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リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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20代の頃、もう30年近く前になりますが、大阪で数年間働いていました。仕事は企業相手の営業職で、担当エリア制になっていたので年配の前任者から地区と顧客を引き継ぎました。
担当したのは主として大阪のビジネス街の中心地、中央区の狭い一角で、端から端まで徒歩で歩いていける範囲です。
大阪のビジネス街の地理が不案内だったので、自分の足でエリアを何度もグルグルと歩き回り、既存の顧客を担当しつつ戦略を考えて新しい見込み顧客を開拓していくのが仕事です。
大阪の中心部を歩いてみて面白いなぁって思ったのは、ある地域にライバルでもある同業者が固まってあることです。
繊維関連なら船場や久太郎町、証券会社なら北浜、総合商社は本町、阿波座は電子や機械部品商社などなど。
東京でも兜町に証券会社、秋葉原に家電販売店がかたまっているとかはありますが、もっといろいろな業界ごとに固まり、その密度が濃いというか。
しかも当時には誰もが知っているような大メーカーが、戦前の建物?って思うような古い歴史を感じさせるビルで本店を構えていたりして驚きました(30年ほど前のことで、今ではさすがに建て替えられているようです)。
薬はそれこそ江戸時代から大きな商売の種になっていましたが、それにしても老舗の製薬会社や薬問屋が、江戸時代のまま、今でも大阪の中心部に集まって本店、支店、営業所を構えているというのは壮観でした。
その道修町のすぐ近くには有名な「適塾(てきじゅく)」跡もあり、こちらは医者でもあった緒方洪庵が開いた蘭学の塾で、大村益次郎や福澤諭吉が学び、大阪大学医学部の元となった学校です。道修町の医薬品と、そのすぐそばにあった適塾との関係に思いを寄せたりします。
大阪道修町に拠点がある製薬、化成品会社を列挙しておくと、カイゲンファーマ(本社)、小林製薬(本社)、塩野義製薬(本社)、大日本住友製薬(大阪本社)、武田薬品工業(本社)、田辺三菱製薬(本社)、扶桑薬品工業(本社)、丸善薬品産業(本社)、和光純薬工業(本社)、小野薬品工業(本店)、田村薬品工業(本社)、中間物商事(本社)、DSファーマバイオメディカル(本社)、天藤製薬(大阪本社)、ニプロファーマ(本社)、伊藤由製薬、乾卯栄養化学、イワキ、エビス薬品、関西薬品、小城製薬、金剛薬品、シオエ製薬、鈴粉末薬品、関商、第一三共、ダイト、大鵬薬品工業、高砂薬業、東洋製薬化成、常盤植物化学研究所、日新化成、日本新薬、日本製薬、日本バルク薬品、日本粉末薬品、日野薬品、富士化学工業、富士カプセル、堀江生薬、丸三薬品、丸善製薬、三国、八ツ目製薬、山善製薬、横内製薬、米山薬品工業、興和など(順不同)。
30年前から吸収や合併などもあり、だいぶんと社名が変わったりしていますが、それでもまだこれだけの会社が狭い道修町の一角に店を連ねています。
製薬会社と言えば、近代以降は研究開発施設や製造工場、倉庫・流通などの部門が必要で、こうした街の中心部にあるのはいわゆる営業販売部門と本社事務部門だけということになりますが、この業界、高齢化社会ということもあって、いまは割と景気がよさそうなのです。
話しが急展開するようですが、いま、松井大阪府知事が中心となり、2度目の大阪万博を開催できないかと旗を振っています。
「思いつきの発想」経済界総スカン!? 松井知事が2度目の大阪万博にこだわるワケ
2度目の大阪万博では、これから多くの先進国が迎える高齢化を先取りしてきた日本の得意分野の「健康」「長寿」をテーマとして、医療や介護、薬品、バイオなどの分野に焦点をあてようというもので、超高齢化を迎えている日本の、大阪道修町を抱える大阪市としては、目の付け所は青色吐息のシャープ(本社大阪市)と違ってイイカかもって思ったりします。
もちろんまもなくおこなわれる大阪府知事選挙で松井知事が圧勝して再選されることが絶対条件でしょうけど、東京で二度目のオリンピック、それなら大阪では二度目の万博という発想はシンプルで悪くはないと思います。
年齢が高齢化して新しいことはなにも受け入れられない頭が硬直化しつつある多くの大阪府民からは不評を買うことになるでしょうけれど。
