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1722
4年前に自宅のネット接続契約をJ:COMからNURO光へと変更し、平日の日中は快適に使ってきました。

土・日曜日や夜間の回線はやたら混んでいるためか通信速度がメチャ遅くなりますが、動画や画像のアップロードやダウンロードなどは昼間メインで使えばいいかと、もうあきらめています。

ネット回線「NURO光」の真実

しかし、もうひとつ気になる点があり、それは夕方から夜にかけて、ネットが突然瞬断してしまうことが起きます。

その瞬断する時間に運悪くなにかダウンロードしていたり、アップロードしていると、そのすべてが途切れてしまい、操作を再試行してもダメで最初からやり直しになります。

たまたま起きる事象かな?と思っていましたが、調べると毎日必ず発生していることがわかりました。

瞬断が起きる時間帯は夕方5時過ぎから夜の8時過ぎまでの間で、その日によって違います。起きるのはわかっている範囲では1日1回だけで、午前中とか昼間には起きることはありませんので、混み合う時間帯に起きています。

NUROのよくある質問や、同じような現象をネット検索で調べて見ましたが、同様な現象は見つけられず原因は不明です。

回線はNURO光で、ONU(光回線終端装置)からPCへは有線LANで接続しているので、Wi-Fi関連の障害ではありません。このトラブルが起きてから、ONUは何度かリセット(電源を抜いて10分以上置いてから再接続)してみましたが、現象は変わらず起きます。

PC側になにかタイマーをかけているとか、毎日なにかの操作(バックアップや自動更新など)が動き出すといった設定はありませんが、ウイルス検知のAvastが悪さをしている可能性も捨てきれません。

そこで、原因は不明ですが、とりあえず以前から新しいものに変えて欲しいと思っていたNUROから貸与されているONUの交換をしてもらうことにしました。

通常はハッキリした故障や不具合がなければ、ONUの交換はしてもらえません。今回の症状もONUが原因かどうかは不明なので、正面突破で交換を要望しても断られそうです。またもし故障だったとしても機種を特定して要望することはできません。

そこでいろいろと調べると、2019年に契約したとき、送られて来て設置したONUは、EchoLife社のHG8045Dという4年前の当時標準的なもので、現在はWi-Fi接続時の通信スピードがより高速になる無線LAN規格の11acがまだ未対応の機種でした。

そこで、NUROのサポートセンターの問合せページから、「11acの無線LAN規格で通信したいので、それが可能なONUに交換してもらえませんか?」と頼んでみたところ、すんなり無償で交換してくれることになりました\(^o^)/

話しをしてから4営業日後に宅配便で配達され、その翌日にはやはり宅配便の人がやってきて、交換した古い機種を引き取りに来ます。この古い機種はホコリを払って、また誰かの元に配達されるのでしょうか。それはわかりません。

今回新しくやって来たのはシンクレイヤ株式会社(SYNCLAYER)のSGP200Wという機種です。11ac対応という違いがあるだけで、その他の機能は変わりなさそうです。SYNCLAYER社は日本の会社ですが、この製品の製造は中国です。この手の製品のほとんどは中国か台湾製ですね。

onu1

onu2

設定などはマニュアルを見て再度おこなう面倒くささはありますが、今までのように毎日必ず突然接続が途切れてしまうということはなくなり、とりあえず今のところは快適に使えています。

っていうことは、毎日決まって起きる瞬断の原因は理由は不明ですがONUが原因だった可能性が高そうです。

【関連リンク】
1625 ネット回線「NURO光」の真実
1355 やっとのことでJ:COMを退会した その1
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1



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1721
贖罪の街(上)(下)(講談社文庫) マイクル・コナリー

前作「燃える部屋(The Burning Room)と同じ2018年に日本語版が出版されたハリーボッシュシリーズの第18作目となります。

前作では定年後の延長契約で未解決事件の捜査をする刑事でしたが、その時に起こした上司の個室へ無断で忍び込み捜査資料を閲覧するという暴走をしたためにロス市警を任期途中で退職することになり、異母兄弟の刑事弁護士ミッッキー・ハラーに代理人として異議申し立てをしています。

