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1742
オロチの郷、奥出雲 古事記異聞(講談社文庫) 高田崇史

以前から行きたいと思っていた出雲について調べようと思い、今回の作品のシリーズ1作目の出雲が舞台の小説「鬼棲む国、出雲 古事記異聞」を読んで一気にファンになりました。

2022年12月後半の読書と感想、書評(鬼棲む国、出雲 古事記異聞)

おかげさまで、出雲4大神はじめ、多くの寺社、博物館など密度濃くまわることができました。あらためて御礼を。

さて、その前作に続き、主人公の大学院生の女性が、出雲を回った後、まだ解けない謎と見落としがあると思ってもう1泊増やして奥出雲へ行くことになります。

私も奥出雲へはこの小説を読む前に行ってきましたが、主人公が宿泊する亀嵩や、「奥出雲たたらと刀剣館」でたたら製鉄の地下施設「実物大断面模型」を見てきました。

小説では、「主人公が行く先に殺人事件あり」で、今回は遺体の発見者ではないものの、宿泊した民宿の主人が発見者で、その関係もあって前作で捜査に協力した島根県警の刑事とも再会します。

今回は奥出雲で残る八岐大蛇(やまたのおろち)伝説について、その謎解きと奥出雲のたたら製鉄との関係を結びつけていきます。

そして前作から引っ張ってきた「櫛(くし)」の謎について、今回の作品で主人公なりの解釈を披露します。

小説のストーリーとしてはやや心許ない感じですが、出雲や奥出雲の歴史や神話の世界の現代での解釈や推理などは、ふむふむと面白いものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

素晴らしき世界(上)(下)(講談社文庫) マイクル・コナリー

ハリー・ボッシュシリーズの21作目で、原題は「Dark Sacred Night」で、2018年にアメリカで出版され、日本語翻訳版は2020年に出版されています。

原題を直訳すると同じハリー・ボッシュシリーズの9作目のタイトルにつけられた「暗く聖なる夜」になるとのでそれは使えず、この原題タイトルはルイ・アームストロングの「What a A Wonderful World」の歌詞の中からとられていることから、曲のタイトルの直訳を日本語翻訳版のタイトルに使ったと訳者あとがきにありました。

また本文中でも、捨てられた殺人事件の遺体捜索のために、汚臭おびただしいゴミの集積場で数日前のゴミを調べていた捜査員が皮肉を込めて「なんて素敵な世界だ」と会話しています。

今回の特徴は、以前読んだ同じ著者の作品「レイトショー」で主人公だったハワイ生まれの女性刑事とボッシュの二人が勤務先の違いを超えてペアとなり古い未解決事件を解決していくという流れになっています。

2020年5月前半の読書と感想、書評(レイトショー)

前作「汚名」でボッシュが麻薬組織に潜入捜査をした時に助けられた薬物中毒の女性から、その娘の未解決殺害事件について聞かされ、その女性を救うとともに、娘の未解決事件について調べると約束をしていました。

その事件はロサンゼルスで起こり、ボッシュはロス市警に寄ったときに部外者であるに関わらず無断でキャビネットの中の古い資料を探しているときに、もう一人の主人公である女性刑事に見つかってしまい、女性刑事から理由を求められ、それに興味を持ち協力することを伝えられます。

それぞれに事件を抱える忙しい身でありながらも、9年前の未解決事件を探っていくという気の遠くなる調査です。

今回は、ボッシュ自身が勤務する地元の犯罪組織に拉致され閉じ込められるという危機一髪のシーンなどもあり、ヒヤヒヤし、また高齢から来る膝の痛みに耐え、針治療を受けるなど年齢を感じさせるものがありました。

著者と主人公がほぼ同年齢で進んできた本シリーズですから、そうした身体の衰えなどは自身が経験してきたことかも知れません。そうなんです、心身とも健康な若い人には、高齢になってやって来る様々な身体の衰えは実感がないからわからないし書けないものです。私自身、著者とほぼ同年齢なのでよくわかります。

★★★

著者別読書感想(マイクル・コナリー)
ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話(光文社文庫) 鯨統一郎

2007年に単行本、2010年に文庫化された、著者が得意とする昔話をテーマにした謎解きの短篇作品集で、9年前に読んだ桜川東子シリーズ「九つの殺人メルヘン」の続編です。

2012年2月前半の読書(九つの殺人メルヘン)

