リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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来年度の予算が少しずつ見えてきましたが、消費税も上がり、景気の先行きを左右しかねない重要な予算編成になることは間違いなさそうです。
その中でも私が注目するのはやはり労働・雇用関連予算で、その使い方をみると政府や国がなにをしたがっているのかが漠然とながら見えてきます。
厚生労働省はアベノミクスの成長戦略に乗じ、大幅な雇用関連予算をぶんどるつもりで、さらに経済(雇用)特区構想なども相まって、今年は「解雇」と「再就職」の話題が多くなりそうです。
雇用調整助成金は、経営が厳しくなった企業が社員を解雇せず、休業などの形で雇用し続けた場合に支給されるもので、一昨年2012年度は1134億円が支給されましたが、この予算を来年度545億円と半減させるようです。つまりつぶれそうな会社(穴の空いたバケツ)に、一時しのぎのために、税金を湯水のごとくつぎ込んでも無意味だとようやくわかってきたようです。それでもまだ500億円以上残っているわけですが。
そして転職支援など「労働移動支援助成金」は、一昨年がわずか2億4000万円だったのを一気に10倍増させて301億円を要求に盛り込みます。10倍増しても前述の雇用調整助成金には及びませんが、ないよりはマシってところでしょうか。
この「労働移動支援助成金」ですが、「雇用調整助成金」とは対になっているとも考えられます。つまり「雇用調整助成金」を減らして解雇を勧め、その解雇された人が再就職するための支援に使われるものとされ、主として民間の人材紹介事業者や再就職支援事業者などにばらまかれるものと思われます。
リーマンショック以降、体感的には1/10の規模に縮小してしまった人材紹介ビジネスですが(実際は数十%ダウン)、これで息を吹き返せるか見物です。
人材紹介ビジネスの2012年度の売上規模は1150億円、再就職支援ビジネスが310億円と言われています。
全体では2013年度は2012年度よりも多少伸びているようで(紹介で10%程度、再就職支援はマイナス10%)、さらに来年度予算で300億円がつぎ込まれると、単純に足し算だけでなく、その何割か増しの成果を求められるはずです。例によって国がつける予算の中には官僚天下り法人向けの中抜き分があるでしょうけれど、それは除いてです。
1270+280=1550億円・・・2013年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(矢野経済研究所)
(1550+310)×1.1=2046億円・・・2014年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(筆者の勘)
仮定の話しですが、助成金で弾みが付き人材紹介と再就職支援がそれぞれに助成金を含めて1割以上伸びるとすれば合計が2046億円となり、リーマンショック前の2007年度両ビジネス売上合計1710億円を軽く超えていきます。
一見すると2000年代前半のように、転職ブームが起き、再び人材コンサルタントの出番が多くなりそうにも思えますが、果たして中途入社の社員を積極的に求める会社がそこまで増えるのか?という疑問がぬぐいきれません。紹介業が潤うためには求人する企業と求職する人の双方が相当数必要です。そこがマッチングの難しさです。
結局は、先行き不透明感から企業の採用抑制は続き、派遣やパートアルバイト、契約社員といった非正規社員ばかりが伸びて、紹介会社や再就職支援会社にはほとんど恩恵がなかったという結果もありそうです。
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572 転職のキモは履歴書だ
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525 転職にSNSは有効なのか?
452 中高年者の雇用問題と非正規雇用問題
407 私のリストラ激闘記
335 中高年の転職とは?
