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TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉がまとまり、今後日本の貿易に大きな影響を与えそうですが、中でも農業分野での議論が多く聞かれます。
私が子供の頃に小学校で習ったのは「日本は今まで第一次産業が中心の農業国だったが、第二次産業の工業国へと変わろうとしている」「日本は資源に乏しい国なので貿易が重要」「輸出品目は繊維製品から工業製品へと変わってきた」ということでした。若い人には「ふるぅ~いったいいつの話し?」って笑われそうですが、たった50年前の話しです。
今でもその時に習ったことはよく覚えていて、工業化とともに自然環境が壊され、農業や林業の第一次産業が衰退し、貿易では資源を輸入する必要性から、工業製品をたくさん作って世界中に売りまくるという国家政策の元で進められてきましたが、TPPによりその完全なる転換期がやってきたと言うことでしょう(実際の転換期は20世紀終盤の日米貿易摩擦とNIESやBRICsと言われた各国の工業化に始まる)。
そうは言っても日本は現在でも農業生産額ベースで見ると中国、アメリカ、インド、ブラジルに次ぐ世界で第5位の農業生産国という事実※もあり、第一次産業が衰退したといえども、その農耕民族としての伝統は脈々と残っています。
※日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率
テレビの討論番組で「TPP反対!農業と農家を(補助金を与えて)手厚く保護していくべきだ!」の意見に対し、農業従事者の高齢化や農業規模の拡大と効率化により「農業従事者は年々減少している」という事実を元に保護する必要はないと反論するという構図が見られました。
そこでどのぐらい農業従事者が減っているのか?って思って調べてみました。
農業就業人口は専業、兼業含めた農業従事者合計で、基幹的農業従事者数は一般的に兼業でおこなう農業従事者になります。
データ出典:農林水産省 農業労働力に関する統計
1985年に543万人いた農業従事者(兼業含む)は30年後の2015年には209万人と4割に減少しています。ちなみに55年前の昭和35年(1960年)には農業従事者は1450万人もいて、日本の人口の12%を占めていました。
確かに農業従事者は年々減少と高齢化が顕著に見られますが、元々狭い田畑で細々やっていたのを大規模化、オートメーション化しておこなうことができれば、農業従事者が減ったとしても収穫量自体は逆に増やすことも可能です。
そうした細々と効率が悪い農業をやっていれば補助金がもらえるという仕組みが今までは普通にありました。そうした補助金まみれの農業が、競争力を生まずに衰退してきた最大の原因とも言われています。
それで新規に就農する人の推移はどうなっているかを調べました。
新規に自営で就農する人と、雇用されて就農する人、共同経営などにより新規参入した就農者別の、49歳以下の新規就農者推移(就農形態別)です。
出典は農林水産省 平成26年新規就農者調査です。
このグラフを見ると、ここ5年ほど低調だった就農者数が戻ってきている感じです。特に新規雇用就農者と新規参入者が増えているのが注目です。
これは農業の大規模化、企業化による雇用型就農が増えたり、異業種から農業へ参入する企業(=従業員)が増えているからと考えられます。
セブン&ローソン、農業本格化 失敗繰り返す企業による農業経営、農業関係者は強い不信感(Business Journal)
“耕作放棄地” 相次ぐ企業参入(NHK)
これらの記事でも紹介されていますが、2009年の農地法の改正以後、農地をリースする形で一般法人(NPO法人、特例有限会社、株式会社)の参入ができるようになったのが大きいと言われています。
過去には企業参入で失敗して撤退ということも多くありましたが、いずれにせよ農業人口の減少と高齢化に歯止めをかけるにはこうした大規模化、企業化、雇用型就農しかないのではないでしょうか。
我々消費者にとっても、安いけれど、残留農薬や禁止薬物、遺伝子組み換え、収穫から時間が経っても見栄えがいい作為などの不安がぬぐいきれない輸入食品ばかりではなく、地産地消を原則として、収穫してすぐ食べられ、作り手の顔が見える食品と、いざというときには責任を問える相手がいるという点だけでも大いに救われます。
特に上記のコンビニやスーパーという直接流通網を持つところが農業に進出することは、ビジネス的にも十分にペイできそうで、単なる小売り業から脱却していくには向いているでしょう。
