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先日このような記事がありました。 
就職志望ランキング、リクルート、公表せず、志向多様化。2011/04/14  日本経済新聞
リクルートは13日、毎年春に発表していた大学生の就職志望企業ランキングの公表を今年から取りやめる方針を明らかにした。同ランキングは1965年卒業予定分から発表していたが、2012年春卒業予定分から非公表にする。大学全入時代を迎えたほか、学生の価値観の多様化で一律のランキングを発表する意味が薄れたと判断した。
 
1965年と言えば、リクルートが創業してから数年後のことで、まさに時代は高度成長時代を駆け上がっていくそのスタート地点に近い頃だと思いますが、46年間もの長きに渡り、形を変えることなく続いた一民間企業のランキングというのも珍しいと思います。
 
その少し前の1962年にはリクルートブックなる新卒者向けの就職情報誌を自前で作り、しかもその電話帳よりもぶっとい本を無料で学生や大学に配布をするという当時としては画期的な方法で、これから社会に出ようとする団塊世代を取り込み急成長を遂げました。
 
そこで紹介されてきた過去の就職志望ランキングのいくつかを見てみましょう。
 
1965年 団塊世代が社会に出るときの人気企業で化学繊維、(繊維系)商社、損保の圧勝です。松下幸之助氏が現役バリバリだったころです。
1 東洋レーヨン
2 大正海上火災保険
3 丸紅飯田(丸紅)
4 伊藤忠商事
5 東京海上火災保険(東京海上日動火災保険)
6 三菱商事
7 旭化成工業
8 松下電器産業(パナソニック)
9 住友商事
10 三和銀行(三菱東京UFJ銀行)
 
1970年 大阪万博が開催、経済成長がまだ順調な時代でオイルショックはその4年後。商社は根強い人気ですがまさか40年後に破綻するとは誰しも思わなかったフラッグシップJALが堂々一位で、TOP10に唯一登場する外資系企業IBMが2位です。
1 日本航空
2 日本アイ・ビー・エム
3 丸紅飯田(丸紅)
4 東京海上火災保険(東京海上日動火災保険)
5 伊藤忠商事
6 三井物産
7 三菱商事
8 松下電器産業(パナソニック)
9 住友商事
10 電通
 
1980年 第二次オイルショック後で採用減が続いてました。はじめてマスメディアが登場。やっぱり保険と商社は強しでした。
1 東京海上火災保険(東京海上日動火災保険)
2 三井物産
3 三菱商事
4 日本航空
5 日本放送協会
6 サントリー
7 三和銀行(三菱東京UFJ銀行)
8 安田火災海上保険(損保ジャパン)
9 日本生命保険
10 住友商事
 
1990年 バブル絶頂時期で、内定者は海外へ拘束旅行。この頃から金融、特に銀行が躍進し、ぼちぼちIT関連も。商社はかろうじて三井物産だけが残っています。
1 日本電信電話
2 ソニー
3 三井物産
4 三菱銀行(三菱東京UFJ銀行)
5 東京海上火災保険(東京海上日動火災保険)
6 三和銀行(三菱東京UFJ銀行)
7 東海旅客鉄道
8 住友銀行(三井住友銀行)
8 日本航空
10 全日本空輸
 
2000年 バブル崩壊後で上位はお堅いイメージの企業が強い一方、広告大手2社と広告宣伝によってイメージのよい会社が上位に。とうとう商社が消えました。
1 ソニー
2 日本電信電話
3 日本放送協会
4 NTT移動通信網(DoCoMo)
5 サントリー
6 JTB
7 電通
8 博報堂
9 本田技研工業
10 資生堂
 
2010年 リーマンショック後で超氷河期に落ちていった時ですが、お堅いところが中心で、その中に東京ディズニーランド運営母体のオリエンタルランドやおもちゃの雄バンダイが健闘していました。
1 JTBグループ
2 東海旅客鉄道
3 東日本旅客鉄道
4 日本郵政グループ
5 全日本空輸
6 オリエンタルランド
7 三井住友銀行
8 バンダイ
9 みずほフィナンシャルグループ
10 東京海上日動火災保険
10 三菱東京UFJ銀行
 
