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未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 河合雅司

著者は産経新聞社の元論説委員で、同新聞に「少子高齢化」について毎月連載を書いていました。その流れから、今後日本で起きることを様々な統計データを元にして年代順に書かれたものが2017年刊のこの新書です。

年の初めの早々に、超高齢化と少子化による労働人口の急速な減少が続く日本の未来という、破壊的、悲観本を読み、その感想を書くのはつらいものがあります。

私は今まで自分の性格を悲観的だと思っていますが、この著者も著書を売らんかなのためかどうかわかりませんが、とにかく危機を煽り、悲壮感を漂わせ、読んでいると暗澹とした気持ちになります。

ま、それが例え避けようがない事実であっても、そういう国にしてきた著者や私を含む多くの日本人がそれを選択してきたわけなので、甘んじて受けましょうと明るくなぜ言えないのかな?

百数十年後に、世界地図から日本が消えていようと、それは致し方ないではないですか。過去にも消えた国はオスマン帝国や清国、満州国、ムスタン王国などいくらでもあります。

それがもし戦争以外で成し遂げられたとしたら、それはかつての日本の平和憲法のおかげだったということかも知れません。

ま、それはさておき、とにかく年代が増えて行くにつれ、著者の想像というか様々な統計データは膨れ上がっていきますので、50年後の日本の姿はもう怖くて見ていられなくなります。

この本を読んでいると、そこまで日本人は底抜けにアホなのか?と思ってしまいますが、農耕民族的で変化を嫌い、お上には逆らってはいけないという日本人のDNAは、外圧によってのみ大きな変革を遂げられるという慣行からすれば、今回の移民の大量受け入れによって初めて変革を成し遂げることが可能という事かも知れません。

ちなみに、ベストセラーとなった本書に続き、柳のドジョウ的に続編の「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)」がすでに発刊されています。

★★☆

著者別読書感想(河合雅司)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

約束の海 (新潮文庫) 山崎豊子

2013年に89歳で亡くなった著者の遺作となる小説で、週刊誌に連載中に亡くなったため、予定では3部作品のところ、この第1部で終わってしまった未完の作品です。2014年に単行本、2016年に文庫本が発刊されました。

著者の本は、過去に「沈まぬ太陽」(1~5巻)、「大地の子」(1~4巻)、「運命の人」(1~4巻)、「女系家族」(1~2巻)を読んでいて、面白いけど長い!というのが特徴ですが、今回は未完ということで1巻のみ、勝手なもので逆に物足りなく感じました。

主人公は、希望していた一般大学を落ち、やむを得ず先に合格していた防衛大学に入り、その後海上自衛隊で潜水艦に乗ることになった若い独身男性で、特にモデルとなった人はいません。

その主人公の父親が、元日本帝国海軍少尉で、そのモデルは真珠湾攻撃において特殊潜航艇の故障で日本人初のアメリカ軍捕虜となった酒巻和男氏となっています。

つまり親子二代にわたり、潜水艦乗りという設定です。

また1988年に浦賀水道で起きた自衛隊の潜水艦「なだしお」と遊漁船が衝突し、沈没した遊漁船の30名が亡くなった事故をモデルとして、この第1部の中で取り扱われています。

私ごとですが、この衝突事故が起きた時は、会社の研修で湯河原にいて、夕方頃、研修の休憩時間に偶然つけたテレビでこのニュースが放送されていて、洋上に漂い、潜水艦上から海上を捜索している人の映像が強く印象に残っています。

なお、巻末にはその後に書かれる予定だった第2部と第3部のあらましが書かれています。

第2部は、主人公が日米共同訓練のため、父親がアメリカで捕虜となったハワイへ行き、そこで見聞きした話しが中心、第3部は、潜水艦の艦長となった主人公が、東シナ海で中国の潜水艦と一発触発となる話しなどが書かれる予定だったそうです。

できればどなたか著者を変えてでも、第2部と第3部を書いて欲しいなと思う気持ちがありますが、実現は難しそうです。

勝手に想像するに、もし続編を書くとしたら、「雷撃深度一九・五」など多くの潜水艦にまつわる著書がある池上司氏とか、過去に潜水艦にまつわる小説「終戦のローレライ」を書いた福井晴敏氏、「海の底」を書いた有川浩氏など。

あるいは事件記者としての経験から日航墜落事故を書いた「クライマーズ・ハイ」や人間魚雷回天搭乗員を描いた「出口のない海」の横山秀夫氏、同じく回天搭乗員の「僕たちの戦争」を書いた荻原浩氏などでしょうか。中でも横山秀夫氏が、著者の作風にもっとも似ているような気がします。

しかしながら上記のような売れっ子作家さんにとっては、頼まれても人の作品の続編なんて書きたくないやってところでしょうけど、読者としてはせっかくの構想を無駄にしてほしくはないものです。

★★★

著者別読書感想(山崎豊子)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ハサミ男 (講談社文庫) 殊能将之

推理小説を得意とした著者の1999年に発刊されたデビュー作品となる長編小説で、同年にメフィスト賞(公募文学新人賞)を受賞しています。

2005年には、同作品を原作とし、池田敏春監督、豊川悦司、麻生久美子の主演で映画化もされました。見てませんけど。

ただ残念なことに著者は2013年に49歳の若さで亡くなっています。死因は未公表で不明ですが、この小説を読んでいると主人公が試す様々な自殺法が書かれていて、もしかすると、、、と考えてしまいます。

