リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
|
1442
愛なんて嘘 白石一文 定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方 杉山由美子 儚い羊たちの祝宴 米澤穂信 真鍮の評決 リンカーン弁護士(上)(下) マイクル・コナリー |
愛なんて嘘(新潮文庫)
2014年に単行本、2017年に文庫化された短編集で、「夜を想う人」「二人のプール」「河底の人」「わたしのリッチ」「傷痕」「星と泥棒」の6編からなります。
著者の作品は好きで、これが19冊目になります。初期の作品、「一瞬の光」「不自由な心」「僕のなかの壊れていない部分」などが新鮮に感じて次々読んできましたが、2009年に直木賞を受賞後はあまり読まなくなってしまいました。
いずれも若い女性を主人公にした物語で、こうした小説は主として女性作家さんが得意とするところですが、中年男性が書く若い女性の心理描写は、私の既成概念が邪魔するのか、やや不自然で、理解不能な行動もあり、そうした意外性が狙いなのかもと思いつつ、私には違和感がつのりました。
タイトル通り、いずれも現状の恋愛や結婚生活を望まなく、平和な家庭を平気に捨てて昔の彼氏だったり、直感でこの人と思える相手のところへ行ってしまうような情熱的で行動的な女性を主人公にしています。
ま、古い女性観を男性自らが打ち破るという側面は小説としては悪くはないでしょうけど、現実的にはありそうもないことが多く、シンデレラシンドロームじゃないけど、現状に不満だらけの夢見る乙女に向けた小説?という気がしてなりません。
あまりにもリアルな事情を知ってきた中年男性が読むと、どうにも複雑な感情を持ってしまいそうです。
★☆☆
◇著者別読書感想(白石一文)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方 (朝日新書)
著者はすでに来年には古希になられる1951年生まれのフリーランスライターの方で、若いときには雑誌の編集とかをおこなっていたとのことです。
この新書は、2014年に発刊されたもので、基本は定年後に生き生きと働いている方に取材をし、その生き方や、定年後に働く考え方などをまとめたものです。
ただこの新書に出てくる定年を迎えた人は、「猛烈働き蜂」「仕事が生きがい」「現役時代の仕事の延長」「難関な資格を楽々ゲット」などちょっと特殊な方々の例ばかりで、私のような凡庸な人にはさっぱり参考にはなりません。もっともそうした特殊な人の話しでないとインタビュー記事は書けないでしょうからね。
この本を読むと、「このままなにもしないで定年を迎えるのは悪なのか?」と自己嫌悪に陥りそうですが、もちろんそんなことはなく、勢古浩爾著の「定年後のリアル」にあるように、「なにもしない定年後」を送っている人が大部分ではないかなと自分に言い聞かせています。
なにか定年後や老後も「生き生きとして働く」というのが世の中の常識と言う人が多くなりましたが、私は逆に、昔から日本には「隠居」という風習があるように、決して表には立たず、目立たず、仕事は若い者にまかせて、ひっそりと静かに生きるというのが一番良いと思っています。
この新書に登場する高齢者の多くは企業に長年勤め、年金もたっぷりある方々です。日々の生活のために働かざるを得ないと言う人は出てきません。
どうして、そういう高齢者が、大きな顔をして、若い人の仕事を奪ってまで、年金に加えて、生き生きと働かなければならないのでしょうか。そこのところが、わからないので、この新書に書かれている「生き生きと働く」ことを肯定ができません。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)
2008年に単行本、2011年に文庫化された短編集です。短編のタイトルはそれぞれ「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」で、いずれも名門家の令嬢ばかりが通う女子大学の読書クラブ「バベルの会」が共通して関わってきます。と言っても連作スタイルではありません。
一応、ミステリー小説ですが、一部はホラー小説とも言えるようなブラックユーモア(と言ってもまず笑えませんが)的要素も含まれます。
その中で面白いと思ったのは「山荘秘聞」で、誰も客が来ない別荘の管理を任されていた女性が、近くの山で事故に遭った瀕死の登山家を助け、別荘で看病しますが、その動けない登山家を別荘で軟禁し、遭難した登山家を救助するためにやってくる捜索隊を別荘の客として迎えることに管理人として満足を得ます。
なんだかスティーヴン・キング著の小説で映画も大ヒットした「ミザリー」を思い出しましたが、この作品が一番上記に書いた「バベルの会」とはほとんど関係がなく、無理矢理その話しに向かわせなかったことが好感を持ったのかも知れません。著者の狙いとは違うかも知れませんが。
著者の作品は過去にまだ4作品しか読んでいませんが、いずれも長編作品でしたので、短編の実力もよくわかりました。でもやっぱり「折れた竜骨」のような、壮大な長編が読んでいて楽しいです。
★★☆
◇著者別読書感想(米澤穂信)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
真鍮の評決 リンカーン弁護士(上)(下) (講談社文庫)
原題は「The Brass Verdict」で2008年発刊され、日本では翻訳版が2012年に刊行されています。サブタイトルにあるとおり、「リンカーン弁護士
お約束通りの法廷ドラマですが、第1作目の事件で主人公の弁護士は拳銃で撃たれ、その治療のために投与された薬物で中毒になり、この作品でようやく復帰を果たす設定となっています。
弁護士が主人公というと、対する検事が悪役と相場が決まっていますが、昔の裁判で相対した検事が、今は同じ弁護士仲間としてやっていたところ、その弁護士が銃撃を受けて亡くなり、その仕事を引き継ぐことになります。
その亡くなった弁護士の捜査をしているのが著者のライフワークとなっているボッシュ刑事で、主人公の弁護士とは仕事柄、水と油の関係ながら、なにかお互いに引きつけるところがあります。そのなぜかは、最後に判明することになり、事件の解決とは直接関係はないもののここでは秘密です。
私がボッシュ刑事と出会ったのは、今から28年前の1992年のことで、書店でフラッと買った「ナイトホークス」からです。
その時は、ベトナム戦争で方々に掘られた地下道の穴に潜り込んでベトコンゲリラを抹殺する仕事をやっていて、帰国後に警察官になってもそのトラウマが抜けず、また生きるために風俗で働いていた母親が何者かに殺されるという過去を持った影のある刑事でした。
