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前に運転免許証の取得推移について書いたのが2011年12月ですから、7年半ぶりに更新版を書いておきます。

運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる(2011-12-01)

さすがに7年半前と比べると、運転免許証の取得者は、2008年以降続く人口減少、少子化、高齢者の免許返納、若者のクルマ離れなどの影響で、2017年では減少に転じていると、書く前までは確信していました。それがどのぐらいの勢いで減ってきているのか興味がありました。

ところが調べてみると意外や意外、伸び率は低くなっているものの、2017年現在、実数(取得者数)はまだ増加し続けているのですね。



運転免許取得者数は、2017年は前年2016年と比べて5万人、10年前の2007年と比べて230万人も増えています。驚きました。

運転免許証取得者を男女別で見ると、男性の取得者数は2009年をピークにして微減が続いていますが、女性は過去一度も下がることはなく上がり続けています。


※黄色は前年から減少、緑は過去最高
※元データの出典はいずれも警察庁運転免許統計より

つまり、男性の免許取得者は2009年に飽和状態に達し、新たな取得者よりも、返納したり更新しない人の数が新たな取得者数を上回り、さらに今後は若年層の人口減少で急速に下がり続けていくことになるでしょう。

一方、女性の免許取得者はまだ飽和状態には達してないようで、毎年男女計の総数が増えているのは女性の免許取得者増によるものです。

免許取得者の男女比率は1970年の時点では男性82%、女性18%と圧倒的に男性が多かったのが、2017年は男性55%、女性45%とかなり接近してきています。

女性の免許保有率が高まっているのは、元々低かった取得者割合が、女性の社会進出や、公共交通機関が少ない地方での生活に必要で、男性と変わらないぐらいに増えてきているということなのでしょう。

今は人手不足が深刻なバスやトラックなどの運転手も、女性の進出が進められているようで、環境さえ整えば、女性の働く場が広がっていいことです。

女性が長寿だからと言って男性よりも保有者が増えるかというと、それは違い、さすがに高齢者の免許保有にはリスクが高く、一定の年齢で免許証返納が進むでしょうから、男女間で寿命の長さと免許証保有率には今後ともあまり関係しないように思われます。

先日には90歳のお婆ちゃんが運転するクルマが歩行者をはねるという悲惨な事故がありました。90歳でも普通に運転をしているというのには驚きましたが、地方へ行くとそれが80、90の高齢者が軽トラで走っている姿は別に珍しくないという現状もあります。

上記の事故を起こした高齢者の家族は、「もう運転をやめたら?」と何度も言っていたそうですが、ただそれを言うだけではダメで、例えば優秀な自動ブレーキや誤発進抑制がついた安全なクルマに乗り換えさせる(買ってあげる?)とかしないとダメでしょうね。

国や自治体、警察も「免許証返納しよう!」ばかり言ってないで、高齢者の事故を減らしたいなら、高齢者が買い換える安全なクルマには一定の補助金を出すなど考えるべきです。

100歳のタクシードライバーがもしいれば、微笑ましいニュースにはなるでしょうけど、それに乗りたいと思う人はそう多くはいないでしょう。

女性の免許取得者もまもなく飽和状態に近づきつつあるということで、最終的に男女比が50:50になるかどうかはわかりませんが、このまま女性の免許取得者が男性を追い越し、今後さらに伸び続けていくこともなさそうです。

2017年の日本の人口は1億2653万人ですから、運転免許取得者総数8200万人は全人口の65%にあたります。

バイクの免許等は16歳以上から取得ができますが、仮に18歳以上人口(1億400万人)で運転免許取得者総数を割ると79%、免許が取れる人の約8割の人がすでになんらかの運転免許を持っていることになります。

免許証を持っていない2割の中には、様々な理由で取得していない人もいるでしょうけど、高齢者で、以前は持っていたけど返納したとか、乗らないので更新しなかったという人達が多く含まれていると考えると、免許が取得できる人口の8割まで来ているということは、もう飽和状態になっていると思われます。

しかし毎年120万人が新たに18歳になり、増えることはわかっていますから、この新たな運転免許参入者の奪い合いが運転免許ビジネスでは続くことになります。

日本の運転免許証を取得する費用(一般的に自動車教習所費用)は世界で見ても特に高額で、規制の中でのぬるま湯体質と、国土交通省、公安委員会、警察などの利権の温床ともなっているためとも言えます。金融や製造業のように激しい国際競争にさらされることもありません。