そして、私の家に分厚いリクルートブックが段ボールに包まれて3冊ほど送られてきたのはもう30年以上前のことですが、その当時からも就職志望企業ランキングについては様々な噂がありました。
 
そのひとつは「1位を取るには億の金が必要、2位になるには数千万円」とか、「リクルート社内でクライアント担当者同士がけんか腰でせめぎ合っている」などなど。つまり、このランキングは意図的に作られたものではないかということでそういった噂が拡がっていました。
 
確かに羽振りがよく宣伝広告費の多い会社ほど上位になりやすい傾向にあったように思えましたし、それは会社や製品のイメージを上げると同時に「誰もが知っている会社に入社したい」という学生の憧れもあったのではないでしょうか。しかし、1990年当時ロッキード事件や全日空疑獄の裁判がまだ進行中でイメージ的には悪かった全日空が10位にランクインしたり、2000年に突然現れる電通や博報堂とかにはちょっと???と違和感を覚えざるを得ません。
 
事実はともあれ、広告費収入に頼るメディアであれば、広告出稿がない(将来も見込がない)会社を人気ランキングの上位に出すことはまずないでしょうし、かといって誰が見てもこれは変と思うような恣意的なランク付けもしないでしょう。例えば、当時上場を果たして、飛ぶ飛ぶ鳥を落とす勢いがあったホリエモンのライブドアを買収する前のオンザ・エッジがいきなり2000年のトップ10に入ってくることは考えられません。
 
こうして見るとやはりその時代時代の会社の勢いや世間での評価というのがわかりやすくていいものです。ま、最近はリクルートが行わなくても数多い同業者やメディアがいくつものランキングをそれぞれの視点で作っていますので、不自由はないのかも知れません。
 
今回取りやめる理由のひとつに「学生の価値観の多様化で一律のランキングを発表する意味が薄れた」というのもよく理解できます。学生にアンケートを取ると、得票総数は自ずと誰でも知っている有名な大企業ばかりになってしまいますが、近年は自分の行きたい企業の裾野が相当に広がっていて、特定の企業に集中することは少なくなってきました。つまり人気企業のロングテール化により、トップのイメージだけいい数社だけを公表しても、本当の志望傾向というのは見えなくなったということでしょう。
 



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先般「デフレの正体」藻谷浩介著を読みましたが、著者が主張する論拠の一端を自分でも調べてみることにしました。決してかぶれてしまったというわけではありませんが、著者は先の震災の復興ビジョンを作る首相の諮問機関「復興構想会議」や、朝日新聞社の「ニッポン前へ委員会」のメンバーに選ばれている、いま注目の学者です。
 
「デフレの正体」では、「人口構成や失業者、生産活動を割合(率)で見るのではなく、実数で見るとよくわかる」というのが著者の主張でした。世の中にはGDP、失業者、年齢構成を前年や10年前と比べて比率で比較することが圧倒的に多く、その率が増えたの減ったのという指摘や意見が大勢を占めています。
 
日本の人口というのは極端で、戦中~戦後すぐにベビーブームが起き、それが団塊の世代と言われ、日本の経済成長に深く関わってきたことは誰でも知っていることです。
 
しかし人口が増えると経済成長するかと言えば、答えはノーで、生産年齢人口(厚労省は昔から15歳以上~65歳未満と規定していますが実体とは少しずれている)が増えると経済成長するが正解です。

いくら子供や現役から引退した高齢者が増えても経済は成長しません。働いて収入を得る人が増加することで経済は成長するからです。
 
下記のグラフは日本の人口、生産年齢人口、労働力人口、就業者数の1960年からの実績と2050年までの想定を表したものです。
 
グラフ1
※2005年までは総務省統計局「国勢調査」、2010年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)中位推計
 
日本では総人口は2007年頃まで1億2800万人と伸び続けてきましたが、一方1995年頃に8700万人いた生産年齢人口(15歳~64歳)は減少に転じます。ここに総人口と生産年齢人口の頂点に8年間の差があります。

