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後巷説百物語 (角川文庫) 京極夏彦

「巷説百物語シリーズ」の第3作目で、2003年に単行本、2007年に文庫化され、2003年下半期の直木賞に輝いた作品です。

連作の中篇5作で構成されていて、それぞれのタイトルは「赤えいの魚」「天火」「山男」「五位の光」「風の神」となっていて、文庫で800ページを超えるかなりボリュームのある作品です。

シリーズは、「巷説百物語」(1999年)、「続巷説百物語」(2001年)と続き、この3作目のあとに、「前巷説百物語」(2007年)、「西巷説百物語」(2010年)と5作品があり、さらに現在シリーズ新作が雑誌に連載されているので、近いうちに6作目が登場予定です。

本当なら、シリーズ1作目から読みたかったのですが、つい直木賞受賞作というのに目がくらみこの3作目からとなってしまいました。

3作目の時代背景は、徳川時代から維新を経てご一新が起きた後の頃で、様々なところで騒がれる妖怪の仕業?と思える怪異な出来事や事件を論理的に説明がつくよう4人の男が調べていき、さらに江戸時代に各地を回って不思議な伝承などを集めていたという隠居した老人の元に集まって昔語りを聞くという流れです。

決して怪談話のようなものではなく、古来からあり、また古い書物や伝承で残っている不思議な現象や事件を逆手にとって、実はその現象は老人が若いときに出会った「小股潜りの又市」という人物が口先八丁、現代で言うとスマートな詐欺師が仕掛けていたという裏があったというスタイルで、爽快感こそあれ、おそろおどろしい怖さはありません。

「赤えいの魚」は秋田の男鹿半島近くの沖合に誰も近づけない不思議な島があるという謎、「天火」はいわゆる昔から言い伝えられている光る人魂の正体は?という話しなど、たいへん面白く読めました。

ただ大作ゆえ、文庫版は文字が詰め込まれて小さく、老眼が進んでいる我が眼には非常につらく、初めて遠近両用眼鏡を作りに走りましたが、発注から完成まで2週間もかかるということで、ついぞ間に合いませんでした。

★★★

著者別読書感想(京極夏彦)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

すべては死にゆく 二見書房 ローレンス・ブロック

しばらくマット・スカダーシリーズを読んでいなかったなと思って調べてみると、2017年にようやく見つけて読んだシリーズ第1作目の「過去からの弔鐘」(日本語版1987年)以来でした。

この「すべては死にゆく」は2005年に発刊(日本語版は2006年刊)で、もう10数年前に単行本が発刊された作品で、そのうち文庫化されるだろうと思ってずっと待っていましたが、全然その様子はなく、シリーズでその後の「償いの報酬」が文庫で出てきて結局あきらめて単行本を買いました。

シリーズは主人公の年齢も年齢ですから「償いの報酬」で終わりかなと思っていましたが、その次の「石を放つとき」(2020年)がすでに単行本で出ています。またこれも文庫化はされないのかな。

本編では主人公のスカダーが68歳になっていて、そろそろ探偵業から引退しようかという頃で、もちろんアルコールとも縁が切れていますが、禁酒を目的とするアルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous)の集会には律儀に参加しています。

マットスカダーシリーズはこの主人公が警察官時代に犯人逮捕の際、自分が撃った銃弾が跳弾して少女を殺してしまったトラウマから酒浸りとなり、警察を退職した後も、酒での失敗を繰り返す日々を送ります。

そしてあるとき恋人やAA集会で知り合ったよき助言者を得て、アルコール依存症から何度も何度も失敗しながら、ようやく抜け出すことに成功した姿を理解していなければ主人公を本当に理解できません。

このシリーズの主人公を「アル中探偵」という表現をされますがそれは第7作の「慈悲深い死」あたりまでで、それ以降は、なんとかアルコールを遠ざけて、ニューヨークの酒場でもコーヒーを飲んでいます。

