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この世界の片隅に 2016年 「この世界の片隅に」製作委員会
監督:片渕須直 出演(声):のん、細谷佳正

 
太平洋戦争中の広島を舞台にしたアニメ映画で、原作は、こうの史代著の漫画「この世界の片隅に」です。

主人公は広島に生まれ、呉に嫁入りした若い女性で、当時の広島や呉の町並みが美しく描かれています。

しかしたがて軍港呉は集中的に空襲にさらされ、主人公の姪の幼い子が目の前で亡くなり、片腕を失ってしまいます。

そして広島への原爆投下と続いていくわけですが、戦争のはかなさ、しかし時代がそれを求め、市井の人々はただそれに従うしかなかった庶民の生活を独特のタッチで描かれています。

ちょっと残念なのは、主人公がプロの声優さんではなく、こうした表現には不得手な人を使ったことで、それも味わいだと言ってしまえばそうなのかもしれませんが、節々でそれが気になってしまい、作品にのめり込める感じではありませんでした。

強く反戦というメッセージが込められているわけでもなく、ただ女性から見た昔の生活を懐かしがってみましたという内容で、それもありかなという感想です。

★★☆

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東京暮色 1957年 松竹
監督:小津安二郎 出演者:原節子、有馬稲子、笠智衆、杉村春子、山田五十鈴

 
当時の大女優集合!という感じですが、内容はお堅い銀行勤めの夫や二人の姉妹を捨てて男と逃げだした妻、嫁いだ娘が旦那との折り合いが悪く、子供を連れて出戻ってきた娘、遊び人と付き合って妊娠してしまい、中絶をする妹など、敗戦後12年と、当時まだ戦後が抜けきれていない中では、さぞかし刺激的な作品だったことと想像します。

そうした家族の中の女性達がみんなバラバラで、好き勝手なことをしているのに対し、父親役の笠智衆がひとり、真面目でひょうひょうとしているのが微笑ましく笑えてきます。

結局この家族は最後までハッピーエンドというわけにはいかず、それぞれの着地点を見つけて治まるところに治まっていくという感じでしょうか。

有名女優陣を揃えながらも、結局はなにが言いたいのか、伝えたいのかがイマイチよくわかりませんでした。

★★☆

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大殺陣(だいさつじん) 1964年 東映
監督:工藤栄一 出演者:里見浩太郎、平幹二朗、宗方奈美

 
すごいタイトルに惹かれて見ましたが、昔のチャンバラに少し毛が生えたものと理解して良いのかも知れません。

将軍家綱の後継争いで、時の大老が暗躍する世を変えようと侍の有志達が集まり大老の暗殺計画を立てます。

元々それには加わっていなかった侍も、厳しい取り調べを受けたり、家族が殺されたりしてその計画に加わっていきます。

しかしその計画が漏れてしまい、仲間が次々と捕らえられていく中、中心的な暗殺首謀者がBプランとして大老自身の暗殺ではなく、大老が後継に就けようとしていた家綱の弟を狙い暗殺計画を実行します。

そこから大立ち回りが延々と続き、結局多勢に無勢、暗殺者達はすべて斬り殺され、家綱の弟と救援に駆けつけた大老は無事に帰路につきます。

そこでもう一波乱があるという流れですが、戦闘シーンは、最近のCGや特殊効果などを使った迫力あるモノとは違い、長回しのフィルムを回し、その中で大人数が激しい動きをするというのが中心のいかにも大活動劇という感じです。

なにかそうした大人数で斬り合うチャンバラ映画ってなにかあったなぁって考えると、2010年にリメークされた「十三人の刺客」(1963年)と同じ構成というか続編的な位置づけだったようです。1963年のオリジナルは見ていませんが、2010年版は以前見ています。

当時のチャンバラは、いかにも軽い竹みつの刀を振り回しているという感じで、刀と刀が大きな金属音を出してぶつかり合う音(効果)もないし、斬っても血しぶきが飛ぶわけでもなく、今見ると子供のチャンバラ?って感じもしてきます。当時はそれが普通だったのでしょうね。

★☆☆

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横道世之介 2013年 「横道世之介」製作委員会
監督:沖田修一 出演者:高良健吾、吉高由里子、綾野剛

先に原作となった吉田修一著の小説を読んでいますので、どういうストーリーで最後はどうなるということまであわかっていました。

2015年4月後半の読書と感想、書評「横道世之介」

 
そのようなすでに自分の頭の中に出来上がったイメージと映画に登場してくる人物が違っているとガッカリするモノですが、この映画の配役では、特に意外性はなく、またストーリーも原作に忠実で、すんなりと受け入れることができました。

原作小説の著者の地元長崎から、法政大学へ進学のために上京してきた青春時代をデフォルメして描いたものと思いますが、著者は1968年生まれですので、私とは年齢で11年の差があり、学生生活のあるあるにもその差がくっきりと出ていました。