著者の小説としては2021年に「邪馬台国殺人紀行 歴女学者探偵の事件簿」を読んで以来なので2年ぶりです。

今回の昔話は誰もがよく知っている日本の童話を元にして、探偵に依頼された事件の謎を解決していくというワンパターンの短篇集となっています。

バーに集まる還暦オヤジ3人衆が、昭和時代の話しをした流れで、不思議な事件について話しをすると、その謎解きをひとりで日本酒を飲んでいる美人大学院生の桜川東子が推理していきます。

その童話とは「浦島太郎の真相」「桃太郎の真相」「カチカチ山の真相」「さるかに合戦の真相」「一寸法師の真相」「舌切り雀の真相」「こぶとり爺さんの真相」「花咲爺の真相」の8篇です。

童話はいずれも子供の頃に絵本で読んだり、読み聞かせしてもらったりした懐かしい記憶が思い浮び、まだ純真な心だった時代に戻って気分がとても良くなってきます。それだけでもこの小説を読む意味があります。

★★☆

著者別読書感想(鯨統一郎)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

飛族(文春文庫) 村田喜代子

2019年に単行本、2022年に文庫化された小説で、時代を代表とする作品に贈られる谷崎潤一郎賞を受賞しています。

著者の作品を読むのは今回が初めてですが、1987年に芥川賞を受賞した「鍋の中」は、黒澤明監督の映画「八月の狂詩曲」(1991年)の原作になった小説で、著者は作品がお気に召さなかったようですが、その原作も読んでみたくなりました。

タイトルしか見ずに買いましたが、「なにかファンタジーもの?」ぐらいに思っていましたが、全然違って日本の西の果て、国境に近い離島に住む老婆が二人と、高齢の親が心配になって里帰りしてきた娘、と言っても60歳を過ぎている女性の3人が繰り広げる過疎化が進むリアリティのある物語です。

島で生まれ、高校に通うため本土(九州)に出てから、滅多に島には帰らなくなった娘が、90歳を超えてなおひとりで暮らしている離島に帰ってきて、親を引き取ろうと説得しますが、頑として受け入れてくれません。

島では3人の老婆が残っていましたが、そのうちのひとりが亡くなり、92歳と88歳の二人だけになり、それでもほぼ自給自足の生活を淡々と過ごしています。島の住人は、男は漁師、女は海女というのが普通で、残った二人の老婆も元海女でした。

そういう離島の話しは都会で生活しているとまったく見聞きすることはありませんが、昔は唐に渡るために遣唐使の船が最後の補給に寄ったとか、最近は中国の不法漁船や、アジアの難民船などがやってきたりする話しや、キリシタンが隠れ住んでいた五島列島に近い離島と思えるので、昔から伝わる歌の中には「ゼウス(神)」や「サルース(救済)」があったりして知的好奇心が満たされます。

またタイトルにもなっていますが、島に寄る海鳥たちも、カツオドリ、ハチクマ、シギ、ミサゴ、アジサシなど様々な種類があって、山育ちのあと都会暮らしのため海鳥というとウミネコかカモメぐらいしか知らない身にとって勉強になります。

★★☆

【関連リンク】
 8月後半の読書 妊娠カレンダー、告白、朝日新聞の黙示録、光と影
 8月前半の読書 彼岸先生、劣化するオッサン社会の処方箋、老いた男、暗闇・キッス・それだけで
 7月後半の読書 汚名(上)(下)、望み、ノヴァーリスの引用、遍路みち

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1741
先日、渡辺淳一著の直木賞受賞作品「光と影」を読みましたが、掲題の小説の他にもいくつか短編小説が収録されていて、どれもが医者としての見識や経験がないと書けないディテールに感心しました。

医者と創作活動を兼業している二足のわらじの作家さんは多いですが、その中では帚木蓬生氏や海堂尊氏、夏川草介氏などの作品が好きでよく読みます。

そこで調べられる範囲で、作家と医者の兼業として著名な人のリストを作ってみました。一応基準は、資格を持っているだけでなく、医療従事者として勤務経験があり、専門書以外の著作物がある方々です。