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一方では従業員が1000人以上の大企業では22%ということです。1000人以上の大企業と5人未満の零細企業とでは3年以内に退職する人の割合は3倍近くの開きがあるとの結果です。
また新卒3年以内の離職率が高い業種として、宿泊業・飲食サービス業が51%、教育・学習支援業が49%、医療・福祉が38%となっていてサービス業関連は全体平均の31%を上回る結果となっています。
サービス業は一般的に製造業や建設業、流通業などと比べると中小零細企業が多いのでそのような結果でも特に驚きません。どうせ業種で比較するなら規模が同じところの比較があるといいのですが、全体での比較だとこの数値だけでは判断ができません。
大企業に入社した新人は、中小零細企業へ入社するより安定した勤務と収入が得られるということで、これが私が繰り返し言う「コメンテーターや識者が公に言う嘘に惑わされず、まず大企業を目指すべき」最大の理由です。
「大学卒業しての就職で中小零細企業に入る人は、みんな我慢や能力が足りないだけだろ?」と言われそうですが、もちろんそんなことはありません。
中には大企業に入れるだけの能力や才能がありながら、意図して中小零細企業に入る人もいますが、多くの場合運悪く採用試験の成績で落ちたり、それ以前に出身校でダメだしされていたり、有力なコネがなかったり、あるいは最初からあきらめて中小零細に活路を見出した人達です。
社会人としてのスタート時点では、テストの成績や出身大学がものを言う時代でもなく個人の潜在能力に大きな差などありません。
大企業なら数十人、数百人の採用をおこない、すぐに戦力とならなくても余裕があります。しかし中小零細企業はそうはいきません。1日でも早く新人を戦力化しなければ、それだけコストと先輩社員の負担が増えて困ります。
つまり新人の戦力化に期待する要求度は大企業より中小企業のほうがずっと高く、大企業よりも早く仕事を覚えさせて実戦に投入されます。それはそれでやる気のある人にとっては決して悪いことばかりではないでしょう。
しかし決定的に違うのは、新人に対して早くから企業に多大な貢献を要求をする中小零細企業と、入社数年間は勉強期間と割り切れる大企業とで、そこに大きな差が出てしまいます。
厚労省はこの結果だけをみて「中小企業では採用と雇用のミスマッチが起きている」と判断していますが、大企業並みかそれ以上の待遇や条件の厚労省など中央機関にいる人や中小企業で働いた経験もない学者先生には、中小零細企業の採用と雇用の実態などわかるわけもなく、分析などできないでしょう。
これは「雇用のミスマッチ」などではなく、大企業と中小零細企業の(給料など)待遇、勤務条件、教育、福利厚生、要求事項の違いで、安い給料で深夜までサービス残業当たり前、土日も出勤、労基法など関係なし、研修などなく、すべて仕事は自分で考えろ的な多くの中小零細企業で、さらにその上終身雇用が壊れてきたことも加わり退職率が上がるのは極めて当たり前のことです。
要は大企業に入社した有能な人がその中小零細企業へ来たとしても同じことで、マッチングではなく、すべては勤務先において、社員を大切にし長い目で人を育てていく環境にあるかないかという伝統であり社風であり、それを許すことができる余裕があるかないかなのです。
逆に言えば従業員が1000人以上の大企業でも22%が3年以内に辞めているというのは、昭和感覚で言えばまったく驚くべき数値で、30年前なら考えられないことでしょう。それだけ今の大企業も、中小企業並みに経営環境、労働情勢の厳しさが増し、新人に対して手厚くサポートができなくなってきている証左かもしれません。
新人が3年以内に退職するのは、30年前と比べると新卒入社数年で再就職をする第2新卒市場が整ってきたことも関係していると思われます。しかし私に言わせると、せっかく苦労して大企業に就職しておきながら、3年未満で転職すれば、今までよりも環境悪化が確実の中小企業や非正規雇用の道しかありません。
その不合理と将来にわたる不利な条件となることをまだ社会人になって2~3年の若者では理解ができないのでしょう。有川浩氏著の小説「フリーター、家を買う。
大企業に勤めたら、嫌なことがあっても転職してはいけないと言っているのではありません。
大企業には様々な自分が成長できる研修機会や大企業同士の有能な人達と知り合いになれる場があります。留学や資格を取るための補助や支援制度だってあります。
そういった中小企業では得られない経験や人脈、資格を一通り得てしまえば、あとは本人のやりたいこと、目指すことを自由にやればいいのです。そのためには最低でも5年、できれば10年は大企業に居座るのがいいでしょう。
社会で活躍している多くの有名人達の多くは、その略歴を見ると学校卒業後、最初はだいたい大手企業や中央官庁に勤めています。
それをみれば明らかなのですが、そういう新卒即大企業就職組から学生に向けて発せられる「やる気があるなら中小企業を目指せ!」という言葉はどうしてもうさん臭く聞こえてしまうのです。
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717 非正規から正規雇用への転換策
710 40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ
714 離職率が高いことは悪ですか?