主人公は、出版社でアルバイトをしながら、そこで見つけた女子高生の名簿を利用して過去に二人の女性を窒息死させ、顔にハサミを突き刺しておいたことからマスコミから「ハサミ男」と呼ばれています。

そして3人目を付け狙い、殺そうとしていた時、それまでとまったく同じ殺害方法で、誰かに先を越されて女子高生が殺され、しかもその殺害現場で第一発見者となってしまいます。

真っ先に疑われそうですが、発見したのが死後1時間ほど経っていたため、まさか犯人が1時間も現場にいるはずがないということで、見過ごされていきます。

そしてその連続殺人犯の主人公は解離性同一性障害(二重人格)で、「医者」という二人目の人格が時々出てきます。その医者から、3人目を殺した犯人を捜すように指示を受け、真犯人捜しを始めることになります。

これ以上書くと、推理とミステリーがわやになってしまうので、書きませんが、偶然が多すぎて現実感には乏しいものの、なかなか凝ったストーリーで、十分楽しめました。

最近は、事実は小説よりも奇なりで、現実がとんでもなく現実離れ?した犯罪にあふれているので、小説だって、現実離れしていて良いじゃないの!と思うようになっていますから、こうした読者の錯覚を誘うテクニックを使った小説も気にせずスッと入ってきます。

才能のある作家さんだっただけに、早世は残念な限りです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

さがしもの (新潮文庫) 角田光代

この本が、世界に存在することに」として2005年に発刊されましたが、2008年に文庫化されるときにこのタイトルに改題されています。

「旅する本」「だれか」「手紙」「彼と私の本棚」「不幸の種」「引き出しの奥」「ミツザワ書店」「さがしもの」「初バレンタイン」の9作品からなるライトな短編小説です。

著者の小説は、2009年に同じく短編集の「トリップ」(2004年刊)と、2013年に長編の「対岸の彼女」(2004年刊)を読んでいます。

著者の小説を原作とした映画は、過去に「八日目の蝉」(2007年刊)や「紙の月」(2012年刊)を見ていますが小説は読んでいません。

いずれの短編も書籍と関係する物語で、読書好きな女性が好んで読みそうな話ばかり。現実感はないし、夢もないし、ひねりを利かせた設定もないし、あまりに短すぎて、感情移入している間もありません。

やっぱりこの著者が本領を発揮できるのは、ジックリ読める長編小説で、それが好ましく思えます。

というわけで、この本は短くて暇つぶしにもならず、失敗です。

★☆☆

著者別読書感想(角田光代)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

しゃぼん玉 (新潮文庫) 乃南アサ

2004年に単行本、2008年に文庫化されています。また2017年には「相棒」シリーズで有名になった東伸児監督、出演者は林遣都、これが最後の作品となった市原悦子などで、この著作を原作とした映画が製作されています。

著者の小説では過去に「暗鬼」、「火のみち」、「風紋」を読んでいます。そう言えば1996年の直木賞に輝いた代表作とも言える「凍える牙」はまだ読んでいません。そのうちにね。

主人公は、コンビニ強盗や、女性や高齢者からひったくりを繰り返し、ヒッチハイクをしながら放浪しているどうしようもない若い男性。

ヒッチハイクでトラックに乗せてもらったところ、途中喧嘩をしてしまい、ドライバーをナイフで脅したものの途中で寝入ってしまったため、山の中の真っ暗な道に放り出されてしまいます。

仕方なく誰も通らない山道をとぼとぼ歩いていると、バイクで転けて動けなくなった老婆と出くわし、老婆を家まで送り届けます。

老婆の家からお金を盗んですぐに逃げだそうと思っていたものの、暖かな食事やどこの誰というような詮索もなく、居心地がよくてしばらく老婆の家に滞在することになります。

そうした底辺で犯罪を繰り返しながら生きるしか術がなかった若者の再生物語ってところでしょうか。

現実の社会でも、危険なあおり運転を繰り返し、その結果、相手が事故で亡くなっても「注意されてカッとなった」「我慢が限界を超えた」とか平気で言い、自分を正当化する身勝手な人も多い世の中ですから、犯罪を犯罪とは思わず、それに深く染まった人が、厳しく断罪されない限り、そう軽々しく自ら更生できるとも思えませんが、小説だけにそういう理想を求めています。

★★☆

著者別読書感想(乃南アサ)

【関連リンク】
 12月後半の読書 豆の上で眠る、八月十五日に吹く風、定年後のリアル、あのひとは蜘蛛を潰せない、抱擁家族
 12月前半の読書 ベルカ、吠えないのか?、地下街の雨、イノセント・デイズ、明智左馬助の恋、人生はすべて「逆」を行け
 11月後半の読書 ハリー・クバート事件、とにかくうちに帰ります、代償、介護ビジネスの罠、黒冷水

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1295
毎年恒例の1年間で読んだ本の中からベスト作を発表です。新作の単行本とかは諸般の事情から買えないので、読むのは主として旧作文庫本や新書です。

そういうところが世間一般にある本の賞と大きく違う点です。古くても良いものは良いという信念でやってます。

この年間大賞のシリーズは2012年からおこなっていて、今回で7回目となります。10回ぐらい続いたら(生きていたら)、その10年間の中でさらに大賞の中の大賞(死ぬまでにこれだけは読んどけ!大賞)をやってみたいですね。

