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東芝の不正会計処理問題やシャープの業績不振からの会社身売り、三菱自動車工業の公表燃費の水増し不正など、ここ最近の日本の大手製造業のていたらくとスキャンダルは目を覆いたくなる惨状ですが、当然のごとく経営失敗のツケは一般従業員へと回ってきます。

本来リストラ=従業員解雇ってわけではないのですが、日本の場合はほぼそれが同義語とされてるのは、経営の失敗は結局経営陣は責任を問われずに、末端の従業員や下請け先が切られてリストラクチャリングはお終いという慣習というか日本独自の風土ができあがっているからでなのでしょう。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

今年に入ってからも上記の東芝を始め、その他多くの大企業が雇用調整というか首切りを断行しています。(リンク先は特に表示がなければ「不景気.com」)

◆東芝
東芝の早期退職優遇制度に3449名が応募、費用420億円 2016年4月15日
「東芝」は、2015年10月以降、数度にわたり実施していた早期退職優遇制度に3449名が応募したと発表しました。
内訳は、ヘルスケア部門で59名、システムLSI・ディスクリート半導体事業で1877名、HDD事業で181名、パソコン事業で401名、映像事業で175名、家庭電器事業で510名、コーポレート部門で246名です。

本来は家庭電器事業で6,800名、コーポレート部門で1,000名、パソコン事業で900名の削減を目標としていますので、上記の自主退職者だけではまだまだ不足と言うことで、今後指名解雇や露骨な肩たたきが行われていきそうです。



◆田辺三菱製薬
田辺三菱製薬の早期退職に634名が応募、特損153億円 2016年2月 3日
製薬会社「田辺三菱製薬」は、2015年10月30日付で公表していた早期退職者の募集に634名が応募したことを明らかにしました。
対象となったのは45歳以上の社員で、退職日は3月31日。募集人数を定めずに実施しており、この施策に伴う割増退職金などのリストラ費用として153億円の特別損失を計上しました。



◆サニックス
サニックスが希望退職で500名の人員削減へ、従業員約2割 2016年4月15日
太陽光発電システム販売の「サニックス」は、希望退職者の募集による500名の人員削減を明らかにしました。
対象となるのは全部門・全職種で、退職日は6月29日から7月30日。全従業員2333名の約2割に相当する削減数で、退職者には特別退職金を別途支給するほか、希望者には再就職支援を実施する方針です。

すでに昨年は2回、800名の削減を発表してきましたが、それでは追いつかないようで、全従業員の2割3割の削減とか、会社の存在意義すら怪しくなってきています。



◆日立建機
日立建機の早期退職に489名が応募、費用60億円 2016年3月28日
建設機械メーカー「日立建機」は、2015年9月29日付で公表していた早期退職優遇制度に489名が応募したことを明らかにしました。
対象となったのは35歳以上の社員および定年後再雇用社員で、退職日は1月20日から3月20日。募集人員を定めずに実施したなか、大規模な応募者数となりました。



◆ケーヒン
ケーヒンの早期退職に404名が応募、リストラ費用53億円 2016年2月 5日
自動車部品メーカー「ケーヒン」は、2015年12月14日付で公表していた特別早期退職支援に404名が応募したことを明らかにしました。
対象となったのは46歳以上の正規従業員で、退職日は2月29日および3月31日。当初の募集人員400名に対し、ほぼ想定通りの応募者数となり、特別加算金などの費用として約53億円を計上する予定です。



◆岩崎通信機
岩崎通信機が希望退職者募集で200名の人員削減へ 2016年4月15日
情報通信機器製造の「岩崎通信機」は、希望退職者の募集による200名の人員削減を明らかにしました。
対象となるのは同社および子会社の35歳以上の社員と定年後再雇用の嘱託社員で、退職日は6月30日。退職者には特別退職金を別途支給するほか、希望者には再就職支援を実施する方針です



◆東武百貨店
東武百貨店がリストラ実施 インバウンドの追い風吹かず(ダイヤモンドオンライン) 2016年3月15日
東武百貨店は、運営する池袋本店と船橋店で、昨秋から40歳以上の正社員を対象に早期退職者を募集、全社員の2割程度に当たる200人が応募して2月末に退職した



◆デクセリアルズ
早期退職で140名の削減へ、拠点集約で 2016年4月27日
東証1部上場で粘着テープなど電子部材製造の「デクセリアルズ」(旧ソニーケミカル)は、早期退職・転身支援プログラムによる140名の人員削減を明らかにしました。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