そうしたことからすれば、人口減少という今まで経験しなかったアゲンストの風を受けて、運転免許ビジネス(主として自動車教習所)の自由化や規制緩和をして、利権を壊していっても良いのではないでしょうか。

このままでは自動車学校など自動車免許ビジネスに明るい未来はやって来ないでしょう。


【関連リンク】
1197 2017年の乗用車販売台数に思うこと
1153 気になる自動車運転マナー
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
997 自動運転の未来2
994 自動運転の未来
751 自動車事故と車種や装備の関係
557 運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる



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1232
最初にYahoo!オークションを利用したのは2002年ですが、まだ本格的に業者の参入も少なく、出品者はほとんどが個人という時代でした。そして慣れないことから出品するときも落札するときもドキドキしたものです。

それが今や、オークションの出品者は専門の業者やセドリビジネスをおこなっていると思われる個人(業者)が主流となり、一般素人の個人出品者というのはほとんど見かけなくなりました。

まだそうした個人出品もあるのでしょうけど、物量で遙かに上回る業者(大手も個人も)の出品が大部分を占めているので、それに埋もれてしまい個人出品をほとんど見かけなくなったと言うべきでしょうか。

あるいはメルカリなど、よりシンプルで気軽な売買サイトへ個人の出品者は流れていったのかもしれません。

業者の出品者の評価数を見ると、数千という評価が載っていて、それを仕事(副業含め)としている人以外ではあり得ない売買数です。しかも出品者としての評価ばかりで、落札はほとんどしていません。

出品者の個人と業者でなにが違うかというと、まず店舗があるような有名で大きな業者は、店の評判に傷がつくようなことを避けるため、それなりに説明も商品もキッチリしています。

しかし値段(落札価格≒即決価格)は、その他の通販で販売している価格や、実店舗で買うのとほとんど変わりないので、わざわざオークションで落札するメリットはありません。

小さなリサイクル店やセドリ業者、セミプロと思える個人業者が出品する場合、出品した製品に対して詳しく説明がなかったり、聞いても不明と返されたり、面倒なことはできるだけ避けて、右から左へと手っ取り早く取引を終え、手離れ良く回していきたいという感じがにじみ出ています。

中古品の売買においては「写真を見てくれ」とだけ書いてあり不鮮明で不親切な写真だけで判断を要求します。

その中には、在庫品ではなく、安く売っている中国の通販や海外通販会社から直接落札者へ送付されるようなケースもあります。海外通販で安く購入し、送付先を落札者にするだけで手間もかからず、その差額がまるまる利益になるわけです。

また、数多くを扱うことと専門家ではないので、その商品の知識がなく、本来ついているはずの付属品がなく出品した商品だけでは実際には使えなかったり、役に立たないというケースもありますが、そうした注意書きは、「ノークレーム、ノーリターン」という魔法の言葉の表示以外ありません。

本来ならセットであるべき必須の付属品がなくても「商品は写真に載っているものだけ」とか書かれていると、あとでクレームを言っても「嘘は書いてない」「ノークレーム、ノーリターン」と反論されるだけで返品も効きません。

その点、業者ではない個人の出品では、その多くはその製品を使ってきた知識と愛着があり、詳しい説明や、逆に欠点や不足しているものまで明らかにし、質問する落札者に対しても礼を尽くすという姿勢があります。変に難癖付けられたり評価を落とされるのは誰でもイヤですからね。

なので、個人が出品する商品を落札するときは、比較的安心できますが、聞いたこともない小さな業者が相手だと、欺されるのを半分覚悟して望む必要があります。



もちろん個人出品でも明らかな詐欺や重大なマナー違反もあるのでしょうけど、幸い私がいままでコンタクトした個人出品の方ではそういう人はいませんでした。

私が零細業者や商売(副業?)と思われる個人から落札した製品で、失敗したケースが群を抜いて多いのです。

失敗例を書いておくと、ひとつは洗濯機に直接取り付ける乾燥機台。出品者は零細なリサイクル屋のようなところで、中古品で写真を見る限りメーカー品番も問題ないので、落札したものの、洗濯機に取り付ける金具がついていませんでした。

送付された台に金具が付いてなかったので出品者に「取り付け金具はありませんか?」「もしかすると取り外した洗濯機に付いたままになっているかも」と聞くと、「その台が付いていた洗濯機はもう手元にないので金具があったかどうかはわからない」「写真に写っているものが商品なので問題ない」と相手にされませんでした。そりゃそうですけどね。

