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1448
海外特派員(原題:Foreign Correspondent)1940年アメリカ
監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演者 ジョエル・マクリー、ラレイン・デイ

お馴染みアルフレッド・ヒッチコック監督映画はどの作品を見ても外れがないです。映画がアメリカで公開されたのは1940年で、その前年にドイツがポーランド侵攻を開始しています。

アメリカは当時まだ参戦していませんが、欧州では第二次世界大戦が始まっています。そんな戦争直前の映画ですから、日本での上映は戦後ずっと経ってからの1976年です。

そんなキナ臭いヨーロッパを舞台にした大戦前夜の謀略とミステリーが重なったシリアスなサスペンス映画です。ヒッチコックと言えばホラーやスリラーですが、暗殺されたはずの要人が実は生きているというように、その要素もちゃんと入っています。

主人公はタイトル通り、アメリカから英国へ厄介払いのように飛ばされた新聞社勤務の自称海外特派員です。

舞台は英国内だけに収まらず、ギリギリまで平和交渉がおこなわれていたオランダへ移り、言葉が通じない中で事件に巻き込まれ奮闘します。

緊迫したリアルなヨーロッパの姿がそのまま映画になっていて、その中に引き込まれてしまいました。

もちろん監督のカメオ出演もあります。実はその瞬間をなぜか見逃してしまったので、あとで調べてその箇所を再度見ると、これは見逃すはずがない!というシーンでした。主人公にあまりにも感情移入していて、その脇を通り過ぎる人にまで目に入ってこなかったというのは言い訳です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

黄金狂時代 (原題:The Gold Rush) 1925年米
監督・主演:チャールズ・チャップリン 出演者:ジョージア・ヘイル

チャップリン制作の初めての長編映画で、1925年の公開当時は完全な無声映画だったそうで、その後、声の代わりとしてキャプチャーが入るようになりました。

驚くことに、当時はアメリカとはまだ仲がよく、この映画も同年に日本で公開されています。チャップリンが初来日したのは、「街の灯」(1931年)の翌年1932年(昭和7年)のことです。

この映画がアメリカで公開された1925年と言えば、日本ではNHKの前身東京放送局が初めてラジオ放送を開始し、娯楽の王様だった映画界では溝口健二監督、阪東妻三郎、嵐寛寿郎、大河内傳次郎などが活躍していた頃です。

アラスカを想像させる雪山へやってきた探検家がチャップリンで、そこでは金を掘りにやってきた人達で賑わっています。

吹雪に遭い、なんとか粗末な山小屋にたどり着いた探検家と、指名手配中の悪人、そして金鉱を発見したと思ったら、悪党に頭を殴られて記憶をなくした大男、そして街に暮らしている若くて綺麗な女性などで物語は展開していきます。

吹雪の中で山小屋に閉じ込められ、食べるものもなく、自分靴をゆでて食べるシーンや、悪人があまりにもお腹が減って、探検家がダチョウに見えて襲おうと追いかけ回すシーンとか何度見ても抱腹絶倒です。

この映画を最初に見たのは、中学生の頃ですから50年ほど前です。何度目かのリバイバル上映で、ちゃんとした映画館で見たことを思い出します。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

殺人狂時代(原題:Monsieur Verdoux) 1947年 米
監督・脚本・主演チャールズ・チャップリン

制作されたのは太平洋戦争が終わった2年後で、まだ世界は戦後の混乱の最中でしたが、戦勝国アメリカは、自信と栄光を手にして浮かれている頃です。

監督・主演映画のほとんどは戦前・戦中に作られたもので、戦後になってからの作品は、「ライムライト」などわずか3本しかなく、これはそのうちの1本で貴重な作品です。

この映画を最初に見たのは、1972年のリバイバル上映の「モダンタイムス」を皮切りにして、チャップリン映画が大ヒットを続け、「独裁者」「街の灯」などとともにリバイバル上映された時でした。

