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1500(祝!1500回
昨年1年間は、仕事を辞めたこと、コロナ禍で在宅時間が長かったこともあり、読書量が一気に増えそうと思っていたら、あにはからんや、在職中だった前年の冊数を下回ってしまいました。

時間があると言うことと、読書の時間が増えるというのは必ずしも一致しないと言うことです(私の場合)。

2018年に読んだ本は110冊(99作品※)で、2019年は115冊(108作品)でしたが、2020年は105冊(94作品)に留まりました。1ヶ月に8.8冊のペースとなります。
※1作品で上巻下巻のように複数冊数があります

内訳は、「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」が29作品(30冊)で前年の29作品(29冊)とほぼ同数でした。

「海外小説」は14作品(19冊)で、昨年の9冊(8作品)から5作品(11冊)の増加です。

「国内小説」は、51作品(56冊)で、昨年の71作品(77冊)から、20作品(21冊)と大きく減っています。

総数が減った原因は、割とサクサク読める国内小説が少なく、ジックリと読むことが多い新書や海外小説が相対的に増えたことによるかも知れません。

では、さっそく、各賞の発表です。

まず「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」部門全29作品の中で★3を付けたのは、

幕末下級武士のリストラ戦記 安藤優一郞
無私の日本人 磯田道史
おとなの教養 池上彰
バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎
日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実 吉田裕
人口と日本経済 吉川洋
陰翳礼讃 谷崎潤一郎
高熱隧道 吉村昭

の8作品です。

今回、この新書等部門が順位を付けるのが一番悩ましいです。

と言うのも、この8作品はどれもすごく面白く読めて、甲乙が付けにくいです。

それでも心を鬼にして、さらに選ぶと「バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 前野ウルド浩太郎」「陰翳礼讃 (中公文庫) 谷崎潤一郎」「無私の日本人 (文春文庫) 磯田道史」の3作品。

この中から1番を選ぶというのは酷で、特別に今回限り、この三つの作品を大賞に選びたいと思います。

感想は下記にあります。

6月後半の読書と感想、書評(無私の日本人 磯田道史)

3月前半の読書と感想、書評(バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎 )

11月前半の読書と感想、書評(陰翳礼讃 谷崎潤一郎)

落選した「日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実 吉田裕」「高熱隧道 吉村昭」「おとなの教養 池上彰」「幕末下級武士のリストラ戦記 安藤優一郞」「人口と日本経済 吉川洋」も、決して大賞作品に劣らない名著だと思います。

  ◇   ◇   ◇

次に「海外小説」部門です。

候補作品は、全14作品の中から、下記の6作品です。

マリー・アントワネット(上)(下) シュテファン・ツヴァイク
火刑法廷 ジョン・ディクスン・カー
レイトショー(上)(下) マイクル・コナリー
真鍮の評決(上)(下) マイクル・コナリー
血の収穫 ダシール・ハメット
悪童日記 アゴタ・クリストフ

この中からベストを選ぶと、、、、

マリー・アントワネット (角川文庫)(上)(下) シュテファン・ツヴァイク」です。

感想は、

10月後半の読書の感想、書評(マリー・アントワネット(上)(下) シュテファン・ツヴァイク)


次点は、「悪童日記 (ハヤカワepi文庫) アゴタ・クリストフ」です。

2月後半の読書と感想、書評(悪童日記 アゴタ・クリストフ)

今回候補にはあがりませんでしたが、「郵便配達は二度ベルを鳴らす ジェームズ・M・ケイン」も、強く印象に残った作品です。

  ◇   ◇   ◇

最後に一番冊数の多い「国内小説」部門です。全51作品の中から候補作は、

スロウハイツの神様(上)(下) 辻村深月
にじいろガーデン 小川糸
華竜の宮(上)(下) 上田早夕里
家霊 岡本かの子
光圀伝(上)(下) 冲方 丁
よろずのことに気をつけよ 川瀬七緒
邂逅の森 熊谷達也
さよならの手口 若竹七海
ブラックボックス 篠田節子

の9作品です。なぜか女性作家さんの作品が多いですね。

この中では、圧倒的に面白く、大正から昭和初期にかけての東北の厳しい風景とマタギの世界観が印象深い、2004年の直木賞受賞作「邂逅の森 (文春文庫) 熊谷達也」です。ひねりもオチもなくスミマセン。でも、大賞おめでとうございます!

感想は、

9月後半の読書と感想、書評(邂逅の森 熊谷達也)


次点として、かなり歴史小説としては軽い内容ですが、面白くてワクワクした「光圀伝 (角川文庫)(上)(下) 冲方 丁」を選びます。

1月前半の読書と感想、書評(光圀伝(上)(下) 冲方 丁)

今回、大賞候補には入りませんでしたが、印象深い作品として、「生ける屍の死 山口雅也」と「涙香迷宮 竹本健治」があり、大賞候補に十分入る名著でした。

以上、2020年のベスト書籍が出揃いました。

今年も素晴らしい良書に出会えることを願っています。

【関連リンク】
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