もちろん団塊世代が押し寄せた1970年の万博と違って、国内の観光客はあてにできませんので、海外、特にアジアからの観光客をどれだけ呼び込めるかというのがキーとなりそうです。
日本ブームでもあり、USJや京都・奈良など世界に通用する観光資源が近くにあり、私は十分に勝算はあると思いますけどね。
別に万博だから箱物を作ってと言う旧来の発想ではなく、高齢者が生き生きと暮らせる先進的でお洒落で楽しめるコンパクトシティのモデルを大阪郊外に作り(万博終了後はもちろん高齢者用に有効活用)、そこへ視察&体験に来てもらおうというのであれば既存の施設や改築する施設も利用してそれで十分に対応が可能かなと。
来場者には日本が誇る世界最先端の医療検査機器でおもてなしをして、手軽に全身の精密診断が受けられ、詳しい検査レポートが1時間でもらえるとか、必要に応じて薬もすぐに処方してもらえるとか、医療と健康に特化したサービスを提供しなくちゃなりません。
また大阪万博と言いつつ、日本の各地の観光も兼ねられるよう、人気の高い京都や神戸、奈良、和歌山あたりまでひっくるめて会場や展示場、提携宿泊施設を拡げ、関西全域でおもてなししていくという方向性も考えられます。リニア新幹線が大阪までつながっていれば、これもいい引きになります。
もちろん何事にも反対する人はいるでしょうけど、できれば大阪市や堺市の企業が中心となって、民間の知恵とお金で税金は投入せずに立派にやっていけるのであれば、これからの日本の歩む道を世界に対して示すいいPRになっていいのではないでしょうか。
【関連リンク】
951 日本経済と外交を大阪商人に任せてみる
929 人だけが長生きをしたがる
906 トクホが売れるわけ
737 日本人が罹りやすい病気
613 関西風味
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2年前に「Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか」というブログを書きました。
いずれも国内の小売り形態が変化しつつあり、このままでは効率とスピード、そして価格にも勝るAmazonの独壇場で、日本の店舗を構えた小売業は壊滅的な状態になりかねないと警鐘を鳴らしたものです。
そういう私自身も気がつけば、家電、PC関連、書籍、自動車・バイク関連部品、日用品、飲料水、医薬品など年間数十万円の買い物をAmazonでしていて、その他の小売店で買うよりも多くの支払いをしています(妻が支払っている食料品や日用品代を含めるとさすがに超えたことにはなりませんが)。
最近、ようやくと言っていいのかわかりませんが、総合スーパーのイオンとイトーヨーカドーあたりが小売りの抜本的な改革に乗り出してきています。
共通しているのは、総合スーパーとコンビニ、通販、流通の連携と活用です。ま、今のところそれしか優位性はないと思われます。
セブン&アイ、店舗とネットを融合する新サービス「オムニ7」開始…系列8社が参加
イオン系スーパー3社連合発足、「オムニチャネル」拠点に、グループ連携模索。
ここで登場してくるキーワード「オムニ」または「オムニチャンネル」ですが、直訳すると「全販路」「とか「総流通」と言うのでしょうか、つまり小売りの中の在庫~販売(消費者)~流通までを統合して、システマチックにおこなうこととされ、その中には通販などのEC事業や、リアル店舗販売、物流、会員ポイントカード、系列クレジットカードなどが含まれます。
イトーヨーカドーを運営するセブン&アイグループの各小売店や提携店では、ナナコという電子マネーで買い物が出来、通販はセブンネット、決済はセブンカード(アイワイカード)で、受け取りは宅配か近くのセブンイレブンで。在庫と配送はスーパーとコンビニと共通化し、さらには時間勝負の生鮮品の通販の配送にも生かしていくと改革にはすごいものがあります。
対消費者においては、カード利用者がいつなにを買ったかという情報が小売店側に蓄積されることで、今後そのカードの持ち主がいつなにを必要とするのか、どういう商材に興味を持っているのかなど分析し、タイムリーに有効な情報提供をおこなうことで、消費を刺激したり他店に流れるのを防ぐことができます。
消費者にとってはそのカードを使うことでポイントがたまり、それが割引同等として利用できれば、双方にとってWinWinの関係が築けます。
そうなってくると、地元商店街の個人経営の小売店や、そうしたグループに入らない中小スーパーなどは消費者側からすれば敬遠されがちになり、結局は大手小売りグループには逆らえないという構図になってしまいそうです。