仕方なくメーカーに金具だけ売ってもらえないかと交渉しましたがダメで、自分で加工して作れないかとやってみましたがダメで、結局それはそのまま大型ゴミへ。

ふたつ目はクルマのバンパーで、個人業者らしきところから落札するも、裏側にリベット留めされているはずのステーが見事に切り取られていてこちらも使い物にならず。

出品の写真では表面しか写ってなく、常識に的に考えると、わざわざリベット留めされているステー(新品部品を購入すればステー付きがデフォルト)を外しているとは思いもよりませんでした。その専用ステーがないと取り付けることもできず、こちらも大型ゴミ行きです。

三つ目はバイクのヘッドライトユニットで、これは台湾製で純正品と互換性があると書かれていましたが、実際に取り付けようと合わせてみると、寸法やサイズが微妙に合ってなく、場所によって隙間が広かったり狭かったりします。しかも送付は落札者からではなく台湾の会社から直接送られてきました。

それでもしばらく使っていると、1年も経たずしてプラスチック部分がひび割れし、全体がパリパリと割れてきました。安物買いの銭失いを絵に描いたような製品で、見た目だけでは品質まではわからないと反省しました。

その他、小物でも思っていたものと違って役立たない商品をいくつか落札してしまいましたが、そういう場合でも下手に悪い評価をつけると、報復(逆に悪い評価を付けられる)が待っているのでうかつには書けません。仕方ない、欺された(いくつかは自分の確認不足ってことでもあるのですけどね)と思うしかありません。

そうした失敗以外にも時々事件として報道されるのは、人気ライブなどのチケットを買い占めて高額でオークションに出していたり(ダフ屋行為)、芸能人の偽のサインを出品したり(詐欺)と、個人含め悪質な出品者は一定数います。

友人も10万円以上するカーナビを落札し、振り込んだ後に夜逃げして行方をくらました出品者があり、保証もなく丸損したと言っていました。

それは明らかに計画的な犯行だったようです(最近は落札者から商品到着連絡がおこなわれてからでないと振り込まれないという仕組みもあります)。

ま、悪いヤツ、悪知恵の働くヤツはどこにもいるわけで、気にしても仕方ないとも言えますが、私はオークション自体は好きでよく見ていますが、個人業者っぽい人の商品には手を出さないようにしています。


【関連リンク】
1158 海外通販を使ってみた感想
968 日本の小売り大手が動いてきた
709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか
702 アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
465 ネット通販にはまりそう、というかすでにはまっている


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1229
江戸時代までは米が貨幣価値をもっていたぐらいに貴重で全国的に平準化されたものでしたが、昨今は食の多様化とロカボ(糖質制限)の流行もあり、米の生産には逆風が吹き続けています。

米の生産量推移グラフ(pdf)(出典:厚生労働省、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針)


米の生産量は、昭和35年(1960年)に12,858千トンあり、過去最高は昭和42年(1967年)の14,453千トンだったのが、その後の需要減少や減反政策などもあり、平成28年(2016年)は8,550千トンへ3割以上減少しています。

昭和37年(1962年)には、日本人ひとりあたり年間118kg(1日323g、約2合)の米を食べていましたが、平成28年(2016年)は54kg(1日148g、約1合)と、半分にまで落ちています(農林水産省調査)。

生産量が3割減なのに消費量は半減っておかしくない?って思いましたが、ひとりあたりにすると人口の差に影響されるのと、生産される米は直接主食として消費される以外に、畜産業の飼料として、また加工食品などにも使われていますので、たぶんそのせいかなと。

朝昼晩と米食が基本だった一般的な昭和の一般家庭からすれば、現在は、朝はトーストなどパン類、昼はラーメンやうどんなど麺類、そして夕食だけ米食というパターンを思い浮かべます(我が家の場合を例にしています)。

その夕食で食べていた米食も、政府が主導するメタボを成人の絶対悪と決めつけて、また細ければモテるし健康的、デブはモテないし病気がち的なイメージを作ってきたマスメディアの扇動もあり、国民がみなダイエットを刷り込まれ、そのひとつの方法として、米を敵視する糖質制限や炭水化物敵視という流れができています。

私も安直にその流行に乗ってみて、2011年頃から取り入れた糖質制限は、朝食のトースト、ランチの米食中心のお弁当は変えず、夕食に食べていたご飯を徐々に減らし、現在は夕食には基本は米を食べないという生活になっています(夕食がお寿司やカレーライスなどの時は普通に食べてます)。