そんななか、ミッキーの専属調査員が交通事故に遭い、代わりに殺人事件の容疑者の無実を証明する調査をして欲しいと頼まれ、それが今まで仲間だった刑事達を裏切る行為になることで悩みますが、結果的に本当の犯人を捜すことは今までやってきた正義でもあるので事件に関わっていくというストーリーです。

原題は「The Crossing」で、作者の意味としては、主人公ハリー・ボッシュが今まで原告側の立場だったのが、今回は弁護側の立場に立つということでそれを横断という表現にしているそうです(訳者あとがきより)。

ただそれではわかりにくいと言うことと、ボッシュ自身が警察に対する裏切り行為とも言える警察が挙げた容疑者の弁護側調査員になることで、「贖罪」というタイトルに変えたと言うことです。

主人公のボッシュが刑事ではないのは、過去にもあり、それは9作目「暗く聖なる夜」と10作目「天使と罪の街」で、私立探偵の許可をとっての事件捜査でした。その後11作目の「終決者たち」でロス市警に復職しています。

刑事だったら軽々と調べられたり、協力を得られるところ、単に弁護士の調査員という立場なので殺人事件の調査は困難を極めます。

そして従来にはほとんどなかったスマホを駆使してウーバーでクルマを呼んだり、スマホで録音した事件の真相を話す関係者の音声をすぐに弁護士宛にメールに添付して送ったり、なかなか定年後のオヤジにしてはやってくれます。

おぞましい殺人事件調査だけではなく、前回ぐらいから続いていた恋人とは別れ、その代わりに新たな恋人(候補)ができそうだったりと、エンタメを意識した人間臭さもちゃんと入っています。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)
ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完 2020/10/3(土)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ストロベリーライフ(毎日文庫) 荻原浩

長編小説のデビュー作「オロロ畑でつかまえて」以来、文庫化された小説のほとんどを読んできた著者の小説は好きで、今回の作品(2016年単行本、2019年文庫)もやや遅れましたがようやく読むことができました。

妻と子どもがいる男性が主人公で、広告会社を退職してフリーのデザイナーとして独立したものの、あまり順調と言えない状況に陥っています。

そこへほとんど帰ることがなかった静岡の実家で農業をしている父親が倒れ、一時的に実家へ戻って農業の手伝いをすることになります。

タイトルにもあるように、イチゴをメインにしている小規模な家族経営の農業で、時間をかけて取材をされたのでしょう、農業就業者の高齢化や後継者不足、化学肥料、転作、農業法人、国の施策、補助金など農業に関わる様々な問題を小説の中で露わにしています。

また農業は常に自然(災害や気温、雨量、害虫など)との闘いと融和でもあり、野菜や果物はスーパーで買うしかない多くの都会に住む人達には新鮮な気持ちになれそうです。

そうした中、中途半端に農業を手伝うだけでなく、思い切って腰を据えて農業をやろうとする主人公が決意をするまでの一種のお仕事小説になるのかも知れません。

★★☆

著者別読書感想(荻原浩)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

最澄と空海―日本人の心のふるさと(小学館文庫) 梅原猛

著者は2019年に亡くなっていますが、西洋哲学者として、また宗教、特に仏教の造詣が深い方で多くの著作があります。その中では1990年代に「歎異抄入門」を過去に読んでいます。

本書は2005年に文庫で発刊されましたが、ほとんどの日本人なら中学校や高校で習っているはずの「最澄と空海」の名前は知っていても、いったいなにを成し遂げた僧侶なのかはあまり知らないというのが実情でしょう。

私も以前五木寛之著の「親鸞」を読んでその壮絶な生き方を感じることができましたが、その親鸞や親鸞の師でもある法然上人にも大きな影響を及ぼした「最澄と空海」が成し遂げたことを知りたいと思ってこの入門書のような書籍を手に取りました。

個人的には特定の宗教を信じているわけでも信者でもないですが、サブタイトルにあるように、日本人の心の中にはこうした歴史を積み上げてきた仏教や神道などを知識として理解しておくことは重要で、例えば外国人観光客に我が国の文化や歴史を聞かれたとき、になにも知らないという文化度が低いという恥ずかしい思いはしたくないものです。