こうして大量解雇企業をみてみると、家電・半導体、製薬、太陽光発電、建設機器、自動車部品、通信機器、小売りなど業界は多岐に渡っていますが、やはり製造業が中心ということです。

あと大手企業では「希望退職」とありますが、最近は自主的に早期退職してくれるだけでは足りないので、辞めさせるための様々な企みが行われているそうです。

以前NHKクローズアップ現代+で、「“新リストラ時代”到来!?業績好調なのになぜ(NHK)」が放送されていました。
社員を退職に追いやる新たなリストラが広がっているという。人材会社が企業に「社員に退職をすすめるように」と提案。企業は「別の仕事を探すのが君の仕事」と社員に命じ、人材会社に通わせるという。この過程に国の助成金が流れ込んでいたことが判明し、厚労省も問題視している。こうした手法が批判される一方、個人が自由に転職し、力を発揮できる“望ましい流動化”を求める声もある。問題を機に労働市場のあるべき姿を考える。


いわゆる指名解雇に近いもので、会社から指名された人は毎日人材会社へ出社して、そこで自分の次の仕事を探すのが仕事となるそうです。具体的に王子製紙とテンプスタッフの関係が珍しく実名で取り上げられていました。

しかしそうやって、仕事を探している間もちゃんと給料が支払われるのは大企業ならではこそで、中小零細企業では、1ヶ月分ぐらいの退職割り増し金でさっさと追い出されてしまうことが普通に起きています。腐っても大企業様々です。

解雇の対象となる年齢は、特に表向きには表現されていないケースもありますが、多くは35歳以上、特に40歳以上がターゲットになっています。

以前のリストラは45歳以上の人が多かったのですが、それよりも少し下がってきているかなと思われます。これは人数がだぶついている団塊ジュニア世代(現在40~45歳)をターゲットとしているためと思われます。

さて昨年2015年の人員削減数トップはあのシャープで3,234名でした。今年、鴻海精密工業に吸収されることが決まり、さらに今後人員削減は熾烈を極めそうです。

えっ、シャープ「雇用維持」ちゃうの!? 鴻海に人員削減策(ITmedia)

本来一番の責任を負うはずの経営者や管理職は沈没する船から逃げ出すネズミのように続々とうま味のある転職をしていきます。

シャープ前副社長が日本電産へ(産経新聞社)


昨年100名以上の削減を行った大企業は22社あり、下記の表の通りです。



上記の表を見ると、製造業ばかりではなく、アパレル、保険、スポーツ用品、食品、出版、金融、通販、広告代理店などかなり幅広い業界でリストラの嵐が吹き荒れていることがわかります。やっぱり日本経済全体が平成不況から脱せていないと言えるのでしょうかね。

そして今後の人口構成からしても、国内需要は先細り、不安定ではあるけれどアジアの各国へ売り込みをかけるしか日本企業の生き残る道はないのかも知れません。

それ故に、出版や保険、代理店など、ドメスティックな仕事ばかりをメインにしていると、残り少なくなるパイを奪い合うという熾烈な生き残りゲームが始まっているのでしょう。


【関連リンク】
947 不法解雇や退職勧奨を強要された時に打つ手
710 40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ
657 ニッポンの家電業界は生き残れるのか
577 ハローワークを頼りにしていいのか?
521 三洋電機は弱肉強食の餌食か
500 リストラと生活保護と自己破産




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一般的に日本の会社に入って無事に定年まで迎えると退職金がもらえると思っている人が多いと思います。公務員の場合は退職手当という名称です。

しかし90年代に入ってから、日本の企業でも終身雇用が当たり前ではなくなってきたということもあり、退職金制度を廃止したり、最初から制度のない会社が増えてきています。

ま、普通は、20代で就職するときに、「えーと、退職金制度はどうなっていますか?」とは聞きませんよね。それに入社時にはちゃんと制度としてあっても、あんなもの会社が就業規則をちょい変更すれば、いつでも簡単になくせるものです。恐ろしい話しですが。

私が昔に勤務していた会社の就業規則には「定年退職金は給料の1カ月分を支給する。ただし社長の判断で増額することもある」と書かれていました。驚きですね、1ヶ月分の退職金ですってよ。この会社今は就業規則が変わり、退職金制度がなくなったと聞きました。

厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」の「5 退職給付(一時金・年金)の支給実態」という資料を読むと、従業員1000人以上の会社では94%、300人から999人の会社では89%、100~299人の会社では82%、30~99人の会社では72%に退職金制度があるということです。29名以下の零細企業は含みませんが、全体平均では76%が退職金制度があるということです。