詳細は、4年前に書いた「元アル中探偵マット・スカダーに惚れる 2017/5/20(土)」で書いています。

さて、ストーリーですが、主人公のマットと、殺人が趣味の犯人の視点の二つが中心で、その二つがジリジリと交差するところまで迫っていきます。

その殺人鬼の犯行の様子、ペドフィリアや死体損壊などいくつも書かれていて、読んでいてもあまり気持ちのよいものではありません。

犯人を究極のワルとしたいのはわかりますが、そこまで都合良く完全犯罪の殺人を繰り返すことが易々とできる一種の天才&運が強い男にしなくても良いのにと思ってしまいます。

時代背景はすでに携帯電話は当たり前になっていますが、NYの街中では防犯カメラの設置が進んでいないようで、犯人がどこに現れたかはわかっても、犯人の姿がなかなか捕らえられず、ちょっとイライラしてしまいました。

結局は勧善懲悪ですが、それにしてもマット・スカダーシリーズが久しぶりで期待が大きかったためかイマイチで、後味は決して良くないものでした。

★☆☆

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

シルエット (角川文庫) 島本理生

著者の作品は初めて読みますが、30代後半の女性作家さんで、2018年には「ファーストラヴ」で直木賞を受賞されています。

この「シルエット」は2001年の作品でメジャーデビューの中篇作品で、その他に「植物たちの呼吸」「ヨル」の二つの短篇が収録されています。

内容的には、女子高生のベタベタな恋愛小説で、還暦過ぎたオッサンが読んで楽しいものではありませんが、時にはこうした異世界の話しを読むのも切り替えになっていいかな。

読んだ感想を書こうと一生懸命行に思い出して、さらに行間までを読もうと考えますが、ダメです、どうでもいいような話しばかりで、なにが言いたいのか、なにが目的なのか、どういう読後の感想を持つべきなのかさっぱりわからず、もうそういうさばけた若い感性は失っているせいか、なにも出てこずダメです。

★☆☆

著者別読書感想(島本理生)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫) 垣谷美雨

著者は私と同年代(著者が2つ若い)で、小説の中に反映される時代や考え方に共感を感じることができます。

この作品は、2013年に単行本、2015年に文庫化された長編小説ですが、著者のマイホーム購入とその後のドタバタを実際に経験したことに基づいて書かれていて、「その気持ち、わかるわかる」と面白く読めました。

著者の作品では、過去に「あなたの人生、片づけます」と「老後の資金がありません」を読んでいます。どちらも面白かったです。

タイトルから想像できるように、多摩ニュータウンの中の古びた団地の話しと、同時並行で進む女性の結婚観についての話しが交錯していきます。

バブル時に相次いで建設された、最寄り駅からバスで5分の場所にある中古の団地(4LDK!)を5千二百万円で購入した主人公の中年の主婦と、その団地で生まれ育ち、大学まで出たものの、内定していた会社が倒産したため就職ができず、アルバイトで学費の奨学金を返済しているその主人公の娘がもうひとりの主人公です。

団地を買った時がバブルの最盛期で、その後は資産価値として下落する一方になり、売っても住宅ローンの残金に足らず、売るに売れない状態になってしまうのは良くある話しです。

そんな中で、古くなってくる団地の建て替えと大規模修繕と住民の意見が分かれ対立していくというのもよく聞かれる話しです。

さらに駅からバスという場所柄、高層マンションを建てて新たに分譲することで住民の負担をなくす等価交換方式も売れる見込みがないことからどこのデベロッパーも乗ってくれません。

私の場合も、バブル時期に最寄り駅からバスで15分という中古マンションを買いましたが、バブル崩壊直後にわずか4年で売り払い、買った価格より少し高く売れたので、この主人公(著者?)のように「なぜこんなマイホーム買ったかかな、、、」という後悔はありませんでしたが、私も一歩間違えば同じ後悔をしていたでしょう。