内容は特に書きませんが、仏教が日本中で拡がっていく大きな役割を果たした二人の僧侶「最澄と空海」はともに大きなリスクを冒して当時の先進国だった唐(中国)に渡って仏教を学び、同時代にそれぞれ違ったやり方で日本で布教活動や後進育成をしていく姿が浮かび上がってきます。

また最澄は比叡山、空海は高野山と、当時はまったく開発されていない秘境の山の中に修行の場所を決め、旧来の奈良仏教から新しい平安仏教へと変わっていく大きなうねりの中での苦悩と進展はなるほどと思えるところが多々ありました。

しかしこの文庫の中では同じ話しの繰り返しが多く、また著者が研究して書いたおかげで司馬遼太郎などの小説家達がそれらの僧侶を見直して主人公にした作品ができたというような自慢話が何度も繰り返されるのにはちょっと辟易します。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

王国(河出文庫) 中村文則

昨年に読んだ「掏摸」(2009年)の続編というか姉妹編に近いクライムノベルで、2011年に単行本、2015年に文庫化されています。

「掏摸」では器用でスリを生業としていた若い男性が主人公で、怪物と言われていた犯罪の元締め的な男との絶望的な関係が描かれましたが、今回の主人公は娼婦のフリをして男性を籠絡し、スキャンダルの脅しになる証拠や機密情報を奪うことを依頼されて生業としている若い女性です。その女性に怪物が近づいてきます。

「掏摸」の主人公にはなぜか感情移入してしまい、裏切ったことで最後に刺されたところで終わり、死んだのだろうか?と思わされましたが、今回、怪物が女性に接触を図ってきたあとに、ハンドバッグに隠していたナイフを鮮やかに奪い、その後ナイフを返しながら「ヤツとは関わるな、怪物だ」と密かに忠告を与えていますから彼は死んでいなかったんだと少しホッとします。

結局は、それまで女性に犯行を指示していた組織と、新たに関わることになった怪物が率いる組織との対立まで発展していき、女性の過去や、怪物に操られ行き止まりになってしまった絶望感が再び描かれます。

「掏摸」では暴力や陰謀など重苦しい内容が延々と続きますが、それと比べると割と軽快に進んでいくので安心して読めます。

★★☆

著者別読書感想(中村文則)

【関連リンク】
 5月前半の読書 ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン、ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者、漂流、JR上野駅公園口
 4月後半の読書 ひなた、宝島(上)(下)、パレートの誤算、権現の踊り子
 4月前半の読書 ロスト・シンボル(上)(中)(下)、糸、年金だけでも暮らせます


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1720
今年の3月からNHK BSで毎週1話ずつ放送されていたプレミアムドラマ「グレースの履歴」(1話~8話、1話50分)を録画して一気に見ました。お金もかけた上質なドラマだったのでそのうち地上波でも放送されるような気がします。また有料ですがNHKオンデマンドならいつでも見ることはできます。※画像はすべてNHKより拝借しています

グレースの履歴

普段はこうした長いドラマは退屈で疲れるので、あまり見ないのですが、このドラマ、予告編でホンダの1960年代の名車S800(エスハチ)が登場していたので、ちょっと気になって録画しておきました。

原作は源孝志氏の2010年に出版された小説「グレース」(2018年文庫化の際に「グレースの履歴」と改題)です。

結論から先に言うと、人間ドラマあり、ホンダS600の感動的な話あり、主演の尾野真千子と滝藤賢一以外に回ごとに登場してくるスペシャルゲスト?が豪華、エンディングテーマ曲も洒落ていて面白いドラマでした。

簡単にストーリーを紹介しておくと、子どもがいない中年夫婦の妻が単独でフランス旅行中にバス事故で亡くなってしまうことから物語は始まります。

その妻は、ホンダS800(左ハンドル)を中古で購入し、とても大切に乗っていましたが、成田空港の駐車場に置きっぱなしになっていたS800が遺族の夫の元へ戻ってきます。

また、妻は夫に内緒で白血病の治療をしていて、もしもの時のために弁護士に依頼して遺言を残していましたが、その中に「グレースはできれば処分しないで夫に乗って欲しい」と書かれています。グレースというのは、妻が買ったS800につけた愛称です。その愛称グレースにまつわる話しは後ほど。