ストーリーは、長崎から東京へ出てきた誰からも好かれるタイプの若者が、学生生活やアルバイト、クラブ活動、恋愛をエンジョイしながら成長していく姿と、その数年後に学生時代に彼を取り巻いていた友人達が彼のことを懐かしく想うというものです。見ていない人のために詳しくは書きませんが。

よくあるハッピーエンドものの青春ストーリーではないものの、なにか心が癒やされるような、懐かしい味のする映画でした。

ストーリーも内容の奥深さも、なにもかもが違いますが、みうらじゅんの高校生活を描いた青春小説(2004年)と、それを原作とした映画「色即ぜねれいしょん」(2009年)を、著者自身の出身高校や大学が撮影に全面協力をしているという唯一の共通性から、それをふと思い浮かべました。

★★☆

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ジョバンニの島 2014年 日本音楽事業者協会
監督:西久保瑞穂  出演者(声):仲代達矢、市村正親、仲間由紀恵

 
宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」をモチーフとしたアニメ映画で、太平洋戦争末期から終戦後の北方領土のひとつ色丹島が舞台となっています。

主人公は色丹島に暮らす日本人一家の子供で、仲間内では「銀河鉄道の夜」の登場人物ジョバンニと名乗っています。まだ幼い弟は同様に「カンパネルラ」と名付けています。

戦争により平和な暮らしが一変し、やがて終戦を迎えた後、本土と同様アメリカ軍がやってくると思っていたら、ソビエト軍がやってきて、武力で村が占領され、家も接収されてしまいます。
やがて、ソビエト軍の家族もこの村に移住してきて、ジョバンニはその中の少女ターニャと仲良くなり、淡い恋が芽生えていきます。

しかし民間人は本土へと送られることとなり、その経由地として樺太の収容所に入りますが、島の守備隊の武器を隠していた父親が捕らえられた捕虜収容所が近くにあることを知り、弟と二人で会いに行こうと画策します。

途中、学校の先生と叔父に助けられ、収容所の父親と再会を果たしますが、その頃から弟の身体の具合が悪くなっていきます。

弟の体調はますます悪くなり、いよいよ本土へ向かう船に乗ろうとするとき息を引き取ります。

場面は変わって、ビザなし渡航が認められ、旧島民が帰島し、島に住むロシア人との交流の場で、年老いたジョバンニは、元の姿のままのターニャと再会します。

ターニャだと思ったのは、ターニャの孫娘で、当時ジョバンニがターニャを描いた絵を大事に持っていて、今回祖母に代わって会いに来てくれたということです。

なんでもこの話しは実話をもとにしたということで、浅田次郎著の小説「終わらざる夏」や、池上司著「八月十五日の開戦」などにも書かれていましたが、8月15日の終戦後に起きた北方領土でのソビエト軍との悲惨な出来事は、日本人にとって忘れべかざることでしょう。

あと、ひとつ、仲間由紀恵が学校の先生の声役で出ていますが、このような声と女優としてのイメージがすぐに結びつきやすい有名女優を声優として使うのはどうなのかな?と思いました。

例えば極端なことを言うと、ドラえもんの声優が、シリアスな大人のドラマに出演したら、それはちょっと違うだろ?ってことと同じです。

★★☆

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 2017年 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
監督:廣木隆一 出演者:山田涼介、西田敏行、尾野真千子

言わずと知れた東野圭吾氏の小説を原作とする映画です。中国でもジャッキー・チェン主演で「ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生」というタイトルで映画化されています。

小説や映画お得意のタイムスリップものと言えますが、その状況を理解しておかないと、場面場面で、次々と時代が変わっていき、頭の中が混乱してきます。

内容は、不良少年が、ある女性経営者の家に侵入して強盗を働き、老店主が亡くなった後、空き家となっているナミヤ雑貨店に身を潜めます。

雑貨店の店主が生きているあいだは、手紙でやりとりをして、人生相談等を受け付けていましたが、主人が他界して終わり、店も跡継ぎがいないために空き家となっています。

そうした中で、その空き家に身を潜めていた少年達の前に、相談の手紙が投函されてきます。

それが、32年前の過去からの手紙で、面白半分に、その返事を少年達が書くことで、それを受け取った人達の人生が変わっていくことになるというストーリーです。

そして最初は何でもなかった縁(えにし)が、回り回ってつながっていたということに驚かされることになります。

タイムスリップものではいつも感じる不思議な関係性の連鎖で、なかなか面白い設定でしたが、そこはあくまで都合良くできていて、実感としてはあーそうなのねという感じでしょうか。

ともかく、頻繁に時代が変わりますので、今見ているシーンはいつの時代?というのを追うのが精一杯でした。

★★☆

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万引き家族 2018年 AOI Pro.、フジテレビ他
監督:是枝裕和 出演者:リリー・フランキー、安藤サクラ、高良健吾、樹木希林

