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夏真っ盛りとなり、また電力不足が心配される時期となってきましたが、さすがに原発が停まった直後の2011年や2012年の夏ほどには「省エネ」を言わなくなりました。

それは火力発電をメインとする他の発電をフル稼働することで、この需要のピークが乗り切れるということなのでしょうが、同時に福島原発事故を経験し、産業界も一般家庭も夏の省エネが恒例化しつつあり、2011以前のように闇雲に電力需要が伸びていくということがなくなったためでもあります。

例えば夏季のピーク時の電力需要が震災前の2010年には176GWだったものが、2011年には155GW、2012年には154GW、2013年158GWと、震災前の2010年と比べて87~89%に減少しています。(出典:独立行政法人科学技術振興機構)

東日本大震災後における消費電力の変化(PDF)

国内の年間電力需要の推移を見ても明らかに2011年以降は減少傾向にあります。もっとも夏場の電力需要は、景気以外にその夏の気温によっても大きく変動するので、猛暑がやってくると一気に需要が増すってことはあり得ます。



思い起こせば、2011年の震災直後は計画停電というとんでもない事態にまで追い込まれ、実際に多くの企業や家庭に影響を及ぼしました。

幸い、私の勤務してた地域や住居のある地域では結局停電は起こりませんでしたが、当初停電が予定されていたというだけで、その地域のスーパーはその時間帯は臨時閉店、電車も止まるかもって言われていました。

社会インフラをはじめとして、企業、店舗でコンピュータを導入していないところはなく、電気が止まると混乱必至となります。

計画段階で、官庁が集まる東京の千代田区や大企業が集まる中央区や港区など都会の中心部は計画停電から除外され、その他の地域も複数回計画停電された地域もあれば、同じ首都圏内(東京電力管内)でも一度も停電にならなかった地域もあります。その差はいったなんなの?って疑問に感じました。

その時に都市伝説的に言われていたのが、

 (1)官庁や大企業がある地域は停電しない→影響が大きいから?
 (2)公立の大病院がある地域は停電しない→直接命に関わるから?
 (3)浄水場のある地域は停電しない→ライフラインの水道が止まってしまうから?
 (4)電車沿線で変電所のある地域は停電しない→電車が止まるから?
 (5)東電の重役が住んでいる地域は停電しない→???

実際どうだったかは定かではありませんが、なんとなく、どれもありそうでしょ?

それはさておき、その電力需要が逼迫した時に国を挙げて「節電」に取り組みました。

その結果、身近なところでは、冷房・暖房設定温度の調整、派手なネオンサインの削減・停止、電球や蛍光灯からLEDへの交換、照明の減灯・消灯などがおこなわれました。

我が家でも部屋の照明を順次LEDタイプに交換したり、20年前の古いエアコンから新しい省エネタイプへの交換など、まるでなにかに追い立てられるかのように(流行に乗せられ)省エネに協力してきました。

国もスーパークールビズなんて名前をつけて、半裸になってもいいから冷房が効かない部屋や工場で労働者諸君は我慢して働いてくれと。

足が悪いのに、地下鉄の駅の上りエスカレーターが停止してつらかったことを思い出します。電鉄会社は「身体の不自由な方用にエレベータは動かしてます」とか言うけど、目的地と反対側に1基しかないエレベーターに乗ると、遠回りでずいぶん余計に歩かなければならず、役立たずでした。

実はこの節電って営利企業にとってはものすごくメリットがあるんですね。オフィスでも工場でも商店でも駅でも、大量の照明や空調などを使わない場所ってありませんから。

「国がそう言っているんだから」という理由で堂々と照明を落とし、空調を減らし、エスカレーターを停めることで、今までかかっていたコストが意外に大きく削減できることがわかり、それまで固定費として当たり前に支払っていた数百万円から大企業に至っては数千万円の電気代が意図しないまま節約することができました。

一度味をしめるともう後戻りはできず、節電の必要がなくなってからも、客や労働者のクレームなどどこ吹く風、堂々と「当社は節電に努め、環境に配慮しています」などと開き直ったかのようにのたまって、利益を上げることに邁進しているってわけです。

