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1169
60歳定年、または雇用延長で65歳再定年を迎えてから、まだ老後のお金も欲しいし、家でブラブラしているのも退屈だしということで、定年後に起業する人が増えているという話しです。

こ20年間の推移を見ても50代以上の起業が増加傾向にあり、起業時の平均年齢も国民全体の平均年齢の上昇とほぼ同水準で上がってきています。

50代の起業は、いわゆる肩たたきの早期退職制度で早々に会社を辞めて、その時もらったお金で事業を興したりする人が増えているのだろうと思います。

もちろんそういった制度などなく、勤務先の業績悪化でリストラの憂き目に遭い、仕方なく個人でできる仕事を選択したという場合もあるでしょう。



データ出典:日本政策金融公庫総合研究所『2016年度新規開業実態調査』

ただ急に思い立ってすぐに起業できるほどは甘くないので、少なくとも数年前から資金やビジネスモデル、営業方法、人的なコネ(人脈)など考えておく必要はありそうです。

一般的に中高年以上での起業の場合、準備と言ってもなにも従業員をいっぱい雇ったり、IPOまで持って行くぞ!とかでないのですから(たぶん)、また、失敗したら何億の借金を抱えてしまうという大きなリスクをとってするものでもないので、そう難しいものではないでしょう。

一番良いのは、定年まで働いてきた仕事やその周囲で、そのままフリーとしてやっていけるのなら、それにこしたことはありません。

エンジニアやプログラマーなど職人と言われるような仕事をしてきた人なら、あとは営業センスや経理知識を身につければうまくいきそうです。それが難しいとも言えますが。

そうでない人は、今まで築いてきた人脈で仕事がとれるとか、機能する仕事を探して新しく始めるのが割と楽ですが、案外今までの人脈は会社に所属していたからこそ維持できていただけで、退職するとそれらの人脈はバッサリ切れたり、かなり薄くなってしまう人が多いのではないでしょうか。

本人はそれに気がつかず、今までと同じように「彼ならきっと力になってくれる」と思っていたら、ことごとく相手にされないということもよくあることです。

結局ビジネス上の付き合いや人脈は、ギブ&テイクがないと機能せず、退職したこちらが一方的に以前付き合いがあった人になにかお願い(テイク)しても、相手側にギブがなければ相手にされないというのが一般的です。

じゃ、過去の経験や人脈にこだわらず、まったくゼロからのスタートをするか?

それが一番気楽で、失敗しても自己責任で後悔せずに済みそうです。

ただ、優れたアイデアと行動力、そして継続していく力と相当な幸運に恵まれないと成功するのはなかなかたいへんでしょう。体力も資金も潤沢ではありませんから。

お金儲けのアイデアは誰だって考えているわけで、自分で思いつくアイデアなんて、他にも1000人以上がすでに考えていると思って間違いありません。

その中で勝ち抜いていくには、いくつかの成功例を参考にしていく必要があります。

まずは一人が小遣い程度稼げれば良いのなら、他の多くのビジネスとして大きく稼ぎたいと思っている人と比べて大きな優位性があります。例えば通販やオークションなどでセドリと呼ばれているビジネスなんかはまさにそうですね。

セドリは安い仕入れ先を探して、それに少々の手数料を乗っけて通販やオークションで販売(転売)すれば、1件で100円の利益しかなくても月間1000件扱えば10万円になります(税別)。月10万円の利益だと、それだけでは本業にはなりませんが、副業や定年後の小遣い稼ぎにはなります。

最近は副業で検索するとそうした副業を斡旋してくれたり、仲介してくれるところがいくらでもあります。怪しげな副業はどうかと思いますが、文章を書くのが好きな人なら、極めて低賃金(通常1記事の執筆で500円~)ながらライター系の副業も多くあります。

昔、内職募集で、登録するとまずは登録料が取られたり、機材を高額で購入しなければならなかったりする悪徳な内職詐欺がはびこりました。

そういうビジネスは今でも健在みたいで、昔のようにすぐに詐欺だとはわからないよう、最初の数回だけは案内通りに稼がせてくれて「これは本物だ」と思わせて、本格的にそれに入り込もうとすると、その後にいくつもの罠が仕掛けてあるような話しも聞きますので注意が必要です。

