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1497
コロナで明けてコロナで終わりそうな2020年の暮れも押し詰まってまいりました。今年のブログでは様々なテーマの中で新型コロナに関連した記事もいくつか書いています。

今年2020年の1年間に書いたブログ記事は、この本年最後の振り返りを含め102記事となりました。原則水曜日と土曜日に記事を上げていますが、およそ2.8日に1記事、月に8.5記事の割合です。

ブログ記事のテーマで多いのは「読書/書籍」で30記事で全体の30%を占めています。毎月読んだ書籍の感想を前半分と後半分に分けて書いているのと、それ以外にも、

ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完
東日本大震災関連小説とコロナ禍後

など、書籍に関連することもいくつか書いています。

その他をテーマ別に多い順に並べてみます。

統計」テーマは全部で14記事あります。そのうち代表的なものは、

世界と日本の宗教別信者数
新聞の発行部数推移など
コロナ前と後で失業者数や失業率の変化
ホームランは増えているのか?
再びゴルフ場とゴルフ人口の推移

など。

健康/食品」テーマは9記事あります。そのうち代表的な記事は、

ウイルスと細菌の違いなど
高齢化で便秘症患者が増えていく
各年代で歯は何本残っている?
死因に占める誤嚥性肺炎が増えている

です。

映画/テレビ」テーマでは8記事です。見た映画の感想以外に、

コロナ時代のテレビ番組と再放送
毎週繰り返し録画してみているテレビ番組一覧

などがあります。

雇用/リストラ」と「仕事/ビジネス」は、このサイトの元々の目的でもあります。それらテーマのブログはそれぞれ6記事ずつあります。

雇用/リストラ」テーマでは、

2020年はまたもリストラが大ブームに?
耐え忍べるかフリーランス
2020年11月のリストラと倒産

仕事/ビジネス」テーマでは、

いきなりステーキの憂鬱
コンビニは時代に合わせて変われるのか?
スマホの普及でカメラ産業は風前の灯火か

など。

あとは4記事の「生活/DIY」、3記事の「クルマ/事故」テーマと、「お金」テーマで、一部を抜き出しておきます。

リタイア後、日々やってきたこと
BS/CSアンテナの交換DIY
マイペースな運転は身を滅ぼす
マンホールのデザインはまず実用性から
31年間の住宅ローンから解放される

残りは「高齢者」テーマ(2記事)と特にジャンルを問わない「その他」(19記事)に分類されるものです。

多死社会はなにをもたらすか
無人島をもっと活用できないか?
コロナ後の日本の行くべき道は
心霊現象、超常現象の話し
時計を必要としない世界

などです。

「高齢者」テーマ記事は2018年が7記事、昨年2019年が6記事ありましたが、今年2020年は2記事と大きく減ったのが意外です。もっとたくさん書いていたような気がしてました。

逆に昨年2019年は「統計」テーマが3記事しかありませんでしたが、今年は14記事と大きく増えました。これはおそらくですが、6月にリタイアして統計データを探し加工する時間が増えたことによるかな。

それにしても、来年はすべての人にとってよい年になってもらいたいですね。そう願って今年のブログを締めさせていただきます。

本年もありがとうございました。来年はルーティン通り、1月2日(土)のアップ予定です。

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1496
生ける屍の死 (創元推理文庫) 山口雅也

この著者の小説を読むのはこれが最初ですが、1989年に「鮎川哲也と十三の謎」で発表したこの作品が実質デビュー作です。文庫版は1996年に東京創元社、2018年に全面改稿版が光文社から出版されています。

舞台はアメリカのニューイングランドにある田舎町で、主人公はアメリカ人ですが、ルーツは日本人とアメリカ人のハーフという設定です。

日本人作家が書く小説で、物語の舞台や主な登場人物が外国人という小説は意外と少なく、以前読んだ皆川博子著の「開かせていただき光栄です」などとともに珍しいパターンです。

ストーリーは、死人が生き返るというホラーの要素と、素人探偵ミステリーの基本のような事件解決スタイルが同居し、腹いっぱいになります。文庫のページ数も640ページを超え、通常の文庫2~3冊分に相当します。