そして小説と私の同様マンションでも1年交替で理事会があり、入居した翌年には順番が回ってきて、会計を担当しましたが、共益費や修繕積立金、町会費、駐車場代などを不払いする人がいたり、家主は住んでなく、借りて住んでる人もあったりして、それらの徴収がかなり大変だったとこを思い出します。

私もこの主人公と同様に、共同住宅は住みにくい!と早々にあきらめて一戸建てに住み替えましたが、そうした様々な気苦労も割り切れる人でないと、引く手あまたの立地物件でない限り、共同住宅には住んではいけないような気がします。

そうした前半はかなり暗い話しが多くて身につまされますが、人それぞれに譲れない事情があり、その中で共同生活する以上は、覚悟と長期的な戦略をもって臨まないとダメよというノウハウ本のようにも思えます。

ただ、もうひとつのストーリーとなっている、娘とその友人達と、都心の豪邸に住む大金持ちの御曹司との恋愛トラブルについては、あまりにもリアリティに欠けていて、リアルな団地問題とかけ離れ、ちょっと興ざめな面も感じました。

★★☆

著者別読書感想(垣谷美雨) 

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

60歳からの生き方再設計 (新潮新書) 矢部武

著者は1954年生まれということですから私と同年代(著者が3歳上)の方ですが、私ともっとも違うことが、著者は外資系企業に勤務されていたことから英語がかなりお得意で、アメリカ社会についての造詣も深そうです。

本書は2014年に発刊された定年後に気をつけないといけないことをよく言われていることがステレオタイプ的に書かれたものですが、取材した極めて珍しい?人の成功例がいくつか書かれています。

高齢者が正社員での再就職は言うまでもなく、アルバイトでも自分が希望する仕事はなかなか見つからないというのは誰でも知っていることです。

仕事が生き甲斐という人でも、もう貯蓄もあり、年金も十分にもらえるならば、とっとと引退して消費生活だけをするべきというのが私の持論です。

したがってそれとは正反対な話がこの本ではつらつらと書かれていますが、そんなにまでして働く意味が見いだせません。

タイトルの「生き方再設計」というのならば、仕事やボランティア以外の、趣味やなにもしない生き方で成功、満足している人の例も出さないと公平ではありません。おそらくその人達の方が一般的だし数も圧倒的に多そうです。

特に定年となった団塊世代以降のホワイトカラービジネスパーソンの多くは、人に教えるほどの英語力もなければ、建築士など特殊な技術や資格を持っている人は稀です。そうした特殊な人の定年後をメインに語られてもしらけるだけです。

ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、「定年後はこうするべきだ」「こうすればいい」「ひとはこうしてる」みたいな話しは、その人の価値観感そのものだけに、他人があれこれ言うのは難しそうです。

いっそ、勢古浩爾著の「定年後のリアル」のように、「人は知らないが、自分はこうしてる」という話しの方がおもしろいし参考になります。

★☆☆

【関連リンク】
 9月後半の読書 ダークナンバー、人間の叡智、おにのさうし、センセイの鞄
 9月前半の読書 蝶、ぬるい毒、殺し屋、やってます。、家守、うまくいっている人の考え方
 8月後半の読書 運命のコイン、シャーロック・ホームズ対伊藤博文、経済危機のルーツ

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1578
10月2日にTBSで放送された「2021年キングオブコント」では、コンビ結成10年目になる「空気階段」が見事優勝し、参加3015組の頂点に立ちました。高校野球夏の全国大会は参加校が約3600校ですから、優勝するには同じような厳しい倍率です。

空気階段14代目王者!1本目歴代最高得点486点(日刊スポーツ)
コント日本一を決める「キングオブコント2020」決勝が2日、TBS系で生放送され、お笑いコンビ、空気階段が優勝した。ファーストステージで、歴代最高得点となる486点を獲得。ファイナルステージは474点で、合計得点で1位に。エントリー総数3015組の中から第14代目王者になった。ユニットでの参加も認められた激戦を制し、賞金1000万円を獲得した。