糖質ダイエットについての備忘録その1 2013/10/26(土)

糖質ダイエットについての備忘録その2 2013/10/30(水)

その後の糖質制限ダイエット効果 2016/2/24(水)

フルーツと糖質制限 2017/11/22(水)

経験してみてわかったのは、食べる量やカロリーを減らすより、炭水化物(米や小麦)を減らした方が楽に続けられそして確実に痩せます。

おそらくですが、劇的なダイエット効果を派手にテレビで宣伝する某ダイエット会社も、運動や食事制限よりもまず基本はそうした炭水化物制限の手法を用いているのではないかと思われます。

そうした逆境にある日本の米ですが、将来的には世界的に食糧不足と言われているので、輸出に光明を見いだせばとよく言われています。

しかし日本の米=ジャポニカ米は中国やベトナムあたりの東アジアではともかく、東南アジア、アフリカ、欧米ではまったく好まれません。

世界の米の約85%はインディカ米と言われる細長いパサパサした米が主流で、もし日本が世界に向けてお米を輸出したいと考えるなら、需要の多いインディカ米を作るか、ジャポニカ米を食べてもらえるように各国の食文化を変えていくしかありません。

冷夏と長雨に祟られて米の大不作に陥った1993年には、スーパーから国産米が売り切れてなくなってしまい、タイ米(インディカ米)が緊急輸入されましたが、まったく見向きもされませんでした。

チャーハン、カレーライス、パエリアなどには向いているのですけど、通常の和食には合いませんし、まず慣れていない日本人の口には合いません。

それと逆のことを考えると、ヨーロッパやアメリカ、アフリカへ日本の米(ジャポニカ米)を持って行くだけでは売れないでしょう。

それに日本の米は、規制と利権と農協のせいで、世界的に見て異常なぐらい高価ですから、貧しい食糧不足の国へ持って行っても無料で配らない限り腐らせてしまうだけになってしまいそうです。

ちょっと面白いのが「米穀安定供給確保支援機構の調べによると、2016年度の1人当たりの月間コメ消費量は4663グラムだった。前年度に比べて6%増えた。調査開始以来、増加は初めて。実質賃金が伸び悩むなか、支出を抑えるために家庭で食べる量が増えたとみられる。」という記事がありました。

その昔、池田勇人(当時大蔵・通産大臣)が当時まだ高価だった白米ではなく「貧乏人は麦を食え」と言い放ちましたが、現代では米を「支出を抑えるために家庭で米を食べる」ということで、「貧乏人は(より高価な外食や、また肉や野菜より)米を食え」ということなのですね。

いずれにしても今後の日本の米作りは、野菜やフルーツと同様に、高級ブランド化戦略か、あるいは飼料や加工品向けの大量生産・低価格品の二極化していくのではないでしょうか。

私も東北旅行したときに食べるお米の美味しさに感動を覚えますし、農家が出荷するのとは別に自宅で食べる用に無農薬や減農薬で大事に作られた安全な米も食べるとその違いに驚かされます。

それでも、韓国に流出したイチゴの品種同様、今後は稲の品種も東南アジアに流出し、コシヒカリが中国やベトナム等で作られたり、広大な農地で効率良く大量生産される低価格米には太刀打ちできず、この先中・長期的に見ると高コストな日本の米作りは苦境に陥りそうです。

そんな中、利権と規制、補助金などにまみれた日本の米作りが、今後どこかで大きく転換していくような気がしますが、小売業のアマゾンみたいな破壊者が現れるのはさていつのことでしょう。

【関連リンク】
1039 減り続ける米需要

981 大きく変化していく農業従事者

923 ハイブリッド型植物工場は異常気象の野菜急騰を防げるか

747 農家の知恵はいまの熱中症を予防する

725 農業の大規模化と零細な起業

437 日本は世界第5位の農業大国という事実


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1225
日常的にクルマを運転していると、ちょっとした不注意から違反を犯し、交通違反切符を切られ、仕方なく反則金を納付することがあります。

別に自慢にもなりませんが、私も過去に、比較的軽微な交通違反で青色切符(交通反則告知書)の反則金と、一発免停など重い違反の赤切符(告知書)で、簡易裁判などを経て支払う罰金の両方とも経験しています。