それが、今や、定年後も引き続きロス市警に残って殺人課の刑事を務めている老練の静かな刑事です。
ということで、コナリーファンにとっては、著者が創りだした二人の登場人物の魅力をたっぷり味わえる一粒で二度美味しい小説です。
★★★
◇著者別読書感想(マイクル・コナリー)
【関連リンク】
5月後半の読書 東京バンドワゴン、再会、怒らない技術、ブラックボックス
5月前半の読書 レイトショー(上)(下)、クラウド・ナイン、メゾン・ド・ポリス、まほろ駅前狂騒曲、孤独のチカラ
4月後半の読書 火刑法廷、老後の資金がありません、聞く力 心をひらく35のヒント、仮面病棟
[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR
日本大震災が起きた2011年以降、小説のストーリーの中に、震災や、その後の原発事故をモチーフにした作品が数多くありました。
震災のことを書いたノンフィクションも「遺体 震災、津波の果てに」や「津波の霊たち 3.11 死と生の物語」など数多くありますが、今回は小説だけ紹介しておきます。
あの震災で起きた壮絶な悲劇は、より近くで被災した作家さん自らが書く小説にリアリティが感じられます。
震災後に書かれた小説の中で、震災や原発事故に触れたものをざっと思い出すと下記の7冊になります。
星月夜 2月前半の読書 2013/2/20(水)
小説・震災後 10月前半の読書と感想、書評 2013/10/16(水)
幻影の星 10月前半の読書と感想、書評 2015/10/14(水)
首都崩壊 12月後半の読書と感想、書評 2016/1/7(木)
漂流者たち 私立探偵・神山健介 8月後半の読書と感想、書評 2017/8/30(水)
ファミレス 2月後半の読書と感想、書評 2018/2/28(水)
その時までサヨナラ 2月後半の読書と感想、書評 2020/3/4(水)
調べてみると、まだ読んでいない本で読みたくなる震災を描いた小説がいくつもありましたので、ちょっと備忘録的に書いておきます。紹介文は、Amazonの本の紹介のところからひっぱってきています。
その時までサヨナラ | 山田悠介 | ヒットメーカーが切り拓く感動大作!大震災による福島の列車事故で亡くなった妻が結婚指輪に託した想いとは?誰もが涙した大ベストセラーの決定版。東日本大震災が起きる前に書かれた作品で、東北で大地震を予知した作品 |
ディアスポラ | 勝谷誠彦 | “事故”により日本列島が居住不能となり、日本人は世界中の国々に設けられた難民キャンプで暮らすことを余儀なくされた。ここ、チベットのラサから二千キロもはなれたメンシイにも、日本人の難民キャンプがある。国連職員としてキャンプを訪れた“私”の目に映ったのは、情報から隔絶され、将来への希望も見いだせないままに、懸命に「日本人として」生きようとする人々の姿だった(「ディアスポラ」)。いまから十年前に、破滅的な原発事故で国を失った日本人、という設定で、日本人のアイデンティティーを追究した、いまにして思えば「先見の明」としか言いようのない作品。2作目の「水のゆくえ」は同じ設定の下、日本に残り、酒造りを再開しようとする酒蔵の息子を描く。 |
光あれ | 馳星周 | おれたち、なんでこんな眠たい田舎町に生まれたんやろうな。原発がなければ成り立たない街。ここで男は育ち、仕事をし家庭を持った―。閉塞感に押しつぶされるこの街で、やるせなさを抱きつつ男は生きる。 |
神様2011 | 川上弘美 | くまにさそわれて散歩に出る。「あのこと」以来、初めて――。 1993年に書かれたデビュー作「神様」が、2011年の福島原発事故を受け、新たに生まれ変わった――。「群像」発表時より注目を集める話題の書! 2011年。わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。 |
小説・震災後 | 福井晴敏 | 3月11日以前と以後で、世界は一変した。この圧倒的な現実を前にして、小説に何ができるのか。『亡国のイージス』の人気作家・福井晴敏氏が、はじめて「現実」に挑んだ『週刊ポスト』連載作品である。 東京に住む平穏な家族を、あの震災が襲った。エコ担当社員の主人公・野田圭介は、3.11以後、元防衛庁職員の父の不穏な様子や、ネットにはまる中学生の息子の心境の変化に戸惑い、翻弄されていく。大震災と原発事故に見舞われたこの国で、彼は家族の危機を乗り越えることができるのか。 |
恋する原発 | 高橋源一郎 | 大震災チャリティーAVを作ろうと奮闘する男たちの愛と冒険と魂の物語。 |
星月夜 | 伊集院静 | 東京湾で発見された2つの遺体。殺人事件の鍵を握るのは、銅鐸と、遥か昔の哀しき“夜空の記憶”。充実の一途を辿る著者初のミステリが登場 |
幻影の星 | 白石一文 | 郷里の母から送られてきた、バーバリーのレインコート。なぜ?ここにもあるのに…。震災後の生と死を鋭く問う、白石一文の新たな傑作。 |
それでも、桜は咲き | 矢口敦子 | 3月11日、専業主婦の葉子は友人の結婚披露宴のため仙台にいたところ、地震に見舞われた。東京に戻れずにホテルに滞在するうち、花嫁の行方不明、津波被害、原発問題など、様々な情報を知る。少し気になるのは、東京にいる夫と連絡取りづらいことだった。ささやかな日常の中、「あの日」を迎えた全ての人に小さな力をくれる、感動の長篇小説。 |
黒い魎 | 岡崎大五 | 母の借金を返すため、還付金詐欺の片棒を担ぐ日々を送る山岸保。リーダーの加納薫堂は、悪魔のように切れる頭脳と残忍さで、保たちを支配していた。そんなある日、東日本大震災が日本を襲う―。混乱の中、薫堂は被災地での金儲けを企み、保の故郷・南三陸に乗り込む。薫堂の支配から逃れる術はないと絶望していた保だが、被災地で懸命にボランティアを行う藤堂泉と出会い、何とかして悪魔の所行を白日の下に晒そうと決意する…。未曾有の災害と被災地の現実を背景に、人間の清濁を鮮烈に抉り出した異色のサスペンス。 |
架空列車 | 岡本学 | 他者との関係を作ることができず、仕事も失った「僕」は、ひとり東北の町に逃げる。そこで「僕」は、架空の鉄道路線を妄想の中で造ることに熱中する。緻密な計算と実地見分を繰りかえし、理想の鉄道が出来上がったとき、思いもかけない出来事が町を襲う…。39歳理系大学准教授、衝撃のデビュー小説。妄想のなか、僕だけの列車が走りだす―。3.11後の世界を鮮烈に描き出す問題作。第55回群像新人文学賞受賞作。 |
光線 | 村田喜代子 | 東日本の大地が鳴動した数日後、ガンの疑いが現われる。日本列島の南端の町で、放射線治療を受ける一ヶ月余のあいだ、震災と原発をめぐる騒動をテレビで繰り返し見つめつづけた。治療を終え、ガンが消えた身体になった著者は、「自分も今一度生きよう」と心に決める―。一国の災厄と自らの身に起きた変動を、見事に文学へと昇華した稀有の連作小説。 |
