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乗用車の平均車齢」とは、自動車が初度登録されてからの経過年の平均であり「日本人の平均年齢」に相当します。

つまり道路で見かける乗用車は新車もあればレトロなクルマもありますが、その平均値をとった数値で、それでなにが分かるかと言えば、長期的に見るとクルマの耐久性能や買い換えのタイミングがどういう傾向にあるのかというのがザックリとですが見て取れます。

その乗用車の平均車齢が2011年度3月末時点で、20年連続上昇し、7.95年となったことがわかりました。

日本人の平均年齢も医療技術の発達などにより戦後ずっと平均寿命が上昇し平均年齢も上がってきましたが、クルマも技術が進むことで寿命が延び、結果平均車齢も伸びてきたということでしょう。

乗用車の平均車齢推移グラフ
Picture10015.jpg

せっかくですから「乗用車の平均車齢」と「日本人の平均年齢」の推移を並べて比べてみましょう。

乗用車の平均車齢と日本人平均年齢推移グラフ
Picture10018.jpg

どちらも右肩上がりで順調に平均車齢も平均年齢も伸ばしています。つまり日本の社会には、古いクルマと古い人達であふれかえっているということですね。

成熟した社会の中では双方の年齢が伸びることは悪いことではありませんが、経済面から見ると新しいモノが売れないということにつながり、困ったことになっているんですね。

さらに人間で言う0歳児の「平均寿命」に相当する「乗用車の平均使用年数」という数値があります。

これは1年間に登録を抹消された車両の平均使用年数ですが、一度抹消し廃車になっても、人間と違いクルマの場合は再度中古車として登録される可能性がありますから、必ずしも同列で見ることはできません。

乗用車の平均使用年数推移グラフ
Picture10013.jpg

2011年度1年間に抹消された乗用車の平均使用年数は12.16年で、こちらは前年度より0.27年短期化しました。

東日本大震災や台風等の被害によるクルマの全損=廃車が多かったからなのかな?と考えましたが、2010年度と2年連続で短期化しているとのことで、そればかりではなさそうです。

考えられる要因としては、2009年4月から2010年9月末までおこなわれた1回目のエコカー補助金により、比較的古いクルマに乗っていたユーザーの買い換えが2009年~2010年にかけて進んだこと、さらに第2回目のエコカー補助金が2012年1月(2011年度内)より復活したことで同様の買い換え効果があったこと、さらに2011年東日本大震災の影響や2011年10月頃からのタイの洪水被害の影響で、部品の調達が間に合わず、クルマの生産・販売台数が落ち込み、したがって、古いクルマの買い換えが進まなかったことが考えられます。

こちらも「乗用車の平均使用年数」と「平均寿命」を並べてみましょう。

乗用車の平均使用年数と日本人平均寿命推移グラフ
Picture10002.jpg

こちらも双方とも中長期的には右肩上がりで伸びてきていますが、平均寿命のほうは東日本大震災をはじめとする天災の増加や、その後の放射能の影響などもありおそらく数年後には伸びは完全に止まり、逆に下降していくのではと考えられます。

しかし乗用車のほうは、ここ2年間の減少はありますが、来年以降はまた伸びていく傾向にあるでしょう。もちろん再び乗用車の買い換えを促進する優遇制度やキャンペーンなどがおこなわれると多少はその影響をうけることになるでしょう。

あの優遇制度が結局は売れなくなってきた国産乗用車を買い換えさせて、メーカーを一時的に救おうということがよくわかります。

もし長期的なビジョンで考えるならば買い換え支援ではなく、運転免許を取得する人に半額補助するとかなど方法はありますが、それでは近視眼的には自動車教習所以外に恩恵はありませんからやらないのでしょう。

しかし思えば、1970年頃までのクルマと言えば、製造後7~8年も経過すると、ボディには錆が浮き、ところどころに穴が空いていたりとボロボロで、しかも流行のスタイルが4~5年で大きく変わっていくので、2世代前のクルマというのが露骨にわかり、古い中古車の需要も限られていたものです。

現在のクルマと大きく違うのが、塗装技術の差で、最近では10年ぐらいでボディのあちこちから錆が浮き出るということはありませんし、新車の輝きはないものの、色や艶も昔と比べるとずっといい状態が保てています。

さらに、流行によるボディ形状の変化も40~50年前と比べると今はそれほど大きな変化はなく、燃費をよくするために空気抵抗が少なく、居住スペースをできる限り広く取り、使い勝手が良さそうなスタイルで、奇をてらったようなものはなくなりました。

したがって今のクルマは、詳しい人でないと、5年前のクルマか10年前のクルマかなんて簡単にはわかりません。それが今は買い換えなくても済み、長く乗れる大きな要因でしょう。

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先に書いておくと元ネタはこちらです。
“プチ高所得者”の没落 見栄とプライドが招く「貧乏スパイラル」(SankeiBiz)

まさに80年代後半から90年代前半にかけてのバブル前や、バブルまっただ中に入社して、その後の人生をまぁ順調に歩んできた人達は、いまは40代後半から50代になっています。

