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ヴェアヴォルフ オルデンベルグ探偵事務所録(中公文庫) 九条菜月

ヴェアヴォルフ オルデンベルグ探偵事務所録
「探偵」とタイトルにあれば思わず手に取ってはいられない「探偵もの小説」が好きですが、著者の小説は初めてなうえ、内容を全く知らずに読み始めたので、意外な背景や展開でビックリしました。

2006年の中央公論新社の新人賞「C★NOVELS大賞」でこの作品が特別賞(大賞は多崎礼著「煌夜祭」)になり作家デビューした方です。

したがって初出は2006年にC★NOVELSの新書として出版され、その後2013年に文庫化されています。

物語の舞台は20世紀初頭のベルリン、主人公は探偵事務所に勤める「人にまぎれている人でない者」という変化球です。

確かに西洋には古くからバンパイアや吸血鬼、ドラゴン、魔女など多くの「ひとでない者」の話がありますが、探偵ものの小説でそれらに出会うとは思いませんでした。

ま、奇想天外ながら、読めば読むほど味が出てくる深みのある作品で、デビュー前の新人作家が表に出すまでには多くの苦労や葛藤があったものと偲ばれます。

主人公以外にも、主人公を助ける「人間」の少年や、上司にあたる「人ではない者」の探偵事務所社長などにも魅力があり、時代や国が違えど違和感なくスラスラ読めて楽しめます。

この「オルデンベルグ探偵事務所録」シリーズの続編として「ヴァンピーア」、「ヘクセ」、「エルの幻想曲」とありますが、読みたいか?と問われれば、う~ん、、、どうでしょう、保留にしておきます。

★★☆

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草笛の音次郎(角川文庫) 山本一力

草笛の音次郎
2003年に単行本、2006年に文庫化された歴史物股旅小説です。股旅ものと言えば笹沢左保著の小説とそれを原作にした中村敦夫主演ドラマ「木枯らし紋次郎」シリーズが有名です。

時代小説が多い著者ですから他にもいくつかの股旅小説はあると思っていましたが、意外と少ないようです。

しかし股旅と言えば欠かせない三度笠や道中合羽、葛籠(つづらこ)など、渡世人の姿形、しきたり、仁義のきりかた、言葉遣いなど、きっちりと説明がされていて楽しく読めます。

主人公は、東京浅草の貸元(賭博場の主)に属している若者で、千葉にある佐原(現香取市)にある兄弟分の貸元から香取神宮の祭りの招待状が届きますが、貸元の体調が優れず代わりに名代を出すことになり選ばれます。

江戸から一歩も出たことがない主人公が、佐原まで旅をして成長していくという物語ですが、当然順調にはいかず、盗賊に遭ったり、盗賊に一味と疑われ番所に投獄されたりと苦労が続きます。

しかし一方では、誠実な人柄が幸いして親切な人や、それぞれの有力者に気に入られ、旅の途中ながら弟分ができ、そしてどうにか佐原について名代の役目を果たし終えます。

クライマックスは、旅籠で襲ってきた有名な盗賊一味との決着で、晴れ晴れしくハッピーエンドに終わります。

主人公は鰻を食べると女を抱かずにいられないという体質があり、お色気もたっぷりの小説で、もしかすると男性向け週刊誌などに連載されていたのかな?と思ってしまいます。

★★☆

著者別読書感想(山本一力)

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自分をどう愛するか<生活編>幸せの求め方(青春文庫) 遠藤周作

自分をどう愛するか
最初は1982年(昭和57年)に発刊されたエッセイ本で、1923年生まれの著者の生誕100年記念として新装版が文庫として出版されています。

著者が亡くなったのは1996年ですからもう28年が経っていますが、私が子供の頃には(大人向きの難しい小説はともかく)狐狸庵先生の「ぐうたら」シリーズや、インスタントコーヒーのコマーシャルで「違いのわかる男」として登場し人気だったことを思い出します。

元本が1982年の出版と言うことで、今なら「女性蔑視だ!」とか「パワハラでしょ?」っていう話しが本文中にいくつも出てきますが、一時代を築いた偉大な作家ということもあり、ご愛敬と言うことなのでしょう。

文末には「今日の観点から見ると一部差別的ととられかねない表現がありますが・・・」と出版社のエクスキューズが書かれています。

著者が生きた戦中・戦後の昭和時代の価値観が際立っているので、21世紀の今読むと「ちょっとなぁ」という部分と、普遍的な思想や考え方で「なるほど」と思える点が混在しています。42年の月日でこれだけ社会は変わるのだと言うことが実感できました。

もっとも当時、比較的若い人向けに書かれたエッセイですので、1982年当時の私は社会人になりたてという、ちょうどこの本の想定される読者だったと思います。

★☆☆

著者別読書感想(遠藤周作)

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新月譚(文春文庫) 貫井徳郎

新月譚
2012年に単行本、2015年に文庫化された長編小説で、なにかで推奨されていたのを見たので読んでみました。2012年の直木賞では3回目の候補作に上がっていた作品です(直木賞受賞作は辻村深月著「鍵のない夢を見る」)

比較的多作の著者の小説は数多くありますが、私は過去に13作品だけを読んでいて、作品に当たり外れがない作家さんと思っていて、どうして直木賞がとれないのか不思議(過去この作品を含め4回候補にあがっている)な作家さんのひとりです。

タイトルの「新月」は、「そこにあるはずだけど見えない月」という意味を、顔の整形をして、もはや以前の顔をすっかり変えてしまった女性主人公が、昔の自分を新月に見立てたものです。

一般の若い女性が顔を整形してすっかり変えて絶世の美女に生まれ変わるストーリーは、百田尚樹著の「モンスター」(2010年)にもありましたが、なにかありそうであり得ない感じです。

頭の弱い小金持ちの女性が、なにも考えず、なにかに執着して整形を繰り返すというのならよくあることかも知れませんが。

また小説家を主人公にする手法は、売れっ子の作家さんからすると一番身近でよく知っている職業で、出版社や編集者との関係などは勝手知ったることを書けば良いだけなので、いかにもお手盛りというか物語のお手軽さは拭えません。自伝的な小説ならばそれもやむを得ないのですが。

著者は多作ながらも、テーマが多岐に渡っているのが素晴らしく思っているだけに、身近な話題ではなく、調査や視察、ヒアリングなどの苦労が偲ばれる作品を期待してやみません。

★☆☆

著者別読書感想(貫井徳郎)

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