私の場合、通勤電車の中で読む文庫本がずっと楽しみでしたが、あの震災以来、照明を落とされ、場所によってはたいへん暗い電車の中で、小さな文字を読むのがきつくなってしまい、その楽しみが奪われつつあります。

明るい場所に移ればいいじゃない?って言われても、朝夕の満員電車の中では、身体を押し込むのがやっとで、自由に明るい場所を選ぶなんてことはできません。

同様に企業(店舗や団体等含む)が、「環境のために」とか「エコロジー」とか急に声高に言い出すのは、決して地球環境のことを思ってのことではなく、「自分たちの利益のため」であるということです。

「環境に優しいクルマ」って言うけど、それは「まだ乗れるクルマをゴミにして廃棄させ、膨大なエネルギーを使って作られた新しい高いクルマに買い換えさせる」ことであり、「当館は全館禁煙です」は「灰皿を撤去したおかげで掃除をする人件費代を浮かせる」ことであり、「節電に努めております」は「利益を出すため経費削減に努めている」と読み替えることができるのです。

節電が定着したことで、一見してはいいことのようですが、それによって迷惑を被っている人もいるってことに気がついてもらいたいものです。


【関連リンク】
904 金持ち道楽な燃料電池車への補助金は税金から
803 リサイクル料金は時代の徒花か
660 地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
512 真夏の節電で儲かるビジネスはなにか
438 生物多様性と絶滅危惧種について

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若い知人と話しをしていたら、「子供を小学校から私立に入れようと思っている」という話しになりました。

なんでも知人(男性)は当初は小学校も中学校も公立でいいかなと思っていたらしいのですが、奥さんが教育熱心で、絶対小学校から私立と決めていたそうです。

こうした子供の教育については、子供と接する割合が多い母親の意向が強くなるのが多いようで、父親はその教育費をなんとか工面することと、お受験の際、立派なお父さんの振りをして面接に行くだけです。

高学歴の女性が増えてきたことで、そうした子供や父親に有無を言わせず、最良と思われる教育をつぎ込みたいと願う傾向が強くなってきたなと感じます。

特に小学生未満の子供に公立がいいか私立がいいかの判断はできないので、結局は両親や祖父母が決めることになります。

少子化で母親が産む平均的な子供の数(合計特殊出生率)は2013年で1.43で、2005年の1.26と比べると多少は上昇傾向にありますが、それでも先進国で比べるとドイツやイタリアと並んでもっとも低いレベルにあります。



つまり夫婦が働いて稼いだ中から、子供の教育費として使えるお金は、以前ならば、夫がひとりで働いて得たお金を二人以上の子供に分散して使っていたものが、最近では夫婦二人が働いて得たお金を1人の子供に集中して使うことができます。

それが子供の低年齢から積極的に私立学校へ通わせることができるようになってきた最大の要因でしょう。

これは子供にとっては、親が稼いでいるお金と元々持っている資産(祖父母からの遺産など)とともに、兄弟がいるかいないかの違いで、その子供が受けられる教育の質や量が違ってくるということを表しています。

もちろん本当に優秀な子供であれば、親の資金力や兄弟姉妹の数に関係なく、親に負担をかけないで自分で奨学金を獲得していい学校へ進むことだってあり得ないことではありませんが、そうしたケースは極めて珍しいことでしょう。

そこで親は、子供のことならできるだけなんとかしてやりたいと、子供の親同士で競うように小学校から名門私立を目指すって人が増えてきているわけですが、案外、子供の教育費にいくらかかるかってことを知らない親が多いとも感じます。

もし小学校から大学(文系)まで全部を私立に行かせると1人いくらの学習費(入学金、授業料、塾等)がかかるでしょう?

