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1718
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)(下)(ハヤカワ文庫) ピーター・トライアス

フィリップ・K・ディックの歴史改変SF小説「高い城の男」(1962年)を先日読んだ後、本著(原題「United States of Japan」)がそれをモチーフとして、現代風にエンタメ性を高め2016年の星雲賞受賞を受賞した作品だと知りました。

著者は韓国系アメリカ人作家で、子供の頃から日本のアニメやゲームに親しんでいたということで、小説の中にもその要素がふんだんに盛り込まれています。

「高い城の男」と同じく、物語は第二次世界大戦で枢軸国側が先に原爆の開発に成功しそれを使って勝利し、アメリカの東側はドイツ、西側は日本の占領地となった世界です。

したがって、日本は戦前と同様に天皇が現人神として統治しており、占領地のアメリカ西海岸地域は日本の軍部と警察が絶対的な権力を持って思想統制がおこなわれています。

その中で帝国陸軍検閲局に勤務する主人公と特高警察のエリート課員の二人が、行方不明になったアメリカが枢軸国に勝ったという世界を楽しめる禁断の軍事ゲーム「USA」の開発者の将軍を探しに行くというストーリーです。

比較的最近に書かれたものだけあって、スマホがさらに進んだような端末機や、日本軍の兵器としての巨大2足歩行ロボットとそのパイロットなど、なにかのSFアニメによく出てくるパターンです。

まぁ、歴史改変小説なので、「ありえねぇー」など、細かいところをつついても仕方ありませんので、単に頭を空っぽにして楽しむ小説で、日本のアニメ会社がそのうち版権を買って映画を作るかも知れません。アメリカ人は進んで作りたいようなものではないでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者(角川文庫) 池上司

2009年公開の映画「真夏のオリオン」の原作「雷撃深度一九・五」など戦争小説が多い著者は、2020年にバイク事故で急逝され、この2018年出版(文庫本は2022年刊)の作品が遺作となります。著者の作品は全部読んでいますが、これが最後の作品となるのがとても残念です。

本書は戦記ではなく、現在の自衛隊の掃海部隊対テロ組織という構図で、テロ組織が東京湾に機雷を敷設し、専門家でなければわからないトラップを仕掛けます。

またテロ組織が雇った傭兵の別働隊が、東京湾上空を飛ぶP-1哨戒機を地対空ミサイルで撃墜するなどし、日本経済の根幹たる地域を完全に封鎖し、政治や経済界、そして自衛隊が日本の危機に七転八倒することになります。

ストーリーは単純ながら、普段は日陰的な存在の掃海部隊のリアルな機雷処理の姿が描かれていて、いざ有事が起きた際は、最新のイージス艦も横須賀を母港とする米空母も動かすにはその行く手には機雷などトラップがないことが絶対で、掃海艇はなくてはならない存在です。

機雷という兵器は、第二次大戦後に大きく進歩していて、特定のスクリュー音だけに反応するものや、見つけにくいように海底のヘドロの中に埋まって隠れてしまうなどこの小説で知りました。

太平洋戦争時代に出てくる機雷と言えば、プカプカと海面に浮いていて、艦艇の磁気に反応して爆発するものという理解しかありません。

湾岸戦争の時、海上自衛隊が初めて機雷除去のために中東へ送られ、そこで世界の最先端の機雷除去を学び経験しますが、その技術が役立ち、徐々にテロ組織を追いつめ、機雷除去を進めていくという流れです。

中東で一緒に機雷除去の任務をした英国の元海軍兵士と自衛隊をまもなく定年になる機雷のスペシャリストとの知恵比べが秀逸です。

★★☆

著者別読書感想(池上司)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

漂流(新潮文庫) 吉村昭

1975年に産経新聞に連載され、その後1976年に単行本、1980年に文庫化された、江戸時代に実際に無人島へ漂流し、その後奇蹟の生還を果たした人達を描いた小説です。1981年には森谷司郎監督、北大路欣也、坂上二郎、渡瀬恒彦などの出演で映画が製作されています。

個人的には無人島小説や映画が好きで、その多くを嗜んでいます。2021年に読んだ須川邦彦著「無人島に生きる十六人」は小説ではなくノンフィクションですが特に面白かったです。

2021年7月前半の読書と感想。書評(無人島に生きる十六人)

また、映画ではずっと前に見たトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」(2000年)が秀逸です。

また、無人島小説というわけではありませんが、昨年読んだ同じく江戸時代に難破して無人島に流れ着いた日本人漁師を救って日本へ連れて帰る実話が下敷きの山本一力著「カズサビーチ」もとても良かったです。

2022年10月後半の読書と感想、書評(カズサビーチ)

さて本書の主人公は、1780年代に実在した土佐の船乗りで、3人の仲間とともに伊豆諸島の鳥島に流されて漂着し、12年の長きにわたってその無人島(仲間はみな死に絶え、代わりに主人公達と同様に漂流してきた大坂や江戸の船乗りが合流)で絶望的なサバイバル生活を送ります。