また労働力人口とは「就業人口+完全失業人口」のことで、生産年齢人口から働く意志のない専業主婦(主夫)や高校生、大学生などを除く、より実際的な生産に寄与する可能性がある人口と言えます。
 
一見すると2007年までは人口が増え続けているので、消費活動もそれに応じ増えていきそうなものですが、生産年齢人口が1995年からは減っていきますので、消費は増えていかないことになります。これが失われた10年とか20年と言われている構造的不況なのです。
 
これが不動産をはじめ内需が不活性化していき、90年代初頭バブルがはじけた原因のひとつでもありそうです。そしてバブル後60年にわたり今後生産年齢人口は下がり続けていく一方で、今から40年後の2050年の予測では日本の総人口は9500万人、生産年齢人口は4900万人と1990年の全盛期と比べると3800千万人も少なくなります。
 
グラフ2
 
生産年齢人口(15歳~64歳)は学校へ行くにしても、仕事をするにしても、恋愛するにしても、結婚して家庭を持つにしても、レジャーを楽しむにしても、そして人生最大の買い物であるマイホームや家財を買うことでお金を消費します。

しかし生産年齢以下の子供自身が多額のお金を使うことはありません。私立小学校へ行くなどして使うとしても、それを支払う(支払うことができる)のは生産年齢人口世代の親です。
 
さらに高齢者には住む家や家財はすでにあり、お金がかかるレジャーを楽しむことも減り、子供の教育費もなくなり、食事も外食より質素な内食を好むようになります。

また高齢者は健康上や介護のため将来の不安を抱えている人が多く、今は元気でも先々に備えてお金はできるだけ使わず貯めておくという傾向に向かいます。
 
そのようなことを生産年齢人口の実数として見ると、1990年代半ば以降、前年と比べると毎年確実に内需が減っていくことになり、再び60年から70年代の高度成長や、1980年代のバブル景気のように、内需が拡大して景気がよくなってインフレになることは二度とありません。
 
1960年から1970年代というのは団塊世代(15歳~25歳)が生産年齢人口になり、やがて結婚し、マイカーやマイホームを最初に求めた時期でした。

また80年代後半のバブル時期は、団塊世代(35歳~45歳)が仕事も落ち着いて、狭い団地から、広いマンションや一戸建てへとステップアップし、マイカーも大衆車から外国車や国産高級車へと乗り換えた時期と重なります。ちょうど団塊ジュニアと言われる層が新たに生産年齢人口に加わってきたことも大きな要因です。
 
そうしてみると、今後日本では一部の特に裕福な高齢者向けでない限り、再び広い高級マンションや高級車が飛ぶように売れるということはありません。

若い人にはたぶん信じられないと思いますが、80年代後半はマンションも高級車も高いことに価値があり、売り出せばすぐに売れ、立地のいい上・中流向けのマンションは、建設工事が始まる前からモデルルームにお客が殺到し、倍率が何十倍という抽選が普通に当たり前だったのです。
 
そのような状況で、いま打てる手はあるのか?とうことですが、藻谷浩介氏はいくつかの持論として①高齢者から子や孫への資産移転②外国人の観光客や短期滞在推進③価格競争ではないイタリア、フランスのようなブランド価値の創造などを上げています。
 
残念ながらそのうちの外国人の観光客や短期滞在者の誘致は、観光立国推進でようやく芽が出始めてきたところで、先月起きた福島の原発事故のため、一気に地に墜ちてしまった感があります。

同時に安全性や信頼性で築きあげてきた日本食や製品も、今回の放射能流出のせいで、風評も含め海外から敬遠される結果となってしまいました。それらの回復にはまた長い実績を積み上げていくしかないのでしょう。
 
また親から子や孫への資産移転は相続税より譲渡税を低くするなど法律改正しか方法は思い浮かびませんが、改正したところで、本当に資産移転が進むのかはまったく未知数です。

理由は「親に資産(=遺産)があるからこそ、子は親を大切にしてくれる」という現実もあり、世知辛い話しですが、親としてはまだあと何十年どのような形で生き続けるかわからない中で、先に遺産を渡すことに躊躇いがあるはずです。
 