大学も自宅から通学するとして、小学校6年、中学・高校各3年、大学4年の合計16年で2206万円という試算です。郊外マンションならば買える値段ですね。

内訳は小学校836万円/6年、中学校371万円/3年、高校294万円/3年、大学705万円/4年です。
※出典:文部科学省「子供の学習費」調査

エレベーター式の私立学校へ行けば、厳しい受験戦争はありませんし、子供も余裕ある学校生活をおくれるかも知れませんが、親は大変です。

部活をすれば部費はもちろん遠征費用等が必要で、修学旅行も私立高校の場合は海外へ行くので積立金もかなりの高額になります。

もし子供が二人いて、二人とも同じく小学校から私立へ進学をしたとすれば×2で4412万円です。もうこうなると親からの支援がなければ、普通のサラリーマンの収入だけでは無理っぽいでしょうね。

兄と弟、姉と妹などで行く学校に差をつけるというのも難しく、やはり一人っ子故のコースといえそうです。

もし中学校までは公立の学校で、高校と大学のみ私立(文系)という場合だと、小学校~大学までの16年間で1397万円がかかります。

もし子供が二人いて、二人ともこのパターンで進学すると×2で2794万円が必要と言うことです。これでも普通のサラリーマン家庭では厳しいものがありそうです。

これ以外にも、子供にかかる費用として、幼稚園または保育園の費用(公立69万円/2年、私立162万円/2年)、そのほかに、ピアノや水泳など趣味の習い事などがあれば別途かかります。

親の家に家賃なしで同居をしていればまだいいですが、通常はこれとは別に賃貸マンション費用か住宅ローンを毎月10数万円支払うことを考えると、子供のためとは言え、二人以上の子供を私立学校に通わせるのは、かなりリスキーな人生を送ることになります。

この教育費の高さも少子化の原因のひとつではないかと思っています。

子供の教育費は住宅ローンほどではありませんが、10数年という長期にわたってかかってくることも注意が必要です。

つまり、「10年後には今よりもっと年収も増えていて・・・」などと考えて予定を組んでいると、まったく収入は増えず、逆に税金や生活費が上がって可処分所得は減っていくということが珍しいことではないからです。

特に30歳過ぎてからの子供の場合、子供が成人する20歳の時には親は50歳を超えています。勤務先で役員にでもならない限りは、一般的にもっとも働き盛りで年収が高いのは40代後半と言われていますので、もっともお金がかかる大学生の頃に、所得が減じていることも想定しておかなければなりません。

ソニーやシャープじゃないですが、40代以上になると勤務先の業績によっては大量の早期退職という名のリストラが行われないとも限りません。

住宅ローン破産じゃないですが、思ったよりも所得が伸びなかったり、勤務先をリストラされたり、自分や家族の病気や事故で働けなくなったりという様々な事態を考えておく必要がありそうで、住宅ローンと同様、教育費に関しても一種の博打みたいな綱渡りになることだけは避けたいものです。


【関連リンク】
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
699 大学へ奨学金で行くということ
666 子供の教育費の負担を覚悟しているか
563 国立大学、私立大学の国庫負担比較

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少子化のため生徒数が減ってきているので、学校の教職員を6%ほど減らし、厳しい財政を助けてくれと財務省がその試算を公表しました。

小中の教職員、4万人減で780億円削減 財務省試算(朝日新聞)
財務省は11日、公立の小中学校の教職員数を2024年度までに全体の6%にあたる4万2千人ほど減らせば、人件費の国負担を780億円削れるとの試算をまとめ、この日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示した。

働きが悪い公務員を大幅に削るのは歓迎すべきことで、もっと大胆なカットでもいいぐらいに思っていますが、それで将来性のある子供達の基礎教育や情操教育がおろそかになってしまっては元も子もありません。

逆にひとりで何人分の働きをする優秀な教職員にはもっと報いてあげたいと思いますが、社会で少年少女が大きな問題を起こすたびに登場してくる校長や都道府県の教育委員会の呆けた顔の人達をみていると「とてもこいつらにまともな人の査定なんかできっこない」と思えてしまいます。

なんしろ「知らない」「わからない」「聞いてない」のないないづくしで、生徒と先生のことよりも、自分の保身にしか興味がなさそうです。

さて、教職員の数は足りているのか?って問題ですが、数あわせの前に以前から「公務員は長期で休んでもクビにならないので長期病気休職者がいっぱいいる」と評判になっています。