しかし10数年、一度も付近を通過する舟影を見ることがないこの島に居続けても帰還できないと決心し、島に流れ着いた板や船の破片を集めて小舟を作り島から脱出を試みます。

無人島は、アホウドリの生息地で、それを捕まえ食べることで食料とできますが、火山島なので木や草はほとんどなく、穀物も育てられません。また飲料水は川や池はありませんが、多雨のために割と簡単に得られ、さらに冬でも比較的温暖な場所だったことが幸いします。

その無人島生活、しかも最初の数年はノウハウはなく、火打ち石も上陸前に失っていて火もおこせず悲惨な生活が続きます。

鶏肉ばかりを食べていて生きる気力をなくしてしまうとやがて衰弱して栄養の偏りもあって病気で仲間が死んでいき、しばらくはひとりぼっちになります。その時の心境を思うと胸が詰まります。

著者は江戸時代に書かれた帰還した船乗りの調書を読み、そこからあとは想像だけでこの小説を書いていますが、まるでその場を見てきたような迫力のある内容で、とても面白かったです。

★★★

著者別読書感想(吉村昭)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

JR上野駅公園口(河出文庫) 柳美里

2014年に単行本、2017年に文庫化された小説で、福島の相馬出身で、息子と妻に先立たれ、若い頃に長く出稼ぎ労働者として住んでいた東京に老いてから戻り、上野公園でホームレス生活をしている高齢男性が主人公で語っていくというストーリーです。

主人公が生きてきた時代と社会情勢は、年齢は私の世代よりも10年は上の団塊世代だと思いますが、一部にかぶるところがあり、私は出稼ぎではないものの、就職後に関西から東京へ出てきたこともあり、懐かしく様々な出来事を振り返ることがありました。

上野にはアメ横周辺には何度も行きましたが、上野公園はなんだか敷居が高くて2度ほどしか行ったことがありません。

隅田川の河川敷などにホームレスのブルーシートとダンボールで作った簡易ハウスなどは見たことがありますが、上野公園で実際には見ていません。これが書かれたのは2017年頃で、2度目の東京オリンピックやコロナ禍前なので、現在はどうなっているかはわかりません。

私を含め、ほとんどの日本人はそのホームレスが連なって住まう光景は、実際に見ても、見ない振りをするというのが通例となっています。

上野公園にある美術館や博物館などに皇室の方がやって来る度に、その期間だけダンボールハウスは撤去され、持ち主はどこかへ追いやられ、周辺は綺麗に清掃されるというのは、都知事や区長など誰かの見栄なのか、皇室への過剰な忖度なのか知りませんが、日本の社会はそういう決まりになっているようです。

様々な理由でホームレスを続けている人達がいることを、ホームレスの人が語っていくというなかなか深遠な小説でした。

★★★

著者別読書感想(柳美里)

【関連リンク】
 4月後半の読書 ひなた、宝島(上)(下)、パレートの誤算、権現の踊り子
 4月前半の読書 ロスト・シンボル(上)(中)(下)、糸、年金だけでも暮らせます
 3月後半の読書 流転の海 第8部 長流の畔 第9部 野の春、新老人の思想、三日間の幸福、あたらしい家族


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1714
ひなた(光文社文庫) 吉田修一

久しく著者の作品を読んでないなぁと思って見つけたこの2006年単行本、2008年文庫化とちょっと古い小説を読んでみました。著者の小説は好きなのでよく読んだと思っていましたが、前に読んだのは2017年1月ですから6年間も間が空きました。

ただし、今回の作品はイマイチ著者の作品としてはキレも深みもなく、男女4人のそれぞれが秘密を持ちつつ日常生活を淡々と送っていき、特に大きな波乱も破綻も起きず、それぞれが秘密の日記を書いているかのような体裁です。

今まで読んだ著者の作品は、主人公が犯罪など重い苦悩や葛藤を抱えた重厚な話しが多かった気がしますが、今回は恋愛にしても不倫にしてもいたって軽々しくこれが現代風か?とも思えますが、あとになって知りましたが、初出が女性ファッション雑誌のJJに連載小説として書かれたものということでなんとなく納得です。

若い大学生の女性、その恋人の大学生の男性、その男性の年の離れた兄とその妻の4人が、それぞれ主人公になって語っていくというストーリーです。

大学生の男性は幼児の頃に余所からもらわれていたという過去があり、そのことが最後には明らかになりますが、特に驚天動地ということもなく、収まるところにスッと収まるような話しです。

★☆☆

著者別読書感想(吉田修一)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

宝島(上)(下)(講談社文庫) 真藤順丈

タイトルからすると、スティーヴンソン著の「宝島」と同様、海洋冒険小説か?と勝手に思っていましたが、中身は全然違い、日本人(大和人)にとってはとても宝島とは思えない壮絶な過去をもった辺境の島「沖縄」の戦後まもない時期から日本へ返還される頃までを描いた2018年に単行本、2021年に文庫化された長編小説で、2019年の直木賞に輝いています。

終戦後にアメリカ軍基地から様々な物資を盗み出す「戦果アギヤー(戦果を挙げるもの)」のリーダー的存在で英雄と言われてきた男が、基地への襲撃後になぜか行方不明となり、その幼友達の親友、その英雄の弟、英雄の恋人の3人が、それぞれの生き方をしながらその英雄の男性を捜し求めます。