今回、テレビ放映を録画し、内容はうろ覚えで知っているものの、十分楽しめました。

この作品はコミカルさはほとんどなく、社会の問題点を衝くリアリティとシリアルさが際立っています。それだけにチャップリン映画としての評価は大きく分かれるところです。

それまでのチャップリンのトレードマークだった山高帽にステッキとダボダボズボンなどはありませんし、顔も素顔に近い状態で、飄々とした冷酷な殺人鬼を演じています。

こうした作品が当時の戦争に大勝し浮かれた熱狂的な保守層からバッシングをうけ、やがてアメリカを去ることになります。

個人的には、コミカル路線の映画も好きですが、こうした社会の断面を切り取り、浮かれている世の中に警告を与える真面目な映画のほうが好きです。

★★★


 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

真珠の耳飾りの少女 原題:Girl with a Pearl Earring) 2003年イギリス・ルクセンブルク合作
監督 ピーター・ウェーバー 出演者 スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース

一度見たら忘れない印象深いヨハネス・フェルメールの絵画「真珠の耳飾りの少女」をテーマにした美しい映画で、主人公はその画家と、その家で女中として働きながらモデルになった女性です。

ストーリーの原作は歴史小説が得意なトレイシー・シュヴァリエの小説で、史実を元にしているとかではなく、あくまで想像の産物のようです。

絵画の少女によく似た、スカーレット・ヨハンソンの(作られた)初々しさがとても良い作品です。

意味不明の行動や感情の動きが謎ではありますが。

フェルメール(1632~1675年)はオランダ(当時はネーデルラント)出身の画家でバロック絵画の代表的な存在です。また光と影をうまく取り入れ「光の魔術師」と言われています。

この作品はバロック調とは言え宗教色はまったくありません。

家が貧しく女中に出された主人公の少女は、一風変わった主人のアトリエ部屋の掃除をすることで、主人に気に入られ、仕事の合間にモデルをすることになります。

なので、絵画に描写された服装が、きらびやかなドレスとかではなく、地味な作業服で頭巾をかぶった姿となっているのですね。

光と影の設定も窓の開け閉めなどを通じてよく説明されています。

ただその姿に相応しくない、真珠のピアスについての説明も理にかなった設定で、史実?かと思ってしまいそうです。

絵画好きなら、当時の画家の生活などがよくわかって、楽しめそうです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

お早よう 1959年 松竹
監督:小津安二郎 出演者:佐田啓二、久我美子、笠智衆、杉村春子

60年前の古い映画で、私のような中高年者には、「ALWAYS 三丁目の夕日」のようにCGで表現されたちょっと無理ある風景ではなく、当時の本物の風景があちらこちらに出てきて感涙ものです。

私の場合は、この映画が作られたときはまだ赤ちゃんでしたからこの時代のことはほとんど記憶にないですが、団塊世代以上には、よく目にした光景でしょう。私の子供の頃にもまだその名残がいっぱい残っていました。

その団塊世代と思われる子供たちが映画の中でも、親に対して「テレビ買ってくれよー買ってくれよ~!」と大騒ぎして大人達を困らせます。

ちょうど高度成長期が始まろうとしていた、日本がいろいろと社会的矛盾は抱えていたものの、暗い戦争時代から脱却出来、希望にあふれていた時代です。

淡々とサラリーマン一家の日常が描かれているだけの映画ですが、パリッとしたスーツを着て通勤する都会の郊外のこうした新しい生活が、当時としてはまだ多かった地方での第一次産業で働く人が見ると、憧れに近いものがあったのでしょう。

地方から続々と都会にやってくる集団就職はこの映画の数年後、1960年代から本格的に始まります。

★★☆


【関連リンク】
2020年3~4月 翔んで埼玉(日 2019年)、影の軍隊(仏 1969年)、タバコロード(米 1941年)、デューン/砂の惑星(米 1984年)、海よりもまだ深く(日 2016年)、ベニスに死す(仏・伊 1971年)