私は落ち着いた漫才や落語は好きなのですが、どうもコントという芸は苦手で、この番組も他局がCMの時にチラッとしか見ていませんが、若い人向けに客ウケを狙ってか、派手な衣装を着たり裸になって、ドタバタと体当たりの芸を披露しているという感じです。

その優勝した空気階段の向かって左側の太っている人、鈴木もぐらさんがその直後のTBS情報番組に出て語ったことの中に、その時は誰も突っ込みはしなかったのですが、気になった話をしていました。

「実は、股関節の軟骨がすり減っていて痛む。もう人工関節を入れるしかない」
「人工股関節の寿命は15年とか20年とか言われている」
「一度その人工関節に替えたら再度替えられないので、いつ入れるか悩ましい」

う~ん、、、どこの医者に言われたのかわかりませんが、再置換(2度目の交換手術)ができないっていうことは、骨の状況もあるでしょうけどおそらくそれは誤解でしょう。

この人は肥満体型(身長165cmで体重110kg)で、激しく動きまわるコントをして、変形性股関節症になってしまったのだと推定します。年齢はまだ34歳という若さです。

元々、変形性股関節症は圧倒的に女性、しかも高齢者に多い病気ですので、34歳の男性で発症というのは非常に珍しいケースです。

ただ、若いときに病気や怪我で人工股関節にして、その後10数年から20年ほどで入れ替えている人はいくらでもいらっしゃいます。

そのキングオブコントで審査委員をやっていた松本人志さんは2010年に股関節唇損傷(一種の変形性股関節症)のため、骨切り手術をおこない2ヶ月ほど仕事を休みました。

骨切りだけで済む場合は、それがベターですが、ただ骨切りの場合は、杖で歩けるようになるまでに1ヶ月近くかかると言われていて、それだけ長い休業とリハビリが大変です。

一方、人工股関節置換手術(自骨をインプラントに置き換え)だと、手術後1~2日後には歩行器や杖で歩けるようになり(手術法などで差はある)、2~3週間でほぼ普通の生活に戻れます(同)。

私の場合は、50代後半での人工股関節置換手術(右側2016年と左側2017年)でしたので、一般的な人工股関節手術をする年齢よりやや若めでした。

若いときに手術するメリットもあり、痛みをなくした上で仕事にすぐ復帰できること(私の場合は術後8日に退院、同16日目には満員電車に乗って片道50分の通勤をしました)と、若い分、筋肉もまだしっかりとしていて治りも早いと言うことです。それに痛みが消えて心が前向きになることが大きいです。

若くして人工股関節を入れる問題は人工股関節インプラントの耐久性です。一般的には15年~20年と言われていますが、20年前のインプラントと現在使われているモノでは品質に大きな差があり、現在使われているインプラントだと、無茶な使い方をしなければ30年ぐらいは持つと言われています。

先生があなたに伝えたいこと(関節が痛い.com)
20年前に入れた人工股関節が、今も高い確率で問題なく使えていることがわかっています。現在の人工関節なら、20年以上は大丈夫でしょう。もしかしたら30年以上の耐久性も期待できるほど、現在の人工股関節は進歩しています。(社会医療法人 朋仁会 整形外科 北新東病院 佐々木拓郎医師)

もし34歳で交換し、30年もったとして64歳で再置換となりますが、それはその時のこと、30年間医療技術がまったく進歩しないとも思えませんので、その時には、日帰りで手術が受けられるぐらい簡単な手術になっているかも知れません。

アメリカでは、医療費が高い、医療保険制度の違いなどもあって、人工股関節置換の日帰り手術がすでにおこなわれています。

DOCTOR'S VOICES(Heart Organization 湘南鎌倉人工関節センター院長 平川和男氏)
2000年には日本でもMIS(最小侵襲手術)を導入して入院期間が10日前後になりました。しかしこの時点でアメリカでは既に日帰り手術が始まっており、日本はなかなか同じ土俵に立つことが難しい状態でした。