2018年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でパルムドール(最高賞)に輝いた作品です。見ていると日本らしい風俗や習慣が数多く出てきて、これらの異文化が、外国人にちゃんと理解されるのだろうか?と思ったりしましたが、結果的には理解されたかどうかはともかく、評価はされたのですね。

どこにでもいそうな、あまり裕福そうではない3世代同居の家族が主人公で、タイトルでわかるとおり、夫婦はともに働きつつも、まだ小さな子供を巻き込み、万引きをして食料品や日用品を調達しています。

そしてこの家族の構成がややこしく、終盤で明らかになってきますが、本当の血のつながった家族ではなく、お互いに引き寄せられて、一緒に生活しているという関係です。

戦後の混乱期、家や家族を失ったり、役所も機能していなかったりした時期なら、こうした擬似的な家族というか共同生活はよくあったようですが、現代においてはかなり珍しいと思います。

ごくまれに、新興宗教などにはまって、家を出て、見知らぬ他人と同居というか共同生活をしてというのは話題となりますが、実際に今でもあるのでしょうかね?学業にも就業にも、身元がしっかりしていないと、いろいろと難しいでしょう。

その共同生活をしている家の持ち主(樹木希林)が死去することで、ことは大きく動きます。血のつながりがない他人が死亡届けを出したり、家の住む権利や相続を主張したりできないですからね。

そして、ようやく警察が介入し始め、文明国らしいホッとする世界になってきます。

親から半分捨てられた子供も、それが幸せかどうかはともかく、実の親の元へ返され、施設に預けられたりします。

そうした子供を虐待する親がいる社会の問題点にもチクリと針を刺しているのが、なにか救われる思いです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ジョイ・ラック・クラブ(原題:The Joy Luck Club) 1993年米(日本公開1994年)
監督:ウェイン・ワン 製作総指揮:オリバー・ストーン
出演者 ミンナ・ウェン、タムリン・トミタ、ローレン・トム

アメリカ映画ですが、主人公含め、登場人物の多くは中国系またはアジア系がほとんどの映画です。

中国の内戦で、追われて米国に移民してきた移民1世の老婦人達が集まって、ささやかなパーティを開き、麻雀したり、おしゃべりをしたりするのが、この映画のタイトルにもなったジョイ・ラック・クラブです。

その移民1世も次々と世代が変わっていくことになりますが、その忘れたい過去や、想い出を2世や3世に話し継ぎます。

その過去の内戦時の場面や、財産もなにもかもなくし、生まれたての双子を置いて逃げた過去などが次々と出てきます。中国人の同胞愛は多の民族と比べてより強いものを感じます。それが世界中に中国人街を作る原動力になっているのかもしれません。

世界を席巻してきたアメリカの映画産業の都ハリウッドも、まだ没落こそしていませんが、多様性と様々なメディアの進出により、苦境に立たされています。

そしていま、ハリウッドは、アメリカに住む300万人以上とも言われる中国系アメリカ人と、10億人以上の中国本土へコンテンツを輸出することに躍起となっていますが、この映画もその典型的なものと言えるでしょう。

日本人も移民を扱った映画やドラマには多くの国民が共感を覚えるのと同じで、この映画は、在米中国人だけでなく、世界中に散らばっている中国人や中国系の人達に多くの郷愁と過去の苦境や歴史を感じさせることになるのでしょう。

同じアジア人として、なかなか共感できそうな映画でした。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

マネーモンスター(原題: Money Monster) 2016年米
監督:ジョディ・フォスター
出演者:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル

アメリカのマスコミ、特にテレビ業界と、お金の亡者たる投資家などを皮肉ったサスペンス映画です。

主演のジョージ・クルーニーは、投資をテーマにショー化したテレビ番組「マネーモンスター」の司会者の役で、派手な演出をして人気を博しています。

助演のジュリア/ロバーツは、そのテレビ番組のディレクターで、司会者とは意見が合わずにいつもイライラしているような感じ。

その番組の生放送中、爆弾を身につけたテロリストがスタジオに乱入してきて、主人公の司会者を人質にして、「この番組を見て買った株が暴落し大損をしたのはなにか裏の事情があるはず」と主張をします。

司会者は犯人をなんとか落ち着かせようと得意のしゃべりで説得しようとしますが、犯人はテレビ中継をそのまま継続することと、暴落した原因を調査することを強固に要求し、警察もうかつに手が出せず、調査することを指示します。

ディレクターは司会者の命を守ることを優先に、生中継を継続し、やがては全米中で大きな話題となっていきます。警察も、爆弾を身につけ、起爆装置を手に持っている犯人を捕らえることができません。