過去に読んだ小説の中で、文庫1冊で長かった(分厚かった)のは、半村良著「妖星伝 終巻」や、京極夏彦著「魍魎の匣」が、それぞれ1000ページを超えてました。

さすがに1000ページを超える(約500g)と、寝転がって手で持って読んでいるとつらくなってきますが、この640ページ(約300g)は、普通の単行本と同じぐらいの重さで、ギリギリ大丈夫でした。

先日に読んだスティーヴン・キング著「呪われた町」(1975年)は、同じくアメリカで死んだ人間が生き返るという、ドラキュラ伝説を描いた物語ですが、こちらも、一度死んだ人間がなぜか生き返るという物語です。

2020年12月前半の読書と感想、書評(呪われた町)

なぜ死人が生き返るのかという謎は最後まで不明のままで、しかもドラキュラや鬼のように夜しか活動できないとか、生きている人を襲って生き血を吸うとかはなく、死人かどうかは表面上は体温がないとか、目の瞳孔が開いてよどんでいるとかしか区別がつかないというのは、あまりにも安易で都合良すぎ、何でもありの小説と言えども反則気味。

そうした死人が生き返る謎はともかく、次々と起きる殺人事件の謎に迫る、早くに毒を盛られ?一度は死人となって生き返った主人公が、刑事の謎解きを否定し、緻密な謎解きをするのは、古典ミステリーと同様な手法で、読み応えあって面白かったです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (文春文庫) 原案 渡辺一史

進行性筋ジストロフィーという指先以外はほとんど動かせなくなった難病を抱えながらも、病院や家族から離れ、自立生活をおくる主人公鹿野靖明氏の生活を描いたノンフィクションを元とし、映画用に脚色したこの小説は、2003年に初出、2013年に文庫化されました。

この作品を原作に映画「こんな夜更けにバナナかよ」が2018年に主役を大泉洋と高畑充希で制作されました。

世の中の常識では、自分のことがほとんどできない重度障害者は、専門病院や施設で生活するのが当然という慣例?がありますが、それに敢然と立ち向かい、家を出て、また医者から入院を勧められても断り、自ら介護ボランティアを募り、不自由ながら自立した生活を送っています。

介護ボランティアをしている医学生の恋人が、そのボランティアのためにデートの約束を何度もキャンセルすることに疑惑を感じ、彼氏がボランティアをしているという家にやってきたところ、そのまま彼氏と泊まりで介護をすることになります。

全身麻痺の患者はわがままで、ボランティアに対してあれこれ遠慮なく指示をしますが、深夜になってから「バナナを食べたいから買ってきて!」と頼まれ、理不尽な怒りを抱きながら街中を走り回って買ってきます。それがタイトルになっています。

そして、その後、フリーターとしてバイトする一方でボランティアとして活動しますが、やがては身障者の生き甲斐や人権に目覚めていきます。

しかし進行性ゆえ、徐々に弱っていく患者を看取ると同時に、あきらめていた学校教師の道へ進むことを患者から提案されたことで、その気になっていくボランティア女性の成長物語でもあります。

こうした試みが、他の多くの身障者やそれに関わるボランティアや家族が、穏やかな気持ちになれて、それぞれの夢や闘病のモチベーションに少しでもなるといいですね。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

人間の本性 (幻冬舎新書) 丹羽宇一郎

著者は伊藤忠商事社長、会長を経て日本郵政の役員、中国大使などを歴任され、あとは文化勲章だけといういわゆる上級国民の方で、この新書を読んでいてもちょっと上から目線での話しが目に付きます。ま、そういう立場が長いと、そうなりますよね。

でも人間的にはとても魅力ある方だと思います。私もこうした人と一緒に仕事がしてみたかったと思います。そうした人間的な魅力は大企業の経営者としては絶対に必要な素養でしょう。

タイトルの「人間の本性」について深く掘り下げたとはとても言えませんが、50年を超えるビジネスや国際交流の場で経験してきたこと、特に人間関係という話に重点が置かれています。

