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華竜の宮 (ハヤカワ文庫JA)(上)(下) 上田早夕里

2010年に単行本、2012年に文庫化された、長編SF小説です。著者は女性としては珍しい、本格的なSF小説やホラー小説などを書かれています。私がこの著者の作品を読むのは初めてです。

最初購入したときは、宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリーや上橋菜穂子の「精霊の守り人」のような、女性作家さんに多そうな甘ったるいファンタジー小説かな?と思っていましたが、違いました。ついタイトルにそのような甘ったるさを感じてしまったもので。

プロローグでは、現代の社会で地球上のプレートなどに異変を感じ取った科学者が、将来起きるかも知れない最悪の事態について憂慮を表明してます。

そこで物語は一変し、遠い未来の地球は、海面が260m上がり、今まで内陸部だったところはすべて水没してしまい、標高の高い山の部分だけが残ります。

環境が大きく変わり、人類の数も大きく減り、残された陸上で生活する陸上民と、水の中でも生きられるように遺伝子操作で作られた海上民が棲み分けています。

この小説の場面設定で、すぐに思い出したのは、ケビン・コスナー主演の1995年の映画「ウォーターワールド」です。

この映画はまさに、地球上のほとんどが海水に覆われてしまった未来、海の中でも生きられるように進化した主人公が、海上に人工的に作られた構造物で悪党と死闘を繰り広げる物語でした。ある程度はそこからインスピレーションを得ているのだろうと思われます。

主人公は、日本の外交官で交渉のスペシャリストということになっていますが、このSF小説とは別に、ネゴシエーターの役割とテクニックなどを取り上げて、現代でも通用しそうなハウツー書とも言えるかも知れません。

最初のうちは想像を絶する世界に変わってしまった中に入り込むことができず、なかなかページが進みませんでしたが、上巻が終わる頃には、早く次が読みたくなるほどワクワクしてきます。

二酸化炭素排出の環境問題や、エネルギー問題、その他地震や火山噴火、台風など、地球上には諸問題がありますが、それらよりもっと大きく、人類にはとうてい対応ができない地球内部の異常現象という問題がテーマだけに話しは壮大なものとなっています。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

その時までサヨナラ (文芸社文庫) 山田悠介

最初は自費出版だった「リアル鬼ごっこ」(2001年)で大ブレークを果たしたユニークな作家さんの、2008年単行本、2012年に文庫化された長編小説です。

主人公は出版社の新刊書籍の編集員で、まだ売れない時代の作家と二人三脚で作品を磨き、今では売れっ子作家とその才能を見いだした編集者という輝かしいキャリアを誇っています。

一方では、仕事に没頭しすぎ、家庭を顧みず、妻とは喧嘩ばかり、まだ幼い子供とも疎遠状態が続き、妻は子供を連れて実家へ帰り、別居状態となってしまいます。

そこに試練が待ち受けていて、その人気作家から預かった新作短編小説を同行していた部下で愛人の女性がなくしてしまい、今まで仲が良かった作家から絶縁状を突きつけられます。

同時に、実家に帰っている妻が、福島へ出掛けている時に東日本大震災に遭い、列車事故で亡くなってしまいます。

ここまでがやっと前半部分で、これから思いもよらない展開が主人公に待ち受けているという、なかなか読ませる切ないような心温まるような小説です。

ま、小説ではよくある、しかし現実ではありえねぇー!っていう話しですが、現実だけをドラマにしてもたいして面白い展開にはなりませんからね。

タイトルは、それを説明すると、オチまでわかってしまいそうなので、あえて書きません。

私は別に出版業界には縁はありませんが、同じく家庭を顧みずに働いてきた社会人として、久々に、主人公に思いっきり感情移入してしまいました。たまにはそうした小説も、たまったモヤモヤを吐き出せて良いものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