一方では、ノリの軽いプロデューサーに命じて、株式が暴落した企業のことがわかってきて、やがて、その裏には大きな陰謀があったことを突き止めるという流れです。

ちょっとドタバタ感が激しく、警察もこれほどはバカでノロマでないでしょうけど、最後はハッピーエンドでは終わらないものの、なかなかスピーディーで楽しめた映画でした。

★★☆

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ワイルド・スピード MEGA MAX(原題:Fast Five) 2011年 米
監督:ジャスティン・リン 
出演者:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースター

ワイルド・スピード」シリーズの5作目で、過去にこのシリーズは、半分ぐらいの割合で見ている気がしますが、どれもこれも似たり寄ったりで、よく覚えちゃいないというのが本当のところです。パターンが水戸黄門も真っ青な安定のマンネリということもあります。

さて、今回の舞台はブラジルのリオデジャネイロで、麻薬捜査で押収された高級車を列車から奪ったところから、仲間が殺されてしまい、その復讐のため、街と警察を牛耳っているボスの金を奪おうと計画を立てます。

もちろんその計画は最後になって明らかになって、めでたしめでたしとなるのはいつもと変わりません。

登場するクルマは、フォード・GT40 、コルベットグランドスポーツロードスター、デ・トマソ パンテーラ、スカイラインGT-R、フォルクスワーゲン・トゥアレグ、WRX STI、ダッジ・チャージャーSRT8など多数です。これらを見ているだけで楽しい気分になれる人にとっては良い映画と言えるでしょう。

★☆☆

【関連リンク】
2019年6月に見た映画
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聖の青春 2016年 製作 「聖の青春」製作委員会 配給 KADOKAWA
監督:森義隆 出演者:松山ケンイチ、東出昌大、リリー・フランキー、竹下景子

原作は大崎善生氏の同名のノンフィクション小説で、天才と言われた将棋棋士 村山聖を題材としたものです。2001年には藤原竜也主演でテレビドラマが作られています。

その原作著作者は、元々将棋連盟に勤務していて、そこで主人公と出会い、交流があったことで、この作品が出来上がったようです。

この映画では村山聖を松山ケンイチが、村山の最強のライバルでもあり友人だった羽生善治役を東出昌大が演じています。東出昌大は羽生名人の特徴をよくつかんでいて、本人も見て苦笑いだったでしょう。

ノンフィクションが原型ですから、登場人物のほとんどは、実在する人達ばかりで、そういう意味では悪役というのは設定できないのですが、フィクションとは違うリアリティさがあってグイグイと引きつけられるものがあります。

主人公の村山聖は、病気がちの子供時代に覚えた将棋がメキメキと強くなり、順調に8段まで駆け上がり、名人の座ももう少しという位置まできていましたが、1997年に進行性膀胱癌が見つかり、手術をしたものの1998年に再発・転移が見つかり、同年29歳という若さで亡くなります。当時伸び盛りだった羽生氏との対戦成績は通算6勝7敗でした。

結果がどうなるかわかっていながらも、彼の半生を描いたこの映画では、天才棋士の短い青春像だけでなく、将棋界周辺のことや、両親、師匠、ライバル、業界など巻き込んだ話題性のある内容で楽しめました。

★★☆

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ワタシが私を見つけるまで(原題:How to Be Single) 2016年 米
監督 クリスチャン・ディッター 出演者 ダコタ・ジョンソン、レベル・ウィルソン

原題を直訳すると「独身の作り方」、ちょっとヒネっても「独身万歳!」ぐらいかなと思うけど、こうしたあまり意味がわからない邦題をつけちゃうんですね。

ニューヨークを舞台にしたロマンティック・コメディで、ベタベタの恋愛ドラマでもなく、アメリカの若い女性達に憧れと共感を喚びそうな、自由奔放で、若いイケメンも出てくるし、ファッションも着古びたものではなく流行の先端のものを着て、夜な夜なパーティばかりやっているような既婚者にとっては羨ましいというか、もう満腹というか、元気でお金持ちなオネェちゃんばかり出てくる映画でした。

4人のそれぞれの恋愛観や生活を通して、独身者にも様々な行き方があってね、と言わんばかりのフェミニストを持ち上げるストーリーですが、そこはコメディでもあり、こうした映画は「寅さんシリーズ」のごとく、似たような内容で毎年のように作られています。

その中でも大ヒットしたものとしては、「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001年)、「プラダを着た悪魔」(2006年)、「セックス・アンド・ザ・シティ」(2008年)などなど。

元気で胸を張って生きているおしゃれ感あるアメリカ人女性って感じですね。私には縁のない話しで、見るだけ無駄というか、時間つぶしにしかなりません。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

お茶漬けの味 1952年 日本
監督 小津安二郎 出演者 佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、淡島千景
 
戦後は庶民の生活を淡々と描くことが多かった小津監督ですが、その代表作とも言える「東京物語」(1953年)の前年に制作されたモノクロの映画です。

庶民というと、ちょっと違うかなと思えるのは、主人公は丸の内に勤めるエリート会社員で、その妻も上流階級出身のマダムという雰囲気です。

自宅には住み込みの女中がいて、家事一切はその女中がおこない、妻は趣味に、交友に、旅行に、デパートで買い物にというのが日々の暇つぶしのようなもので、そういうことが一部のブルジョア界では普通の時代だったのですね。