ま、タイトルは出版社の都合で「売れそうなタイトル」を編集者が付けるケースが多いですから、著者の本音が出るケースは少なそうですけどね。

「自分は仕事が楽しい」と何度も繰り返されていますが、いくら好きであっても、70過ぎても第一線の場で働くというのは、私は「百害あって一利なし」と思っています。周囲の若い人が迷惑に思うだけです。

自分はまだまだできると思っていて、さらに周囲からおだてられ、励まされ、求められというのが働くモチベーションとなっているのでしょうけど、それは、結局は若い人が成長する機会や場やお金を奪う行為で、本人は世のため人のためと思っていても、それは勝手な思い込みに過ぎません。

立派な人というのは、「Old soldiers never die, They simply fade away.」(老兵は死なず、単に消え去るのみ」が常に美しいあり方だと思っています。人の美学とでも言いましょうか。

高齢化社会と言われている今の日本では、そうしたシンプルにフェイドアウェーできる美しい老人が少なく、いつまでも第一線に立ちたがり、偉そうに自己主張を続け、晩節を汚しているのが私には理解できず良くないことに思えます。

2019年に池袋で起きたクルマの暴走死傷事故で、文化勲章までもらった元高級官僚の老人が、裁判では「事故はクルマの経年劣化による故障で自分は悪くない、無罪だ」と主張していて、被害者遺族弁護士が「クルマの経年劣化と主張しているが、ご自身の経年劣化は考えないのか」と、嘲笑気味に会見で言っていましたが、劣化した本人にはそれがわからず、しかもそれを忠告してくれる人が周囲にいない惨めで不幸な人ということでしょう。

この著者が経年劣化していると言っているのではなく、誰しも老化はあるもので、いくら人間ドックで健康体と言われても、何事も早めに後進達にすべてを委ねていくことこそ、一時代を築いてきた老人達の本当の役目ではないかなと思っています。

私が「人間の本性」というタイトルで文章を書くとすると、そうした「俺が!俺が!」の老人達の見苦しい老い方をテーマにするだろうなぁと感じました。

★★☆

【関連リンク】
 12月前半の読書 呪われた町、傘をもたない蟻たちは、2025年東京不動産大暴落、殺人犯はそこにいる
 11月後半の読書 砂の王国(上)(下)、おとなの教養2、晩秋の陰画、ダブル・イニシャル
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1495
外国の国名には、日本で知られている読み方と全然違っていることがよくあります。

例えば、オランダは正式名は「Nederland」で、日本語読みすれば「ネザーランド」でしょうし、イギリスは「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(略称UK)」です。その正式な国名のどこにもオランダやイギリスに近い発音は入っていません。



上はオランダ大使館の入り口にある標識ですが、上からオランダ語、日本語、英語の順番で公式の国名が書かれています。

日本でオランダという名前になった由来は、織田信長が活躍していた戦国時代に、はるばるやってきたポルトガル人宣教師が、当時のオランダのことをポルトガル語で「Holanda」(ホラント)と呼んでいたことから始まるそうです。

なので、日本においては、「ネザーランド」のことを「オランダ」という発音で500年ぐらいの歴史があると言うことになります。

オランダ政府も、そのような昔から、日本に「オランダ」という国名が定着していることから、現在のところその呼び方を変更することは求めていないそうです。

イギリスの国名も、オランダと同様で、最初は戦国時代にポルトガル宣教師からイングランドのポルトガル語「「Inglez(イングレス)」と伝わり、さらに江戸時代にはオランダ人から、オランダ語の「Engelsch(エングルシュ)」を語源とする「エゲレス」という国名が定着しました。

オリンピック競技を見ていて、そこに表示される正式国名のしかもその略称などが表示されますが、どこの国?とか思ってしまいます。

困ったことに、国名というのは結構変わりますので、その都度、教科書の記載を変更していたら、日本人の中でも同じ国のことを話ししていても、60代と30代と10代では違う国の話し?って感じになってしまいそうです。

我々世代が習ったころにはビルマでも今はミャンマーですし、セイロンはスリランカ、1997年にザイールはコンゴ共和国へ、マケドニア共和国は2019年から北マケドニア共和国となっています。