平成23年度(2011年度)の人事院のデータでは、公務員のうち教育職員の総在職者数は921,032名で、そのうち病気休職処分者は8,544名で、率にすると0.93%になります。47都道府県で割れば1都道府県平均で182名というわけです。

また教職員の病気休職処分者8,544名のうち、鬱など精神疾患によるものが5,274名(総在職者の0.57%、病気休職者の62%)ということになっています。

これは多いのか?って思いますが、あにはからんや、国家公務員の非現業部門の長期休職者は全体の約2%だそうです。って言うと、教職員の病気休職者は公務員の中では少なく、率にして約半分程度ということになります。やっぱり楽なのか?

この病気休職者数約1%、精神疾患0.6%というのは、他の職業と比較して決して多いものではなく、モンスターペアレンツや情緒不安定な子供達などを相手にして「教職員は激務で大変だ」というマスコミが流す風潮とはちょっと合わない気もします。

民間企業のデータが見つけられないのですが、で、その中に占める精神疾患はやはり6割程度、民間企業もそれに似たものと思われます。つまり一般的な公務員の長期休職者の割合と、その中で精神疾患に罹る割合は、教職員と比べると2倍近いということです。

さらに民間企業の場合、長期休職ともなれば、公務員よりも退職を勧められるというか、半ば強制的に退職させられることが多く、長期休職者数は数字に表れるよりも実態はもっと高いと思われます。

教職員は他の職業と比べ、精神疾患などで長期休職してしまうほどには激務とは言えないというのはわかりましたが、教職員の高齢化の問題があります。

教職員の平均年齢の高齢化は65歳までの雇用延長による再任が増えてきたことによるところもありますが、小学校、中学校、高校の教職員の平均年齢は20年前と比べると約5歳以上も上昇しています。



働く人が高齢化すれば当然健康に不安があったり、病気をする機会も増えますし、親や兄弟の介護などの問題も増えてきて、今まで若い教職員が体力や情熱にまかせ、残業や休日出勤で対処してきたことができなくなってきます。

それでも国は教職員を減らせと。

そう、プロフェッショナルな教職員は人口減少社会、少子化ゆえ減らしていかざるを得ないでしょう。

でも、ここで古い観念や常識に縛られて硬直した学校教育に新しい活路が見いだせるわけです。

例えば、プロの教職員は半分に減らして、その代わりに非常勤の講師や事務員をサポートとして雇えばいいのです。

私立の学校ではずっと前から当然やっていることで、それで問題が起きると言うのは思考停止状態です。

教育と効率化は相反することで向かないという意見を耳にしますが、そんなのはやり方次第で、効率を上げた分、今までよりももっといい教育ができるて考えるべきでしょう。

外注するにはお金がかかる?

65歳を過ぎて年金もらいながら暇を持て余している世代がごまんといるではありませんか。

彼らは社会の役に立てて時間を有効に使えるなら、お金などさほど問題にしません。退職金で潤い、年金もすでにもらっています。

もちろん責任を持って仕事をしてもらうために、マクドナルドのアルバイト料ぐらいの賃金をお支払いしても公務員一人にかかる経費で様々なスキルを持った非常勤の人を10人は雇えそうです。

例えば、引退した団塊世代を中心に、国語なら総務部や庶務で活躍してきたベテランのサラリーマン、古文には歴史好きな高齢者に事欠きません。

算数なら経理マンや銀行や証券会社でトレーダーや出納を担当していた人達、社会はテーマに応じて世界を旅した商社マンや市役所や区役所、福祉事務所の勤務だった公務員、元消防士や元警察官なんかもいいです。

体育も各種のスポーツを現役でやっている元気な高齢者はごまんといます。一般の教師が苦手とするパソコンの授業だってIT企業出身の元エンジニアもいるでしょう。

図工ならやっぱり元大工さんや左官屋の親方の出番、家庭科には専業主婦、道徳の時間にはお寺を息子に譲って引退したお坊さんや地元教会の司祭などなど。

頼めば喜んで引き受けてくれそうですし、そういう制度を作ったうえで、民間の会社に登録制の「教育サポート人材バンク」を委託し、人材派遣のように必要に応じて適任者に来てもらえばいいのです。

