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「団塊の世代」で有名な元通産省官僚堺屋太一の小説「平成30年」では、平成30年(2018年)にやってくる世界でも例を見たことがない超高齢化社会を迎える日本の姿が書かれています。
 
その中でも印象的だったのが、若者不足によって自衛隊の入隊者が激減し、やむなく中高年者をも受け入れざるを得なくなり、民間企業側もちょうど持てあましていた多くの中高年者を自衛隊へ出すことで、両者がうまく連携できる姿がおもしろおかしく描かれていました。
 
読んだのが6年ぐらい前なので正確ではないですが、ある民間企業から何名かの社員が自衛隊にやってきて、階級は同じでも会社での上下関係は当然に生きていて、部下は上司を労りつつ訓練に励みますが、そこはやはり中高年者には厳しい訓練が待ち受けています。
 
しかし小銃は体力のない中高年向けに極めて小型軽量化されていたり、食事も減塩食や中高年者の多くが罹っている持病に合わせたものが準備されているといういたせりつくせりなのです。
 
ちなみに、今から8年後2018年の日本の姿と言えば、65歳人口が全人口の30%近く(29%)、60歳以上はなんと35%になるだろうという統計(出生が低位、死亡も低位の場合)があります。さらに今から30年後(2040年)には全人口の40%が65歳以上(60歳以上が46%)というあまり想像はしたくない(私は生きてはいないと思うので関係ないのですが)状況です。
 
一方、自衛官の定員数は、平成22年度で24.8万人、昭和30年代からほぼ25万人ぐらいでここ50年間ずっと変化がありません。それに対して実員数は23万人ですから、充足率は92.7%、定員からの不足数は1.8万人ということになります。意外と充足率は高いのではないかと思います。また社会人が入隊する場合の「曹」として入隊する年齢条件は現在のところ26歳までとなっています。
 
平成8年、橋本龍太郎首相の下、まだ自民党政権が元気だった頃は、自衛隊の定員数はやや多くて27万人を超えていましたがこの不況下で毎年定員数(≒人件費予算)は削減される傾向にあります。よく不景気になると入隊者が増えると言いますが、最近はどうなのでしょう。
 
共産党始め野党は「国防予算を削減し、福祉や教育へ回そう」と、一見耳に心地いい主張をおこないます。しかし本当にこの不況で就職できない人が国中にあふれかえってくると、福祉や教育ではまかなえる労働力は特殊な能力や資格を持っている人だけで、極めて少数だと言うことがわかります。
 
それよりも陸海空数万人単位で防衛省が1~2年単位で雇い、各種の基礎訓練と社会に出てからも役立つ各種の資格取得を支援していけば、真面目に働きたい人、資格を取りたい人、どうしても収入が必要な人、行き場のない人達をとりあえずすぐに救えるのではないかと思います。
 
そんな何万人も多くの人件費はないと思われますが、元々定員(≒予算を取っている数)に1.8万人少ないのと、米軍へ支出しているほとんど根拠のない2000億円の思いやり予算の半分1000億円を米軍に代わって自衛隊へ移せば年間500万円×2万人が新たに雇えます。
 
そしてもちろん入隊条件に年齢制限など設けるべきではなく、基本訓練は別として、30歳の隊員には30歳の、60歳の隊員には60歳の訓練や仕事が設定されなくてはいけません。かと言って当然ですが規律や教育指導は従来通り厳しくおこなわれ、真面目で職務に忠実な人以外は居続けられません。
 
現在の国防にはもはやエキスパートの戦闘員以外は小銃を担いで行軍や匍匐前進することも、カッター漕ぎや遠泳も必須条件ではありません。例えば昨今自衛隊の重要な任務になっている災害救援では、体力勝負の力仕事以外に車両運搬、重機オペレーター、物流管理、通信、医療、介護、行政、建設土木、カウンセラー、ボランティア管理、会計、調理師、問い合わせ対応、報道機関対応など体力のない高齢者でも可能な業務がいくらでもあります。逆に若く世間知らずなプロパー自衛官よりスムーズにことが運ぶことも多いでしょう。
 
この不況を耐えてしのぐためにも、今すぐ、自衛隊の入隊条件を大幅に緩和し、老若男女できるだけ多くの失業者を受け入れられるよう国は対策をすべきではないかと思うのです。
 
それがやがて来る超々高齢化社会に適応した世界で初めての国防のあり方となっていくのですが、残念なことに今の日本では自衛隊や国防という言葉に敏感に嫌悪感を感じてしまう世代が、まだまだ多く実現は難しいかも知れません。




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