703 労働契約法改正で非正規雇用者は幸せになれるか
697 非正規雇用拡大の元凶が人材派遣だって?
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以前書いた「40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ」の続編にあたります。
その時には「正社員の解雇規制を緩和するのには反対で、逆にもっと解雇規制強化すべし」と書きましたが、ではどうすればその正社員(=無期限の正規雇用)を増やすことが出来るのか?という問題について考えてみました。
まず、非正規雇用の中身を復習してみましょう。
2010年のデータでは、正社員3,355万人に対して非正規雇用は1,755万人で就業者全体の34.3%を占めていることになります。
この非正規雇用の中身を見てみると、パート847万名(非正規全体に占める割合48.3%)、アルバイト345万人(同19.7%)、派遣社員96万人(同5.5%)、契約社員・嘱託330万人(同18.8%)、その他137万人(同7.8%)です。
一般論から言えば、パートやアルバイトの大半を占めるのは、フルタイムで勤務ができなかったり、勤務地が限定されたり、長期間の勤務ができない人達でしょう。
例えば育児や介護のため働ける時間や曜日に制限がある主婦(夫)、学校へ行きながら空いた時間にアルバイトをする学生、劇団の練習や司法試験受験のため出勤が比較的自由な仕事しかできない人、様々な理由から住んでいるところから離れられない人などなど。
そういう人達(非正規雇用の68%)は果たして本当に正社員(フルタイム勤務、残業・休日出勤あり、転勤あり、合宿研修あり、会社行事参加必須、職種や部署変更ありetc.)の仕事を望んでいるでしょうか?
それでも統計データ等を見ると(意外にも)半数近くが「正社員になりたい」と回答しています(内閣府国民生活白書)。しかし実際に正社員になるための諸条件(勤務時間、残業、転勤、仕事内容の変更など)を認識して覚悟をした上でのことなのかと言えばたぶんそうではないでしょう。学生のアルバイトが学校をやめて飲食店の正社員になりたいと思っているとは考えにくいです。
もちろんパート・アルバイト就労している人の中には、正社員となって残業、転勤上等、ガンガン働きたいし、すでに正社員よりも働いているという人もいるでしょう。
しかし実際には統計の聞き方が「パートやアルバイトのままがいいか、正社員になりたいか」であれば、思い浮かぶのは「仕事はいまと同じで給与や福利の待遇だけ正社員と同じがいいか」という現実ではあり得ない回答を引き出す質問ではなかったのではと推察します。ちょっとうがった見方でしょうか?