2020年1~2月 ペイルライダー(1985年)、アラバマ物語(1962年)、マスカレード・ホテル(2019年)、 疾風ロンド(2016年)、ブラジルから来た少年(1978年)

2019年11~12月 億男(2018年)、バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年)、マーニー(1964年)、赤ひげ (1965年)

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1447
はい、何度か書いてきましたが、6月で会社から完全に身を引いて晴れて自由人となりました。

22歳で社会人となって、現在62歳で引退し、合計41年間、身を粉にして働きました。

本来なら、いまから7年ほど前の55歳でアーリーリタイアを目指していましたが、20代の半ばで作った長期計画など、そううまくいくはずもなく、結局今になりました。

もう稼ぐための労働は十分してきたのと、惜しまれて新たな仕事を頼まれることもないでしょうから、仕事やビジネスマン生活にまったく未練はありません。

よく定年後に環境がガラッと変わることにより、鬱になったり、引きこもりになったりすることがあると聞きますが、元々ここ10年ぐらいは働き蜂ではなく、自由奔放に生きてきたので、そうした心配は無用です。

誰でもそうだと思いますが、思えばこの40年間、紆余曲折が何度かありました。

最大のネガティブな出来事は、今からちょうど20年前、42歳の時、スカウトされて転職した先が3年も経たずして、私の知らなかった不良債権が見つかり会社全体が業績不振に陥り、中年の中途入社組として何人か一緒にまとめてリストラされたことです。

私の力不足もありましたが、手のひらを返すような扱いで、生存競争の厳しさを思い知りました。その会社は上場企業でしたが、自力では再建出来ず、私の退職後1年ほどで身売りされました。

そのリストラで無職の時に、暇に飽かせて作ったのがこの「リストラ天国」です。

その会社を退職してから3ヶ月目に、日々の生活費や住宅ローン支払いに焦って、あまり考えず入社した会社はまったく合わずにすぐ退職する羽目となります。この頃は先が見えず、毎日なにをやってんだろうと悶々とする地獄の日々でした。

しかし捨てる神あれば救う神もあり、そこを退職後すぐに人材紹介会社から連絡があり、過去の仕事の経験を生かせるIT系の全社員15名ほどのベンチャー企業に拾われ、そこがうまく時流に乗り、成長と合併を繰り返しながらみるみる大きくなり、やがて上場を果たすまでに成長しました。

入社したのが中途とは言え、まだ社員数も少数の時だったので、企業の成長と共に待遇も上がり、一時期の地獄の日々からすると、天国に引っ越ししたようなものです。まるで芥川龍之介の「蜘蛛の糸」です。

まったく人の運とかツキというのはわからないものです。

教訓としては、悪いことだけをクローズアップして悩まず腐らず落ち込まず、淡々と平然と、毎日できることをやっていれば、きっといつかは報われるものだな~とその時身をもって感じました。

40年も仕事をしていれば、誰だって不調の時や、病気で長期離脱する時、勤務先の倒産や人員整理、家族との不和など様々なネガティブなことが身近で起きます。それも個別に来るのではなく、得てして同時多発的にやってくるのです。

短期的に見ると、嫌なこと腹が立つことがいっぱいあり、時には絶望感でいっぱいになりますが、中・長期的にみれば、「いまはアイドリング状態なのだ」「今はひたすら流して耐えるとき」と自分に言い聞かせることで、ストレスや怒りや肩の力が抜けて楽になります。そう簡単ではないですけどね。

さて、今後はなにをする?