企業の中には毎日満員電車に揺られ、ずっとパソコンとにらめっこしたり、毎日、人とコミュニケーションをとるのがつらいという人もいるでしょう。
そういう社員には自社経営の農園勤務という選択肢があれば、対人関係でうつ病気味だった人も一気に改善に向かうのではないでしょうか。煮詰まっている人の気分転換やガス抜きにも最適です。
もっと言えば、日本の農業を守るため、例えば資本金50億円以上または社員数1000名超えの企業には、一定の農水産業事業を義務化するとかしてもいいかも知れません。
それは事業でもいいし、社内の福利厚生としてでもよく、一定の農業や水産業を自社または共同でおこなうことを求めるのです。
昔なら、大手企業なら保養所や研修所など、温泉付き宿泊施設を持っているところが多くありましたが、いまはかなり減ってきました。それに代わるものとして、休耕地の広大な農地と簡易な宿泊施設(放棄された家屋をリフォームしたもので可)を保有してもらい、多くの社員にそうした農業体験や漁業体験をしてもらうというのは悪いことではなさそうに思えます。
また公務員全体のおよそ1%がうつなどの病気で長期休職をしていると言います。そうした企業や公共団体の1%の人達で、環境を変えても差し支えがなければ、一時的にでも農業や水産業に配置をすることで、改善効果もあるのではないでしょうか。
【関連リンク】
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725 農業の大規模化と零細な起業
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437 日本は世界第5位の農業大国という事実
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個人的にはポイント制は嫌いなので、Tポイントを勧めてくるサービスには嫌悪感を持っていて、それを運営するTSUTAYAや運営会社CCCにもあまりいい印象は持っていません。
そのTSUTAYAが運営委託をする公営の図書館「武雄市図書館」は従来にない斬新な発想で利用者を大きく増やし一躍有名になりました。2番目の公立図書館「神奈川県海老名市立図書館」では選書が不適切だったりと疑問を持つ人もいますが、概ね順調にスタートしているようです。
小牧市の図書館の運営委託では、市民団体の反対が強く撤回されてしまいましたが、別にいちローカルで反対されたことを気にする必要はないと思います。どこにでも新しいことに拒絶反応を示す人は必ずいるもので、賛成する人と反対する人のその声が多少大きいか小さいかのわずかな違いの差です。
図書館は、図書館法第2条において「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」と定義されています。
その中で国立図書館(国立国会図書館)、都道府県や市町村、公立学校が運営する公立図書館、私企業や私立学校、団体が運営する私立図書館などに分類されています。
公立図書館や学校図書館の運営を外部の私企業にアウトソーシングするようになってきたのは比較的最近のことで、1990年代中盤ぐらいからです。
年功序列で自動的に給料が上がっていく公務員が運営にあたるより、経費節減効果はもちろん、住民サービスの向上を考えれば、民間へ外部委託するのは時代の趨勢とも言えます。
まだ全面的に運営を外部に委託しているのは、2007年で1%に満たない数ですが、今後一気に増えていくでしょう。
上記のTSUTAYAが2012年に公立図書館の運営に進出するまでは、公立図書館の運営全体を外部委託すると言えば概ね図書館流通センターが独占していました。
その他にはシダックス関連のシダックス大新東ヒューマンサービスという人材派遣会社などが受注しています。いち早く事業化を成功させ、狙い所がよかったのですね。
株式会社図書館流通センターの母体は大日本印刷(DNP)、丸善、日本出版販売(日販)などで、図書館向けや学校向け書籍の販売から始まり、やがて図書館の運営まで関わるようになってきたというのが大まかな沿革です。
この書籍販売、出版、流通、印刷業界は複雑なところがあり、私もあまり詳しくはないのですが、いろいろと過去のしがらみや系列など絡み合っていて旧態依然としたところがあります。
著作者が書いたものは、まず出版社で編集、装丁され、印刷会社で印刷、製本されます。その製品となった本は取次店を通じて二次取次店や書店に配布され、それから図書館や学校などに納品されていきます。