まず、自宅でできて、そこそこの収入になるなんてうまい話はないということから始め、自分で行動を起こし、どこにでも出掛けていって、自分の目で見て、経験を積み、第三者の信頼できる人に相談してみるとかも必要でしょう。

つまり面倒臭がりは副業にも定年起業にも向きません。マメで、人が嫌がることでも平気でできる人ほど成功しそうです。

ってことで、私自身もそろそろなにかをやらなければ老後が心配って思うようになりました。

なにをするかって?
それは、ヒ・ミ・ツ ※実はまだ考えてない


【関連リンク】
1141 リタイアメント
1136 定年延長の功罪と年代格差
1011 定年後の生活資金設計
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
499 定年後にどう生活していくか




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1168
統計上の生産年齢人口とは15歳から64歳までの労働生産がおこなえる人口のことを指しますが、それに属さない人口は「従属人口」または「被扶養人口」と言います。

但し、現実的には15歳や16歳で労働生産に従事している人は、常識的に考えると極めて少数で、97%が高校以上へ進学し、さらに高校卒業後には56%が大学など高等教育へ進学しています。

それらを考えると実質的に生産に寄与する就業人口は20歳~65歳ぐらいなのかなと考えます。

その生産年齢人口が1990年頃から減り続けているというのは承知の事実ですが、出生率が現在のペース(1.4)のままとして、国立社会保障・人口問題研究所の予測データでは、2015年時点で7,728万人(総人口の61%)の生産年齢人口は、23年後の2040年には5,978万人(2015年比で77%、総人口の54%)、48年後の2065年には4,529万人(2015年比59%、総人口の51%)にまで減ります。



出生率がもっと下がるようなことがあれば、さらに減ることになりますし、逆に出生率が上がったり、外国人の日本への移住が進むとかすれば減少を和らげることもあります。

ただ総体的に生産年齢人口が減り続けていくことは、もう疑いのない事実で、しかも購買力が旺盛な生産年齢人口が減れば国内需要も減少し続けていくことは間違いないので、中長期で見た場合の国内景気の先行きは、暗いとしか言い様がありません。

現在の人不足(労働力不足)は、東京オリンピック需要や、政府と日銀の場当たり的な景気浮上策がとりあえず功を奏して起こっているもので、「生産年齢人口減少=国内需要減少」に歯止めが効く特効薬が見つかったわけでもなく、恒久的な対策が効を得たわけでもありません。

もっとも今の政治を担う多くの人や企業の中で経営を担っている人は、50年先というと生きていないか、もし生きていたとしてもその頃はもう現役ではないので、そんな先のことを言われても知らないよってことなのでしょう。

先ほど、出生率が上がると人口減少に歯止めがかかるかもと書きましたが、出生率が今以上に上がらないだろうと思えるのは、晩婚化と未婚率の上昇があります。

晩婚化で結婚しても子供を作らない夫婦や、未婚で子供を生まない女性が増えていることから、今後この出生率はフランスや北欧諸国のように大きく制度や社会が変わらない限り、上がっていくことはまずないと思われます。また離婚率も上がっていますが、婚姻期間が短い夫婦ほど出生率も低くなっているので、これも平均出生率低下の要因となります。

役所が出会いのパーティを開いたり、保育園を作れば子供が増えるという単純なものではありません。

そういうことをツラツラと考えていると、いま企業ができる労働者不足や国内需要減少対策は限られてきます。そのほとんどはすでに実施済みのものばかりです。

1)働いていない女性に働いてもらう
2)働いてないニートや引きこもりの人に働いてもらう
3)働いていない高齢者に働いてもらう
4)働いていない障がい者や療養中の人にも働いてもらう
5)働きの悪い人に効率を高めて働いてもらう
6)外国人を雇用する
7)AIに働いてもらう
8)外国に生産拠点や販路を移す

政府と国が進める働き方改革の狙いは1)~5)がメインでおこなわれ、今年から家政婦などの解禁を始め、外国人労働者受け入れ基準の緩和は順次進められています。

企業側はすでにAIを使った医療分野やマーケティング活動、コールセンター、タクシーの配車などで活用し、メーカーは国内を閉鎖して、海外に生産拠点と販売機能を設けています。

なにか夢も希望もない日本の経済ですが、こういう事態はある日一気に変わるわけでなく、緩やかにその時がやってくるわけで、それに向けての準備は、リスクをとってできるだけ早く手を打つのか、それとも先頭は切らずに、横並びで動くのか、リスクは取らずに先駆者の後追いをするのか、経営者の能力が試されることいなりそうです。