いっそ、この「フクシマ」以後は、思い切って日本人高齢者の医療費はすべて無料にし、あふれる患者に対応するため、日本全体を世界最先端のメディカルセンターにしてしまうという考え方もあるかもしれません。

将来必要だと思っていた医療費や介護費が無料になれば高齢者が貯めてきた資産も子供や孫にもっと使われるでしょうし、相続税を今よりもっと高率にして、支出を促進するするという手もあります。
 
すでに一部では始まっていますが、海外から日本へ高度医療(検査)を求めてやってくるお金持ちはいくらでもいます。

日本の産業を製造から医療へと大転換し、世界中で最高の医療を提供できる国にすれば、今後高齢化社会を迎える現在の新興国に対して、もっとも付加価値の高いサービスが提供できることになります。

もちろん培ってきたエレクトロニクス技術は付加価値の高い先端医療機器にシフトし、医療システム全体の輸出も積極的におこないます。
 
それにはまず世界中から優秀な医療従事者のスカウト、メディカルやバイオの研究所や機関の誘致、医療や介護の学校の充実と整備、様々な医療関連規制の撤廃などハードルはとても高いわけですが、今後50年間のあいだに日本が目指すべきは「世界最高の福祉と医療システム」という姿ではないかと思うわけです。

例えばですが、国民の二人にひとりが医療、介護従事者なんて、ものすごい付加価値の高い国になれると思いませんか。世界中から高度医療+観光や保養にやってくる国づくりができれば最高だと思うのですが。
 

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478
京大入試問題流出事件では、容疑者が逮捕されその犯行の様子が取り調べの警察から漏れ伝わる(これも変な話しだと思うが)まで、様々な人がその犯行の様子をもっともらしく予測していましたが、ズバリ正解を言っていたコメンテーターやその道の専門家と言われる人はいなかったように思います。
 
つまり19歳の考えることが、その道の専門家や評論家と言われる人では理解ができないという事実がハッキリしましたが、このことは先日「スマートデバイス派とパソコン派」で書きました。
 
多くの専門家の意見は「問題が配られてホンの数分間でこれだけの問題を入力し投稿するのは、ひとりじゃ無理だ」ということで、「カメラで撮影し外部の協力者が投稿」「カメラで撮影したあとトイレへ行き、OCR機能を使って文書化して投稿」「マイクで問題を読み上げてそれを聞いて協力者投稿」がというのが一般的な想定でした。
 
しかし、普通にできちゃうんですねぇ、モバイル世代は。
  携帯で文字を打つときは基本ブラインドタッチ
  過去問とかで予行演習しておけば文字変換効率もグッと上がること間違いなし
  回答者へのお礼まで試験時間中に書いて送る余裕とふてぶてしさ
 
もっとも、こうした未成年者がカンニングをしたぐらいで、大の大人(京都府警捜査員)が束になって仙台まで税金を使って出張し、逮捕した後、京都まで護送をしてくるというのは、大人げないし、税金の無駄遣いです。こんなに大騒ぎするほど重要なこととはとても思えませんが、これを利用しようとする人や機関があるのでしょう。
 
こうした「ネットは悪だ」論調で大喜びのマスメディアが注目する事案だと、警察も警察官が不正をしたとか、警部が酔って痴漢したという事件より断然張りきるようです。本来ならせいぜい「あなたは入試で不正をおこなったので受験は無効にします。二度とこのようなことをしてはいけません。まだ未成年なので保護者にも通知し厳重注意をします。」という注意で済む極めて軽微な事案にも関わらずです。
 
ま、そのあたりは様々な識者と言われている人が書いたり喋っているので、このぐらいにして、今後ますますハイテクを駆使したカンニング手法が開発されていくでしょう。そして多くの場合は、モバイル派ではない人達がとうてい想像もできない方法とテクニックですから、予防をすることもできそうにありません。
 