次に派遣社員、契約社員・嘱託の非正規雇用の人達はというと、長期で働く派遣社員や契約社員は、不況時にはかなりの割合で正社員志向が強いことが予想されます。逆に好況時になると、派遣社員の中で正社員になりたい人の割合は一気に下がる傾向があります。
それは派遣で働く人にとっての大きなデメリットが仕事が切れてしまうととたんに収入がなくなるということだからです。それ以外では派遣で働くメリットもあり、好景気で仕事が次々ありさえすればそのような問題は起きにくいのです。
しかし最近急増している嘱託はどうでしょう?一般的に嘱託というのは、定年後にその後も働いてもらうために作られた制度と言ってもいいでしょう。
特に今年度から高年齢者雇用安定法が改正され、定年後65才までの雇用が企業に(段階的に)義務づけられることになりました。その先取りとして、60才以降、嘱託になって働く人がここ数年で急増しています。その嘱託の人達が、現役時代と同じように残業や転勤もいとわずガンガン働く正社員になりたいかというと、多くはそうは思えません。
さて、ここまでで非正規雇用の実態が少しだけ明らかになってきたので、正社員への道を考えてみたいと思います。
企業からすると、非正規雇用を採用するのは、
1)定型業務や単純作業など軽作業はできるだけコストを抑えたい
2)景気の影響で業務量が上下するのでその緩衝役として
3)季節要因で業務量が上下するのでその緩衝役として
4)正社員は基本幹部候補生という考え
5)まず非正規雇用で働きぶりをみてから正社員に登用する(採用の一手段)
6)期限が決まっている仕事をこなすため
などが考えられます。
2)や3)6)のような業務量や期限の関係で一時的に補充しなければならないケースはさておき、それ以外では、問題点を解決してあげれば非正規雇用を採用する理由はなくなります。
例えば1)の単純作業や軽作業ですが、正社員の採用において何種類かのパターンが用意されていて、それによって採用条件を違えても合法とすると、今まではアルバイトで採用していた人を正社員として採用と言うことが可能でしょう。
つまりわざわざ本社と工場で別会社や子会社にしたり、雇用形態を変えて非正規社員を採用するのではなく、ひとつの会社の正社員というくくりの中に、いくつもの職制とキャリアパスがあり、それを選択して採用試験や昇進試験を受けるというもの。
昔あった一般職と総合職、国家公務員のキャリアとノンキャリアのようなもので、それをもっと細かく分類します。
当然幹部候補生となる経営職と軽作業が中心の業務職では、入社採用試験時の条件(例えば経営職は大卒以上&TOEIC700点以上とか)や、試験の難易度や条件、入社してから与えられる業務量、研修時間、勤務時間、その他転勤や出向などの諸条件も違ってきます。
当然支払われる賃金や昇給率も違ってきます。単純労働の場合は、アルバイトとそう変わらない給料で年功制度もなく昇級もほとんどありません。しかし双方とも解雇規制があり、福利厚生や有給休暇制度など正社員としての扱いはどの職でも同じです。
そうなるとおそらく社内の中に入社時のクラス(階級)がハッキリと分かれてしまい、それなりの弊害もあるでしょうけど、それは現在のアルバイトや派遣社員と正社員との格差を比べればまだマシに思えるはずです。
そして入社時に一度決まったクラスでも、入社後に入れ替わることも想定しておきます。
例えば幹部候補クラスで入ったけど、病気になりストレスの溜まる激務から、単純労働へ移りたいという希望をすれば変更でき、その逆で軽作業業務で採用された人が抜群のリーダーシップを持ち、数々の改善提案を成功させ、認められて一定の条件と社内試験をクリアすれば、マネジメントクラスや幹部クラスへ抜擢されることも可能とします。
そういう制度を義務づけ、入社時の条件と選択がすべてではないようにします。
おそらく労働組合などからは、平等の精神に反するなど反対意見も多そうですが、ひとつの企業内でも様々な職種や場所がある中で、労働条件や賃金、ベースアップが一律同じというほうがおかしな話しで、すでに有名無実化している年功序列を完全になくすのであれば、せめて実力主義、成果主義にして、それを職能給として賃金に反映すべきでしょう。
5)の採用の一手段として非正規雇用を利用するケースも増えていますが、企業側からするとせっかく非正規雇用を正社員にしようとしているのに、それを禁止されるのではあまりにも理不尽です。
ただ言えるのは数ヶ月のアルバイトや契約社員だった時には有能であっても、正社員に登用したとたん?という人が経験上少なくなかったことです。
正社員になるというのがモチベーションの人は、それが達成されてしまうと、いきなりそれに安住してしまい普通の凡人になってしまうことがよくあります。
つまり非正規社員の働きはあまり参考にならないというのが実感です。自ら考え自主的に動くことが多い正社員に求められる資質と、基本は指示された範囲の中で動く非正規社員に求められるそれとが違うこともひとつの要因です。
正社員となると通常は数年間ではなく、何十年間と長いつき合いになるわけで、その間ずっと全速力で走り続けられるかというとそれも無理な話しです。
逆に入社時はあまりパッとしなくても、十年後、二十年後に大活躍し会社の危機を救う社員が出てくることがあるのはドラマだけでなく実話を元にした「プロジェクトX」によく登場していました。
つまり、正社員の試用期間の代わりにと非正規雇用を長くやったところで、それでは才能を見抜くことはできないということを論理的にまた事例をもって証明し、そのような採用手法を採るところが(主としてワンマン経営の中小企業)減るでしょう。どうしてもという場合は、派遣で紹介予定派遣というのがあり、それをうまく活用すればいいのです。
ユニクロが始めた地域限定社員のような制度を政府も検討を始めたようです。
果たしてそれがどのようなものかはまだわかりませんが、なにか解雇規制の緩和とセットで論じられているところが嫌な雰囲気です。つまり「(中高年や病気がちな)正社員をどんどん解雇して、その代わりに地域限定社員を安く雇えば企業はお得です」的な。
ま、議論が始まったのはいいことなので、しばらくその様子をウォッチするしかないですね。
【関連リンク】
697 非正規雇用拡大の元凶が人材派遣だって?
