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1499
48時間PART2/帰って来たふたり(原題:Another 48 Hrs.) 1990年米
監督:ウォルター・ヒル 出演者:エディ・マーフィ、ニック・ノルティ

1982年の映画『48時間』が好調だったことから、その続編として8年ぶりに製作された、今から30年前の映画です。

その第1作も以前見ましたが、エディ・マーフィによるエディ・マーフィファンに贈る作品という感じで、日本で言う人気アイドル歌手が主演する映画のようなイメージに思えました。エンタテインメントとしてはさすがに優れています。

もちろんエディ・マーフィはアイドル歌手ではなくプロの売れっ子俳優ですから、立派な演技者ですが、どうも映画制作の周囲にいる人達が、彼をマイノリティ達のアイドル化したいのかなぁって気がします。

今回もその様相に変化はなく、エディと白人の刑事がお互いに反発をしながら、結局は二人で仲良くタッグを組み、悪役と対決するといういつものパターンで、珍しかった1作目と違い、凸凹コンビの掛け合い漫才?に感動することもなく、予想通りの展開で、悪の元締め陰のボスも早々に想像がついてちょっと退屈かも。

同じようなスタイルだったマイノリティのジャッキー・チェンと白人警察官が嫌々コンビを組んで、ジャッキーの超人的な働きで巨悪をやっつけるというストーリーと基本は同じだなぁと思った次第です。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

レディ・プレイヤー1(原題:Ready Player One) 2018年米
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演者:タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン

SF映画というジャンルですが、ゲームやアニメのファンが楽しめる内容です。

というのも、場面の多くはヴァーチャル世界での戦いがメインで、そのアバターとしてはアニメのヒーローが多く登場します。よくそれらの版権?著作権?をクリアできたものです。

ざっと言うと、ガンダム、メカゴジラ、アキラに登場する金田のバイク、マッハ号、キングコング、バットマン、ロボコップなどなど。私自身はあまりゲームにもアニメにも興味がない人なので、それぐらいしかわかりませんが、実際はその何倍ものキャラクターが出ているようです。

Wikimediaには、原作の小説ではウルトラマンも登場したそうですが、この映画では著作権の関係で登場させられなかったと書かれていました。やっぱりそういう障害もありますね。

とにかくSFですから、何でもありでハチャメチャですが、よく知ったキャラクターが出てきたり、街の中にロゴがチラッと映ったりするだけで、それなりに楽しめます。

映画の舞台は、2045年のアメリカで、今から25年後という設定ですが、もうこの年代になると、世界はボーダレス状態で、「どこ」という場所は無意味でしょう。

また映画にはドローンも活躍しますが、スラム街では相変わらずガソリン車が走っていました。世界中、2030年頃からはすべて電気自動車に変わっていきますので、その15年後にはガソリン車は極めて少ないか貴重品でしょうね。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 2018年松竹他
監督:前田哲 出演者:大泉洋、高畑充希、三浦春馬

渡辺一史氏のノンフィクションを元にして映画向けのエンタメ要素を加え脚本が作られた映画です。

筋力が徐々に衰える進行性筋ジストロフィーという難病患者を主人公に、それを支える家族やボランティアの日常を描いています。

本来はひとりでは生活ができず、病院や施設などで24時間看護、介護が必要ですが、患者本人の強い意志で「自立生活」を求め、生活保護を受けて、実家を出て生活を送っています。

介護は自ら集めて訓練をしてきたボランティ達で、その中に別の主人公となる二人のカップルがいます。

実は同時期にその映画にもなった同名の小説を読んでいます。

 ◆12月後半の読書(こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話)

主人公の患者役には大泉洋が見事な演技で、見る人をグイグイと中に引き込んでいきます。真夜中にバナナを買いに走らされる高畑充希も素直な良い演技でした。

「障害者だから我慢を強いられる」「人にお世話になることを申し訳なく思う」「やりたいことができなくても当然」という、過去(現在でも?)の常識をことごとく打ち破り、「障害者も健常者と平等なはず」「できないから人に頼むのは当たり前」というノーマライゼーションを世に広めていくことになります。