もうひとつは、日本特別永住権を持ち、日本名を名乗る在日韓国人にわずか25万円の献金を受けたからといって、問題山積みの外務大臣を辞任させる野党やマスメディアの批判は、物事の重要度や優先度、バランス感覚をまったく失っていて、人の足を引っ張ることでしか存在意義を見出せない情けない世の中になっています。
 
もう今の政治にはなにも期待できない状況ですが、それにしても政治家は一体となって日本の行く末を見極め、また警察や検察は乱れきって腐敗した官僚構造を変えていかなければならないはずなのに、このようなどうでもいいことばかりに血眼になっていては、お先真っ暗としか言いようがありません。
 

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ここ数年間のうちで広まってきた支払い方法に割賦販売があります。元々割賦販売は戦前・戦後の日本が貧しい時代に、高価な工業製品などを買う際、月々に分割して支払うもので、最初は商売用の機器類、やがては一般家庭用のミシンなどへと普及していきました。
 
最近というかここ10年ほど前頃からは、携帯電話の普及にともない、月々の基本料や通信費などの支払い額と契約期間を決めることで、本体費用を0円にしたり安価に抑える手法がありますが、これも一種の割賦販売に近いものと言えます。この携帯電話からスマートフォン、タブレット型端末などへと拡がっていっています。
 
またお金を借りるローンの一種にリボルディング払いというものがあります。クレジットカード利用の支払いや消費者金融で借りたお金の返済にこのリボ払いを勧められるケースが増えてきています。このリボ払い(返済)も一種の割賦で購入するのと同種とも言えます。

もちろんそこには一度はまると簡単には抜け出せない大きな罠が仕掛けてあります。支払いをリボ払いに変更すると、豪華なプレゼントがもらえたり、多額のポイントがもらえたりしますが、それだけしてもすぐに元が取れる業者にとってたいへん美味しい仕組みなのです。
 
2007年にアメリカで起きたリーマンショックは、サブプライムローンの破綻から始まりましたが、そのローンは十分に信用度のない人達に、月々安い支払いで家が買えるという、欲と錯覚をうまく利用した無茶な住宅の割賦販売が原因のひとつでした。

日本ではバブルの時に今後は不動産も自分の給料もますます上昇していくと錯覚をさせて、無茶なローンを組み(組ませて)破綻した人や金融機関と同根です。
 
エコカーブームで注目されるEV(エレクトリックビークル)や、魅力あるハイブリッドカーを購入する際に、「トヨタ3年分ください」などと各メーカーが力を入れて宣伝しているのが従来の一括購入ではなく、残価設定ローン(残価設定クレジット)という割賦販売手法です。

元々はクルマ雑誌などに必ず広告が出ているオニキスが主におこなってきた販売手法ですが、その広告を一見すると400万円の憧れの高級車が月々数万円で自分のモノになるという、ワケあり割賦販売手法です。

例えばレクサスIS(新車価格約400万円)の場合、月々63,300円を支払えばなんと自分のものになります(ワンナップ月々お支払いプラン、36回払い)。

もし400万円を単純に36カ月で割ると毎月11万円となります。

これが6.33万円になるのは36カ月(3年)後には、残価を残したまま引き取られてしまうからに他なりません(残価を別途支払って買い取ることも可能だが、そうすると最初に現金で買うより相当高くつくことになります)。
 
パソコンを買おうと量販店へ行くと、最新型の国産ノートパソコンが5万円とか、海外製だと2万円とか表示されています。

よく見ると「指定の通信会社と一定期間契約とセットの場合」と小さな文字で書かれています。

よく知らない人なら「どうせインターネットにつなぐため通信会社との契約は必要だし、それでパソコンが安くなるならお得かも」と思ってしまい、途中で解約できない不要で高額な通信費用を毎月支払う契約をしてしまいます。
 
ネットの接続は「別途契約をしている会社がありそれを使うから不要」と、パソコンの大幅値引はあきらめる代わりに通信会社の怪しげなセット抱き合わせ販売ではなく、本体だけの購入をしても、次はパソコンには必須のセキュリティソフトの年間契約を強く、非常に強く勧められることになります。