退職金が支給される平均額※は、大学卒(管理・事務・技術職)で1941万円、高校卒(管理・事務・技術職)は1673万円、高校卒(現業職)で1128万円となっています。20年以上勤務者の45歳以上で退職した場合の退職金平均です。
※平成24年厚生労働省 平成25年就労条件総合調査結果の概況「退職給付(一時金・年金)の支給実態」

なお国家公務員(常勤職員)の場合、定年退職手当は2294.9万円と、民間企業大卒平均と比べても18%ほど高目です。こと退職金だけを比べると、なんとも羨ましい限りです。

今の若い人からすると、「えーそんなにもらえるの?」って感じかもしれません。おそらく自分たちが定年を迎える時にこの制度が続いているかどうか怪しいと思っているか、あるいは、どうせ途中で転職するから1社に20年以上も勤続するって難しいと思っているのかも知れません。

本来ならこの退職金で住宅ローンの残りを精算し、余ったお金は自宅のリフォーム資金や老後資金に回したり、定年を祝って夫婦で豪華に海外旅行に出掛けたりというのがよく聞くパターンです。

公務員はいくら財政赤字であろうと、規定の退職手当がちゃんと支給されるでしょうから安泰ですが、従業員30名以上の企業の場合で5社のうち1社にはすでに退職金制度がありませんから注意が必要です。

想像通り、いわゆる創業間もない少人数のベンチャー企業などでは、退職金制度がきちんとあるのは逆にまれなケースかも知れません。数年で倒産するかも知れない!という若い会社に40年後に支払う退職金を考える余裕はありません。

業種別で見ると、「電気・ガス・熱供給事業」が退職金が支給される割合がもっとも高く96%に達します。比較的大手企業が多いということでしょう。次に高いのは「建設業」の92%、「鉱業・採石業」が91%と、いずれも枯れた産業の旧型の会社が多いように思われますが、9割以上が退職金制度を維持しているだけでもさすがと言えます。



逆に退職金制度があるのが低い(つまり退職金がないケースが多い)業種は、「医療・福祉」が50%、「宿泊・飲食サービス」が53%、「生活関連サービス・娯楽業」が53%、「運輸業・郵便業」が60%となっています。流行のITベンチャーなどが含まれているだろう「その他サービス」も62%と低めです。

こうした退職金がなくて当たり前の業種に勤務すると、若い頃から老後のことを考えた預貯金や投資をしておかないと、ある日定年で職を失った瞬間、生活保護と似たり寄ったりの年金しか収入がなく、住宅ローンがまだ残っていたり、家族が大病したり、親の介護で物入りになったりすると大変な事になってしまいます。50代になってから考えてももう時既に遅しです。

特に最近は年収(賃金カーブ)は40代が一番高くなる傾向があり、30代、40代で貯金をしないでいると、子供の教育費がもっともかかる50代になってから給料が減り、老後資金が十分でなく慌ててしまうということになりかねません。

「若者は大企業を目指すのではなく、もっと夢を持ってベンチャー企業に飛び込むべきだ!」と声高に言う、本人自身はしっかり大企業や公務員だけに許される優れた研修や退職金の恩恵をうけた人がのたまっていますから、若い人は騙されちゃいけません。退職金制度が維持されている大企業というだけでも入る価値は大いにあるのです。

退職金というのは不思議な制度で、月々の収入の一部を会社(または役所)が貯めておき、退職するときに、その勤務年数や貢献度に対してまとめて支払う(会社に預けてあったものを支払ってもらう)というもので、最近の退職金制度のない会社は「その分を給料に含めて支払っている」という論理を展開します。

それに退職金というのは多くの場合、20年以上勤務してはじめてそれなりのまとまった額となり、それ以下では支払われないか、あってもわずかだったりするケースが多いようです。さらに自己都合退職の場合は規定の半額とか決められているのが普通ですから、10年以内で自己都合退職者だと出ないか出ても少額です。

退職金の代わりに401kと言われる確定拠出年金制度を実施している企業が最近は増えてきています。こちらは「毎月会社が本人の代わりに少しずつお金を積み立ててあげるから、その運用は自分の責任で決めなさい」という制度です。

会社を退職したあと、401k運用会社から一括で支払ってもらったり、60歳以降なら毎月の年金としてもらったりできますが、1社に終身雇用で働くことでもらう退職金とはちょっと様相が違います。