映画の中にも出てきますが、地下鉄などの駅にエレベーターが設置されてきたのも、こうした身障者からの長く粘り強い要望があってのことで、それの恩恵は障害者だけでなく、高齢者やベビーカーを押す人達にも大きな恩恵があります。

タイトルも、「自分でできないから遠慮なく人に頼む」という、不思議ではない無茶ぶりを象徴したものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

天国は待ってくれる(原題:Heaven Can Wait)1943年米
監督:エルンスト・ルビッチ 出演者:ジーン・ティアニー、ドン・アメチー、チャールズ・コバーン

一応コメディ映画という範疇に入っていますが、クスッとでも笑えるシーンはほとんどなく、1930~40年代のニューヨークを舞台に富豪一族の長子として生まれた男性の、口のうまいプレイボーイの一代記って感じです。

コメディ要素があるのは、人が亡くなったあと、その人が行くのが天国か地獄かを決める場所が最初と最後に出てきて、主人公が死後にその判断をする日本流で言えば閻魔大王の前で、自分がいかに悪人で地獄行きは仕方がないというその一生を語るというスタイルだからでしょう。

しかし過去に同じようなことを何度も書いていますが、この映画が公開された1943年の前後と言えば、欧州ではドイツと、太平洋では日本との激しい戦闘中で、戦争とはまったく無縁のこうしたコメディ映画が普通に制作、公開されていたというのが凄い国です。

太平洋戦争前の1936年に制作公開されたオールカラー巨編「風と共に去りぬ」を上海で見た日本人が、「こんな映画を作る国と戦争しても勝てるわけはない」と思ったという回想録を読んだことがありますが、ガダルカナルの撤退戦中の日本軍に、爆弾ではなくこの映画を投下して天皇や大本営の偉いさんに見せてあげれば、もっと早く円満に終戦できたのかもしれません。

★★★

【関連リンク】
2020年8~10月 免許がない(1994年)、日々是好日(2018年)、助太刀屋助六(2002年)、ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年)、ブリジット・ジョーンズの日記(2001年)
2020年7月 嘘八百 2018年、東京マグニチュード8.0(2009年)、深夜の告白(1944年)、知りすぎていた男(1956年)、ウエスタン(1968年)
2020年5~6月 海外特派員(1940年)、黄金狂時代(1925年)、殺人狂時代(1947年)、真珠の耳飾りの少女 (2003年)、お早よう(1959年)
2020年3~4月 翔んで埼玉(日 2019年)、影の軍隊(仏 1969年)、タバコロード(米 1941年)、デューン/砂の惑星(米 1984年)、海よりもまだ深く(日 2016年)、ベニスに死す(仏・伊 1971年)
2020年1~2月 ペイルライダー(1985年)、アラバマ物語(1962年)、マスカレード・ホテル(2019年)、 疾風ロンド(2016年)、ブラジルから来た少年(1978年)

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1498
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