著者-編集・装丁-印刷-取次-1次取次-2次取次-書店-読者という流れから、今後電子ブックが当たり前になると、それらの複雑な流通がかなり端折られ、著者-編集・電子ブック化-読者となります。すでに携帯小説などでありそうですが、著者-読者というケースも出てくるでしょう。
そうした流通の複雑さや、旧態依然とした利権構造をまずは図書館の運営受託というところからTSUTAYAは壊し始めています。そして当然ながら今までの既得権益を壊されたくない人達が、マスメディアなどを使ってTSUTAYA叩きを必死におこなっています。
TSUTAYA図書館に協業企業が呆れた理由(東洋経済)
ま、過去からの慣習を踏襲し大事にしたいという気持ちもわからないではありませんが、私は様々な新しい試みで時代と共に変化していくことも重要だと思っています。
言葉や表記だってどんどん変化していっているではありませんか。日本十進分類法(NDC)も重要とは思う反面、これらは利用者を中心に考えられたのではなく、管理側の都合による分類で決して一般利用者にとっては優しくありません。
公立図書館は誰のためにあるの?って考えると、国会図書館のような文化資料を保管しておく機能を持っているところは別として、町営や市営図書館クラスにおいては子供を含め利用者が一番使いやすい、探しやすい、利用しやすいことを最優先すべき事項でしょう。
以前、ソフトバンクが鳴かず飛ばずで赤字を垂れ流していたボーダフォンから携帯電話事業を買い取って事業を始めたときに、それまで元公営企業同士だったドコモとKDDIが携帯電話の高値維持政策が壊される危機を感じ、一斉にソフトバンクを叩き、マスメディアを総動員して悪評を流したのと同じ構造です。出る杭は打たれるのは常です。
しかしTSUTAYAもソフトバンクもその後の結果を見れば、事業として成果を出しており、多くの人に役だっていることは明かで、社名だけで拒絶反応を示す人は除き、今では事業進出に疑問を言う人は少ないでしょう。
アイデアを駆使して競合する会社が多いほどいい競争ができるのであって、従来のように天下り官僚ばかりの大会社が独占してしまうと決していいサービスは生まれてきません。
図書館流通センターは2大取次大手のうちのひとつ日販、大日本印刷系列ですので、本来ならば後発のTSUTAYAはもうひとつの大手取次トーハンや凸版印刷、紀伊國屋書店などと組んで、図書館受託事業をやるべきだったかも知れません。でもそうしなかったのは旧態依然とした大企業と組むのを良しとしなかったのかも知れません。
今はまだ、様々なメディアでTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は叩かれ続けていますが、やがて多くの利用者から評価されてくると、そのうち誰もなにも言わなくなるでしょう。もし評価されないとそのうち切られるだけ自業自得でしょう。
いずれにしても書籍の電子化が進んでくるにつれ、今までの書籍の製作や流通ルートが大きく変わってくることは間違いなく、旧体制を壊し、利用者にとってより便利にしてくれるのは、業界にいる人ではなく、TSUTAYAやソフトバンクのような一見すると破壊者とも思える(そのようにメディアから喧伝される)人達なのでしょう。
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830 宅配ビジネスのラストワンマイル
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基本的にはニュース的な時事ネタはあまり書かないようにしていますが、昨今の企業のデータ偽装事件や不正について少し思うところがあって書いてみることにします。
まず昨年(2014年)のことですが、株式会社タカタ製のエアバックの異常破裂による事故で、けが人や死者が続出していたことを重く見て、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が、装着車のリコール要請や、原因追及のためアメリカ議会の公聴会への呼び出し&制裁金が科せられました。
そうした事故が世界中で起きてもタカタの対応はなぜか鈍く、この問題は翌2015年においても沈静化することなく、今年11月には追加のリコールや追加の制裁金を科せられ、とうとうタカタ製エアバッグを今後搭載しないと公表するメーカーまで現れる事態となっています。
ホンダ、タカタ製インフレ―ター今後使用せず 日産も「失望」(ロイター)