683 退職勧奨・強要にあった場合の対処法
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求人倍率とは1つの求人に対して何人の求職希望者がいるかという指標(求人数/求職者)ですが、一般的には求職者より求人数のほうが多い(1.0に近いかそれ以上)と経済に活気があり景気がよいと判断できます。
その中で、有効求人倍率が先の1月で3ヶ月連続上昇となり、ようやく5年前のリーマンショック以前の水準(0.85)に戻りました(2月も横ばいで0.85)。
求人倍率には(1)新規求人倍率と(2)有効求人倍率の二つがよく使われますが、違いは(1)の新規求人倍率は計測する月に新たに入る求人と求職者だけに限定した割合ですが、(2)の有効求人倍率は前月から繰り越された(決まらなかった)求人や求職者を含むトータルの割合ということになります。
(1)の新規求人倍率は季節要因や一時的な求人要請(震災復興や大きなイベントなど)などにも影響されやすいので、一般的に(2)の有効求人倍率を見るほうが景気動向の参考になります。
また(1)(2)とも新規の学卒者は含まず、統計では求人・求職者ともパートを含むか含まないかのデータに分かれます。つまり非正規雇用を含むと1.0を超えていても、正規社員の求人/求職者が1.0を下回っていると安定した雇用状況と言えないかもしれません。
1972年から2013年の42年間の1月度分有効求人倍率(パート含む・パート含まない)の推移グラフです。
有効求人倍率が1.0を上回るというのは稀なケースで、過去42年間のうちパート(非正規雇用)を除くと計5年間(1973~74年、1990~92年)だけで、パートを含めても9年間です。
1973~74年の時は、その前年の1972年に首相に指名された田中角栄氏が、列島改造論をぶち上げ、公共事業期待など内需拡大路線へ大きく舵を切った影響が大きかった頃で、1990年は不動産バブル絶頂の時期でした。
職安へ求人を出している多くは人気のない業種や職種、条件で、例えば介護・看護職、販売職、飲食業は年中人不足で、保険や不動産のインセンティブ制の勤務条件の求人はいつも募集しています。
それらの賑やかし求人?を含めると、いつも求人難で求職数を上回っていそうな気がするのですが、上記のように統計からすると1.0を上回ることは滅多になく、ちょっと不思議な感じがします。
求人、特に正社員採用の場合、景気上昇とリアルタイムに連動しているとは言えず、数ヶ月から数年遅れて「儲かったから人を新たに入れよう」「今期は忙しかったから、来期は多めに採用しよう」となるので、時差が発生します。
また地域によっても大きな格差があり、1月の有効求人倍率で見ると復興需要が多い宮城県の1.25に対し、沖縄県は0.46倍と3倍の開きがあります。
労働力人口が漸減している現在なら、65才を越す団塊世代の退職者補充により求人数が増えていっても不思議ではないのですが、それ以上に景気の先行きが不透明で正規社員の採用を抑制し、その代わりにパートなど非正規雇用が中心となっているのでしょう。
あと民主党政権だった3年間はボロカスに言われていますが、2009年夏に政権交代し、まだ自民党とリーマンショックの尻ぬぐいをしていた翌年の2010年までは有効求人倍率が大きく下がり続けたものの、2年目の2011年以降は、東日本大震災の影響がどれほどあったかは不明ですが、大きく改善しV字回復を果たしています。
今後アベノミクスとやらの効果で、有効求人倍率が1.0に近づくことを期待されますが、逆にTPP参加や消費税アップなどの影響により民主党政権が大きく改善させた2011年以降の求人の勢いをそぐようなことだけは避けてもらいたいものです。
もうひとつ完全失業者率というのは全労働者数に対し仕事を求めている(実際に求職活動をおこなっている)人の数の割合で、これも景気を判断する上でよく使われますが、特に国際比較をする場合には、各国での統計の取り方に違いがあったり、国や政治の恣意性が加わる要素もあり、今ひとつ信用がおけなかったりします。