過去の受賞作とリンク先を書いておきます。

◆1191 リス天管理人が2017年に読んだベスト書籍
 新書、エッセイ、ノンフィクション、ビジネス部門 「里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く」藻谷浩介 NHK広島取材班
 海外小説部門 「過去からの弔鐘」ローレンス・ブロック
 国内小説部門 「漂流者たち 私立探偵・神山健介」柴田哲孝
 次点には「夜の国のクーパー」伊坂 幸太郎と「旅のラゴス」筒井康隆

◆1093 リス天管理人が選ぶ2016年に読んだベスト書籍
 新書、ビジネス書、エッセイ部門 「20歳からの社会科」明治大学世代間政策研究所
 外国小説部門 「ザ・ロード」コーマック・マッカーシー
 国内小説部門 「八甲田山死の彷徨」新田次郎
 次点 「小説 上杉鷹山(上)(下)」童門冬二

◆993 リス天管理人が選ぶ2015年に読んだベスト書籍
 新書、ビジネス、エッセイ部門 「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」浅川芳裕
 外国小説部門「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン
 国内小説の2015年ベスト「屍者の帝国」伊藤計劃×円城塔
 次点「恍惚の人」有吉佐和子

◆886 リス天管理人が選ぶ2014年に読んだベスト書籍
 ビジネス書、エッセイ、ノンフィクション部門「冷血」カーポティ
 海外小説部門「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド ベニオフ
 日本小説部門「東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー
 次点「親鸞(上)(下)」五木寛之、「二人静」盛田隆二

◆784 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍
 新書・ビジネス書大賞「該当なし」
 ノンフィクション・エッセイ部門「三陸海岸大津波」吉村昭
 外国人作家部門「緋色の研究」アーサー・コナン・ドイル
 日本小説部門「東京セブンローズ(上)(下)」井上ひさし
 次点「写楽 閉じた国の幻」島田荘司

◆676 2012年に読んだ本のベストを発表
 新書部門第1位「大往生したけりゃ医療とかかわるな」中村仁一
 外国作品賞「パイレーツ掠奪海域」マイケル・クライトン、「歩く影」ロバート・B・パーカー
 読書大賞「あかね空」山本一力
 次点「神様のカルテ」夏川草介
 審査員(=私)特別賞「血と骨」梁石日

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

昨年2018年の1年間に読んだ書籍は、全部で99作品110冊(1作品で上下巻の場合2冊とカウント)で、ジャンル別内訳は、国内小説が64作品(71冊)、海外小説が9作品(13冊)、新書やノンフィクション等が26作品(26冊)でした。それらの中にビジネス書がほとんどないのは、いかにもやる気がない高齢者然とご理解ください。

1年間に読んだ書籍数を年ごとに並べると、
2013年 86作品 98冊 8.2冊/月
2014年 101作品 113冊 9.4冊/月
2015年 94作品 107冊 8.9冊/月
2016年 91作品 109冊 9.1冊/月
2017年 104作品 117冊 9.8冊/月
2018年 99作品 110冊 9.2冊/月

仕事をしながらでは、月9冊平均ってのはここ数年変わらないって感じです。

仕事をリタイアすると、暇になって読書数が増える?と思いがちですが、歳とともに目がつらくて読書量が減ったり、いつでも読めると思ってしまってあまり読まなかったりして、逆に減ることが予想されます。

普段は通勤中の電車の中と、寝る前にベッドの中で読みますが、そのうち通勤中に読むことがなくなるのでその分は減ってしまいそうです。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

さて、いよいよ2018年の各部門別、年間大賞の発表です。

■新書、エッセイ、ノンフィクション、ビジネス部門

まずこの部門は26作品読みましたが、その中から大賞候補としては、

日本人の誇り 藤原正彦
この国の冷たさの正体 一億総「自己責任」時代を生き抜く 和田秀樹
フェルマーの最終定理 サイモン・シン
老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 野澤千絵
「子供を殺してください」という親たち 押川剛
私たちの国に起きたこと 海老名香葉子
深夜特急〈第一便〉黄金宮殿 沢木耕太郎
ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒトそして心の片づけ術 やましたひでこ
定年後のリアル 勢古浩爾

などがあります。

この中から、大賞は、、、、

定年後のリアル」勢古浩爾著

に決定です!

読書感想は、
12月後半の読書と感想、書評

昭和時代の働き方から一歩も抜け出せていない偉い学者先生や、元々裕福だったり、大企業出身者が書いた退職金たっぷりもらうことを前提に書かれた定年リタイア本とは違い、冷静な等身大(と自分では思える)の定年後のリアルな世界が描かれていて好感が持てました。

また読書感想にも同様のことを書きましたが、退職金がほとんどなくても、年金だけが頼りで預貯金も乏しくても、決して暗澹とした内容ではなく、「なんとかなる」、「それがどうした」と開き直った定年後の姿に救われ共感を感じます。

昨年はこのジャンルに面白く読めた本が多数あり、当たり年でした。中でも大賞以外に「フェルマーの最終定理」「「子供を殺してください」という親たち」「深夜特急〈第一便〉黄金宮殿」などは好奇心が刺激されましたので、同時にお勧めしておきます。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