そういう私も1980年に社会人となり、1991年の絶頂期まで毎年給料や賞与が予想以上に上がっていくという時代を経験しました。

しかしその頃を会社の役員や重要ポジションとして過ごした人達は、まだ入社数年の若者よりも何倍もの恩恵を受けているはずです。そりゃそうでしょう。

若者の20万円の給料が定期昇給で1割上がって22万円になると2万円の昇給は「もの凄く上がった!」わけですが、同時期に部長クラスは同じ1割上でも60万円が66万円と6万円も上がるわけで、さらにその給料額が賞与の際にも影響しますから、結局何倍もの恩恵があります。

そしてそういう人達の多くは、すでに多額の退職金を手にしてさっさと引退をしています。いわゆる逃げ切った世代ですね。

さて「プチ高所得者」と言われる人達ですが、90年代前半の頃なら特に珍しくはなかった、年収が800万円とか1千万円あった世帯を言います。世帯収入なので夫婦合計の収入と考えていいでしょう。私のところもその中に収まります。

その「プチ高所得者」について書かれていたことが、あまりにも身につまされてしまったので、自分の反省も込め引用して言い訳をしてみます。

年収800万~1500万円の世帯はアッパー・ミドル(上位中所得者層)のポジションにすぎない。世間一般の見方からすれば「裕福な家庭」となるのだろうが、仮に貯蓄があっても100万円、200万円ということがザラ。このアッパー・ミドルには40代、50代のビジネスマンが多く、子供の教育費、住宅ローンの返済などの負担が大きくのしかかっており、台所事情は決して楽ではない。

ふむふむ、まさにその通りで、住宅ローンと教育費などで霧散してしまい、貯蓄はかき集めてもやっとこさ50万円ぐらいという有様です。65歳以上世帯の平均貯蓄が2千万円を超えるとか、振り込め詐欺やリフォーム詐欺、悪徳商法などで高齢者が1千万円2千万円と簡単にだまし取られているというニュースを見ると、それはどこか遠い国の話しかと思ってしまいます。現実はまったくオンザエッジ、綱渡り状態です。

さらにデフレ経済、景気悪化の中、企業はどこも経費圧縮でボーナスカット、給料も定期昇給どころか今は一律○%カットとなり、しかもそのカットされるウェートは高年齢層ほど大きくなります。上記のバブル期とは逆のパターンということですね。

これから景気が回復すればアッパー・ミドルの年収が元に戻るかというと、そうは問屋がおろさない。かつての年功序列型賃金の影響が尾をひき、いまでも彼らの年収は実際の働き以上の水準にある。会社サイドとすれば、これから会社の屋台骨を支えていく20代、30代を厚遇したいと考えるのは自明の理。そのおこぼれを期待することすら難しくなっている状況

社員は高齢化しても企業はいつまでも若くありたいと願うのが経営者ですから自然とそうなりますね。高齢者を積極的に活用しようとする企業も出てきましたが、それがニュースとなるぐらいに現状では珍しいことに違いありません。

2009年、大手百貨店が50歳以上を中心に退職金の割増額を最大2000万円にすることを条件に早期退職者を募ったところ、社員の4分の1もが応募して話題になった。
(中略)
40代、50代で同じような年収を保証してくれる職など、目を皿のようにして探しても、まず見つからないだろう。そうやって無職のまま1年間を無為に過ごしただけで、割増分の退職金の大半を食いつぶしてしまう。

転職するなら40歳までというのは鉄則です。若い人は当たり前に転職し、転職マーケットが成熟している欧米でも、40歳以上の転職はそう簡単ではありません。しかも今の経済環境、雇用状況ですから、かなり深い縁故か特殊な技能、経験がなければ1年以内に転職できると考えるのが大甘でしょう。

ならば「自分で起業でも」と考えて行動するのは悪くはありませんが、こちらも成功する人と失敗する人とでは明らかに前者が稀で、例え事業で大損はしなくても、数年間をジタバタと苦しみ、結果的には大事な数年間を失ってしまっただけということになりかねません。

で、さらに批評は続きます。
そうした没落していくアッパー・ミドルに共通している点が、割り切りのできない“プチ高所得者”であるということだ。「少しお金に余裕ができたから」といっては、湧き上がる欲にまかせて買い物を繰り返す。その結果、教育費や住居費を除いた月の生活費が40万円以上という家庭も多い。そして一度味わった甘い生活を「フツーの生活」と錯覚してしまい、年収がダウンしても生活水準を切り下げる割り切りができなくなる。
(中略)
本来は軽自動車に買い替えてもいいところだが、「ご近所の目もある。オレに相応しい車は最低でもこのクラスだ」といって頑として譲らない。

う~、、、確かにこれって自分自身にも、そして身近なところでも起きています。

数年前に同年代の知人がそれまでは順調にいっていた商売が不況で傾き、お店をたたむことになりました。そこで店をたたむために私に少しお金を貸して欲しいと頼まれ、お世話になった先輩でもあるので、ホンのわずかですけど融通しました。