空飛ぶ広報室 | 有川浩 | 不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット空井大祐29歳が転勤した先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。待ち受けるのは、ミーハー室長の鷺坂(またの名を詐欺師鷺坂)をはじめ、尻を掻く紅一点のべらんめえ美人・柚木や、鷺坂ファンクラブ1号で「風紀委員by柚木」の槙博己、鷺坂ファンクラブ2号の気儘なオレ様・片山、ベテラン広報官で空井の指導役・比嘉など、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった……。あの日の松島」を書き下ろした待望のドラマティック長篇。 |
終末処分 | 野坂昭如 | 原子力ムラ黎明期のエリートが、その“平和利用”に疑問を抱き…。政・官・財界の圧力、これに搦め捕られていく学界の“信仰”、マスコミという“幻想”。フクシマの“現実”を、スリーマイル、チェルノブイリよりも早く、丹念な取材で描いた34年前の長篇問題作、初の単行本化。本書のための書き下ろし「大量生産、大量消費に終わりが来る時」併録。 |
還れぬ家 | 佐伯一麦 | 高校生のとき親に対する反発から家出同然で上京したこともある光二だが、認知症で介護が必要となった父、そして家と、向き合わざるをえなくなる。さらに父の死後、東日本大震災が発生し、家を失った多くの人々を光二は眼のあたりにする…。喪われた家をテーマに著者が新境地を拓いた長編小説。 |
双頭の船 | 池澤夏樹 | 失恋目前のトモヒロが乗り込んだ瀬戸内の小さなフェリーは、傷ついたすべての人びとを乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。船は中古自転車を積みこみながら北へと向かい、被災地の港に停泊する。200人のボランティア、100匹の犬、猫や小鳥、「亡命者」―。やがて船上に仮設住宅が建ち、新しい街と新しい家族が誕生し…。希望を手離すまいという強い意思にみちた痛快な航海記。 |
アニバーサリー | 窪美澄 | 産む、育てる、食べる、生き抜く。その意味は、3月11日に変わってしまった。75歳でいまだ現役、マタニティスイミング講師の晶子。家族愛から遠ざかり、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。人生が震災の夜に交差したなら、それは二人にとって記念日になる。 |
桜の木の下で | 藤木由紗 | “3月11日”から日記形式で、主人公・理子の生活がつづられてゆく。恐怖と戦う日常と長年秘められた詩人への想いが、静かにくりひろげられる。 |
想像ラジオ | いとうせいこう | 耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず。ヒロシマ、ナガサキ、トウキョウ、コウベ、トウホク…。生者と死者の新たな関係を描いた世界文学の誕生。 |
光の山 | 玄侑宗久 | 怒涛というしかない奔流が船や家や木や人々を呑み込んで流れ去った。避難所で毛布にくるまる娘は発電所勤務の彼を思う…(あなたの影をひきずりながら)。三歳の小太郎はDNA鑑定のために母親と警察署に来ていた。津波で亡くなった身元不明の遺体の中に父がいないかを確かめるために(小太郎の義憤)。経営していた結婚式場が壊され、除染作業をしながら仮設住宅に住む山口に、久しぶりに結婚式の依頼があったが…(拝み虫)。震災から30年後の福島。汚染された土や葉を積み上げた仮置場を守る爺さんがいた。そこはやがて、瑠璃色の光を放つ山になった…(光の山)。震災後二年、福島在住の僧侶作家が全身全霊をこめて放つ全六篇。 |
小説3.11 海は憎まず | 穂高健一 | 巨大津波は人間の虚飾を剥いだ。愛、喪失、差別、そして希望。瓦礫の下から奇跡のように生まれた災害文学。 |
深海の夜景 | 森村誠一 | 妻を、父を理不尽にも殺され、犯人に復讐を企てる男たち。都市の深層に生き再起を窺う人間たちを棟居刑事が優しく見守る社会派短編。 |
ゾーンにて | 田口ランディ | 福島第一原発から半径20キロ圏内は警戒区域となった。人が立ち入ることのできない場所“ゾーン”に棲むものたち。極限に生きる命の輝きを描く珠玉の4篇。 |
調律師 | 熊谷達也 | 「音」を「香り」として感じる身体。それが、彼女が私に残したものだった―。仙台在住の直木賞作家が、3.11の後に初めて描く現代小説。 |
青い花 | 辺見庸 | あいつぐ大震災と戦火で、恋も家族も未来も、すべてをうしない鉄路を彷徨う男。ただ欲しいものは、あの青いものすごいクスリ。哄笑、恐怖、愛、虚無…が卍ともえにからみあう、現代黙示小説の大傑作。 |
ファミレス | 重松清 | 妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち“新婚”に。3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは?夫婦、親子、友人…人と人とのつながりを、メシをつくって食べることを通して、コメディータッチで描き出した最新長篇。 |
大地のゲーム | 綿矢りさ | 私たちは、世界の割れる音を聞いてしまった―。21世紀終盤。巨大地震に見舞われた首都で、第二の激震に身構えつつ大学構内に暮らす学生たちと、その期待を一身に集める“リーダー”。限界状況を生き抜こうとする若者の脆さ、逞しさを描く最新長篇! |
漂流者たち:私立探偵神山健介 | 柴田哲孝 | 大地震発生直後、いわき市に打ち上げられた無数の車。その一台の持ち主は、同僚の議員秘書を殺害し、六〇〇〇万円の現金を手に逃走していた。男は津波に呑まれて死んだのか。金はどこへ?捜索を依頼された探偵・神山健介は、愛犬・カイを連れ、被災地を北上し始める―。やがて浮上する、権力の影とは!? |
三陸の海 | 津村節子 | 東日本大震災の日、「私」が新婚の頃に夫・吉村昭と行商の旅をした三陸海岸を、大津波が襲った。三陸の中でも岩手県の田野畑村は夫婦にとって特別な場所。夫婦で同人雑誌に小説を書きながらの生活は厳しかったが、執筆に専念するため勤めを辞めた夫は、2泊3日かけて「陸の孤島」と呼ばれていた田野畑へ向かう。鵜の巣断崖の絶景に出会った夫は小説の着想を得て、昭和41年に太宰治賞を受賞、作家の道が開けた。取材以外の旅はしなかった夫は、家族を連れて唯一、田野畑だけには旅行するようになる。 もし夫が生きていたら、津波に襲われた愛する三陸の姿を見て、どんなに悲しんだだろう。三陸は故郷ではない。住んだこともない。でもあの日、津波が襲ったのは、私にとってかけがえのない場所だ――。 震災の翌年、夫の分まで津波の爪痕を目に焼き付け、大切な人々に会うため、息子と孫と共に田野畑を巡った妻の愛の軌跡。 |