担任制もプロ教師1名に非常勤の講師が2名つき、放課後の補助授業、家庭訪問や保護者会、通学路の見回りなど。テストや宿題の採点やデータ入力作業なども非常勤の事務員にまとめてやってもらいます。

そうすればプロの教師はクラス全体の把握と自分の専門の教科のブラッシュアップ、授業についていけない生徒や家庭に問題がありそうな生徒のフォローに注力できるというものです。

国や自治体も、そうした高齢者が元気で働いてくれることで、高齢者の健康増進と所得税の納付、地域の安全と活性化などいいことずくめではないでしょうか。

でもねぇ、、、頭が固くて、「できない理由」を必死になって考える教育委員会や職員組合などが、子供達のことではなく、自分たちの聖域が侵されかねないと言って邪魔をするのが必然で、進まないんですよねぇ、、、


【関連リンク】
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
699 大学へ奨学金で行くということ
666 子供の教育費の負担を覚悟しているか
563 国立大学、私立大学の国庫負担比較
527 教員の高齢化について
427 学校ビジネスの暗く長い闇
352 次は文部科学省、東大、日教組がターゲットだ



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佐世保で起きた女子高生の同級生殺害事件や、同じく女子高生が母と祖母を殺害した北海道南幌町の事件、名古屋大学の女子学生が高齢者を殺害した事件、そして2月には男子中学生をリンチして殺した川崎の事件など、若者が引き起こす凶悪事件が相次ぎ起きて増加しているように錯覚してしまいますが、以前にも書いたように、若者が起こす凶悪犯罪は近年減少傾向にあります。

少年犯罪は増加、凶悪化しているのか?

結局はマスコミが興味本位で長期間にわたって紙面や画面上を刺激的に賑わせるがために、それが読者や視聴者の記憶の中に刷り込まれてしまい、以前よりも増えているのでは?と錯覚してしまうというのが本当のところでしょう。

マスコミだけのせいかと言うと決してそうではなく、テレビは視聴率が取れる番組を優先して制作し、また新聞や雑誌・週刊誌も読者のレベルやニーズに合わせて紙面が作成されることからすれば、国民の多くがそれらに関心を寄せているからに他なりません。

もっと言えば、「最近の若者は」と言っているであろう団塊世代が10代後半だった頃の未成年の少年犯罪件数や率は突出して高く、それからすれば今の若者は順法精神が高く真面目でおとなしいものだから、旧聞になりますが団塊世代の某元代議士が、学生が犯した卑劣な集団レイプ事件に対して「「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか。」という本音発言まででてくるわけです。

ま、それはさておき、日本は世界の国々と比較してどれほど安全な国かという指標のひとつに人口10万人あたりの殺人事件で犠牲になる人数というのがあり、2012年のデータですが、書いておきます。データの出典はグローバルノート「世界の殺人発生率 国別ランキング」です。



黄色が日本、ブルーの色づけは日本以外のG8の国です

これによると、統計がある218カ国中、日本は4番目に殺人に遭う確率が低い国で、安全TOP1~3位の国(モナコ、リヒテンシュタイン、シンガポール)は人口も国土も人口も少なくちょっと特異な国とも言えますので、実質的に人口が多い有力国の中では日本がダントツに安全な国と言えます。

これは『太平洋戦争に置いて捕虜や民間人を多数殺した残虐な日本人兵士』とか、『連合赤軍を生みだし国内だけでなく世界各地で殺人テロを起こした凶暴な日本人』、そして『サリンを撒いて毒ガス都市テロを世界で始めて実行した日本の狂信団体』といった日本国や日本人が背負っているマイナスのイメージを覆す、世界に誇れるべき事かも知れません。