その後話しをしていると、今までの乗っていたBMWは売ったというから「ふんふんなるほど」と納得していたら、その替わりにボルボを買ったと。「え!ボルボぉ?中古?」って聞くと、「いや新車」って。

「それってなにも変わってないじゃん(怒)!」って、先輩に対して思わずきつく叫んでしまいました。なんで国産小型車を大事に9年間だましだまし乗っていた自分が、BMWから新車のボルボへ買い換える人にお金を貸さなきゃいけないの?と呆れかえりました。

そしてさらに話を聞いていると「近所の手前いまさら国産車なんて格好悪い」なんて言い訳ばかり。しかしこの感覚ってその人だけではなく、たぶん自分や自分たちのバブルを経験した世代に共通して当てはまりそうだなと感じてしまいました。

特に子供の教育に関するものが大きい。プチ高所得者の場合、私立学校へ進学させていることが多く、公立学校とくらべて月謝が高かったり、寄付金や施設費などの出費がかさむことはもちろん、親同士の交際費が意外とばかにならないのだ。
(中略)
家計が苦しくなって相談にきたケースで、額面年収の800万円に対して、住宅ローンの年間返済額が250万円(約31%)ということがあった。「余裕のある家計を実現したいのなら、住宅ローンの年間返済額は年収の20%以内」というのが、家計診断の経験から弾き出した私独自の基準だ。思い切って売却し、安い賃貸に住み替えるのが賢明だ。

まず子供の教育費ですが、私の場合、子供二人を高校から大学まで私立に通わせると、それまでいくらかあった貯金が綺麗にすっからかんになりました。

もちろんその間は貯金は一円もできません。授業料だけで高校で年間70万円(3年間210万円)、大学(文系)では120万円(4年間480万円)はかかります(東京都内)。それ以外に高校では、入学金、寄付金、施設費、教材費、制服代、海外修学旅行費用、部活の遠征・合宿費用、小遣い、携帯電話など、大学でも入学金や寄付金、教材費以外にもノートPCなどが必要です。

甘かったのですが、これほどかかるとは想像していませんでした。三人目の子供はさすがに私立は無理なので、拝んで高校も公立へ通わせることにしました。

次に住宅ローンですが、給料が下がって生活が苦しいからと売って賃貸へ引っ越すというのは相当に思い切った判断が必要です。しかし最終的にそこまでいく人って多い気もします。

もし長男で自宅(土地やマンション)を親から譲り受けて(たぶんローンを組んで大規模リフォームや建て直しをしている)いたとしても、その家を売らない限り贅沢に慣れた生活が維持できません。

しかし家(巣)だけは守りたいというのが、動物の本能でもあるので、専門家やその人にとって影響力がある人から論理的に「このままでは間違いなくあなたは破綻(破産)する」と言われない限り、なかなか簡単には踏み切れないでしょう。

住宅ローンの支払いが滞って任意売却する人が増えていますが、それもズルズルとどうしようもなくなってから決断しているのでしょう。

今のまだ恵まれた高齢者達はいいですが、今後10~20年後には、そうした破綻寸前で貯金もない中高年者が続々と65歳定年を迎えます。

中には年金の支払いが滞り支給されない人、しかし高齢者が働く場はなく、非正規社員で低所得の子供にも頼れず、それでなくとも少子化で子供の数は少なくて、介護などの負担だけが大きくなり、結局は老人は生活保護を受けて生計を立てるしかありません。

今の若い世代からは「そんなの自業自得」「若いとき贅沢しすぎてそのツケを払うだけ」と言う声が聞こえてきそうです。

しかしその若い世代の父親、母親のことです。自分の両親が老いたときのことまで考えている若者は少ないと思いますが「そんなの無理、関係ない」「個人ではなく政治(国)がちゃんとするべき」「親子でも生活は別」と言って割り切れるのでしょうか。


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償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) ローレンス・ブロック

アル中の無資格私立探偵「マット・スカダー・シリーズ」の長編は、この作品で17編に達しています。

アル中と書きましたが、警官だった頃に抵抗する犯人に向けて拳銃を撃った際、外れた弾が跳ねて近くにいた少女にあたり亡くなってしまい、それ以来の酒浸りが原因です。そして警察を辞め、私立探偵の資格を持たずに人から頼まれると受けるという都合のよい探偵業を始めてから、あることがきっかけで禁酒を誓い、AA(アルコール依存症の共同体)集会に毎日出掛けるようになったという変わり種ハードボイルド小説です。

ロバート・B・パーカーがボストンを中心に描いてきたように、古きニューヨークをこよなく愛し、NYが舞台の小説が多いローレンス・ブロックとの出会いは結構古く1993年に「おかしなことを聞くね」を最初に読んでから、平均して年に一冊程度を買い、現在では20数冊が本箱に収まっています。

著者の作品は上記の「マット・スカダー・シリーズ」以外に「殺し屋ケラー・シリーズ」「泥棒バーニイ・シリーズ」等がありますが、「殺し屋ケラー」は必ず読み、「泥棒バーニイ」は過去に1冊しか読んでいないと好みが分かれてしまってます。特に理由はないのですが、殺し屋ケリーはユーモアのセンスがあり、また話しのテンポがよくってとても気に入っています。