戦後アメリカの統治領となった沖縄と住民達は、戦争の傷は癒えてなく、また占領側のアメリカ人の傍若無人ぶりに業を煮やし続けてきた歴史が何度も繰り返して書き綴られています。

沖縄の人同士の会話が多く、いわゆる琉球語が多く使われていますが、小説では漢字に置き換えられていて意味は通じます。

沖縄民からすると、アメリカー(アメリカ人)はもとよりヤマトンチュ(日本人)も余所の国という意識があるのは、歴史からわかるように様々な国に支配されてきた苦い過去があるからなのでしょう。特に日本は本土を守るために沖縄を犠牲にし、女性や老人、子どもまで巻き込む悲惨極まりない戦いをおこないました。

そうした今も昔も虐げられている沖縄の人達が、アメリカ軍に一矢報いる戦果アギヤーに喝采を送り、やがてアメリカの一方的な不当な扱いに反旗を翻していくことになります。また沖縄の中にも地域ごとに米兵相手の風俗店や密輸貿易、麻薬、基地から流れてきた武器の転売などを仕切るヤクザ組織ができ、それらの抗争が起きます。

そうした激動の沖縄にあって、幼馴染みの英雄の行方を様々な方法で探っていき、何十年も経ってからその謎が判明することになります。

沖縄のことについては、新聞やテレビでニュースなどを見る程度の簡単な知識しかありませんが、戦後まもなくこのような厳しい社会を生き抜いてきた琉球の市井の人のたくましさと我慢強さには敬服します。

1972年の沖縄返還の時に沖縄の活動家達が要望した返還条件のひとつ「日本の首都を沖縄に移す」というのは、この閉塞感で息詰まった日本にとっては今からでも大きな変化と刺激のために面白い!と思いました。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

パレートの誤算(祥伝社文庫) 柚月裕子

2014年に単行本、2017年に文庫化された社会派ミステリー小説です。

タイトルの「パレート」とは、ビジネスパーソンなら聞いたことがあると思いますが、「パレートの法則」のことを指していて、別名「80:20の法則」とも言いますが、「特定の要素 20% が、全体の 80% の成果を生み出している」ということで、具体的には「20%の社員が利益の80%を稼いでいる」とか、「売上の8割は、2割の特定顧客からのもの」とか、「納税の8割は、2割の富裕層からなる」など経済活動の場でよく使われる法則で、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱したものです。

この小説の舞台は日本の地方都市(呉市がモデル)にある市役所の福祉保健部社会福祉課で、主人公はそこに所属する臨時職員の女性で、主に生活保護関連の仕事をしています。

生活保護とパレートの法則?ってなかなか結びつきませんが、事件が起きて刑事が市役所に尋ねてきた来た時に「生活保護を働き蟻の法則か」と漏らしたことがきっかけになっているようです。

「働き蟻の法則」とは、パレートの法則と少し違いますが、ひとつの働き蟻の巣には働く蟻と働かない蟻がいて、その中の働く蟻だけを集めてひとつの巣にすると、今まで働いていた蟻でも働かなくなる蟻が出現することで、その働く蟻と働かない蟻の割合は常に同じという法則です。

つまりどれほど熱心に生活保護受給者の支援をして自立させても、その分だけまた新たな生活保護受給者が増え、自立している人の数と、生活保護に頼らないとならない人の割合は常に一定だということをつぶやいたわけです。

また終盤に出てきますが、パレートの法則を挙げて、全体の事象のうち2割の人だけが影響を及ぼし、残りの8割の人は影響を及ぼさない、いなくても同じと言われているけど、それは間違いで、8割の人が無価値という意味ではなく存在意義を有しているのは明らかだということが書かれています。

主人公の上司で生活保護受給者の自宅へ定期的に訪問するケースワーカーのひとりが何者かによって殺害され、やがて地域の暴力団との関わりなどが明らかになってきます。

生活保護と暴力団と言えば、生活保護費を搾り取る貧困ビジネスが有名ですが、そうした社会の仕組みなどがわかりやすく小説化されていて、ためになります。

ミステリーとしては、あまり上質とは思いませんが、「お仕事小説」として、また普段あまり馴染みがない生活保護の実体などについて知りたいならば、大いに役立ちそうです。

★★☆

著者別読書感想(柚月裕子)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

権現の踊り子(講談社文庫) 町田康

「鶴の壺」「矢細君のストーン」「工夫の減さん」「権現の踊り子」「ふくみ笑い」「逆水戸」の各短編からなる、2003年に単行本発刊、2006年に文庫化された不条理小説集です。

その中の「権現の踊り子」は川端康成文学賞を受賞していますが、いずれもまともな感覚で読むと意識が混濁してしまいそうです。

著者の作品では過去に「きれぎれ」(2000年、芥川賞受賞)と「パンク侍、斬られて候」(2004年)を読んでいますが、いずれも感想を書くのは難しかったものの、長編のためにまだなんとかなります。