作家名 生年 専門医療 代表作
コナン・ドイル 1859年 開業医 シャーロック・ホームズシリーズ
チェーホフ 1860年 開業医 桜の園、三人姉妹
サマセット・モーム 1874年 軍医 月と六ペンス
ハンス・カロッサ 1878年 軍医 ドクトル・ビュルガーの最後
アルフレート・デーブリーン 1878年 精神科医 ベルリン・アレクサンダー広場
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ 1883年 小児科医 代表的アメリカ人
ルイ=フェルディナン・セリーヌ 1894年 開業医 夜の果てへの旅
ミゲル・トルガ 1907年 耳鼻科医 方舟
森鴎外 1862年 陸軍軍医 舞姫、阿部一族
伊良子清白 1877年 勤務医 孔雀船
斎藤茂吉 1882年 精神科医 歌集
木下杢太郎 1885年 皮膚科 南蛮寺門前、食後の唄
藤枝静男 1907年 眼科医 田紳有楽、悲しいだけ
宮林太郎 1912年 不明 サクラン坊とイチゴ
加藤周一 1919年 内科学、血液学 羊の歌―わが回想
小谷剛 1924年 産婦人科医 確証
北杜夫 1927年 精神科医 夜と霧の隅で
加賀乙彦 1929年 精神科医 帰らざる夏、宣告
なだいなだ 1929年 精神科医 娘の学校
渡辺淳一 1933年 整形外科医 光と影、遠き落日
高山路爛 1943年 地域医療医 孤高のメス
北山修 1946年 精神科医 戦争を知らない子供たち
帚木蓬生 1947年 精神科医 エンブリオ、閉鎖病棟
永井明 1947年 内科医 ぼくが医者をやめた理由
岡井崇 1947年 産婦人科医 デザイナーベイビー
南木佳士 1951年 内科医 阿弥陀堂だより
米山公啓 1952年 神経内科 男脳と女脳
霧村悠康 1953年 腫瘍外科 脳内出血、死の点滴
久坂部羊 1955年 在宅医療医 無痛、廃用身
松葉紳一郎 1955年? 内科医 虚構のER
香山リカ 1960年 精神科医 青のフェルマータFermata in Blue
南杏子 1961年 内科医 サイレント・ブレス
里見清一 1961年 内科医 見送ルある臨床医の告白
海堂尊 1961年 外科医、病理医 チームバチスタの栄光
太田靖之 1961年 産婦人科医 産声が消えていく
木々高太郎 1969年 大脳生理学 人生の阿呆
桂修司 1975年 内科医 パンデミック・アイ 呪眼連鎖
夏川草介 1978年 消化器内科 神様のカルテ
知念実希人 1978年 内科医 仮面病棟、螺旋の手術室
朝比奈秋 1981年 消化器内科 植物少女

先の渡辺淳一氏の専門医療は整形外科で、これは現役、過去問わず非常に珍しいケースだということが上記の小説の解説に書かれていました。

確かに、過去に読んでいる北杜夫氏や帚木蓬生氏、加賀乙彦氏、北山修氏は精神科医で、夏川草介氏や知念実希人氏は内科、久坂部羊氏も在宅医療医でジャンルとしてはおそらく内科、森鴎外氏は軍医と言うことで専門は衛生学、海堂尊氏が唯一外科医という専門分野で、意外に外科や整形外科の作家さんは少ないです。

整形外科(1)や腫瘍外科を含む外科(2)とともに少ないのは、歯科(0)や耳鼻科(1)、皮膚科(1)、眼科(1)、小児科(1)の専門の医者と作家という組み合わせです。

逆に上記のリストから兼業作家さんの医療専門分野で一番多いのは、大枠での内科医(消化器内科、神経内科含む)で11人、次が精神科医で8人、産婦人科が3人となっています。

開業医や勤務医、軍医、地域医療医となっているのは詳細不明で、一部には総合医療的なこともあるでしょう。それに1800年代にはまだ専門医療分野が今と違ってハッキリと分かれていないこともあり専門分野の区分けが難しいです。

外科や整形外科と作家の兼業が、精神科や内科と比べると少ないのは、様々な理由が考えられますが、派手な血を見る手術や解剖などで、体力や神経がすり減って創作活動どころではないということがあるかも知れません。素人考えですが。

私は両足の股関節が人工股関節ですが、その置換術の動画を見ると、整形外科手術というのはまるで大工さんのように、のこぎりやドリル、ハンマーなどを駆使していることに驚きます。音を聞いていてもまるで木工所の中にいるようでトンカントンカン、ガリガリガリとやっているのに驚きです。

いずれにしても医者を目指す人はそれなりに頭が良く、二足のわらじどころか、時間さえあれば三足、四足も可能でしょうし、医療以外の分野においても一流になれる方が多そうです。

著者別読書感想(帚木蓬生)
著者別読書感想(渡辺淳一)
著者別読書感想(夏川草介)
著者別読書感想(海堂尊)
著者別読書感想(久坂部羊)