もしまだブロック作品を読んだことがなければ、まず短編集の「おかしなこと聞くね」か、連作短編集「殺し屋」を読むことをお勧めします。この作者の作品ならもっとジックリと読んでみたいなと思うこと必至です。

さて今回の作品は、年老いたマシュー(マットの愛称)と、友人でNYの酒場のオーナーミック・バルーと深夜にコーヒーを飲みながら、ずっと昔にマシューが出会った事件について話をするところからスタートです。

パーカーの「スペンサーシリーズ」はシリーズが書かれてきた約40年という長い期間は、小説の中ではせいぜい10年ぐらいしか経っていないようないつまでも若々しい設定でしたが、こちらはシリーズ1作目から35年が経ち、主人公もそれなりに歳をとったという設定のようです。

マシューが子供の頃、近所に住んでいて知り合いだった男が、刑事だった頃に強盗の容疑者として再会します。そして酒浸りになり警察を辞めてからまもなく、通っていた禁酒の会(AA集会)でバッタリとその男と出会うことになりますが、まもなくその男は何者かに殺されてしまいます。

ちょっとこのAA(Alcoholics Anonymous)集会に関する話し(どこの集会所へ行ったとか、どんな話を聞いたか、誰と話しをしたとか)が、長くしつこくて途中読み飛ばしたくなりますが、結論から言ってしまうとそれらはサクッと読み飛ばしても大丈夫です(笑)。そしてこうした過去に事件を回想して語るのは「聖なる酒場の挽歌」でもありましたね。

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

熱帯魚 (文春文庫) 吉田修一

2007年に出した「悪人」が映画化され一気にブレークした感のある吉田修一氏の初期(2001年)の中短編作品集です。吉田氏の作品ではこれらの他には、優れた物語性を評価され山本周五郎賞を受賞した「パレード」を2006年に一度読み、その後不覚にも2011年に再度購入してしまい再度読んでいます。

この本には「熱帯魚」「グリンピース」「突風」のそれぞれ独立した3編が収められていますが、いずれもちょっと変わった若い男女の恋愛模様といったところでしょうか。そういえば「悪人」も同じように若い男女が織りなす恋愛が最終的には昇華していくところが描かれていました。

おおよそ一世代若い著者の作品には、やはり50代の私にはついて行けないようなところがあちこちに見受けられますが、それでも人間の卑しい感性や心理状態などを描く手腕は「うまいなぁ」と感心させられるところも多くあります。

「熱帯魚」では主人公の大工見習い中の若者と、子連れの元水商売をやっていた美人女性との恋愛と、そこに居候する引きこもりの義理の弟、近所で一人で住むゲイの大学教授などユニークな登場人物の設定で、淡々とした進行で退屈してきたところで主人公が大問題を引き起こし、同時に居候の弟が突然夫婦のお金を持って出奔するという流れでグッと引き締まります。

「グリンピース」では、唯一の親族の祖父が完全介護の病院で余命幾ばくもない状態の中、会社勤めを辞めて仕事もせずに彼女のマンションに入り浸っているというこれまただらしのない若い男性が主役です。「悪人」でもそうでしたが、主人公の男性はだらしなく、問題を起こし、一方その男性に惹かれている女性はしっかり者で美人とくるのはこの著者の既定路線なのでしょう。

「突風」は上記2つとの設定とはやや違い、金融関連のエリートサラリーマンがなにを思ったか夏休みを房総半島の海水浴場へ行き、突然泊まった民宿でアルバイトを始めるというありえねぇというストーリー。今どき都会の外車に乗るエリートサラリーマンが、外国にリゾートツアーをキャンセルして千葉の民宿はねぇだろと思いますが、ま、なんとなくそれなりに意外性でぶっ飛んでいて面白かったですけど。

著者別読書感想(吉田修一)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

英語ができない私をせめないで!―I want to speak English! (だいわ文庫) 小栗 左多里

2002年に出版された「ダーリンは外国人」の自伝漫画と、それが2010年に公開された同名の実写映画(主演井上真央)で大ブレークした漫画家小栗左多里氏の作品です。

傑作なのは旦那さんはアメリカ人ですが、日本語を含み数カ国語がペラペラなので、その妻である作者は普段英語を使うことがなく、またその必要にも迫られないので特に今まで英語が必要でなかったということです。そういうことってあるんですね。でも旦那さんの家族や友人などで日本語ができない人が周囲には多そうで、そういうときは困ったでしょうね。

しかしある日旦那さんから日本から出てそろそろ外国で暮らさないか?と言われ、それも悪くないかもと思いつつ、ハッと気がつくと英語すらできないことに気がつき、様々な英語の勉強法を調べ、取材も兼ねて?体当たりで英語習得法をいろいろと経験するという実話です。

ときたま雑誌やネット記事でもありますよね、「英会話学校へ行ってきた」とか「TOEICに挑戦」とか。なんとなくそのノリでちゃちゃと漫画風にしてみましたって感じです。