定年前後の「やってはいけない」 (青春新書インテリジェンス) 郡山史郎

2018年発刊の新書です。著者は、ソニーや米国シンガー社などに勤めた後、自ら人材紹介業を起業された方で、現在80代半ばという元気な高齢者です。

とにかく、よほど、ソニーで役員経験をしたことがご自慢と見えて、書籍の中でも何度も繰り返してその話しが出てきます。そうした過去の経歴を自慢する人って、「雀百まで踊りを忘れず」なのでしょうか?ちょっと意味が違うかな。

ま、著者は一橋大卒で、違いますが、例えば東大卒の人は、例えホームレスになっても「東大卒」を主張しますから、輝かしい時代の自分は忘れ得ず仕方ないことでしょう。

そういう年代の方ですから、著者は「仕事第一」「死ぬまで働け」「健康の秘訣は仕事」「45歳が折り返し」的な考えの持ち主さんで、残念ながら団塊世代より10年若い私には、それらの主張にはまったく共感も同意もできないものばかりでした。

したがって、反面教師にはなるものの、今の普通の中高年に参考になる話しはほとんどありません。

確かに昨今では、老後は年金以外に2000万円不足だの、年金はやがて破綻するとか、様々危機感をあおられていますが、人の幸せや価値って、なにも身体が動かなくなるまで仕事をすることや、老後資金をたっぷり貯めるだけではないということをこの年代の人には理解できないのでしょう。

個人的には、「老兵は死なず、去りゆくのみ」で、高齢者は第一線からとっとと引退し、健康で元気であれば、仕事以外に自分がやりたかったことをしたり、今までできなかった家族サービスをしたり、国民誰から尊敬される尾畠春夫氏じゃないけど、人知れずボランティアでもしているのが良いかと。

いつまでもビジネス界で金儲けをするのは辞めて、これから結婚や子育てで、いっぱいお金がかかる後進にお金が回るよう任せて譲るのが、私が理想とする高齢者の本道です。

政治でも、プロスポーツでも、芸術の世界でも、もちろんビジネスでも、高齢者が妙に幅を利かせ、「まだまだ若い者には負けん」とか大言壮語し、若者の成長の邪魔をしているシーンをよく見かけます。だからいつからか、若者から尊敬されるご老人ではなく、老害と非難されるのです。

本書の感想ではなく、私の思いを書いてみましたが、読んでみてそのようなことを感じました。

★☆☆

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悪童日記 (ハヤカワepi文庫) アゴタ・クリストフ

著者はハンガリー出身ですが、21歳の時にハンガリー動乱が起こり、スイスへ移住した方です。この小説は、1986年に発刊され、著者の実質的なデビュー作です。日本語の翻訳版は、1991年に単行本、2001年に文庫版が出ています。

また2013年にはドイツとハンガリー合作で映画が作られていて、日本では2014年に公開されています。

物語の主人公は小学生ぐらいの年齢の双子の兄弟で、著者の子供の頃の実体験をベースにしているのだろうと思っていたら、この著者は女性で、まったくの創作のようです。

小説の舞台は、第二次世界大戦中のハンガリーで、ブダペストと思われる「大きな町」から、他国と国境を接する「小さな町」へ双子の子供達が疎開してきたところから始まります。

知りませんでしたが、ハンガリーは、大戦中、隣国のドイツに特に抵抗もせず、実質的に国を乗っ取られるという状態で、ドイツ軍が駐留していたのですね。

そうした不安定な国内事情と厳しい環境の中で、頼りにできない大人達をあてにせず、自分たちでなんとか生きていくために才能を発揮していきます。

こうした賢い子供達を主人公にした小説やドラマは、平和な日本製のものは、もういい加減飽き飽きしてますが、戦時中の外国という全然違った環境で読むと思わず「頑張れ!」と応援したくなります。

但し、子供が主人公だからと言っても、文科省推薦にはなりそうもないので、お子さんに読ませるのはやめておいた方が良さそうです。

最後に、双子の子供達は、迎えにやって来た母親や、死線を乗り越えてやってきた父親とも再開しますが、「えぇ~!」という意外な展開が待っています。いや~面白かった~

★★★


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