リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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オリジン(上)(中)(下)【角川文庫】 ダン・ブラウン
2013年の「インフェルノ」に続く宗教象徴学の学者「ロバート・ラングドン」シリーズの第5作目となります。2018年に単行本、2019年に文庫化されました。
2017年12月後半の読書と感想、書評(インフェルノ)
今回のテーマは、古くからあるキリスト教やイスラム教、ユダヤ教、仏教などすべての宗教の教えがインチキ?で、「われわれはどこから来たのか」「われわれはどこへ行くのか」という宗教や哲学につながる大テーマを解決する証拠を発見したという富豪の学者が、ネット中継で世界に向けてプレゼンテーションしている途中に銃殺されるという事件が起きます。
大学でその学者の恩師でもあった主人公ラングドンが、美術館の館長として働いているスペイン皇太子の婚約者とともに、学者が残したAIの仮想人物(頭脳)とともに、残された謎を解決していくというものです。
スペインが舞台となり、サグラダ・ファミリアやグッゲンハイム美術館、カサ・ミラなどガウディの建築物、スペインの王宮やフランコ将軍の遺跡(戦没者の谷)など観光名所がふんだんに出てきますのでスペインが好きな人にはたまらないでしょう。私も行ったことがないので一度ガウディの建築物を間近に見たいなぁと思いました。
AIが一段と発達することで、人間が解明できなかった過去の出来事や、未来に起きることの予測が確かに増えてきそうです。そういう世の中もなんだか味気ない気もしますけどね。
AIを使った仮想人物(会話)は、今はまだ「ハーイ、メルセデス」や「OK Google!」程度の認識率と、聞かれたことだけを返してくれる会話ですが、その先へ行くと、人が考える前に提案してくれたり、ジョークを交えて場を和やかにしてくれたりと、良き秘書であり、友人となっていくのかも知れません。
そうした未来を少しだけ味わえるのもこの小説で、そうしたことがそう遠くない未来に待っているかと思うとワクワクします。その頃にはもう生きてないかも知れませんが、、、
★★★
◆ダン・ブラウン作品読書感想
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ゴルディアスの結び目 (ハルキ文庫) 小松左京
1977年に単行本、1980年に文庫化されたSF短編集です。1978年には優秀なSF作品に贈られる星雲賞を受賞しています。
そう言えば、著者は2011年7月に亡くなられたので、来月に亡くなってちょうど10年となるのですね。没後10年を記念して、もう一度なかなか手に入らない「虚無回廊」や「果しなき流れの果に」など古い作品を再版してくれると良いのですけどね、、、
収録されている短編は、「岬にて」「ゴルディアスの結び目」「すぺるむ・さぴえんすの冒険 - Sperm Sapiens Dunamaiの航海とその死」「あなろぐ・らう゛または“こすもごにあII”」の4編です。
タイトルの「ゴルディアスの結び目」とは、古代アナトリアにあったフリギアの都ゴルディオンの神話と、アレクサンドロス大王にまつわる伝説のことで、手に負えないような難問を誰も思いつかなかった大胆な方法で解決してしまうことのメタファー「難題を一刀両断に解くが如く」として使われる。(Wikipedia)
つまり誰もほどけなかった縄の結び目を、まだ駆け出しのアレキサンダー大王が剣でバッサリ切ってほどいてしまったことで、「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言されたことがその後の大王の大躍進につながったという逸話です。
タイトルからして難解なこのSF小説は、その中身もかなーり難解です。
あまり深く考えないようにしてサクサク読んでいかないと、すぐにつっかえてしまい、投げ出したくなります。しかしこんな難解SF小説が40年以上も前に出ていたのですね。
ま、そんなわけですから、感想なんてとてもじゃないけど書けません。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
デフレーション―“日本の慢性病"の全貌を解明する 吉川洋
著者は1951年生まれの経済学者で、本著は2013年に発刊されています。
この本が書かれた2010年代前半頃には「失われた20年」と言われていましたが、バブルが崩壊した後、ゼロ金利に象徴される実質デフレ状態が続いています。
2021年の今はデフレから脱却したか?というと10年前とほとんど変わりがないというのが実感でしょう。