知人からは「なにもしないとすぐにボケるぞ!」とか、「1ヶ月もすれば暇に飽きて働きたくなる」とか言われていますが、今のところは「リタイア後にやりたいことリスト」が埋まっている状態で、ひとつずつゆっくりと実践していき、同時に新しく「やりたいことリスト」を加えていくこともして、残りの自由人生活を楽しみたいと思っています。

かと言って引退後のお金がたっぷりあるわけではなく、さらに年金受給はまだ半年以上先なので、「やりたいことリスト」のほとんどは、お金がかからないものばかりで、その中にはこのブログを続けていくことも含まれています。

【関連リンク】
1397 早期退職はありかなしか
1394 あと半年に迫ったリタイア準備
1375 ハッピー・リタイアメントに向けて

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1446
あなたの人生、片づけます (双葉文庫) 垣谷美雨

連作短編のこの小説は、2013年に単行本、2016年に文庫化されています。この著者の作品は最近「老後の資金がありません」を読んでいます。

2020年4月後半の読書と感想、書評「老後の資金がありません」

タイトルだけ見ると、伊坂幸太郎著の「死神の精度」的な死神小説か?それとも、コミカルなローレンス・ブロック著の「殺し屋ケラーシリーズ」か?って思ってしまいそうですが、全然違っていて、部屋の片付けができない人の、心を変えることで生き方と整理整頓を勧めていくという、ほのぼのとした心の断捨離小説です。

確かにゴミ屋敷や汚部屋に代表される、部屋を片づけられない、逆によそのゴミまで集めて持って帰る人って、いくら物の道理を話しして「ゴミは捨てましょう」と言っても「ハイそうですね」とはなりません。

結局は心の問題で、それを解決しないことには、そうした片づけられない習慣は繰り返すだけでしょう。それだけに抱えている闇のプライベートに入っていかなければならず、難しい問題です。

そういう仕事には、この小説の主人公のような、どこにでもいるおばちゃんタイプが良さそうで、依頼された場所へズカズカと入り込み、部屋の持ち主の前でチッと平気で毒づき、大きくため息を漏らすという普通の反応が面白いです。

短編は「ケース1 清算」「ケース2 木魚堂」「ケース3 豪商の館」「ケース4 きれいすぎる部屋」の4編で、それぞれに、「社内不倫に疲れた30代OL」、「妻に先立たれた職人気質の老人」、「子供に見捨てられた資産家老女」、「謎の一部屋だけ綺麗に片づいた部屋がある主婦」の心の中に分け入って変化をもたらせることで、解決していきます。

部屋の片づけ方の手法をいくら教えても改善しないであろう場合(本書では重症)、そうした心の問題を解決していかなくてはならないということがよくわかる小説です。

夏場になって臭いがたまらなくなるゴミ屋敷などの相談が持ち込まれることが多い役所の福祉関係者にもぜひ読んでいただきたいです。

★★☆

著者別読書感想(垣谷美雨)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

羊と鋼の森 (文春文庫) 宮下奈都

2015年に単行本、2018年に文庫化された小説で、2016年の本屋大賞で大賞を受賞しています。また2018年には橋本光二郎監督、山﨑賢人、鈴木亮平などの出演で映画が制作され公開されました。

著者の作品は、昨年「遠くの声に耳を澄ませて」を読んでいますので、今回が2作品目です。

2019年6月後半の読書と感想、書評「遠くの声に耳を澄ませて」

タイトルからは内容が想像出来ませんでしたが、ピアノの調律師の話です。ピアノ調律師と羊?鋼(ハガネ)?というのは、やっぱり小説を読んで理解してください(意地悪)。

北海道の地方都市の高校生が、試験の後にひとり教室に残っていたため、先生から「学校を訪ねてくる調律師を体育館へ案内してくれ」と頼まれます。

調律師がグランドピアノのフタを開け、調律を始めますが、ピアノの精緻な構造を見て感動し、また調律師の仕事を間近に見て、自分にはこれしかないと、調律師を目指します。

そう、一人の若い男性の成長物語です。こりゃアイドル映画にはもってこいですね。

小説は、普段馴染みのない調律師の現実と理想の世界を浮かび上がらせて、三浦しをんさんがお得意とする「お仕事小説」とも言えます。別に著者はそういうつもりで書いたわけではないでしょうけど。