同社においてエアバッグの売り上げは全社売上の約4割を占めている主力商品です。偽装や不正ということではありませんが、事故が起きたときの初動が遅く、しかもその対応が中途半端で、ユーザーや顧客(自動車メーカー)に対しても誠意が感じられないと批判を浴びました。
同様なケースでは2009年にトヨタの一部車種において急発進事故が多発しているという指摘を受けて、一時期トヨタは北米でこっぴどく叩かれました。
その時はすぐにトヨタの最高責任者である社長が自らアメリカで行われた公聴会に出席し、謝罪し、誠意を持った対応を約束することですぐに沈静化しました。
それと比較をすると今回のタカタの対応はあまりにも稚拙でお粗末だったと言われても仕方がありません。
そうした予期しなかった事態に対する経営陣のまずい対応で、主力商品の大幅縮小につながり、従業員の大リストラが始まることが予想されます。
二つめは、今年3月に発覚した東洋ゴム工業株式会社の免震ゴム性能データ偽装で、その後の追加調査により10月には2005年以降に製造した防振ゴムの性能データの偽装が明らかとなりました。
偽装の発覚は2年も前に子会社の従業員が性能データに疑問があることを上司に報告していたにもかかわらず、親会社の役員へそれが伝わったのが1年も経過した昨年、そしてその後も1年間あやふやの状態で放置?され、最終的に国交省へ報告したのが今年の2月になってからというていたらくです。
偽装発覚後、その問題の製品についてはすべて無償交換をおこなうということで収まりそうですが、不正発覚後公表まで2年間も要し、その間にも偽装データの製品を出荷し続け、結果損害は拡大し莫大なものとなりました。
そして一度ついてしまった不信感をぬぐいさるには今後多くの期間と労力を要しそうです。
事件が発覚したのは内部告発を受けてのことで、監視委員会検査で不適正が指摘され、第三者委員会にて調査がおこなわれました。
つまり経営者自身が何代にもわたって不正会計に関わっていたため、元経営者が中心的役割を果たしていた監査委員を勤めていたり、元経営者の子飼いの部下だった現在の経営者が、同僚や先輩を傷つけることができず、自浄作用が働かなかったいい例です。
歴代の社長が業績をよく見せようと不正に関与してきたという事件ですが、規模が大きく影響が大きいと言うだけで、企業に対して社会的な制裁は特に行われなさそうです(株主代表訴訟を免れるため?仕方なく、会社が旧経営陣を訴訟するみたいですが、結局それでは許されるはずもなく株主代表訴訟は全国規模で行われそうです)。
もし今回の東芝と同じようなことを、ポッと出の中小企業やベンチャー企業がおこなったら、見せしめ的に経営陣の逮捕や上場取り消し、ひどいときは倒産にまで追い込まれます。
しかし大企業、特にこうした名門企業には見えない特権があり、こういう犯罪行為があっても、影響が大きいからと会社が揺るぐことはありません。
なのである日突然路頭に迷いたくなければ中小企業やベンチャー企業ではなく、リスクの少ない大企業を目指すべきなのです。
四つめは、フォルクスワーゲン(Volkswagen AG)が今年9月にディーゼル車の排気ガスデータが、試験の時だけよくなる不正プログラムを使い、環境規制をクリアしていたことを明らかにしました。
さらに11月には同社グループのアウディやポルシェにも同様のプログラムが使用されていたことを追加で発表しました。
発覚した原因となったのはアメリカの環境NPOのICCT(国際クリーン交通委員会)の計測で、実走行時と試験データのあまりの差にアメリカの環境保護庁がそれを確かめて不正があったことを発表したことに始まります。
トヨタと共に北米で好調な販売を続けてきたVW社ですが、功を焦ったか、欧州よりも厳しいアメリカの環境基準対策において、ズルをしちゃったってことですが、トヨタがハイブリッドエンジンで環境対策を進めていったのに対し、欧州で広く普及しているディーゼルエンジンでアメリカのシェアを奪っていこうと馬力を駆けたところに無理があり、原因がありそうです。
あと第二次大戦で敵国だった日本とドイツのクルマが、アメリカ国内で巨大なシェアを奪っていく現状を憂いているアメリカの愛国者や保守派達が、先のトヨタの急発進やホンダ車のエアバッグ、そして今回のエンジン不正プログラムなどに過大な難癖をつけ、大きく社会問題化し、多額のペナルティを支払わせて溜飲を下げるっていう部分もあろうかと思います。
もし同じことを同盟国の英国やフランスのクルマが起こせば、ここまで大きな社会問題にしなかった可能性があります。いずれにせよ、日本やドイツの企業がアメリカで問題を起こすと保守派が騒いで火が大きくなるのは必定です。
