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自宅を買おうと思ったり、新たに借りようとするときには、「通勤の便利さ」や「子育てのしやすさ」、「買い物の便利さ」、「親の住まいとの距離」、「子供の学校」、「価格と広さ」、「自然環境」など、ライフスタイルや人それぞれに求めることの優先度が違っていると思います。

そうした違いはあれど、一定の評価基準で新たに住宅を買ったり、賃貸で借りようとする時、参考になるのが東洋経済が定期的に発表している「住みよさランキング」というデータです。

住みよさというのは10年近く経つとどう変わるのか?あるいはあまり変わらないものかを調べてみることにしました。

9年前にブログに書いた「本当に住みよい街とは 2015/3/28(土)」は、2014年のデータを用いているので、改めて2013年のデータを参照し、10年後の2023年のデータと比較することにします。

また今から20年後に住人の減少が多くなると予想されている関東と近畿の都市をそれぞれあげておきます。人口減少が急速に進むとそこの住民は様々な弊害を被ることになるでしょうから住まい探しの時には考慮すべき点です。

  ◇   ◇   ◇

まず「住みよさ」の算出指標ですが、安心度、利便度、快適度、富裕度の4つのカテゴリーからなる20項目を選択となっていて、10年前の5つのカテゴリー、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度とは少し変更されていて、住居水準充実度というカテゴリーがなくなっています。調査対象は全国の812市区です。

まずは2013年と2023年の「住みやすさランキング1位~25位」までです。

2013年 2023年
1 印西市 千葉     野々市市  石川  ↑ 
2 野々市市 石川 武蔵野市 東京 ↑
3 守谷市 茨城 福井市 福井 ↑
4 坂井市 福井 文京区 東京 ↑
5 本巣市 岐阜 白山市 石川 ↑
6 長久手市 愛知 長久手市 愛知 →
7 みよし市 愛知 つくば市 茨城 ↑
8 鯖江市 福井 倉吉市 鳥取 ↑
9 砺波市 富山 人吉市 熊本 ↑
10 福井市 福井 金沢市 石川 ↑
11 美濃加茂市  岐阜 駒ヶ根市 長野 ↑
12 日進市 愛知 合志市 熊本 ↑
13 かほく市 石川 鎌倉市 神奈川   ↑
14 成田市 千葉 立川市 東京 ↑
15 東海市 愛知 昭島市 東京 ↑
16 鳥栖市 佐賀 渋谷区 東京 ↑
17 下松市 山口 越前市 福井 ↑
18 敦賀市 福井 敦賀市 福井 →
19 能美市 石川 水戸市 茨城 ↑
20 魚津市 富山 草津市 滋賀 ↑
21 草津市 滋賀 名古屋市 愛知 ↑
22 つくば市 茨城 印西市 千葉 ↓
23 桑名市 三重 下松市 山口 ↓
24 射水市 富山 かほく市 石川 ↓
 25  芦屋市 兵庫 小諸市 長野 ↑

次に、同、26位~50位までです。

2013年 2023年
 26  箕面市 大阪     大垣市 岐阜  ↑ 
27 白山市 石川 能美市 石川 ↓
28 中央市 山梨 国分寺市  東京 ↑
29 守山市 滋賀 四万十市 高知 ↑
30 生駒市 奈良 御坊市 和歌山   ↑
31 名取市 宮城 北杜市 山梨 ↑
32 豊明市 愛知 東根市 山形 ↑
33 合志市 熊本 魚津市 富山 ↓
34 滑川市 富山 葛城市 奈良 ↑
35 三田市 兵庫 滑川市 富山 ↓
36 弥富市 愛知 調布市 東京 ↑
37 土浦市 茨城 府中市 東京 ↑
38 白井市 千葉 台東区 東京 ↑
39 東根市 山形 新宿区 東京 ↑
40 富山市 富山 小松市 石川 ↑
41 栗東市 滋賀 盛岡市 岩手 ↑
42 御前崎市   静岡 米子市 鳥取 ↑
43 宝塚市 兵庫 大阪市 大阪 ↑
44 駒ヶ根市 長野 大府市 愛知 ↑
45 加東市 兵庫 小浜市 福井 ↑
46 香芝市 奈良 箕面市 大阪 ↓
47 黒部市 富山 あわら市  福井 ↑
48 御殿場市 静岡 高山市 岐阜 ↑
49 高岡市 富山 由布市 大分 ↑
50 柳井市 山口 豊島区 東京 ↑

2023年のブルー背景で濃い市は、2013年にもトップ50に入っていた市ですので、この10年間は上位を維持している本当に住みやすそうな市と言えそうです。

その10年間トップ50を維持している市は17市で、特に2013年は2位だった石川県野々市市が2023年は1位に上がっていて現時点では最高ランクとなっています。

野々市市?ってどこよ?って私も無知ながら知りませんでした。

野々市市(ののいちし)
野々市市マップ
石川県のほぼ中央に位置し、山・海のない平坦な土地で、市は、北東部を金沢市と、南西部を白山市にそれぞれ接しています。

人口は57,238人、金沢市内のベッドタウンとして発展し、市内には中学校が2つ、高校は1つしかないのに、大学が石川県立大学と金沢工業大学の2つあるため、20歳前後の若い人が多く、平均年齢が若いのが大きな特徴です。