生活圏が限定されている場合は、それでもいいのでしょうけど、毎週買い物に行く先が違うような人の場合は、結構面倒くさく、さらにドラッグストアのポイントカードやら、通院先の診察カードやら、レンタルDVD屋のカードやら、何枚もカードを作らされて財布の中がパンパンになってしまいそうです。
個人的には、ポイントカードは一切持たない主義なので、そうした制度はありがたくなく、現金値引きをしてくれるところを優先にしたいのですが、今では行く先々で、「ポイントカードはありますか?」と聞かれ、「ない」と答えても「すぐできますのでいかがですか?」と尋ねられ、鬱陶しくてかないません。
ブックオフの店内では「ポイントカードを作らない理由が見あたらない!」とBGMで繰り返し放送されて「ほっとけ!作らないのは家の家訓じゃ!」とばかりに癪に障ります。
またポイントだけならいいのですが、最近ではポイントカードを持っていないと駐車場が無料にならなかったりして、敵も然る者引っ掻くもので、どうにかして利用者にポイントカードを持たせ囲い込み、個人情報を集めたがっています。嫌ですねぇ、、、
それはそうと、小売りに関してはセブンとイオンの2強対決なのか?ってところですが、まだ大手家電販売店(ヨドバシやヤマダ電機、ビックカメラなど)や、ネット通販専門店(Amazon、楽天、yahoo!など)、老舗デパート(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋など)、大手コンビニグループ(ローソン、ファミリーマートなど)、携帯電話キャリア(NTTDoCoMo、auなど)、大手ガソリンスタンド系列、それにまもなく民営化される日本郵便など、まだまだ小売りの主導権争いは続き、事業統合や提携、激しいつぶし合いなどが起きそうで、遠目で眺めている分には(火の粉が身に降りかかってこなければ)まったくもって楽しみです。
【関連リンク】
955 道の駅の転換期
856 コンビニの活用はどこまで進むのか
813 地域活性化は道の駅で
719 道の駅は次の段階へ進めるか
709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか
702 アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
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ここ3年ほど毎年東北へクルマで出掛けていますが、各地の道の駅を利用してみて、観光バスが団体で乗り込んでくるようなすごく活気のあるところと、ほとんど閑散としてしまっているところと、いわゆる勝ち組と負け組がハッキリとついてきた感があります。
以前ブログに「地域活性化は道の駅で」、「道の駅は次の段階へ進めるか」というのを書きましたが、道の駅も2年前に全国1000カ所を突破し、やや飽和状態になってきたようで、ネガティブな話しも出てきています。
道の駅はコンビニに駆逐される? 誕生秘話と淘汰の時代
| 隣接する自治体が競うように建てたあげく、1キロごとに道の駅が並ぶ道路もある。また補助金事業の典型で、売るものに工夫がなく、参加事業者も行政への依存傾向が強い。そもそも何のために建てたのか目的が見えない。むしろ立派すぎる施設の維持費がかさんで、経営を圧迫する例が増えてきた。 (中略) 今後は淘汰が始まるだろう。いや、すでに始まっている。交通の主役が鉄道から道路に奪われたように、生ぬるい道の駅は、コンビニに駆逐される? |
先述したように、その地域の観光拠点となっていて、休憩以外に利用できる「なにか」があり、多くの観光客が押し寄せるような道の駅もありますが、一方では寂れてしまっていて、薄暗く昼間でも営業しているのかどうかわからないような道の駅もあります。
いくら便利な場所でも同じような施設が集中すると、客は分散し、また客の争奪戦で荒れ果て、共倒れしかねません。
そして次にはやはり美味しい名物があり、地域の名産品が購入でき、そして付加的に日帰り温泉があったり、遊園地が設置されていたりというお手軽なレジャーが味わえることが重要なのでしょう。
では名産品もなく、温泉もないと寂れるかと言うと、民間の知恵で必死に経営努力をしているところは、観光客だけではなく、地元の人にも愛されて、うまく回っているところも見受けられます。
ま、地元の人ばかりで観光客がちょっと近寄りがたい雰囲気のところもあり、悩ましいところですけどね。