この401kのいいところは、転職した先でも401kの制度があれば、そのまま移し替えすることができ、退職時に一旦精算し、転職後に新たに退職金制度のカウントをゼロから始めるという転職者にとって不利な仕組みにとらわれないと言うことでしょうか。と言っても従来の退職金ほどの高額にはならないケースが多いのですが。

また401kは積み立てすることで利子や投資益が発生しますので、運用は国債などで手堅くいくのか、海外債権や為替を使い、元本割れリスクを取りながらハイリターンを目指すのか。自由に運用できることと、税法上の優遇が得られるメリットがあります。

さて、退職金制度ですが、元々その支払いについて法的な根拠があるわけでもなく、会社の業績が傾いたり、経営陣の思惑ひとつでいつでも変更が利く不安定な制度なのです。

それでも、やっぱり退職金というのは、これから収入が年金以外にはない一般的なリタイアした高齢者にとっては、必須とも思える大事な収入です。

特に現在40代後半以上の人にとっては、学校を卒業して入社したとき「終身雇用+退職金制度」がまだ普通だった時代でしたので、退職金への期待は相当高いものと思われます。

20代、30代の人なら、この何十年も先の退職金について考えるよりも、今の給料を少しでも上げたり、役職が上がって手当が増えることの方に興味が行きがちです。またいずれ転職をしようと思っている人は、退職金についてはもらえないものと理解している人も多いかも知れません。

社員のあまり関心のない制度に企業はめざとく撤廃したり変更をおこなうことをしてきますので注意が必要です。「年功序列をやめてこれからは能力主義、成果主義でいく!」という会社は、概ね退職金制度をその際に廃止したり大幅縮小する傾向にあります。

そうした変更に異論をはさみたくとも、大きな力を持つ労働組合でもない限り、その会社提案に抵抗できる社員はほとんどいないわけですけど。

転職をしなくても、会社や所属している部門が買収されて別の会社になったり、出向していた先の企業へ転籍したりと、自分の都合でない事情で、退職金がリセットされたりなくなってしまうこともしばしば起きます。

それだけに、退職金というもの、あまり期待しすぎて、もらえなかったり、額が極めて少なかったりすることもありますので、大手企業や役所勤め以外の人は、退職金に大きな期待をもたず、もらえればラッキー!ぐらいに思っておくのが、これからはよさそうです。


【関連リンク】
947 不法解雇や退職勧奨を強要された時に打つ手
921 もらえる年金の額はモデルケースとは違うということ
710 40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ
683 退職勧奨・強要にあった場合の対処法
574 仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か




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望まないのにもしリストラなどで会社を解雇や退職勧奨される場合、ただ会社の温情にすがってわずかばかりの退職金や解雇予告手当をもらって泣き寝入りせざるを得ない場合もありますが、もちろんそれ以外の方法もあります。

難しいのはケースバイケースで、これならお得!っていう解決法はなく、先の「退職金」や「解雇予告手当」が結果的には一番よかったというケースもあり得るというのが難しいところです。

通常、解雇や退職勧奨される場合は、重大な就業規則違反がある場合や、業績不振等で人員削減せざるを得ない場合、その他ワンマン経営者やその他の権力者に楯突いて嫌われた場合などもよくあるケースです。

わかりやすいのは、重大な就業規則違反の場合で、それも自らが認める行為、例えば重大な犯罪を起こしたら、通常は懲戒解雇になり、同時に逮捕、起訴され有罪判決が下されます。その場合は、通常退職金等もなく、せいぜいその罪が「懲戒解雇」の要件に当たるか?という判断を求める以外に方法はありません。

難しいのは「重大な就業規則違反」をしていないのにそれを理由にされる解雇でしょう。

なにが重要であるかというのは会社によっても違ってきますし、当事者の考えにも差があります。解雇の不当性を争う場合、その重要度の差を争うことになります。

次に一般的に多いリストラなどでの退職勧奨では、大きく二通りあって、自ら進んで手を挙げる場合と、手を挙げなくてもターゲットがあらかじめ決めて指名解雇に近いものとがあります。

退職金割り増し制度などが充実していると自ら手を挙げる場合が多く、そういう人達はそれでハッピーになれる人もいるので、問題はありませんが、後者の場合は「なぜ私が!?」という修羅場に立つこととなります。

そうした解雇、または退職勧奨において、どうしてもその会社の対応に納得ができない場合、ひとりで悩むことなく、労働者ができることがいくつかあります。ここでは公的機関が介在する3つの解決策について書きます。