戦後まだ7年目のまだ傷も癒えない時代に、こうした上流家庭の生活を見た多くの庶民達は、「こうした生活にあこがれる」と思ったのか、「なんだか別の世界みたい」と思ったのか、どちらにしても映画館を出てくるときにはため息ついていたことでしょう。

そうした経済的には恵まれた夫婦ですが、地方出身の夫をバカにしている都会育ちの妻との夫婦関係はあまりよくなく、何気なく余ったご飯に味噌汁をぶっかけて食べる夫に対し、強く非難をします。

あるとき、夫の海外出張が急に決まり、慌てて準備をして旅立ちます、その時妻は一人で旅行中で、電報を打つもすぐには帰ってきません。それに対し、友人が強く非難をします。

ところが、飛行機が途中で引き返し、夜遅くに家に戻ってくると、妻はすぐに帰ってこなかったことを謝り、夜食を食べようと二人でお茶漬けを食べ、ようやく二人の関係がよくなるという、しみじみとした物語。

いつかは、こうした生活をしてみたいな~と思う人と、エリートで上流社会の人でも出身が違うと夫婦仲は悪いのね~と思う人とかいろいろいそうです。

あとは、以前に見た「山の音」(1954年)もそうでしたが、終戦後間もない東京の各地をロケしていて、丸の内界隈や、パチンコ屋などの当時の風景が記録されているのも良い感じです。

★★☆

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殺したい女(原題 Ruthless People) 1986年 米
監督 ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー
出演者 ダニー・デヴィート、ベット・ミドラー

あまり期待せずに見たブラックコメディ映画ですが、なかなかドタバタ劇がテンポ良くて面白かったというのが第一の感想です。

別になにか凝った作りとかがあるわけでもなく、アメリカ映画らしく単純でおバカなストーリーですが、なにも考える必要もなく、ただ1時間半を気持ちよくスカッとしたい時にはいいようです。

妻の財産を目当てに結婚した男が、妻が誘拐されて狂喜し、身代金の支払いも拒否し、誘拐犯に妻を殺させようとしますが、誘拐された妻と、誘拐犯との仲が次第によくなって、逆に妻を見殺しにしようとした夫に仕返しをするというストーリーです。

夫の愛人とその愛人の愛人、警察署長のスキャンダル、連続殺人犯などもほとんど無意味に関わってきますが、それ以上に注目なのが、誘拐された妻役のベット・ミドラー。

歌手としても有名な彼女ですが、最初に出てきたときは、醜いほどにお腹が出て太っていますが、誘拐で監禁されている間に、テレビのダイエット番組に触発され、見る見る間に痩せていくところが、「キャスト・アウェイ」(2000年)で無人島生活を送るトム・ハンクスのようで格好よいです。

★★☆

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バリー・リンドン 1976年 英・米 日本公開1976年
監督:スタンリー・キューブリック 
出演:ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン

全編が185分(3時間)もあり長い映画で、テレビ放送では1部と2部に分けられていました。

監督のスタンリー・キューブリックは「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」など多くの名作、大作を作ってきた巨匠ですが、この映画のような個人の伝記的(フィクションです)な映画はこれだけだそうです。

舞台は18世紀半ばの英国で、農家の生まれで上流社会とは縁がなかった主人公ですが、恋人を取り合い、富豪のへっぽこな軍人に1対1の決闘を申し込み、それには勝ったものの、英国の警察に追われることとなり、故郷を捨て行きずりで英国陸軍に入隊、そこでフランスなどとの7年戦争に従軍します。

7年戦争は両軍ともひどい消耗戦で、このままでは最前線で野垂れ死にするだけと悟った主人公は、池で水浴している将校の服を盗み、安全なところへ逃げようとしますが、途中同盟国のプロイセン王国(現ドイツ)で、偽っていた身分がバレてしまい、「兵として加わるかそれとも処刑か」と聞かれ、当然プロイセンの兵士となります。

その後プロイセン軍での活躍が評価され、プロイセンの警察に協力し、ある英国出身の有名なギャンブラーの執事として潜り込み、スパイ活動を求められますが、勤務初日にギャンブラーに本意(やむなくスパイを強制されている)を告げ、ギャンブラーの信頼を得て二重スパイとなります。

しかし、そのギャンブラーもやがてプロイセンを追われることとなり、警察の裏をかいて一緒に脱出し英国に戻ります。

ここまでが1部で、2部では、無事にプロイセンから逃げ出し英国に戻ってからの活躍です。

英国に戻りプロのギャンブラーとして生活している中で、若い伯爵夫人と出会い籠絡、高齢の旦那が病気で亡くなった後に後釜として名家に入りこみ、上流社会で放蕩の限りを尽くします。