たぶん最初の3カ月間や半年間は無料ですが、これに一旦加入してしまうと、毎年毎年知らないうちに高額の利用料を自動引き落とされてしまいます。

もしパソコンが故障して使えなくなっても、遠慮なく引き落としはされていきます。

そして実際に経験したのですが、契約を解除するためには平日の昼間に、まったくつながらない有料のサポート連絡先へ電話する以外に方法はなく、運良くつながって解除を申し入れることができても、すぐの解除は出来ず、数カ月先まで契約が残り、結局もう一年間は契約延長したこととして引き落としされてしまいます。

本当にあくどい会社が多いので注意です。有名なところでもそうですから、みんな堂々と騙されます。
 
最後のセキュリティソフトのケースは割賦ではなく年間契約ですが、上記のいずれのケースも、比較的少額で支払いにそう不自由しないぐらいの、ほどほどの金額とプラスα金額を毎月決まって支払わせるのが最近というか、実は昔から営々と続く、古典的で不景気な時期にこそ効果を発揮する割賦販売手法なのです。
 
一度契約をすれば、割高な違約金なしに2年間とか3年間は契約を中止することができず(○年縛り)、業者側は毎月安定した収入が得られます。また通信料金やPC関連年契の場合、サービスの提供会社だけでなく、販売店にも一定の手数料が毎月(毎年)入りますので、店側もそういう商品は例え騙しても必死になって売ろうとします。
 
毎月の支払額が少しずつ増えていってることに多くの消費者は気がつきません。またもし気がついても通常は「ま、少額なので急がなくてもいいか」となります。

「わずかな金額で知らず知らずのうちに」というのが販売側の狙い目で、さらに「生かさず殺さず」が客に対する姿勢です。「殺してしまう」とは「つい調子に乗って借りすぎてしまい破綻してしまう」ことを指しますので、それは業者側としても避けたいと思っています。
 
で、こういう事が頻発します。
 
インターネットの光通信サービスの契約を巡る消費者トラブルが増えている。「強引な勧誘を受けた」などの苦情相談が、全国の消費生活センターに2010年度は11月までで3500件を超え、前年度同期の約1.6倍。クーリングオフ(無条件解約)などを定めた特定商取引法が、契約代理店など電気通信事業者に適用されないことも、増加の背景にあるようだ。
 
いまちょうど旬なネタは「地上波デジタルテレビ」と、65歳以上の高齢者世帯の平均貯蓄が2000万円を超える「小金持ち高齢者向けビジネス」です。
 
つまり、各家に立っているアンテナを見て地上波デジタル対策をしていない家(普通は高齢者世帯)をまわり、政府が進めている地上波デジタルや光の道構想など、とにかく意味不明なことを熱心に説明し、急がないとたいへんなことになると説得します。

そして、光回線や、CATVなどの契約を取りあとは各業者に工事の依頼をするという比較的簡単で単純なビジネスです。

以前なら詐欺まがいの家のリフォームや、ソーラー設備などでしたが、今は政府が後押しする政策に則った販売ですから、誰からも信用してもらいやすいでしょう。
 
当然小金持ち高齢者には、新しいテレビはもちろん、いつでも孫の顔が見られるようになると言ってフォトフレームやタブレット端末なども売りつけます。

孫が来たときに一緒に遊べるようにとネットにつながるゲーム機やソフトも必要でしょう。販売員は高齢者世帯1軒にうまく入り込めば当面は美味しい果実が得られますし、高齢者同士のつながりで知り合いを紹介してもらうことができれば、その輪はどんどん拡がっていきます。完全に狙い目でしょう。
 
しかも、それらは毎月数百円~数千円の契約が多いので、年金以外の定期収入のないお年寄りでも、安心して契約をしてしまいます。

しかし実際はネット接続が定額制でなく後から数万円が請求されたり、必要もない150チャンネルものテレビ番組の契約だったりと、実際にお年寄りのために役立つ契約ではなさそうです。