ところが、こうした短篇の場合、どのように感想を書けば良いものかいつも悩んでしまいますが、要は「読んでみなきゃわからん!」ということで、読んでなにを思うかは個々人それぞれ違ってくる気がします。

で、「面白かったか?」と聞かれると、「微妙・・・」としか答えようがありません。

★☆☆

【関連リンク】
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1710
ロスト・シンボル(上)(中)(下)(角川文庫) ダン・ブラウン

原題の「The Lost Symbol」は2009年に出版され、2010年に日本語版、2012年に文庫版が出ています。このハーヴァード大学宗教象徴学教授、ロバート・ラングドンを主人公とするシリーズでは「天使と悪魔」(2000年)、「ダ・ヴィンチ・コード」(2003年)に続く3作品目となります。

映画では、「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)、「天使と悪魔」(2009年)、「インフェルノ」(2016年)という順番でこの「ロスト・シンボル」は飛ばされています。テーマが謎の秘密結社フリーメイソンを描いただけに映画化は難しいのかな?と思いましたが、テレビドラマは制作されています。

「謎の秘密結社」と書きましたが、実はフリーメイソンは誤解が多いようですが、決して謎とか秘密だらけというわけではなく、会員同士の親睦を目的とする友愛団体で、多くの会員は加入を隠しているわけではなく、結社の指輪をしていたり、集会に普通に参加したりしています。

ただイメージを大事にする人気商売のタレントや経営者、政治家などの一部には、誤解を恐れて隠している人も少なくないということです。他にもロータリークラブやライオンズクラブという友愛団体はフリーメイソンから派生したもので、ボーイスカウトの設立にも関与していると言われています。

フリーメイソンの会員数は600万人を超え、故人ではジョージ・ワシントン(アメリカ初代大統領)、ベンジャミン・フランクリン(政治家)、ハリー・S・トルーマン(政治家)、レフ・トルストイ(作家)、ヘルマン・ヘッセ(作家)、フランツ・シューベルト(作曲家)、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(作曲家)、J.S.バッハ(作曲家)、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家)、グレン・ミラー(ミュージシャン)、チャールズ・"チャーリー"・チャップリン(俳優)、クラーク・ゲーブル(俳優)、ジョン・ウェイン(俳優)、アイザック・ニュートン(科学者)、マルク・シャガール(画家)、ヘンリー・フォード(企業家)など、最近の有名人ではシルヴィオ・ベルルスコーニ(イタリア政治家)、デニス・ロッドマン(元NBA選手)、エディ・マーフィ(俳優)など、日本人では後藤新平(政治家)、鳩山一郎(政治家)、高須克弥(医師)などが会員であることをオープンにしています。

そうしたフリーメイソンが、新興国アメリカの首都ワシントンの中心地に密かに様々な痕跡や暗号を残しているという噂があり、それらを解いていくというのが本作品の醍醐味です。

ワシントンには行ったことがありませんが、地図や建物の写真を見ながら読んでいくと、妙に納得感が得られて(単純すぎますが)面白いです。

登場する無茶苦茶賢く強い悪人が、最後に!!!だったというオチには驚きましたが、あれほど強かったのに天井から割れて降り注ぐガラスで簡単にやられてしまうのにはちょっとガッカリ。

「ダ・ヴィンチ・コード」ではフランス・パリを、「天使と悪魔」ではバチカン市国を、「インフェルノ」ではイタリア・フィレンテェを、「オリジン」ではスペインを、そしてこれではワシントンを舞台にした大活劇で、その規模は全然違うものの、日本各地を旅して謎解きをする内田康夫著の「浅見光彦シリーズ」の世界版のような感じです。

そのうちいつかは主人公が日本へやって来て、卑弥呼の謎も解決してくれるのかも知れません。

また、小説は映像化が常に視野に入っている感じで、単なる観光案内ではなく、007シリーズのような派手なアクションや暗躍する悪者との壮絶な対決などもセットになっていてエンタメとして楽しめます。

★★★

著者別読書感想(ダン・ブラウン)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

糸(幻冬舎文庫) 林民夫

著者は1966年生まれの脚本家で、数多くのテレビや映画の脚本を手がけられています。その中には、元々は小説や漫画が原作の「うさぎドロップ」(2011年)や「永遠の0」(2013年)、「ラーゲリより愛を込めて」(2022年)などがあります。

2020年に公開された菅田将暉、小松菜奈などが出演した映画「糸」の脚本も手がけましたが、同時に著者の書き下ろしでこの小説ができました。

タイトルからわかるように、中島みゆきの名曲「」がモチーフとなっていて、男女二人のせつなく近くて遠い生活を送りながらも、最後には出会うべくして出会うというラブストーリーです。

当初はもっとベタベタした甘ったるい作品かと期待していませんでしたが、意外と言っては失礼ながら幼い頃に知り合って、その後は中年になるまですれ違いが続き、決して青春時代の恋愛とは遠う内容が濃いものでした。