なので、米国が7.9%、ユーロ圏11.9%で日本が4.2%(いずれも2013年1月値)だから「日本がずっと景気がいい」と短絡的には判断ができません。
例えば、日本の統計では「実際に就職活動をおこなっている」というのは、ほぼ雇用保険を受給するために職安を通じ、あるいは職安と関係を持ちながら就職活動をしている人にほぼ限定されます。
雇用保険も切れて、職安とのつながりが薄れ、独力で就職活動をおこなっている人や、本来正社員として就職したいけどいったん生活のためにやむなくパートで働いたり、家業や家事手伝いをしながら就職活動をおこなっている人などは統計上求職者とカウントされません。
そうした潜在的な求職者を統計に加えるとおそらく日本の失業率は数%上昇すると見られています。
これが政治的に活用されるとどうなるかと言うと、政権が代わり景気がよくなったと見せかけようと、厚労省に命じ全国の職安に対して「求職者の基準を厳しく精査せよ」とハッパをかけたとします。
各地の職安ではなかなか就職が決まらない求職者に対して「真剣に職探しをしていないので求職者ではない」と判断し、求職者の統計数から除外され、その結果失業率を押し下げるということができてしまうわけです。
「そんなことあるわけない」と思っている幸せな人も多いと思いますが、厚労省の出先機関の各都道府県労働局、さらにその下にある職業安定所の職員が、誰の顔を見て仕事をしているかを考えれば明かです。
どれだけ求職者のことを考え、役に立ったかというのが評価基準ではなく、上司やさらにその上が期待する数字を出せるかが評価となる以上、恣意的なことがおこなわれても不思議ではありません。一方、民間の就職斡旋業者は就職が決まらなければ1円にもなりませんから、求職者と求人企業のマッチングを必死になって考えます。そこが大きく違う点で公営職安の限界です。
15歳以上の人口の中から、家事、通学、リタイア(定年など)、療養中などの働けない人口を差し引いたものが「労働力人口」で、それが総人口に占める割合「労働力人口比」と、「労働力人口」の中から職は探しているけど働いていない失業中の人を差し引いた「就業者数」が総人口に占める割合「就業率」、それに一般的によく使われる「労働力人口」に占める失業者の割合「完全失業率」を1972年から40年間の推移をグラフにしたのが下記です。
1990年以降「労働力人口比」も「就業率」も大きく下がってきていますが、これは進学率特に高等教育への就学率の上昇、さらには引退した高齢者の増加によるものと考えられます。
つまり1970年代は全国民のうち約63%以上の人が働いていたのに対し、2012年には56%の人しか働いていないということです。
1970年代は専業主婦が当たり前だった時代で、現在は共働きが普通となっているのに関わらず「就業率」が減少しているというのも不思議な実感です。
それでも総人口が増えていれば、「就業率」が下がったとしても就業者の人数(実数)はあまり変わらないのでは?と考えられるので、「労働力人口」「就業者数」をグラフにしてみました。
確かに1998年までは「労働力人口」は増え続けてきましたので、「就業者数」も1990年頃までは順調に増えてきました。ところがその後は緩やかに下降し続けています。
しかも2000年以降「労働力人口」に比べて「就業者数」の下がり方が顕著で、その差分は「失業者数」ということになります。
1973年には労働力人口は5326万人、就業者数5259万名、失業者数68万名だったのが、2012年には労働力人口は6555万名(+1229万名)、就業者数6270万名(+1011万名)、失業者数285万名(+217万名)という状況で、やはり「労働力人口」も「就業者」も率では落ちているものの実数では増えていることがわかります。
過去に労働力人口がもっとも多かったのは、1998年で6793万名、就業者数がもっとも多いのは1997年の6557万名、失業者がもっとも多かったのは2002年で359万名となっています。
少子化は変わらないまま、団塊世代が65歳を過ぎて続々と引退をしていき、今後この労働力人口減少傾向は団塊ジュニア世代が引退する二十数年ぐらいまで続きそうです。
とすると、日本の景気(主として消費活動)はどうなるか?