五つ目は、まだ記憶に新しい、今年10月に横浜のマンション建設で、旭化成株式会社の子会社、旭化成建材株式会社の杭打ちデータの不正流用問題が発覚しました。追加調査により11月には杭データ偽装は過去10年間で合計300件に及び、50人の現場担当者が関与していることが判明しました。
今回不正が発覚したのは、住民がマンションの傾きを指摘し、何度も糾弾したことで横浜市などが重い腰を上げて調査して偽装が発覚したものです。
不正が見つかったマンションは、事業者は三井不動産レジデンシャルですが、建築元請けは三井住友建設、そこから工程管理や工事監督をおこなう一次下請けとして日立ハイテクノロジーズ、現場監督を担当する二次下請けが旭化成建材、さらに実際の作業を行う三次下請け業者という構造です。
やり玉に挙がっているのは二次下請けの旭化成建材とその親会社旭化成ですが、構図をみるとそれぞれに応分の責任はあるように思えますが、そこはみなさん業界上の大人の対応で、社会的な被害をできるだけ少なくするために、一番責任が重くて最下層の下請けに該当する旭化成建材をスケープゴートとして差し出したってところでしょうか。
そうすれば旭化成としても三井不動産や日立に大きな貸しを作っておくことができます。
その旭化成建材にしても、不正データ偽装が見つかった直後の会見では「偽装をした従業員を聴取したが、いい加減な性格でルーズ」と、まるで不正が個人にあったように発言していたこと。
つまり、できればこの個人の責任で収めたいという感じがありありでした。
実際は旭化成建材の中で不正に関わっていたのが50人以上、そしてくい打ち業務の別の会社でも同様の不正が発覚し、この問題は決して個人の性格などの問題ではなく、際限なく拡がっていくことになります。
以上、いずれも名門大企業が起こした不祥事の数々ですが、一般的に企業というか経営者は、社内で不正が発覚しても基本的にはまずは知らぬ存ぜぬを決め込む傾向があります。
そりゃそうです、少なくとも自分が経営者のあいだは、なにも問題はなく終わりたいと思っているからです。サラリーマン経営者の場合は特にそういう傾向が強くなります。
マスコミは広告費である程度押さえ込めても、被害者から明かな証拠を突きつけられたり、公的機関が動き始めると、もう逃げられないとして、一転下請けや現場担当者を前面に押し出して謝罪会見となります。
その身替わりの早さと、金太郎飴のような同じスタイルの謝罪会見は割と最近流行りだしたことで、現在のような危機管理術や広報戦略などなかった昔は、とことんとぼけて逃げ回るようなことも普通にありました。
謝罪会見も昔なら不正の当事者の上司、せいぜい部長と平取クラスが中心で、いわゆるスケープゴートを差し出して、それで収まるのならと考えて、できるだけ経営陣にまで累が及ばないように取りはかわれます。コンプライアンスの問題なんてそのほとんどは経営者自身の問題だってことをわかっていないようです。
上記の例で言うとタカタの謝罪が、旧式の謝罪会見のままで、たいして権限のない現場責任者をアメリカに送り込み、さらにエアバッグの被害者対応も、当初から自動車メーカーに丸投げしていたところに、信用の失墜を招いてしまった原因がありそうです。
こうしたトラブルや不祥事が起きた時こそ、企業と経営者の体質や能力が表面化しますが、まだまだ旧態依然とした会社風土が多く残っているってことや、それは日本国内だけではなく、合理的かつ先進的と思われてきたドイツ最大の名門企業でも、同様の問題を抱えているのだということがわかった1年です。
それにしてもみな大きな代償を払わされることになり、経営者ばかりでなく、従業員やその家族、取引先にまで拡がっていき、残念なことです。
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毎年グッドデザイン賞というものが発表されて、受賞した賞品や企業、団体はここぞとばかりに自慢をしたがって、広告などで盛んに取り上げていますが、実はこの賞の重みというか実際のありがたさは意外とたいしたことがありません。
そしてその対象は工業製品ばかりでなく、サービス、ビジネスモデル、番組コンテンツなど幅広いものです。
今年の受賞の中には時計や文房具、家電、乗用車などに混じって変わり種として「道の駅」や、テレビ番組「ブラタモリ」なども受賞しています。
「テレビ番組のグッドデザイン」ってどうなのよ~っていうのもありますが、大人の対応と言うことでしょう。