ただこうした恋愛ものにはつきものの、若くして癌や白血病などで死んでいく人がいて涙を誘うやり方は、それが主人公達ではないというだけで、他の恋愛小説と代わりません。

最初の場面、主人公が12歳の頃に、アメリカでアメリカ同時多発テロ事件(911事件)が発生したので、主人公は1989年生まれで、Z世代の直前、通称ミレニアル世代(Y世代とも)と言われた世代です。

その後は、バブル崩壊や、東日本大震災、リーマンショックなど様々な社会情勢が出てきてこの20年間を振り返るような時間の流れがストーリーとともに描かれて懐かしくそれらの時代を思い出すことができました。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方(PHP新書) 荻原博子

2019年に出版された新書で、先日読んだ「保険ぎらい 「人生最大の資産リスク」対策」(2020年)の前編だったような感じです。というのはこちらにも「保険ぎらい」に書かれていた内容がかなり含まれています。

すでに年金生活者となった私としては参考にしようと読み進めましたが、どちらかというと、まだ若くて年金生活に入る前の方に向けて書かれているようです。

というのも、老後に不足する資金に備えて、国や銀行が国民に強く勧めてくる投資信託などにうかつに投資なんかしちゃダメよとか、金融や保険のアドバイザーや専門家というのはもちろん投資家や加入者のためよりも、所属していたりスポンサーの証券会社や保険会社の利益のために働いていることをあらためて警告してくれます。

このあたり日本人は本当にお人好しで、フィナンシャルプランナーや証券アナリスト、トータル・ライフプラン・コンサルタント、ケアマネージャーなどの資格をもっていたり、大手銀行員や大手証券会社員、大手生保レディだとそれだけで全面的に信頼を置いてしまい、勧められるままに商品やサービスを買ってしまいます。

同様に、コンタクトレンズの販売店やドラッグストアで白衣を着た単なるアルバイトや、メーカーから送られて来た家電量販店の店員を専門家と勝手に勘違いし、きっと自分にとって最適な提案なんだと錯覚し、言いなりで商品やサービスを買ってしまいます。

客のためを思っての提案なんておそらく1%ぐらいで、あとの99%は会社や自分の利益(歩合制やノルマなど)のために働いています。

本書では、「定年時には3000万円が必要!」という常識を覆し、通常の年金以外に付加年金を上乗せする方法や、不要な生命保険の解約、半分以上の人が失敗する投資信託のリアル、定年後の損をしない働き方、国が勧めるiDeCoやつみたてNISAの問題、死に体の地方銀行、老後に必要な医療費と介護費の現実など、わかりやすい説明で書かれています。

ただそれでもやはり老後のための貯金は多いほど安心できるので、少なくともすべての仕事からリタイアするときにはの医療や介護のため最低でも1500万円ぐらいは用意しておくべきという結論でした。つまりタイトルに偽りありで年金だけでは暮らせません。

★★★

【関連リンク】
 3月後半の読書 流転の海 第8部 長流の畔 第9部 野の春、新老人の思想、三日間の幸福、あたらしい家族
 3月前半の読書 大いなる遺産、人生にはやらなくていいことがある、闇の底、空中庭園
 2月後半の読書 未来を見る力、カタストロフ・マニア、慈雨、ブルーアウト


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1707
長流の畔 流転の海 第八部(新潮文庫) 宮本輝
野の春 流転の海 第九部(新潮文庫) 宮本輝


最初にこの自伝的小説シリーズを買って読んだのは、「流転の海(シリーズ第1巻)」の文庫が発刊された直後の1994年7月でした。その時にはこれほどの長編になるとは知りませんでした。

それ以降、4~5年間隔(後半は2~3年間隔)で、続編が登場してきましたが、さすがに4年ほど経つと前のストーリーや登場人物を忘れてしまっていることが多く、何度かさらっとおさらいをしながら読み続けてきました。

著者の父親と母親を主人公とした一代記で、終戦直後に大阪にやってきた愛媛出身の男が、まだ焼け跡と闇市が広がる中で大望をいだき、商売を一から始めます。そしてその男が50歳になったときに子供が生まれ、それが著者の分身としてその後ずっと登場します。

自伝的な小説は、長いものも短いものも様々ありますが、ほとんどが1冊で終わるものが多いようです。

長編の大河ドラマ的な小説では、五木寛之著の「青春の門」(1970年~)や、伊集院静著「海峡」(1991年~)、白川道著「病葉流れて」(1998年~)「新・病葉流れて」、花村萬月著「百万遍」(2003年~)の各シリーズも面白く読みました。

そうした自伝小説の場合は、たいていは自分が語り手や主人公となりますが、この「流転の海」では上記に書いたように、両親が主役で、著者自身は脇役に甘んじています。

自分が主人公でないだけに、より客観的に両親の人生を描くことができ、深みを感じます。

さて、この八部と九部では、主人公(両親)の晩年が描かれていて、特に最終巻の残りページが少なくなっていくにつれ、想像はつきますが、最後はどういう結末になるのだろうか、無事では終わらないだろうな、、、と、涙腺が緩んできます。