それにしても、政治家は票を取るために希望のない国の国民に対して「希望」という夢を与えるものなんですね。


【関連リンク】
1009 兼業禁止規程はいつ禁止されるか
828 後継者不足で廃業、倒産する企業
765 労働生産性はむやみに上げるもんじゃない
489 生産年齢人口の推移とは

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1167
関ヶ原 2017年東宝

1966年に刊行された司馬遼太郎の作品「関ヶ原」を元にした作品で、「クライマーズ・ハイ」などの作品がある原田眞人監督、主演は石田三成役に岡田准一、徳川家康に役所広司、島左近に平岳大など。

戦国時代の終わり頃、つまり天下統一を果たした豊臣秀吉が亡くなり、その後の覇権を徳川家康が虎視眈々と狙い、その秀吉傘下の大名同士で決着をつけたのが関ヶ原の戦いです。

原作は読んでいないのでなんともですが、映画での主人公は関ヶ原の勝者の徳川家康ではなく、負けて惨めに戦場から逃げ去り、その後三条河原で打ち首となった石田三成です。

勝てば官軍の通り、その後の歴史は徳川家が中心となって歴史書も書き換えられてきましたが、近年では石田三成の功績やその人となりも歴史書に書かれているような邪悪な凡人でも悪人でもなかったということが言われています。

実際はどうだったのかは知りようがありませんが、原作通りであれば司馬遼太郎氏も石田三成に対して良い感情をもっていたと思われます。

それを埋もれた資料を基に研究が進んだ現代ではなく、1966年当時に言えるというのはさすがとしか言い様がありません。

映画では「石田三成に過ぎたるものが二つあり、島の左近と佐和山の城」のうち島左近が準主役としてスポットをあてています。

実際に関ヶ原へ行くと、三成が陣を敷いていた笹尾山のすぐ下、距離にしてわずか100mぐらいのところに島左近陣跡があり、西軍の最後の砦だったことがわかります。

5分でわかる関ヶ原の戦い 2014/12/13(土)

映画はとにかく出演者の数が半端なく多く、また時の過ぎるスピードも速いので、ある程度それらの大名や武士の名前を知っていないと、混乱必至でしょう。

関ヶ原に至るまでの長い駆け引きも面白いのですが、いっそそれはすっ飛ばして、関ヶ原の戦いだけを中心に誰と誰が戦って、誰が裏切って、誰が傍観していてという戦争シュミレーションを映画にしてもよかったかも。

ということで、せっかく良い役者をいっぱい集めた割には、あまり良い作品に仕上がっているとは言えません。またヒロイン有村架純は、全然戦国時代の忍びらしくなく、まったく時代劇には向かない感じで一番残念でした。

★☆☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟


理想の彼氏(原題:Rebound) 2009年アメリカ

原題はReboundで「跳ね返る」という意味です。監督はバート・フレインドリッチで、主演は「シカゴ」でアカデミー助演女優賞に輝きその他「ターミナル」や「オーシャンズ12」に出演しているキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。そのほかの出演者にジャスティン・バーサや懐かしのアート・ガーファンクルなどなど。

旦那が浮気をしたため小さな子供二人を連れて家を出て、ニューヨークへやってきた40代の主人公が、仕事で能力を発揮しつつ、ずっと年下でしがないコーヒーショップで働く男性を子供達の子守として雇ったことからやがて二人に愛が芽生えてきます。

こうした白人女性のどん底からの成功物語ってのはアメリカでは毎年のように作られているようで、仕事も男(しかもずっと年下のイケメンで連れ子との相性もバッチリ)も軽々と手に入れるという安直なストーリーは驚きも感動もなく、ただただ、アメリカの厳しい現実の生活に疲れ果てた女性達のストレスを発散させ、夢を叶えるエンタメとして機能しているのでしょう。

そう言えば日本でも「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」っていう、しがないOLの独身女性の家に、イケメンで料理の腕がいい独身男性(しかもお金持ちで名門の良家の出)が、転がり込んでくるという小説(2009年刊)&映画(2016年公開)がありましたね。

映画の内容はともかく、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの色っぽさとかわいさで私は十分満足です。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟


家族はつらいよ 2016年松竹

2016年に公開された日本映画で監督は山田洋次、制作は「家族はつらいよ製作委員会」で、配給は松竹です。

長く松竹で制作されてきた「男はつらいよ」の家族版ってことですね。2017年には無縁社会をテーマとして「家族はつらいよ2」が公開されていました。見てないけど。

主演は息子が覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕されてお気の毒な感じの橋爪功、その妻役に吉行和子、長男は西村雅彦、次男には妻夫木聡、その恋人に蒼井優など、それぞれが主役を張れるような豪華な俳優陣が出ています。

この映画のテーマは熟年離婚で、子育ても終わり仕事も定年になって暇を持て余している夫が、妻から三行半を突きつけられてのドタバタ劇です。

おそらく映画を見に来る想定客は「男はつらいよ」をこよなく愛してきた、団塊世代に向けてではないかなと思われます。

ま、そう書くと、だいたいおおまかなあらすじは想像できるというもので、その通りで間違いありません。

実際このような家族の一大事に集まってくる「家族」は少なくなってきていて、郷愁を誘うようなところがあります。そのあたりが監督だけでなく脚本も手掛けている御年86歳になる山田洋次氏の特徴なのでしょうかね。

同じようなテーマでもっと若い30代とか40代の監督が手掛けると、同じ家族であっても、長男は仕事と自分の家庭ばかりで実家には寄りつかず、次男はニートで実家の部屋にこもりっきり、親は子の言うがままで振り回されて、離婚なんて考える余裕すらないって感じになりそうです。また離婚騒動が起きても子供達は「勝手にしたら~」と。

ま、よき昭和の時代を生き残った80代の監督が考える現代の家族像はこういうものなんだろうというのがよくわかる作品です。

けなげで献身的で可愛い蒼井優がよかったので★2つです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

博士の異常な愛情 1964年米

原題は「DR. STRANGELOVE: OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB」(博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか)

監督は「2001年宇宙の旅」など数多くの大作や名作を手がけてきたスタンリー・キューブリック。出演はピーター・セラーズ(重要な三役)、ジョージ・C・スコットなど。

1964年なのですでにフルカラー映画全盛になっている時代にかかわらずモノクロで撮影されたこの映画は同じく核戦争の恐怖を描いた「渚にて」(1959年)と共通するところがあります。ただこちらは真面目な「渚にて」に対しブラックコメディ的な要素が大きく反映されています。

ストーリーは、米ソ冷戦時代、ある空軍の将軍が24時間ソ連近郊を飛行している核戦略爆撃機全機に攻撃命令を発します。核攻撃命令は大統領の専権事項ですが、先制攻撃をされて国防省中枢が混乱しているときには誰でも可能という盲点を突いています。

対するソ連はまだ未公表の先制核攻撃をされた場合の報復手段(放射能で地球上の生物を皆殺しにする爆弾)を持っていて、米ソ首脳同士がホットラインを通じてそれを避けるべく奔走しますが、唯一攻撃中止の連絡が取れなかった爆撃機がソ連のICBM基地を攻撃してしまいます。

その後は地球上の各地で炸裂する核爆弾の映像が流れ、BGMに「We'll Meet Again」(また会いましょう)が流れ、その後の地球を暗示して終わります。

人間の愚かさ、軍人の暴走、自動で反撃装置が働くオートメーション時代など、北の某将軍様にも見てもらいたい背筋が凍りそうになる名作です。

アメリカ大統領、英国軍から派遣されて暴走軍人の副官として核戦争を止めようとするまっとうな軍人、そしてタイトルにもあるナチス時代から核兵器に詳しく大統領のアドバイザーに就いている奇妙な博士の微妙な三役をうまくこなすピーター・セラーズが最高です。

★★★



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1166
秘められた貌 (ジェッシイ・ストーン・シリーズ) ロバート・B・パーカー

2007年刊の「High Profile」の翻訳版(翻訳版文庫は2010年刊)で、警察署長ジェッシイ・ストーンシリーズ6作目です。別のシリーズの主人公で女性私立探偵サニー・ランドルも主人公ジェッシイのガールフレンドとして登場しています。

パーカー言えばやはりボストンの私立探偵スペンサーシリーズが有名で私も大好きですが、1997年から始まったこのジェッシイ・ストーンシリーズもスペンサーにはない面白さがあって楽しめます。