妻の遺言を守るため、主人公は運転免許を取得し、S800に初心者マークをつけて乗りますが、カーナビに残っていた目的地履歴のリストを見ると、フランスへ行っていたはずの日程と走行履歴の日時が重なっていることに気がつきます。

つまり、2週間の予定で渡仏していたはずが、そのうちの前の1週間はS800で国内旅行をしていたことになります。これはもしかして夫には内緒の浮気旅行なのか?という疑問が湧きます。

謎が深まり、フランスへ行っていたはずの日時にカーナビ履歴に残っている目的地へ主人公がS800に乗って旅をするというロードムービーです。

初回は起承転結の起で、妻が亡くなり、残された夫が妻の不可解な行動に気がつき、悩みながらも第2話から妻の行動をS800とともに辿る旅に入ります。

第2話では最初の目的地だった場所へ向かいますが、そこでは妻の結婚する前の元彼だった男性(伊藤英明)が夫婦でそば屋をやっていて、なぜここへ来たのか話し合うことになります。

第3話では夫の故郷である松本へ行き、その後諏訪で田舎道を快調に飛ばしていたらエンジンがオーバーヒートしてしまい、偶然通りかかったバイク乗りの女性(山崎紘菜)に救われ、近くにある腕の良い修理工場を教えられます。

その修理工場(実はバイクショップ)のオヤジ(宇崎竜童)が、かつてはホンダの社員でS800の開発にも関わり、その後は世界中をレースに帯同するメカニックとして活躍した伝説の有名人だということを知ります。

グレースの履歴2

第4話では、S800が国内はもとより世界でも大人気で、映画女優からモナコの公妃となったグレース・ケリーも愛車にしていたという話を聞き、妻がこのクルマを「グレース」と名付けた理由を知ります。

そして若い頃モナコでS800の修理をレースのサポートで当時同国に滞在していたその店のオヤジが公妃の館に呼ばれ、S800を修理した思い出話をします。その時にイタズラ心でS800にちょっとした落書きをしておいた話しをしますが、実は今回の修理でその時の傷痕を見つけます。

第4話の終盤には伊吹山の道の駅から京都へ向かおうとしているヒッチハイカー(林遣都)を乗せ、第5話では子供の頃に両親が離婚し出て行きその後一度も会わなかった母親(丘みつ子)と弟(柄本佑)と再会します。

第6話では、ヒッチハイカーが目的地としていた京都へ行き、そこでヒッチハイカーの男性が一度も会ったことがなかった腹違いの兄(木村祐一)との兄弟の対面に協力することになります。

そして次の目的地の途中にふと因島へ立ち寄りますが、そこは妻にプロポーズをした場所で、妻の遺品に残っていた謎の写真の意味が判明します。

第7話はいよいよ目的地履歴の最後の場所松山で、目的地には高校と大学の同級生で結婚も考えていながらフラれてしまった女性(広末涼子)がやっているフラワーショップが示されていました。

グレースの履歴3

最終回の第8話では、再会した元恋人から妻とのやりとりを聞かされ、、、そこで妻がこの国内旅行とその履歴をカーナビに残した本当の理由がわかってきます。

という、ロマンチックでミステリーな、そして旧車のファンにも嬉しく、さらにファンタジー要素も加わった面白いドラマでした。

【関連リンク】
1522 戦国武将たちの身長は?
1269 子供時代によく見たテレビと漫画一覧
937 浅見光彦シリーズドラマにはまる

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1719
アメリカ発祥のスポーツのベースボールが日本に入ってきたのは1872年(明治4年)にアメリカ人の高校(当時は中学)教師が学生に教えたことが最初で、その後大学生を中心に普及するようになりました。

正岡子規ベースボールという名称に野球という日本語をつけたのは教育者の中馬庚で、その後には正岡子規が1980年頃に「打者」「走者」「四球」「死球」など、英語を独自の日本語に訳した用語を作成し、それらの多くが現在まで使われています。

通常は、外国で生まれたスポーツのうち球技に関しては、その名称やルール用語、用具名などのほとんどは、テニスやラグビー、バレーボール、ゴルフなどみてもわかるとおり、そのままカタカナに置き換えられて使うことがほとんどですが、野球と卓球だけは本来の英語のカタカナ読みではなく、完全に日本語で呼ばれています。