ひとつ目は、不当解雇(または不当退職勧奨)の解雇無効と損害賠償の民事裁判を起こす。

この民事訴訟は割と知られているので簡単に書いておくと、一般的に弁護士を通じて(個人でも可能ですがかなり大変です)訴訟を起こすと、まさかそこまで抵抗されると思っていなかった会社側が折れ、和解の解決金等で早期に決着するケースがあります。

それが一番の狙いですがもし和解せずに長々と裁判を行っていくと、その費用も時間もかかり、お金を稼ぐため働こうと思っても労働裁判中の人を雇ったりしてくれる会社もないので(解雇無効で訴えているなら判決が出る前に短期アルバイトならともかく他へ就職することもできません)、よほど裕福な人でないと生活が破綻しかねません。

例え1審で勝っても、その後、高裁や最高裁までいくと5年以上かかるケースもあります。裁判が長引いても会社側は担当部署があり、顧問弁護士もいるので、たいした損害でも影響もなく、逆にタチの悪い会社だと、原告を苦しめるためにわざと長期化作戦をとってくる可能性もあります。

なので、例えばワンマン社長の勝手な逆鱗に触れてまったく理不尽な不当解雇に遭って、どうしても世間に公表して見返してやりたいとか、明らかに労働者側に瑕疵がなく解雇や退職勧奨された場合でなければ、いきなり民事訴訟をするというのはリスクもそれなりにあるということです。

現在政府が検討中の「解雇無効時の金銭解決制度」というのは、労働者側が勝訴した場合に使う制度で、解雇は無効だけどそうは言っても人間関係が壊れていて元の職場にとても戻れないでしょ?っていう場合、解雇は無効だけど退職してお金で解決しましょうという話し。これが普通になると、解決金さえ払えば解雇は自由にできるという雰囲気が形成されるようになるかも知れません。

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二つめとして労働審判手続きというのがあります。

労働審判は裁判所で開かれ、裁判官と民間審判員の計3人が原則3回以下の審理で調停または審判をおこないます。民事訴訟と違う点は双方の合意を目指すので、退職が基本となるケースが多く、解雇無効で復職というケースはまずないということ。ただしその分解決金は高くなるようです。

労働審判手続き(裁判所)

裁判と同様、弁護士に依頼することも、自分で手続きをすることも可能です。費用は自分で手続き等すべておこなえばほとんどかかりません(数千円~2万円程度)が、弁護士に依頼をすれば、それなりに(20~40万円+成功報酬)かかります。

この労働審判が双方で合意がされなかった場合は、民事訴訟へ場を移すこともあるようです。そうなってくるともう泥沼状態で、覚悟を決めてかからないと、経済面はもちろん精神的にも追い詰められてしまいます。

最近は、ブラック企業問題やいじめ、セクハラ、パワハラなど職場での問題が増えているせいか、申し立て件数が増加傾向にあり、そのうちの約8割がこの労働審判で決着しているようです。

労働審判手続きで最後に合意されるまでの期間は、早い場合で2ヶ月、時間がかかると半年ぐらいかかるケースもあるようです。

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三つめの方法としては、都道府県労働局の紛争調整委員会による「あっせん」があります。

実はこれが一番穏当な労働争議の公的機関を使った解決法で、費用もかからず、比較的早い(2ヶ月程度)解決が得られます。

この「あっせん」は「個別労働紛争解決促進法」で定められた制度のひとつで労働紛争の解決手続きです。

厚生労働省「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく3つの制度(pdf)

弁護士や社労士、大学教授などが間に入り、雇用側と労働者側双方の意見を聞いて、早期に紛争を解決する仕組みと言えます。

ただし裁判のように違法性などで白黒をつけるものではなく、通常は解雇を前提とした解決金の額を決めることが多いようです。双方の合意を目指すため、解決金は上記の民事訴訟や労働審判手続きと比べると、なにかの罪に対する賠償という概念ではないので、かなり低額の決着になってしまうようです。

したがって明らかなセクシャルハラスメントや過度で強制的な残業のような違法性の高いケースだと、賠償金や解決金に大きな差が出るので、裁判のほうがいいようです。

また「あっせん」では違法な解雇など労働法に明らかに違反しているような時や、すでに裁判中のもの、労働者間同士のトラブルなどについてはおこなわれません。

この「あっせん」が重宝されるのは、そのスピード解決のためで、早く前の職場でのトラブルは忘れて、前向きに次の新しい仕事をしたいと考える人には向いているようです。

以上、公的機関を利用した解雇、退職勧奨強要の際の対応策でした。

その他、民間の組合(ユニオン)を利用した団体交渉などもありますが、まずは公的機関を積極的に利用するのがいいのではないでしょうか。

2010年に「労働紛争解決法」というブログを書いています。もう古いかな?って思いましたが、今でも特に変わってなく問題なさそうですので、こちらも参考にしてください。