探偵と警察署長という違いこそあれ、そのキャラクターは似通っています。

スペンサーシリーズをすべて読み終えた後、その余韻が冷めた頃を見計らって、このシリーズを読むとパーカー独特の言い回しや絶妙な会話がよみがえってくること請負です。

ストーリーは、ジェッシイが警察署長を勤めるマサチューセッツ州の架空の街パラダイスで、テレビやラジオで活躍している毒舌の人気司会者が殺され、公園の木に吊り下げられているのが発見されます。

それと同時に司会者のアシスタントで、愛人の女性も同じ銃で殺害されているのが発見され、マスコミの注目を浴びる中、小さな街の警察署長の主人公は、自ら部下とともに犯人探しに奔走します。

その捜査手法が、私立探偵スペンサーとも共通していて、関係者と順番に会って質問し、なにかが動き出すのをジッと待ちます。

最近のミステリー小説のような変に凝った「驚愕のラスト!」とかはありませんが、「なぜ?」という疑問を解き明かしていく丁寧な捜査が好感を呼びます。

スペンサーシリーズでもお馴染みのマサチューセッツ州警察殺人課のヒーリー警部もサポート役として登場したりして、スペンサーシリーズを懐かしがるには最適です。

★★☆

著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ウルトラ・ダラー (新潮文庫) 手嶋龍一

元NHK記者で外交ジャーナリストとしてテレビにもちょくちょく登場している著者の2006年(文庫は2007年)刊の国際インテリジェンス(諜報活動)小説です。

いま2017年は北朝鮮の核実験と長距離ロケットの話題が世界中を揺るがしていますが、その根っことなった2000年前半の北朝鮮の核開発やミサイル技術の導入に関し、その資金調達に偽アメリカドル札の大量発行があったことをテーマとしています。

印刷技術者の拉致、偽札検査機のメーカーへの謀略、外交官との癒着、高額紙幣に刷り込まれるマイクロチップ技術の流出など、その手口や国を挙げての陰謀を現実に起きた事件ともリンクさせながらうまく小説に仕立てています。
 
主人公は日本語が達者で日本文化にも精通している英国BBCの日本駐在員、その駐在員と英国の大学で同級生だったアメリカの財務省シークレットサービス要員。

BBC記者は駐在員という肩書きと、もうひとつ英国情報部の顔を持っていますし、シークレットサービスは大統領警護で有名ですが、実は世界中に出現する偽札ハンターとしての役割も担っています。

現在の北朝鮮が核兵器を保有し、2500km以上飛ばせるロケットをロシアやウクライナの協力により保有するに至ったのは、こうした2000年代前半からの下準備があってのことで、ここ数年だけで成し遂げたわけではないでしょう。

そういうことから、この小説は、現在2017年のことをすでに予見していたノンフィクションに近い小説なのかもしれません。

ただ、小説の中で、偽札検知機器メーカーの社員が、世界中で偽札を集めて持ち帰り、それを実験用として使っているという話しが出てきますが、それはにわかには信じられません。

ほとんどの国では偽札と知って保有しているだけで、例えテスト用だと言い訳をしても必ず実刑をともなう重罪となり、そのようなリスクを冒すのは馬鹿げています。

日本の場合、偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)は、無期又は3年以上の懲役で、殺人(傷害致死)と同等の重罪です。普通そこまでの犯罪を犯してまで会社に尽くせません。

通常偽札の検査機器をチェックする場合、確か、ベンチマークテストの場が、国の公認でおこなわれていて、そこで過去に発見された偽札の反応テストなどが行えるようになっているはずです。

私が香港に少し滞在していたとき、友人がたまたま手に入れたという偽札の100ドル紙幣を見せてくれましたが、手触りも印刷も本物と並べて見比べても素人の目にはまったく違いがわからず、そんなの万が一持っているのを見つかったら、それこそ何年も外国の刑務所に収監される可能性があり、ジョークのつもりでも持ちたいとは思いませんでした。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」 (角川oneテーマ21) 村上隆

現代美術、ポップアーティストの地位をゆるぎなきものとしている著者の2012年の新書です。

一方では芸術家と相容れそうもないビジネスマンでもあって、そういう意味では前例のない新しいエンタテナーなのかも知れません。

芸術家とビジネスマンが相容れないと書きましたが、そう思っているのは一部の偏見ある人だけかも知れません。

ほとんど多くの芸術家はそれで飯を食うため、当然のことながら営業活動もすればスポンサーの意見や要望に譲歩することもあります。

ただそうしたことを芸術や美術学校では学生には教えない風習があって、著者は有名美大出身の社会経験もない芸術家気取りの若者が、多少作品が評価されただけで「オレは芸術家だ」と、まるで大物と勘違いしている人が増えてきていることを嘆いているというのがわかります。