漫画風と書いたのは、本の中の3割ぐらいはイラストや漫画ですが、残りは読みやすい大きな文字で一応説明の文章となっています。1時間もあれば軽く読めてしまいますので、対象は文字がいっぱい書いてあるのを嫌う若者や、日々忙しい人向けかなという印象です。

自伝を漫画にして売るというのは以前読んだ細川貂々氏の「ツレがうつになりまして。」もそうでしたが、身近なことながらも、それを肩肘張らず、ネタにして面白く描いたことで、周囲の共感を呼び、さらにそれが映画化(「私のツレ・・」の映画主演は宮崎あおい)され、いっそうブレークするという成功法則があるのでしょう。

英語を学びたいから参考にしようという考えではダメですが、これを読んで思ったのは、中高年やビジネスパーソンだけでなく若い人の中にも英語の習得に散々苦心しているのだなぁという感想を持ちました。

■関連日記「英語の憂鬱」2012/8/25(土)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

水の手帳 (集英社文庫) 伊集院静

この「水の手帳」は1995年に初出(文庫は1998年)の作品です。1992年に「受け月」で直木賞、1994年には「機関車先生」で柴田錬三郎賞受賞と作家として脂がのった頃の作品のはずでした。

実は読了後にわかったのですが、この本は1998年に一度購入して読んでいました。読み出して最後まで気がつかなかったというのはいよいよ老人ボケが入ってしまったか、よほど印象に残らない駄作だったのか、その両方なのか。

同氏の作品ではよくある、若くて美人の女性が主人公で、様々な出会いや別れ、それになぜかその合間にヨーロッパの観光地が登場し、そこのうんちくを披露するという流れです。そう考えると宮本輝氏の小説となんとなく似ていて、過去に読んだ中にもこの二人の作品の区別がつかなくなることがあります。

ま、それはさておき、今回は出だしが軽井沢、そのあと実家の長崎へ飛び精霊流し、と思ったらパリへ飛んで古城を見学し、そこから南下して兄が暮らすアフリカはケニアへ。ケニアからいったんパリに戻って帰国してから成田へ戻ると、空港からそのまま北海道へ、さらには実父らしき人を訪ねて韓国へとめまぐるしく舞台が変わっていきます。これほど舞台が次々と変わるのは007シリーズぐらいしかありません。

著者自身が韓国系日本人2世ということもあり、その血脈については深い思い入れがあるのでしょう。この小説では主人公の女性が母親が亡くなるまで知らなかった自分の本当の父親が韓国にいるらしいという手掛かりをつかみ、訪れて最終的には再会するというストーリーです。

感想はと言うと軽快で都合よくできた小説で、過去に読んだ著者の14冊(12話)の作品と比べると、残念ながらあまり誉められたものではありません。やっぱりなんとなく著者とタイトルに惹かれて買ってしまった本は当たり外れがあるものです。

著者別読書感想(伊集院静)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

鉄の骨 (講談社文庫) 池井戸潤

2010年に放送があったNHKの3夜連続ドラマの原作で、主演には小池徹平が出ていました。そのドラマは全部を見られなかったことと、小説とドラマでは受ける印象が違うことを知っているので、原作本をじっくり読んでみることに。おおよそのエンディングを知っていただけに読むのにちょっと躊躇はありましたが。

この著者池井戸潤氏の小説は「果つる底なき」(文庫2001年)、「BT’63」(文庫2006年)、「空飛ぶタイヤ」(文庫2009年)をすでに読んでいます。「空飛ぶタイヤ」は三菱自動車のリコール隠しを主題とした企業小説ですが、着眼点はその大手企業だけでなく、大手企業に翻弄される運送会社や零細企業について事件のあらましもわかるよう興味深く書かれています。

2010年には「下町ロケット」で直木賞を受賞されていて、その受賞作とともに2010年に発刊された「ロスジェネの逆襲」は面白いと評判なので、そのうちに文庫化されたら読みたいなと思っています。

今までの著者の作品を見ていると、その多くは「沈まぬ太陽」や「不毛地帯」などの著作を持つ企業小説の大御所山崎豊子氏と同列の長編企業小説というジャンルですが、ちょっと違う点は取材した事実を積み上げて、その企業の中で苦闘する姿を小説にしてしまう山崎流とは違い、実際に起きたことを下地として、それとは違うミステリー仕立ての新たな小説にしてしまう点でしょうか。どちらが好みかは読者によりますが、私は双方とも好きです。

「鉄の骨」の主人公は中堅の総合建設会社に入社した20代の男性。技術系として建築現場で働いていたところ、本社業務部への異動が発令されます。この業務部というのは公共事業の発注において業界各社と談合をとりまとめるセクションで、正義感あふれる主人公がサラリーマンとしての立場とのあいだで葛藤があり、その中でもがく姿を描いています。