家庭を顧みず、放蕩を続ける主人公はとうとう妻と前夫の子に見放され、家を追い出されてしまいます。

いや、まったくジェットコースターのように浮き沈みというか紆余曲折が激しい人ですね~

こうした波瀾万丈の一生を送るというのは退屈しなくて良いかも知れませんが、それにしてもめまぐるしく強運と悲劇とが次々とやってくるのも精神的、肉体的にタフでないと大変そうです。見ていてもあまりの落差に目が回りそうでした。

そういう人生ですから映画としてはとても面白く、長時間でも退屈はしませんでした。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

アメリカ アメリカ 1963年 米(日本公開は1964年)
監督 エリア・カザン
出演 スタティス・ヒアレリス、フランク・ウォルフ

映画の舞台となるのは19世紀のトルコで、当時はオスマン帝国(1281年~1922年)という世界の中でもトップクラスの繁栄と強国を誇っていたところです。

しかしその強力な大国も19世紀末頃には様々な問題が噴出し、帝国末期の様相を呈していました。

そのオスマン帝国はトルコ人が主導していたため、帝国に組み入れられた近隣のギリシア人やアルメニア人は差別され、トルコ人に搾取されていたというのは、今も昔も支配する国とされる国の違いでよくあることです。

主人公はそうしたオスマン帝国の圧政に苦しむギリシア人一家の若い長男で、友人から聞かされた新興国アメリカへ渡りたいと強く思うようになり、家族の支援もあり、アメリカ行きの船が出ている首都コンスタンティノープル(現イスタンブール)へと向かいます。

ところが途中で山賊や、詐欺にあって、持ち物をすべて奪われ、仕方なく港湾で働き渡航費を貯めていきますが、それも売春宿ですべて失ってしまいます。ま、自業自得なんですけどね。

人に騙されても、お金を奪われても、人への恨みつらみではなく、自分の情けなさを嘆くという、なんと、人の良いことでしょう。ギリシア人の特徴なのでしょうか?

コンスタンティノープルで絨毯の商売をしていた親戚の力を借りて、お金持ちのふりをし、持参金付きで婚約者を得て、さらにアメリカ人旅行客の婦人を色仕掛けで味方に付け、アメリカ行きの船にようやく乗船することができます。

しかし、アメリカにまもなく到着するという船内で、アメリカ人婦人との不倫関係や、貧しい身元もバレてしまい、アメリカ到着後に追い返されるという危機一髪の事態に。その後は見てのお楽しみです。

そうした移民の苦労話を大河ドラマ風に壮大なスケールで描かれていました。

それにしてもギリシア映画ではなく、アメリカでトルコが舞台の移民映画がなぜに?と思って調べると、監督のエリア・カザンが自らの体験を書いた自叙伝的小説を元にしているとのこと。

エリア・カザンはそのオスマン帝国から米国に移民として渡り、その後「欲望という名の電車」(1951年)、「エデンの東」(1955年)など数多くの名作映画を監督をしています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

我が命つきるとも 1967年 米
監督 フレッド・ジンネマン 
出演者 ポール・スコフィールド、スザンナ・ヨーク、ロバート・ショウ、オーソン・ウェルズ

第39回アカデミー賞で8部門にノミネート、うち6部門で賞を獲得した作品で、なかなかの大作です。主人公は有名な思想家で作家でもあったトマス・モアです。

私の高校生時代には、国語の教科書にも同氏の小説「ユートピア」が出てきましたが、今はどうなのでしょう?大学の入学試験でも、著者と作品名を結びつける問題として時々出てきました。

暇だった大学生の頃に「ユートピア」は買って読みましたが、なにか奇想天外でよく理解できなかった記憶があります。

同じ時期に読んだ、英国の17世紀の詩人ミルトンが書いた「失楽園」(渡辺淳一著のエッチな「失楽園」ではなく)のほうも奇想天外さでは負けていませんが、旧約聖書をベースにしているだけあって、わかりやすく印象が強く残り楽しめました。

映画の舞台は当時宮廷文化が盛んだった14世紀の英国、ヘンリー8世の時代に、今で言う法務大臣か最高裁判所長官のような大法官という役職まで上り詰めたトマス・モアですが、ヘンリー8世が子供ができない妻と離婚して別の女性と再婚したいと要求しても、当時英国の国教だったカトリックは離婚禁止のため、それに同意せず、国王の怒りを買います。

そうした状況の中で、大法官の地位を狙うライバルが虚偽の重罪証拠をトマス・モアに突きつけ、「反逆罪」で斬首されるまでの映画で、一途に正義とキリストの教えを守る善き人として描かれます。