著者もこの長編小説で、最後まで書けるのか?という葛藤があったそうですが、この小説の主人公(著者の父親がモデル)の最期と同じ年齢の70歳を過ぎても意気軒昂で、さらに凄みを増した筆力で、一読者としては感動の内にこの30年近くかかった小説を懐かしく振り返りつつ無事読み終えることができました。

★★★

流転の海シリーズ一覧 ( )は単行本発刊年
1「流転の海」(1984年)
2「地の星 (流転の海 第二部)」(1992年)
3「血脈の火(流転の海 第三部)」(1996年)
4「天の夜曲(流転の海 第四部)」(2002年)
5「花の回廊(流転の海 第五部)」(2007年)
6「慈雨の音(流転の海 第六部)」(2011年)
7「満月の道(流転の海 第七部)」(2014年)
8「長流の畔(流転の海 第八部)」(2016年)
9「野の春(流転の海 第九部)」(2018年)

著者別読書感想(宮本輝)

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新老人の思想(幻冬舎新書) 五木寛之

日刊ゲンダイに連載していたエッセイの中から高齢化と死生観についてのテーマでまとめた新書で、2013年に発刊されました。執筆当時、著者は81歳で、ちょうど日本人男性の平均寿命と同じでした。出版時から10年が経ち2023年現在90歳の著者はご健在です。

タイトルの「新老人」とは、20歳ぐらいまでの若者を第1階級、生産年齢を第2階級、そしてそれ以降の高齢者は第3階級と分けて、その第3階級の人達の多く、一般市井の老人を新老人としています。

その新老人が国民の3~4割を占めるようになっていくこれからの日本の数十年は、世界でも大いに注目される実験場となっています。

というのは、マスメディアでよく出てくる高齢者は、「百歳過ぎてもこんなに元気!」「90歳で現役で仕事」など、特殊な極めて珍しいケースばかりを登場させることに著者自身違和感を感じています。

実態は100歳を超える高齢者のうちおよそ8割は認知症に罹っていたり、寝たきりの状態だったりするので、そうした標準的な高齢者の実態は滅多に報道されることはありません。

なので、新老人は自然に委ねて年齢に応じた生き方、死に方をしたほうが良いという提案です。

また、年金や医療費補助など社会保障の制度が、若者が高齢者を支えるという昭和の考え方から早く脱し、各階級ごとに支え合う仕組みを作らなければ持ちこたえられないのは自明の理で、そのためにも新老人達は子供や孫世代に頼るのではなく、自分で自分の健康、生活、生死を選択しなければならないと主張します。

著者自身当時81歳で、すでに裕福な上に、まだ小説を書き、エッセイを書き、各地の講演会に出掛けるなど、かなり活発な活動をされていて、一般的な年金だけで暮らしている81歳とは異なるような気がしますが、それはともかく、もう年金に頼った老後というのは期待できないという話しはかなり真実味があります。

お金のある老人は、なにをしてもいいけれど、そうでなければ、若い人に迷惑や負担をかけないよう、健康に気をつけて質素につつましく老人らしく暮らしていくことを勧められているようです。

お金もないのに、暴走老人と呼ばれる横柄で暴力的な高齢者が増えてきている事への反感かも知れません。

★★★

著者別読書感想(五木寛之)

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三日間の幸福(メディアワークス文庫) 三秋縋

著者の作品はこれが最初です。難しい読み方ですが「みあき すがる」と読みます。当初は2ちゃんねるに書いていた作品を元にした小説で作家デビューをして、今回の作品も同様だとあとで知りました。

携帯小説とかライトノベルだなぁって思って読み始めましたが、中身はその通りの漫画やアニメファンに向きそうなファンタジー小説となっています。

主人公は20歳の大学生ですが、生きる気力もなくなり、よく行く古書店のオヤジやCDショップの店員に勧められて、残りの寿命を買い取ってくれるところがあるということを知り、話しを聞くつもりでフラフラと立ち寄り、結果的に残り30年の寿命を1年1万円、計30万円で買い取ってもらうことになり、3ヶ月後に死ぬ選択をします。

そうした設定自体が漫画の世界ですが、例えば身体はまだ動くけど突然末期の癌などで余命があと数ヶ月と宣告されたと考えると、その時、人はどういう考えをして行動をするかという想像が楽しめます。

しかも、この主人公の元には、逃げ出したり、捨て鉢になって他人に迷惑をかけないよう、他人からは見えない幽霊のような存在の監視員(若い女性)がついて回ります。このあたりも、男性が描く理想の恋愛対象が都合良く目の前に現れて絡んでくる漫画の世界です。

漫画の世界と言っても、最近はメジャーの大谷選手がよく「漫画のような活躍ぶり」と言われるように、リアリティと、ハチャメチャなフィクションの境が曖昧になってきていることからもわかるように、幼稚とか意味不明とか不満があるわけではなく、それなりに楽しく読めました。しかし酸いも甘いもたっぷりと経験してきた還暦過ぎのオッサン(私)が読むのはキツイかも。

タイトルの「三日間の幸福」とは、最後になってその意味がわかる仕組みで、ちょっと意外な結末で、これはよく考えられていました。

★☆☆

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あたらしい家族(集英社文庫) 佐川光晴

2005年に「家族芝居」として単行本が出版された後、2015年に改題し文庫化された小説です。一見すると最初にプロローグがあり、長編小説のような構成に見えますが、実質的には連作短篇集です。

