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1772
帰郷 三世代警察医物語(光文社文庫) 新津きよみ

帰郷ホラーやサスペンス小説が有名な著者ですが、過去読んだ2作ではその要素はあまり感じられませんでした。今回はどうかな?と思って読み始めましたが、やはりそうした要素はなく、医者を主人公としたミステリー小説といったジャンルになるでしょう。

発刊は2014年でいきなり文庫です。著者あとがきで初めて知りましたが、著者の父親は医者で、地方の警察署の嘱託医を長く務めていて、それがこの小説のモチーフとなっています。

ただサブタイトルの「三世代警察医」は正しくなく、小説では祖父と孫(主人公)の二人が医者で、警察の嘱託医ということで、間の父親は画家という設定です。

また小説に登場する長野県大町市は、あとがきを読むまで架空の都市だとばかり思っていたら、実際に著者の出身地で実家のある場所だということを後になって知りました。

長野と言えば、松本市や長野市、あとは観光で行く安曇野や美しが丘、諏訪湖ぐらいしか馴染みがなく、安曇野のまだ先の北アルプスの麓にある大町市というのは盲点でした。本格的な山登りの好きな人には馴染みがありそうです。

その大町市で開業しながら警察の嘱託医をしている医者の祖父の代わりに空き家で発見された他殺死体の検死をすることになった東京の大学病院で研修医をしている主人公が、どうしてなんの縁もない大町市の空き家に放置されたのか、その謎を追いかけます。

こうした医者を主人公とした小説は、同じ長野県が舞台の「神様のカルテ」など、現役の医者が書くケースが多いのですが、著者の場合は、父親が医者と言うことで、その知識が豊富なのでしょう。

事件としてはそれほど複雑なものではなく、何度も繰り返される「空き家」がキーワードとなっています。日本で一番空き家率が高いのは確か山梨県でしたが、おそらく隣の長野県でも空き家の問題が日常化しているのだろうと思います。それがこの作品のヒントになっていそうです。

またこの小説は既に「父娘の絆 三世代警察医物語」という続編が2015年に出版されています。

★★☆

著者別読書感想(新津きよみ)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

人はどう死ぬのか(講談社現代新書) 久坂部羊

人はどう死ぬのか2022年に発刊された新書で、様々な医療現場に携わったあと、現在は在宅医療を中心にされている著者が本音で語る終末医療、つまり人の死に方についての指南書と言えるものです。

繰り返し書かれているのは、終末医療には限界があり、患者本人のためではなく、その周囲(家族や遠い親戚など)のために、「ベストを尽くしている」という態度や医療を提供することだけという空しい話です。

つまり患者の意思とは関係なく、高齢者や末期癌を患っている人の具合が悪くなると、家族などが慌てて救急車を呼んで病院へ移送されると、そこで待っているのは、ほとんど意味のない検査と治療でそれことスパゲッティ状態にされてしまうという現在の終末医療を非難しています。

現在は約7割の人が病院で亡くなるということですが、「死にたくなければ病院へ行くな。病院へ行くから死ぬんだ」と誰かがテレビの番組で話をしていましたが、7割の人が病院で亡くなっているならそれも正しいかも知れません。

著者も繰り返し、穏やかに最期を全うしたいなら「高齢者や末期癌の人はむやみに病院へ行くべきでない」と書いています。

著者の小説や他の新書でも同様のことがよく書かれていますが、そうした無用な終末医療を避けようとする思想や行動はマスコミや医療従事者含む一部の人には不評で、「人命は地球よりも重い」という迷言でなかなか普及していかないことが著者のジレンマとなっているようです。

私自身、もう高齢者になって、終末を迎える時期も近くなってきましたが、自分の死に方というのはなかなか思い描けず、たとえ考えたとしてもそう思い通りにいくわけもなく、難しい問題です。

本著にも出てきますが、医者に対して「自分ならどういう死に方が一番良いか」という質問では「癌」という答えが一番多いそうで、それはある日突発的に死に至るのではなく、ある程度は計画的に死に近づけるため、その準備をすることができるということでしょう。

この本の中でちょっとわかりづらいなと思ったのは、書かれている理想の終末医療の前提は寿命が近い高齢者向けの話のはずで、これが癌など他の重篤な病気でも体力もある若い人の場合はまたちょっと違うように思います。

そのあたりの区別が書かれていないので、「若い人の終末医療を懸命におこなわないとはけしからん!」という誤解を生じる人がいるように思います。

私もそう遠くない時期にこうした終末医療を選択する時がやってきます。その時には、本書を参考にして
・口から栄養を摂れなくなっても胃ろうは断る
・痛み止め以外の栄養補給などの点滴も断る
・呼吸が苦しくても人工呼吸器は断る
・自宅で倒れてもむやみに救急車を呼ばない
を大きく紙に書いて貼っておき、家族にも重々申し渡しておこうと思います。

★★☆

著者別読書感想(久坂部羊)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

総員起シ(文春文庫) 吉村昭

総員起シ戦史短編小説集で、当初1971年に単行本が出版された後、2篇が追加され1981年に文庫化されたノンフィクションに極めて近いと思われる作品集です。

収録されているのは、「海の棺」「手首の記憶」「烏の浜」「剃刀」「総員起シ」の5篇です。この5篇はそれぞれ太平洋戦争中か、終戦直後に実際に起きた事件や事故を、関係者などから聞き取り、調べて書かれたもので、極力著者の推理や想像を排して書かれているようです。

「海の棺」は、太平洋戦争中に北海道の襟裳岬近くの日高沖で輸送船大誠丸が米潜水艦に撃沈され、乗員約1400名のうち、死者・行方不明者が651名をで大量の兵士の遺体が日高町の海岸へ流れ着いた話ですが、なぜかその遺体の多くに手首が切り落とされていた謎とは?