短期的にはともかく、中長期的で見る限り、国内消費は間違いなく冷え込んでいくことは誰にでもわかりそうです。
【関連リンク】
失業率推移ではなく失業者数推移でみると
失業率統計の話し
棄民政策は日本の伝統か
長期失業者が118万人!
有効求人倍率は改善するのか?
労働力人口から見る日本経済の今後とは
過去最悪の有効求人倍率0.47%は果たして底なのか?
完全失業率とは
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昨年8月に国会で成立し、この4月1日より新しく18条~20条が追加された改正労働契約法がスタートしました。
改正のポイントは、
(1)有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
(2)雇止め法理の法定化
(3)期間の定めのあることによる不合理な労働条件の禁止
です。
わかりやすく言うと、
(1)は、期間を決めた雇用契約(パートや契約社員、派遣社員などの有期労働契約)が更新を繰り返して通算で5年を超えた場合、正社員と同様の期間の定めがない雇用(無期労働契約)に切り替えられる「無期転換権」を得るということです。
「正社員と同様」と書きましたが、雇用条件は一般的には正社員とは違っているはずなので、雇用期間だけが正社員と同様という意味ですが、パートや契約社員用の就業規則が整備されていないと、後々問題になる可能性があります。
具体的には今年4月1日に1年間の有期労働契約を交わして契約社員となり、それが毎年更新され5年後2018年4月1日を超えた時に「無期転換権」が取得でき、その契約社員が希望すれば、それまでの有期労働契約から無期労働契約に変更ができます。
しかし、有期労働契約を結ぶ人の多くは、様々な理由によりパートや契約社員を選択している人が多く、たまたま結果的に5年を超えたから無期労働契約に変更したいかというと、案外それは少数のような気がします。
また無期労働契約だからといって、リストラなど解雇は企業規模に限らず普通に起きていますので、無期労働契約の人が解雇されないわけではありません。
もし本当は正社員を希望しているのに、会社都合で契約社員にしかなれないといった場合「5年間繰り返して働けば、正社員になれる」と思ったら大きな間違いで、上記にも書いたように雇用期間は正社員と同様の無期でも、仕事内容や給料、昇進、昇格などは違いますので注意が必要です。
会社の中にはパートや契約社員から正社員登用制を敷いているところもありますが、まだ少数のうえ、上記の「無期転換権」とは直接関係がありません。
ただ無期労働契約を交わしておくと、ある日突然「今度の契約期間の終了をもって終了してください」という契約期間を理由にした雇用契約終了(雇い止め)がなくなるので、比較的安定した勤務ができるというメリットはあります。
また職場の閉鎖や業務縮小などにより企業都合で解雇される場合は、正社員と同様に、なにかしらの補償が受けられるとか、解雇が合理的な理由でないと判断されると解雇無効となるケースもあります。
派遣会社に登録し、3ヶ月、6ヶ月単位で契約を繰り返して派遣される場合がよくあります。
その場合、ひとつの会社に通算で5年以上派遣されていなくとも、派遣期間がほぼ連続し通算で5年以上派遣され、その間に派遣されていない空白期間が6ヶ月以上なければ、派遣会社に対してこの「無期転換権」が得られます。決して派遣先の会社へ正社員待遇で入れるという意味ではありません。
ただ派遣会社によっては、派遣社員に「無期転換権」を与えたくないと判断すれば、わざと6ヶ月以上の空白期間(当然無給)を置くようなところが出てくる可能性があります。
というのも派遣会社で特定の人を派遣し続けるというのは結構難しく「無期転換権」で派遣先がないのに雇い続けなければならない(≒給料保証)のを恐れてのことです。