どうしてもこうした道の駅の事業も、おつむの堅い町や村の役人が主導でおこなうと、施設の営業時間は朝9時から夕方5時までと決め、日が長い夏であろうと、観光シーズンでも関係なく、とてもサービス業とは思えない営業態度がかいま見られます。
やる気あるのか?って聞きたいぐらいです。ま、そういうところは補助金さえもらえればどうでもいいと、やる気はないのでしょうけどね。
残念ながら現在の道の駅は世間で行列ができるような有名店や人気店というのはほとんど入っていません。これはなぜなのかな?って思うと、道の駅のテナント誘致は基本的に地場企業優先で、他の地域の店舗やフランチャイズの店をどうも避けているような感じです。これもなにかお役人の発想のように思えてきます。
昔の高速道路のサービスエリアに入っていたレストランは、なにか官営っぽい匂いがする高くてまずくて従業員も公務員っぽくてやる気がないショボイところが多かったのですが、道路公団が民営化されて以降、有名ファストフード店、全国チェーンのコンビニ、そして有名レストランやラーメン店などが次々と出店し、素晴らしくよくなってきました。
そしてついにはアウトレット施設や、レジャー施設なども充実してきて、そこへ行くことが目的となっている人気の場所となってきています。
ただしそうしたものと無縁の単なるトイレ休憩や仮眠をとるための寂れた駐車場となってしまっているところもまだ残っていますが、それもいずれは変わっていくでしょう。
上記の記事の中では「コンビニのほうが品揃えもよく、やがては道の駅も淘汰されていくだろう」と書かれていますが、確かにコンビニと同じ土俵で戦おうとすれば、その洗練された販売ノウハウや、道の駅独自の防災機能としての備蓄義務など設備費の負担が重く勝ち目はありません。
ただ道の駅は一般的に安く広い土地を有効に利用できるというメリットがあり、また施設面積も大きく、さらに全国チェーン店ではないので料理や商品に地域色を出しやすいメリットも多くあります。
またサービスエリアでもやっているように、深夜までやっているような行列の絶えない人気ラーメン店や、人気のベーカリーをテナントに呼び込み、休憩のためではなくわざわざ「遠回りをしてでもあそこの道の駅に寄りたい」「デートでも使えるお洒落なレストランが入っている」「スーパーよりも食料品の品揃えがいい」というような客を捕まえるなど工夫が必要でしょう。これらはコンビニでは絶対にできないことですね。
今後はそうした努力と、官製ではなく、民間のマーケティング意識がよく考えられた道の駅だけが生き残り、役人主導で補助金目当ての道の駅は淘汰されていくことになるのでしょう。
しかし多少の優遇をすれば、自助努力でなんとでもなりそうなのに、どうして補助金など出すのでしょうね。これも利権につながっているのでしょうか。「道の駅経営コンサルタント」の仕事でもやろうかしら、、、
【関連リンク】
856 コンビニの活用はどこまで進むのか
813 地域活性化は道の駅で
719 道の駅は次の段階へ進めるか
711 地方が限界集落化していく
667 減りゆくガソリンスタンドが生き残る道
653 小売ビジネスはどこへいくのか
616 ガソリンスタンドの経営が厳しいと言うことはわかるが
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954
以前書店数が激減しているというブログを書いたのが、5年半前の2010年1月ですが、その後も順調?に減らしてきているようです。
書店数の推移(1999年~2014年、青、棒グラフ、単位:店舗数、出典:日本著者販促センターデータ)と出版物(書籍、雑誌合計)推定売上推移(2004年~2013年、赤、折れ線グラフ、単位:億円、出典:出版流通コンサルティング冬狐洞隆也氏のデータ)です。
書店数と出版物の売上が見事にリンクし、最近ちまたでは別にめずらしくはない綺麗な右肩下がりのグラフとなっています。
まず書店数ですが、1999年の22,296店から2014年には13,943店と、15年間で8,353店減らしています。このままのペースでいくと、あと20年もすれば計算上では国内の書店のほとんどが消えることになりそうです。
ま、多くの人は書籍はネットで、雑誌はコンビニで買うから書店が消えても不便を感じないかも知れません。外勤営業の人の無料&時間つぶしの場所がなくなるのは気の毒な限りですが。
それに数値ではわかりませんが、主に中小零細な書店中心に減っているようで、チェーン展開している大型書店はそれなりに頑張っているので、まだしばらくは大丈夫かと思います。