それだけに、この10年近く前に書かれたこの本ですが、デフレの原因と対策について知っておこうと読みました。
読んでいて、なるほどと思ったのは、バブル後からずっと所得の減少が続いていて、それは単に正社員の所得比較だけではなく、統計上では出てきにくい、正社員から非正規社員への切り替えで、実質的に労働者の所得減少を生じていることが、デフレが続くひとつの要因であるということ。
さらに製造業中心の経済から、一気にサービス業へと転換し、そのサービス業の賃金が、労働生産性の低さもあってか極めて低水準なことなど、所得が上がっていくという想像ができないことなど。
某病弱な総理大臣がなんとかミクスで所得を上げよう!と檄を飛ばし、大企業はそれに従うようなフリをしながら、一方では正社員を切り(早期退職などのリストラ)、代わりに契約社員や派遣、アルバイトなどの安い非正規労働者を増やしているという実態があります。
そうした表面的な姿と、実態との乖離が、世界で唯一長期的に続くデフレを、政府に求められてアドバイスする経済学者さんの机上の理論では止められない要因じゃないかな~って気がしてきました。
同一労働、同一賃金など、非正規労働者の賃金を引き上げようとする政策もありますが、この本では想像もできなかったコロナ禍で、企業の体力も厳しくなってきている現状を考えると、今後も容易に所得を増やしていくという政策は難しくなっています。
専門的でわかりにくい箇所も多々ありましたが、そういうところはサッと飛ばして読み進めても、ある程度は理解できる役に立つ本でした。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
望郷 (文春文庫) 湊かなえ
2010年から2012年にオール讀物に連載された小説をまとめた短編小説集で、2013年に単行本、2016年に文庫版が出ています。
短編は、「みかんの花」「海の星」「夢の国」「雲の糸」「石の十字架」「光の航路」の6編で、それぞれ主人公は変わりますが、瀬戸内海にある因島を舞台にした連作です。
この作品を原作としたテレビドラマ(2016年放送)、映画(2017年公開)が制作されています。
どの作品も島で暮らす人達の素朴でありながらも、都会に憧れ、人間関係や家族の因習に悩みつつ生活していく姿がよく描かれていて話しの中に自然と入っていけます。
私も田舎生まれ育ちなので、遠いディズニーランドへ行くことが自慢で憧れだったという時代があったのだということが長く都会で生活しているとすっかり忘れていましたが思い出されました。
★★☆
◆湊かなえ作品読書感想
【関連リンク】
5月後半の読書 ザ・チーム、緋色の記憶、ビット・トレーダー、王妃マリー・アントワネット上・下
5月前半の読書 「食糧危機」をあおってはいけない、泥棒はクロゼットのなか、愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない、屍人荘の殺人
4月後半の読書 ふりだしに戻る(上)(下)、極上の孤独、ゼロの迎撃、チェーン・ポイズン
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ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く 齋藤ウィリアム浩幸
1971年にロサンジェルスで生まれた日系2世で、アントレプレナーの著者が、閉塞感で停滞する日本の企業人に様々な提言をするという体のビジネス書で、2012年に発刊されています。
日本の企業や役所には、グループはあっても、目的を達成するためのチームがないというのが著者がもっとも言いたいことです。
「そんなことない!チームFUKUSIMAや、ラグビーのワンチームなどいくらでもあるぞ!」って反論も聞こえてきそうですが、確かにいくつかの企業に勤めた経験からすると、チームを大事に育てようとする企業もあれば、個人主義に徹する企業、柔軟性がある緩やかなグループで関わり合っていく企業など様々です。
ただ、日本人の特性として、「お上の言うとおりにしておけば間違いない」という洗脳に近い教育や社会制度、慣習が何百年と長く続いてきた歴史があるので、なかなかその都度、目標を一にする合理的で強力なチームが作られることがなく、またそのチームを率いるリーダーが育っていないという事情もあります。
官僚組織なんて、縦割り行政のもっとも最たるもので、それぞれの省庁や担当分野で利権を守ることが最大の功績で、それを崩して担当分野を横串に貫いたチームを作るなんてもっともやりたくないでしょう。
なーんて言い訳ばかり考えてしまうのが、劣化したオヤジの悪い癖でもあるわけです。
