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円高により特に輸入業界が儲かっているハズなのにあまり表面には出てこないというようなことをブログ書いたら、Twitterで「石油会社は原料の供給過剰と精製ロスのため儲かっていない」「原油はマネーゲームの渦中にあり投資家の気まぐれで大暴落した日にゃ円高差益などブッ飛ぶ」との業界に詳しそうな方から意見を賜りました。
 
確かにそういう一面はあるのだろうと思います。
 
しかし「供給過剰と精製ロス」は、消費者(=国民)にはまったく預かり知らぬことで、供給過剰は経営上の見積りの甘さや保守的な体質ゆえ先見性がないだけでありますし、精製ロスに関しても、それは技術力や工夫のなさ、それを見越した経営の問題だと思います。

JALのように政治家や官僚達にいいように食い物にされてしまっていたとしても悪いのはやっぱりJALなんですから、石油会社がそれを理由に稼げないというのは、経営者がバカだから儲かりませんと言っているように聞こえます。
 
日本の化学系会社(積水化学、東レ、三井化学など)が、苦労しながらも世界を相手に数々の発明や工夫をして戦っているのに対し、国内石油会社は国策という名の官僚主導により原油を輸入し精製するだけで、なにもしなくても自動的に大儲けできる仕組みを作ってきました。

そしてそのために、自ら努力をして世界に通じる商品開発や画期的な工夫、国際社会へ打って出ていくことを怠ってきたのは自然の理です。
 
石油業者と言えば国家のエネルギー政策という名の下に、国内の各種規制に守られ、また巨額の投資が必要な装置産業でもあるので、新たな競争相手の参入は少なく、最後に残された完全護送船団と言ってもいい産業です。

ちょうど少し前のNTTや郵便事業、巨大ゼネコンと同じようなものでしょう。おまけに、その膨大な利益構造をわかりにくくしているのが為替相場原油価格です。
 
国内のガソリン販売総量は、ここ10年間でほとんど変わっていませんので、国内のシェアを大手数社の間でせいぜいコンマ数パーセント取り合って一喜一憂していればよかったのです。

バブル時期に乱立させたガソリンスタンドを次々と閉鎖をしているのは、商品力がなく売れないからではなく、消費者の利便性よりも経営効率をあげて利益を少しでも多く確保するためです。

見方を変えると競争してお互い切磋琢磨するのではなく、あうんのカルテルを結んで楽な商売をしていこうという現れです。
 
上記の通りガソリンなどの高品質な石油製品の需要は決して下がっていませんが、石油輸入業者が同時に輸入している重油や軽油とプラスティック原料のナフサの需要はここ10年間で大きく下がっています。そこに利益率が悪くなってきた原因があります。
 
しかし原油代金と一般小売り価格との差であるマージン(利益)は、リーマンショック後の2009年12月を底にして2010年はわずか1年でリーマン前の水準までV字回復をしています。

同じく需要が減ったとは言え重油や軽油のマージンも2009年7月を底にして絶好調に伸びています。量が減ってもマージンを上げて儲けはちゃんと確保できているというわけです。
 
・・・
 
でも企業としての売上や利益(経常利益)は、それほど高くない?
 
大手の新日石の2010年3月期(2009年4月~2010年3月)の経常利益は、前年から大きく伸ばして2000億円を超す上々の利益を上げています。

この不景気の中で2000億円以上の経常利益を上げている上場会社と言えばトヨタや富士写真などを筆頭に日本で100社もありませんし、トップクラスの超優良企業と言って間違いないでしょう。
 
いえ、別に儲けるのが悪いと言っているのではなく、石油会社の狡いところは、以前「原油代の高騰」「円が不安定」などを理由に原油価格と小売価格との差(マージン)を少しずつ引き上げていったことと、環境破壊推進企業の罪滅ぼしなのか、荒稼ぎしたお金を様々な団体や関連会社、その他エコ・環境活動など本業と違う儲かりもしないところに湯水のごとく使っていることです。
 
それは古くからの慣習で所管の役所や認可権限者と出来レースとなっているのでしょう。つまり儲けは役所や高級官僚に割り戻すことが義務づけられていると想像します。

この業界の規制だらけで、純外資系企業やベンチャー企業が新規参入できない構造にして利権を守るためでしょう。
 
ま、これは戦前からある「鉄は国家なり」のイメージと同様に、太平洋戦争の原因でもあり散々苦労した「油の一滴は血の一滴」という政府の方針からして、手厚く保護してやろうという仕方ない面もあるのですが、現在でもまだそれに乗じて甘い汁を吸い続けている人達が多くいることも見逃せません。
 
中でも最大級の業界団体の石油連盟や全石連に、数多くの通産官僚が天下っていますが、その他にも関連団体は数え切れないほどあり、一例では社団法人(全国石油協会、石油学会、日本ガス石油機器工業会、日本計量機器工業連合会、潤滑油協会、日本ガス協会など)や財団法人(石油産業活性化センター、国際石油交流センター、日本エネルギー経済研究所、新エネルギー財団、省エネルギーセンター、全国危険物安全協会、エルピーガス振興センター、化学技術戦略推進機構など)、独立行政法人(石油天然ガス・金属鉱物資源機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構、産業技術総合研究所など)、その他任意のわけのわからない団体があり、経産省の天下り先は相当数にのぼるでしょう。
 
さらに上記のように明らかに石油やエネルギーという名称がつかなくとも、環境やエコロジー、貿易、船舶、化学、輸送、計量、電力、アラブ、中東関連に関連している団体や会社とはなんらかの関係がありそうです。
 
・・・
 
2010年度は昨年度と比べると大きく円高に振れ、原油高は比較的安定しています。下手をすると日本企業の中でトップクラスの利益が出てしまうのではないかと思いますが、そこはうまく赤字部門と調整をおこない、また様々な環境問題を唄う天下り団体等に支出して消してしまうのでしょう。
 
次に、原油がマネーゲームの一環として原油価格に与えるインパクトが大きいのは誰もが知っています。

そしてそれを知っているだけに原油代が騰がれば市場価格を同様に騰げることが容易に可能ですし、騰がったからと言って買わずに済ませられるような贅沢品ではありません。

つまりどちらに転んでも決して損はしないのが石油会社なのです。原油価格と市場価格とを並べてグラフ化すれば見事にその釣り合いが取れています。企業努力なんていう言葉はこの業界にはありません。
(画像をクリックで拡大) 
gas01.jpg
 
ただ将来的に20年とか30年とかの長いスパンで見ると、やがてガソリンの消費量は確実に落ちていくことになるでしょうし、大きな油田開発が難しく、環境破壊問題もあり、舵取りは今までよりもずっと難しくなるでしょう。
 
しかし残念ながら、自分達で考えることをやめてしまい、官僚や業界団体の言いなりで、長年我が世の春を謳歌してきた石油会社に、国際競争という幕が下ろされ、国からの手厚い支援がなくなれば、明るい未来が訪れることは決してないでしょう。
 


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