コロナ禍の外出自粛を利用して、自宅の書籍を整理していましたが、昨年中にほぼ終えて少し綺麗にまとまりました。

ついでに、データ化もしている3200冊の書籍タイトルから、よく使われている「語」と「ワード」を調べてみました。

3200冊ぐらいだとビッグデータとはとても言えませんが、私自身の趣向や流行などもわかるかな?と思っての作業です。

まずは、3200冊の書籍(小説、新書、ノンフィクション、伝記、ビジネス書、詩集、自己啓発本など多種多様)のタイトル一覧を作成します。

その一覧から、「漢字一語」、「熟語」、「カタカナ語」で出現数が多いものを並べてみました。

但しタイトルに付随する「上巻」「下巻」などによく使われる「上」と「下」と「巻」は頻出するので、除外しました。

それぞれの結果です。

漢字一字 熟語二~三字   カタカナ語
1 198 1 日本 45 1 アメリカ 12
2 109 2 物語 39 2 ブラック 11
3 79 3 殺人 26 3 ムーン 10
4 74 4 小説 20 4 ホテル 9
5 71 5 時代 18 5 レッド 8
6 67 6 事件 17 ブルー 8
7 66 7 戦争 16 ビジネス 8
8 64 8 青春 15 ネット 8
9 58 東京 15 9 ラスト 7
10 57 社会 15 ワールド 7
11 54 11 中国 14 11 ガール 6
54 12 探偵 13 ジョーカー 6
13 53 刑事 13 13 ラブ 5
14 51 14 海外 12 ソフト 5
51 記憶 12 ウォー 5
16 50 天使 12   ボックス 5
17 49 17 世界 11  17 ホワイト 4
18 47 黄金 11   ロード 4
19 46 楽園 11   ストーリー 4
46 20 太陽 10   
46 夜間 10
22 45 夜中 10
23 44 人生 10
44 24 会社 9
25 43 定年 9
26 42 永遠 9
27 41 地図 9
28 40 神様 9
29 39 経営 9
39 30 家族 8
31 38 社長 8
38 32 銀行 8
38 33 時間 7
34 36 運命 7
35 35 銀河 7
35 列島 7
37 34 秘密 7
34 警視庁 7
39 31 悪魔 7
31 金融 7
31 41 最後 7
42 30 42 天国 6
43 29 太平洋 6
29 京都 6
45 28 奇跡 6
28 警官 6
28 薔薇 6
28 48 旅行 6
28 海賊 6

漢字1字では「」がダントツです。

「日本人」「大人」「他人」「人間」など新書でよく使われている上に、「人類資金」「運命の人」「奇面館の殺人」「異邦人」「人斬り以蔵」など小説にもこの字はよく出てきます。

漢字1字の次点が「」で、その次が「」なのは、やはり「日本」という熟語が多いことでしょう。

4番目が「」なのは、小説によく使われている漢字で、「夜の国のクーパー」「戒厳令の夜」「夜のピクニック」「夜と霧の隅で」「夜より暗き闇」「暗夜行路」「銀河鉄道の夜」など多くのタイトルに使われています。逆に「朝」はランク外です。

漢字2~3字では、1位「日本」、2位「物語」、3位「殺人」となっています。

「日本」は新書でよく使われる熟語で、「日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか」「日本農業への正しい絶望法」「日本を創った12人」「中高年シングルが日本を動かす」「中国化する日本」など多くの新書で使われています。

また小説でも「「日本興業銀行」「死都日本」「日本国債」などに見つかります。

第2位の「物語」は、「帝都物語」「遠野殺人物語」「国盗り物語」「カンタベリー物語」など小説に多く使われています。

第3位の「殺人」はミステリー小説の十八番のタイトルで、「秋田殺人事件」「恐山殺人事件」「熊野古道殺人事件」「占星術殺人事件」「殺人症候群」「殺人鬼フジコの衝動」「長い長い殺人」「雨の殺人者」などがあります。

第4位の「小説」では、「ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石」「二流小説家」「犯罪小説家」「小説・秒速5センチメートル」「小説・震災後」「小説巨大証券」など、タイトルにノンフィクションではないことを明らかにする意味で小説を付けるケースが目立ちます。

第5位の「時代」は、新書によく出てくるキーワードです。「大学大倒産時代」「定年前後の「やってはいけない」人生100年時代の生き方、働き方」「衆愚の時代」「「意識高い系」という病ソーシャル時代にはびこるバカヤロー」「若者殺しの時代」などがあり、小説でも「恋愛時代」「青の時代」などあります。

カタカナ第1位は「アメリカ」で、新書やビジネス書、エッセイによく使われるワードで、「超・格差社会アメリカの真実」「アメリカ素描」「ルポ貧困大国アメリカ」などがあります。

カタカナの第2位「ブラック」は新書でも小説でもよく使われています。「ブラック・ダリア」「ブラック企業、世にはばかる」「ブラック・ハート」「ブラックボックス」など。