国名は同じでもその発音を現地語読みにするか、英語読みにするかでガラッと変わってしまうこともあります。

有名なのは旧ソ連邦域にあり、ロシア語読みだった「グルジア」から、2015年以降は英語読みの「ジョージア」に変わった国名がありました。元大関の力士栃ノ心がその国の出身で有名になりましたね。

次に、国名にも戦争や紛争など政治的、支配関係の理由で変わったり、あるいは他国の呼び方が蔑称とされたりして使えなくなる例もあります。

オランダは以前にDutch(ダッチ)と呼ばれていたことがありますが、これは一時期オランダがドイツに支配されていた頃、ドイツ語で「ドイツ(領)」という意味で呼ばれていたことからきていますが、その支配が終わってからは、蔑称として以外では使われなくなります。

日本では今でも支那という呼び方があります。現在では中国に対する差別語になってしまうようですが、今でも「支那そば」や「南シナ海」など普通に使われています。

流行歌「支那の夜」は戦前のもので仕方ありませんが、放送禁止や発禁になったとは聞きません(一応、中国大使館からのクレームもあり放送自粛はしているそうです)。

SNSで、美味しかったラーメンの情報を書こうとして、店名が「支那そば屋○○」だと、ATOKなど漢字変換システムでは差別語としてなのか漢字変換がされず(漢字登録がされていない)入力に困ることがあります。

もし公然と使っちゃいけない漢字なら、そうした店名や商品名にも使っちゃダメでしょう。でも使われていると言うことは、禁止されている訳でもなさそうです。

ちょっとATOKで調べると差別用語と言われる「気違い」は漢字変換されませんが、同じく差別用語「乞食」は変換されます。どちらも放送禁止用語でもありますが、漢字変換システムはどういう基準なのでしょうかね?

アメリカの蔑称として使われていて、日本ではまた別の意味にもなっている「ヤンキー」は、そのアメリカの国民的スポーツ、メジャーリーグの金満球団が公式に球団名として使っていたりして、よくわかりません。国名ではありませんが、メジャーでもうひとつ先住民に対する蔑称とされる名称を使っている「クリーブランド・インディアンス」は来期以降変更されます。

仕事で香港に少しいた頃、日本語という意味で「JAP」と書いてあった書類があり、ちょっと気になって現地社員に聞いたことがあります。

日本人ならたぶんそういう使い方はしないと思いますが、現地の人は蔑称という認識ではなく、通常のJAPANの省略形「JPN」よりも感覚的にわかりやすかったことのようです。

探せば国名の雑学はいくらでも出てきそうですが、今回はこんなところで。

【関連リンク】
1453 ビザなし渡航できる最強パスポートは日本が3年連続世界一
1423 世界と日本の宗教別信者数
1277 世界は広いぞ!もっと見てみたい

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1494
お墓のことを心配する年齢になって来ました。いずれは誰もが死ぬので、先祖代々のお墓があってそこに入るのだ!って人以外は、何歳で心配しても良いのですが、若いときから、自分が入るお墓の心配をする人は少ないでしょう。

今までは、死ぬ前に考えておくべきことではなく、あとに残された家族など遺族が対応するというケースが多かったと思います。

長男の場合は、普通なら親を含む先祖代々のお墓があるのでそこへ入るというのが普通です。

ただ最近では遠い実家から若いときに都会へ出てきて、そのまま都会で結婚し、家庭を築いた人の場合、遠い地方のお墓に入るというのも難しいものがあります。

地方にある実家に帰れず(帰らず)、兄弟、親戚含め墓守ができない場合、墓じまいということになります。

政府統計に「衛生行政報告 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数」というのがあり、2007年から2018年までの改葬数(墓じまい数)を拾ってみました。



墓じまいの数は2011年以降からジワッと増えています。2018年と2007年の比較では1.56倍と11年で1.6倍近く増加していることになります。

これは、地方から都会へ就職などで出てきた人が多い団塊世代の親が80代以上になって寿命を迎えたことと、団塊世代が定年後も自宅を持った都会に居続けていることで起きているものと考えられます。