賞の重み付けに疑問を感じるのは、作品候補が利用者などの他薦など推薦されたものではなく、審査費用を支払って依頼する自薦スタイルということから、お金で賞を買っているとも理解できるからです。
ありがたみから言えば、消費者ユーザーにとってのではなく出品者にとってありがたみのある賞ということなのでしょう。
もちろん自薦すれば100%賞がもらえるわけではないので、一定のスクリーニングはかかっているのですが、それでもお金を払って応募した1/3か半分近くが毎回受賞しているという結果からすれば、ほぼデキレースと言ってもいいものでしょう。
今年2015年は3658件の応募デザインの中から、1337件(応募作品の37%)がグッドデザイン賞を受賞しています。
そして受賞したのちには、展覧会でお披露目するのにもお金がかかり、年鑑に掲載するには掲載費、広告に「グッドデザイン賞受賞」のマークを使う場合はまた別途お金を支払う必要があります。
つまりこの賞を主催する公益財団法人が儲けようと思えば、応募作品を多く集めて(応募費と審査費)、多く受賞させる(出展費や商標使用料)ことに尽きます。そんな賞でいいのでしょうか。
公益財団法人だからお金儲けの必要はないのでは?という意見を持つ人もいるでしょうけど、こうした美味しい団体には天下り元役人が列をなしていますので、その賃金や数年在籍しただけで数千万円の退職金を捻出するためにもお金儲けは必要となっています。
さっと見ただけで、常勤理事3名中2名が経済産業省の天下り、評議員は8名中2名がやはり経済産業省の天下りです。
他にも国公立大学の教職員出身者もいますし、こうした報告書に掲載される年収数千万円をもらうような上位者以外のポジションにも大勢の元役人が働いて?いることでしょう。
これらグッドデザイン賞の中から選ばれる「グッドデザイン大賞」は唯一投票によって選ばれますので、さすがにこれをお金で買うというのは難しく、これについてはある程度の価値を認めなくてはなりません。
しかし元々は審査費用を支払って応募しなければ、その大賞の候補にすらならないデザイン賞ですので、そのデザインがどこまで世の中の役に立っているかという市井の意見は無視されがちです。
記憶にまだ新しいですが、2013年の投票では候補作品の中から「Googleマップ」が投票でトップとなりましたが、2007年から「大賞」=「内閣総理大臣賞」になるということで、受賞には政府の意向が反映されることになり、その結果政府が「最も優れたデザインとは認めがたい」と判断したため大賞は該当なしということになりました。
政府が受賞に異議を唱えた理由は明らかにされていませんが、噂では投票で2位になったJAXA(宇宙航空研究開発機構)の固体燃料ロケット「イプシロン」を受賞させたかったという話しや、Googleマップには竹島や尖閣諸島が日本領土と記載されていないことを問題視したとも言われています。
この政府の決定は、独裁国家や何十年も一党が支配する国と同じような政治的な独断で、せっかく投票をした多くの人や関係者の努力をまったく無為にしてしまい、すでに国の手を離れている賞の意義や意味を失ってしてしまうような蛮行です。
もし大相撲で優勝した力士が「日本政府は無能だ」とか「竹島は韓国のものだ」的な発言をしていたら、優勝杯の内閣総理大臣杯は出さないということでしょうか。
そうした、政治的でもあり、またお金を出して賞を買うというこの制度が、ある一部では権威あるものになってしまっているという現実を知ると、一気にしらけてしまいそうです。
とにかく年間1000件以上も受賞する、ありがたみのない賞に、果たして意味があるのか?って疑問を感じ得ませんが、モノが売れない時代だけにそれを起爆剤にしたいと願う企業や団体は多いのでしょうね。
てなことを書いていたら、すでにもっと詳しく書かれた記事(ブログ)が10月初旬に上がっていました。悔しいですが、こちらのほうがよくわかりそうです。
20万円でもらえる?「グッドデザイン賞」受賞率は4割不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」
あと東京丸の内にグッドデザインのショールームが10月にオープンしたようです(NHKでやっていたのを見ました)。受賞作が飾ってあるだけのつまらなさそうな感じでしたが、お近くへ行った際には無料ですのでのぞくのは自由です。
「GOOD DESIGN Marunouchi」 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
【関連リンク】
906 トクホが売れるわけ
746 直木賞作家の前職は?