漁師の愛人 | 森絵都 | 漁師になった長尾が属する海辺のコミュニティは、“愛人”を拒みつづける。採譜の仕事をしながら彼と暮らす紗江はそのままでかまわないと思っていたのだが―。“妻”と私と、ひとりの男の“回復”をめぐる物語。 |
首都崩壊 | 高嶋哲夫 | 国土交通省の森崎は、東都大学地震研究所の前脇から、マグニチュード8クラスの東京直下型地震が想定より大幅に早く発生するという予測データを示される。その翌日、今度はアメリカ留学時代に親友となったロバートが大統領特使として来日し、東京直下型地震による経済損失が112兆円にも及び、1929年の世界大恐慌を遙かにしのぐ被害を引き起こすというレポートを突きつけてきた。右往左往する森崎、そして日本政府。人類未曾有の危機を回避する手段はあるのか。模索し始めたとき、震度6弱の地震が東京を襲った。地震規模が予測を下回っていたことに安堵する森崎。だが、この地震は首都崩壊への序曲にすぎなかった…。 |
石を抱くエイリアン | 濱野京子 | 八乙女市子は、茨城にくらす中学3年生。受験生のはずが、志望校も決まらず、まだ気はそぞろ。そんなある日、「日本一の鉱物学者」が将来の夢という、ちょっと変わったクラスメイトの偉生から、とつぜん告白されてしまいます! とまどいながらもしだいに偉生に親しみを感じていく市子。二学期になり、偉生は、なぜか文化祭の展示で原発について調べようと提案します。 |
そして、星の輝く夜がくる | 真山仁 | 2011年3月11日、東日本大震災。地震・津波による死者・行方不明者は2万人近くのぼった。 2011年5月、被災地にある遠間第一小学校に、応援教師として神戸から小野寺徹平が赴任した。小野寺自身も阪神淡路大震災での被災経験があった。 東北の子供には耳慣れない関西弁で話す小野寺。生徒たちとの交流の中で、被災地の抱える問題、現実と向かい合っていく。被災地の現実、日本のエネルギー問題、政治的な混乱。小学校を舞台に震災が浮き上がらせた日本の問題点。その混乱から未来へと向かっていく希望を描いた連作短編集。 被災地の子供が心の奥に抱える苦しみと向かい合う「わがんね新聞」、福島原子力発電所に勤める父親を持つ転校生を描いた「“ゲンパツ”が来た!」、学校からの避難の最中に教え子を亡くした教師の苦悩と語られなかった真実を描いた「さくら」、ボランティアと地元の人たちとの軋轢を描く「小さな親切、大きな……」、小野寺自身の背景でもある阪神淡路大震災を描いた「忘れないで」。そして、震災をどう記憶にとどめるのか? 遠間第一小学校の卒業制作を題材にした「てんでんこ」の六篇を収録。 阪神大震災を経験した真山仁だからこそ描くことのできた、希望の物語。 |
眠る魚 | 坂東眞砂子 | 2011年3月11日。日本から遠く離れた南太平洋のバヌアツにも、地震による津波警報が出されていた。旅行ガイドや通訳をしながらこの島に暮らす伊都部彩実は、そのしばらく後、実父の訃報を受けて一時帰国する。放射線被害について海外メディアが報じる危機感に反比例するかのような日本の実像、また、相変わらず保守的な家族たちの思考と言動に噛み合わない思いを抱きながら日々を送るうち、「アオイロコ」という奇妙な風土病の噂を耳にする。父の遺言で、母が亡くなった後に父が交際していた女性に、代々の土地家屋を明け渡すことになり、思いのほか動揺する彩実。国に縛られない自由な生き方を望んで海外に飛び出したはずなのに、戻る場所を求めている自分に気づく。そんな折、口中の腫瘍が悪性と診断され、即刻入院となり、期せずして日本に留まることになるのだった―。 |
ボラード病 | 吉村萬壱 | B県海塚市は、過去の災厄から蘇りつつある復興の町。皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく―。集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。 |
聖地Cs | 木村友祐 | 原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も生かそうとする牧場で、ボランティアに来た女性が見たものは―「聖地Cs」。非正規雇用で働く男性が「猫が苦しむ社会は、ヒトも苦しむ社会」だと切実に思うまでの日々を描いた「猫の香箱を死守する党」。現代社会の問題を真正面から捉えた二篇を収録。 |
アポロンの嘲笑 | 中山七里 | “管内に殺人事件発生”の報が飛び込んできたのは、東日本大震災から五日目のことだった。被害者は原発作業員の金城純一。被疑者の加瀬邦彦は口論の末、純一を刺したのだという。福島県石川警察署刑事課の仁科係長は邦彦の移送を担うが、余震が起きた混乱に乗じて逃げられてしまう。彼には、命を懸けても守り抜きたいものがあった―。 |
避難所 | 垣谷美雨 | 九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。 |
月光のスティグマ | 中山七里 | 再会したのは愛しき初恋の女か、兄を殺めた冷酷な悪女か。この傷痕にかけて俺が一生護る――。月夜に誓った幼なじみは、時を経て謎多き美女へと羽化していた。東京地検特捜部検事と、疑惑の政治家の私設秘書。追い追われる立場に置かれつつも愛欲と疑念に揺れるふたりに、やがて試練の時がやってくる。阪神淡路大震災と東日本大震災。ふたつの悲劇に翻弄された孤児の命運を描く、著者初の恋愛サスペンス! |
雪炎 | 馳星周 | 三基の原発が立地する北海道・道南市。3・11から一年後の市長選挙に、原発の廃炉を公約に掲げる弁護士・小島が出馬した。何百億円もの原発利権に群がる者たちの策謀、暗闘に対し、選挙スタッフの和泉は、公安警察官時代の経験で対抗。しかし、そんな彼らに悲惨な事件が襲いかかった―。 |
雨に泣いてる | 真山仁 | 3月11日、宮城県沖を震源地とする巨大地震が発生し、東北地方は壊滅的な打撃を受けた。毎朝新聞社会部記者の大嶽圭介は志願し現地取材に向かう。阪神・淡路大震災の際の〝失敗〟を克服するため、どうしても被災地に行きたかったのだ。被災地に入った大嶽を待っていたのは、ベテラン記者もが言葉を失うほどの惨状と、取材中に被災し行方不明になった新人記者の松本真理子を捜索してほしいという特命だった。過酷な取材を敢行しながら松本を捜す大嶽は、津波で亡くなった地元で尊敬を集める僧侶の素性が、13年前に放火殺人で指名手配を受けている凶悪犯だと知る……。 |
希望の地図3.11から始まる物語 | 重松清 | 中学受験失敗から不登校になってしまった光司は、ライターの田村章に連れられ、被災地を回る旅に出た。宮古、陸前高田、釜石、大船渡、仙台、石巻、気仙沼、南三陸、いわき、南相馬、飯舘…。破壊された風景を目にし、絶望せずに前を向く人と出会った光司の心に徐徐に変化が起こる―。被災地への徹底取材により紡がれた渾身のドキュメントノベル。 |