この談合については一般的な知識では業界がより高い利益を得るためにおこなわれる絶対悪という側面だけが知られていますが、一方の業界事情として、果てしない値引き合戦で企業が疲弊してしまう無茶な競争をおこなわず、業界の健全な発展のために適正な価格で落札してこそ生きていけるという必要悪だという論も紹介されています。つまり無理して競争すればするほどその下請けや孫請けににしわ寄せがいき、やがては工事の完成を見ずに破綻してしまうことになると。ま、業界の外から見ると、その論にはちょっと無理があるのはやむを得ないところです。

そして談合の行き着く先は役人や政治家が自らの利益のためにそれに関わってくる、いわゆる官製談合となり、そこに根が深い問題があると語っています。

著者別読書感想(池井戸潤)

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658
最近本当に自転車乗りのマナーが最低最悪と感じています。私自身クルマ、バイク、自転車、歩行者それぞれを割と均等に経験していますので、偏った考え方ではなく事実として自転車の運転マナーに憤りを覚えています。

1.無灯火
以前から自転車の夜間無灯火はよくみかけ、夜間にクルマやバイク、自転車で走っていると、無灯火の場合まったく姿形が見えず、直前にきて初めて自転車が迫ってくるのを発見しヒヤッとしたことが何度もあります。

特に雨の日にそれをやられると衝突するまで気がつかないということが起きても決して不思議ではありません。

おそらく無灯火で走っている人は、自分が相手の(ライトを点けている)クルマやバイク、自転車が確認できているので、相手も当然自分のことを見てくれているはずだと思っているに違いありません。

つまり「俺様がわかっているのだから」という勝手な思いこみです。そういう人に限って事故が起きたりすると「交通弱者は絶対守られるべき」と主張したりするのです。

あらためて述べておくと、自転車は後方から見ると反射鏡が必ず付いているのでまだ発見しやすいのですが、夜間に正面から見るとライトが点いていないと周囲と同化してしまい、まったく存在がつかめません。

おそらくクルマやバイクをよく運転する人なら夜間に無灯火で自転車に乗ることは自殺行為だということを知っているので、そういうことはしないでしょう。


2.傘や携帯電話を片手で持った片手運転
どんなときでも携帯電話を手放せなくなっている携帯中毒患者に対し「自転車に乗っている時に携帯電話はダメよ」と言ってもまず聞く耳は持ちません。

自動車の運転中にそれをやって見つかれば、反則金や違反点数が付き、繰り返せば免停、取り消しになりますが、自転車では通常は「口頭注意」だけで済みます。

厳格に道路交通法を適用すれば、傘や携帯電話での片手運転は「3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金」という非常に厳しく処分されますが、これが厳しいだけに、確信犯的に何度も繰り返す人や、当て逃げ・ひき逃げなど他のより悪質な犯罪と一緒でないと、実際にその罰則が適用されることはまずありません。

もし自転車でもクルマの違反と同じように、1回目から青切符を切られて反則金6千円の納付というルールがあれば、おそらく違反する人は激減するでしょう。

残念ですが夜間の無灯火や二人乗りなど含めもうそうする時が来ているように思います。


3.一方通行逆行
歩道がない狭い道で一方通行の箇所はよくあります。そしてその一方通行にも「自転車は除く」とか「二輪・自転車は除く」という補助標識があるところではもちろん逆行しても問題ありません。

そうではなく、単なる一方通行の箇所(実際にはこちらのほうが多い)でも、まったくそれを無視をして逆行してくる自転車の多いこと。自転車は歩行者と同じと考えている人が多いようです。

できれば補助標識に「自転車含む」と大きな字で書いてもらいたいところです。おそらくは普段歩いて通っている道だから、一方通行など関係なしで自転車に乗ったときも同じ道を通るのでしょう。

一方通行を守って走るクルマやバイクにとっては、まさか対向して車両が近づいてくるとは考えてないので、びっくりします。それでももし事故ると多くの場合、クルマやバイクの前方不注意になってしまいます。


4.自転車の右側通行
自転車は原則として車道の左側端を走らなければなりません。これは道路交通法で定められていて、違反すると「3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金」に問われます。

しかし最近よくヒヤッとすることがこれに多いのです。特に小型バイク(原付等)で走る場合、道の左寄りを走ります。するとその正面から自転車が平気で突っ込んでくるのです。

自転車が20km/h、バイク(2種)が50km/hで、相対速度がなんと70km/hで、前方を走っているクルマの影から突然自転車が向かってくるわけです。これは怖いですよ。

なので渋滞していない時には、バイクでも道の中央付近を走るように心掛けています。

問題は渋滞しているとき、渋滞列の左側にスペースが空いていれば、路肩走行の問題はありますが、バイクはそこを通過します。

その狭いスペースにも平気で自転車が逆走して突っ込んでくるから驚きです。こちらも路肩をすり抜けをしているので大きなことは言えませんが、事故が起きると双方に大きなダメージが及びます。

最近この右側通行の自転車で、事故寸前の危ないところを目撃しました。

脇道から広い道へ出て左折をする時は、(1)歩行者がいないか左右の確認、(2)右からクルマやバイク、自転車が来ていないか確認、(3)いずれも大丈夫なら左折という順番なのですが、無灯火の自転車がスピードを出したままその左折しようとするクルマの前に突っ込んできました。