さて、その納められた罰金や反則金はどれぐらいの額あって、どのように使われているか、あまり知られてはいません。それにしても膨大な額になっているはずです。

罰金と反則金は、いずれも国庫に入りますが、その使われ方が違ってきます。

罰金(赤切符)は使途が特別決まっているわけではなく、国庫に入ったあとは他の民事、刑事等の裁判での罰金や税金などと同様に扱われますので、その総額や使用先については不明です。

一方、反則金(青切符)は一度国庫に入れられた後、ほぼその同額が一般会計から「交通安全対策特別交付金」という名前に変わって各都道府県・市町村の地方公共団体へ戻されます。

納めた額がそのままその地域へ戻ってくるわけではなく、人口や事故が多い地域など特殊性を勘案して増減するなどして工夫はされているようです。

というのも表向きで、実際は人口や事故が多いところほど取り締まりなどが多くおこなわれますから、反則金で得た額がほぼそのまま戻ってくると言っても差し支えないでしょう。

反則金の詳細はわからないのですが、その「交通安全対策特別交付金」に充当される一般会計からの交通違反者納金の総額がほぼそれに該当するようです。

その額の推移は、
23年度(2011年度) 737億円
24年度(2012年度) 718億円
25年度(2013年度) 712億円
26年度(2014年度) 698億円
27年度(2015年度) 673億円
28年度(2016年度) 646億円
29年度(2017年度) 624億円

となっています。ここ10年ほどは年々右下がりですが、毎年700億円近くが、大きな増減もなくまるで税金のように淡々と集められているわけですね。その額、国民ひとりあたりに換算すると年間約580円、4人家族なら2,320円を納付している勘定です。

過去もっとも反則金の額が多かったのはバブル華やかな頃1987年(昭和62年)で、1000億円を超えていました。この年になにがあったかというと、この年から罰金と反則金の額が一気に引き上げられたことによる影響です。

おそらくその前年と同様の取り締まりや検挙をおこなった結果、増額された反則金が一気に増えてしまったということなのでしょう。

ここ10年ほど反則金の総額が減少傾向にあるのは、違反摘発件数が減ったわけではなく、平成18年以降順々に拡大してきた駐車監視員による駐車、駐輪違反の軽微な違反の反則金が増えてきたため、違反1件あたりの納付金額が下がってきたことによるそうです。

平成29年度(2017年度)の交通違反者納金は624億円ですが、その他前年度からの繰り越し金など含めて歳入は718億円、歳出は交通安全対策特別交付金として支出されるのが621億円、その他が5億円、翌年度への剰余金92億円となっています。

それじゃ、反則金とほぼ同額が毎年使われている「交通安全対策特別交付金」とはなんぞや?ってことですが、総務省の見解では、
交通安全対策特別交付金は、昭和43年に道路交通法の改正により創設された交通反則通告制度に基づき納付される反則金収入を原資として、地方公共団体が単独で行う道路交通安全施設整備の経費に充てるための財源として交付するものであり、もって交通事故の発生を防止することを目的とする。

とあり、例として、信号機、道路標識、横断歩道橋、さく(ガードフェンス、防護柵)、道路反射鏡(カーブミラー)などの設置等となっています。

それらの業務を請け負う事業者の多くには、警察官OBや官僚の天下りがほぼ確実にいて、独占的にその仕事を請け負うという巨大な利権構造を想像してしまいます。

表だっては出てきませんが、交通安全協会なる警察OBの互助会的な団体へも、そのわざとらしい名称から容易に想像できるとおり、相当の事業費(委託費)や補助金が相当流れていると思われます。

つまり端的に言えば、こうした反則金は当然のように毎年ほぼ同額が予定(予算化)されており、その使途も警察官OBを中心とする天下り団体や会社に回すためあると言っても差し支えないでしょう。

これが「交通違反取り締まりはノルマ」と言われる所以です。

本来なら必要な交通インフラなどは公平に税金で補われるのが正しい姿ですが、街の景観を壊し、見づらくて交通渋滞の元にもなる、不要なほど多い交通標識が次々と作られていくのも、こうした交付金を毎年キチンと使いたいがためと思われます。

ドライバーであれば、どんなに注意をしていても、ふと魔が差すときがあり、標識が見えづらく一旦停止を怠ったり、後ろから煽られたり流れに乗ろうとついスピードを出してしまったりすることがあります。

またそういう魔が差しそうな時間や場所で、謀ったように、時には身を隠して取り締まりがよくおこなわれるわけで、こうした不幸が起きないよう気をつけたいものです。


【関連リンク】
1153 気になる自動車運転マナー
1081 高齢ドライバに対する偏見と規制
1044 高齢者ドライバーの増加がもたらすこと
864 衝突安全性テストについて
800 高齢化社会で変化している交通事故の統計を見る
557 運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる



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1224
久しぶりに生活保護テーマで少し書いておきます。

和田秀樹氏の新書「この国の冷たさの正体 一億総「自己責任」時代を生き抜く」を読んでいて、いくつか気になった点があります。

先に誤解なきように書いておくと、著者の作品はまだ2作しか読んでなく、したがって他の多くの書籍に書かれた内容はよくは知りませんが、その2作品を読んだ限りでは、至極まっとうな意見や考えをお持ちの方だと認識しています。

ただ、そういう頭の良い人でも、多作するためにあまり詳しくは調べないのか、あるいは炎上でもして話題になって売れれば良いという考えになるのか、よくわかりませんが、誤解を与える書き方が少なくありません。

例えば「非正規社員が4割を超え、その多くが年収200万円以下で苦しんでいる」という表現だったり、「生活保護支給額に満たない賃金しか得られていない人は、遠慮することなく申請すればその差額がもらえる」というようなこと。

詳しく調べるとわかりますが、ここ数年間で非正規(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など)が増えているのは、主たる収入源である世帯主の非正規化によるものではなく、定年退職した大量の団塊世代の多くが年金をもらいつつ、低賃金の嘱託や契約社員化していることや、正社員の世帯主の収入が上がらない(逆に下がっている)ので、子育てや介護をしつつも、配偶者が扶養控除の範囲でパート勤めに出るなど、家計の補助的に非正規で働きに出るケースが増えていることによるものです。

退職金をもらい、年金をもらい、そして雇用延長制度にのっかり、週何日かの嘱託勤務やパート勤めをする高齢者と、扶養の範囲内で家計を補助するためにパートで働く配偶者に正規社員の待遇も、高年収である必要はありません。

また同時に非正規の象徴として派遣社員が増えたことで社会に与える影響を懸念していますが、非正規の中でも派遣社員の割合は極めて少なく(非正規のうち6~7%)、さらに、一般的に問題とされる本当は正規社員になりたいのになれない「不本意派遣」という人は、派遣社員の中でもさらに何分の1(10~20%)かで、社会に大きな影響を与えるという表現は相当オーバーなもので、知らない人に大変なことだと誤解を与える書き方をしています。

そして生活保護を受ける権利は条件さえ整えば誰にでもあるわけですが、生活保護支給額より賃金が低いと言うだけで、生活保護支給額との差額がもらえるわけではありません。

例えば低賃金の人でもそれなりの預貯金や親の遺産の家を持っていたり、クルマやパソコン、高級カメラなど資産になりうるものを持っていたり(クルマやPCを持っていても、それが仕事や通院で必要な場合は問題ないケースもあります)、家族や親戚がいないとか、いても貧しくて援助がもらえないケースなど生活保護受給のための条件に合致しないともらえません。

そうしたことに一切触れずに、「生活保護支給額より低賃金ならその差額がもらえるよ」と書くのは、わざと人に誤解を与えているとしか思えません。

別の方ですが、Twitterでも

 

のようにつぶやかれているケースがあります。

いくら低賃金で生活が困窮していても、それに加えて預貯金もなく、資産になるものはなにも持ってなく、さらに親兄弟親戚などに援助も受けられないというハードルの高い条件にすべて合致するのは結構たいへんだろうと容易に想像できます。

決して楽な暮らしをしているわけでもない親兄弟親戚に対して、断られることを承知の上、援助して欲しいと頼むだけでも心がズタズタになりそうです。

つまりは、生活保護を実際に受けた人からの話しというのはあまり出てこず、法律や規則がこうだから、うわべだけとらえてこうすれば良いというような安易な話しは注意しないといけません。

上記の和田秀樹氏は同書の中でうわべだけをとりあげて刺激的で扇情的に煽るマスメディア批判もおこなっていますが、そのマスメディアと同じ過ちを自分の著書でやっていると見られてしまいます。

「マスメディアも、本の出版も所詮は営利目的だからね」と言ってしまえばその通りですが、それではあまりにも情けなく世知辛くそれこそが「冷たい社会」じゃないかなと思います。


【関連リンク】
1010 不本意な非正規雇用とその実態
1006 都合よく利用される虚報
970 生活保護世帯の増加は高齢者増加だけが原因なのか?
510 生活保護受給者200万人時代
500 リストラと生活保護と自己破産



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