【関連リンク】
1565 芥川賞受賞作はどれだけ読んだか
1561 直木賞受賞作をどのぐらい読んだか
746 直木賞作家の前職は?
509 本屋大賞ノミネート作品について




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1740
君たちはどう生きるか? 2023年 スタジオジブリ
監督 宮﨑駿
声の出演者 山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ

事前の宣伝や予告編などなく、一切が謎でも宮崎アニメと言うことと、モチーフとなった吉野源三郎著の小説「君たちはどう生きるか?」を昨年の暮れに読んで良かったので、いそいそと映画館へ見に行きました。

前作で最後の作品と言われていた「風立ちぬ」は零戦の設計主任堀越二郎をモデルとした宮崎アニメにしては珍しくファンタジーではなくリアリティのあるストーリーでしたが、今回はまた戻ってファンタジー映画です。

具体的な内容は書かないのがお約束ですから、単に還暦過ぎたオヤジの感想だけを書くと、やはり「オヤジにはファンタジーは似合わない」と言ったところでしょう。

タイトルからすれば、もう少し若者向けに人生の成功者である監督からのメッセージや教訓などが盛り込まれているのではと想像していましたが、そういうのはほとんどなしで、ひたすらファンタジーでした。

でもそうした宮崎アニメの本質に子供の頃から馴染んでいる多くのファンの人達にとっては、「これこそがジブリ作品」ということなのでしょう。

ただ過去の宮崎アニメはほとんど見てこなかった偏屈オヤジにとっては内容が理解不能だったということです。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

隣のヒットマン(原題:The Whole Nine Yards) 2000年 米(日本公開2001年)
監督 ジョナサン・リン
出演者 ブルース・ウィリス、マシュー・ペリー

妻と仲が悪くなっている歯科医が主人公ですが、もうひとりの主人公で一家の隣に出所したばかりの有名な殺し屋が引っ越してくることから起きるドタバタコメディです。

コメディと言ってもナンセンスなものではなく、それなりに筋は通した設定で、マフィアに追われて密かに引っ越してきた殺し屋ですが、その男をマフィアに売ることで家庭の大きな借金を返そうと主人公の悪妻が企みます。

しかし歯医者と殺し屋はご近所さんと言うことでなんとなく親しくなり、妻と殺し屋の間に挟まってオロオロするばかりというのが笑えます。

そのブルース・ウィリスも2022年に失語症など病気のため俳優を引退しましたが、調べると出演した映画は127本あり、出世作の1988年の「ダイ・ハード」はその後シリーズ化され6作が作られています。

独特の明るいキャラクターと困ったときの表情など多くの人を楽しませてくれました。本作でもタフで面白くカッコよい殺し屋を演じています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟


オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(原題 Odd Thomas) 2013年 米
監督 スティーヴン・ソマーズ
出演者 アントン・イェルチン、アディソン・ティムリン

原作はホラーやスリラー、ファンタジー小説の大家、ディーン・クーンツの「オッド・トーマスの霊感」です。一時期、1990年代にこの著者の小説に凝っていたことがあり、過去に22作品読んでいて、この作品も2009年に既読でした。

監督は「ヴァン・ヘルシング」「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」で監督を務めた方でやはりアドベンチャーやファンタジーが得意な監督です。

主人公は、霊になって浮遊している死人が見える若いコックで、占いで一生共にすると言われた恋人がいます。

しかし住む街に主人公しか見えない死人が増えそうな時に集まってくる怪物が集まり始めていることに気がついて、何者かが大量殺人を画策していることを突き止めていきます。

スリラーというよりはファンタジーで、血だらけの死人が街を徘徊する主人公しか見えない場面とかも出てきますが、怖さはなく「ゴーストバスターズ」のノリみたいな感じです。

ラストはこうした作品ではまぁるく収まってハッピーエンドというのが多いですが、ラストにはちょっと衝撃的なアンハッピーエンドが待ち受けています。

小説ではオッド・トーマスシリーズは4作ありますが、映像化はこの作品だけです。おそらくイマイチ評判が良くなかったのでしょう。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

起終点駅 ターミナル 2015年 「起終点駅 ターミナル」製作委員会
監督 篠原哲雄
出演者 佐藤浩市、本田翼、尾野真千子

桜木紫乃著の2012年の短篇小説「起終点駅(ターミナル)」を原作にして製作されたシリアスな映画で、当初タイトルを見たときに「また、鉄ちゃん向け映画?」と勝手に想像していましたが、全然違ってました。

