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マスカレード・ホテル (集英社文庫) 東野圭吾

2008年より小説すばるで連載、2011年に単行本、2014年7月には文庫版が出版されている、作家生活25周年記念作品の第3弾となります。ちなみに第1弾は「麒麟の翼」、第2弾は「真夏の方程式」です。

舞台は都内の高級ホテル。主役はホテルで働く女性フロント係と殺人事件に関わる捜査で、ホテルの中で同じフロント係として配置されることになった警視庁の刑事です。

都内で連続殺人が起き、そこに残されていた数字が、次の殺人場所を予告していることを突き止めた刑事が、犯人に悟られることなくホテルの中で監視をするためにフロントやベルボーイ、リネン係とそれぞれに扮し、疑わしい客を監視することになったものの、犯人は当然そうした警察の裏をかこうとし、刑事と犯人との知恵比べが話しの中心となります。

ホテルには様々な客が訪れますが、おそらく著者がホテルを取材し、過去に実際にあったケースを元に書いたのでしょうけど、ホテルの中には世界の縮図、社会の縮図がいっぱい詰まっていて面白いものです。そのあたりは元京王プラザに勤めていた森村誠一氏の著書に多く登場してきます。

私も学生時代に高級とまではいえないものの、ある観光ホテルで数年間アルバイトをした経験があり、ホテルの裏側、特に従業員側から見た利用客の実態はある程度知っていて、さほど驚くことはことはありませんが、その記憶が蘇ってきます。そう考えると、ホテルのサービスは、過去何十年も前から基本的にはなにも変わらない数少ない仕事なのかも知れません。

小説に出てくる客は、例えば、部屋備え付けのタオルをベッドの下に隠しておき、持ち帰ったように見せかけて、従業員に犯人扱いさせておいてホテルにクレームをつけようとする客、盲人のフリをして泊まりに来る老婦人、禁煙ルームを希望しておき、ベルボーイの隙を見てタバコに火を点け、部屋にタバコの臭いがするとクレームを付けて部屋のアップグレードを計ろうとする客、夫の浮気現場を押さえて離婚を有利に計ろうとする女性客などなど。

最後のどんでん返しもなかなかよくできていて、いつもの東野ワールド全開でした。


西の魔女が死んだ (新潮文庫) 梨木香歩

1994年に単行本、2001年に文庫版が発刊され、2008年には実写で映画化もされている、著者の作家としてのデビュー作品になります。映画が文部科学省特別選定作品ということからもわかるように、人の死を扱いつつも、ほのぼのと暖かな気持ちにさせる児童文学です。

内容は中学生になって不登校になってしまった主人公まいと、日本人と結婚して日本に住みついているイギリス人祖母とのふれあい、そして代々継承されてきた魔女としての能力などをテーマにしていますが、別段ハリー・ポッターのように魔女が飛び回るようなはちゃめちゃなことはなく、大人が読んでも十分楽しめるものです。

著者は私と2年違いのほぼ同年代の方ですが、私のような仕事にも人生にもくたびれたひがみ根性だらけの中高年ではなく、新鮮な発想と、若く瑞々しい感性とを持ちあわせた方だというイメージです。またイギリスへの留学経験もあり、この小説の中でもイギリス人祖母の英国風生活習慣がそこここに登場してきます。

この著者の作品を読むのは今回が初めてですが、他にも多くの作品が出ているので、今後は意識してもう少し読んでみたいなと思わせる作品です。


オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ) 諏訪哲二

著者は元高校教師で定年退職後は大学で未来の教師へ教えたり、勉強会「プロ教師の会」代表を務める73歳です。私がお気に入りの中島義道氏が「戦う哲学者」なら、この方は「戦う教育者」ってことになるでしょうか。

この本を読もうと思ったのは、やはり哲学者でもあり多くの著作を持つ内田樹氏の著書の中にいくつか本書からの引用箇所があったからで、やや「売らんかな」的なタイトルが気になりましたが、私自身も最近の「オレ様化社会」にいいかげんうんざりしていたこともあり、さっそく探してきました。

本書は2005年に発刊されてますので、すでに9年が経過していますが内容的にみても今でも十分に読み応えがあります。

特に、昔の大家族を中心とした農業社会的なものから、核家族が都会で集団で生活する産業社会的なものへ、そして近年では個人主義的な消費者社会的、さらにすべての物事に「等価交換」を求める市民社会的なものへと教育が転換してきたことによる子供や親の考え方と、それが及ぼす教育についての話しは一読の価値は十分にあります。

つまり市民社会的な流れの中では、従来行われてきたような一方的な教育は成り立たず、個人個人の目的や趣味趣向に影響されるのと、先生と生徒のあいだであっても必ず対等、平等な関係が存在し、上から押しつけられる一方的な指導や教育方針などは、感覚的に受け入れられなくなっています。

そして授業や学習が面白くないことや、授業中に騒いだりテストでカンニングが見つかり注意されることも、一方的に注意をされるというのは受け入れられず、市民社会的に、それには理由があって悪いのは自分ではないとなるようです。

そうして不満や問題が起きる原因や責任は自分のせいではなく、教師や学校にあるという論理から成り立っていることとして「オレ様」の若者が次々と製造されていきます。

学校の問題は、もう私にはさっぱり理解しがたくなりましたが、多くの大人が一度は通ってきた道とはいえ、もう以前の学校や教師と生徒という関係は、昔とまったく別ものに変わってきているということをこの本を読んで理解することができました。