カタカナ第3位の「ムーン」はちょっと意外でしたが、「ムーン・パレス」「ウィンター・ムーン」「バッドラック・ムーン」など外国小説のタイトルによく使われています。日本の小説にも「ダーク・ムーン」がありました。

さて今年はどんな年になるのでしょう。そろそろコロナ禍の中の社会を描いた小説やノンフィクションが出てきそうです。

【関連リンク】
1476 蔵書の著者別冊数上位45位まで 2020/10/17(土)
1281 毎年書籍や雑誌はどれぐらい出版されているか 2018/11/24(土)
1219 2800冊の蔵書について(1) 2018/4/21(土)
698 世界と日本の書籍ベストセラーランキング 2013/3/27



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1497
コロナで明けてコロナで終わりそうな2020年の暮れも押し詰まってまいりました。今年のブログでは様々なテーマの中で新型コロナに関連した記事もいくつか書いています。

今年2020年の1年間に書いたブログ記事は、この本年最後の振り返りを含め102記事となりました。原則水曜日と土曜日に記事を上げていますが、およそ2.8日に1記事、月に8.5記事の割合です。

ブログ記事のテーマで多いのは「読書/書籍」で30記事で全体の30%を占めています。毎月読んだ書籍の感想を前半分と後半分に分けて書いているのと、それ以外にも、

ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完
東日本大震災関連小説とコロナ禍後

など、書籍に関連することもいくつか書いています。

その他をテーマ別に多い順に並べてみます。

統計」テーマは全部で14記事あります。そのうち代表的なものは、

世界と日本の宗教別信者数
新聞の発行部数推移など
コロナ前と後で失業者数や失業率の変化
ホームランは増えているのか?
再びゴルフ場とゴルフ人口の推移

など。

健康/食品」テーマは9記事あります。そのうち代表的な記事は、

ウイルスと細菌の違いなど
高齢化で便秘症患者が増えていく
各年代で歯は何本残っている?
死因に占める誤嚥性肺炎が増えている

です。

映画/テレビ」テーマでは8記事です。見た映画の感想以外に、

コロナ時代のテレビ番組と再放送
毎週繰り返し録画してみているテレビ番組一覧

などがあります。

雇用/リストラ」と「仕事/ビジネス」は、このサイトの元々の目的でもあります。それらテーマのブログはそれぞれ6記事ずつあります。

雇用/リストラ」テーマでは、

2020年はまたもリストラが大ブームに?
耐え忍べるかフリーランス
2020年11月のリストラと倒産

仕事/ビジネス」テーマでは、

いきなりステーキの憂鬱
コンビニは時代に合わせて変われるのか?
スマホの普及でカメラ産業は風前の灯火か

など。

あとは4記事の「生活/DIY」、3記事の「クルマ/事故」テーマと、「お金」テーマで、一部を抜き出しておきます。

リタイア後、日々やってきたこと
BS/CSアンテナの交換DIY
マイペースな運転は身を滅ぼす
マンホールのデザインはまず実用性から
31年間の住宅ローンから解放される

残りは「高齢者」テーマ(2記事)と特にジャンルを問わない「その他」(19記事)に分類されるものです。

多死社会はなにをもたらすか
無人島をもっと活用できないか?
コロナ後の日本の行くべき道は
心霊現象、超常現象の話し
時計を必要としない世界

などです。

「高齢者」テーマ記事は2018年が7記事、昨年2019年が6記事ありましたが、今年2020年は2記事と大きく減ったのが意外です。もっとたくさん書いていたような気がしてました。

逆に昨年2019年は「統計」テーマが3記事しかありませんでしたが、今年は14記事と大きく増えました。これはおそらくですが、6月にリタイアして統計データを探し加工する時間が増えたことによるかな。