人工股関節手術はアメリカでは日本の3.3倍以上(人口10万人あたりの術数対比)おこなわれているほどポピュラーな手術で、年齢関係なくおこなわれています。

日本では6年前に当時東京都知事だった舛添要一さんが人工股関節置換手術をして、大事を取って?約1ヶ月近くも悠々とVIPルームに入院し、退院後も都の公用車で湯河原の別荘へ「温泉療法のため」と言いつつ療養していたのに対し、元世界ランキング1位の英国のテニス選手アンディ・マリー選手は2019年に地元のロンドンで人工股関節手術をおこない、数ヶ月後にはワールドツアーに復帰して活躍しているその差にはまったく驚きです。そのマリー選手はこの東京五輪では英国代表でダブルスに参加していました。

そういうわけですから、鈴木もぐらさんもキングオブコントで賞金1千万円(二人で分けると500万円ずつ?)を受賞したこともあり、一段落したら思い切って3週間程度の休みを取って人工股関節置換手術に臨まれるのが良いかと思いますけどね。

え?ギャンブルで700万円の借金があるので(実話)、500万円じゃ足りない?

知るか!

【関連リンク】
1367 進化する人工股関節置換手術
1198 変形性股関節症、人工股関節手術その後
1175 人工股関節手術のその後とまとめ



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1577
写真はUR都市機構から
重松清著の「定年ゴジラ」(1998年単行本刊)の文庫を読んだのは2006年でしたから、今から15年前のことです。単行本が発刊されてから20年が経っています。

その小説では、多摩ニュータウンと思われる郊外の団地に住んでいる団塊世代と思われる男性が定年退職後に活気が失われ変わりゆくニュータウンの中で奮闘する姿が描かれています。

また今読んでいる垣谷美雨著の「ニュータウンは黄昏れて」は2013年に単行本が発刊されましたが、タイトル通り、最寄り駅からバスで5分、住民の高齢化のため昼間までも人通りがない5階建団地が10棟、エレベータなし、都心から1時間のやはり多摩っぽいニュータウンの団地(豊ヶ丘団地?)が舞台となっています。

それらの70年代の高度成長期に作られたニュータウン団地も、50年が経ち次々と建て替えられていますが、駅の近くでないと資産価値もあまり高いとは言えません。

特にニュータウンというのは丘陵地帯に作られたものが多く、また5階建でもエレベーターがなかったり、買い物にはクルマが必要だったりして足腰が弱った高齢者が日々生活するには厳しいものがあります。

ただ周辺には自然が多く、敷地は広くゆったりとってあり、自動車道路と歩道が明確に区分されていて、広い公園が計画的に作られているので、若い夫婦が子育てするのには良いところです。

ところが賃貸物件については、空き部屋が増加傾向にあるのに、急増するひとり住まいの高齢者が借りられないという状態が続いています。

テレビでやっていましたが、

・不動産会社で賃貸アパートを申し込んでも年齢だけで大家に断られる
・開業医で仕事も収入も確かな人でも高齢者のひとり住まいと言うことで断られる
・最近は独身者の場合、年齢が下がってきて40代でも年齢を理由に断られるケースもある
・およそ家主の7割が単身高齢者の入居を断っている
・国交省主導のセーフネット住宅は登録数こそ多いが実態は空室率3%未満という少なさで意味を成さない

など

確かに大家さんの立場に立つと、高齢者の単身者は孤独死や認知症発症による火事の心配や近所トラブルなどリスクが高いとされています。

また、賃貸の場合、孤独死や自殺などが起きた部屋や同じアパートに新しく入居する人に対し、その「心理的瑕疵」の事実を伝える重要事項の説明が義務化されています。そういう物件に進んで入居したいと思う人は多くはないでしょう。

そしてその「心理的瑕疵」の多くは、賃貸の場合、事故が起きてから2~3年間という長きにわたり課せられるので、大家さんとしては死活問題になってきます。

別の番組(NHKクローズアップ現代)では、なんと孤独死や部屋で自殺などがあった事故物件の売買を専門に扱う「成仏不動産」というなんとも言えない社名の代表が、やはり増えている高齢者の孤独死の問題を話していました。