書店が減るのは書籍など出版刊行物が減ってきていることとも比例しています。
書籍や雑誌の売り上げは、2004年に22,428億円あったものが、10年後の2013年には16,823億円と5,605億円減らしています。
売上が16,000億円で、10年間で5600億円減ということは、こちらもこのままのペースだとあと30年ほどで売上0円になる勘定です。書店が20年で、出版社が30年で消滅ですか。
もちろん国内から書籍(電子書籍含め)がなくなることはないでしょうけど、構造転換しなければ、出版社も印刷会社も取り次ぎも書店も一往に厳しい状況になっていくばかりでしょう。(紙の)書籍ファンの私としては寂しい限りですが、、、
もうひとつ別のデータでは、「出版業界、5年間で1兆2500億円の売上減 帝国データバンクの経営動向調査」という記事がありました。
こちらは書籍や雑誌の売り上げだけでなく、出版業界(書店経営業者、出版社、出版取次業者)全体(製紙会社や印刷所は入っていない模様)の売上減少の話しです。
ザックリした概要を書くと、出版業界の2008年売上はおよそ6兆円あったが、この5年間で約1兆円ダウンして5兆円になった。
つまりこのペースで5年ごとに1兆円が減れば、25年後には売上が0になるという計算になります。当たり前ですが、上記の書店数や書籍売り上げの下降線と消滅する時期がほぼ同様になっています。
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
さて、出版業界や書店に明るい材料や未来はあるのか?って聞かれると、特に根拠はいくら探し回っても出てきませんが、あるに違いないと思いたいです。
1970年代に旧ソ連で発達した角膜にメスを入れて視力を回復させる技術が確立され、その後レーザーメスが発明され、より安全確実な手術が可能となってきたのは承知のことです。
そうした技術が生まれたとき、私はこれで「眼鏡業界やコンタクトレンズ業界の人は10~20年後には完全に失業だな」と思っていましたが、それから40年経った今でも眼鏡もコンタクトもまだまだ健在です。
特に書籍はそれを作り出すコンテンツ力が重要で、いくら技術が進んでも自動的に面白い小説を創り出したり、過去の小説を現代風にアレンジをしてくれません。自動化や機械ができるのはせいぜい校正とか翻訳と言ったところでしょう。
人気作家が紙の書籍として出したいと望めばそれはかなうでしょうし、電子ブックと併用したり、初期費用をかけないよう電子版だけで発行というのも増えては来るでしょう。
配布方法や見る手段が変わっても魅力あるコンテンツを作り送り出すビジネスはなくなりはしないということです。
1980年以降に生まれた人は物心ついたときからPCや携帯電話などが身近なところにあり、デジタルネイティブと呼ばれていて、おそらく紙の書籍よりも電子書籍が普通という感覚を持っているいる人が多いのではないかと思います。
ただし同じデジタルネイティブでも、親がその世代ではないと、子供に対して紙の本や新聞を読めと勧めたり強制することもあり、一足飛びに完全デジタル世代にはならないでしょう。
紙の出版物が完全になくなっても差し支えない世代は、デジタルネイティブが親になり、その子供が社会に出てきてからになると思われます。
1980年生まれは現在35歳、結婚していればすでに親になっている人が多いでしょうが、その子供はと言うとまだ社会に出てきてはいません。それに残念なことに非婚化と少子化により、その世代は数的にメジャーとはなり得ません。
ということは、デジタルネイティブ世代前の最後の世代1970年代生まれの人達が寿命を迎えてほとんど姿を消すまでは、おそらく書籍にしろ新聞にしろ、その他出版物も現在と同じ紙のままで生き残るのではないかと思うわけです。
アナログ世代の最後に属する1975年生まれは今年40歳、普通に活動できる寿命が平均的に80歳だとするとあと40年ありますね。それまではボリュームは減り続けても、アナログの書籍や新聞の需要はあり、なくならないと考えられます。
ちなみに老若男女に支持されていそうな又吉直樹著の芥川賞受賞作品「火花」は、紙の単行本が150万部に対して電子書籍は10万部ということです。この電子書籍10万部という数字は発行元の文藝春秋社でも初のことだそうです。
つまり現在の書籍では、紙版15に対して電子版は1という比率(7%)が実態というか、いろいろと言われていますがまだ電子書籍は1割にも達していない、そんなものなのです。