ただこの本は、経営や組織に関係する話しですから、実力のある管理職レベル以上の人が読んで、納得し、動かないと、なんの権限もない若い人が読んで「そうだ!そうだ!」と盛り上がるだけではきっとなにも変わらないでしょう。
あと、この著者は、講演で語っていたことや、本書の中で書いている自分の経歴について、一部の経歴がよく見えるように盛り盛りで詐称していたことが2017年に発覚し、多くの信用を失っています。
ま、アントレプレナーなんて、元々口八丁手八丁が普通なので、別に経歴詐称なんか特に不思議でもありませんが、それにすっかり騙されて内閣府や経済産業省で参与を務め、果ては文化勲章まで授与されているというところに、日本人の人の良さというか、ハッキリと物事を主張するエリート(っぽい)外国人に弱い役人や政治家というのが露呈しました。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
緋色の記憶 (文春文庫) トマス・H・クック
「死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」「沼地の記憶」と続くミステリー「記憶シリーズ」の3作目で、作品オリジナルは1996年に発刊、日本語翻訳版は1998年に出版されています。
この作品はアメリカでも著名なエドガー賞を受賞した作品で、著者を一気に有名にした作品です。
シリーズと言っても、日本語の翻訳版だけの話しで、原題にはそれにあたる言葉やつながりはありません。
原題は「The Chatham School Affair」で、直訳すれば「チャタム校事件」ということになります。
著者の作品は好きで、過去には「死の記憶」「夏草の記憶」「沼地の記憶」など9作品を読んでいますが、1990年代から2000年代初頭の比較的昔に読んだので、ブログで感想を書いたのは2011年に読んだ下記だけです。
2011年9月前半の読書(沼地の記憶)
ストーリーは、ボストンから130kmほどに位置する実在するチャタムという港町にある私立学校に通う主人公はそこの学校長の息子です。
その学校にアフリカへ家族と移住していた若い女性が新しく美術教員としてやってきて、学校長の父親と共に、新しい生活の支援をすることで仲良くなっていきます。
小説のスタイルが、過去に起きた出来事の主題にはなかなか触れず、どうもこの女性教師に関連してなにか大きな事件が起きたようだけど、小出しで少しづつしか話題に出てこず、「いったいなにが起きた?」という疑問符だらけになっていきます。
謎は読んだ人だけのお楽しみですが、長く陰湿な話しが延々と続きますので、今のような軽くてスピード感あふれるライトなものが好かれる時代には決して合った作品ではありません。
以前読んだ記憶シリーズについてはあまり覚えてませんが、こうしたローカルな地域の話しで過去の出来事を振り返るという形が多いです。
私のような引退して時間がいっぱいできてからジックリ読むことをお薦めします。
★★☆
◇著者別読書感想(トマス・H・クック)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ビット・トレーダー (幻冬舎文庫) 樹林伸
2007年に単行本、2010年に文庫版が発刊された長編小説です。著者はいくつものペンネームで漫画の原作や小説、脚本、作詞などを書いている多才な方です。名前の読み方は「きばやし しん」とのことです。
タイトル通り、株式の売買が主要なストーリーとなりますが、組織や会社が舞台ではなく、主人公個人が交通事故で亡くした息子の賠償金を元に副業で始めた株式の売買が成功を収め、家庭とは別に愛人と高級マンションを持ち、そこでサラリーマンの本業とは別にトレーディングで巨額マネーを動かしています。
しかし、あるときに、まもなく倒産するので空売りをして数億円の利益が得られるとの確かな情報を得て、他人から預かっているお金を含めすべてをつぎ込んだところ、倒産するはずの会社に大きなファンドが買収を持ちかけたため、逆に高騰してしまいすべてを失う危機に陥ります。
そうしたトレーディングの切った張ったの世界を素人にもわかりやすく展開していきますが、本来ならば、息子を亡くして同情してもよさそうなこの主人公が好きになれず(モデルの愛人と高級外車やマンションなどを持っているのでひがみもある)、逆に「破滅しちゃえ!」とも思ってしまいます。
ま、小説ですから、結果的には落ち着くところに落ち着くわけですが、ちょっと薄っぺらで、内容に乏しい気がしました。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
王妃マリーアントワネット(上)(下) (新潮文庫) 遠藤周作