もちろん、野球の中にはバッター(打者)やアンパイア(審判)など、英語をそのままカタカナ英語として普通に使われている名称が多くありますが、中には「ナイター(Night game)」や「ランニングホームラン(Inside-the-park home run)」のように、英語とはまったく違う和製英語を作ってそれが定着してしまっていることもあります。

また、三振の元の英語は「strikeout」ですが、実際には「K」と表されます。これは「killed」や「knock out」の頭文字をとったという説や、アンパイアが叫ぶ「strikeout!」でKの発音が強く印象に残る説、Kが3つの直線からなる文字(日本語で正を5と表すように)なのでとか様々な説があり真実は不明です。

そこで野球用語として本場のアメリカで使われている用語と、日本で使われている用語について直訳しているものもあればまったく違った造語とが混ざっていて、英語の中継を聞いたり、表示される単語を見ただけではすぐに意味がわからないと言うことがあります。

そこで、直訳以外の違いがある表現についてまとめておきます。single(ヒット)やfirst base(一塁)など普通にわかる用語は省いています。

日本語 英語 発音
敬遠 walk/intentional walk ウォーク/インテンショナルウォーク
三振 strikeout ストライクアウト
死球/デッドボール hit by a pitch(HBP) ヒットバイピッチ
ゴロ grounder グラウンダー
空振り Swing and a miss スゥイング・アンド・ミス
サイクルヒット Hit for the cycle ヒット・フォー・ザ・サイクル
満塁ホームラン Grand slam home run グランドスラム・ホームラン
ランニングホームラン Inside-the-park home run インサイド・ザ・パーク・ホームラン
サヨナラホームラン Walk-off home run ウォークオフ・ホームラン
サヨナラヒット Walk-off hit(single) ウォークオフ・ヒット(シングル)
サヨナラゲーム walk-off game ウォークオフ・ゲーム
勝ち越しのヒット go-ahead single ゴーアヘッドシングル
指名打者 Designated hitter ディジグネーテッド・ヒッター
先発投手 Starter スターター
リリーフ投手 reliever リリーバー
内野手 infielder インフィールダー
外野手 outfielder アウトフィールダー
ストレート Fastball ファストボール
変化球 Breaking ball ブレーキングボール
タッチアップ Tag up タグアップ
タイムリーヒット clutch hit クラッチヒット
ネクストバッターズサークル On-deck circle オンデッキ・サークル
ホームベース Home plate ホームプレート
バックスクリーン Center field screen センターフィールドスクリーン
バックネット Backstop バックストップ
フェアゾーン fair territory/fair ground フェアテリトリー/フェアグラウンド
ファールゾーン foul territory ファールテリトリー
Top トップ
Bottom ボトム
延長戦 Extra inning エキストラ・イニング
先攻 Bat first バット・ファースト
後攻 Field first フィールド・ファースト
交流戦 Interleague play インターリーグ・プレー
ナイター Night game ナイトゲーム
連勝 winning streak ウイニング・ストリーク
連敗 losing streak ルージング・ストリーク
監督 manager/head coach マネージャー/ヘッドコーチ
スターティングメンバー starting lineup スターティングラインアップ
ゲームセット the game is over/game and set ゲームイズオーバー/ゲームアンドセット

こうした野球用語の多くに日本語がつけられたのは、ロバート・ホワイティング著の「菊とバット」(1977年)に書かれていたように、ベースボールとは違い、日本独自に発達してきた野球の歴史などがあることや、太平洋戦争中に敵性語禁止で「ストライク」を「よし」と言い換えたりした今から思えば冗談みたいな出来事などの影響があるかも知れません。

また「サヨナラホームラン」のような、日英混在の独自のカタカナ語は、新聞や中継などで自然発生的に作られた気がします。メジャーの試合で日本人選手がホームランを打ったときに、アナウンサーが「SAYONARA」と叫ぶときがありますが、あれは、「ボールがフェンスを越えていった」という意味でサヨウナラと言っているわけで、日本で言うサヨナラホームランとは別で使われています。

今年はすでに大谷を始め、ダルビッシュ、前田、菊池、千賀の投手、吉田や鈴木の野手などの活躍が始まっていますが、そうした名選手達が日本のプロ野球からいなくなってしまうのもちょっと残念です。