Picture10014.jpg

左折しようとするクルマは右側から来るクルマやバイク、自転車には細心の注意を払いますが、まさかその反対側(進路)から自転車が向かってくるとは考えません。

危うくクルマと自転車が出会い頭に衝突する場面で、少し離れたところで信号待ちしていた私は「あーやった!」と思わず心の中で叫びました。

しかし幸いにも曲がり出したクルマ側が直前で気がついて急ブレーキをかけ、自転車も驚いて少し膨らみ回り込んだため無事でした。

もしこれが事故につながるとクルマのドライバーの左右確認不足がやり玉にあがるでしょうけど、普段からクルマに乗っていると、この来るはずのない反対側に注意をするという習慣がないので、ドライバーの不運を思わずにはいられません。しかも夜間で無灯火ですから、ドライバーはよく気がついて停められたものです。

マナーの悪い自転車のため様々な事故、それと歩行者への加害者的な事故が増えてきているのでしょう。それで下記のようなことがおこなわれようとしています。

また警察が天下り団体を作り定年で退官した警官を数多く送り込もうと画策しているのでしょうけど、事故が目立って増えてきて、それを社会が求めているのなら仕方がありません。

悪質自転車、講習義務化も=摘発件数、5年で7倍―安全教育徹底へ・警察庁懇談会 時事通信
交通違反をした自転車の摘発件数は昨年3956件で過去最多となり、2006年からの5年間で6.8倍に急増したことが4日、警察庁のまとめで分かった。同庁は5日に有識者懇談会を立ち上げ、悪質な運転者への安全講習義務付けなどを議論。必要があれば法制化も検討する。

まとめると、

(1)自転車でマナーが悪い人は、普段バイクや乗用車を運転する人達ではなく、したがってバイクや自動車からその行為がどのように見えるかがわかっていない。
(2)一般的に自転車が車両という自覚がなく、歩行者の延長という感覚。その原因としては自転車が一部の歩道を走れるようになってから急速に定着しはじめた。
(3)自転車に対する軽微な違反の摘発ルールが未整備で、大きな事故が起きて初めて適用されることが多い。つまり軽微な違反はやり放題。
(4)エコブーム、低所得、格安のアジア製自転車の大量流入により今後も増え続ける自転車事故

ということになります。

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9月にいよいよ変になってきた日本の家電業界について書きましたが、その後10月末には各社の上期決算発表がおこなわれ、その重傷の様子が数字で明らかになりました。合わせて9~10月に明らかにされたリストラ計画もあげておきます。

パナソニック
「普通の会社ではない」。パナソニック上期は6,851億の赤字(AV Watch)2012/10/31
パナソニックは31日、2012年度上期(2012年4~9月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比9.2%減の3兆6,381億円、営業利益は83.5%増の873億円、税引前純損失は前年の1,593億円の赤字から1,193億円悪化し、2,786億円の赤字。当期純損失は前年の1,361億円の赤字から、5,490億円悪化し、6,851億円の赤字となった。
パナソニック、30代も希望退職対象 本社スリム化(朝日新聞)2012/9/14
パナソニックが、本社をスリム化するために、30代の若手社員も対象に希望退職を募ることがわかった。約7千人いる大阪府門真市の本社社員のうち、研究開発部門に所属する約1千人を配置転換し、これとは別に、定年退職者と希望退職者を合わせ約1千人を削減する計画だ。

ソニー
ソニー中間決算 2年連続赤字(NHKニュース)2012/11/1
大手電機メーカー「ソニー」のことし9月の中間決算は、テレビやパソコンの売り上げの不振などから最終的な損益が401億円の赤字となり、中間決算としては2年連続の赤字となりました。
中国をはじめとする世界経済の減速で、テレビやパソコン、デジタルカメラなどの販売が減少したことや、歴史的な水準の円高で、輸出の採算が悪化していることなどによるものです。
ソニー、早期退職で2000人削減へ 岐阜県美濃加茂の工場閉鎖(日本経済新聞)2012/10/19
ソニーは19日、2013年3月期中に実施する早期退職制度で従業員2000人を削減すると発表した。本社とエレクトロニクス事業関連の連結子会社が対象。9月末で完了した日本政策投資銀行への化学事業譲渡で1800人が社外に出ており、早期退職制度と合わせた国内の削減人数は3800人となる。

シャープ
シャープ、赤字過去最大に 構造改革費追加計上など響く(日本経済新聞)2012/11/1
 シャープ(6753)が1日発表した2013年3月期の連結業績予想は、最終損益が4500億円の赤字(前期は3760億円の赤字)となる見通しだ。赤字幅は従来予想(2500億円の赤字)から大幅に拡大し、2期連続で過去最大を更新する。
シャープ、人員削減1万人超めざす 2千人退職労使合意(朝日新聞)2012/9/26
経営再建中のシャープは、労働組合に提案していた約2千人の希望退職の募集と給与、賞与の削減について、組合側と合意したと発表した。これで、同社が8月に発表した5千人の削減策にめどがついた。さらにシャープは、海外工場を売却することで、最終的に1万人超の「リストラ策」の実行をめざす。