リバース | 相場英雄 | 警視庁捜査二課から所轄に異動した西澤は、書店で万引きをした老婦人を取調べた。身なりもよく教養溢れる彼女は、なぜ万引きをしたのか。そこには、深い事情があった…。大震災と原発事故。そして、「福島にはカネが埋まっている」と嘯く詐欺師が仕掛ける被災地支援詐欺―。最も卑劣だと言っていい犯罪を、心熱き警察官が暴く社会派長編警察小説。 |
持たざる者 | 金原ひとみ | 僕はどこだが分からないここにいる―修人。全ての欲望から解放された、いや、見放された―千鶴。人生とは結局、自分自身では左右しようのないもの―エリナ。きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろう―朱里。他者と自分、世界と自分。絡まり合う、四者の思い。思いがけない事故や事件。その一瞬で、ねじ曲がる。平穏な日常が、約束された未来が。混沌、葛藤、虚無、絶望。四年ぶりの傑作長編小説。 |
再びの朝 | 風見梢太郎 | 大手通信系企業の研究所で働く真下裕造は、共産党員として職場でさまざまな差別を受けながらも、それに抗して活動を続けて退職間近を迎える。福島第一原発事故を契機に、かつての学生運動仲間と専門的知識を共有しながら原発ゼロの運動をすすめる主人公と、その心意気に共感して党に接近してくる職場の若者たちを描く長編。 |
ザ・原発所長 | 黒木亮 | 資源をめぐる太平洋戦争に敗れた反省から、戦後、日本は原子力の導入へと邁進する。同じ頃、大阪の商業地区に生まれた男は、東工大で原子力を専攻し、日本最大の電力会社に就職する。そこで彼を待ち受けていたのは、無限の原子力エネルギーという理想ではなく、トラブル続きの現場、コストカットの嵐が吹き荒れる本社、原子力という蜜に群がる政治家、官僚、ゼネコンと裏社会だった。“夢の平和エネルギー”の曙から黄昏までを駆け抜けた「運命の男」の生涯。 |
彼女の人生は間違いじゃない | 廣木隆一 | 仮設住宅に住む役所勤めのみゆき。震災後、恋人とぎくしゃくする彼女は、東京でデリヘルのバイトを始め……フクシマの今を描く、映画監督・廣木隆一の初小説。赤坂真理・高良健吾・降谷建志氏推薦! |
冬の光 | 篠田節子 | 四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。企業戦士として家庭人として恵まれた人生、のはずだったが…。死の間際、父の胸に去来したのは、二十年間、愛し続けた女性のことか、それとも?足跡を辿った次女が見た冬の光とは― |
ムーンナイト・ダイバー | 天童荒太 | ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが… 311後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。 |
我ら亡きあとに津波よ来たれ | 丸山健二 | 養いの親を手に掛け、放浪に身をやつした青年を襲う大津波。三日三晩を生き延びたとき、あたりにはただのひとりも生者の姿はなかった。無秩序と混沌のなか、希望と絶望とに引き裂かれ、延々と繰り広げられる、独語にも似た死者たちとの問答。奇跡的に得たこの生命、これまでの人生の意味と価値をめぐる葛藤に出口はあるのか。圧倒的な筆致で描き出す丸山文学の黙示録。待望の書き下ろし長篇 |
やがて海へと届く | 彩瀬まる | すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなった―親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるが―。死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語。 |
焼野まで | 村田喜代子 | 大震災直後、子宮ガンを告知された。火山灰の降り積もる地で、放射線宿酔のなかにガン友達の声、祖母・大叔母が表れる。体内のガン細胞から広大な宇宙まで、3・11の災厄と病の狭間で、比類ない感性がとらえた魂の変容。前人未到の異色作。 |
バラカ | 桐野夏生 | 震災のため原発4基がすべて爆発した!警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン |
また次の春へ | 重松清 | 喪われた人、傷ついた土地。「あの日」の涙を抱いて生きる私たちの物語集。 「俺、高校に受かったら、本とか読もうっと」。幼馴染みの慎也は無事合格したのに、卒業式の午後、浜で行方不明になった。分厚い小説を貸してあげていたのに、読めないままだったかな。彼のお母さんは、まだ息子の部屋を片付けられずにいる(「しおり」)。突然の喪失を前に、迷いながら、泣きながら、一歩を踏み出す私たちの物語集。 |
絆 走れ奇跡の子馬 | 島田明宏 | 2011年3月11日、津波に呑まれた牧場でただ1頭生き残った牝馬シロが命と引き替えに産み落とした芦毛の牡馬「リヤンドノール(北の絆)」。牧場主・雅之とその長男・拓馬は、放射能汚染の風評被害などと戦いながらリヤンを競走馬として育て、デビューさせる。リヤンは拓馬たちの夢を載せ、日本ダービーをめざして疾走する…。東日本大震災に見まわれた福島県南相馬市を舞台に展開する、馬と人、人と人の「絆」の物語! |
影裏 | 沼田真佑 | 第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 「あの日」以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 |
なぜこのような震災を描いた小説を出してきたかというと、ご想像通り、これから数ヶ月後から続々とでてくるはずの「コロナ禍」をモチーフにした小説が頭の中をよぎったからです。
悲劇あり、コミカルなものあり、世界を舞台にしたスリラーサスペンスあり、非常時にはてんで役に立たない政治家や役人とか、休業要請で破産する個人事業主とか、医師兼業作家さんは医療現場の混乱した状態や、SF作家さんはバイオテクノロジーや未知の新型ウイルスとの闘いなど、それぞれの小説家にとっては創造力をかき立てられるまたとない社会の大きなうねりが到来したことで、私なんかが想像だにしなかったストーリーを書き上げてくれそうです。
コロナ禍は間違いなく悲劇ですが、これがきっかけとなり、平和ボケしている社会を見直すきっかけとなれば多少は貢献したことと言えるのかも知れません。
世界全体が萎縮しがちな気持ちの中で、様々な視点と発想で、ぶっ飛んだ小説を楽しみにして待っています!
【関連リンク】
国内で地震から逃れることができるか?