【関連リンク】
782 転職適齢期というのがあるとすれば
742 それでも日本の解雇規制は緩すぎる
710 40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ
606 正社員の解雇には2千万円かかる!それホント?
500 リストラと生活保護と自己破産
395 労働紛争解決法




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ビジネス誌などでよく見掛けるのが「働かないおじさん」というなんとも嫌みで、オジサン達を見下した感のある内容とタイトルです。

なぜあのオジサンは、働かないのか?」(東洋経済オンライン)

なぜ?企業にいるのか… 「働かないオジサン」「働くほど有害無益なオジサン」 」(SankeiBiz)

特集ワイド:「働かないおじさん」増殖中!? 原因は大企業の年齢構成の悪さ?(毎日新聞)

オジサン世代に増殖中!職場の「お荷物」社員Part 2 働かない社員を量産 大企業人事部の“大罪”」(週刊ダイヤモンド)


元々、この「働かないオジサン」という言葉は、楠木新著の「働かないオジサンの給料はなぜ高いのか」から派生してきたものかと思われますが、年齢に関わらず、どの年代にも「働かない」、正確に言えば「役に立っていない」人の割合は一定数必ずいるもので、「働かないオジサン」というのは、一種の「近頃の若い奴らは・・・」というのとある意味同じようなものなのかも知れません。

働かないでニートや引きこもりをしている人や、ちゃっかり専業主婦しているセレブな若奥様や、「低賃金で働くぐらいなら生活保護を受給した方が、、、」っていう、「働かない人達」ではなく、一応ちゃんと毎日会社へは通勤して家族を養っている「働かないオジサン」ばかりをやり玉に挙げるのは、一番批判しやすいせいなのかどうかわかりませんが、とても悪意に満ちています。

そこで、「働かないオジサン」を責めたり、茶化したりされる、いくつかの原因と理由を考えてみました。

1)今の40代半ば以上の人は新卒で入社するときには「終身雇用」「年功序列」と言われて入って、若いうちは忍耐して我慢だぞと先輩や上司に言われて安い給料でこき使われてきた人が多いが、いつの間にか「終身雇用はなかった」ことにされてしまい、それでモチベーションが大きく下がり、若い人からは「働かないオジサン」と見える。

2)定年が近くに見えてくると、もうやる気や向上心はなくなり、って言うか、新しいことにチャレンジする意欲がなくなり、周囲からは、毎日ぼんやりしているだけと見られてしまう。

3)子供も成長して社会人となり、家での居場所がなくなり、仕事や家庭の場以外の、例えば趣味や同好の仲間との活動、興味がメインとなり、それらが忙しくて、もう仕事どころではなくなってしまう。

4)20代や30代の若い人からすれば、今の50代は年金や退職金などギリギリ逃げ切れそうな世代と映り(実際の完全な逃げ切り世代は団塊世代まで)、それゆえ、うらやましさ、ひがみなどが入り交じった批判しても許される対象となる。

5)ともかく終身雇用だと信じてきた今のオジサンは、団塊世代の先輩方を見習って、50代は「なにもしなくても高収入」という思い込みがあり、その分30代、40代には身体を壊しながらも会社に尽くしてきた。それなのになんで50代にもなって必死に働かないといけないの?という複雑な思いがある。

ま、今のオジサンの思い込みを避難したり、若い人の気持ちを代弁しても、今までの先輩達が過去何十年とずっと「働かないオジサン」をやってきたのだから、どうしてもその影響は受けてしまうでしょう。

大手企業なら、50代にもなれば、ごく一部の部長や役員になれる人は除いて、昔で言う窓際族となり、関連子会社への片道切符の出向などで、第2の職場を与えられ、そこで定年まで(働かずに)おとなしく勤め上げるっていうのが普通でした。

ちなみに「窓際族」という言葉は今の若い人は知らないでしょうけど、1977~1978年頃から使われだした言葉で、「閑職に追いやられた中高年社員」の意です。つまり今から36~37年前からこのような「働かないオジサン」は普通に実在していましたし、おそらくそれ以前もいたはずです。