この法律に対処するため、例えば「パートや契約社員は最大4年間までで、それ以降の延長はおこなわない」ような内規を作る会社も出てきそうです。
また派遣会社は、派遣社員を例えずっと継続する仕事があっても、6ヶ月以上仕事を依頼しないような社内ルールを作るところも出てきそうで、本当に労働者のためになるのか?とも思えてきます。
(2)は、(1)と関連していますが、パートなど有期雇用契約を繰り返していると、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない限り、契約は更新がされたとみなされ、なんの補償もなく契約期間終了(雇い止め)ができなくなるということで、もし労働争議が起きた場合には労働者側に有利に働きそうです。
ただ一部の大企業が実施しているように「非正規雇用は二年以内で再契約は1回限り」とか「二年以上継続する場合は派遣で」とかルールを決めて対応する会社が多くなりそうです。
あと、冗談みたいな話しですが、現行の就業規則のままだと、60歳定年になった人を65歳まで再雇用しなければならなくなった高年齢者雇用安定法の改正、いわゆる「継続雇用制度」に則り、1年ごと嘱託で契約を交わすと、5年後にその嘱託の人には「無期転換権」が発生してしまい、それが行使されると、企業はその人が死ぬか勤務に耐えられなくなるまで雇い続けなければならなくなります。
就業規則には60歳定年は規定されていても、65歳以上の人には定年の定めがないのが普通です。
(3)は、パートなど有期雇用契約の人と、正社員など無期雇用契約の人とで、不合理な労働条件差別をしてはいけないよということです。この「不合理な労働条件」とはなにかと言うとまだ判例が少なく、ハッキリした線が引かれているわけではありません。
不合理な労働条件のわかりやすい例として「通勤手当」「食堂の利用」「安全管理」「福利厚生」「教育訓練」などは合理的な理由なしに正社員と差別してはいけないということでしょう。
現状では正社員は通勤手当を支給し、健康診断の受診補助があるものの、同じ仕事をしているアルバイトや契約社員にはないというところも多いでしょうが、そういうのは是正されていくでしょう。
ただし通勤手当の場合、どこの事業所や店に配転されるかわからない正社員だけ通勤手当を支給し、ある特定の事業所や店に勤務するパートやアルバイトには通勤手当はないという合理的な理由があれば問題はないということです。
以上のことから、今回の改正で労働者側にとって注意が必要なのは、
1)5年経ったからと言ってパートやアルバイト、契約社員から正社員になれるわけではないということ
2)逆に5年以上継続できるはずだった非正規雇用の仕事から5年未満で強制的に追い出される可能性が高まったこと
でしょう。
通常正社員としての就労を強く望んでいる人なら、一時しのぎでパートやアルバイトをしていても、並行して正社員の仕事を探すはずです。
5年間もパートやアルバイト、契約社員、派遣社員で働き続ける人は、正社員になることをそれほど強くは望んでいないと解釈されても不思議ではありません。
つまりこの改正では非正規雇用を受け入れている人に対して正社員の一部の利点である無期雇用や労働条件という権利を与えたに過ぎず、それで非正規雇用の問題がなくなるわけではありません。
今後はユニクロが導入を始めた「地域限定社員」のように、正社員はすべて一律同条件というものではなく、それぞれの条件に応じた雇用と条件が設定できるような仕組み作りで、企業が非正規雇用を優先して採用しなくても済む枠組みができればいいですね。
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