マリー・アントワネットを元にした小説という体裁ですが、先般読んだ有名なシュテファン・ツヴァイク著の伝記「マリー・アントアネット」(1932年)等を参考にした作品となっています。
1979年~1980年に単行本、1985年に文庫版が発刊されました。
内容は、オーストリア王家の娘として育ったマリーが、フランス国王の息子(王子)に14歳で嫁ぎ、周囲の言いなりになって自由を謳歌して散在を続け、やがては「国民から愛されている」と思っていたのが違っていたと言うことに気づき、生き抜く気力も亡くしていくという流れは伝記と変わりありません。
登場人物の多くは、伝記と基本的には変わりませんが、伝記ではなく小説のため、フランスの市井の人々など架空の人物も多く出てきます。
また、伝記ではほとんど出てこないものの、実在の人物で、マリーと同世代に生きたサド侯爵やモーツアルトなども出てきます。そうすることで、イメージがより深く広がっていきます。
その辺りの登場人物は、先日「マリー・アントワネットの時代 2021/5/12(水)」に書いています。
エンタメの小説だけあって、事実を淡々と並べていく伝記と比べると、感情の動きがより細やかでウエットで読みやすく、マリー含め登場人物の性格やら印象もまた違ったように感じます。
もちろんカトリック信者であり、その知識も詳しい著者ですから、それとうまく合っているようです。
★★★
◇著者別読書感想(遠藤周作)
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5月前半の読書 「食糧危機」をあおってはいけない、泥棒はクロゼットのなか、愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない、屍人荘の殺人
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「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks) 川島博之
2009年に発刊された元東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の著者が書いた科学分野の単行本です。
様々なデータを駆使し、以前から言われてきた食糧危機の誤りを正していきます。
例えば、「世界一の人口の中国が裕福になり世界中から食糧を買い集めて食糧不足に陥る」や、「温暖化によって作物が作れなくなる」、「穀物がバイオ燃料に転嫁されていくと食用がなくなる」などなど。
読んでみると、世界中でおこなわれている生産調整、日本で言えば減反ですが、これが相当な面積だそうです。
アメリカでもトウモロコシなどそうした減反のために農家に対して多額の補助金を出しているようで、そういうことを考えると、もっと需要があれば(お金になるならば)まだまだ供給はできます。
さらに温暖化の影響で、作物が作れなくなる地域ができる一方で、例えば今まで作物が作れなかった例えばシベリアなどの地域で新たに農業ができる可能性などにも触れています。
北海道でも何十年前なら米を作るのは無理と言われていましたが、品種改良と気候変動で、今では広大な農場で美味しいお米が作れています。
1970年代に、「あと数年で石油がなくなる!」と騒いで、世界中で何度か石油ショックが起きましたが、それから50年経った今、「石油がなくなる!」という人はいません。逆にいまは環境問題から石油に代わるエネルギーを模索しています。それと似たようなことが起きているということです。
ただ、机上の計算と実際の現場とでは食い違ったりすることがありますので、そこのところの実証ができているものではないことを付け加えておきます。
例えば、減反で休耕して何年も経った農地で、急に作付けをおこなおうとしてもできず、従来の生産高に戻るまで10数年かかったりすることもあるようです。そうした現場の話しは、ジャーナリストではないので、ほとんどありません。
とは言え、知らなかったことが豊富に書かれているので、食糧問題に危機感を持っている人は、一度読むことをお薦めします。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
泥棒はクロゼットのなか (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 146-5)) ローレンス・ブロック
原題は「The Burglar in the Closet」で、1978年に発表された作品です(翻訳版文庫は1993年発刊)。「泥棒バーニイ・シリーズ」の第2作目となります。
過去にはシリーズ3作目の「泥棒は詩を口ずさむ」と、6作目の「泥棒は野球カードを集める」を読んでいます。
2013年2月の後半の読書(泥棒は詩を口ずさむ)