気になる点としては、同じ事を何度も何度も繰り返しているところがあり、これは根っからの教師であるがゆえ、「大事なことは繰り返して生徒に伝えなきゃ」的な教師の習性なのかな?と思ったり、教育と子供について、尾木直樹氏や村上龍氏、水谷修氏など教育者、評論家、作家等の主張や著書に対して、一方的に噛みついたり皮肉を書いたり異論を述べる箇所にたいへん多くを割かれていたりしている点です。

有名人達の教師批判、学校批判が頭に来るのもわかりますが、もっと教師側の立場に立った独自の分析と主張を展開し、他人は他人、どちらの考えが正しいか、わかる人はわかってくれるというスタンスのほうがいっそ潔いと思いました。


ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) 森見 登美彦

奈良出身で京大を出ている作家さんで、同じ京大出身の万城目学氏の後輩にあたりますが、作家デビューは先輩です。

過去には、「太陽の塔」(2003年)、「夜は短し歩けよ乙女」(2006年)、「有頂天家族」(2007年)などの小説を読みましたが、はちゃめちゃな設定も多いですが、適度に笑えて、軽く読めるので割と好きな作家さんです。この「ペンギン・ハイウェイ」は2010年に単行本、2012年に文庫化されています。

読んでいると、いかにも映画に向きそうな内容で、もう映画化されているのか?と思って探してみましたが、まだのようです。でも時間の問題のような気もします。

主人公は少なくとも私の周りにはいそうもない、賢い小学生アオヤマ君で、会話に「カンブリア紀」だの「プロミネンス」という言葉がポンポン出てくるってのはどうなのよ~と思わなくもないですが、まぁ小説なので固いことは言わず。

「有頂天家族」では狸が主人公で、今回はペンギンが重要なアイテムになっていて、動物を描くのが好きな作家さんです。

それは著者が京都大学農学部生物機能科学学科応用生命科学コースおよび大学院へ進まれたことと、どのように関係しているかは不明ですが、当然ながら無関係ではないでしょう。

テレビや映画の業界って言うのは、こういう可愛い動物や、大人顔負けに賢くてなんでもよくできる子供が出てくるのって好きですね。見る側からすると、可愛い動物はモチロン、「そういう賢い子供がいれば幸せ!」って感じたり、将来は「そういう子供が欲しい!」という願望から来るのでしょうか。ま、現実感や実現性は皆無でしょうけど。

それはともかく、タイトルの「ペンギン・ハイウェイ」とは、海から陸地に上がるペンギンが、いつも決まってたどる道のことだそうです。ひとつ賢くなりましたね、役には立たないけれど。


動物農場 (角川文庫) ジョージ・オーウェル

著者は1903年インド生まれの英国人で、「一九八四年」(1949年刊)など名著を書いている作家です。この小説は第二次大戦でドイツが降伏したあと1945年8月に発刊されています。

その「1984年」はこの「動物農場」の続編とされるもので、両方読むならこの「動物農場」から読むことをお勧めします。

英国がナチスドイツと闘うために、やむなく協力をしてきた共産主義国ソ連は、この戦争が終結した後、たいへんやっかいな存在になりそうだということをいち早く風刺したものです。これを読めばソ連の革命以降の近代史は、ほぼ理解できるというすぐれもの(大げさです)です。

元々、著者は社会風刺や体制批判などをわかりやすい言葉で論評したり、風刺小説、寓話などを書いています。おそらく国内では団塊世代以上の人にはとっても相性がいいかも知れません。

この小説では、豚や馬など動物を人間にみたて、人間(ロシア皇帝)からのひどい扱いや搾取に指導者(レーニンやスターリン、トロツキー)の下、立ち上がり、自由と平等を理念とし、革命を起こし、農場を支配してきた人間を追い出すところから始まります。

やがては、動物の中でもずる賢い権力志向の者(スターリン)がライバル(トロツキー)を蹴落としていきます。その他にも指導者の脇を固める動物や近隣の農場主に、モロトフ、共産主義青年同盟、秘密警察、ナチスドイツ、大英帝国などが当てはめられます。

リーダーへと上り詰めた動物は、独裁支配体制を強め、恐怖政治と政治腐敗が蔓延していく様が、動物視点で面白く描かれています。もちろんそれらは20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判ですが、後の解説でも書かれていますが、歴史はずっと現代においても繰り返しているということがわかります。

今の世の中であれば、身の危険を感じずに当時のことを面白おかしく書くことは誰でもできるでしょうけど、当時ドイツという共通の敵と闘って、連合国軍として仲間だったソ連やソ連の指導者のことを痛烈に批判した小説を、英国人の作家が英国で発刊するというのはすごく勇気がいったでしょう。

またこの著者は、共産党や社会主義を嫌うガリガリの右翼系の人かというと、まったく逆で、理想とする社会主義者を唱えていた人物で、第二時大戦の前にはスペイン内戦でソ連が支援する人民戦線側に加わり、銃を取って闘ったという人でもあります。

本書には「動物農場」の他、「象を射つ」「絞首刑」「貧しいものの最期」の短編というかノンフィクションも収められています。

この小説を読んで思ったのは、なによりアニメに向いた作品だなぁってことですが、なんと60年も前、1954年に最初のアニメ映画が作られていました。その後1999年にもアニメ映画が制作されていますが、1954年制作のフルカラー映画(すごくよくできている)は今でもDVDで見られそうです。


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