地方の人口は毎年30万人以上が減少し、都会においても数年後にはピークを迎えて人口減少が起きていきます。地方の墓じまいは今後も増えていくことが予想されます。

ということは、団塊世代が(平均)寿命を迎えるいまから15~20年後(想定でもっとも死亡者が多くなるのは2039年~2040年)は、今度は都市部においてお墓の確保が難しくなってくることになるでしょう。

多死社会はなにをもたらすか 2020/8/26(水)

さて、私は次男坊で、実家も離れているので、できれば今住んでいる家の近くに新しくお墓を建てる、あるいは、共同墓地でもいいかなぁ~と思っています。実家近くにある先祖代々の墓の維持は長男が引き継いでいます。

と言っても、いくらでも予算があるわけではないので、新たにお墓を建てるなら、地元にある公営墓地に限られます。そしてすでに競争率は宝くじの高額当選なみになっています。

私が応募している公営墓地は、毎年11月に募集があり、12月に抽選がおこなわれますが、

・遺骨あり 広め
・遺骨あり 狭め
・遺骨なし 広め
・遺骨なし 狭め
・共同墓地

の5つのカテゴリーがあり、それのどれかに応募することになります。

遺骨ありの場合、当選倍率が優遇されるのと、3回(3年)以上落選しているとさらに当選確率が優遇されます。

つまり遺骨なしの場合は、宝くじで高額当選が当たるような確率に近く、ほとんど無駄を覚悟で気休め程度に応募することになります。

その応募方法ですが、事務を民間に丸投げ?しているのはやむを得ないでしょうが、まったく昭和時代のお役所仕事をそのまま引き継いでいるようで残念なものです。

そりゃ、いままではお墓の心配をするのは比較的ネットは使えない高齢者が多いとは言え、それにしてもです。

まず応募するためには、期日中に小冊子になった応募用紙を区役所などへもらいに行くしかありません。

たっぷり数ページにわたって説明や記入サンプルが書かれた小冊子を読んで、応募用紙に記入し、当落通知用返信はがき用の切手を同封した上で、郵便で送付することになります。

送付したあと残った小冊子やサンプルはゴミでしかありません。

ネットが使える環境がないから小冊子がどうしても必要という人がいるのはわかりますが、昨今の時代、おそらく過半数の人はネット上ですべてできるでしょうから、双方の手間や効率などを考えると無駄金(公営なので税金が使われていると思われる)を大きく減らせるはずです。

手書きの応募データは、税金で雇われた誰かが人力でPCに入力してデータ化しているはずです。それなら、応募者に入力させればお互いに作業が効率化され、郵送コストも不要になり、大切な資源ゴミも減らせます。

当落通知をなにもわざわざ返信はがきで通知をもらわなくても、メールの連絡でもいいし、ネット上で、当選者の番号を発表するという方法でも良いでしょう。

ホント、川崎市 アホちゃうか?

です。

無駄に垂れ流している市民税の使い方がわからないというなら、いつでも教えてあげます。

電柱の地中化でも、無公害で健康的な自転車をもっと活用すべく駅前駐輪場の無償化でも、公園の防犯カメラ設置、清掃、遊具整備でも、耐用年数を過ぎている公共インフラの修繕でも、不足が明らかな墓苑の新設でもなんだってあります。

ということで、多死社会とお墓の重たい話しから、お役所仕事の非効率、利権構造、時代遅れのおバカな公営墓地募集法の軽薄な話しまででした。

【関連リンク】
1210 やがて必要になるお墓はどうする
896 多死社会と葬儀ビジネス
585 川崎市営の駐輪場が理不尽な大幅値上げ



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1493
呪われた町(上)(下) (文春文庫) スティーヴン・キング

世界的に有名な著者の長編小説では「キャリー」に次いで2作目という初期の作品です。

原題は「Salem's Lot」、初出は45年前の1975年の作品で、日本語翻訳版は1983年に刊行、その後文庫版が出版されています。

キングと言えば、ミステリーやホラーの旗手ですが、こちらもドラキュラをテーマにしたミステリー&ホラー作品となっています。

ただ、まだ長編小説として2作目という初々しい?ところがあり、あまり凝った内容ではなく、東欧で古くに伝承としてあった吸血鬼というかバンパイアがアメリカの田舎町に住み着き、主人公の作家の周辺の人達が次々と感染していくというストレートで特にひねりのないストーリーです。