ブロックと言えばハードボイルド探偵小説「マット・スカダー・シリーズ」が特に有名ですが、スカダーの長編が17作品に対し、このバーニイの長編は11作品と、それに次いで多いシリーズ作品となっています。
私のマット・スカダー好きは下記に書いてます。
元アル中探偵マット・スカダーに惚れる 2017/5/20(土)
馴染みの歯科医に離婚した妻の住まいに侵入して結婚中に買ってやった宝石類を盗んで欲しいと頼まれた主人公は、軽い仕事と思って請け負います。
セキュリティの厳しいアパートに侵入し、宝石を物色していたところ、思わぬ速さで住人が帰って来てクローゼットの中に閉じ込められることになります。
シャワーにでも入ればその間に抜け出せると思っていたら、案の定というか、その女性は一緒にいた男性に刺されて殺されてしまいます。しかも、集めた宝石を入れたバッグも持ち去られてしまいます。
このままだと、離婚した旦那に調べが入り、アパートに侵入することを知っている自分が最大の容疑者となるのも時間の問題?ということで、警察から逃げながら犯人捜しを始めます。
なかなか手の込んだ複雑な人間模様で登場人物も多く疲れますが、決してスーパーマンではなく、人間味あふれる泥棒が主人公で気楽に楽しめます。
★★☆
◇著者別読書感想(ローレンス・ブロック)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない (集英社文庫) 伊集院静
2014年に単行本、2017年に文庫化された自伝的長編小説です。
と、言うことは、亡くなった前妻夏目雅子さんのことを「愚者」とは何事!とちょっと不審に思いながら読み始めました。
著者の自伝的小説と言えば、私も読みましたが「海峡」、「春雷(海峡 少年篇)」、「岬へ(海峡・青春篇)」の三部作が有名です。
タイトルにある愚者とは、もちろん若くして亡くなった前妻のことではなく、気の合った友人、スポーツ紙の競馬担当記者、弱小芸能プロダクションの社長、小説を書くように執拗に迫る出版社の編集者の三人のことを指しています。
妻の死で、酒とギャンブルに溺れていた主人公が、それら3人の友人と深く関わっていくことで、再生していく姿を描いています。
この著者の自伝的な話しを読んでいると、なんとこの人のごく近い周囲には死が満ちあふれているのだろうと思ってしまいます。もちろん本人の責任ではないのですけど、、、
最初は子供の頃、一緒にいた幼い弟が海で溺れて亡くなり、周囲の猛反対を押し切って結婚した夏目雅子、この小説に登場する上記の3人(生死がわからない人含む)や、応援していた年配の競輪選手、小説を書くきっかけとなった阿佐田哲也(色川武大)との出会いと死など、常に死がつきまとっています。
暗く重い内容が続きますが、今の著者を知っていれば、そうしたモヤモヤも我慢して読めます。
著者は昨年2020年にくも膜下出血で手術を受けましたが、予後は良さそうで、また「ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石」(2013年)のような、明るく面白い小説を期待したいところです。
2019年10月前半の読書(ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石)
★★☆
◇著者別読書感想(伊集院静)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
屍人荘の殺人 屍人荘の殺人シリーズ (創元推理文庫) 今村昌弘
2017年に単行本、2019年に文庫化された長編ミステリー小説です。著者の本は今回初めて読みますが、名前の印象から50~60代のベテラン作家さん?と思っていたら、まだ30代の新進気鋭?な作家さんでした。
この作品を原作として2019年に木村ひさし監督、神木隆之介、浜辺美波、中村倫也など出演で映画が、また同年に少年ジャンプ+で漫画が連載されています。
ミステリーの常道とも言える、隔離された山の中の旅館で合宿中だった学生たちの中で起きる連続殺人と、それだけに飽き足らず、テロ集団による野外イベントでの化学汚染で大量のゾンビが発生し、生き残った学生たちが追いつめられていくという荒唐無稽な内容です。
う~ん、鮎川哲也賞受賞や、本格ミステリ大賞受賞など、最近はこうした突拍子もない破天荒なストーリーがウケているのか!?って気もします。
確かについつい先を読ませる内容ですが、別にドキドキもしないし、感情移入などほど遠いし、人里離れた旅館とは言え、取引業者や通行人なども多いはずなのが完全に孤立していたりします。
さらに、なぜここにゾンビ、、、って、最近読んだ山口雅也著「生ける屍の死」や、スティーヴン・キング著「呪われた町」の中にもゾンビがゾロゾロ登場しています。鬼滅の刃に出てくる鬼に噛まれて鬼になるのもゾンビと似たようなものですね。
