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あけましておめでとうございます。

今年もつまらない話しや感想を書いていくつもりですので、よろしくお願いいたします。
稀少で物好きで変態な読者の方々には感謝しかありません。
ある日、ぷっつりと更新が途絶えた時は、管理人がとうとう逝ったかと思ってくださって結構です。

それでは今年の最初は恒例の読書感想からです。

◇「司馬遼太郎」で学ぶ日本史(NHK出版新書) 磯田道史
◇容疑者(創元推理文庫) ロバート・クレイス
◇教会堂の殺人(講談社文庫) 周木律
◇その先の道に消える(朝日文庫) 中村文則

  ◇   ◇   ◇

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史(NHK出版新書) 磯田道史

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史
2017年に発行された新書で、タイトル通り、司馬遼太郎氏の作品やエッセイなどを元として、氏の歴史観、作品に込められた思いなどを明らかにしていきます。

司馬遼太郎作品は多岐に渡っていますが、その中でも日本が大きく動いた「戦国時代」、「幕末」、「太平洋戦争以前」の3つの時代が中心となっています。

とりあげられる主な作品は、「戦国時代」は「国盗り物語」(1965-1966年)、「幕末」は「龍馬がゆく」(1963-1966年)や「花神」(1972年)、「太平洋戦争以前」は「坂の上の雲」(1969-1972年)が主に紹介されています。

また「この国のかたち」(1990年-1996年)などのエッセイからも司馬氏の強いメッセージを紹介しています。

通常は歴史学者が、歴史文学(時代小説)について、あれこれ評論したり評価をすることはありません。歴史家は様々な資料を読み解き、史実を追究することが第一義で、小説は読み手が楽しめるような創意工夫をして創作します。

そうした同じ歴史でも目的がまったく違い相容れないところがあるので、こうした歴史学者が小説や歴史小説作家について語るのは珍しいです。

もっとも若手学者が、国民のほとんどが知る歴史小説の大家を語るわけですから大いに持ち上げていて、その真の狙いや思惑を好意的に解釈しています。

私自身は、以前は歴史小説があまり好きではなかったこともあり、司馬遼太郎氏の小説はあまり多くは読んでなく、長編大作を読むのはちょっと厳しいかも知れませんが、もう少し読んでみようと思う内容でした。

★★☆

著者別読書感想(磯田道史)
著者別読書感想(司馬遼太郎)

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容疑者(創元推理文庫) ロバート・クレイス

容疑者
昨年読んだ「私立探偵エルヴィス・コール&ジョー・パイクシリーズ」の「指名手配」に続き、著者の作品を読むのは2作目です。

本著は上記の私立探偵が主人公のシリーズ作品ではなく、警官とその相棒となる警察犬が主人公で、原題は「Suspect」、出版は2013年(日本語翻訳版は2014年刊)です。

この作品がシリーズ「ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ&マギー」の第1作目となり、2作目の「約束」(2017年)がすでに出版されています。

パトロール中に襲撃事件に遭遇し、パートナーだった女性警官が死亡、自身も重傷を負った主人公と、アフガニスタンで軍事作戦中にパートナーの兵士を目の前で射殺され自身も傷ついた軍用犬シェパードのマギーという同じようなトラウマを抱える同士、新たなコンビを組むことになります。

今回は、その警邏中に襲撃されて死亡した民間人2名と警官1名の事件を調べる中で、不可解な点が見つかり、様々な妨害に遭いながら、相棒の警察犬とともに事件の解決へ向けて真実に迫っていくという内容です。

パートナーが犬という小説や、犬が大きな役割を果たす小説はいくつもありますが、印象に残っているのは柴田哲孝著の「私立探偵・神山健介シリーズ」で出てくる、主人公の相棒のカイです。

またディーン・R. クーンツも犬の好きな作家で、ちょっと古いですが「ウォッチャーズ」(1987年)、「何ものも恐れるな」(1998年)など、犬が相棒役というか準主役として出てきます。

「私立探偵エルヴィス・コール&ジョー・パイクシリーズ」は、私が好きで全巻読み終えているロバート・B・パーカーの「スペンサーシリーズ」と似ていることから今後読んでいこうと思います。

★★☆

著者別読書感想(ロバート・クレイス)

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教会堂の殺人(講談社文庫) 周木律

教会堂の殺人
2013年にメフィスト賞を受賞した「眼球堂の殺人」でメジャーデビューされた作家さんですが、作品を読むのは今回が初めてです。

本作品は、デビュー作から続く、通称「堂シリーズ」と言われている「○○堂の殺人」の5作目で、2015年に単行本、2018年に文庫化されています。

登場人物など共通することから第1作から順に読むのが正しい読み方ですが、途中から読むことになってしまいました。ま、こういうことはよくあります。

ちなみに、デビュー作でシリーズ1作目の「眼球堂の殺人」も購入済みですので、前後しますがそのうち読むつもりです。

内容は、続きものではなく、1話完結のミステリー小説ですので、登場人物の背景などは想像するしかありませんが、特に問題はなく最後まで楽しめました。

ただ、ストーリーにかなり突拍子もない無理なところがあったり、「それはないだろう」と思うところがあり、そうした細かなところは気にせず、おおらかに単純に楽しみながら読むのが良さそうです。

この「堂シリーズ」は著者が大学時代に建築を学んでいたことから、奇想天外な構造物(≒堂)が登場し、そこで殺人事件が発生するというお約束になっているようです。

と言うと、思い出すのが、綾辻行人著の「十角館の殺人」など一連の「館シリーズ」を思い浮かべますが、建物がミステリーやホラーの肝になっている小説は数多くあります。

この「堂シリーズ」は、2019年刊の7作目の「大聖堂の殺人」で終了となったようです。

★★☆

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その先の道に消える(朝日文庫) 中村文則

その先の道消える
2018年に単行本、2021年に文庫化された警察小説です。警察官や刑事ものを書く作家さんはそればかりになるケースが多いですが、著者はあまり刑事ものが多いと言えない作家さんです。

たまたま1年半前に読んだ「あなたが消えた夜に」はベテラン刑事と新米のエリート女性刑事のコンビという警察小説でしたので、警察ものは今回が2作品目ということになります。

第1部と第2部に分かれていて、第1部と第2部で主人公というか語り手が違います。

あまり縁がなかったというかほとんどの人には縁がないでしょうけど、緊縛師というか女性を縄で縛るという極端なSM趣味の話が展開されていきます。

緊縛やSMと言えば唯一知っているのは「花と蛇」の作者、団鬼六氏の名前ですが、団氏は作家やプロデューサーであって緊縛師ではないのですね。調べてわかりました。

緊縛は海外ではアーチストという位置づけですが、日本ではその成り立ちや江戸時代の浮世絵からしてなにか陰湿で特殊なエロチックな趣味の世界みたいな印象です。

そうした緊縛師のひとりが殺され、捜査していた刑事が、その深遠な世界にはまっていくことになります。

第2部ではトラウマを抱えた別の刑事が謎解きをしていくという流れです。

非日常が味わえますが、どうにもそうした趣味の世界が理解しがたい凡人なので、どうしてそうなるの?という疑問だらけになってしまいました。

またこの作品に限らず、警察もので刑事が単独で聞き込みや調査をおこなうことはイレギュラーだと思いますが、物語の都合上、そういうケースが多く見られるのがリアリティさに影を落としています。

★★☆

著者別読書感想(中村文則)


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