ピアノ調律師の需要は、家庭へのピアノ普及率に大きく影響するでしょうけど、少子化ゆえ、今後仕事が拡大していくという想像はできず、逆に厳しくなっていく状況のような気がしますが、これを読んで、調律師を目指してみよう!という若者が出てくればそれはそれでいいなと思います。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学 (朝日新書) 木村誠

教育書籍の学研出身の著者は、多くの教育関連本を出している教育ジャーナリストさんです。この新書は、2017年の発刊です。

タイトルは衝撃的で、これは釣りタイトルか?というと、「2011年 新聞・テレビ消滅」のような、まったく根拠なき釣りタイトルではなく、そこそこ現実的な問題となってきています。

少子化で子供の数が減ってきているのに、大学の新設や既存大学の定員増員など、多少進学率が上がったとしても、既に大学は飽和状態にあります。

特に学費が高騰しているのに反して、所得が上がらない人が増え、所得格差も拡がっていることで、一部の富裕層以外は子供を進学させたくてもできないという現実もあります。

奨学金という名の学生ローンは、アメリカの例を出すまでもなく、卒業と同時に返済が大きな負担となり、就職に失敗したり、就職先の業績が不安定だったりすると、もう即座に返済が滞ります。

そして有名な国立大学、学費が安い公立大学、ブランド化している私立大学、若者が好きな場所に立地している大学などに人気が集中し、郊外や地方の立地で、特段特徴のない大学はすでに定員割れをしています。

何年も定員割れが続くと、良い教員をジックリ育てたり、スカウトして雇うだけの資金はなく、良い教員がいないと、研究も進まず国からの補助金も減らされ、やがては行き詰まることになってしまいます。

そうした大学の実情を、国立大学、私立大学、地方大学などごとに分析データとともに危ない大学、安心な大学が読めばわかるようになっています。

しかし今回この本で地方にもキラリと光る人気校などがあることを知りました。地方の大学って情報はほとんど入ってこないので、校名すら知らないところがたくさんありました。

それにしても、学校の関係者は、相当な努力をされているのでしょう。日本は資産となるもの少なく、高度な教育ぐらいしか子供達に残せないので、逆風の中でも頑張ってもらいたいものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

無私の日本人 (文春文庫) 磯田道史

映画で有名になった「武士の家計簿」などの著書がある磯田氏は、今やテレビの歴史番組の解説者として欠かせないキャラクターとなっているユニークな学者先生です。

私も毎週欠かさずNHK BSの「英雄たちの選択」を録画して楽しく見ています。それにしても、古代天皇から、昭和時代まで、どうしてそんなに詳しいの?と思えるぐらい博学で、しかもテレビに向いた雄弁な方です。

この著作は、実話を元にして、様々な古い資料から3人のそれぞれの生き方をとりあげています。小説でもなく、ドキュメンタリーでもなく、ノンフィクション的な、あり知名度はないけれど、江戸時代から幕末、明治初期に生きた、無名に近い偉大な3人の歴史実話物語です。

その3人とは、「穀田屋十三郎」「中根東里」「大田垣蓮月」で、よほどの歴史研究家、江戸時代の詩人、和歌の研究家でなければ、まず知られていないでしょう。私もまったく知らなかった人々です。

内容は、いずれもめちゃ面白くしかも感動する内容で、これはクドクド書くよりも、まず読んでいただくとして、その中の「穀田屋十三郎」は、2016年に中村義洋監督、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡などの出演で「殿、利息でござる!」というタイトルで映画化されています。さらにこの映画には仙台つながりなのかスケーターの羽生結弦が最後にちょい役で出演しているそうです。

江戸時代にこうした英雄でもなんでもないけれど、控えめで奥ゆかしく、成果をひけらかすこともなく、欲はなく、貧しくても人のために身体を張った人がいるのだということがわかります。