個人的には小説の中に、タイムスリップ(この小説には出てきません)とゾンビは飽きたから「もういいや~」って感じです。
最後の犯人捜しの謎解きがなかなか面白かったのが救いです。
★★☆
【関連リンク】
4月後半の読書 ふりだしに戻る(上)(下)、極上の孤独、ゼロの迎撃、チェーン・ポイズン
4月前半の読書 獄中記 煉獄篇、さよなら、ニルヴァーナ、邪馬台国殺人紀行、眠りの森
3月後半の読書 証言拒否 リンカーン弁護士、コンビニ人間、官報複合体、レプリカたちの夜
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1532
6年前に書店数の推移を書きましたが、その後も着実に減り続けています。
◇書店数や出版業界売上減と未来 2015/9/9(水)
また、同じく衰退が顕著な喫茶店と比較した長期的な書店数推移を2年前に書いています。
◇絶滅危惧種の喫茶店と書店数推移 2019/10/26(土)
私自身も、近所にあった大きめの書店が5年ほど前に閉店してから、新刊本を販売する書店へ行くことはめっきりと減りました。
古書を扱うブックオフにはよく行きますが、どうしても新刊本を買いたい場合は、通販で買ってしまうことが多くなっています。そういう人が増えていくことを考えると、リアルな新刊本中心の書店が減るはずです。
2019年までの全国書店数推移(出典:アルメディア)です。グラフは単なる右下がりで、気持ちが暗くなるので今回はなしです。
全国書店数推移(出典:アルメディア)
年 | 書店数 | 減少数 |
1999年 | 22,296 | |
2000年 | 21,495 | -801 |
2001年 | 20,939 | -556 |
2002年 | 19,946 | -993 |
2003年 | 19,179 | -767 |
2004年 | 18,156 | -1,023 |
2005年 | 17,839 | -317 |
2006年 | 17,582 | -257 |
2007年 | 17,098 | -484 |
2008年 | 16,342 | -756 |
2009年 | 15,765 | -577 |
2010年 | 15,314 | -451 |
2011年 | 15,061 | -253 |
2012年 | 14,696 | -365 |
2013年 | 14,241 | -455 |
2014年 | 13,943 | -298 |
2015年 | 13,488 | -455 |
2016年 | 12,526 | -962 |
2017年 | 12,026 | -500 |
2018年 | 11,446 | -580 |
2019年 | 11,024 | -422 |
20年間減少数 | -11,272 |
この20年間で、1万店以上が減り、書店の数はちょうど半分になっています。そこで働いていた何万人という人達はどこへ行ったのか気になるところです。
この調査では2019年の書店数は11,024店ですが、別のデータ、日販の「出版物販売額の実態」の書店数は2019年度で9,242店となっています。
もっと言えば、雑誌や人気本を置いているコンビニやキオスクなども厳密に言えば書店的な機能を持っているとも言えますから、書店の判断で調査会社ごとに多少の違いは出てきます。
それはともかく、リアルな書店の良いところは、特に新刊本や雑誌を手に取って、パラパラと中身を少し見たり、文庫ならカバー裏面のあらすじを読んで、買うかどうかを決めることができます。
外勤の仕事をやっていたときには、大雨が降っているときや、いまいち仕事に乗り気がしないときの避難先として大型書店はたいへん重宝しました。
先月ですが、朝日新聞を読んでいたら、こういう記事がありました。
講談社、文庫本をフィルム包装 もう立ち読みできない?(朝日新聞)
出版大手・講談社(東京都文京区)が小説などの文庫本のフィルム包装を始めた。同社は「消費税を含んだ総額表示に対応するため」と説明する。書店や消費者からは「立ち読みを通じた本との出会いの機会が減ってしまう」などと残念がる声も出ている。文庫本は立ち読みできない時代が来るのか。 |
すでに立ち読みが慢性化していた漫画本や週刊誌のフィルム包装はすっかりお馴染みの光景でしたが、これからは一般書籍にも波及していきそうです。
透明フィルムなので、文庫裏面のあらすじを見るのには不都合はなさそうですが、中身については通販と同じで、文字の大きさ(これは高齢者にとって大事)や、章立てなどザックリした内容などわからないままでの購入となります。
