リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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1842
果しなき流れの果に(角川春樹事務所) 小松左京
1億年ほど前の白亜紀の地層から不思議な砂時計が発掘されたことで、大学の研究員たちが巻き込まれいく冒頭の部分はミステリー要素ですが、章が変わった途端、太陽の以上爆発で危機に瀕する何千年先の地球へと場面が移っていきます。
冒頭で出てきた砂時計がどのように関係してくるのか、中盤付近はまったく別の話が進行するので、やや混乱していきますが、何億年もの地球を舞台にした壮大な物語ということが徐々にわかってきます。
「日本沈没」が出版されたのは1973年ですが、この1965年に初掲載された小説の中にも「過去に日本列島が海に沈み世界中に散らばった母国を失った日本人」の末裔というのが出てきます。当時から「日本沈没」の作品構想がしっかりあったのでしょう。
「日本沈没」や「復活の日」などもそうでしたが、その発想力は想像を絶していて、さらにこちらは遙か未来の話だけに映像化するのは難しいでしょう。映像はそれぞれ自分の頭の中に描きなさいということですね。
一度読んだだけでは十分に理解できてないところもあり、いつかまた手に取って読みたい作品です。
★★★
◇著者別読書感想(小松左京)
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センス・オブ・ワンダー(新潮文庫) レイチェル・カーソン
その著者が癌に侵され余命が少ない中で、後に養子にした亡くなった姉のまだ幼ない子供(姪)に対して語りかけるように自然の驚きや美しさについて書かれたもので、著者の遺言とも言えそうなエッセイです。
なにか美しい自然をテーマにした詩を読んでいるようでもあり、また化学物質の農薬のせいで春になると鳴き始めるはずの虫たちが全滅し、沈黙の春がやってくるという警告書「沈黙の春」の最終章でもあるような感じも受けます。
いくつかの出版社から文庫が出ていますが、本文自体は70ページに満たない短いもので、新潮文庫版では福岡伸一氏や角野栄子氏など4名の特別寄稿が含まれています。
★★☆
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わくらば 短篇集モザイクIII(新潮文庫) 三浦哲郎
収録されている短篇は「わくらば」、「そいね」、「ほととぎす」、「おとしあな」、「チロリアン・ハット」、「まばたき」、「めちろ」、「あめあがり」、「おぼしめし」、「かけおち」、「おのぼり」、「パピヨン」、「つやめぐり」、「ゆめあそび」、「みっそかす」、「やどろく」、「なみだつぼ」の17篇です。
わずか4ページほどの短い作品から20数ページの作品まで、様々なものが混在し、短篇だけに起承転結がハッキリとしないものが多いですが、まったくの創作というより、著者の身近な出来事などをテーマにしたように思える独特の味わいがあってこのシリーズは好きです。
面白いのは、このシリーズではタイトルがすべてひらがなやカタカナになっていることです。
理由は知りませんが、漢字に直すと「病葉」「添寝」「時鳥」「落とし穴」「瞬き」「目露」「雨上がり」「思し召し」「駆け落ち」「御上り」「通夜巡り」「夢遊び」「味噌滓」「宿六」「涙壺」となります。
漢字の方が小説の内容についてイメージしやすいですが、どうしてでしょうかね?わかりません。
★★☆
◇著者別読書感想(三浦哲郎)
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人新世の「資本論」(集英社新書) 斎藤幸平
「人新世」とは、ノーベル化学賞受賞者でオランダ人の大気化学学者のパウル・クルッツェンが、2000年頃に発表した近年の地質学的な新たな時代を表す言葉として「アントロポセン」 (Anthropocene) という造語から来ています。つまり人間の活動により未来に残る大きな地質変化を表す言葉です。
その「人新世」のなにが問題かというと、昨今なにかと言われる温室効果ガスによる地球温暖化の対策が、各国のエゴにより不十分で、もう取り返しがつかない時期に来ているということです。
そこで著者がその地球の未来に必要なこととして、カール・マルクスの「資本論」が役立つという話です。しかしマルクスって50年ぶりぐらいに久々に聞いた気がします。
一見すると突拍子もない話で、トンデモ学者さん?と思ってしまいそうですが、著者は自信たっぷりにマルクスの教えとそこからの学びを展開していきます。
著者が言うには、資本主義は成長を根幹とする思想なのでいくら技術が進もうと炭酸ガスの排出増加や、森林破壊などの環境悪化は避けられず、脱成長コミュニズム(共産主義)こそが今後人類が目指すべきという主張です。
著者よりマルクスやその著書「資本論」について詳しい専門家はそう多くはなく、さらにマルクスは140年前に亡くなっているので、「言った者勝ち」みたいなところがあり、著者独自の推測やどこまでが根拠があるのかどうか不明ですが希望的解釈みたいなところがあります。
「人新世」とマルクスを結びつけて考えるというのは新鮮ですが、残念ながら、サイコパスのような大国のリーダーがあちこちで跋扈しもてはやされ、自国ファーストを国民に強制し格差や差別を容認する時代に、人類の協調やコミュニズムの大切さを訴えかけても、自分のことだけで精一杯の人達には響かないでしょう。
著者が言うところの中世に起きたヨーロッパ中心主義から人類は思想的に一歩も進んでいないということです。
そこが理想は理想として、どうしても机上の学問としか言えないような気がします。
★★☆
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