できればメジャーとNBPがルールを決めて、プロサッカーのように3年間のレンタルとかを簡単におこなえるようにすれば、もっと交流が進み、日本の球団にメジャーの現役MVP選手や前年の本塁打王がやって来たり、日本から若手の有望選手が競争が厳しいメジャーへ気軽にチャレンジできたりして良いと思いますが、巨額のビジネスが縦横に絡んでいるだけに難しそうです。

【関連リンク】
1649 最近のメジャーベースボールと野球
1518 日米フリーエージェントの違い
794 田中将大とダルビッシュ、松坂、前田(健)の成績を比較してみる


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1718
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)(下)(ハヤカワ文庫) ピーター・トライアス

フィリップ・K・ディックの歴史改変SF小説「高い城の男」(1962年)を先日読んだ後、本著(原題「United States of Japan」)がそれをモチーフとして、現代風にエンタメ性を高め2016年の星雲賞受賞を受賞した作品だと知りました。

著者は韓国系アメリカ人作家で、子供の頃から日本のアニメやゲームに親しんでいたということで、小説の中にもその要素がふんだんに盛り込まれています。

「高い城の男」と同じく、物語は第二次世界大戦で枢軸国側が先に原爆の開発に成功しそれを使って勝利し、アメリカの東側はドイツ、西側は日本の占領地となった世界です。

したがって、日本は戦前と同様に天皇が現人神として統治しており、占領地のアメリカ西海岸地域は日本の軍部と警察が絶対的な権力を持って思想統制がおこなわれています。

その中で帝国陸軍検閲局に勤務する主人公と特高警察のエリート課員の二人が、行方不明になったアメリカが枢軸国に勝ったという世界を楽しめる禁断の軍事ゲーム「USA」の開発者の将軍を探しに行くというストーリーです。

比較的最近に書かれたものだけあって、スマホがさらに進んだような端末機や、日本軍の兵器としての巨大2足歩行ロボットとそのパイロットなど、なにかのSFアニメによく出てくるパターンです。

まぁ、歴史改変小説なので、「ありえねぇー」など、細かいところをつついても仕方ありませんので、単に頭を空っぽにして楽しむ小説で、日本のアニメ会社がそのうち版権を買って映画を作るかも知れません。アメリカ人は進んで作りたいようなものではないでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者(角川文庫) 池上司

2009年公開の映画「真夏のオリオン」の原作「雷撃深度一九・五」など戦争小説が多い著者は、2020年にバイク事故で急逝され、この2018年出版(文庫本は2022年刊)の作品が遺作となります。著者の作品は全部読んでいますが、これが最後の作品となるのがとても残念です。

本書は戦記ではなく、現在の自衛隊の掃海部隊対テロ組織という構図で、テロ組織が東京湾に機雷を敷設し、専門家でなければわからないトラップを仕掛けます。

またテロ組織が雇った傭兵の別働隊が、東京湾上空を飛ぶP-1哨戒機を地対空ミサイルで撃墜するなどし、日本経済の根幹たる地域を完全に封鎖し、政治や経済界、そして自衛隊が日本の危機に七転八倒することになります。

ストーリーは単純ながら、普段は日陰的な存在の掃海部隊のリアルな機雷処理の姿が描かれていて、いざ有事が起きた際は、最新のイージス艦も横須賀を母港とする米空母も動かすにはその行く手には機雷などトラップがないことが絶対で、掃海艇はなくてはならない存在です。

機雷という兵器は、第二次大戦後に大きく進歩していて、特定のスクリュー音だけに反応するものや、見つけにくいように海底のヘドロの中に埋まって隠れてしまうなどこの小説で知りました。

太平洋戦争時代に出てくる機雷と言えば、プカプカと海面に浮いていて、艦艇の磁気に反応して爆発するものという理解しかありません。

湾岸戦争の時、海上自衛隊が初めて機雷除去のために中東へ送られ、そこで世界の最先端の機雷除去を学び経験しますが、その技術が役立ち、徐々にテロ組織を追いつめ、機雷除去を進めていくという流れです。