次に都市別に殺人事件で殺される割合を見ると、もうこれは中南米の各都市の独壇場で、50位の範囲では日本の都市はおろか、アジアやヨーロッパの都市すら出てきません。

中南米へ旅行へ行くって言うのは、銃弾が飛び交っている紛争地に出掛けるぐらいの緊張感と殺人事件に巻き込まれる可能性を十分に考慮する必要がありそうですが、案外同じ地域でも観光旅行者が行くような場所とそうでない地域はハッキリと分かれていてそれなりに安全なのかも知れません。それら50位の都市に行ったことがないのでわかりません。



もっとも危険な都市ホンジェラスのサン・ペドロ・スーラ(San Pedro Sula)では1年で10万人中169人が殺人で命を落としています。もっとも人口が72万人程度の都市ですから犠牲者は1,218名ということになりますが。

日本で人口72万人程度の都市と言えば、東京都練馬区や神奈川県相模原市、静岡市、岡山市あたりの規模です。例えば静岡市内だけで毎年1,200人(1日平均3.3人)が、事件で殺されるとしたら、ちょっと恐ろしくて近寄りたくなくなりますね。

次に危険な都市は、リゾート地としても有名なメキシコのアカプルコ(Acapulco)で、人口82万人中1,170人が犠牲者に。82万人の人口は日本で言うと大阪府堺市、新潟市、静岡県浜松市あたりの規模に該当します。富裕層が多く集まるリゾート地が危険というのは富裕層の誘致に大きなマイナスだと思うのですが。

3位はベネズエラの首都でもあるカラカス(Caracas)で人口325万人の中、年間3,862人が殺害され、10万人当たりにすると119人が犠牲に。人口320万人の都市といえば日本で言えばもっとも大きな行政区横浜市よりも大きく、かなり人口密度も高そうです。

いずれにしても殺人事件が多い都市と言えば中南米と決めつけても差し支えないぐらいの内容です。

中南米以外(ブルーで色づけ)では、アメリカのニューオーリンズ(17位)、デトロイト(21位)、セントルイス(40位)、ボルチモア(41位)、オークランド(43位)、南アフリカのネルソンマンデラベイ(27位)、ダーバン(38位)などが入っています。アメリカも銃規制がゆるいこともあってか、殺人事件は多く発生しています。

もっとも中東や東欧、アフリカの紛争地域へ行けば、民間人への誤射や誤爆、誘拐などで、実質的にもっと多い殺人行為がおこなわれていることになるのでしょうけど、こうした国際統計上には出てきません。

ちなみに日本全体の他殺による死者の数は人口動態統計によると、2010年437人、2011年415人、2012年383人、2013年342人と、ピークだった1950年代頃の1/5以下となっています。

最後に事件ではなく交通事故の死亡者の国際比較(2012年)です。



人口10万人当たりの交通事故死亡者はブラジルが1位で24.9人、2位がロシアで19.2人、3位はメキシコ17.4人となっています。

黄色が日本、ブルーの色づけは日本以外のG8の国で、G8の国の中では英国が3.6人でもっとも少なく、次が日本の4.5人となります。ブラジルやメキシコは殺人による死亡も交通事故による死亡も多いということになります。

日本でも1970年代に年間1万6千人の交通事故死亡者を出していたこともありましたが、その頃でも10万人当たりにすると13人ですから、今のアメリカや韓国と同じレベルです。

そう考えると、上記の中南米の交通事故死亡者は殺人とともに突出して多いことがわかります。

人命の軽重を述べるのは適切なことではありませんが、それぞれの時代や政治体制、戦争や紛争中等々で変わってしまうこともまた事実です。

残念ながら中南米諸国やアメリカにおいては、現代においても世界の比較をすれば人命が軽いと言わざるを得ません。


【関連リンク】
898 過去に遭遇した大事件
892 火事と賠償
858 死刑制度について
850 少年犯罪は増加、凶悪化しているのか?
777 成人の力 国際比較
740 高齢者の犯罪が増加
570 資産家も貧困者?統計で見る貧困率
523 あゝ無情な家族が続々



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911
ヘンリー&パートナーズ(Henley & Partners)ということが、「パスポートの自由度ランキング」というのを発表しています。これはその国のパスポートを持っていると、世界の何カ国にビザなしまたは現地到着時取得可能で入国できるかを表したものです。