さらに、著者は自分が批判の的になっていて多くの人から嫌われていることもよく理解していて、それでも自分の考えを通していく一本の筋が通った主張を述べているのは好感が持てそうです。

こういう創作の世界にいると、しかも突出していればいるほどに周囲からの妬みやひがみ、いいとこ取りだという非難なども多いでしょうし、私もニュースなどで訳のわからない醜悪なフィギュアに何億円という値段がついたとかの話しを聞いても「へぇ、こんな日本人がいるのか?」って思うぐらいで、その作者については芸術性の全くない平々凡々な人生をおくってきた身としては「なにかよくわからん」というのが実際のところでした。

一般的に新書というジャンルは、その著者や著者が関わる企業などのPR誌という趣向が強くあり、著者にしてみても、「プロフィールに著作物があると書ける自己満足とPR性」「初版本の大半を自分や会社が買い取り、名刺代わりにビジネスで会社案内代わりに使える」など多くのメリットがあります。

新書に対してはそうした多少ゆがんだ見方を持っていますが、この本もその例外とは言えず、著者も自分が設立した会社を10数回は登場させて盛んにPRしています。そのあたりもさすがにビジネスで成功を収めているアーチストなんだなということが理解できます。

内容自体は、美大や芸大などに通っている芸術家志望の若者に対して、「日本の芸術家業界で生き残る法」というような話しで、これが意外に知られていないことが多く、芸術とはまったく関係が薄い人間(私)が読んでも面白かったです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

海の見える街 (講談社文庫) 畑野智美

2010年に「国道沿いのファミレス」でデビューした作家さんで、若い人の青春恋愛小説を得意としている感じで、この本も若くはないけど20代~30代の男女4人の仕事と恋愛と趣味がうまくバランス良く絡み合った、短編連作の恋愛小説と言えます。

海の見える街」というと宮崎駿の大ヒットアニメ「魔女の宅急便」に登場する北欧の某都市をイメージする人が多いのですが、こちらはいたってドメスチックな青春物語です。

その短編には「マメルリハ」、「ハナビ」、「金魚すくい」、「肉食うさぎ」の4編が収録されていて、それぞれ4人の登場人物が主人公となって順番に話が進行していきます。

4人が働いているのは市の図書館と併設されている児童館。

30代半ばになっても彼女もいない独身でいる男性二人と、20代半ばのオタク系女子と職員の産休中に派遣でやってきた同年代の訳あり元ヤンキー女子。

この4人がそれぞれに抱えている問題や感情を出していき、複雑に絡み合っていくところをうまくひとつのストーリーにまとめているなって感じです。

また1話ではマメルリハという種類のインコや、2話ではミシシッピアカミミガメ、3話では琉金、4話ではウサギなど、ペットとセットになっているのは落ち着きが良すぎます。

ただ世の中はこれほどまでにのんびりもしていないし、4人だけの世界で閉じていることもまずなく、現実をほどよく知っている中年男性にとっては、なんだかこそばかゆく、また現実感のなさにちょっと反感も覚えたり。

★★☆

【関連リンク】
 9月後半の読書 象の墓場、ナイト&シャドウ、美しい家、お別れの音、偽悪のすすめ
 9月前半の読書 危険なささやき、会社の品格、男の勘ちがい、安土城の幽霊
 8月後半の読書 白雪姫殺人事件、里山資本主義、デセプション・ポイント、漂流者たち

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1165
今回のテーマはラーメンです。カレーライスとともに、立派な国民食となったラーメンです。

延々と続くラーメンブームはいつまでも衰えず、その質もミシュランガイドが認定するほどに一段と高まってきたと感じます。

昔の話をすると、どうしても高齢者の戯言になりますが、私が小学生の頃、まだラーメン(中華そば)というのはそれほど一般的ではなく、どちらかと言うと関西圏でしたので麺類と言えばうどんが主役でした。