そして社会人となった80年代のバブルの頃は、「年功序列と終身雇用こそが世界一の経済力を築きあげた日本の成長力の秘訣!」なんて自信満々で言われていたのですから、今のおじさん達はそれを信用しないわけがありません。

なのに、2000年頃から急に「それではダメ、オジサンも目一杯に若い人と同じか、それ以上に働かなくっちゃ!」って言われても、、、ってところです。

そういう意味でも年功序列、終身雇用を含めて無事に逃げ切れたのは団塊世代までで、今のオジサンだけを責めるのはちょっと筋違いのような気もするわけです。なわけないか、、、

すみません、オチも結論もなにもありません。

【関連図書】
    


【関連リンク】
852 中高年者の雇用不安
782 転職適齢期というのがあるとすれば
769 相続税の税率を上げると言うこと
687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
636 昨今の新入社員は終身雇用制を支持している
453 パラダイムシフトに思うこと
452 中高年者の雇用問題と非正規雇用問題




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852
前から自分に当てはめて考えてみると、大きな社会問題として顕在化していないのが、不思議に思っていることがあります。

それは、中高年以降の雇用の問題で、終身雇用が崩れてきている中で、多くの40歳以降の中高年者が、この先の雇用についてなんの心配もしていないのかな?と不思議に思っています。

もっと言うと、30代の時に買ったマイホームの住宅ローンを背負い、子供も大学までは出してやりたいが、国公立へ行けるような才能はないので私学の教育費に多額の費用がかかり、さらには夫婦とも両親が高齢化し、そろそろ介護や同居の必要性に迫られていく中で、今の収入を維持したままで続けられるのか?、会社に評価されるのか?、それより会社は大丈夫なのか?厄年を迎えた自分や妻が大きな病気をしないか?など、不安材料がいっぱいありそうで、特に雇用について能天気に安心していていいのか?という疑問です。

確かに労働法にて解雇制限はありますし、少子化に入って十数年前から労働人口の減少も確実に進んできているので、そう易々とリストラされたり、肩叩きが行われるということはないのかも知れませんが、終身雇用が社会制度として根付いていた団塊世代の頃と比べると、突然解雇されるリスクは、以前よりはるかに高くなっていることも事実です。

また経営者にとって都合がよい成果主義や実力主義の導入で、年功主義、序列主義というものが崩壊し、若い人達からすると一見「素晴らしい!」となりますが、その若い人もやがては中高年になり、新しいことへの習得能力やチャレンジ精神が衰え、体力が落ち、どこかしら健康を害し、家族に多くの時間が取られ、限界を感じて労働意欲にも陰りが見えてきたときに、「こんなハズではなかった」と思い知るときが必ずやってきます。

中高年者と、若者とがガチで仕事の勝負をすれば、経験や人脈以外では中高年にはまったく分がありません。

その経験も次々新しい技術や理論が導入されるに従い、さほど優位性があるとは言えなくなってきています。

元々、今の40代以降の人達は、日本経済が好調だった時の新卒採用で、企業も採用する際には基本的に「終身雇用」を約束していました。またそうしないと、まともな採用ができなかった時代です。

その終身雇用が当たり前と思っていたら、バブル後には倒産や工場・事業所の閉鎖、そして早期退職、指名解雇、片道出向など様々な状況変化で雇用が脅かされてきました。

ひとまずそれらを乗り切ってきた人も、いつまた同じような雇用危機がくるのではないかと考えていても不思議ではありませんし、2008年のリーマンショック後も、その余波を受けて、多くの人が職を失ったり居場所がなくなっています。

特に40代と言えば、一般的には働き盛りであると同時に、子供が成長し思春期に入り、また学費が大きな負担となる時期であり、さらに家を買って住宅ローンを支払い、親が高齢になり、介護や療養、入院費用が必要と、責任も負担も人生で一番大きくなるタイミングです。

「もし自分に癌が見つかったり、事故に遭って働けなくなったら?」
「家族や両親が寝たきりの病気になってしまったら?」
「親が認知症に罹ってしまったら」
「子供がニートや引きこもりになってしまったら?」
「業績悪化で会社の大規模リストラが始まったら?」
「今の仕事の多くが海外へ移転してしまったら?」
「会社が外国企業に買われて、情け容赦ない合理化を図ったら?」