■海外小説部門
次に海外小説部門ですが、2017年は9作品(13冊)とやや少なめです。理由は、好きでよく読んでいたロバート・B・パーカーや、ローレンス・ブロック、マイクル・コナリー、ジェフリー・アーチャーなどの未読作品が枯渇してしまったことが影響している気がします。

さて、その中から大賞候補作としては、

夜明けの光の中に ローレンス・ブロック
内なる宇宙(上)(下) ジェイムズ・P・ホーガン
時計じかけのオレンジ アンソニー・バージェス
シャンタラム(上)(中)(下) グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ
幻の女 ウイリアム・アイリッシュ
ハリー・クバート事件(上)(下) ジョエル・ディケール
などです。

その中から、年間大賞に選んだのは、、、

シャンタラム(上)(中)(下)」グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ

に決定です。

感想は、
7月前半の読書と感想、書評

この長編小説はほぼアマチュアの人が書いたもので、話しを面白くするため無理矢理に作った乱暴なところや、無駄な話しが多くて冗長過ぎる部分ももあり、そして欧米人(著者はオーストラリア人ですが)視点で、貧困にあえいでいるアジアを見下したような一種ステレオタイプ的な偏見も垣間見えます。

また自分の経験を元にしつつ、相当に話しを盛っているな?と感じる小説ですが、それだけに波瀾万丈、退屈せず、エンタメ的な要素にあふれ、文庫は3巻に渡る長い小説ですが、気にならずに面白く読めてしまいます。

最後まで「ハリー・クバート事件」ジョエル・ディケール著とどちらにするか悩みました。

小説のテクニックや整然とまとまったミステリーとしては「ハリー・クバート事件」の圧勝ですが、スケールの大きさと、読者を喜ばす破天荒なエンタメ性、最近少なくなった素人っぽい荒々しさが気に入り「シャンタラム」に軍配を上げました。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

■国内小説部門
読んだ数がもっとも多いジャンルで、64作品(71冊)の国内小説部門の年間大賞候補作としては、

楽園のカンヴァス 原田マハ
失われたミカドの秘紋 加治 将一
紀ノ川 有吉佐和子
恋歌 朝井まかて
土漠の花 月村了衛
限界集落株式会社 黒野伸一
ラブレス 桜木紫乃
人類資金VII 福井晴敏
噂 荻原浩
天空の蜂 東野圭吾
村上海賊の娘 和田 竜
夏美のホタル 森沢明夫
満願 米澤穂信
ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾
花まんま 朱川湊人
開かせていただき光栄です 皆川博子
明智左馬助の恋(上)(下) 加藤廣
八月十五日に吹く風 松岡圭祐
などです。

さて、国内小説63作品の中から大賞に選ばれたのは、、、、、、、、、、
ドコドコドコドコドコドコ(太鼓の音)

紀ノ川」有吉佐和子著に決定!!

古いぞ~という批判(初出1959年)は甘んじて受けるとして、良いものは何年経ても良い。長く読み続けられそうなお見事な作品です。

有吉佐和子氏の受賞は2015年に国内小説部門の次点として「恍惚の人」が入って以来で、初の大賞受賞となります。

特に谷崎潤一郎や三島由紀夫など、耽美的な文学には滅法弱い(評価が高い)という習性がある審査員ですので、そうした雰囲気があるこの小説にはグッときてしまいました。この小説が特に耽美的というわけではありませんけど、、、

読書の感想は、
2月後半の読書と感想、書評

大正から昭和の初めの和歌山の素封家、そこで生まれ育った女性が主人公で、女3代に渡る大河小説的な話しです。

読んでいると、都会とはまた違う、その時代の和歌山紀ノ川周辺の風景が見事によみがえり、恋愛や結婚に自分の自由がなかった当時の女性の生き方や、ささやかな抵抗、そして脈々と引き継がれていく遺伝子など、小説これに極まれりって気がします。

それにしてもこの本に出てくる男がみな貧弱でぼろくそなのはご愛敬。そう言えば、同じ著者の作品「悪女について」も同様に男は添え物でしたね。

 -  -  -  -  -  -  -

次点としては、中世のイギリスを舞台にし、まるで海外ミステリー翻訳本のような「開かせていただき光栄です」皆川博子著と、キスカ島撤退の歴史的事実を元にして、登場人物の多くを実名で書いたノンフィクションに近い小説「八月十五日に吹く風」松岡圭祐著の2作品とさせていただきます。

開かせていただき光栄です」の感想は、
10月後半の読書と感想、書評

八月十五日に吹く風」の感想は、
12月後半の読書と感想、書評

受賞された作家、著者さんに深く敬意を表します。今後のますますのご活躍を願っております。良い本を出していただきありがとうございました。

今年はどんな良い作品に巡り会えるでしょうか。楽しみです。


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1294
長年連れ添った夫婦の顔を並べると、なぜかそっくりに見えることがあります。これは日本人だけでなく、外国の夫婦でも似たような現象?が起きていますからとても不思議に思っていました。

親子の顔が似るのは、これは遺伝子上のことで、当たり前ですが、夫婦は基本あかの他人ですから、本来なら最初から似ているということはあまりありません。

一般的には、生物学上、自然と同類の似たものを配偶者に選ぶとか、毎日顔をつきあわせているとその表情がお互いに似てくるとか、ま、普通一般に考えられることで終わってしまいます。

