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クイズです。近所で火事が起き、その火事が延焼して自分の家が燃えたり、消防車の放水により重大な被害を受けた時、火事の原因を作った人に住宅や使えなくなった家財の損害賠償を請求できるでしょうか?下の3つから選べ。

(1)火元の人に賠償請求できる
(2)火元の人の重過失であれば賠償請求できる
(3)賠償請求はできない

答えは、(2)の放火など火元に重大な過失や責任がある場合のみ請求できるということですが、その場合でも現実的には火元の人は亡くなっていたり、火事で大きな借金を背負ったりして、現実的に損害賠償金が支払われることはまずないようです。請求する権利があっても、自己破産したり、ない袖はふれないと実際的に支払われなければどうしようもなく、結果は(3)と同じ事になります。

民法709条では「故意または過失によって他人の権利を侵害したる者はこれによって生じたる損害を賠償する責めに任ず」と
「他人に迷惑をかけたら損害賠償しなさい」と書かれています。

しかし、失火の責任に関する法律(略称:失火責任法あるいは失火法)で、「民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用せず。但し失火者に重大なる過失ありたるときはこの限りにあらず」と書かれていて、自分で放火するなど重過失の場合を除き、賠償責任は負わないと定められています。揚げもの中に服やカーテンに燃え移ったとか、故意ではなくストーブを倒して火事になったとかでは重過失とはなりません。

つまりどういうことかと言うと、

隣家で火事が起き、我が家(家も家財も)がもし全焼してしまった場合、ほとんどの場合、焼け落ちた家の取り壊しや整地、建て替え、家具・家電の新調など復旧にかかる費用はすべて、被害を被った自分持ちになるってことです。それが新築したばかりの家でもです。

そういうこともあるので、火災保険に入るのは、単に火事を起こした時の備えだけでなく、隣近所から出た火災の類焼に備えておくという意味合いもあります。少し前に書きましたが、周囲の住人が高齢化しているとそのリスクは高くなりなおさらです。

火事と高齢化社会の因果関係 2015/1/17(土)

借家の場合は、火事になると住む家と、家財(家電や家具、衣料など)の多くが使えなくなりますが(通常は大家が加入している火災保険で一定額は補償されるケースが多い)、今まで支払っていた家賃で別の借家を探せば済むので、大きな損害を受けることはほとんどありません。

そういう意味では買わずに借りるという選択はお気楽で賃貸派の大きなメリットのひとつです。もちろん、借家の場合は、通常なら大家が代わりに火災保険に入っていて、その分が毎月支払う家賃の中に含まれているだけとも言えます。

住宅ローンで家を購入している場合は、住宅ローン契約と同時に銀行から強制的に火災保険契約をさせられますが、土地と建物を別々に分けて組んでいる場合、建物部分のローンが終了すると自動的にその火災保険も終了します。なのでまだ住宅ローンを支払っているから火災保険にも入っているハズと思い込んでいると、実は入っていなかったということもありますので注意が必要です。

持ち家(マンション含め)の場合、火事が起きて自宅が焼失したり、放水で大量の水濡れした場合など、火災保険に入っていないと悲惨なことになります。

まず火事のあとの取り壊しや撤去費用、マンションの場合でも被害が大きいと大規模な補修などが発生します。行政が手伝ってくれたり、補助金を支払ってくれたりすることはありません。すべて持ち主の責任と負担でおこなわなければなりません。そして通常の空き家の取り壊しや廃材処理と違って、焼け跡の場合は高額になるそうです。泣きっ面に蜂状態です。

ようやく更地にしたからと言って、すぐに新築できるか、あるいは土地が売却できるかはその土地の場所や条件によって違ってきます。マンションの場合は大規模なリフォームをしなければなりません。

一戸建ての場合、前の家が建てられたときと現在では建築基準法など法律が変わっていることがあります。30年前なら問題なかったけど、現在では建築できないという土地もあるからです。そういう土地は売却しようと思っても簡単ではありません。

建築することは問題がない場合でも、前と同じ広さや建ぺい率で建てられない可能性もあります。都市計画上の地目や建ぺい率の基準が変わっている場合です。道路を拡げるセットバックで建築できる土地が狭まることもあります。

また火災が起きると、けが人や死亡者が出ることがあり、そうした場所や建物は不動産で言うところの事故物件や、物件の嫌悪履歴(心理的瑕疵)として価値が大きく落ちるケースがあります。特にマンションの一室などではそういうケースが多いでしょう。

ただ少なくとも、火事で焼け出された場合、新たに住む場所を自前で確保したいならば最低限の火災保険は必要です。火災などで焼き出された場合、多くの自治体では緊急避難として公営住宅に入居できる制度がありますが、それもたいていは期限付きで半年とか1年間です。すぐに必要な家財道具の購入資金や、その後の借家探し、引っ越し費用などにまとまったお金がかかります。

特にローンも終わった築40年とか50年とかの古い家になると、もう家の価値はないからと火災保険に加入しない人が多いようです。でも現在の家屋に価値がなくとも、もし消失したときに、後始末をしなければならないのと、もし同じ場所で住み続けたいのであれば、再建と家財道具を購入するためのお金が必要になるのでやはり火災保険は必要になるでしょう。

つまり、マイカーを運転するときに強制保険だけでなく任意保険にも加入するのが当たり前なのと同様、持ち家の場合は火災保険に加入しておかなければ、万一の時たいへんなことになると、最近、近所で火事が頻発しているのを見るにつけ思った次第です。


【関連リンク】
888 火事と高齢化社会の因果関係
876 介護にまつわるあれこれ
595 震災など非常時の備え その2
594 震災など非常時の備え その1
467 見過ごせない自賠責保険料の大幅値上げ







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