首相や東電バッシングに思うこと
みちのく急ぎ旅 前編
[PR] | ||
Amazonタイムセール ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 枕・抱き枕の売れ筋ランキング 旅行用品の売れ筋ランキング |
ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 空気清浄機 タイムセール 掃除機の売れ筋ランキング ペット用品の売れ筋ランキング |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
1437
東京バンドワゴン (集英社文庫)
著者は北海道出身の方で、私より数年だけ若い方です。2002年にデビューし、そろそろベテランの域に達しているというところでしょうか。この著者の作品を読むのは今回が初めてです。
本書は2006年に単行本、2008年に文庫化された連作中編小説で、その後「東京バンドワゴンシリーズ」となり、現在14作も続いています。
また2013年には、亀梨和也、玉置浩二、ミムラ、多部未華子などの出演で「東京バンドワゴン~下町大家族物語」というタイトルでテレビドラマ化されています。
ま、手っ取り早く言ってしまうと、昭和時代のサザエさん一家を平成時代に合わせたような、東京の下町商店街で古書店とカフェを開いている大家族一家のドタバタ劇と言う感じでしょうか。
舞台が古書店ということもあり、古書のうんちくとか、値付けについての話しも少し出てきたりして、書籍好きにはそういう意味も含めて興味がわくかも。
元々、書籍好きな作家さんが書く小説ですから、舞台設定に図書館とか書店、古書店、主人公には作家やライター、編集者という安易な?設定が多い気がします。その中のひとつですね。
確かにホームドラマの原作としては良いかも知れませんが、シリーズの続編を読みたいか?って言われるとそこまではないかなぁ、、、
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
再会 (講談社文庫)
40代の中堅作家さんの作品で、今回著者の作品を読むのは初めてです。何度も江戸川乱歩賞に応募し、最終選考に残りながら惜しくも受賞できず、2010年、8度目の挑戦でこの作品(初出時のタイトルは「再会のタイムカプセル」)が見事受賞し、実質的なデビュー作品となりました。文庫版は二年後の2012年に発刊されています。
正直、読んでいて、この「設定には無理があるだろう」とか「都合良く偶然が重なって」みたいなところがあちこちにあって、よく練られたリアリティのあるストーリーとは言い難いのですが、全体に流れる大雑把なプロットには著者の緻密さと巧さを感じさせます。
主人公は同じ小学校で仲良かった4人の男女で、小学校を卒業して23年が経過し、それぞれ別々の生活を送っている中、ある事件が起きることで、23年前に封印したはずのタイムカプセルの中身について、注目されることになります。
でもさぁー、タイムカプセルって、何年か後に開くことを前提としたもので、開くことを前提としない「封印したタイムカプセル」ってなに?って思ってしまいました。
もし封印したいなら、深海に静めるとか、そこまでしなくても、ダム湖や大きな沼に沈めれば、まず普通に封印できるってことは小学生でもわかりそうなことです。
ちなみに、私の経験では、小学校卒業の前にクラスでタイムカプセルを校庭に埋めて、成人後の10年後に集まって開けました。大阪万博の時に松下電器産業(現パナソニック)が企画した5000年後に開くタイムカプセルは大阪城公園に埋められています。5000年後に地球や日本の国土があるのか?っていうのはともかくです。
仲良し4人組のひとりは刑事となり、最近この街の警察署に戻ってきていて、偶然幼馴染みが関係する事件を担当することになります。
やがて23年前になにが起きたのか、それぞれどういう苦悩を抱え込んでしまったのか、など徐々に露わとなってくるという流れです。
読者に謎解きを試すというものではなく、最初はなにもわからなかったことが、タマネギの皮を1枚1枚むいていくように少しずつ明らかになっていくというちょっとまどろっこしさはありますが、途中ではなかなか中断出来ず、一気に読むことができました。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
怒らない技術 (フォレスト2545新書)
以前にはアンガーマネジメント系の本を読んで、歳を重ねるにつれ怒りっぽくなってくるのをなんとか抑えようと四苦八苦している中、たまたま見つけたというか、ショッキングピンクのド派手なカバーで、やけに目立っていたのつい引き寄せられて購入しました。
2010年発刊の新書で、誰が付けたか引きのあるタイトルも良いですよね。
著者は、、、知らないなぁ~また自分の事業PRのためのパンフレット的な新書か~?って買ったのを悔やみかけていたところ、著者には失礼ながら、読み始めるとなかなkよく書けている、面白い、読みやすい。PR色はもちろんありましたが。
ただ、この本の内容は中年男の怒りに対して抑える方法を伝授する話しではなく、若い人向けに、コミュニケーションを円滑にするため、またその能力を上げて仕事に生かすために書かれたという感じです。
私がもう40年若かったら(笑)、きっとこの著者の信者になっていたかも知れません。
だてにビジネス界で若くして稼いだあとは、未練も残さず、さっと身を引いて教育事業へ移った方らしく、こうした若い人に教えることが好きで天性なのでしょう。
もちろん中年や高年者でも、読んで損した!ってことはなく、いろいろと我が身を振り返って考えることもあり、また自分の若いときの失敗も、この本を読んでいればなかったのにぃーと思うこともありそうです。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ブラックボックス (朝日文庫)
週刊朝日に連載され、2013年に単行本、2016年に文庫版が発刊された長編小説です。1997年に「女たちのジハード」で直木賞を受賞している著者の小説は、2003年に読んだ「弥勒」以降、計8冊になります(なぜか「長女たち」が2冊ありそれをカウントすると9冊)。いずれにしても外れのない作家さんで、安心して読むことができます。
この小説のテーマは、野菜の安全性ということになりますが、この小説の中には、
・システム化された野菜工場の実態
・そこで働く名ばかりの外国人技能実習生の実態
・世界の食糧不足
・食品添加物の安全性
・添加物の複合で起きる発癌化や催奇性
・遺伝子組み換え技術の功罪
・内部通報制度や、内部通報者保護の問題
など多くの社会問題が提起されています。
タイトルのブラックボックスは、生育を最適化され、太陽にもあたらない無菌の密閉された工場で、殺菌剤や、溶液に浸され、なにから作られたかよくわからない栄養素を注入され、同一の規格で大量に作られる野菜栽培のシステマティックな工程は、誰にもわからないということを指しています。
1975年に出版され、高度成長社会に大きなネガティブなインパクトを与えた有吉佐和子著の「複合汚染」に似た、社会問題告発型の小説ですが、決して硬派なものではなく、主人公達もどこにでもいる野菜工場で夜勤で働くアルバイトや、農家の跡取り、学校栄養士の地方の同級生です。
でも、この本を読むと、コンビニやカフェなどで売られている、小さなパックに入った表面上はみずみずしくシャキシャキした色も鮮やかなサラダを好んで食べようとは思わなくなるかもです。風評ですが営業妨害だ!と言われてしまいそうです。
しかしこうしたブラックボックス化した野菜生産を非難するだけでは、農業従事者の高齢化と減少、やがて間違いなく起きる世界の人口爆発と、食糧不足などに対応ができないという現実もあり、自然の摂理に反することだとばかり言えず、必要悪とも言えます。
そのような奥深い問題ですが、読み物としてサクサクと読める軽快なストーリーとなっていて、良い作品だと思います。
★★★
◇著者別読書感想(篠田節子)
【関連リンク】
5月前半の読書 レイトショー(上)(下)、クラウド・ナイン、メゾン・ド・ポリス、まほろ駅前狂騒曲、孤独のチカラ
4月後半の読書 火刑法廷、老後の資金がありません、聞く力 心をひらく35のヒント、仮面病棟