それぞれの短編は「プロローグ」「子どものしあわせ」「弔いのあと」「婆さんたちの閑話」「お嫁さんがやってくる」「エピローグ」となっています。

主人公は、医師を目指して浪人中の身で、実家の北海道を離れ、東京にいる叔父が運営している高齢者グループホーム?のアパートに下宿してきます。

この叔父が変わっていて、北大在学中に劇団に入り、そこの先輩女子とともに役者に専念するため大学をやめますが、芽が出ず、また結婚して子どもが生まれますが、離婚し、叔父は東京へ出てきてプロダクションに属して役者を続けます。

その叔父が下宿していたアパートには以前は学生が住んでいましたが、今は身寄りがなかったりワケありの高齢女性ばかりが住んでいて、元の家主が亡くなる前に、その叔父に後を託されNPO法人を作って高齢女性たちに住まいを提供しています。

さらに、父親が逃げた暴力団関係者の日本人、母親は麻薬中毒で刑務所に収監中という幼い子ども二人もそのアパートで受け入れることになります。

高齢者が多いので、やがては順に亡くなっていくことになるのは自明の理ですが、現代の高齢化社会の問題点を突きながらもコミカルな軽めの構成となっています。

タイトルから、きっとこうなるんだろうなぁという思いは裏切られることなく、若者と高齢者がそれぞれできることをやり、明るくまるで家族のような共同生活をしていくという、少し救われる気がする、もうすぐそこまで来ている近未来です。

★★☆

【関連リンク】
 3月前半の読書 大いなる遺産、人生にはやらなくていいことがある、闇の底、空中庭園
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1704
大いなる遺産(上)(下)(新潮文庫) ディケンズ

チャールズ・ディケンズ(Charles John Huffam Dickens)は19世紀中盤(1812年~1870年)に多くの小説を書いた英国の作家です。代表作には本作とともに、『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』などがあり、本作を含め、その多くが映画化されています。

本作「大いなる遺産」(原題:Great Expectations)は、1860年から1861年にかけて初版が出版された著者の後期にあたる作品です。原題を直訳すると「大きな期待」です。

日本語版は複数の出版社から出ていますが、私が買ったのは1951年(昭和26年)に初版が発刊された新潮文庫版の再版です。

大まかなあらすじは、時代は18世紀の中盤頃、まだ赤ちゃんの頃に両親を亡くし、下層労働者の鍛冶職人と結婚した年が離れた姉の元で育てられていた主人公に、匿名の大富豪から、巨額の遺産を相続できる可能性があることを突然家にやってきた弁護士から通知を受けます。「相続できる可能性」がつまりタイトルの「大きな期待」となるわけです。

まだ富豪は存命していて相続するには至ってないものの、下層労働者階級から紳士になるために必要なお金や教育を受けるため、家を出てロンドンに住むようになります。

ロンドンでは、様々なことを学ぶために寄宿する紳士の家で、その家の息子と仲良くなりやがて親友となり家を出て一緒にシェアハウスを借りて住むようになります。

下層労働者の居候だった子供時代に謎だらけの富豪の家に連れていかれますが、そこで知り合った富豪の養女への憧れ、子供の時に沼地で出くわした脱獄囚との関係など、複雑に絡み合いながら、年齢を重ねていくにつれ物語は佳境へと進んでいく一種のミステリー小説です。

ただ、数多くのミステリーを読んできた身としては、その遺産の持ち主が誰かは容易に想像がつき、結果は正解でした。

なにぶん時代背景も執筆されたのも古い小説ですが、テーマのひとつになっている人間性は今も昔も共通した複雑で重要なもので、読んでいても違和感は感じません。

そしてなんと言ってもこの本が長く名作として語り継がれる理由のひとつには、人が生きていくための教訓、友情、親子愛、恋愛、格差、お金の使い道、怨恨などがいくつも散りばめられていて、それぞれの読者の頭の片隅に残るものがあるからだと気がつきました。

あと、まったく本書と直接的に関係はありませんが、最近読んだ「一八八八切り裂きジャック」(服部まゆみ著)と、「ボートの三人男」(ジェローム・K・ジェローム)の小説が、ほぼ同時代で、後に産業革命と名付けられた中のロンドンを舞台とした小説だったので、その頃の世界で最も豊かで洗練され、良くも悪くも話題性に事欠かない都市に住む人達のイメージがダブって見えました。

★★★

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人生にはやらなくていいことがある(ベスト新書) 柳美里

著者の作品は20年以上前に2作品を読んでいますが、どのような背景のある方かは一切知りませんでした。

今回この2016年に出版された新著では、韓国から渡ってきた両親のことや、何度も家出や自殺未遂を繰り返し、名門高校から退学を迫られ中退したこと、10代で劇団に加わりそこで知り合って一緒に住んでいた恋人との死別、シングルマザーとなり、新しい離れた年下のパートナー、購入した鎌倉の家から震災後に福島南相馬市へ引っ越しをした事情など、本人の半生記が何度も同じ事が繰り返して書かれていました。