ところが先日、下記の番組をみて、その後なんどか頭の中で自分なりにグルグルと咀嚼をしていくと、「あ、そうなのか!」と(仮想の)頭の上にある電球がパッと灯ったような感じになりました。腑に落ちたというか。

最後の講義「生物学者 福岡伸一」(NHK)

2018年8月と、再放送が12月にされていますね。

re-chan124さんが、講義(概要)を書き起こしされたもの

この講義は、私は番組を途中から、しかもながらで見ていたので、しっかりとは把握できなかったのですが、その時に私が注目した点は下記の通り

・生命は機械ではない(ルドルフ・シェーンハイマーの言葉)
・動物は食べ続けないと生命を維持できない
・その食料は、クルマで言う燃料ではなく、ボディやタイヤなどクルマそのものを作る
・身体を作る37兆個の細胞は毎日何千億個も死んだり生まれたりして次々と入れ替わっている
・1年前の自分と今の自分はまったく別人。実は完全に入れ替わっている
・身体は個体ではなく流体、生命は流体
・うんこ(排泄物)の主成分は食物のカスではなく、古くて交換された老細胞
・したがって身体の組織を新たに作る食べ物の質はとても重要

汚い話しですが、私は以前から便秘症で、毎日3食食べているのに、1週間ぐらい大便が出なかった時もあるぐらい、排泄には苦労していました。

タレントの松本明子さんが、「1ヶ月ご無沙汰の時がある」という話しをされていて、さすがにそこまではありませんが、そういう人もいるのですね。

最近は、マグミット錠(旧マグラックス)など便を軟らかくする薬なども簡単に手に入るようなり、数日間の便秘の後の堅い木の棒のように固まったカチカチの便を排出する、地獄のような苦しみはなくなりました。

その便は、ずっと食べ物の未消化分とカスがほとんどだと信じ切っていましたが、この講義で、うんこは入れ替わった古い細胞という話しで、えぇ!?と驚いた次第です。

そう言われるとなんだか、食べたもののカスで汚いものから、長らく活躍してくれた細胞さんお疲れ様でしたって感謝したくなります(しないか)。

で、そうして身体の細胞は「1年以内にすべて入れ替わっている」「身体の細胞を作る食べ物の質は重要」という話しを聞いて、ひらめいたのでした。

もしかすると、長年連れ添った夫婦の顔や表情が似るのは、生物学上や行動学上だけでなく、毎日同じものを食べ、飲み、同じ場所で空気を吸うことで、そこで新しく作られる細胞が集まって形作る外形も自然と似通ってくるのではないか?と気がついたわけです。

若い頃には顔が全然似ていない夫婦でも、毎日同じ食事、同じ飲み物を何十年と続けていると、元々の遺伝子の違いはあるものの、やっぱり新たに作られる組織の同化性はあるのではないでしょうか。

結婚してからずっと単身赴任で一緒に同じ食事をしたことがないという夫婦と、毎日自宅で朝晩一緒に食事を取っている夫婦とで、その違いが出るかどうか、そのうち物好きな学者が調べてくれるかもですね。

ただ顔が似ているというのは、主観的なもので、数値に表しにくく、学術的な研究には不向きかも知れません。

と、まぁ、そんなわけで、身体を作っているのは、食事からなので、栄養が偏ってたり、化学合成された天然には存在しない不自然なものばかりを食べ続けると、それなりの身体や皮膚、筋肉、頭脳、内臓にしかならないし、逆に季節に逆らわず、自然のままで食べることがいかに重要かということが、今さらながらよくわかりました。


【関連リンク】
1255 独身を通すという生き方
873 父親の遺伝子
769 相続税の税率を上げると言うこと
724 離婚の多さと結婚という形式

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お詫びと訂正と放送禁止用語 2019/1/5(土)

1293
テレビを見ていると、訂正とお詫びが入ることがよくありますが、どうも最近(でもなくここ10年ぐらい)、ちょっとしたことでもいちいちクレームの電話をする人がいるようで、そのあまりの頻繁さに辟易(へきえき)しています。不寛容な社会ということです。

そりゃ、重要情報の誤報や、重要人物の氏名、問題を起こした会社名を間違えたとか、データの数字が一桁違っていたとかなら、訂正しなければ後で大事になりかねませんが、ちょっとした言い間違いや、役職名の違い、フリップの誤字、10年以上前の事件で、数年の間違いなど、取るに足らないように思えることでも、いちいち訂正とお詫びをしています。

ただ最近では、そうした訂正とお詫びが入る生放送は、プロの司会者やキャスターが喋るニュースや一部の情報番組ぐらいなので、目立つのは読み上げた原稿の間違いや字幕、フリップの記載ミスぐらいで、素人や素人に毛の生えたような芸人が多く出演するバラエティ番組などのように放送禁止語が飛び交う事故は、事前に編集カットされていてまず起きません。

それでもたまに、素人っぽい芸人やコメンテーターが、生放送中につい我を忘れて使ってしまう放送禁止用語というのがあります。

この放送禁止用語というのは、別に法律で定められているわけではなく、各放送局やその所属する団体が決めた自主規制の用語であり、その線引きは厳密に決められているものではありません。時代とともに変わっていくものもあるでしょう。

例えば、「放送注意用語」というのがあり、使ってもいいけど、配慮が必要な言葉というものがあったり、それよりもっと厳しく制限される「放送自粛用語」や「差別用語」というのがあったりして、その数も細かく分けると数百に上ります。ややこしい限りです。

