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ビター・ブラッド (幻冬舎文庫) 雫井脩介

映画にもなって大ヒットした「犯人に告ぐ」などの著者で、2007年単行本、2010年に文庫化された警察長編小説です。2014年には佐藤健の主演で「ビター・ブラッド 最悪で最強の、親子刑事(デカ)。」というタイトルでテレビドラマ化されています。

ま、よくある刑事ドラマものと言えばその通りで、設定は、子供時代に両親が離婚し、父親は出て行き、母親は失踪してしまい、父方の祖父母に育てられ、その後警視庁に入庁し刑事になった新人が主人公で、離婚して家を出ていった父親が同じ警視庁勤めというややこしい関係です。

そう言えば映画「犯人に告ぐ」も、豊川悦司扮する風変わりな刑事が主役のドラマでしたね。「犯人に告ぐ」は劇場型犯罪で、誘拐犯と刑事の息詰まるシリアスなドラマでしたが、こちらは刑事のあだ名が捜査一課長管理官には「タコ坊主」とか、吐く息が臭いので「スカンク」とか、コミカルな部分もあります。

タイトルは、主人公の祖父、離婚して別居した父親と3世代続けて警官となった血筋と、その父親は子供だった時に子育てをせずに離婚して出て行ったことで、険悪なムードが漂っていることから、直訳すれば「苦い血筋」となったのでしょう。

ま、すぐにテレビドラマ化されるぐらいにエンタメ性を重視した作品で、ちょっと現実味が乏しく感じるのは仕方ありません。

離婚後に行方不明となったままの主人公の母親については結局未解決のままなので、またそのうち続編が書かれるのかもしれませんね。

犯人に告ぐ」(2004年)が11年ぶりに続編の「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼」(2015年)が出ていますので、やはり11年ぶりの今年あたりに「ビター・ブラッド2」が出てきそうな予感がします。外れたらゴメン。

★★☆

著者別読書感想(雫井脩介)

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ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) 北川恵海

メディアワークス社主催の第21回電撃小説大賞で「メディアワークス文庫賞」を受賞した作品で2015年に発刊されました。また2017年には成島出監督、福士蒼汰、工藤阿須加などの出演で映画も製作されています。

こうした出版社主催の懸賞金付き小説募集は、先般読んだ百田尚樹氏の「夢を売る男」のように、応募者に対してうまく言いくるめ、自主出版で稼ごうとするものか?ってうがった見方をしてしまいますが、そうでなくても、この作品は、万に一つの大当たり!っていうヒット作となって、出版社も半信半疑ってことではないでしょうか。しかし読んでみると確かによくできた作品だと思います。

ライトノベルで、普通の人なら2時間もあれば軽く読めてしまうでしょう。それぐらいが1回に集中できる時間なので、ちょっと気分転換に丁度いいって感じで、内容も合わせて若い人の心をつかんだのかも知れません。

ストーリーは、ブラック企業に勤める主人公が心身とも疲れ果て、駅のホームでフラフラと今にも線路に飛び込みそうだったところ、小学校の同級生だったという男性に腕をつかまれ、そのまま居酒屋へ連れて行かれて親友となっていきます。

その後、親友のアドバイスなどもあり、仕事が順調に進み始めたところ、大きな失敗をしてしまい、再び追い詰められて自殺を考えるようになっていきます。

と、同時に、その同級生だったという友人のことを調べると、3年前に自殺して亡くなっていることがわかり、いったい友人は誰なのか?なぜ自分の前に現れたのか調べ始めます。

決して幽霊とか異次元の話しとかではなく、読んでいると、よく気が付く人なら先にわかってきますが、最後のエンディングでは、ありきたりとは言え、グッとくる場面が残されていますので、お楽しみに。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

リバース (講談社文庫) 湊かなえ

2015年に単行本、2017年に文庫本が出ています。「リバース」というタイトルの小説は意外と多く、五十嵐貴久氏相場英雄氏石田衣良氏(既読)北國浩二氏も出していてちょっと混乱します。