ドラキュラは、いまから100年以上前にイギリスのブラム・ストーカー著の小説に登場した人の生き血を吸って仲間を増やしていく吸血鬼です。

夜しか行動できない、人の生き血を吸うことで死んだまま生き続ける、歯に牙ができるなど吸血鬼というスタイル、いま日本でも大流行の「鬼滅の刃」に出てくる鬼ともかなり共通していて、西洋・東洋問わず、ほぼ同じスタイルの悪の存在を人類の敵としているのはなにか面白いというか興味を引かれます。

さすがに日本の鬼にドラキュラが弱いとされる十字架や聖水を突きつけても効果は?で、逆にドラキュラが藤の花に弱いという話しも聞こえてきません。

このドラキュラなどのバンパイアや日本の鬼が古くから伝承としてあり、象徴することは、東西世界に関係なく、過去から何度も人類を苦しめてきた、人から人へと感染し、やがては死に至らしめる未知のウイルスや細菌をイメージしているのかなと思えます。

そういう意味でも、未知のウイルスに世界が苦しめられている新型コロナウイルス時代に鬼滅が大流行したり、こうしたドラキュラ本を読むのに適しているかもです。うまくまとめちゃいました。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

傘をもたない蟻たちは (角川文庫) 加藤シゲアキ

2015年に単行本、2018年に文庫化された短編小説集です。2016年にはテレビドラマも作られています。さすが人気アイドル作家。

過去には小説デビュー作「ピンクとグレー」を読んでいます。

2016年11月後半の読書と感想、書評(ピンクとグレー) 

「染色」「Undress」「恋愛小説(仮)」「イガヌの雨」「インターセプト」「おれさまのいうとおり」「にべもなく、よるべもなく」の7編からなるこの小説は、いずれも現代的というか、著者と同世代(著者は33歳)の、まだギリギリ中年の域には達していない若者に向けた心理サスペンスというジャンルになるでしょう。

記憶に残ったのが「イガヌの雨」で、これはSF的な内容で、空から完全栄養食となる生物が大量に降ってきたことで、従来の食糧生産が落ち込み、やがては破滅の道へ進んでいくという恐ろしい話し。

あと「にべもなく、よるべもなく」はボーイズラブというか、小学生の頃からの同性の親友が、同性愛者だったという苦悩で、心が乱れていくというストーリー。

いずれも結末がイマの作品らしく、決着するようなものではなく、あとは余韻に浸って想像膨らませてくださいって感じです。

私の世代には、それが苦手なので、どうも後味がよくありません。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

2025年東京不動産大暴落 (イースト新書) 榊淳司

新書ではつきものの刺激的なタイトルで、2017年に発刊されました。そのタイトルに釣られて買いました。

コロナ騒動前に書かれたものなので、オリンピックの延期や、不動産価値、黒田日銀総裁の再任(本書では2018年の再任はないだろうと書かれてました)など、本書に書かれている想定が大きく変わってきていることを承知で読む必要があります。

タイトルにも出てくる2025年というと、すでに地方を中心に人口減少が進む中で、ボリュームが厚い団塊世代が後期高齢者になり、いよいよ東京でも人口が減少し始める時期とされています。

その他にもタワーマンションのリスクなどもよく報道される程度には書かれていますが、この本が書かれた3年後の今でも新築・中古とも、高級タワマン販売は好調を維持しています。

コロナでリモートワークが主流となり、郊外や地方への移動が進むかと言えば、実のところはより便利な都内に住みたい派が多いらしく、本書でも書かれていますが局地的バブルがますます膨れ上がっている勢いです。

そうした都内在住要求が強ければ、またこのまま都内の住宅が適度に供給され続ける限り、本書で「大暴落」とされる2025年もまだ都内の人口は地方や郊外から吸収し続け、東京の不動産価格は高止まりし続けている可能性もありそうです。