駅や鉄道が出てくるのは最後の場面ぐらいで、ほとんどは過去と現在を行き来する人間ドラマです。

既婚で息子が一人いる主人公の弁護士は、過去に不倫相手が目の前で飛び込み自殺をして失うというトラウマがあり、離婚し、養育費を送りながら、北海道の僻地で国選専門の弁護士をしながら質素に暮らしています。

違法薬物使用で逮捕された女性の弁護をした関係から、その女性が自宅へやってきて、まだ逃げている恋人を探して欲しいと頼まれます。

国選弁護しかおこなわないという理由で断りますが、やり直すため実家へ帰るので送って欲しいと頼まれ、クルマで送っていくことになり、そこに逃亡中の女性の彼氏が隠れ住んでいることがわかります。

その恋人と別れる決心をして、力強く生きていく女性の旅立ちに立ち会い、自分も生きる気力が湧いてくることになります。

また4歳の時に別れてその後一度も会っていない息子から、結婚式の招待状が届き、出席するかどうか悩みますが、息子の心のこもった手紙を読み出席する意志を固めます。

泣き所はないですが、地元のヤクザで主人公の弁護士を仲間に引き込もうとご執心な中村獅童の演技がなかなか堂に入っていて良かったです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ブラッド・ファーザー(原題:Blood Father) 2016年 仏
監督 ジャン=フランソワ・リシェ
出演者 メル・ギブソン、エリン・モリアーティ

マッド・マックス」や「リーサル・ウェポン」で男臭いハードアクションで一時代を築いたメル・ギブソンが当時60歳の老体に鞭打ち、自分の命をなげうって犯罪組織から娘を守るというハードボイルドなフランス映画です。

刑務所を出所後、犯罪から足を洗い、昔の悪い仲間からも距離を置いて静かに暮らしていた主人公に、家出をして長く音信不通だった娘から突然電話がかかってきます。

娘は犯罪組織にいる恋人と組織の金を持ち逃げしたと思われる夫婦を襲撃するとき一緒に加わりますが、あまりのひどさゆえ、恋人を誤射してその場から逃げ出します。

その結果、犯罪組織と警察の両方から追われることになり、父親の主人公に逃亡資金の無心のため電話をかけてきたという流れです。

過去に様々な犯罪や逃亡を経験してきた主人公が、娘を逃がすために一緒に行動を共にして危機を回避していきます。

しかし逃亡犯として警察からも指名手配され、昔の犯罪仲間からも裏切られ、追いつめられていくことに、、、

と、まぁありがちなストーリーで、最後はハッピーエンドとはいきませんが、メルの魅力を伝えたかっただけの派手な撃ち合いのあるドタバタ劇でした。

★☆☆

【関連リンク】
2023年5~6月 スペース カウボーイ(2000年)、幸せへのまわり道(2019年)、最後の忠臣蔵(2010年)、キネマの神様(2021年)、小説家を見つけたら(2000年)

2023年3~4月 ドライビング Miss デイジー(1989年)、カリートの道(1993年)、あかね空(2007年)、ジェシー・ジェームズの暗殺(2007年)、漁港の肉子ちゃん(2021年)

2023年1~2月 ガントレット(1977年)、折れた矢(1950年)、メンフィス・ベル(1990年)、どら平太(2000年)、ブロークンシティ(2013年)

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1739
妊娠カレンダー(文春文庫) 小川洋子

1991年に出版された芥川賞を受賞した作品「妊娠カレンダー」を含み、「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」の2編も合わせて収録された短中編の作品集です。

著者の作品は、「博士の愛した数式」(2003年)など3作品を過去に読んでいますが、外れがない作家と言えるでしょう。今回の作品も過去同様に面白く読めました。

女性作家が書く「妊娠カレンダー」ならば、読むまではきっと自分の体験談を小説にしたんだろうなぁと思って、文庫の裏表紙に書かれているあらすじも読まずにとりかかったところ、そうではなくて同居する実姉が妊娠したことで変わっていく感情と生活が刻々と書かれています。

結婚した姉夫婦と同居している妹というのも珍しいパターンですが、妊娠した姉はますますわがままになっていき、妹は相手にすることなく淡々と自分の生活をしていきます。この辺りの感覚が男にはなかなかわからないところで、そういうものなの?と興味が湧きました。

著者の作品に出てくる男性は、おしなべて頼りなかった病気だったりして目立った活躍はしません。今回出てくる姉の夫も小心者で、妻の妊娠でオロオロするばかりで、この気持ちはなんとなく男性でもわかったりします。