533 ユニバーサルデザインはどこへ行った
509 本屋大賞ノミネート作品について
317 発火する衣料
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ここ半年ぐらい、出不精で自宅でゲーム漬けになっている次男に、ダイエットも兼ねて社会人の身だしなみとしてゴルフぐらいやっておいたほうがいいだろうと、休日の夕方にゴルフの打ちっ放しへ毎週連れ出しています。足の調子がいいときは私も一緒に練習します。
そして練習を始めて3ヶ月ぐらい経った時、ボールを打つのがマットの上ばかりでは飽きるだろうと、先日は近所のショートコースへ行き、9ホールを回ってきました。
本当は18ホール回りたかったのですが、情けないことに私の足が途中で音を上げたので断念しました(その後1週間近く股関節痛で苦しみました)。
ちなみにショートコースのティグラウンドは全部マット敷きで、結局は練習場とあまり変わりませんでしたw。気分の問題です気分の。
私がゴルフを始めたのは30数年前、社会人になってすぐ、休日に先輩に神田のゴルフショップへ連れて行かれ、初心者用の用具一式購入(もちろん自前)、その足で東京タワー近くの打ちっ放し練習場へ行き初めて練習をしました。
その後、練習はそこそこに、年数回、多いときは10数回、会社の先輩や、仕事関係で付き合いがあった人、それに学生時代の友人などとゴルフコースへ出ましたが、ちょうどバブル景気の時期と重なり、プレー費は高額で、しかもゴルフ場は混んでいて、気軽にできなかったこともあり、ゴルフは時間とお金の無駄だと思って、熱心なプレーヤーにはなれず、そして足を痛めた10年ほど前からは徐々に遠ざかりました(調べてみると2007年と2008年に1回ずつ行ってそれが最後です)。
用具は20年ぐらい前に買い換えた一式がありますので、型は相当に古いけれど、それを持って子供に特訓指導です。
ま、最初は誰でもそうだから仕方がない、と思っていましたが、毎週欠かさず練習に行き、それで2ヶ月経っても全然芯に当たらずまっすぐに飛ばないので、「こりゃ教え方が悪かったかなぁ」と反省し、練習場にいるレッスンプロに個人指導を頼みました。
教わっているその時はその通りやればちゃんと打てても、終わったあと1人で練習するとまったくダメダメに戻り、これは根っからの運動神経のなさ、運動音痴としか思えなくなりました。
ま、そんなことはどうでもいいのですが、ゴルフ練習場に通ってみて思ったのは、私が子供を連れて練習に行く土曜日の夕方に練習している人達の推定年齢平均はおおよそ50~55歳ぐらいで、私が昔よく通っていた30年前と比較すると確実に年齢層が高くなっています。
都心の練習場だともっと若い人が多いとか、練習場の立地場所にもよるとは思いますが。
練習しているのはもう仕事をリタイアして暇を持てあましていそうな60代以上の高齢者、私(58歳)とほぼ同年代のサラリーマン、あとはもう少し若い40代のサラリーマンと肉体労働系の作業着を着たオヤジさん連中が中心です。
いかにも20代って人は男女とも見掛けません。たま~に小学生ぐらいの息子を連れたサラリーマンが来ているぐらいです。
私がそこそこ熱心にゴルフ練習をした30年前は、ちょうどバブル時代ということもあり、土日曜日の練習場は、朝から夜まで老若男女で行列ができ(1時間待ちとか普通)、土日曜日にコースを予約するには何千万もする会員権を持った会員と一緒でないとダメとか、それでゲスト料金は1プレイ(18ホール)軽く3~4万円(昼食代は別)とか、もう無茶苦茶な世界でしたが、現在は名門コースを除き、あまりそういうことはないでしょう。
そこで、最近の国内のゴルフ場(コース)事情はどうなっているのかな?って思って調べてきました。前置き長くてすみません。
まず公益財団法人 日本生産性本部が毎年公表している「レジャー白書2015」によると、2014年度のゴルフ人口は720万人で、前年(2013年)から140万人ダウン、13年前の2001年と比べると620万人もの大幅ダウンと、ここのところずっと減らし続けています。
90年代初頭のバブル最盛期には日本の人口の1割を超える1500万人以上がゴルフをたしなんでいましたからそれから半減したことになります。
◇ ◇ ◇
次にゴルフコースに行った(プレイした)人の年間延べ総数と、営業しているゴルフ場数の推移です。