ま、どうして飛ぶ鳥を落としてきた家電メーカーがこのような残念なことになってしまったのかというのは方々で語られていますので、その中から自分がこれだと思うことを信じていいでしょう。要は原因はひとつやふたつに絞られるわけではなく、多くの要因が複雑に絡み合い、それを過去の経営陣がうまく舵取りができず、判断を誤ったり決断を先延ばしにしたことで巨大戦艦を沈没寸前にまで追いやってしまったわけです。恨むべきはここ20年間の経営者達であって、現在の経営者や従業員達、それに国や日銀の政策、中国や韓国企業のせいではないということです。

仮にスティーブ・ジョブスが20年前にソニーのCEO兼社長になっていれば、現在のアップルを凌ぐ世界最大の巨大なコングロマリット企業になっていたと容易に想像ができます。その代わり本社は東京でなくエンタティンメント系はアメリカ、製造系は中国、コンテンツ系はインドや韓国に置かれていて、ソニーの日本人従業員は今の半分になっていたかもしれません。つまりこのような世界的な不況下においては企業の業績は経営者の手腕が一番ハッキリする時でもあり、かつそれが日本の国にとっていいかどうかはまた別問題です。

家電業界に申しあげたいのは、これから売れる商品というのはスマホで遠隔操作ができる商品でもなければ、自動洗浄機能がついたエアコンでもありません。「誰にでも扱いやすくシンプルで、そして壊れない」家電商品なのです。

そして必要とされるのは毎日使う家電製品が万一故障した場合、土・日曜日であっても、即日または遅くとも翌日には修理に駆けつけてくれるサポート体制です。現在でも冷蔵庫や洗濯機、大型テレビなどは訪問修理サービスがありますが、その多くはまずやってくるのは修理ではなく点検に来て、修理はまた後日というふざけたものです。

小物家電、例えば電子レンジ、炊飯器、掃除機、DVDデッキ、小型テレビ、小型オーディオに至っては、それが毎日使いたい炊飯器ですら、梱包してメーカーへ送らなければ修理してくれません。その故障が取っ手部分が壊れたというような本来の性能に影響するわけでない部品が壊れた場合でも同じです。「取っ手が壊れて動かすのが不便だけど、何日も炊飯器が使えなくなるのは困るので我慢する」ということが現実なのです。

人件費の高い日本でそのような無料または格安の料金で即日対応訪問修理サービスができるはずがない?

やり方はいくらでも方法が考えられます。

ある量販店では購入時にプラス数千円を払えば10年間保証が受けられます。それがちゃんとビジネスとして成立しているということは20年保証だって難しくありません。ただそれには製品の耐久性を今よりも上げ、在庫が必要な部品点数を減らし、部品の共通化を図り、構造をシンプルにして修理が簡単にできるするなど長期的なビジョンにたった工夫が必要です。おバカなスマート家電などという一時の流行に迎合し、複雑な機能を組み込むことで、製品の寿命を減じてしまうのはそれらに反することです。

サポート要員も、全国には青息吐息の零細販売店や電気業者があります。PCやコピー機、衛星放送、CATVなどには即日対応のサポート業者があります。それらと組み合わせるなどして家電の訪問修理員を組織化したり委託できないわけがありません。それに毎日家庭を回っている宅配会社と組むというやり方だって考えられます。

基本的な技術研修を受けた宅配会社のドライバーが要請のあった家へ出向きマニュアルに沿ってチェック。それを報告すれば必要な部品や専門要員が即日アサインされ、翌日には修理という連携です。中にはその配達員でできてしまうような修理もあるかもしれませんし、もし預かって修理でもかまわないというならそのまま引き取ってメーカーの修理センターへ送ることも可能です。

それとなんと言っても日本の高度成長を支えてきた家電業界や電気・通信業界で長く働いていた人達が、引退した団塊世代を中心にたくさんいます。そのような技術のある人に登録をしてもらい、近所で発生ベースで訪問修理を依頼するなんてことはいますぐにでもできそうです。

でも実際にはいま家電のサポートセンターに電話すると、みなまで聞かずに「では見てみますので、送ってください」とユーザーの都合も聞かずしれっと回答するのが規則となっています。それではわざわざ高級品の日本製品を買わなくても、あるいは高い修理費用と時間を無駄にするぐらいならば、それは捨ててしまい、どこの国で作られたかわからない、ずっと安い同等の製品を新たに購入しようという気持ちになってしまいます。

せっかく日本製品は今まで高品質で売ってきていたわけですから、それならば10年や20年絶対に壊れない商品を作り、20年完全保証を提供することが、高齢者が多い国内や海外の富裕層に対して効果的だと思うのですが、どうも日本メーカーはそうではなく、あくまでも高齢者が使いこなせそうもない余計な機能を付け加えることで他社製品と差別化を図っていくという、場当たり的な戦略しか考えていないのは残念な限りです。


【関連リンク】
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エアコンの購入 2011/6/8(水)
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