他の二編の小編も女性が主人公で、昭和時代のボロい学生寮や小学校の給食室など、懐かしい記憶が呼び起こされるような物語でした。

★★☆

著者別読書感想(小川洋子)

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告白(中公文庫) 町田康

2005年に単行本、2008年に文庫化された長編時代小説で、谷崎潤一郎賞を受賞しています。河内の怠け者の博徒の一代記ですが、これが小説になるのはわかりますが、文学賞を受賞するような内容か?というとちょっと疑問かも知れません。

関西出身の私ですが、この小説のモチーフとなった河内音頭のスタンダードにもなった実際に起きた事件「河内十人斬り」についてはまったく知りませんでしたので、今回読書をしながら事実関係を並行して調べながら読みました。

その「河内十人斬り」という1893年(明治26年)に実際に起きた殺人事件については、Wikipediaに詳しいのでそちらを読んでください。

主人公は事件の主犯で、大阪府南河内地域にあった水分村で百姓の子と生まれながら、根っからの怠け者で若い頃から博打や酒、女に溺れていた男で、その主犯の男の子ども時代から青年期を経て事件を起こした36歳までの人生とやり場のない自己嫌悪で自滅していくという流れです。

とにかく大作で文庫本で842ページあり、通常の文庫の3作品分ぐらいあります。そして関西生まれの私はまだ慣れていますが、下記のようにベタベタな河内弁ばかりで、関西以外の出身者には果たしてどこまで意味が通じるのかな?って思います。

「さよさよ。わたいもですわ。ほんにてーんとつけへん。出てはとられる茗荷の子っちゅうやってすわ」
「あ。ほんまや。ま、それやったらよけでんが。んえどないしなはる。きなはるか」
「なんじゃ、この餓っ鬼ゃあ、ちゅうたがな。ほしたらこの餓鬼なんちゅいよったと思う?」「なんちゅいよってん」
「おどりゃなめたらあかんど」「へげたれがっ」
「この餓鬼、短刀のんでけつかった」
「いやちゃいまんがな兄ちゃん」「なにがちゃうねん」
「どんなんやね。しゃあけどほんま大丈夫かいな。あないえらそうに言うて。どつきまわされよんど」
「しゃあけど、なんでわいやね。他のもんかてかまへんやんけ」・・・

河内弁は一般的に言う関西弁からさらに崩れた感じの言葉ですから、馴染みのない方が読むのはおそらく苦労するのを覚悟してください。

昔の関西ローカルのテレビで見た上方漫才では、こうした河内弁丸出しのしゃべくり漫才をよく見ていたので、私はそれで違和感を感じないのでしょう。

著者の出身地は大阪府の堺市なので、河内弁の地域ではないものの、河内地域とも地理的には近い上に私と同様テレビなどで馴染みがあって、違和感なくこの小説でも使えたのでしょう。関東人にはとてもこの小説は書けません。

★★☆

著者別読書感想(町田康)

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朝日新聞の黙示録 歴史的大赤字の内幕(宝島社新書) 宝島特別取材班編

先月には東芝の落日を書いたノンフィクション「東芝の悲劇」を読みましたが、今回は朝日新聞社の黙示録です。

2023年7月前半の読書と感想、書評(東芝の悲劇 大鹿靖明著)

「黙示録」とは「破滅的な状況や世界の終末などを示したもののこと」と解釈されていますが、朝日新聞社はまだそこまではひどくないと思ってます。2009年に発刊された「2011年 新聞・テレビ消滅」と同様、危機をあおって注目を集める狙いでしょう。

部数が激減しているのは、朝日新聞だけが減っているのではなく、新聞というアナログメディア自体が全体的に減っているので、本著で指摘されている数々のスキャンダルで減らしているわけでもなさそうです。

それでも、右傾化が進んできたこの20年ぐらいは朝日新聞にとっては厳しい環境だったことは間違いなく、内紛や記事の取り消しなど、メディアとしての存在意義を問われることもありました。

しかし現在70後半の団塊世代が新聞を取り続けているあいだはまだ安泰で、彼らが新聞を必要としなくなる10年後から20年後はいよいよ新聞という紙メディアが残るかどうかは不明です。

本著では、主に元朝日新聞社の記者だった複数の著者が慰安婦記事、原発事故後の吉田調書、池田コラム問題などの紙面上のスキャンダルの対応のまずさと、朝日新聞社の収益構造や、社主制度の廃止、東大卒エリートの減少など事業体としての変遷などを通してこのままでは瓦解するという警告です。