4月前半の読書 墓標なき街、裁判官の爆笑お言葉集、かたみ歌、おとなの教養
[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
1433
レイトショー (講談社文庫)
原題は「The Late Show」のこの作品は、アメリカで2017年に刊行され、翻訳版は今年2020年に文庫として発刊されました。
その「The Late Show」」は通常テレビの深夜番組を指すことが多いのですが、ここでは、夜の11時から勤務が始まる深夜専門の刑事のことを指しています。
コナリーの作品は1992年の「ナイトホークス」から始まる有名な「ハリー・ボッシュシリーズ」や、「リンカーン弁護士」の「ミッキー・ハラーシリーズ」など複数の主人公がいますが、今回の「レイトショー」では新たにレネイ・バラードという女性刑事が主人公となっています。
著者は、私と1歳違いの64歳になってからも、新たなシリーズをスタートさせるというモチベーションの高さで尊敬します。私なんか、別に財産はないけれど、もう完全リタイアを画策しているというのに、、、
さて、ストーリーは、元のセクハラ上司とぶつかったことで、誰もがやりたがらない深夜番専門の勤務へ飛ばされて、クレジットカード詐欺やら、暴行事件など細々した仕事を淡々とこなしています。
偶然、暴行被害者の聴取で病院を訪れていたとき、ナイトクラブで発砲事件が起きて、その被害者のひとりがその病院へ運ばれてきたことから、その事件に関わっていくことになります。
というのは、通常深夜勤務の刑事は、夜に起きた重大事件でも、刑事として立ち会いますが、そこで調べたことは、朝になれば通常の昼間勤務の刑事にすべて渡し、それ以降は関わらないのが普通となっています。
それゆえに、自分が最初に関わった事件がその後どうなったかもわからず、ひとつの事件を解決していくという仕事の醍醐味がありません。
そうした慣習をうまくくぐり抜け、夜の勤務をしながらも昼間の間に寝ないでナイトクラブで起きた事件について調べて行き、真相に近づいていくことに。
ま、著者が同じというバイアスがかかっていることもあり、ボッシュ刑事の女性版という感じです。ボッシュと同様に若い頃に両親についてのトラウマなどを抱えていることも似ています。
舞台がロサンジェルスということもあり、今回の主人公は白人ではなくハワイ出身で、ダイバシティに配慮しているのか、マイノリティを主人公に持ってきています。
また独身ということで、保護観察官、海のライフガードと浮名を流し、最後の方では助けてもらった刑事弁護士に迫られたりと、あまり著者が得意ではないお色気?なシーンもあったりします。
まだ翻訳版は未刊ですが、ボッシュとこのバラードが絡む「Dark Sacred Night」(2018年)がアメリカでは発刊されているので、今後が楽しみです。
★★★
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
クラウド・ナイン (講談社文庫)
2015年単行本、2018年に文庫化された長編インテリジェンス小説です。著者の小説は好きで、「龍の契り」(1995年刊)、「鷲の驕り」(1996年刊)、「ディール・メイカー」(1998年刊)、「バカラ」、「KATANA」(2010年刊)、「天の方舟」(2011年刊)と読んできました。
お得意の国際謀略とインテリジェンス(諜報)と経済などをうまく組み合わせた規模が大きい小説が多いようです。
この作品のタイトル「クラウド・ナイン」は通常は「意気揚々」という意味ですが、この小説ではバックミンスター・フラーが名付けた浮遊都市をイメージしているような感じです。
某巨大検索エンジン会社を思わせる米国大手IT企業の社長が私費を投じて巨大データセンターの電力を自力でまかなえるよう人工衛星を利用した宇宙発電を研究していたことがわかります。そのためのロケットが何の予告もなく公海上から打ち上げられ、世界が驚愕します。
しかしその社長は脳腫瘍のため手術をし、意識が戻っていない状態で、いったいどういうことが起きている?ということを同社に勤務している日本人エンジニアが副社長に命じられて調べて行くという物語です。
また同時進行として輸血用血液の不足をバイオテクノロジーで解決する新たな血清が発明され、それが様々な思惑と巨大ビジネスとして成長していきます。
その二つがどう結びつくのか、ハラハラドキドキの展開でたいへん面白く読めました。
ただ、どうしても日本人が書く国際謀略ミステリーや経済小説というのは、どうもリアリティに欠け、ありえねぇと思うほど都合良く展開していくのは、日本人にはそうしたことに似合っていないのかなぁと思うばかりです。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス (角川文庫)
2018年に文庫で発刊された小説です。コミカルな1話完結型の連作短編で、有川浩著「三匹のおっさん」と似たようなパターンです。
著者の作品は2015年に「モップガール」を読んでいます。
2015年2月前半の読書と感想、書評(モップガール)
タイトルからも想像出来るように、警察官が住むメゾン、つまりシェアハウスが舞台となっています。昨年2019年には、高畑充希、西島秀俊、野口五郎などの出演でTBS系のドラマが制作・放送されました。見ていないけど。
警察官と言っても、すでに退職した中高年ばかりの男やもめ達が集団で住んでいる一軒家です。
そこに新人の女性刑事が事件について相談に行くと、待ってました!とばかりに引退した元刑事達が事件の解決に一役買ってくれるという流れです。
もうひとつ大きな流れとして、女性刑事の父親がある日失踪してしまい、それが巨大建設会社の不正を知ったことで、家族に被害が及ばないよう、なにも言わずに消えたと言うことが徐々に明らかになっていきます。
おそらく続編では、その先が書かれるのではないかと思います。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
まほろ駅前狂騒曲 (文春文庫)
「まほろ駅前多田便利軒」(2006年単行本/2009年文庫)、「まほろ駅前番外地」(2009年単行本/2012年文庫)のシリーズ第3弾がこの「まほろ駅前狂騒曲」(2013年単行本/2017年文庫)です。
2019年2月前半の読書と感想、書評(まほろ駅前番外地)
瑛太と松田龍平コンビのテレビドラマや映画でもおなじみです。前に映画を見たので、小説を読んでいても、主人公が瑛太と松田龍平のイメージが強烈すぎて、なかなか小説の主人公に集中ができなくなりました。
こうしたイケメン男優二人を主人公とした物語には映画やドラマがよく似合い、古くは「俺たちの勲章」や、最近では「あぶない刑事」など数多くのドラマや映画が作られています。
主人公は子供を亡くし離婚したあと実家のある東京都の町田市をモデルにした街で、ひとりで便利屋を始めますが、そこに高校の同級生だった男が転がりこんできて、男二人の生活となります。
その同級生(松田龍平)は、子供の頃に親から受けた精神的な虐待でトラウマをもっていて、かなり変人というところがミソです。だんだんと父親の松田優作の演技と似てきています。
今回の作品で一応シリーズは終了とのことですが、おそらく何年か後にはまた出てくるか、あるいはスピンオフものが作られそうな気がします。
ストーリーは、まほろ市で無農薬野菜をうたった健康食品を販売する謎の団体が勢力を拡大してきて、それに危機感を感じる街の裏の顔役や、助けを求められた便利屋が、活躍するというもので、内容的にはつまらない話しです。
貧乏で、幼子を亡くしたトラウマを抱えていた主人公に、ようやく春が訪れたというのがこの回で一番救われます。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
孤独のチカラ (新潮文庫)
2005年に単行本として発刊後、2010年に文庫が発刊されました。内容的には経験から来る持論をとうとうと述べるエッセイ的なもので、新書にすべきでは?って気もします。
最近流行りのコミュニケーション力全盛に反し、実は孤独によってこそ成長していくのだという自身の経験を元にしています。