また似たタイトルでたいへん印象深かった「北村薫氏の「リセット」」を以前読んだことがあるので、シリーズ続編か?と最初タイトルを見たとき思いました。

なんと言っても映画にもなったあの「告白」の著者の作品だけに、このまま終わるわけはないなぁって思いつつ、終盤を迎え、あぁ、なるほどーと最後の最後で深い謎が解けてしまうという展開です。でも本当にそれが原因だっかどうかはわからず、ちょっと設定に無理があるような気も。

ストーリーは、コーヒーを豆から自分で煎れて飲むのが唯一の趣味という、地味な若い独身男性が主人公で、馴染みにしているコーヒー専門店で若い女性と知り合います。

付き合いだしてまもなく、女性の職場に「(主人公の男性は)殺人者だ」という手紙が届き、主人公にとっては唯一身に覚えがある、3年前に一緒に旅行中だった友人が、クルマの事故で亡くなった話しを女性にします。

同様にその時一緒に旅行へ行っていた大学の元ゼミ仲間のところへも、嫌がらせが入り、誰がそのようなことをしているのか、主人公の男性が調べていくという流れです。

死亡事故が起きたのは偶然か必然か、また原因を作ったのは誰かなど、3年前に起きた事故のあらましが徐々に明らかになってきますが、悪意のない行動や親切が裏目に出ることを上質なミステリーに仕上げています。

そうした交通事故が大きな謎になっていますが、私から言わせると、例え、他の誰かから求められたとしても、ハンドルを握って運転していた者が、自損事故を起こせば100%その運転手の責任、以上!で終わってしまいますが、それだけではミステリー小説にならないのでしょうね。

★★☆

著者別読書感想(湊かなえ)

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23区格差 (中公新書ラクレ 542) 池田利道

2015年に発刊された新書で、著者は一般社団法人東京23区研究所所長という肩書きの方です。この本を知ったのはいまは終了しましたがBSテレビ番組の「久米書店」に著者が出演されていて、その時の話しが妙に印象深かったことを覚えています。

さらにこの続編とも言える「23区大逆転」が2017年に発刊されていて、これだけで食っている?って訳ではないでしょうけど、東京23区の専門家であり、また地方再生コンサルなど人口減少社会においては貴重なお仕事なのかも知れません。

さて内容ですが、あまり知られていない23区の特徴や住人のことが書かれていて、私自身は23区内には住んでいませんが、なかなか興味深いです。

例えば、港区に住む人の所得は平均で904万円に対し、足立区に住む人の平均所得は323万円とおよそ3倍もの差があるとか、人口密度が一番高い豊島区(2010年)、中野区(1990年~2005年)は、ぶっちぎりで全国一人口密度が高い市区町村だとか。さらに豊島区は性差(男性/女性)が最も高く、男余りの区だとか。

大卒者の割合は千代田区が53.4%と最高で、足立区は19.9%と最低とか、交通事故発生密度が高いのは渋谷区で93.8件/km2、低いのは大田区の33.5件/km2、刑法犯発生密度で高いのはご想像通り新宿区の495.7件/km2、低いのは大田区の130.0件/km2。

大地震被害想定で建物の全壊率が最も高いのは荒川区の18.7%、低いのは練馬区の1.3%
、同死者発生密度の高いのは墨田区の48.4%、低いのは板橋区の2.5%。

2000~2010年で0歳から6歳までの幼児は全国平均で10.6%減っているが、東京23区では6.9%増加している。

ひとり暮らし世帯の比率が低いのは葛飾区で、高齢者のひとり暮らし比率が低いのは江戸川区、つまり下町のほうが家族で住んでいる割合が高い。もっとも他区には多くの大学があって、その学生がひとりで住んでいるという事情もある。

20年以上定住している人の割合が高いのは1位北区、2位台東区、3位葛飾区、低いのは中央区、港区、世田谷区となっています。これは一度住みつくと、気に入って永住しやすい環境にあると好意的にとらえるか、逆に住民の新陳代謝がなく、高齢化が進み、寂れてしまうと悲観的にとるか微妙なところ。

そういった様々な統計データを元に、日本の縮図が学べ、これから23区内に不動産を買おうと思っている人や、23区を走る沿線の状況が今後どのように変わっていくかなどを知ることができ、役に立ちます。

【関連リンク】
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