まもなく世帯数の増加も頭打ち(国立社会保障・人口問題研究所の報告では2023年がピークと推計)となりこれからは減少していくことになり、空き家も2020年には876万戸にのぼり総住宅数の約14%を占めています。

賃貸の借り手はこれから急速に減っていくのに、高齢者だと言うだけで入居できないというのはなにか矛盾しているように思えます。

つまり、家主は固定資産税や相続税対策のために賃貸住宅を建てただけで、やっかいな高齢単身者に貸すぐらいなら空室が続いても構わないということなのかも知れません。

ウォーキング中に気がつきますが、農地だったところに次々単身者用っぽいマンションが建ちますが、完成後も住人の気配(洗濯物や自転車、カーテン、ゴミなど)が感じられず、ほとんどの部屋の窓には雨戸が閉まったままというところがあります。

なんとまぁ、空き室は多いのに、入居できなくて困っているというミスマッチな住宅事情ですねぇ、、、

テレビでは、R65不動産という高齢者限定の賃貸住宅をメインに仲介している会社の社長が出ていましたが、時代に合っていて狙いは良いのですが、わがままな双方(借りる方も貸すほうも高齢者が多い)の希望に合わせるのに苦心している感じがしました。

自治体によっては、入居者の見守りサービス(照明が24時間点灯しない場合に警備会社に連絡等)の費用を補助し、家主が安心して貸せるようにするなど対策をおこなっていますが、「入居者死亡保険」については特に話が出ていませんでした。

この通称「孤独死保険」は、葬儀費用や部屋のクリーニング、遺品整理、空室期間の家賃補填まで、条件次第ですべてが対象となるので、家主にとっては身寄りのない単身高齢者でも、死後の空室による機会損失や孤独死の風評被害を最小限に抑えることができて有効だと思います。

しかしイマイチ普及しないのは、その保険料を高齢者の場合だけ家賃に上乗せするということが二重価格になるのでできず、保険料もフルに加入すれば一室当たり月2~3万円(月額家賃の2~3割増し?)は余分に必要で、それをすべての部屋の家賃に上乗せすれば市場競争力がなくなってしまうことを懸念しているのかなと思います。

ここは国や自治体が、入居者も家主も使いづらい補助金制度の「セーフネット住宅」なんかすぐにやめ、民間の「見守りサービス」と「孤独死保険」をセットにして、増え続ける空き家に単身高齢者がすぐに入れるようにすべきではないでしょうか。

【関連リンク】
1303 持ち家か賃貸かは、引退後に大きな差が付く
1103 高齢者の賃貸アパート入居問題
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用

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1576
この2年近くはコロナ禍のためクルマで遠出をすることがなくなりましたが、クルマに乗るといつも気をつけるのがスピード違反や一時停止違反など交通違反です。

もう運転歴40年以上のベテランでもあるので、スピードはメーターを見なくても±5km/hぐらいの精度でわかりますが、初めて走る道だとその道の制限速度が何キロかわからないままうっかり出し過ぎていることもあります。

逆に地方の道だと、普通に制限速度標識がない(60km/h制限という意味)道路が結構ありますが、普段から40km/h制限の道路ばかりに慣れている都会の人が走ると、ひとりだけノロノロとした40キロで走り、後続の地元ドライバーから大顰蹙を買うことになります。

私はそういうことがないよう、前にクルマがいるとそれに合わせた速度で、いなければ周囲の自然な流れ(多くの場合、制限速度+α)で走ることを心掛けていますが、直線の長い下り坂で周囲が開けているような場合、知らないうちに速度が出てしまっていることがあります。