冬場になると夜中にラーメンの屋台がやってきて、親に頼んで小銭をもらい、丼鉢か小鍋を持って屋台へ走って行き、ラーメンをそれに入れてもらって、家に持って帰って食べていました。ラーメン専門店はほとんどなく、中華料理屋のメニューにラーメンがあった程度です。

そしていきなり高校生時代へ飛びますが、その頃、今では全国展開している天下一品が京都北白川に初めて店を出し(第1号店、現在の総本店)、それが仲間内でも「とても美味しい!」と評判になりました。少し距離はありましたが、自転車を飛ばし、何度も食べに行きました。

しかしまだその頃はラーメンブームとは言えず、私の中でラーメンと言えばチキンラーメン(1958年~)やカップヌードル(1971年~)などお湯を注いで食べるインスタントラーメンの代名詞でした。それだけに日本のラーメンブームの立役者は日清の創業者安藤百福氏でしょう。

屋台や中華料理店で食べるラーメンは、私の中では、醤油風味のスープにナルトやシナチクが入ったいわゆる中華そばなのですが、そのような素朴なラーメンはもうほとんど見当たらなくなってしまいました。

店の名前は忘れてしまいましたが、1980年に東京へ出てきて、仕事で銀座を回っていたとき、夕方に小腹が空いたとき、150円のラーメンを見つけ、こりゃいい!と感動して食べたものです。

当時一番安い、トッピングもない素のラーメンの平均価格が300~400円の時代です。吉野家の牛丼が並で350円でした。

 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

社会人になってから東京で仕事をしていましたが、さすがに人が多い東京は数多くの種類のラーメンが乱立していて、そのうちに横浜家系だの荻窪系とか二郎とか多くの系統があり、中には行列ができる有名店まで現れていました。

一通りのラーメンを賞味した結果、結局は東京にも進出してきた高校時代から味が変わらない天下一品に戻り、年間数回は遠くても出掛けて食べに行っていました。

今でも関西方面へ行くと、必ず時間をとって、北白川の天下一品総本店に寄るようにしています。

他のFC店とは味が違っていて、総本店のこってりラーメン(にんにく入り、ネギ多め)は他の店と違ってコクの深い独特の味がします。

もし天下一品のラーメンを語る場合は、おそらく工場で製造された粉末スープを使っている各FC店の味ではなく、50年以上同じ場所で熟成されてきたこの総本店のスープで食べないと笑いものになってしまいます。

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最近のラーメンの傾向としては、だんだんと豪華になってきていて、ラーメン1杯が軽く千円を超える店が増えてきました。見かけを派手にしてSNSなどで拡散してもらおうという目論見が見え見えでもあります。

そのため牛丼の値段が40年前とあまり変わらないのと比べ、ラーメンの平均単価はおそらく2倍以上になっている感じです。国民食の名が泣きます。

バブル以降、脱サラして手軽に始められる商売としてもラーメン店は人気があり、そうした新興店も多く登場してはすぐに消えていきました。決して甘くない世界です。

ラーメン専門店として生き残るのは大資本でチェーン展開をしている店と、大きな野望などは持たずに、常連や地元民に愛される小さな店ということでしょうか。

ラーメン専門店の最大手は、チェーン店数第1位の「幸楽苑」で、日本と海外で500数十店舗あります。第2位は「スガキヤ」、第3位は「花月嵐」と言われています(2016年データ)。

国内外に700数十店舗展開する「餃子の王将」のラーメンも値段の割に私はなかなかのものと評価していますが、ラーメン専門店ではないので除外しています。

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ただ、ラーメン専門店はこれから厳しい冬の時代を迎えるのではないかなと思っています。

まず客層の大半を占める若者の数が減ることで、ラーメン愛好家の自然減が年々着実にあること。

今まで主力の客だった団塊世代ジュニア世代が胃が弱ってくる時期に入り、消化の悪い「かん水」や「背脂」、「チャーシュー」などを使ったラーメンをあまり好まないこと。

糖質カットの風潮の中、糖質(炭水化物)の塊のようなラーメン(+ライスとかチャーハン)は敬遠されがちなこと。

ラーメン店にやってくる外国人観光客が増えている店はごくごく一部だけ。

などなど。

ラーメン独特の味や匂いや食感を失わず、カロリーオフ、糖質オフ、消化が良く、塩分は控えめ、麺やトッピングの量も自由に選択という、ダイエットしたい女性や高齢者にも向いたラーメンの開発と店舗展開が急がれそうです。


【関連リンク】
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