確かに勉強するのは個人の努力が最大で、その勉強は仲間同士でワイワイするものではなく、本を熟読したり、考えたりと孤独の中で培われていくものだという論理には一理ありそうです。
ただそれは著者や私のような旧世代が一番勉強をしてきた昭和時代と違い、現在の令和時代にはまた別の論理も加わってくるのかも知れません。
それは過去の人よりも現在の人達が作っていくものなので、旧世代が「こうするべきだ!」というのは大きなお世話でしょう。世俗には疎く、プライドの高い教育者ならそれは認めたくない現実でしょうけど。
初出が2005年(平成17年)で、まだ昭和以前の価値観や慣習が色濃く残っている時代だったでしょうから、仕方はありませんが、今の十代が読むと、「これは幕末か明治時代に書かれたもの?」っていう感じかも知れません。
それは著者が好きな古典から大きな影響を受けているせいかも知れません。今の時代感覚に合っているかな~というのが率直な感想です。
★☆☆
【関連リンク】
4月後半の読書 火刑法廷、老後の資金がありません、聞く力 心をひらく35のヒント、仮面病棟
4月前半の読書 墓標なき街、裁判官の爆笑お言葉集、かたみ歌、おとなの教養
3月後半の読書 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 、よろずのことに気をつけよ、嘘ばっかり、人生に生きる価値はない
[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
Amazon売れ筋ランキング ドライブレコーダー売れ筋ランキング レーダー探知機本体売れ筋ランキング カーナビゲーション売れ筋ランキング |
車用タイヤチェーンの売れ筋ランキング 車体カバーの売れ筋ランキング バイク工具/メンテナンス売れ筋ランキング 車/バイク用オイル売れ筋ランキング |
1432
小学生~中学生の頃には、夏休みの宿題とか、なにかにつけて読書感想文というのを書かされます。また、高校生や大学生(就活とかで)になっても、読書感想文というのでなくても、与えられたテーマで作文や論文を書くという機会も多いと思います。
ここでは単なる読書感想文の書き方について、私の持論を書いておきます。あまり参考にならないかも。
実は中学生時代、そこそこ読書量があったので、夏休みの読書感想文を書いてくるという宿題が得意でした。
つまり数を読んでいると、感想文の書きやすい本と、書きにくい本の区別がわかっています。
書きやすいかどうかは誰にでも共通するかというとそういうわけではなく、読んでみて、面白くワクワクした小説などは書きやすく、そのワクワクしたポイントを抜き出してポジティブな感想とともに書けば良いわけです。
なにか使命感で嫌々読んでも、ポジティブな感想文なんて書けませんからね。
あと、単に書かれてたことだけで終始するのではなく、そこで得られた知見を、自分の生活や考え方などに結びつけ、書籍から発展して書くことがウケの良い感想文なのです。
例えば、小説の中に出てきた主人公の行動について、「自分ならこう考えただろう」とか、「主人公の失敗は誰にでも起きることで、自分も・・・」という具合に。
その中の「自分の考え」や「自分の失敗」はなにも事実起きたことを書く必要はなく、想像(創造?)で書けば良いのです。別にたかが感想文で、誰も「それを証明しろ!」と言いませんから。
新卒時の就職試験で、「○○について、自分の意見を2千字程度で書け」みたいな論文試験がありました。
論文試験用にと、事前にいくつかのあまり知られていなそうな名言を暗記しておき、テーマと全然関係がなくても、無理矢理にその名言を出せるように文章を書き、格調高い?文章に仕上げたところ、第二次試験の面接で言われましたが、それが絶賛されていたとか(笑)
「その割には、このブログの文章は全然格調高くないね!」って言われそうですが、ブログは採点される宿題でもなければ、将来を決めるかも知れない就職試験でもありませんからね。(言い訳です)
なんでも最近は夏休みの宿題(読書感想文とか工作とか)を簡単にネットで購入出来るそうですが、そうしたものは見る人が見れば、本人が書いたり作ったりしたものかどうかなんて、プロにかかれば簡単に見破られます。
それなら、例え自分の創作が加味されていても、自分の言葉や癖を盛り込んで作った方が、将来、そうしたインチキができない立場や状況下で、きっと役立ってくれるでしょうし、少なくともまともな教養が身につけられそうです。
一応、中学生や高校生の読者感想文に向いた(ページが少ない)書籍を書いておくと、
「老人と海」ヘミングウェイ 170ページ
「変身」フランツ カフカ 223ページ
「異邦人」カミュ 143ページ
「悲しみよこんにちは」フランソワーズ・サガン 197ページ
「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ 234ページ
「アルケミスト 夢を旅した少年」パウロ・コエーリョ 208ページ
「華麗なるギャツビー」フィツジェラルド 251ページ
「人間失格」太宰治 192ページ
「雪国」川端康成 208ページ
「潮騒」三島由紀夫 224ページ
「春琴抄」谷崎潤一郎 126ページ
「蜘蛛の糸・地獄変」芥川龍之介 213ページ
「銀の匙」中勘助 222ページ
「李陵・山月記」中島 敦 224ページ
「風立ちぬ」堀 辰雄 152ページ
これらの小説の特徴は、読み継がれてきた名作で中身が濃い割には短い小説で、読みやすいからです。ちゃんとした感想文を書くのなら、できれば最低2回はサクッと読みたいところです。
【関連リンク】
1203 目がつらい高齢者にオーディオブックの恩恵はあるか
1401 2019年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍
1191 リス天管理人が2017年に読んだベスト書籍
[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
カレンダー
|
最新記事
|
(03/29)
(03/22)
(03/15)
(03/08)
(03/01)
(02/22)
(02/15)
(02/08)
(02/01)
(01/25)
カテゴリー
|
ブログ内検索
|
最新コメント
|
[06/28 area]
[06/28 U・M]
[01/03 area]
[01/03 Anonymous]
[10/09 area]
プロフィール
|
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
過去人気記事
|
ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ
マイカーで東京から京都まで旅行する場合その1
ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた
プラッシーが静かに退場していた
2011年7月中旬時点のリストラと求人の各業界動向
窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか?
貯まった1円玉はどうする?
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
日本の農業はどこへ向かうか
米の生産量減少に歯止めはかかるか
客員教授と非常勤講師ってなんだ?
天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった
リタイア後の心配事
2021年版出版社不況
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)
Amazon 売れ筋ランキング ドライブレコーダー レーダー探知機 空気清浄機 ペット用品 まくら・抱き枕 体脂肪計 スポーツウェア ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ゴルフクラブ ゴルフシューズ ミラーレス一眼カメラ ゲーム ノートパソコン プリンタ イヤホン・ヘッドホン スマートフォン スマートウォッチ microSDカード 防犯カメラ スペシャリティアパレル ラーメン レトルト・料理の素 シャンプー・コンディショナ スキンケア・ボディケア |