テンポが速く、しっかり見ていないと、どこでどうなった?というのがわからなくなります。

一度、ながらで見たところで、途中からわからなくなってしまい「これはちゃんと見ないとダメだ」と思い直して、再度最初から集中して見ました。

ただ、善玉と悪役とがハッキリと分かれているので、よく見ていればわかりやすいドラマです。

なにか時代を感じさせるような、映画と言うよりまるでシェークスピアの舞台劇を見ている錯覚(って見たことはないのですが)を覚えます。

つまりいちいち登場人物の動きや発声が大げさで、映画の中でも広い劇場に響き渡るような通る声で喋っているって感じ。おそらくそうした当時の舞台俳優や女優が多く出演し、そうした表現が当時は良いとされていたのでしょうね。

映画の最初の方で、悪人面し、病気でやつれた前任の大法官役に、懐かしい当時52歳のオーソン・ウェルズがちょい役として出ています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

夜は短し歩けよ乙女 2017年 配給 東宝映像事業部
監督 湯浅政明 出演(声優) 星野源、花澤香菜

以前に読んだことがある森見登美彦氏の同名の小説をアニメ化した作品です。

最初はアニメとは知らず、ずっと頭の中で出来上がっていた実写版の映画とばかり思ってましたが、最初のタイトルが終わってもアニメのままだったので、???という感じで混乱しました。

その原作者の森見登美彦氏は京都大学で青春時代を過ごし、その思い入れが半端なく、様々な著書の中にも京都の風景が描写されています。

鴨川ホルモー」で有名な、年齢的にも近い同じ京大卒の作家万城目学氏の作品とも共通したところがあります。

このアニメでも、高瀬川や木屋町界隈、糺の森(下鴨神社参道)など京都の日常の風景が多く取り入れられています。

内容はというと、もうこれは小説以上にハチャメチャで、言葉ではなかなか言い表せないので、見ていただくしかないのですが、青春恋愛ドラマというか、魔境メルヘンというか、簡便なミュージカルというか、なにかわからないものがいろいろと混じっていてよくわかりません。

私は見てませんが同じ著者の作品を原作としたテレビアニメ「四畳半神話大系」が2010年に放送されていて、その流れをくむ映画だそうです。

★☆☆

【関連リンク】
ここ10年間に見た映画 その1(1999年以前制作映画)
ここ10年間に見た映画 その2(2000年以降制作映画)



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ソロモンの偽証 前篇・事件 2015年 「ソロモンの偽証」製作委員会
監督 成島出、出演者 藤野涼子、板垣瑞生、佐々木蔵之介

ソロモンの偽証 後篇・裁判 2015年 「ソロモンの偽証」製作委員会
監督 成島出、出演者 藤野涼子、板垣瑞生、佐々木蔵之介

宮部みゆきによる2012年刊の長編推理小説ソロモンの偽証」「第I部 事件」、「第II部 決意」、「第III部 法廷」を原作にして「前篇・事件」と「後篇・裁判」の2作品にまとめた映画です。

どちらも2時間を超える作品で、2本合わせるとで軽く4時間を超え、映画としては長過ぎてあまり向いているとは思えないのですが、原作をある程度忠実に再現するためには仕方がなかったのでしょう。

じゃぁこの4時間を超える映画は退屈かというとそうでもなく、前篇の事件では、クリスマスイブの雪の日に男子中学生が校庭で転落死していた事故と、その後に同級生だった女子生徒が交通事故で死亡する背景が次第に明らかになっていくことや、亡くなった生徒の同級生や学校関係者はもちろん、保護者やマスコミなどの動きがあるある的に描かれ退屈する間もなく盛りだくさんって感じです。

後篇の裁判は、亡くなった生徒の同級生達が、事件の真相を突き詰めようと、学校内裁判を開くことを決め、いじめをしていた生徒を被告として喚び、そのいじめが発展して起きた殺人ではないことを様々な証拠を積み上げていきます。

と、同時に、その被告が真犯人だと書かれた告発状の真意なども明らかになっていきます。詳しくは書きませんが。

前後半で言うと、この後半の裁判の設定(中学生が自主的に判事、検察、弁護などに分かれ、不良の容疑者や、証人の一般市民などを集めるところなど)に無理なところがあり、見ていても「ありえねぇー」と途中は退屈をしてしまうかもしれません。最後のどんでん返しで目が覚めるとは思いますが。

確かに2本続けて見た感じでは、やや長くて疲れたなと思いましたが、登場人物もそう多くはなく、ストーリーも最後のクライマックスあたりを除き、あまり複雑ではないので、しっかりと集中して見ていないとわからなくなるってことはありません。

しかし、大学生ぐらいならともかく、中学生にこれだけのことができる知識があり、現実的に出来るか?って言うと、ドラマや小説の中だけの世界!って言うしかないでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