ただ昨今のなんでもかんでも消毒ブームからすれば、不特定多数の他人が触った書籍ではない清潔な本を買えるというメリットはあるのでしょう。ひどいオヤジは指に唾をつけてページをめくったりしていますからね。
ま、包装するしないどちらにも理由や必然性があるわけで、長々と立ち読みする人は昔から書店の敵でもあるわけなので仕方がない気もします。
とすると、これからのリアルな書店は、時間(通販ではなく書店へ行く時間的余裕がある)と、お金(古書や新古書ではなく手の垢が付いていない書籍)がある、いわゆるお金も時間もある富裕層向け対象と言うことになっていきそうです。
さらに高じて、デパートの外商のように、そうした富裕層向けに定期的に自宅まで新刊書を持って販売しにきてくれる書店や、高級ソファーに座って、ゆっくり選ぶことができる会員制書店のような形態(すでに聞いたことがある)が出てくるのかも知れません。
【関連リンク】
1512 2021年版出版社不況
1377 絶滅危惧種の喫茶店と書店数推移
1097 出版不況と電子出版の行方
954 書店数や出版業界売上減と未来
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ふりだしに戻る (角川文庫)(上)(下) ジャック・フィニイ
昭和48年というから1973年に日本で単行本が発刊され、平成3年、1991年に文庫化された長編小説です。原題は「TIME AND AGAIN」で、直訳すると「何回も」で、翻訳本のタイトルは意訳でしょう。
著者の小説は、2015年に、短編集「ゲイルズバーグの春を愛す」(1960年)を読んでいます。
6月前半の読書と感想、書評(ゲイルズバーグの春を愛す) 2015/6/17(水)
今回の長編小説は、SFともファンタジーともミステリーとも言える、いろんな要素を含んだ歴史タイムスリップ小説です。タイトルをみた時は、なにかコミカルな小説かな?と想像していましたが、そうではありませんでした。
つい先月、「100年前の日本とは? 2021/3/10(水)」というのを書きましたが、この小説では、ほぼ100年前のニューヨークへタイムスリップします。
よくあるタイムトラベル小説と違い、そのタイムスリップが主要な話しではなく、ニューヨークという街が、100年前からどのように変わってきたのか?という街の変遷や、実際に当時起きた事件や出来事を現在と結びつけていたりすることが特徴的です。
ニューヨークの街がどう変わった、現在ある建物が建築当時どうだったか?なんて多くの日本人にはわからないし興味もわかないでしょうけど、そこは当時の写真やイラストレーターの主人公が描く絵で誰でもその変化がわかるようにできています。
例えばジョン・レノンが住んでいてその前で殺された「ダコタ・ハウス」は1884年築の高級マンションで、主人公はその現在の「ダコタ・ハウス」から、建築されて間もない、周囲にはほとんどなにもない「ダコタ・ハウス」へ時空を超えてたどり着きます。
この小説が書かれた1970年にはまだジョン・レノン殺害前で、現在ほどは有名ではありませんが、歴史ある高級マンションであることに変わりありません。
「ダコタ・ハウス」の名称の由来は、この小説では「当時の田舎町の象徴みたいなダコタ準州のように周囲になにもない閑散とした場所にある建物」という意味から名付けられたと書かれています(諸説あり)。
結構な長編作で、ちょっとかったるいところもありますが、今から50年前に書かれた小説にしてはまったく古びたところはなく(過去へ行くので当然ですが)、面白く読めました。
★★☆
◇著者別読書感想(ジャック・フィニイ)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
極上の孤独 (幻冬舎新書) 下重暁子
2018年に発刊された書き下ろしエッセイの新書です。著者の作品は過去に「家族という病」(2015年)を読んでいます。残念ながらあまり面白かった印象はありません。
2015年10月後半の読書と感想、書評(家族という病)
本文に何度か出てきますが、著者は2017年に亡くなった野際陽子さんとNHKアナウンサーとして1年後輩ということは驚きというか、同年代の方だったのですね。今年85歳になられます。
今回のテーマは、「人間、誰も孤独であり、群れずにその孤独に耐えうる感性を身につけよ!」という感じでしょうか。
でもさ、考えたけど、人によっては、一生孤独を感じず、友人や家族、親戚などといつも周囲には人がいて、それが楽しいという人も多いんじゃないかなと。
いえ、私自身は孤独が好きで、できるだけ旅行もひとりで、部屋も個室(書斎)で、もう辞めたけど仕事もひとりでする仕事が好きだったので、孤独の魅力やありがたさはよくわかっていますけど、それは私だからであって、人それぞれなんだろうなぁーってずっと思っています。