また広くて優先道路と思っていたのに突然一旦停止する場所が現れたりする場所があります。初めて走る人が多い観光地に多いのがポイントです。

そしてそういう場所では取締りが頻繁におこなわれています。しかも、ドライバーから気づかれないように隠れての取締りですからもうウハウハホイホイです。

地元の人は、そこでよく取締りがおこなわれていると知っているので、捕まっているのは決まって他県ナンバーばかりです。地元民から愛される警察を目指す上ではそういう配慮も必要なのでしょう。

若気の至りもあって、昔は一発免停の速度違反を3回、その他一旦停止違反や駐車違反など合計すると10数回の反則金や罰金を国庫に納めてきましたが、最近は丸くなった?ので、長くゴールド免許を保っています。

最近はスピード取締りに次々と新兵器が投入されています。そのコストの多くはもちろん血税からです。

広がる可搬式、高速道も スピード違反自動取り締まり装置(朝日新聞)
スピード違反を自動で取り締まる装置「オービス」の可搬式を全国の警察が導入している。小型で持ち運びできるため、狭い通学路などで使えるのが利点だが、最近は高速道路でも「神出鬼没」の取り締まりに使われるようになっている。
(中略)
兵庫県警は今年4月、高速道路でも「可搬式」を導入し、7月からは固定式を設置できないトンネル内での取り締まりも始めた。

 写真:警察庁
この通称可搬式(移動式)オービスはスピード違反取締りには絶大な効果を発揮しそうです。

しかも固定オービスと違って多くの場合、取締りの予告標識もありません。

もう4~50年前からおこなわれている通常の固定式オービスや、レーダー式・光電式などの定置式速度取締り(いわゆるネズミ取り)は、設置場所が限られ、最新式のGPS機能付きレーダー探知装置を装着していると察知されやすいという面があります。

それらの欠点を補えるのが可搬式スピード違反自動取り締まり装置ですが、もっと普及してくるとある意味自業自得とは言え、その餌食となるドライバーは格段に増えていきそうです。

可搬式オービスについて、もう少し専門的な話しは、下記のサイトに書かれています。

可搬式オービス「LSM-300」が使い物にならない実態が明らかに!2019年の全国取り締まり件数が少なすぎる?(ドライバーweb)

本来ならば、もっと事故の本質を研究して、スピード違反以外の飲酒運転や脇見運転、あおり運転、積載オーバー、合図不履行、無灯火、信号無視、進路変更、安全運転義務などの取締りも強化をすべきではないかと思いますが、手っ取り早くわかりやすい、しかも機械を使って裁判に使える証拠が手軽に得られるスピード違反ばかりが重視されるという安易な交通取締りばかりとなっています。

例えば、信号無視や遮断踏切立入りなら信号や踏切の横にビデオカメラを設置し、明らかな違反車をAIで識別し違反を摘発する仕組みを作るのは、今の技術なら訳もなさそうです。

同様に積載オーバーや進路変更違反、無灯火なども、ビデオカメラを道路にいくつか設置するだけで自動で取締りが可能です。40年以上も前にスピード自動取締装置ができているのに、その他の自動化はなぜかおこなわれません。

それほどスピード違反ばかりに熱心にしたいのなら、将来的にはクルマにすべて速度記録が残るブラックボックスが搭載し(今でもそれに近いものはある)、定期的にそのデータを提出させ、速度違反をしていないと証明しなければ免許の更新ができないってことになるかも知れません。、

【関連リンク】
1504 交通事故死者数と自殺者の推移
1340 夜でも無灯火走行のクルマをよく見かける
1081 高齢ドライバに対する偏見と規制
800 高齢化社会で変化している交通事故の統計を見る



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1575
よく言われることですが、人生には何度か進むべき道を選べる機会というのがあります。

例えば進学や進路、就職、結婚など大きなイベントやセレモニー的なものもあれば、もっと小さい友人関係や仕事の進め方といったことでも、やるかやらないか、前に踏み出すか留まるか、手を挙げるか挙げないか、声をあげるか黙殺するかなど日々選択する機会があります。