しかし、不動産の売買についての著者の話は面白く、これから家を買おうと思う人は、先に読んでおいて損はないでしょう。

私は、すでにローンが終わった郊外の古くなってきた一軒家を、売るでもなく、子供に残そうとかでもなく、悪くなった箇所を補修しつつ、終の棲家として維持していくだけですから、関係のない話しではありますが。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

殺人犯はそこにいる (新潮文庫) 清水潔

2013年に単行本、2015年に文庫化された当時「足利事件」と呼ばれていた幼女連続誘拐殺人事件を追いかける事件記者が書いたノンフィクションです。

この著者は写真週刊誌FOCUSの記者を経て、日本テレビ報道局記者へ転職した方で、FOCUS時代には「桶川ストーカー殺人事件」を追いかけ、警察より早く犯人にたどり着いたことで有名です。

このノンフィクションでは、足利事件を調べていく過程で、足利の周囲で5件もの幼女が誘拐されて殺されているか行方不明になっているに関わらず、警察の捜査は同一犯説にはならず、無期懲役囚として服役している菅家さんはその5件のうちの1件の誘拐殺人容疑です。

現場を何度も歩き、関係者に聞き回わり、日本で初めてとされるDNA検査結果の異常さに気がつき、菅家さんは無実じゃないか?ということに気がつき、弁護士などと一緒に執念で再審で判決をひっくり返しました。

えん罪に気がついて、様々な警察や鑑識、検察などの妨害にもめげず、無罪を勝ち取ると言うだけでも1本の映画やドラマにもなりますが、実は本題は、「菅家さんが犯人だとつじつまが合わない」「殺人犯は別にいる」「その容疑者は調べて行く過程で突き止めた」ということから、「(犯人とされた)菅家さんには刑務所から退場してもらわないと次にいけない」というのがモチベーションだというのに驚きます。

桶川事件と同様、この足利事件でも警察や検察のメンツや思い込み、組織を守ることが一番重要などを徹底的に糾弾していて、ここまで書いてよく引っ張られないものだなぁと。闇夜の夜は歩けないでしょう。

さらに、同時期にDNA検査が重要な決め手となって死刑判決となりすでに執行された飯塚事件について、そのDNA検査の不自然さ、裁判所へ提出した証拠画像の一部分が消されていたこと、足利事件でDNA検査のやり直しを求めた再審が始まろうというその時期に、異様に早く死刑が執行された不自然さなどにも言及しています。

また初めて死刑囚が再審の結果無罪となった免田事件の元死刑囚にも会いにいって、警察と検察がえん罪をつくる構図を調べにいったりします。その免田さんは、つい最近、12月5日にお亡くなりになりました。

こうした事件記者の活躍は、ドラマや映画では出てくることがありますが、実際には「警察発表をそのまま報道」、「芸能人のスキャンダル隠し撮り」ぐらいしか見かけなくなっていることを危惧していましたが、著者も「変わり者」の烙印を押されながらも、一途にその事件記者の正しい道を疾走していることがわかる一冊でした。

もうちょっとシンプルに、あちこち寄り道せず、短く、読みやすく書いてくれると、もっと読者が増えるような気がします。どうしても、過去のことも含めあれもこれもと詰め込みたくなるのはわからないでもないですが。

こうした単一の事件を追いかけたノンフィクションは過去に森下香枝著『グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人』や、カポーティ著の『冷血』などを読んでいます。

2011年1月前半の読書(グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 森下香枝著)
2014年1月前半の読書(冷血 カポーティ著)
2014年10月後半の読書(宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作 高沢皓司著)

それらと比べても遜色がないというか、ジャーナリスト魂が感じられるそれ以上の骨が感じられる作品です。

★★☆

【関連リンク】
 11月後半の読書 砂の王国(上)(下)、おとなの教養2、晩秋の陰画、ダブル・イニシャル
 11月前半の読書 顔を忘れるフツーの人、瞬時に覚える一流の人、緑衣の女、微笑む人、陰翳礼讃
 10月後半の読書 マリー・アントワネット(上/下)、カイシャデイズ、君が代は千代に八千代に
 10月前半の読書 日本を創った12人、キャロリング、トワイライト・シャッフル、カフーを待ちわびて

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