それにしても、来年はすべての人にとってよい年になってもらいたいですね。そう願って今年のブログを締めさせていただきます。

本年もありがとうございました。来年はルーティン通り、1月2日(土)のアップ予定です。

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1496
生ける屍の死 (創元推理文庫) 山口雅也

この著者の小説を読むのはこれが最初ですが、1989年に「鮎川哲也と十三の謎」で発表したこの作品が実質デビュー作です。文庫版は1996年に東京創元社、2018年に全面改稿版が光文社から出版されています。

舞台はアメリカのニューイングランドにある田舎町で、主人公はアメリカ人ですが、ルーツは日本人とアメリカ人のハーフという設定です。

日本人作家が書く小説で、物語の舞台や主な登場人物が外国人という小説は意外と少なく、以前読んだ皆川博子著の「開かせていただき光栄です」などとともに珍しいパターンです。

ストーリーは、死人が生き返るというホラーの要素と、素人探偵ミステリーの基本のような事件解決スタイルが同居し、腹いっぱいになります。文庫のページ数も640ページを超え、通常の文庫2~3冊分に相当します。

過去に読んだ小説の中で、文庫1冊で長かった(分厚かった)のは、半村良著「妖星伝 終巻」や、京極夏彦著「魍魎の匣」が、それぞれ1000ページを超えてました。

さすがに1000ページを超える(約500g)と、寝転がって手で持って読んでいるとつらくなってきますが、この640ページ(約300g)は、普通の単行本と同じぐらいの重さで、ギリギリ大丈夫でした。

先日に読んだスティーヴン・キング著「呪われた町」(1975年)は、同じくアメリカで死んだ人間が生き返るという、ドラキュラ伝説を描いた物語ですが、こちらも、一度死んだ人間がなぜか生き返るという物語です。

2020年12月前半の読書と感想、書評(呪われた町)

なぜ死人が生き返るのかという謎は最後まで不明のままで、しかもドラキュラや鬼のように夜しか活動できないとか、生きている人を襲って生き血を吸うとかはなく、死人かどうかは表面上は体温がないとか、目の瞳孔が開いてよどんでいるとかしか区別がつかないというのは、あまりにも安易で都合良すぎ、何でもありの小説と言えども反則気味。

そうした死人が生き返る謎はともかく、次々と起きる殺人事件の謎に迫る、早くに毒を盛られ?一度は死人となって生き返った主人公が、刑事の謎解きを否定し、緻密な謎解きをするのは、古典ミステリーと同様な手法で、読み応えあって面白かったです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (文春文庫) 原案 渡辺一史

進行性筋ジストロフィーという指先以外はほとんど動かせなくなった難病を抱えながらも、病院や家族から離れ、自立生活をおくる主人公鹿野靖明氏の生活を描いたノンフィクションを元とし、映画用に脚色したこの小説は、2003年に初出、2013年に文庫化されました。

この作品を原作に映画「こんな夜更けにバナナかよ」が2018年に主役を大泉洋と高畑充希で制作されました。

世の中の常識では、自分のことがほとんどできない重度障害者は、専門病院や施設で生活するのが当然という慣例?がありますが、それに敢然と立ち向かい、家を出て、また医者から入院を勧められても断り、自ら介護ボランティアを募り、不自由ながら自立した生活を送っています。

介護ボランティアをしている医学生の恋人が、そのボランティアのためにデートの約束を何度もキャンセルすることに疑惑を感じ、彼氏がボランティアをしているという家にやってきたところ、そのまま彼氏と泊まりで介護をすることになります。

全身麻痺の患者はわがままで、ボランティアに対してあれこれ遠慮なく指示をしますが、深夜になってから「バナナを食べたいから買ってきて!」と頼まれ、理不尽な怒りを抱きながら街中を走り回って買ってきます。それがタイトルになっています。

そして、その後、フリーターとしてバイトする一方でボランティアとして活動しますが、やがては身障者の生き甲斐や人権に目覚めていきます。

しかし進行性ゆえ、徐々に弱っていく患者を看取ると同時に、あきらめていた学校教師の道へ進むことを患者から提案されたことで、その気になっていくボランティア女性の成長物語でもあります。