そして途中で解約したくてもできず、数年間は不必要に支払続けるというのが現実の姿となっています。
 
不況の時こそ急に延びてくるこの割賦販売には十分気をつけて利用する必要がありますが、今はまだその危険性を警告するメディアはないようですね。



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468
京都市勧業館みやこめっせで開催されている「人体の不思議展」で多数の「死体」が展示され、平穏に生活する権利を侵害されたとして、会場から150メートルの所に住む京都工芸繊維大の宗川吉汪名誉教授が20日、主催者の同展実行委員会に1万円の慰謝料を求める訴訟を京都地裁に起こした。
 
私の記憶では、この人体標本を展示してお金をとる催しは、10数年前に東京で始まったと記憶していますが、当時からどうして人の遺体標本が営利事業として見せ物となるのか不思議でした。いえ、別に人体に興味を持つのは別に不思議でもなく、私も小中学生の頃に友人に誘われて何度か医科大学の学園祭へ行き、生々しい解剖されて展示されたホルマリンの臭いに包まれた人体標本を見たことがあります。
 
最初に東京で「人体の不思議展」が開催された時にはたいへんな評判となり、皮膚を剥いだ筋肉だけの人体がポスターに描かれ、すごく気味が悪かった記憶があります。仕事柄その展示会場のすぐ近くを通っていましたが、その都度なにかとても嫌な思いをしました。もちろん中に入ったこともなく、入りたいと思ったことはありません。しかし宣伝効果もあって日本では過去650万人もの人が見に行ったと言うことですから日本人の20人に1人ということになります。
 
遺体や遺体の一部が医学の発展のために献体されることは当然あると思いますし、遺族の同意がなくても身元不明者の遺体についてはある一定の条件はつくのでしょうけど、大学医学部や研究所に献体されているようにも聞いています。しかしいずれにしても、自分の亡骸を不特定多数に公開し、入場料を取って商売に使っても構わないと思っている人はいないでしょう。
 
ちなみにその展示に使われている遺体は、日本人ではなく、中国大連の工場に集められた中国人の遺体を使って、加工されているとWikipediaに書かれていますが、こうなるともう標本というよりか完全に加工された工業製品に近い気がします。アートだと主張する人も団体もありますが。またその遺体の献体同意書や展示承諾についても、過去に証明書が提出された例はなく、入手経路や身元などについても疑惑が残るようです。
 
献体された遺体が、バラバラに腑分けされ、解剖され、スライスされ、時には透明樹脂コーティングまでされて、研究や医者の卵の教育用として使われるのならともかく、どう見ても高い入場料を取って全国をまわる「人体の不思議展」は、昔にお祭りの時によくあったけれど最近では差別を理由にほとんど見掛けなくなった「蛇女」「狼男」「猫娘」「牛娘」「ろくろ首」などの見せ物小屋と変わりません。いや見せ物小屋のほうがジョークがきいていて、入場料も騙されたと思っても誰も怒らない笑って済ませらるユーモアがあります。
 
医学生や研究者でなくても、人体の仕組みや機能を実物の標本を見て知ることは、決して悪いことではありません。むしろ子供の頃にそういった標本を見て、生命や自分の身体にも興味を持ち考えさせることはぜひやるべきことと思います。しかし人の亡骸を加工し、高い入場料を取って見せ物にするというのは、遺体を提供した遺族や、死者に対する冒涜であり、逆に命の軽さを見せることにしかなっていないような気がします。
 
フランスではすでに2009年にこの手の展示会を中止するよう裁判で判決が出ているようですが、今のところ日本では、様々な中止を要請する意見や要望は出ているものの、展示会を中止させようとする訴訟は起きていないようです。
 
今回の訴訟でも、あえて展示会中止そのものは表面には出さず、身近なところに「死体」がずっと置かれている事に対する「精神的苦痛」が争点としています。これは単純に「気味悪いから開催の中止」で争うと逆に「営業業務妨害」となりかねず、「死体の展示」の有効性や営業権利の問題になるのを避ける意味合いがあるものと思われます。
 
実際に見に行った方も多いと思いますが、そう言う方を非難するつもりではさらさらありません。ただそれが商売になるから、さらにパワーアップして次々とそこのような展示会が頻繁に行われ、展示内容も過激になってくるのがちょっと心配なだけです。


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