もちろん、著者にはそういう気はさらさらないでしょうけど、読んでいてこれほどの不幸自慢、貧乏自慢、社会貢献自慢を読まされても気の毒とも思えないし、きっと自己主張が強烈で我の強い人なんだろうなぁというのが感想です。随筆というより自分が波瀾万丈な小説の主人公のようです。

ま、それはともかく、過去に読んだ「家族シネマ」と「フルハウス」は、あまり記憶には残っていないですが、悪い印象はなく(よい印象がなければ2作品目は読まなかった)、作家という特殊な創造性をもった方には、なにか突き抜けた経験と、自信、才能があるものなのでしょう。

この新書を読んだことで、作家のバックボーンが良くも悪くも頭の中に残り、今度著者の小説を読むときには、それらが頭の中を横切り、普通とは違った感想になってしまいそうです。

もちろん著者の大ファンであれば、必読書であることは間違いありません。

★☆☆

著者別読書感想(柳美里)

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闇の底(講談社文庫) 薬丸岳

著者の作家デビューは2005年の江戸川乱歩賞を受賞した「天使のナイフ」でしたが、それに次ぎ2006年に出版されたのが本書で、2009年には文庫化されました。

著者の警察小説には「刑事・夏目信人シリーズ」が有名ですが、今回の作品はそれらよりもずっと前に書かれた独立した作品です。

少し前に読んだ柚月裕子著「慈雨」と同じく、幼女誘拐殺人事件が主たるテーマになっていて、この同じようなテーマがたまたま続いたことで心苦しくなってしまいました。

主人公は、少年時代に幼い妹が誘拐され殺害された過去を持つ刑事で、同様の事件が起きて捜査をおこないます。

また並行して、過去に幼女を暴行し殺害し、10数年の刑を終えて社会復帰している前科者を、同様の事件が起きる度にその事件と関係があるなしにかかわらず、制裁として凄惨に惨殺していく謎の男性が準主人公となっています。

したがって、警察は、幼女殺害事件とともに、幼女殺害の過去を持つ出所者に対する私的リンチ事件の二つを追うことになります。

果たして幼い妹を殺され、それが自分の責任でもあると思っている刑事に、幼女を殺しておきながら社会復帰してのうのうと暮らしている出所者をリンチから守ることはできるのか?というジレンマがあり、、、というような流れです。

未来と無限の可能性がある子供をターゲットとした犯罪は特に凶悪で許されるべきことではありませんが、日本では死刑制度があるものの、原則として複数名の殺害でないとまず死刑には該当せず、さらになんらかの精神疾患等が認められると意外と軽い刑で社会復帰してくるという問題があります。

さらにこの小説でも問題となっていますが、ペドフィリアは罰せられても再犯の可能性が高く、海外では出所後も居場所を公開されていたり、GPS装置を身につけさせられるという強硬な手段も使われています。

個人的には、刑として敷居が高く、世界の主流(G7の中では日本とアメリカだけが死刑あり)となっている死刑制度は廃止(休止)し、その代わりに、完全に社会とは切り離された住人のいない島に長期受刑者用の刑務所を作り、そこで受刑者自らが農業や畜産をおこない自給自足を原則としながら、長期刑(30年とか50年とか)や終身刑という制度を作ってはどうかと思っています。

★★☆

著者別読書感想(薬丸岳)

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空中庭園(文春文庫) 角田光代

2002年に単行本、2005年に文庫化された連作短編小説で、2002年下期の直木賞の候補になりましたが落選しました(直木賞該当作品なし)。増刷されていないのか、Amazonではなぜか販売されていません(2023/3/12時点)。読みたい人はBOOK-OFFへGo!

収録されている作品は、「ラブリー・ホーム」「チョロQ」「空中庭園」「キルト」「鍵つきドア」「光の、闇の」の6篇です。

東京郊外の団地(本文中はダンチ)に住む夫婦と子供二人の一家と、その近くに住む祖母、夫の若い愛人が、それぞれ語り手となって1話ずつ展開していきます。

こうした東京郊外の巨大団地を舞台にした小説は重松清氏や垣谷美雨氏の小説でもよく出てきますが、世代も施設も画一化された人工都市にすむ似たもの同士で、休日には家族でバスやマイカーに乗って近くの巨大ショッピングセンターへ行くのが家族のレジャーという姿は容易に想像ができます。

一家の夫婦は、若いときにできちゃった婚をし、妻は早く母親から離れたかった理由や、ダンチを購入したことで自分の両親とは違った家族を作ろうと奮闘、夫は職を転々としながらも複数の愛人がいるというダメ夫、子供達もそれぞれのストレスや問題を抱えながら、表向きは一切の秘密がない家族を演じています。

そういう意味では、意外性はない普通の家族ドラマとも言えるかも知れませんが、夫の若い愛人が、子供の家庭教師として家に乗り込んでくると言うのは、ちょっとやり過ぎな感じも。

★★☆

著者別読書感想(角田光代)

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