など、悪いことはいくつでも考えられます。

少し前の記事ですが、上記のような中高年者の雇用問題について、このようなものがありました。

 オレ、定年まで働けるの? 中間管理職がハマる意外な落とし穴(誠)
「先のことを考えると不安になります。いまの会社にいつまでいられるの分からないですし、定年まで勤め上げるというイメージが持てないです」
キャリアを考えるイベントなどに呼ばれて話をしたり、プロデュースをしたりする立場上、そういう悩みを参加者から打ち明けられるケースは、枚挙にいとまがありません。数年前は、そういう話をする人は、20歳代後半から、せいぜい30歳代前半あたりの年齢の人が多かった。ですが、最近は40歳代後半あたりの「中間管理職」と呼ばれる世代の人から、切実な表情で相談されるケースが増えてきました。
(中略)
現状維持、つまり、いままでの仕事の延長線上を肯定し切れないという不安が、40歳代後半の管理職を襲います。かつては、ある程度のポジションに就いていたなら、将来もある程度約束されていました。よい意味で「先が見えていた」のです。しかし、少し先のことですら、約束してくれない世の中です。現状を肯定せよと無邪気に話をしても、それは無理な相談。

やはりこの年代に雇用の不安は確実に拡がっているようです。ただ、この手の話しはなぜか表面化せず、問題は顕在化しにくいようです。

もうひとつ見つけました。

 46歳派遣、コールセンター勤務。年収350万円(プレジデント)
就職難で“正社員メンバーシップ”に入れてもらえず、キャリアアップの望み薄な低賃金のポジションに甘んじ続ける若年層―世間の抱く非正規社員像はそんなところだが、ここにいつしか40代男性を散見するようになった。日本の“失われた時代”の長さの証拠だが、企業に必要な人材か否か以前に、そのコストの調整弁扱いされる彼らは、人生の折り返し点を過ぎた今、何を思うのか。

上記のミドル派遣社員は独身で、わりと自分の好きなことを自由にやって生きたいという意志が明確なので、さほど問題とは思いませんが、そのように割り切れる人は、そう多くないのではないでしょうか。

ただし上記の方もいつまで今の仕事があるのか?その先は?という難題について考えないわけにいかないでしょう。さらに40歳代ならまだ仕事にありつけたとしても、50代になった場合の仕事探し、そして年金がもらえる65歳までの収入を考えると、どうにも危うい綱渡りをしているとしか思えません。

それは政治もマスコミも「若い人や女性の雇用問題」については、ニュースバリューもあり、改革を叫べば国民に受け入れられやすいのですが、中高年者の雇用問題となると、なぜか「それは本人個人の問題でしょ」と突き放されてしまうようなところがあります。

私の個人的見解では、若い人の雇用問題は、少子化のため有効求人倍率も徐々に高くなってきている中で、そう心配はしていないのですが、子供の教育、親の介護、住宅、冠婚葬祭、交際など、一般的に人生で一番お金が必要な中高年者の雇用問題こそが、一番の気がかりです。

上記の最初の記事では「なにかと心配するより、目の前の仕事で成果を出すことがベスト」という、平凡なカウンセラーが導き出すようなちょっと残念な対策しか書かれていませんが、今のところそれしか方法はないとも言えます。

自分(56歳)の状況について少し書いておくと、今の会社に転職して12年、就業規則上の定年まではあと4年です。

幸いにも60歳の定年までは会社が倒産したり身売りでもしない限り、今までと変わりない条件で勤め上げられそうですが、その後の年金生活に入るまでの5年間については雇用の保証はありません。

高年齢者雇用安定法で65歳までの雇用延長が決まっているというのは、大企業の場合ならともかく、中小企業ではいくらでもその抜け道があるので信用できませんし、またプライドなどかなぐり捨て、大幅に条件や待遇が悪くなってまで同じ職場で働き続けるか?という問題もあります。

しかし住宅ローンは、一時期無職になったとき、月々の支払額を減らすために、5年間の期限延長をしたため、62歳までの支払いが残っていて、60歳以降も収入が必要です。基本的に退職金はないので、一括返済できる予定もありません。

つまり、4年後には今の会社で拝み倒して給料が半分以下になっても61歳以降も勤めさせてもらうか、他の道で収入を得るかの二者選択を迫られるということになります。

今の40代、50代の人には、私なんかよりもっと厳しい状況の方もたくさんいらっしゃると思うのですが、そういう方の話しは滅多に伝え聞くことがなく、実際に厳しい環境に置かれた時に、どのような決断をされたのか、どう考えたのか?ということを知りたいものです。


【関連リンク】
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
804 高齢就業者と非正規雇用
782 転職適齢期というのがあるとすれば
649 改正高年齢者雇用安定法
546 年金受給年齢の引き上げと高齢者雇用





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