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本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 原田マハ

2006年に「カフーを待ちわびて」でデビューした著者の2010年発表の小説です。

私はこの著者の作品を読むのはこれが初めてですが、すでに2012年の作品で山本周五郎賞を受賞、直木賞にもノミネートされて評価の高い「楽園のカンヴァス」はもう手に入れてます。

著者は現在はフリーの美術品キュレーターの仕事をしつつ執筆ということのようですが、当然にそうした美術工芸品等をテーマにした作品が上記の「楽園のカンヴァス」など多そうです。

今回の作品はそうしたキュレーターの仕事とは関係がなく、スピーチライターという珍しい職業がテーマです。

スピーチライターというと有名なのはアメリカ大統領(候補)が演説をする際に、心に響くメッセージをちりばめて演説を聴いた人に感動を与えるスピーチ原稿を作成する人というのでしょうか、日本においても政治家や著名企業のトップなど、専門のスピーチライターを置いているケースがあるようです。

一種ゴーストライターと同様、裏方に徹する仕事ですから、作家やコピーライターのように陽の目を見ることはまずありません。

主人公は製菓会社のOLで、友人の結婚式に出席しますが、そこで人の退屈なスピーチ中に大きな失態をしてしまいます。その式場で知り合った伝説のスピーチライターに出会い、感動を与えるスピーチを教わっていくことになります。

幼なじみで憧れていた男性が親の遺志を継いで代議士に立候補することとなり、勤めていた会社を辞めて、本気でスピーチライターとして転身していくという女性の転職立身出世物語というべきものでしょうか。ま、話し的にはライトな小説ですから大甘で現実感はまったく感じられませんが、、、

最近は「お仕事小説」というジャンルができるぐらい、こうしたあまり陽があたらず知られていない職業を紹介して興味を引いてもらうという作品が次々と出てきています。ニーズもあり、また興味を持ってもらいたいという要望もあったりして取材もしやすいのでしょう。

今なら最高に人手が不足している介護業界や保育業界において、キツイ、汚い、給料安いの3Kを打ち破り、夢のシンデレラになれるような素敵なお仕事小説を待ちわびていることでしょう。

「お仕事小説」で有名なところでは、「和菓子のアン(和菓子屋)」坂木司、「あぽやん (旅行会社空港カウンター)」新野剛志、「神去なあなあ日常(林業)」「舟を編む(出版社編集部)」三浦しをん、「県庁おもてなし課(役所観光課)」「空飛ぶ広報室(自衛隊広報室)」有川浩、「鎮火報(消防署員)」日月恩などがあります。そのほか、作家や銀行員、医者、警察官を主人公にした小説は星の数ほどあります。

これからも人手不足の折、こうしたお仕事小説でブレークするなら、有名な作家さんにお金を出してでも「書いて欲しい!」っていう業界団体などが出てきても不思議ではありませんね。まずは人材不足の介護業界、保育業界、建設労働者組合、飲食店従業員組合、旅館業界などからやってみてはどうでしょう。

★☆☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)) ジェイムズ・P・ホーガン

すっかりこのSFに虜となった「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」の続編で1981年に出版されました。

物語は複雑で、なかなかちゃんと理解できていない部分もありますが、大雑把に書けば、

星を継ぐもの
近未来、人類が太陽系の惑星を探検するようになってから、月面の裏の洞窟に、5万年前のものと思われる宇宙服を着た人間の遺体を発見。また木星の周囲を回るガニメデという衛星で、2千500万年前のものと思われる宇宙船を発見します。その月面の人類と木星の宇宙船とはどういう関連があるのか?月はどうして地球の衛星となったのかという謎を解いていきます。

ガニメデの優しい巨人
2500万年前には太陽系にミネルバという惑星があり、その惑星の痕跡として残るのが、木星の衛星ガニメデだということが推測されます。そこで発見された宇宙船からは巨大な知的生物の痕跡と、地球の生物のサンプルが見つかります。それを調べているところに、突然巨大な宇宙船が冥王星の彼方からミネルバが元々あった場所へとやってきます。人類初の異星人との遭遇です。
高度に発達した異星人とコンタクトをとり、お互いに敵意がないことを確認し、宇宙船を地球へ招待します。この宇宙船は、2500万年前に木星近くにあったミネルバから移住先の調査のため飛び立った宇宙船で、途中で故障して宇宙をさまよった結果、宇宙の時差の関係で、地球の時間で20年後に戻ってみると2500万年が過ぎ去っていて、すでに飛び立った母星ミネルバは破壊されなくなっていたということです。
人類はこの優れた技術をもった異星人を歓迎しますが、修理を終えた宇宙船はわずかな可能性にかけ、2500万年前に祖先が移住したと思われる星へ向かうことになります。

そして、今回のストーリーは、2500万年前に破壊される前のミネルバから移住した先、テュリオスが舞台となります。「ガニメデの優しい巨人」で地球人と出会ったガニメデ人は祖先が住むと思われる星、テュリオスへ向かい、無事到達することができます。

一方そのテュリオスのテューリアンからも地球へメッセージが届けられ、使者が送られますが、国連もテュリオス人もなにか問題を抱えている謎が深まります。その地球人とテューリアンとの遠い祖先に関わる根深い問題とは、、、って感じです。

こうして3話を読み終えると、想像を超える壮大な宇宙ドラマが展開され、丁寧に読んでいないせいか所々は不明なこともありますが、それはさておきガンダムシリーズや宇宙戦艦ヤマトなどとも共通する良質なSFという理解です。