自ら言葉狩りとも言える網をかけているにも関わらず、それでも視聴者からは「その言葉(言い回し)はけしからん!」「差別された!」というようなクレームが付くこともあります。言葉なんて聞く側によってそのニュアンスが変わってきたりするものです。

暇な高齢者の中には、元言語学者や元国語教師、元アナウンサー、作家、人文学者、辞書編集者、自称評論家などもいるでしょうし、それぞれ住む地域によって禁句の言葉もあったりして、自分が気になった言葉にすぐクレームを入れて、番組中で訂正、謝罪されるのを見て、自己満足に浸っている人がいそうな気がします。

すでに社会との関わりがすっかり薄くなってしまった中で、番組にクレームをつけることで、本人にしてみれば、自分が正しいことを教え、それを相手が認め、世の中のためになることをやっているというスタンスですから、悪気はなく、また一度うまくいったら調子に乗ってクレームを繰り返すことが使命みたいになったりするから、放送局側の苦労もたいへんです。

おそらくですが、どの放送局も、従来はいわゆる団塊世代のそうした言葉遣いに厳しくうるさかったベテランの人達が原稿を書いたりチェックをしていましたが、それらの年代が一斉に退職してしまい、あとを引き継ぎ、まだそのベテランの域には達していない若い社員がアナウンサーやキャスターが読み上げる原稿を作成したりチェックしているものと思われます。

製造業で、古参の熟練技術が若い社員や職人へうまく伝わらず、製品の質が落ちたというような話しもありましたが、放送業界、メディア業界でもそうした言葉や文章の質が落ちてきているのが、訂正が多い理由でもありそうです。

私はテレビは、主にニュース、ドキュメンタリー、スポーツ、映画を見ていますが、その中で、昭和30年代頃の古い映画では当時普通に使われていた現在の放送禁止用語がよく出てきます。

例えば「乞食」や「部落」「めくら」「女中」「気違い」「凶人」「連れ子」「出戻り」「浮浪児」「妾」「未亡人」「ドヤ街」「土方」「ジプシー」「孤児院」「下男」「ぎっちょ」「按摩」など、中には「え?なぜこれを使っちゃダメなの?」って思うような言葉もありますが、一応、これらはすべて放送禁止語です。

そうした現在の放送禁止用語が満載の映画やドラマがテレビで放送されるときには、映画の最初と最後に、「本作品には不適切な表現が含まれますが,作品のオリジナリティを尊重し、そのまま放送します」とか「本作品は制作当時の時代背景を尊重し、放送当時のまま放映します」などおことわりを入れることで、一応免罪符としています。

個人的には、古い映画を作者の了解なく勝手に改ざんするよりかは、オリジナルのまま放送すべきであると思いますし、それをいちいち断らなくても良いと思っています。ひどい場合はその発言部分がカットされている場合もありますから、見ていても違和感を感じます。

ましてや、現在作られる映画やドラマでは、時代劇や明治時代を描いた作品であっても、当時普通に使われていた言葉(不適切語や放送禁止用語)が使えず、逆に脚本家も開き直って?しまい、すっかり現代用語に変えていたりして脱力感が半端ないのです。

放送禁止用語以外でも、以前は、山口百恵の曲の歌詞の中に商品名が入っていると言うだけで、紅白ではその部分の歌詞を変えさせたりしたNHKですが、最近は少し緩くなってきているようです。

同じく職業的差別用語とされる「土方」という放送禁止用語が入っている美輪明宏の名曲「ヨイトマケの唄」も長らくNHKでは禁止されていました(2012年に解禁されました)。

それでも考えが昔から進歩していない高齢視聴者からすると、NHKが商品名や会社名を出したり映したりするのはけしからん!と言ったクレームは今でも多いでしょう。そんなこと言い出したらスポーツ中継なんか広告看板ばかりで、中継ができなくなります。

民放だから商品名や商品の映像が許されるかというと、これがNHK以上に厳しくて、それは番組スポンサーに気を遣って、スポンサーの商品以外の、ライバル社の商品や社名が映り込むことに極端にナーバスになり画面からいちいち排除しています。

旅番組や街歩きの番組で、自動販売機や飲料、広告看板、テーブルの上の調味料に至るまで、その番組のスポンサー以外の商品にはすべてモザイクがかけられていて、そこまでするかと違和感ありありです。

政治家のポスターはもちろん、個人情報の関係から歩いている人の顔も、表札も、クルマのナンバーも、エリアが特定できそうな個人住宅や所番地が書かれている電柱など、映像の大部分にモザイクがかけられるので、見ていて鬱陶しくてたまりません。

差別用語を中心とする放送禁止用語と、個人情報関連、そしてスポンサーに気を遣っての忖度とではそれぞれ意味合いが違いますが、一般視聴者にとっては、オリジナリティが失われ、映像の不自然さ際立つことは、まるで戦争中の検閲や、役所が仕方なしに出してくるのり弁のような情報公開資料と同様、とても残念に思います。

【関連リンク】
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1094 元号の話し
942 世知辛い世の中
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1292
あけましておめでとうございます。
本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