失敗した人の多くは、「あそこでこうしておけば良かった」と後悔が残り、それが経験となりますが、「どうでもいいや」となにも考えない、反省しない人もいます。

選択した結果について、「もし違う方法をとっていたら?」と常に考える習慣をつけていなければ、経験値は積み上がっていきませんし、同じ過ちを何度も繰り返し「できないヤツ」に成り下がっていくしかありません。

そして何年に1度か2度、非常に重要な選択の場面に出くわします。小さな選択で成功と失敗の経験値を重ねて積み上げていれば、そうした重要な局面でうまく機会を捕らえてチャンスを得る機会は確実に上がっています。社会人で言えば昇進や抜擢です。

私の経験上のことで、話しをすれば、まず社会人になってから良き先輩に巡り会えて、その人を師匠として教えには反発や抵抗ではなく、忠実に守ろうと決めたのがその後の人生に大いに役立ちました。

その先輩は、ちょっと社会人としてははみ出し気味で独自の世界を持っていた人で、何度か転職を繰り返したあと私が新卒で入社した会社に1年ほど前にやって来た人でしたが、学生気分が抜けず仕事の本質もなにもよくわかっていない私に対して、いろいろ細かく気がついた点についてアドバイスしてくれました。

一見すると豪放磊落な先輩でしたから、最初はそうした細かいことは気にしないで放置し、好きなようにさせてくれるように思っていましたが、いつもよく気にかけてくれて、社会人として、営業職の仕事について、上司との付き合い方、お金の使い方など、様々な面でアドバイスをくれたのはその後の私にとって大きな基本指針となりました。

もしそういう経験がなければ、そのわずか数年後に抜擢されてリーダーとして全国各地を部下を率いて支店の開設や新しい仕事を任されるようになりましたが、取り返しの付かない大きな失敗や、無知や経験不足で恥ずかしい思いをしたと思います。

ところがその先輩はと言うと、私が異動していってまもなく、やはり一箇所に落ち着けなかったようで、大きな借金をを残してすぐに退職してしまいました。

個人的な考えですが、その先輩は人には正しいことをキチンと説明ができるのに、それを自分に当てはめて行動することが苦手なのだと思います。恩人ですが連絡先も告げず知らない間に去ってしまったのでその後の行方は知りません。

その時には教わらなかったことで、大きな失敗をしたことがあります。

それは人の上手な使い方です。

人というのは、部下だったり同僚だったり上司だったり、友人だったりしますが、自分の力だけではなく、人の力を期待して、頼り、相談し、依頼をして仕事や物事を計画的に進めていく術です。

入社してから数年は、小さな企業の営業職と言うこともあり、なにごとも自分一人で解決していくという習慣が付いてしまいますが、その後、次第に業績が向上していき、新しい社員が急増しても、なかなか人に協力を依頼して任せていくという仕事ができず、なんでもひとりで解決するのが当たり前、それを美徳とする孤独なビジネスマンでした。

またある一定の規模や仕事だと、それが普通にできちゃうんですよね。

そして、やがては自分が育ててきた子会社の社長を任され、規模も大きく拡大していたに関わらず、周囲の人に頼ることができず、そのことである大きな失敗をして、今でもその時のことが頭をよぎり、嫌な悔しい思いと同時に、めちゃ恥ずかしい記憶がよみがえります。

結局、その頃(40代初め)が職業人としてピークを迎え、その後は淡々と余生のごとく過ごすことになり、流されるままリストラ退職も経験しながら、表舞台からフェードアウトしていく人生となりました。

もし新入社員の頃に指導を受けたよき理解者であり仕事や対人関係に厳しい先輩がもっと長く身近にいて、いろいろアドバイスを受けられたら、そうした恥ずかしい失敗は犯さずもっと違った人生になっていたかもなぁーって思います。

そうした大きな深い後悔をしないためにも、経験を積んでいき自分の行動規範にすることと同時に、有頂天で周囲が見えなくなったとき、嫌なこともズケズケとアドバイスをしてくれる良き指導者(師匠)やパートナーに巡り会う機会を逃さないことが重要です。

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