この後、「内なる宇宙」がさらに続きますが、少し今はお腹がいっぱいなので、少し時間をおいてからにします。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書) 高橋源一郎

朝日新聞に連載された「論壇時評」の2011年4月から2015年3月をまとめたものです。

連載開始が2011年4月というのがポイントで、あの東日本大震災及び福島原発事故により、日本の社会、政治、生活、価値観が大きく変わったターニングポイントと何年か先にはきっと語られるようになるであろう、そのまっただ中に、やや左寄りとは言われているものの、そこは世界でも有数の発行部数を誇っている朝日新聞紙上で、慰安婦問題など同紙への批判も含めたエッセイ的な内容で、気楽に読めます。

話しの中心にははやりそのときのご時世から「原発問題」が中心で度々登場してきます。ただ、発言や書籍等を引用している人が、個人的には嫌悪している低俗というか信頼の置けない人が多いというのが率直な私の感想です。

また朝日新聞を批判している文章もあれば、朝日新聞となにか歩調を合わせているなぁって思える左巻きな思想もチラホラと出現し、やっぱり根っからの朝日新聞読者が賛同する内容なのだろうなぁて思われます。

そういう私自身も小学生の頃から、朝日新聞一色で(大学時代に地方新聞や日経新聞、社会人になってから、1年間の名古屋勤務時代には中日新聞がメインとなった事はありますが)、根っからの朝日新聞派だと思っていましたが、どうも本書を読んでいると、これらの文章が若い人向けに書かれている印象があり、違和感がつきまといます。

朝日党に違和感を感じさせるというのが狙いだったのかもしれませんが、残念ながら新聞、しかもテレビ欄やスポーツ面ではなく、こうした「論壇時評」まで熟読している人は、もう高齢者以外考えられず、ちょっと狙いが違っていないか?って気もします。でもまぁ、いいこともいっぱい書かれていて面白く読めました。

少し前から「意識高い系」という言葉が広まっていますが、いつの時代にもそういう人達はいて、さしずめ1990年代にこの著者の本を並べていた人なんかはそれに近いものがあるでしょう。今ならホリエモンやちきりん、荻上チキ、古市憲寿などの著書を並べている人ということでしょう。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

戦艦大和 (角川文庫) 角川文庫 吉田満

この戦記は、戦後まもなく吉川英治の勧めで執筆され、1946年に雑誌に掲載される予定だったのが、GHQの検閲で出版ができず、1951年のサンフランシスコ講和条約後の1952年になってようやく出版ができたという「戦艦大和ノ最期」を元としています。

当初はノンフィクションだと思っていましたが、生き残った他人に聞いた話や、著者の推測や想像で書かれた部分も混じっているようで、公式にはノンフィクションではなく戦記文学のジャンルに入るようです。

著者は東京帝大在校中に学徒出陣で戦艦大和に乗艦し、刀折れ矢尽きた日本帝国が決めた無謀な沖縄特攻作戦「天一号作戦」に臨むこととなり、壮絶な大和の撃沈とともに海に投げ出され、その後奇跡的に救われ帰還した数少ないひとりです。

内容は、淡々と出撃に至った状況と、最後の帝国海軍の艦隊として出航後まもなく暫時攻撃に遭い、次々と仲間を失い、大和が沈むと判明した後には艦隊の司令長官でもある大和艦長は沖縄への特攻指令を中止し、帰還する命令を出して艦長室に入っていったことなど、艦橋近くにいた著者でなければわからない艦内の状況が描かれます。

もしその時艦隊司令長官から特攻の中止命令が出されていなかったら、戦闘で生き残った数隻の巡洋艦や駆逐艦は救助した大和の乗組員を乗せたまま、沖縄への特攻が継続され、全員が亡くなっていたかも知れません。

米軍から何十回と空からの反復攻撃を受け、大和の傾きが限界まで達し、著者他多くの乗員は海に放り出され、巨大なスクリューに巻き込まれそうになりながらも、生き残って海面に浮き出ます。

海に浮かぶ大量の重油にまみれ、鱶(ふか)に襲われ、力尽きて沈んでいく同僚達を見ながら、やがては自分も海の藻屑に消えるものと確信していたら、近くに傷つきながらも持ちこたえた駆逐艦に救われます。

ただそのシーンでも、部下を海から艦へ押しあげて、自分は力尽きて見えなくなってしまう上官や、すでに救助者で満員となった救援ボート(内火艇)に群がってくる大和の乗員達を、ボートが転覆しないようにするため軍刀で切りつけるという悲惨なことがおこなわれます。

情景を思いながら読んでいると、涙なくして読めないです。

その貴重な実体験に基づく戦記とともに、この作品が戦後GHQや評論家に思わぬ妨害や非難を受けることになった話しや、その後出版にこぎ着けるまでの経緯など、散文が付け加えられています。

若い人はこうした過去の追い詰められた日本の汚点とも言える特攻を、国や愛する人のために命を捧げるという美点としか見ない人もいるでしょうから、どれほど多くの人が召集令状1枚で無駄死にをし、その家族が苦渋の涙を流したことか、この作品を読むことで多少は考えさせられるでしょう。

まもなく、なにも成すことなく死んでいく中高年(私のことです)ではなく、これからなんでもできるし、大きな事を成すこともまだできる若い人にぜひ読んでもらいたい作品です。

★★★


【関連リンク】
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