個人的には子供の頃からずっと朝日新聞を読んできていて、馴染みがあるというか相棒のような存在ですので、なくなるとそれも困りますが、多かれ少なかれ、企業の栄枯盛衰はつきものですから、20年後に読めなくなってもそれは仕方がありません。新聞に代わるメディアには事欠きませんからね。

★★☆

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光と影(文春文庫) 渡辺淳一

1970年(昭和45年)、著者が37歳の時に直木賞を受賞した短篇集作品で、これ以降、本業の医者から作家活動へと重心が移っていくことになる記念碑的作品です。

解説にも書かれていましたが、医者でありながら小説を書いている作家さんは国内はもとより世界中に多いですが、その中でも整形外科医と作家の二足のわらじをはいている方はほとんどいません。

なぜ整形外科医と作家活動が両立しにくいのか?については本当のことはわかりませんが、派手な出血を日常的に見たり、緊急外科手術の必要性から、精神的になかなか落ち着いた作家活動がしにくいのかな?と思ったりしますが、真実は不明です。

本著には「光と影」「宣告」「猿の抵抗」「薔薇連想」の4篇が収録されていますが、いずれも医療に関係する医者でしか書けないと思われる秀逸の作品集です。

その中でも直木賞を受賞した「光と影」は、明治初期、西南戦争で右腕に同じような銃創を受けた同期の二人の将校の運命が手術の先か後かで大きく変わってしまうという物語です。

主人公は将校のひとりで先に手術をおこない、その時代では普通だった腕の切断手術がおこなわれ、続いて二人目の手術の時には軍医の気まぐれで「実験で腕を残す」手術がおこなわれます。

結果的には、腕を切った将校は廃兵となり陸軍を辞め市井で働きますが、自分よりもすべての点で劣っていたもうひとりが腕が残されたおかげで陸軍に留まることができ、その後順調に出世していくのを見るという悲哀を味合うことになります。

人の運命が、カルテの上か下の差で決まってしまうという「光と影」にせつなくて儚い話しです。

他の作品も視点や時代はそれぞれ違いますが、著名な絵画家に最後の作品を描けるように余命を告げるべきか悩む医者、学生向けの症例としてまるで実験動物の猿のように扱われる患者、男に知った上で梅毒を感染させられた俳優の卵が考える復讐と悪意など、それぞれ印象深い作品でした。

★★★

著者別読書感想(渡辺淳一)

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個人的にFacebookで加入している趣味のクルマ関連のグループがあります。加入した目的は、クルマの整備や故障の修理はできるだけ自分でおこないたいので、その手法やアイデアを知りたかったからです。

もうずっと昔に「最近はタイヤ交換ができない人が増えてきた」とか、初めてセルフスタンドへ行って「どのガソリンを入れれば良いかわからない」とか「給油方法がわからない」とか言う人がいると聞いて、せめて最低限のクルマの知識は持つべきなのになぁと思っていましたが、興味がなければ教習所で教わらないことは知らなくても当たり前なのかも知れません。

そしてそのFacebookのグループで、「車検前にワイパーを交換してもらった」「バッテリーがダメと言われて交換してもらいました」「点検時にエアコンフィルターを交換してもらった」「花粉で汚れたのでディーラーで洗車してもらった」などの投稿がよくあります。

ビッグモーター多摩ビッグモーターでの不正では、保険会社に多くの保険金を請求するための不正もありましたが、それ以外に車検や修理の際にユーザーに対してまだ異常や問題がなくても売上ノルマを達成するため「○○がダメなので交換した方が良い」と伝え、必要がないものまで交換や修理をおこない余分な請求をするというのがありました。

さらにもっとひどいのは、新品と偽り中古部品を取り付けて、新品の高額な料金を請求していたなどの事例がありました。

またディーラーでも不正とは言えませんが、かなり過剰に消耗品(ワイパー、各種フィルター、各種油脂類、バッテリー、タイヤ、ブレーキパッド、点火プラグ、など)の交換を勧めてきます。「安全のため」と言われるとそうなのかな?と思う心理を突いてきます。

そうした交換や修理は本当に必要なの?と言えば、ほとんどが必要ないものが多いのが実態です。各消耗品には使用年数や走行距離などの基準がありますが、それを超えたらもうダメということではありません。