特に、今も昔も他人に頼りたがる人って多いでしょう。「親方日の丸」みたいな慣習も、結局は国がなにかしてくれる、考えてやってくれるから、自分では考えなくても良いみたいな風土が日本人に染みついています。
国や政府は、そうした「お上意識」が国民に強く根付いていることが最善で、一番統治しやすく与しやすいことを知っています。
一方の国民も、そのほうがなんたって楽だし、なにか問題が起きれば、責任は国にあると言えるし、多少理不尽なことも粛々と受け入れているところがあります。
孤独な人生をおくるより、群れていつも誰かに命令されたり指示されることが人の習性なのかも知れません。それゆえに、孤独を愛する人っていうのは言うほどには世間ウケない気がします。
★★☆
◇著者別読書感想(下重暁子)
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ゼロの迎撃 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 安生正
「このミステリーがすごい!」の2012年大賞を受賞した「生存者ゼロ」(2013年)から続く「ゼロシリーズ」の第二作目として、2014年に単行本、2015年に文庫版が出版された長編小説です。
主人公は、自衛隊(防衛庁)情報本部統合情報部三等陸佐で情報分析官です。
巨大な台風が日本に上陸しようとしている時、最新兵器で武装した謎の集団が東京各地でテロ活動を展開し、東京を大混乱に陥れます。
誰が何の目的で?というのがわからないまま、警察では対抗できない激しい市街戦のため、政府は自衛隊へ出動命令を出すために右往左往します。
元々、自衛隊は外敵から日本を守るシステムを構築していますが、すでに国内に入り込んだゲリラ部隊を排除するため、国民の生命や財産を巻き込みながら戦う想定がなく、様々な法的根拠が議論されていきます。
主人公はそうした政治的な圧力や法律との狭間に悩みつつ、テロのリーダーの目的や思惑を考えて主導的に手を打っていきます。
実際に、原発や皇居、首相官邸、自衛隊基地を狙うような重要拠点への集中攻撃テロよりも、人口密集地帯にゲリラ的に紛れ込み、様々なところで火の手が上がるテロ集団の方が、迎撃する側からするとやっかいなことでしょう。
ま、ちょっとリアリティがない展開になっていきますが、大都市の中で大きな組織的なテロが起きた場合、警察の頭ごなしに自衛隊がどこまで手を出せるか、その能力は?という想定には、考えさせられる面白い展開かも知れません。
テロの最後の終わり方、そのテロの最終目的は、ちょっと不完全燃焼で残念な感じです。
★☆☆
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チェーン・ポイズン (講談社文庫) 本多孝好
直訳すると「毒の連鎖」という2008年に書き下ろし単行本、2012年に文庫化された長編ミステリー小説です。
著者の作品は、いずれも短編小説集ですが「FINE DAYS」(2006年文庫刊)を2006年に、「MOMENT」(2005年文庫刊)を2013年に読んでいます。こういっちゃなんですが、やや暗めの内容が多そうな作家さんです。イヤミスってことではないです。
2013年8月前半の読書と感想、書評(MOMENT)
自殺を考えている人に「1年待てば眠るように楽に死ねる薬をあげましょう」という謎のメッセージを伝えていることがわかり、週刊誌記者が調べ始めますが、話しは単純でややガッカリものでした。
あまりにも登場人物のバックグラウンドがなさすぎて、推理する楽しみもないし、後で都合良く出てくる事実がすべてで、なにか騙されたような気分です。
30代で職場で浮いていて退職した女性、脚光を浴びた一流のバイオリニストでありながらも難聴に罹った若い男性、妻子を交通事故で亡くして生きる気力をなくした男性、それぞれに自殺する原因はあるものの、知らない人から楽に死ねるクスリを提供すると言われて、それを真に受けるのかどうか、どうもリアリティさに欠けるような気がします。
世界の中でも自殺者が多い日本ならではのテーマでもありますが、自殺が多いのは40歳以上の中高年であって、20代や30代はそれほど多くはないのですけどね。
★☆☆
◇著者別読書感想(本多孝好)
【関連リンク】
4月前半の読書 獄中記 煉獄篇、さよなら、ニルヴァーナ、邪馬台国殺人紀行、眠りの森
3月後半の読書 証言拒否 リンカーン弁護士、コンビニ人間、官報複合体、レプリカたちの夜
3月前半の読書 武田信玄 風の巻、林の巻、火の巻、山の巻 新田次郎
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