カメラを止めるな! 2017年 PANPOKOPINA
監督 上田慎一郎、出演者 濱津隆之、真魚

言わずと知れた低予算ながら、口コミで拡がり大ヒットした2017年の映画です。

こうしたちょっとヒネった作品が、有名俳優や女優を使って多額のお金をかけた作品を凌駕するってのは業界的にも良い傾向なのかも知れません。

テレビ番組も、高額な有名人をどんどん切って、無名な人でも、発掘し売り出していこうという試みが増えています。

もちろんお金をかけた大作映画にも面白いものが多くて好きですが、そればかり見ていると、もっともっと出来るはず!というように、際限がなくなってしまいます。

その点、こうしたまるで学生の映画サークルで作ったみたいなアイデアで勝負した、剣の刃を渡るような緊張感に包まれた作品は、製作者の深い思いが伝わってきて、感激もそれだけ大きく、賞賛したくなります。

簡単なあらすじは知っていましたが、最後のどんでん返しまでは知らなかったので、十分楽しめました。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

眺めのいい部屋(原題 A Room with a View) 英国1986年 日本公開1987年
監督 ジェイムズ・アイヴォリー、出演者 マギー・スミス、デンホルム・エリオット

第一次世界大戦の少し前の英国上流社会が舞台の映画です。

この映画、32年前に1987年の公開時に洋画2本立てで上映されていた名画座で見ました。その時の印象としては面白かったという記憶だけが残っていましたが、中身はすっかり忘れていました。

ストーリーですが、主人公は英国の名門家の令嬢で、イタリア旅行中に同じく英国人の若い男性と知り合いとなります。

タイトルはそのイタリア旅行中に泊まったホテルで、予約していた「眺めのいい部屋」ではなかったので、旅行に同行していた従姉(年上のいとこ)が文句を言って別の英国人旅行者と部屋を交換してもらったことから、令嬢が男性と知り合うきっかけとなったことを指しています。

その旅行中に出会った男性に思いを寄せられてしまい、それを知った同行の叔母は旅行を途中で打ち切って早々に英国に戻ります。

そして令嬢は帰国後お見合いをして別の男性と婚約をしますが、それと同時期に、イタリア旅行で知り合った男性が、主人公の邸宅の近くへ引っ越してきて、再度恋が燃え上がっていきます。

という、女性がみると、ゴージャスな上流社会に身を置き、二人の男性から言い寄られるという、理想的なハーレクイン小説のような映画です。

そうした甘い甘い恋愛映画ですが、さすがに最初に見てから30年も経ってしまうと、その甘さがしつこく感じて、今はちっとも良い映画とは思えなくなるから不思議です。

時間の経過とともに、価値観や好みって言うのは変わるものなんだなと思い知らされた映画です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

グランド・キャニオンの対決(原題:Edge of Eternity) アメリカ 1959年
監督 ドン・シーゲル 出演 コーネル・ワイルド、ヴィクトリア・ショウ

1959年公開と、今から60年も前の映画ですが、ちゃんと綺麗なカラー映画です。但し、Amazonで探したのですが、DVDやビデオは見つかりませんでした。時代物ですからね、、、

ま、なんてことはない、保安官(助手)が可愛い金持ちの令嬢を救うために人殺しの悪役とグランドキャニオンで対決する勧善懲悪映画ですが、タイトルに惹かれて見てみました。

私も20年ほど前に一度だけ(おそらく一度行けば満足する)グランドキャニオンへ行きましたが、あの雄大でスケールの大きな断層地帯はアメリカ人にとっても珍しく一度は見ておきたい場所でしょう。

NHKのブラタモリでも、過去にフランスやイタリアの地形や地層を取材してきましたが、ダンサー(断層ファンのこと)としては、やっぱりここをみっちり取材しなければ語り尽くせないでしょう。

グランドキャニオンの崖の平均の高さが1200m、最深部では1800mとのことで、比較するものとして634mのスカイツリーの2倍ぐらい、世界最高層ビルが828mで206階建て(ドバイのブルジュ・ハリファ)ということなので、もし崖の高さをビルの階数にすると300階建てぐらいの高さに相当します。

そうした崖が延々と400km以上(東京から岐阜あたりまで)続いているのですから、もう日本人の地形感覚ではとうてい理解不能です。

そのお決まりの観光地へは今はラスベガスから飛行機で行くのですが、途中西部劇などでよく見かけるような砂漠の荒野の中にポツンと小さな町が見え、その上空を飛んでいると思ったら、すぐ横にそびえ立つ崖が飛行機の高度とほとんど変わらない高さで見えてくるという感じです。

ま、そうした崖の高さを生かしたアクションと、古くは金鉱として栄えたグランドキャニオンが、映画公開当時は多くの労働者がラスベガスへと流れてしまった寂れた町として出てきます。

本格的な観光化が進むのは、その後1971年に世界遺産に登録されて以降のことになります。

古い映画にしては、しっかりと作られていて、古いアメリカンな生活なども見られ、なかなか楽しめました。

★★☆


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