お金(税金)を集めて、自分のためにばらまくのが仕事だと思っている今の政治家さんにはぜひ読んでもらいたい書籍です。

そして偉人や英雄伝には決して出てこないけれど、素晴らしい市井の隠れた英雄達を取り上げてくれる著者には感謝しかありません。

★★★

【関連リンク】
 6月前半の読書 愛なんて嘘、定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方、儚い羊たちの祝宴、真鍮の評決
 5月後半の読書 東京バンドワゴン、再会、怒らない技術、ブラックボックス
 5月前半の読書 レイトショー(上)(下)、クラウド・ナイン、メゾン・ド・ポリス、まほろ駅前狂騒曲、孤独のチカラ

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1445

日本のフリーランスについて少し調べたので書いておきます。元データは、昨年2019年に内閣府政策統括官(経済財政分析担当)から報告された資料からです。

一般的に個人事業主の「自営業主(雇人なし)」とは、医師や弁護士、税理士などの「士業」、小売店や農林漁業、製造業などの「伝統的自営」、そしてコンサルタントや保健代理人、プログラマーなどのフリーランスの「雇用的自営業」の3種類に分類されています。

その「自営業主(雇人なし)の数」は総数で1985年は682万人いたところ、年々下がってきて2015年は396万人まで減ってきています。その中で大きく減らしているのは「小売・卸売主」と「農林漁業」です。

逆に1980年代以降、いわゆる「フリーランス」と言われる「雇用的自営業等」が増え始め、インターネットが普及してきた2000年以降に急速に増え、2015年には自営業主の中の約41%(164万人)を占めるに至りました。

また本業とは別に副業としてフリーランスとして働く人もこれとは別に150万名ほどいると想定されていて、フリーランスが本業の人と合わせると310万名を超えていることになります。

上記は公的機関の調査ですが、民間のリクルートワークス調査(2018年)では「就業形態が自営業主(雇人なし)もしくは内職 実店舗を持たない」労働者は本業にしている人が300万人、副業が140万人、計440万人という調査もあります。

同じく民間のランサーズ調査(2019年)では、副業系すきまワーカー434万人、複業系パラレルワーカー281万人、自由業系フリーワーカー60万人、自営業系独立オーナー312万人の計1090万人というデータもありますす。

ま、ランサーズは、フリーランスを登録してビジネスを展開している会社ですから、大きく言いたいのもわかりますが、1千万人とはまた大きく出たものです。勤労者の6人にひとりは副業含むフリーランスってことになります。

これは調査対象が微妙に違うのと、兼業、副業、すきまワーカーの基準や範囲が違うのかなという気がします。例えばメルカリで不要品を売って千円稼いだ!ってのも含めるとそれぐらいの数にはなりそうです。

それはともかく、国内の就業者数のうち雇用者は約6000万人ですから、公的調査数でおよそ5%(20人にひとり)がフリーランスと言っても良いでしょう(兼業含む)。

フリーランサーとして働く人が多そうなアメリカでもおよそ7%ですので、まだ追いついてはいませんが、かなり近づいてきています。

最近、ようやく日本の企業でも兼業禁止規則が緩和されたり、撤廃される方向にあります。そうしたことが、副業としてフリーランス的働き方をする人が増えてきたようです。公務員はまだ原則副業禁止ですが、それも営利目的以外の副業は除外されるなど徐々に弱まってきているようです。

雇用者(サラリーマン)からフリーランスになるきっかけは、

1)会社倒産・事業所閉鎖
2)事業不振・不安
3)人員整理・勧奨退職
4)自分に向かない
5)病気・高齢
ですが、男女で違いがあり、女性の場合は、
1)結婚
2)出産・育児
3)定年