中東で一緒に機雷除去の任務をした英国の元海軍兵士と自衛隊をまもなく定年になる機雷のスペシャリストとの知恵比べが秀逸です。

★★☆

著者別読書感想(池上司)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

漂流(新潮文庫) 吉村昭

1975年に産経新聞に連載され、その後1976年に単行本、1980年に文庫化された、江戸時代に実際に無人島へ漂流し、その後奇蹟の生還を果たした人達を描いた小説です。1981年には森谷司郎監督、北大路欣也、坂上二郎、渡瀬恒彦などの出演で映画が製作されています。

個人的には無人島小説や映画が好きで、その多くを嗜んでいます。2021年に読んだ須川邦彦著「無人島に生きる十六人」は小説ではなくノンフィクションですが特に面白かったです。

2021年7月前半の読書と感想。書評(無人島に生きる十六人)

また、映画ではずっと前に見たトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」(2000年)が秀逸です。

また、無人島小説というわけではありませんが、昨年読んだ同じく江戸時代に難破して無人島に流れ着いた日本人漁師を救って日本へ連れて帰る実話が下敷きの山本一力著「カズサビーチ」もとても良かったです。

2022年10月後半の読書と感想、書評(カズサビーチ)

さて本書の主人公は、1780年代に実在した土佐の船乗りで、3人の仲間とともに伊豆諸島の鳥島に流されて漂着し、12年の長きにわたってその無人島(仲間はみな死に絶え、代わりに主人公達と同様に漂流してきた大坂や江戸の船乗りが合流)で絶望的なサバイバル生活を送ります。

しかし10数年、一度も付近を通過する舟影を見ることがないこの島に居続けても帰還できないと決心し、島に流れ着いた板や船の破片を集めて小舟を作り島から脱出を試みます。

無人島は、アホウドリの生息地で、それを捕まえ食べることで食料とできますが、火山島なので木や草はほとんどなく、穀物も育てられません。また飲料水は川や池はありませんが、多雨のために割と簡単に得られ、さらに冬でも比較的温暖な場所だったことが幸いします。

その無人島生活、しかも最初の数年はノウハウはなく、火打ち石も上陸前に失っていて火もおこせず悲惨な生活が続きます。

鶏肉ばかりを食べていて生きる気力をなくしてしまうとやがて衰弱して栄養の偏りもあって病気で仲間が死んでいき、しばらくはひとりぼっちになります。その時の心境を思うと胸が詰まります。

著者は江戸時代に書かれた帰還した船乗りの調書を読み、そこからあとは想像だけでこの小説を書いていますが、まるでその場を見てきたような迫力のある内容で、とても面白かったです。

★★★

著者別読書感想(吉村昭)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

JR上野駅公園口(河出文庫) 柳美里

2014年に単行本、2017年に文庫化された小説で、福島の相馬出身で、息子と妻に先立たれ、若い頃に長く出稼ぎ労働者として住んでいた東京に老いてから戻り、上野公園でホームレス生活をしている高齢男性が主人公で語っていくというストーリーです。

主人公が生きてきた時代と社会情勢は、年齢は私の世代よりも10年は上の団塊世代だと思いますが、一部にかぶるところがあり、私は出稼ぎではないものの、就職後に関西から東京へ出てきたこともあり、懐かしく様々な出来事を振り返ることがありました。

上野にはアメ横周辺には何度も行きましたが、上野公園はなんだか敷居が高くて2度ほどしか行ったことがありません。

隅田川の河川敷などにホームレスのブルーシートとダンボールで作った簡易ハウスなどは見たことがありますが、上野公園で実際には見ていません。これが書かれたのは2017年頃で、2度目の東京オリンピックやコロナ禍前なので、現在はどうなっているかはわかりません。

私を含め、ほとんどの日本人はそのホームレスが連なって住まう光景は、実際に見ても、見ない振りをするというのが通例となっています。

上野公園にある美術館や博物館などに皇室の方がやって来る度に、その期間だけダンボールハウスは撤去され、持ち主はどこかへ追いやられ、周辺は綺麗に清掃されるというのは、都知事や区長など誰かの見栄なのか、皇室への過剰な忖度なのか知りませんが、日本の社会はそういう決まりになっているようです。

様々な理由でホームレスを続けている人達がいることを、ホームレスの人が語っていくというなかなか深遠な小説でした。

★★★

著者別読書感想(柳美里)

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