職した会社の東京へ配属となり実家から東京の寮へ引越
2回目 1982年2月 2年目に東京から名古屋へ異動、独身寮に入る
3回目 1983年1月 1年後、名古屋市の寮から1DKマンションへ引越(賃貸)
4回目 1983年3月 2ヶ月後、名古屋から大阪へ異動となり吹田市のワンルームへ引越(賃貸)
5回目 1985年9月 2年後、結婚のため大阪市内の2LDKへ引越(賃貸)
6回目 1986年2月 半年後、東京へ異動、川崎市の3LDKマンション(2年限定)へ引越(賃貸)
7回目 1988年2月 2年間限定リロケーションのため、川崎市の3LDKマンションへ引越(賃貸)
8回目 1988年5月 3ヶ月後、川崎市内に中古マンションを購入し引越(持ち家)
9回目 1992年8月 4年後、同じく川崎市内に新築一戸建て住宅を購入し引越(持ち家)

現在に至るです。

独身時代に、4回、結婚後に5回、計9回の引越を経験しています。

今の住まいは1992年からなので、今年で29年間住み続けていて、同じ場所に住む過去最長記録を更新中です。宝くじで大当たりでもしない限り、ここが終の棲家となるのでしょう。

私の場合は、幸いかどうかはともかく、東名阪と大都市中心の異動でしたが、仕事によっては、車通勤しかできない地域や、海外への転勤というのもあるでしょう。

最初にマンションを買ったとき、次いで一戸建てを買った時には、まだ東京以外の勤務地への異動可能性がありました。もし異動になれば、子供の学校次第で、単身赴任になっていたかもです。

なにか異動や転勤は悲喜こもごもあり、最近の若い人は「できれば敬遠したい」、「どうしてもというなら会社を辞める」とまで考えている人が少なからずいます。

でも、経験者から言わせてもらえれば、何事も経験、新たな人間関係も作れるし、自分の知識や視野、経験を大きく広げることができるのが異動であり引越です。

会社のカネで、様々な場所で生活し、新たな人脈や経験を積むことができるのですから、「苦労と転勤は買ってでもせよ」とばかり、喜んで受けるべきと思っています。

特に独身時代には、知らないところで生活し、休日にはその地域の名所旧跡などを周り、新たな友人や知人と交流し、知見を広めることができました。そしてそれが将来の自分の財産となっていきます。

経験上、(全国に支店等がある会社勤務で)一度も遠くへ異動しないで、何十年と同じ場所、同じ仲間だけとしか経験をしていない人の、なんと人脈が少なく、人情に薄く、視野の狭いことかと思ってしまいます。昔の人も「井の中の蛙」という表現で、そう言う人のことを的確に表現しています。

それに、独身時代にあちこち転勤を経験しておくと、ある程度年齢を重ね、特に結婚してからは、異動や転勤も少なくなる傾向にあると思います。

そう考えれば、若いときにこそ手を挙げて、引越を伴うような異動を積極的に経験しておく方が良いかも知れません。

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