こうした試みが、他の多くの身障者やそれに関わるボランティアや家族が、穏やかな気持ちになれて、それぞれの夢や闘病のモチベーションに少しでもなるといいですね。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

人間の本性 (幻冬舎新書) 丹羽宇一郎

著者は伊藤忠商事社長、会長を経て日本郵政の役員、中国大使などを歴任され、あとは文化勲章だけといういわゆる上級国民の方で、この新書を読んでいてもちょっと上から目線での話しが目に付きます。ま、そういう立場が長いと、そうなりますよね。

でも人間的にはとても魅力ある方だと思います。私もこうした人と一緒に仕事がしてみたかったと思います。そうした人間的な魅力は大企業の経営者としては絶対に必要な素養でしょう。

タイトルの「人間の本性」について深く掘り下げたとはとても言えませんが、50年を超えるビジネスや国際交流の場で経験してきたこと、特に人間関係という話に重点が置かれています。

ま、タイトルは出版社の都合で「売れそうなタイトル」を編集者が付けるケースが多いですから、著者の本音が出るケースは少なそうですけどね。

「自分は仕事が楽しい」と何度も繰り返されていますが、いくら好きであっても、70過ぎても第一線の場で働くというのは、私は「百害あって一利なし」と思っています。周囲の若い人が迷惑に思うだけです。

自分はまだまだできると思っていて、さらに周囲からおだてられ、励まされ、求められというのが働くモチベーションとなっているのでしょうけど、それは、結局は若い人が成長する機会や場やお金を奪う行為で、本人は世のため人のためと思っていても、それは勝手な思い込みに過ぎません。

立派な人というのは、「Old soldiers never die, They simply fade away.」(老兵は死なず、単に消え去るのみ」が常に美しいあり方だと思っています。人の美学とでも言いましょうか。

高齢化社会と言われている今の日本では、そうしたシンプルにフェイドアウェーできる美しい老人が少なく、いつまでも第一線に立ちたがり、偉そうに自己主張を続け、晩節を汚しているのが私には理解できず良くないことに思えます。

2019年に池袋で起きたクルマの暴走死傷事故で、文化勲章までもらった元高級官僚の老人が、裁判では「事故はクルマの経年劣化による故障で自分は悪くない、無罪だ」と主張していて、被害者遺族弁護士が「クルマの経年劣化と主張しているが、ご自身の経年劣化は考えないのか」と、嘲笑気味に会見で言っていましたが、劣化した本人にはそれがわからず、しかもそれを忠告してくれる人が周囲にいない惨めで不幸な人ということでしょう。

この著者が経年劣化していると言っているのではなく、誰しも老化はあるもので、いくら人間ドックで健康体と言われても、何事も早めに後進達にすべてを委ねていくことこそ、一時代を築いてきた老人達の本当の役目ではないかなと思っています。

私が「人間の本性」というタイトルで文章を書くとすると、そうした「俺が!俺が!」の老人達の見苦しい老い方をテーマにするだろうなぁと感じました。

★★☆

【関連リンク】
 12月前半の読書 呪われた町、傘をもたない蟻たちは、2025年東京不動産大暴落、殺人犯はそこにいる
 11月後半の読書 砂の王国(上)(下)、おとなの教養2、晩秋の陰画、ダブル・イニシャル
 11月前半の読書 顔を忘れるフツーの人、瞬時に覚える一流の人、緑衣の女、微笑む人、陰翳礼讃




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1495
外国の国名には、日本で知られている読み方と全然違っていることがよくあります。

例えば、オランダは正式名は「Nederland」で、日本語読みすれば「ネザーランド」でしょうし、イギリスは「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(略称UK)」です。その正式な国名のどこにもオランダやイギリスに近い発音は入っていません。