さらに紙の書籍の廉価な文庫版が登場すれば、電子版との差はもっと広がりそうです。
やがてこの紙と電子版の割合が均衡し、そして逆転する時期が来るでしょうけど、先に述べた理由からして、それにはまだ10年以上はかかりそうに思われます。
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
新聞ですが、相変わらず効率の悪い旧式のビジネスを踏襲し続けていて、まもなく大転換の時期がやってくるでしょう。
朝夕2回個別に宅配をするような、人手や人件費がかかり過ぎるビジネスは、大都市圏の集合住宅地域でないと維持できなくなるでしょう。その前に新聞をとる世帯が減少し続けています。
コストを下げるため配送や配達員に外国から安い労働力を入れますか?入ってきても、すぐにもっと割のいい楽な仕事に移っていくだけですよ。
新聞がどうしても紙で読みたい場合は、コンビニに買いに行くか、コンビニがない地域では新聞自動販売機で購入するとかになりそうです。あるいは月間購読料(約4,000円)が今の2倍とかになるかもです。
思いつきのアイデアですが、日本郵便とタイアップして、全国各地にある郵便ポストに新聞の自動販売機をくっつけるとかすればいいのかも知れません。補充は郵便物収集の日本郵便の人が一緒におこなえばいいのだし。
おそらく規制緩和が必要でしょうけど、それぐらいは既存の新聞配達所以外、誰の迷惑にもならないので簡単にできるでしょう。
すでに一部では進んできていますが、新聞は紙ではなく電子版へ移行していくのは確実です。
新聞を網羅的に見たいという人のために、大きめのタブレットも出てきていますが、高齢者にとっては重かったり設定が難しく使いづらいものです。
少なくとも新聞社は自社専用のタブレットを作って、購読者に無料で配布し顧客を囲い込むぐらいの思い切った戦略をとらない限り、ジリ貧に陥ってしまうでしょう。
自社専用タブレットならば、起動すればwi-hiにつながり、自社専用画面が表示され、お買い得品や旅行の案内など、新聞事業以外のネット通販など新しいビジネスへ拡がります。
端末ごとに個人が登録されていて、新聞購読代の引き落としをおこなっていれば、通販も独占でき、Amazonや楽天よりも有利に展開ができます。
そういう大きなビジネスチャンスをみすみす捨てて、個人が所有する汎用性があるパソコンやタブレット、スマホで「有料の電子版をどうぞ」という今のビジネスモデルは、まったく先見の明がないアホとしか言いようがありません。
長くなってしまいましたが、やりようによっては、出版社も新聞社も新たなビジネスチャンスは必ずあるけれど、それはアナログ世代が古いしがらみにまみれながら考えたり事業方針を決裁するようなモデルではなく、まったく新しい発想に立たなければ生み出されないだろうということです。
つまり大新聞社にしろ、大手出版社にしろ、早くデジタルネイティブの30代の役員、社長を据えて、必死に考えて実行したところだけに未来があるということでしょう。角川がドワンゴとくっついたりしたのはまさにその先鞭だと言えるでしょう。
【関連リンク】
755 電子書籍を普及させるには
509 本屋大賞ノミネート作品について
358 テレビ・新聞に未来はない?
341 新聞、雑誌、書籍など紙媒体はなくなるか?
330 消滅する書店
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今年の4月は曇りや雨の日が多く、平年と比べて日照時間がかなり少なくなりました。農業王国の長野県を例にとると、4月1ヶ月間の日照時間が平年と比べて7~8割という地域がほとんどでした。
日照時間や降雨量は穀物や野菜、果物の生育に深く関係していて、適正な成長ができなかったり育つ途中で腐敗してしまったりします。そのため4月はキャベツやトマトなど野菜の価格が高騰し家計に打撃を与えました。
こうした気候による生産量や品質の変化に対して昔から品種改良などによりかなり改善はされてきましたが、やはり大きくは自然環境に頼らざるを得ないという構造的な図式は変えられません。
しかしこれからの農業は、まだまだ変えられる余地がある分野として企業などから注目されています。
個人農家だと大規模な投資や従業員雇用などはできませんが、企業が乗り出すことによって今までできなかった取り組みが可能となります。
例えば「植物工場」があちこちで稼働し始めています。
一般的な電気照明を使った植物工場は流行もあって、すでに各地で拡がりを見せています。
あらゆる農業はいつか植物工場にたどり着く?