旅行や商用で海外へ行く際、ビザを発給してもらうため、東京にある大使館へ書類を揃えていちいち申請するというのは面倒なことで、余計な手間や費用がかかります。

最近では多くの国は短期間の滞在ならビザ不要にして、観光客や出張レベルのビジネスマンを積極的に受け入れようとしていますが、国の政策によっては、あまり他国からの旅行者を受け入れたくない場合もあります。

日本だってつい150年前の江戸時代は鎖国政策を敷いて外国人の入国は交易関係など一部を除き厳密に制限されていましたし、現代においても一部の国ではあまり積極的に外国と関わりたくないと思っている国もあります。

しかし一般的にはより多くの国へ自由に渡航ができるのはその国の国民にとって素晴らしいことで、そうした自由度の高いパスポートを発行している国は、より民主的で、自由度が高く、そして多くの相手国から信頼されていると言えます。

ではなぜ他国からの自由な入国を制限しなければならないかと言うと、想像ですが

・国交がない、戦争(紛争)状態である
・経済格差があり不法滞在者が増加する(犯罪増加や不法移民、不法労働など)
・国や政府に対して反動的な思想や文化が持ち込まれるのを嫌がる
・伝染病や病原菌が外国から持ち込まれるのを嫌がる
・アングラマネーが持ち込まれマネーロンダリングに使われるの防ぐ
・違法薬物や銃器などの持ち込みが増えるのを防ぐ

など。

少し前まで日本人も海外旅行をする場合、ほとんどの国でビザが必要でした。私も30年前にハネムーンで1週間アメリカへ渡るだけでビザが必要でした(日米間で短期間観光の場合のビザ免除は1989年から実施)。

こうしたビザを免除する動きは日本人観光客が世界中に出掛けていったバブル時代1980年代後半から1990年代に一気に進みました。

ビザの免除は両国同士がお互いにビザを免除するという形で政府同士が合意するケースが多いようです(必ずしもそうではない)。

したがって、ビザなし渡航が可能な国同士というのは、国交はもちろん、政府間で様々な関係もあり、お互いに大使や領事を派遣するとかの関係があるのが普通でしょう。

そのため、世界の何カ国へビザなし渡航できるかは、その国が世界の国々に対してどれだけ開かれているかという尺度にもなります。

但し、ここで言う「ビザなし渡航」には「渡航前に取得をする必要がある」ということで、相手国の空港や国境ですぐにビザが取得できる場合は「ビザなし渡航」に含めています。

では、そのビザなし渡航ができる国の数が多い国(パスポート)のランキングです。
( )内はビザなし渡航できる国数です。

1. フィンランド、スウェーデン、イギリス(173カ国)
4. デンマーク、ドイツ、ルクセンブルグ、アメリカ(172カ国)
8. ベルギー、イタリア、オランダ(171カ国)
11. カナダ、フランス、アイルランド、日本、ノルウェー、ポルトガル、スペイン(170カ国)
18. オーストリア、ニュージーランド、スイス(168カ国)
21. オーストラリア、ギリシャ、シンガポール(167カ国)
24. 韓国(166カ国)
25. アイスランド(165カ国)
26. マレーシア、マルタ(163カ国)
28. リヒテンシュタイン(159カ国)
29. ハンガリー(157カ国)
30. チェコ、スロバキア、スロベニア(155カ国)
33. ポーランド(153カ国)
34. エストニア、ラトビア、香港(152カ国)
37. キプロス、リトアニア(151カ国)
39. サンマリノ(149カ国)
40. モナコ(148カ国)
41. アルゼンチン、アンドラ(147カ国)
43. ブラジル、ブルネイ(146カ国)
45. イスラエル(144カ国)
46. ブルガリア、チリ、ルーマニア(141カ国)
48. バハマ、バルバドス(138カ国)
51. メキシコ、ウルグアイ(132カ国)
53. セントキッツネイビス連邦(131カ国)
54. アンテグアバーブーダ、台湾、バチカン市国(130カ国)
59. クロアチア(129カ国)
60. ベネズエラ(128カ国)