昨年は、おかげさまで比較的穏やかな1年を送ることができました。
今年も1年健康で過ごし、さらに皆様のご健勝も願っています。

 12月後半の読書と感想、書評
 *豆の上で眠る 湊かなえ
 *八月十五日に吹く風 松岡圭祐
 *定年後のリアル 勢古浩爾
 *あのひとは蜘蛛を潰せない 彩瀬 まる
 *抱擁家族 小島信夫

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豆の上で眠る (新潮文庫) 湊かなえ

2008年に大ヒットしてその後映画が製作された「告白」で華々しくデビューした後、順調に売れっ子作家となっている著者の14作目の小説で、2014年単行本、2017年に文庫版が発刊されています。

最後に大きなどんでん返しを配した驚愕ミステリーを書く作家としてのイメージが定着してきましたが、これもその期待に違わない作品に仕上がっています。

タイトルは「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というアンデルセン童話から来ていて、主人公姉妹が子供の頃に好きだったこの童話と、その話の中身にわずかながら触れた小説となっています。

主人公女性がまだ小学校1年生だった頃に、2つ上の姉と近所の神社へ一緒に遊びに行ったあと、先に帰ったはずなのに、家に戻ってなく、行方不明となってしまいます。

行方不明はその後2年間続きますが、2年後に、その行方不明になった神社で、痩せ衰え、人相も変わった姿で発見されます。

発見された姉は、この2年間のことはまったく記憶になく、どこで何をしていたか、誘拐したのは誰かなど不明です。

さて、この発見された姉は、本当に姉なのでしょうか?

というのが大きなミステリーとなっていて、最後の最後まで、読者にモヤモヤをため込ませ、最後に一気にその謎が明かされるというミステリーの王道のようなストーリーです。

あとで読み返すと、最初のほうにその大きなヒントがちゃんとありました。

ま、常識では、あり得そうもないことですが、ミステリー小説としてはよくできていると思います。

ただ、短編でも書けそうなぐらいの内容だけに、なにか余計な話しをいっぱいくっつけて引っ張りすぎって気もします。

★★☆

著者別読書感想(湊かなえ)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

八月十五日に吹く風 (講談社文庫) 松岡圭祐

先に文庫本を2017年に発刊後、数ヶ月語に単行本を発刊するという非常に珍しいパターンの戦記物小説です。小説とは言っても多くを実名で書かれているらしいノンフィクションに近い小説となっています。

著者は千里眼シリーズなどで有名で、数多くの映画やドラマの原作ともなっている小説があります。そうした現代を舞台とした作品の他に、近代歴史時代小説作品も少ないながらあり、この著作もそれに該当します。

八月十五日と聞くと「終戦記念日」とすぐに出てくる人は徐々に減ってきている(若い子に「日本は昔アメリカと戦争した」と言うと、「えぇ~うそ~信じられな~い」と言われるそうです。今はC'mon, baby アメリカ♪ですからね)と思われますが、日本の体制や価値観が、それまでから180度転換した明治維新と並ぶ大きな変革の日です。

この作品では、その終戦記念日の8月15日に特別な意味を持たせてはいません。

物語は、1943年(昭和18年)5月27日から7月29日にかけておこなわれた「キスカ島撤退作戦」の話しが主です。

それまで日本軍の作戦は、負けが込んでくると、撤退ではなく、玉砕という見殺しをするのが普通ととらえられてきた中で、誰しもが不可能と思えた米軍に包囲されているアリューシャン諸島のキスカ島(鳴神島)に残された日本の守備隊5500名全員を、米軍の裏をかいて無事に救出するという快挙があります。

こうした行動が、「日本人は死ぬことに対し恐れはなく、例え日本本土を占領しても次々と刃向かってくる野蛮人で、仲間さえを平気で見殺しにする」というイメージから、「苦難を承知で仲間を救出する高度な文明人」へと見方が変わり、その後の占領政策に影響したと言われています。

主人公はその撤退作戦を成功させた木村昌福少将と、大学で気象観測を研究し、霧の大量発生を予想した気象予報士官です。

燃料不足の折、一度は霧の発生が十分でないことで、突入をあきらめ一旦帰還したことで、大本営からは非難をうけるも、意に介せず、次のチャンスを待ち、さらに米軍の裏をかいて遠回りの逆方向から島に近づき、まったく察知されることなく、作戦を成功させます。

そして、撤退が無事に完了した後の8月15日に、アメリカ・カナダ連合軍3万5千の大軍がキスカ島へ一斉攻撃をしかけて、上陸作戦を決行します。

そこはもぬけの殻で、後に「史上最大の最も実戦的な上陸演習であった」と言われることになります。

こうした歴史ドラマをフィクションに仕立ててあるものの、苦難な時においても、ただ長きに巻かれるではなく、人生の岐路に立ったときになにが大事かということに気がつかされそうです。

★★★

著者別読書感想(松岡圭祐)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

文庫 定年後のリアル (草思社文庫) 勢古浩爾

多くの新書を中心とする著書を書いている著者の2010年単行本、2013年に文庫版が発刊されている新書的な文庫本です。

その後、この本の売れ行きがよかったのか、二匹目のドジョウ的に「定年後7年目のリアル」(2014年)、「さらなる定年後のリアル」(2015年)と次々定年本が出ています。自分のことを、そのまま書くわけですから割と楽にかけそうですね。

著者は、大学を卒業後、就職に失敗し、大学院へ進み、さらに大学院卒業時の就職も上手くいかずに零細出版社に勤務、その後その会社で30数年勤め上げ、60歳の定年直前に退職をして、文筆業や出版プロデュースをおこなってきた方です。