以前、軽自動車を新車で購入し、3年後に最初の車検を迎えるときにディーラーで見積書を出してもらいました。

すると、当たり前のようにしれっと15万円の見積書が出てきました。強制保険と車検印紙代など車検時に必要な費用はその中の26,000円だけです。

いったいなにをどう整備すれば3年しか経っていない上に走行距離もわずか1万キロほどの軽自動車の初回の車検に15万円もかかるのか呆れかえりました。

しかしクルマに詳しくない人なら、「そんなものかな」って思うのでしょう。また親しくしているディーラーの担当者を疑うことはないのでしょう。

私は、過去何度も車検を経験しているのと、軽整備は自分でするので、ディーラーの営業担当に「問題外なので車検は他へ持っていく」と伝えたら、慌てて総額74,000円の見積りが出てきました。

つまり最初の見積りの半分以上76,000円分は必要がない(と私が考える)整備代が乗っけられていたことになります。知りませんでしたが、一般世間ではこんなひどいことになっていたのですね。

もちろん安全や不意に起きる故障を考えて裕福な人が過剰な整備をしておくのは個人の自由ですから、ディーラーも商売なので「アレもコレも交換」って何も知らない客に勧めるのは不正とは言えません。

なので正しくは騙しているとまでは言えませんが、私に言わせると、「無知な人にはしれっと高額請求」ですから、一種の騙しと言っても差し支えないと思っています。ビッグモーターでの上記の新品と偽って中古部品を使う不正(報道によると)はユーザーを騙しているので悪質です。

ビッグモーターの不正は普段ボンネットを開けもしない素人さんには、バッテリーやフィルター類に中古部品を使ってもわかりっこないだろうと完全になめられているのでしょう。

車検制度はクルマの点検・修理や予備的な修理を促進することで安全に貢献していると思われます。発展途上国で日本で使われた中古車に人気があるのは「車検制度があるので整備が行き届いている」との評判があるからです。

しかし車検制度は、すべての整備や点検をディーラーなどの専門家にまかせ、ユーザーに自らが点検・整備し、異常を察知する能力を奪いました。

タイヤ交換はもちろん、洗車したりボンネットすら開けたことがないというユーザーが増大していくことになります。シェアカーが流行るのもそうした自分ではなにもしたくない人が使うのに適しているからと言えます。

例えばワイパー、エアコンフィルター、エアクリーナーなどの消耗品交換や、タイヤの空気圧チェック、エンジンオイルの量と粘度は自分でも簡単におこなえる軽整備で、車種によりますが多くの場合は工具(ドライバーなど)すら必要とせず、時間も数分で済む整備です。

それでもディーラーなどに依頼をすると、部品代が通販で同等品を購入するより何倍かの高額な価格で、さらに数分で終わる作業なのに作業代として数千~数万円が請求されるのが普通です。

バッテリーの交換も、純正バッテリーよりずっと性能が高い製品が通販で1~2万円で購入でき、コツさえ知っていれば30分もかからずに自分でDIYできますが、ディーラーに丸投げすると最低でも4~5万円は請求されます。

ワイパーがビビるからとディーラーへ駆け込む人がいますけど、水滴を弾くガラスコーティング剤などを使うとノーマルのワイパーならビビることが多いです。でもそれは仕方ないことなので、嫌ならコーティング剤を使わないか、ワイパーにビビリ防止剤を塗るか、ワイパーゴムをコーティング剤対応のものに自分で調べて替えるべきです。

あと、高いけど純正部品を使うのが正義という意見もありますが、それって45年前にNECのパソコンを買うと、「純正以外のフロッピーディスクを使っての故障は保証できない」と書いてあったそのまま今でも生きている慣習です。今やバッテリーやタイヤなど純正備品より優れた互換品もいっぱいあります。一律に互換品を粗悪品と考えるのは昭和時代の悪い慣習です。

インターネットが普及していない時代は、整備の知識はクルマ雑誌を読むか、知人に聞いて知識を得るしかありませんでしたが、今ならそうした軽整備はいくらでもネットにあがっていて、さらに車種ごとに動画で詳しくやり方が説明されているものまであります。

ブレーキやエンジン関係など素人が手を出さない方が良い重要保安パーツの交換や整備はプロにまかせるとして、最低限でも月に一度程度の洗車や、上記に書いたフィルター類(エアコンフィルター・エアクリーナー)やワイパー、バッテリーぐらいは自分でおこなうことで、悪徳業者に騙されることはなく、費用がずっと安く済み、自分で整備したクルマに愛着が湧くというものではないでしょうか。

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