以下主要国やアジア諸国等を抜粋
75. ロシア(95カ国)
76. トルコ、南アフリカ(94カ国)
96. クエート(77カ国)
103. アラブ首長国連邦(72カ国)
106. カタール(71カ国)
109. タイ、ケニア(68カ国)
118. サウジアラビア(64カ国)
119. コロンビア、オマーン(63カ国)
124. キューバ、ガーナ、カザフスタン(61カ国)
131. フィリピン(58カ国)
140. インドネシア(53カ国)
146. インド(52カ国)
149. モンゴル、モロッコ(51カ国)
160. エジプト、カンボジア、アルジェリア(46カ国)
168. ベトナム(44カ国)
169. 中国、カメルーン、コンゴ、ヨルダン(43カ国)
176. 北朝鮮、エチオピア(41カ国)

以下ワースト18カ国
181. アンゴラ、ジブチ、イラン、ミャンマー(38カ国)
185. コンゴ、リビア、南スーダン、シリア(39カ国)
188. コソボ、レバノン、スリランカ、スーダン(38カ国)
192. ネパール(37カ国)
193. エリトリア(36カ国)
194. パキスタン、ソマリア(32カ国)
196. イラク(31カ国)
197. アフガニスタン(28カ国)

これをみてちょっと面白いなと思うのは、決して先進国とされる国がトップに居並ぶのではなく、北欧やヨーロッパ各国が上位に並んでいる点です。特に陸続きの国同士の場合、行き来が激しいといちいちビザなんて面倒なことはやってられません。

トップは173カ国へビザなし渡航が出来るフィンランド、スウェーデン、イギリスの3カ国。他国と陸地で接している国が多い中、島国でありながら過去に7つの海を制した大英帝国はさすがですね。その次がアメリカやドイツなどの4位、大ローマ帝国の末裔達イタリアは8位です。

日本は、カナダ、フランス、アイルランド、ノルウェー、ポルトガル、スペインと並んで11位となっています。ある記事では「日本は4位」と書いてあったりしますが、それは間違いで順位は11位です。

グループ単位で見ると日本は第4グループで、G8参加国としては残念ながら下位に甘んじていますが、アジアの国としてはトップです。G8参加国の最下位はロシアで75位です。

その他アジアの国で上位から中位までの国を見ると、シンガポール21位、韓国24位、マレーシア26位、香港34位、イスラエル45位、台湾54位、トルコ76位、クエート96位などとなっています。あれれ世界の中心という意味を国名に冠するあの国がまだ出てきませんね。

さらにアジア諸国をみると、タイ109位、サウジアラビア118位、インドネシア140位、インド146位、ベトナム168位、中国169位、北朝鮮176位、イラン181位、イラク196位など。

一番少ないのは197位のアフガニスタンでビザなし渡航できる国は28カ国です。

こうして見ると共産圏の国は政治的な理由からか、あまり人の自由な往来を歓迎していない(されない)様子がうかがえます。

いずれにしても自分の国のパスポートでより多くの国々へ気軽に出掛けられるというのは悪くないことです。

その分、航空機爆破事件を起こした北朝鮮スパイが日本人パスポートを持っていたように、犯罪者が偽造するには価値の高いパスポートとして盗難に遭いやすいというデメリットもありますが、政府も東京オリンピックを控え、積極的平和外交を推し進めていくならば、世界でもっとも自由に出入りが出来る世界有数の国に名乗りをあげてもらいたいものです。

最後に日本から渡航する際、短期の観光でも渡航前にビザが必要な国一覧をあげておきます。


オーストラリアやインド、来年オリンピックが開かれるブラジルなど、多くの観光や商用で日本人が渡航すると思いますが意外な感じです。

逆にオーストラリア人が短期観光で日本に来る際にはビザは不要ですが、インド人やブラジル人は必要となっています。


【関連リンク】
816 2050年に向けてのグランドデザイン
814 日本に外国人観光客を呼ぶ
802 観光後進国日本の現実
777 成人の力 国際比較
706 高齢化社会の行方

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