そうした経歴で語る「定年後」は、近々定年となる私にとって、定年を迎える状況が割と似通っていて参考になることが多いです。なにかとても親近感がわきます。

世に出ている多くの定年本、リタイヤ本とはひと味もふた味も違った内容で、やや本人の恨み辛みや個人的な思い込みが強く出ているものの、言わんとしていることはわかります。多分に独りよがりであることは自らも認めているわけですが。

それにしても「それがどうした」「勝手にどうぞ」と言った、皮肉っぽく構えた突き放した感じが共感できるところです。

有川浩、村上春樹、上野千鶴子などの人気作家達の定年や定年後の趣味・生活を表した著書や発言をけちょんけちょんにけなしているところも、揚げ足取り的な気もしますが、ユニークで素敵です。これらは一読の価値ありですぞ。

定年後の朝起きて、「さて今日はなにをしようか・・・」という気持ちは多くの定年退職者に共通するところですが、それをダメな人ではなく、当然として受け入れます。そして人が少ない公園へ出掛けるのを日課として傍目からは「寂しそうな引退した高齢者」を装い、誰からも声をかけられるではなく、自分の世界に入ります。

また一般的に言われている「高齢者は裕福」というイメージをぶち壊し、文筆業から得られるお金についてもごくわずかしかなく、雇用延長で給料が半分になっても働いている方がまだマシなぐらいという話しにこの人なら信用しても良いんじゃないかなと妙に親近感を感じてしまいます。

私も来年には今の仕事を引退する予定で、年金が支給されるまで2年近くあり、それまでの間どうしようかなぁ~って不安に思ってましたが、この本を読んで、別にしっかりと引退後の計画なんか作らなくても出たとこ勝負でも良いんじゃないかなという気持ちが強まってきました(笑)

今後、もし機会があれば(書くネタがなくなって困ったら)、この著作に絞って、我が身と照らし合わせ、もう少し紹介を書いてみたいと思ってます。

★★★

著者別読書感想(勢古浩爾)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫) 彩瀬 まる

著者は1986年まれと言うことですから32歳という若手作家さんで、2010年に書いた小説が小説新潮に掲載(単行本は未収録)されて小説家としてデビュー。その後、この奇妙なタイトルの本作品が2013年に単行本デビュー、2015年に文庫化されています。

この作品の主人公は、アラサーで実家の母親と暮らしながら、近所のドラッグストアの店長として働く女性です。どこにでもいるような、いないようなよくわかりませんが。

その勤務するドラッグストアはチェーン店で、正社員の他、多くのアルバイトを抱え、24時間営業をしているという設定です。

仕事上の人間関係や、週に一度バファリンを買っていく薬物過剰摂取の女性客、突然来なくなったアルバイトの中年男性の妻からのお詫びなど、日々が淡々と過ぎていく中で、新しく入ってきた爽やかな学生バイト君に興味を持たれ、いつしか恋愛関係に入っていきます。

このあたり、よくわからないけど、アラサー女子の願望みたいなものが入っているのでしょうか?

で、実家から出てひとり住まいを始め、彼ともズブズブの関係となっていく様を見て、なんだか悲しい結末を想像してましたが、あに図らんや、そうはなりませんでした(詳しくは買って読んでね)。

タイトルは、突然失踪してしまった中年のバイトが、仕事中レジの近くに出没した蜘蛛を触れず、オタオタする様をみて、代わりに主人公の女性が排除したことがあり、その触れない理由が「蜘蛛をつかむと潰してしまいそうで」という言い訳したことから来ていますが、それがこの小説の根幹とどうつながっているのかはよくわかりません。

ただこのタイトルにしたことで、注目度はグッと上がることは確かなので、誰が付けたのかは知りませんが、巧いやり方です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

抱擁家族 (講談社文芸文庫) 小島信夫

1965年初出の小説で、その年に谷崎潤一郎賞を受賞し、その後文庫化されています。著者の作品では、1955年に「アメリカン・スクール」で芥川賞を受賞されています。

数多くの著書や海外小説の翻訳などがありますが、なぜか今まで読んだことがありませんでした。どこか難解そうっていう先入観があったのかも知れません。

内容は、思っていたものとはだいぶんと違っていて、終戦後の裕福な一家に起きる様々な騒動と、そこの主人(主人公)の右往左往がコミカルでもあり、シニカルでもあるというなんとも言えない家庭痴話小説です。

主人公は翻訳を生業としながらも大学教授というエリートで、専業主婦で派手好きな妻のために家を新築するようなお金持ちです。

その妻は自宅に下宿させていたアメリカ人米兵と浮気をしますが、なんとももどかしくそれをとがめられません。1965年当時、高度成長期に向かう中で抑圧されてきた主婦にとって、この小説の裕福な旦那と奔放な妻は拍手喝采、鬱憤を晴らせたという感じだったのでしょうか。

その妻も最後には癌にかかり、亡くなってしまうことになりますが、その妻にぞっこんだった夫は哀れでありながらも、自業自得という人のからかいを受けてしまう、こうした富裕層に対してひがみを持つ多くの人達にとって支持されたのかなと思われます。

いや、でも、結構、鬱々として退屈な内容でした。さすが谷崎潤一郎賞だけのことはあります。

★☆☆

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