などとなっています。

意外と「倒産」とか「人員整理」とか「病気」とか、後ろ向き?のきっかけが多い気がします。

フリーランスの働き方をしている人の年齢は、平均年齢で51歳前後で、男女比は男性が6割、女性が4割です。

フリーランスというと、20代から30代の若々しいイメージがありましたが、ちょっと意外な感じです。これもまた上記の後ろ向きのきっかけが主因なのかも知れません。

副業と言えば、ここのところクルマで走ると、ウーバーイーツの黒いバッグを背負って自転車で走っている人をあちこちで見かけるようになりました。

以前なら食事の配達と言えばピザの配達バイク、中華や鮨屋の出前ぐらいしかありませんでしたが、コロナ騒動で、背に腹は代えられず出前文化も大きく変えてしまったようです。

そうした社会が大きく変化するときに、働き方や社会システムも一気に変わっていくものです。

ってもう働かなくなる私が言うのもなんですけど、なにか楽しみではあります。

【関連リンク】
1439 耐え忍べるかフリーランス
1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方

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1444
ちょうど今は3月末決算企業の定時株主総会(以下総会)が開催されている集中期にあたります。

私が社会人になった1980年は、ほとんどの企業が、総会を円満に終わらせるため、総会屋を避けるために総会日を合わせ、結果的には一般株主もどこか1社にしか総会に参加できないという無茶苦茶な時代でした。

1982年に改正された商法が施行され、大きく総会の形が変わってきましたが、それでも企業側は反社の影に怯え、裏では総会屋とつながり、総会の集中日も相変わらず継続していました。

その総会集中日は2000年頃から緩やかに(開催日が集中しなく)なってきました。

警察の総会屋への締め付けが厳しくなってきたことや、上場企業にベンチャー企業など、過去から総会屋など反社会勢力とのしがらみとは縁のない企業が増えてきたこともあるでしょう。

総会が集中する日に総会をおこなう企業数を3月決算の上場企業全体の数で割った割合を「集中率」と言いますが、もっとも集中率が高かったのは1990年代後半頃で95%もありました。

仮に3月末決算の上場企業が2000社あればそのうち1900社が、同じ日に総会を開いているのですから異常ですね。それにしてもよく会場が確保できたものです。

その過去90%を超えていた集中日は、ここ直近5年間は30%前後と大きく下がっています。

定時株主総会集中率

2016年 32.2%
2017年 29.6%
2018年 31.0%
2019年 30.9%
2020年 32.3%

今年2020年の最集中日は6月26日(金)で、3月決算上場企業のうち総会日程が決定公表している2094社の中で677社がこの日に開催されます。

下記は今年2020年の3月末決算企業の総会開催日のグラフです。横棒が長い方が企業が集中しています。6月8日以前、7月1日以降の開催日は少数なのでグラフからカットしています。



6月26日に次いで多いのは前日の6月25日(木)で474社、その次は6月24日(水)で279社の開催となっています。この3日間で、68%を占めています。

3月決算企業の総会開催日を調べていて、いくつか気がついたことを書いておきます。

・一番早い開催は株式会社スクロールの5月29日
・一番遅い開催は株式会社フォーバルの8月12日
・開催日未定はNTTドコモや東芝など21社(6月5日時点)

今年はコロナウイルスの影響で、「(法律上)総会は開催はするけれども、来ないで欲しい」という要望が多くみられ、今まで一般株主を数多く集めるために、お土産を出していたところも、それを中止したり、別会場で映像を見るという形態に変わったりしています。

来年以降は、それに加えて、ネット上でリアルタイムに議決権行使もできるようになるのかも知れません。別に準備期間さえあれば難しいことではありません。

ネットなど糞食らえ!という高齢の株主が現在はまだ多そうなので、一気に全面的に移行するのは無理でしょうけど。

今年の総会では、コロナの影響を受けて業績が落ち込むところや、今期の計画についても抑制しがちで、株主にとっては精神上よろしくない状態のところが多いでしょう。

しかしこればかりは、経営の責任と言うより、災害ですから、今回の総会はそういう言い訳で切り抜けられたとしても、今期はどのように再生し成長させるのかが経営に問われる珍しい総会になりそうです。

【関連リンク】
1441 コロナ後の日本の行くべき道は
1407 2020年はまたもリストラが大ブームに?



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紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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