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昨年8月に国会で成立し、この4月1日より新しく18条~20条が追加された改正労働契約法がスタートしました。

改正のポイントは、

(1)有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
(2)雇止め法理の法定化
(3)期間の定めのあることによる不合理な労働条件の禁止

です。

わかりやすく言うと、

(1)は、期間を決めた雇用契約(パートや契約社員、派遣社員などの有期労働契約)が更新を繰り返して通算で5年を超えた場合、正社員と同様の期間の定めがない雇用(無期労働契約)に切り替えられる「無期転換権」を得るということです。

「正社員と同様」と書きましたが、雇用条件は一般的には正社員とは違っているはずなので、雇用期間だけが正社員と同様という意味ですが、パートや契約社員用の就業規則が整備されていないと、後々問題になる可能性があります。

具体的には今年4月1日に1年間の有期労働契約を交わして契約社員となり、それが毎年更新され5年後2018年4月1日を超えた時に「無期転換権」が取得でき、その契約社員が希望すれば、それまでの有期労働契約から無期労働契約に変更ができます。

しかし、有期労働契約を結ぶ人の多くは、様々な理由によりパートや契約社員を選択している人が多く、たまたま結果的に5年を超えたから無期労働契約に変更したいかというと、案外それは少数のような気がします。

また無期労働契約だからといって、リストラなど解雇は企業規模に限らず普通に起きていますので、無期労働契約の人が解雇されないわけではありません。

もし本当は正社員を希望しているのに、会社都合で契約社員にしかなれないといった場合「5年間繰り返して働けば、正社員になれる」と思ったら大きな間違いで、上記にも書いたように雇用期間は正社員と同様の無期でも、仕事内容や給料、昇進、昇格などは違いますので注意が必要です。

会社の中にはパートや契約社員から正社員登用制を敷いているところもありますが、まだ少数のうえ、上記の「無期転換権」とは直接関係がありません。

ただ無期労働契約を交わしておくと、ある日突然「今度の契約期間の終了をもって終了してください」という契約期間を理由にした雇用契約終了(雇い止め)がなくなるので、比較的安定した勤務ができるというメリットはあります。

また職場の閉鎖や業務縮小などにより企業都合で解雇される場合は、正社員と同様に、なにかしらの補償が受けられるとか、解雇が合理的な理由でないと判断されると解雇無効となるケースもあります。

派遣会社に登録し、3ヶ月、6ヶ月単位で契約を繰り返して派遣される場合がよくあります。

その場合、ひとつの会社に通算で5年以上派遣されていなくとも、派遣期間がほぼ連続し通算で5年以上派遣され、その間に派遣されていない空白期間が6ヶ月以上なければ、派遣会社に対してこの「無期転換権」が得られます。決して派遣先の会社へ正社員待遇で入れるという意味ではありません。

ただ派遣会社によっては、派遣社員に「無期転換権」を与えたくないと判断すれば、わざと6ヶ月以上の空白期間(当然無給)を置くようなところが出てくる可能性があります。

というのも派遣会社で特定の人を派遣し続けるというのは結構難しく「無期転換権」で派遣先がないのに雇い続けなければならない(≒給料保証)のを恐れてのことです。

この法律に対処するため、例えば「パートや契約社員は最大4年間までで、それ以降の延長はおこなわない」ような内規を作る会社も出てきそうです。

また派遣会社は、派遣社員を例えずっと継続する仕事があっても、6ヶ月以上仕事を依頼しないような社内ルールを作るところも出てきそうで、本当に労働者のためになるのか?とも思えてきます。

(2)は、(1)と関連していますが、パートなど有期雇用契約を繰り返していると、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない限り、契約は更新がされたとみなされ、なんの補償もなく契約期間終了(雇い止め)ができなくなるということで、もし労働争議が起きた場合には労働者側に有利に働きそうです。

ただ一部の大企業が実施しているように「非正規雇用は二年以内で再契約は1回限り」とか「二年以上継続する場合は派遣で」とかルールを決めて対応する会社が多くなりそうです。

あと、冗談みたいな話しですが、現行の就業規則のままだと、60歳定年になった人を65歳まで再雇用しなければならなくなった高年齢者雇用安定法の改正、いわゆる「継続雇用制度」に則り、1年ごと嘱託で契約を交わすと、5年後にその嘱託の人には「無期転換権」が発生してしまい、それが行使されると、企業はその人が死ぬか勤務に耐えられなくなるまで雇い続けなければならなくなります。

就業規則には60歳定年は規定されていても、65歳以上の人には定年の定めがないのが普通です。

(3)は、パートなど有期雇用契約の人と、正社員など無期雇用契約の人とで、不合理な労働条件差別をしてはいけないよということです。この「不合理な労働条件」とはなにかと言うとまだ判例が少なく、ハッキリした線が引かれているわけではありません。

不合理な労働条件のわかりやすい例として「通勤手当」「食堂の利用」「安全管理」「福利厚生」「教育訓練」などは合理的な理由なしに正社員と差別してはいけないということでしょう。

現状では正社員は通勤手当を支給し、健康診断の受診補助があるものの、同じ仕事をしているアルバイトや契約社員にはないというところも多いでしょうが、そういうのは是正されていくでしょう。

ただし通勤手当の場合、どこの事業所や店に配転されるかわからない正社員だけ通勤手当を支給し、ある特定の事業所や店に勤務するパートやアルバイトには通勤手当はないという合理的な理由があれば問題はないということです。

以上のことから、今回の改正で労働者側にとって注意が必要なのは、

1)5年経ったからと言ってパートやアルバイト、契約社員から正社員になれるわけではないということ
2)逆に5年以上継続できるはずだった非正規雇用の仕事から5年未満で強制的に追い出される可能性が高まったこと

でしょう。

通常正社員としての就労を強く望んでいる人なら、一時しのぎでパートやアルバイトをしていても、並行して正社員の仕事を探すはずです。

5年間もパートやアルバイト、契約社員、派遣社員で働き続ける人は、正社員になることをそれほど強くは望んでいないと解釈されても不思議ではありません。

つまりこの改正では非正規雇用を受け入れている人に対して正社員の一部の利点である無期雇用や労働条件という権利を与えたに過ぎず、それで非正規雇用の問題がなくなるわけではありません。

今後はユニクロが導入を始めた「地域限定社員」のように、正社員はすべて一律同条件というものではなく、それぞれの条件に応じた雇用と条件が設定できるような仕組み作りで、企業が非正規雇用を優先して採用しなくても済む枠組みができればいいですね。


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