へぇー、北陸へは何度も行っていますが、金沢市内や能登などへ海水浴や観光で訪れたことしかなかったので、この街を知らなかったのも無理はありません。

2023年の2位には、10年前にはTOP50位に入っていなかった東京都の武蔵野市が大躍進しています。武蔵野市と言えば、若者にも人気の吉祥寺や都民の憩いの場の井の頭公園などが有名です。

2023年の3位、福井市は、10年前は10位でしたから着実にランキングを上昇していて住みよさをアピールできそうです。今年は北陸新幹線が延長されて首都圏から一気に行けるようになります。

2023年の上位を見ると、1位の野々市市、5位の白山市、10位の金沢市とトップ10に石川県の市が3つも入っていますが、元日の地震の影響で2024年以降は少し状況が変わるかも知れません。

その他、トップ50を見ると、東京都の躍進が顕著です。

2位武蔵野市、4位文京区、14位立川市、15位昭島市、16位渋谷区、28位国分寺市、36位調布市、37位府中市などトップ50の中に11市区も入っています。これは10年前から評価基準が少し変更された影響があるのかも知れません。

大いに躍進した東京都と同様の大都市圏を抱える都市を見ると、神奈川県は13位に鎌倉市だけ、千葉県は22位の印西市だけ、大阪府では46位の箕面市だけ、愛知県では5位の長久手市、21位の名古屋市、44位の大府市の3つ、埼玉県や福岡県、北海道、宮城県はゼロです。

他にも地方の勇とも言える石川県はTOP50に6市、福井県は4市、富山県は2市と、北陸勢が強いのが特徴です。

逆に九州勢は熊本県に2市(合志市、人吉市)と大分県(由布市)の3市だけ、東北勢は山形(東根市)と岩手県(盛岡市)に各1市の計2市だけ、四国は高知市(四万十市)の1市だけと精彩がありません。

10年間でトップ50を維持したのは17市(濃いブルー)、逆に2013年にはトップ50だったのが10年で落ちてしまったのが33市という多さです。

2013年はトップ50の上位にいながら、2023年のトップ50に入らなかったのは、2013年3位の守谷市(茨城県)、4位だった坂井市(福井県)、5位だった本巣市(岐阜県)、7位だったみよし市(愛知県)、8位だった鯖江市(福井県)など。なにがあったのでしょうね。

いずれにしてもわずか10年でトップ50のうち6割以上がそこから転落してしまうということですから、20年30年と長く住むために家を購入しようという場合は、今の人気ランキングはあまり信用しないほうが良さそうです。

  ◇   ◇   ◇

次に、日本の人口が減少していく中で、11年後の2035年までに特に多い人口減少数が予想されている都市ランキングが載っていたので関東と近畿のデータを転記しておきます。出典は同じく東洋経済ONLINEです。

関東 近畿
都市名  減少数    都市名  減少数 
 1  横須賀市 -57,740  1  東大阪市 -54,713
2 日立市 -37,180 2 姫路市 -39,910
3 宇都宮市 -29,904 3 枚方市 -38,050
4 市原市 -29,038 4 奈良市 -36,741
5 春日部市 -26,710 5 和歌山市 -36,084
6 前橋市 -26,339 6 堺市南区 -31,042
7 桐生市 -25,151 7 神戸市西区 -30,983
8 横浜市金沢区  -22,331 8 神戸市北区 -29,413
9 足利市 -21,641 9 尼崎市 -27,879
10 栃木市 -19,986 10 神戸市垂水区  -27,549
11 熊谷市 -19,645 11 大阪市平野区 -27,385
12 小田原市 -19,104 12 八尾市 -26,463
13 狭山市 -18,023 13 寝屋川市 -26,360
14 日光市 -17,944 14 津市 -26,232
15 横浜市港南区 -17,579 15 加古川市 -25,688

人口減少は、災害や法改正と違って突然一気にやってくるものではなく、ボディブローのように時間をかけてジワジワと効いてきます。

そして人口減少のインパクトは想像以上に多くの点で影響を及ぼします。

例えば税収不足で公共サービスが低下していき手続きが不便になったり、道路や水道などの各種インフラの修理や更新が遅れ、医療や防犯などに手が回らず生活や住環境の悪化につながります。

また民間企業は、大きな人口減少がわかっているところに新たなスーパーやコンビニ、金融機関などを設置しようと思わないばかりか、現在ある店を閉じて、より売り上げの期待できる地域へ投資を集中するというのが営利企業として常道でしょう。

ヨーカドー、大量撤退で「無責任」批判なぜ起きた 「地元の商店街をぶち壊したのに…」の声の"誤解"(東洋経済ONLINE)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のイトーヨーカ堂が、北海道・東北・信越地方の17店を閉店すると報じられた。同エリアからの撤退により、ヨーカドー空白地帯が拡大することになる。中四国、九州、沖縄にはすでにヨーカドーはない。

すでに千葉県内の私鉄で、利用客の減少で大きく運行本数を減らす計画があったり、大阪府では唯一の路線バスの廃止などが社会問題化していますが、今後もそうした住民サービスの低下が続くでしょう。

ここに上がっている人口減少数の大きい都市へ新たに住もうとするのは、賃貸ならともかく購入するのは今後長い目で見ると様々な生活の不便を受け入れる覚悟が必要と思われます。


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