上はオランダ大使館の入り口にある標識ですが、上からオランダ語、日本語、英語の順番で公式の国名が書かれています。

日本でオランダという名前になった由来は、織田信長が活躍していた戦国時代に、はるばるやってきたポルトガル人宣教師が、当時のオランダのことをポルトガル語で「Holanda」(ホラント)と呼んでいたことから始まるそうです。

なので、日本においては、「ネザーランド」のことを「オランダ」という発音で500年ぐらいの歴史があると言うことになります。

オランダ政府も、そのような昔から、日本に「オランダ」という国名が定着していることから、現在のところその呼び方を変更することは求めていないそうです。

イギリスの国名も、オランダと同様で、最初は戦国時代にポルトガル宣教師からイングランドのポルトガル語「「Inglez(イングレス)」と伝わり、さらに江戸時代にはオランダ人から、オランダ語の「Engelsch(エングルシュ)」を語源とする「エゲレス」という国名が定着しました。

オリンピック競技を見ていて、そこに表示される正式国名のしかもその略称などが表示されますが、どこの国?とか思ってしまいます。

困ったことに、国名というのは結構変わりますので、その都度、教科書の記載を変更していたら、日本人の中でも同じ国のことを話ししていても、60代と30代と10代では違う国の話し?って感じになってしまいそうです。

我々世代が習ったころにはビルマでも今はミャンマーですし、セイロンはスリランカ、1997年にザイールはコンゴ共和国へ、マケドニア共和国は2019年から北マケドニア共和国となっています。

国名は同じでもその発音を現地語読みにするか、英語読みにするかでガラッと変わってしまうこともあります。

有名なのは旧ソ連邦域にあり、ロシア語読みだった「グルジア」から、2015年以降は英語読みの「ジョージア」に変わった国名がありました。元大関の力士栃ノ心がその国の出身で有名になりましたね。

次に、国名にも戦争や紛争など政治的、支配関係の理由で変わったり、あるいは他国の呼び方が蔑称とされたりして使えなくなる例もあります。

オランダは以前にDutch(ダッチ)と呼ばれていたことがありますが、これは一時期オランダがドイツに支配されていた頃、ドイツ語で「ドイツ(領)」という意味で呼ばれていたことからきていますが、その支配が終わってからは、蔑称として以外では使われなくなります。

日本では今でも支那という呼び方があります。現在では中国に対する差別語になってしまうようですが、今でも「支那そば」や「南シナ海」など普通に使われています。

流行歌「支那の夜」は戦前のもので仕方ありませんが、放送禁止や発禁になったとは聞きません(一応、中国大使館からのクレームもあり放送自粛はしているそうです)。

SNSで、美味しかったラーメンの情報を書こうとして、店名が「支那そば屋○○」だと、ATOKなど漢字変換システムでは差別語としてなのか漢字変換がされず(漢字登録がされていない)入力に困ることがあります。

もし公然と使っちゃいけない漢字なら、そうした店名や商品名にも使っちゃダメでしょう。でも使われていると言うことは、禁止されている訳でもなさそうです。

ちょっとATOKで調べると差別用語と言われる「気違い」は漢字変換されませんが、同じく差別用語「乞食」は変換されます。どちらも放送禁止用語でもありますが、漢字変換システムはどういう基準なのでしょうかね?

アメリカの蔑称として使われていて、日本ではまた別の意味にもなっている「ヤンキー」は、そのアメリカの国民的スポーツ、メジャーリーグの金満球団が公式に球団名として使っていたりして、よくわかりません。国名ではありませんが、メジャーでもうひとつ先住民に対する蔑称とされる名称を使っている「クリーブランド・インディアンス」は来期以降変更されます。

仕事で香港に少しいた頃、日本語という意味で「JAP」と書いてあった書類があり、ちょっと気になって現地社員に聞いたことがあります。

日本人ならたぶんそういう使い方はしないと思いますが、現地の人は蔑称という認識ではなく、通常のJAPANの省略形「JPN」よりも感覚的にわかりやすかったことのようです。

探せば国名の雑学はいくらでも出てきそうですが、今回はこんなところで。

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