データ出典は、一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会調べの「利用税の課税状況からみたゴルフ場数、延利用者数、利用税額等の推移」からです。
高度成長期前の1958年はゴルフ場が117カ所、延べ利用者は2,472千人でしたが、バブル頂点の1992年はゴルフ場は全国2,028カ所(1958年比17倍)で、延べ利用者は102,325千人(同41倍)で、なんと延べ利用者数は1億人を突破しています。
もちろん1人で年数十回利用した人もいるでしょうけど、均せば生まれたての赤ちゃんから入院中のお年寄りまでの国内総人口のほぼ全員が年1回ゴルフ場を利用したってことになりますからこの時のブームは驚きです。当時私も年間10回ぐらいはコースに出ていましたのでその一翼を担っていました。
90年代初頭にバブルが弾けても、それですぐにゴルフ場の開発計画、造成工事は停まらないので、2002年の2,460カ所までゴルフ場は増え続けますが、利用者は先の1992年を頂点にして、その後は平均して毎年100万人ずつ減っていくことになります。
ゴルフ場延べ利用者(2013年8675万人)数を、先の生産性本部のゴルフ人口(2013年860万人)で割ると、ゴルフ場利用者は平均して年10回利用していることになります。意外と多い感じがします。
◇ ◇ ◇
そして作りすぎたゴルフ場は利用者の減少で経営が立ちゆかなくなり、廃業や倒産の法的整理の憂き目に遭います。一季出版株式会社ゴルフ特信のデータから、ゴルフ場の法的整理件数(倒産、廃業件数)とその負債総額の推移です。
2002年は98カ所のゴルフ場が倒産等に追い込まれ、約3000億円の負債総額が出ています。その後は新設ゴルフ場もほとんどなくなり、倒産件数は減少していきますが、ゴルフ人口の減少からすれば、経営的には決して楽ではないでしょう。
バブル時期に何千万円もする会員権を買った人達はおしなべて大損し、中には経営母体が変わってしまい、旧会員は再度数百万円の追加費用を払わないと自動的に退会みたいな悲惨な状況に追い込まれた人も多いように聞きます。
私はちょうどバブル前に貯金をはたいて家を買っていたので、会員権まではとても手が回らず、勧誘は多かったのですが購入せず結果オーライでした。
ただしゴルフ場にとって現状はまだ良い条件が残っています。
それはゴルフ大好き人間が多い団塊世代(66~68歳)が一斉に定年退職したため、暇と退職金を持て余し、老後の楽しみととして会員権を購入したり、混まない平日にゴルフをする人が増えているからです。
この比較的持ち直してきた機会を捉えて、ゴルフ業界は若い人にもゴルフをやってもらおうと、様々な取り組みをおこなっていますが、どれもイマイチってものが多そうです。
プロゴルファーも石川遼や松山英樹に続く若いヒーローが出ず、女子プロに至ってはここ何年も海外勢に歯が立ちません。
さらに慣習やしきたりにこだわる団塊世代が、現在の客のシェアのほとんどを握っていることで、ゴルフ場の思い切った改革や若者向けのサービスが十分におこなえないということもあるでしょう。
若者のクルマ離れと同様、若者にとってはクルマもゴルフも、贅沢なうえにお洒落ではないレジャーでオヤジ世代のものという感覚です。
あと、自分の息子を見ていて思いますが、決定的に運動不足で、日が暮れるまで野原を駆け回って遊んだという経験もなく、なんでも欲しい情報は身体を動かさなくてもキーをいくつか叩けばすぐ手に入り、コミュニケーションするのも外へ出掛けなければならないリアルより、手元ですぐに開始でき完了するSNSばかりという若い人に、時間もお金も、そしてなによりマナーまでうるさく言われ、一緒に回るパートナーに気を遣わなければならないゴルフが、今後再び流行するか?って言うとそれはどうもなさそうに思えます。
5年先の東京オリンピックのゴルフ競技で、若い日本人スター選手の活躍があったとしても、それは一時的なもので、麻雀やパチンコと同様、若い人にとっては古臭い加齢臭が漂うレジャーとして敬遠されていくのではないでしょうか。
そしていよいよ団塊世代がより高齢化して、好きなゴルフもできなくなる10年先を考えると、いまのプチブームが去り、さらにゴルフ場利用者が急速に減じていくことになっていきます。
果たしてリッチな中国人など、多くの観光客を日本のゴルフ場にも呼び込めるかはこれからの戦略次第ってところでしょうか。
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