事業者「磐田、農業に最適」大型野菜工場計画
今回注目したいのは、さらに先へ進んだ、日本には豊富な資源として存在する温泉熱と電気のハイブリッド型の植物工場です。
温泉熱とLED照明で「熱帯植物工場」、雪国でもバナナやコーヒーを栽培できる
| 岐阜県の北部にある奥飛騨温泉郷で、バナナやコーヒーを生産する植物工場が3月中旬から稼働している。温泉熱とLED照明を組み合わせて、室内の温度を一定に保ちながら光合成を促進する仕組みだ。温泉旅館の和室を改造した植物工場では、栽培に必要な電気代が月に1万3000円で済む。 |
上記工場は今までなら農業とはあまり縁のない北アルプスにほど近い奥飛騨温泉郷にある株式会社奥飛騨ファームが運営しています。ここでは単なる野菜ではなく多少付加価値があるものを栽培していて、これからの小規模な地方農業のあり方として全国で注目されているようです。
そのほかにも富山市や青森市でも同様の事業が始まっています。
■温泉熱+LED照明+太陽光発電で、エゴマを栽培する植物工場が完成
■小さな植物工場にもニーズあり、温泉熱や地下水熱を利用
それに加えて撤退して空きになっている工場や、誘致するために開発した広大な工業団地の跡などがたくさんあります。
そしてもっと言えば空き家になっている家には事欠かない状況です。
それらを有効活用しない手はないでしょう。
例えば温泉が出る場所の近くに地熱発電所を作り、そのそばに地熱発電で利用した地下温水を引いて365日24時間稼働の野菜工場を併設するとかなど朝飯前にできそうです。
発電した電気はそのすぐそばで利用できますので効率もたいへんよろしい。
また遊休地があれば最近では太陽光発電パネルを並べて「さぁどうだ」と誇らしげにエコを歌っていますが、それだけでは仏作って魂入れずの状態なので、どうせやるならその太陽光発電で得られたエネルギーを利用する野菜工場をまず造って、その工場の天井や敷地内に太陽光パネルを敷き詰めるぐらいのことをやってもらいたいものです。
ほぼ全自動で完結してしまう地熱発電や太陽光発電だけなら地元にお金が落ちず誘致にあまり積極的でない地元自治体も、同時に野菜工場や加工工場が稼働することで、若い人や地元住民が働く場所が確保できるようになります。
地熱発電については過去に2度ばかり書いています。
■地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
■再生可能エネルギーについて
そうした野菜工場で生産する比率を高めていくことで、気候や病害虫の影響を受けにくくなりますので、アホも極まれりなカロリーベースの食料自給率などに一喜一憂していないで(野菜はカロリーが低いので現在のカロリーベースの自給率向上には向かない)、少なくとも野菜の価格安定化と自給率向上に取り組んでもらいたいものです。
数年前から糖質ダイエットを実践してみてわかったのですが、(慣れてしまえば)別に主食の米やパンなど食べなくても、おいしい野菜や果物、肉があれば、夕食の質は断然上がり豪華で満足度も高くなります。
もちろん成人の食生活にとってもいいことこの上ありません。私は夕食に米はもうほとんど食べていません。
年齢にもよりますが、人口減と超高齢化社会になるということは、ますますカロリーが高い米など穀物の国内消費量は減っていくということに他なりませんので、米農家も決して安泰なはずもなく、それなら、より付加価値があって、しかも安定生産できる穀物以外の食料工場が、これからの日本では重要な食料政策のポイントとなっていきそうです。
それがうまくいけば、食料工場をシステムごと世界中で売ることが可能となり、それが日本の国際支援であり、また安全保障にも関わってくるのではないでしょうか?
【関連リンク】
816 2050年に向けてのグランドデザイン
747 農家の知恵はいまの熱中症を予防する
725 農業の大規模化と零細な起業
600 地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
438 生物多様性と絶滅危惧種について
437 日本は世界第5位の農業大国という事実
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