「手首の記憶」は、太平洋戦争当時日本の領土だったサハリンにある太平炭鉱病院に勤務していた看護師達が終戦後にソ連の侵攻で追い詰められ集団自決をしますが、そこで死ぬことができず生き残った女性達のその後。

「烏の浜」は終戦直後の8月22日、樺太から避難してきた疎開者を乗せた小笠原丸が北海道の増毛町沖で、米軍の指示で無線信号を出しマストに航海灯を点灯して航海中、国籍不明(その後ソ連と判明)の潜水艦から攻撃を受けて乗員乗客638名が死亡した事件。

「剃刀」は、那覇の民間人の理容師が軍属として、司令部とともに米軍に南へ南へと追い詰められていく切ない話。

「総員起シ」は、愛媛県松山沖で、試験航海中に沈没してしまった伊号第三十三潜水艦の戦後9年が経ってから引き上げることになった話です。沈没しながらも二名が決死の脱出を成功させたことで、その状況が明らかになっていきます。

その沈没した潜水艦の中で、9年間、酸素が尽きた艦内の閉鎖区域では遺体は腐敗せず「総員起シが発令されたらみな飛び起きそうな状態」だったという話には泣かされます。

いずれの作品も、暗く、不条理な悲劇ばかりで、読んでいて息が詰まるほど重苦しいですが、こうしたリアルな歴史をわずか80年前に日本人が経験していたということは知っておくべきことかなと思いました。

★★★

著者別読書感想(吉村昭)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

傷だらけのカミーユ(文春文庫) ピエール・ルメートル

傷だらけのカミーユ「カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作」の第3弾にあたり、2012年にフランスで発刊され、翻訳版は2016年に文庫で発刊されています。原題は「Sacrifices」(犠牲)です。

毎度壮絶な残虐なシーンが出てきて、読み終えてからもしばらく嫌な思いが残ってしまうので、もういいかなと思っていましたが、忘れた頃にまた読みたくなる一種の中毒に罹ってしまったかのようです。と言ってもまだ今回が3作品目です。

今回もいきなり主人公カミーユ警部の恋人が宝石店に入ったギャングと鉢合わせして散々な目に遭わされます。世界一ついてない男と称されるジョン・マクレーン(映画ダイ・ハードの主人公)ばりにこのフランス警察のカミーユ警部もとことんついていません。

上司をだまし、同僚をだまして、恋人に重傷を負わせた強盗犯をひとりで追い詰めようとします。まったく後先のことを考えない直情的な性格で、それゆえ一歩離れた場所から眺めている読者は一緒に感情を高めていくことになるか、あるいはしらけていくかのどちらかでしょう。

私は仕事に感情を持ち込まないのを常としていたので、その後者の方です。したがって、どうも主人公には感情移入ができず、気持ちもわからず、逆に冷静な犯人を応援したくなってしまいます。

このシリーズは、この3部で終わりらしいので、どうでも良いですが、もし続編が出てももうさすがに良いかなと思っています。

★☆☆

著者別読書感想(ピエール・ルメートル)


【関連リンク】
 2月前半の読書 やがて、警官は微睡る、キル・リスト、検事の本懐、みちづれ 短篇集モザイクI
 1月後半の読書 25時、晴子情歌(上)(下)、淀川八景
 1月前半の読書 東京クルージング、資源カオスと脱炭素危機、カオスの娘、橋を渡る

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1771
自宅を買おうと思ったり、新たに借りようとするときには、「通勤の便利さ」や「子育てのしやすさ」、「買い物の便利さ」、「親の住まいとの距離」、「子供の学校」、「価格と広さ」、「自然環境」など、ライフスタイルや人それぞれに求めることの優先度が違っていると思います。

そうした違いはあれど、一定の評価基準で新たに住宅を買ったり、賃貸で借りようとする時、参考になるのが東洋経済が定期的に発表している「住みよさランキング」というデータです。

住みよさというのは10年近く経つとどう変わるのか?あるいはあまり変わらないものかを調べてみることにしました。

9年前にブログに書いた「本当に住みよい街とは 2015/3/28(土)」は、2014年のデータを用いているので、改めて2013年のデータを参照し、10年後の2023年のデータと比較することにします。

また今から20年後に住人の減少が多くなると予想されている関東と近畿の都市をそれぞれあげておきます。人口減少が急速に進むとそこの住民は様々な弊害を被ることになるでしょうから住まい探しの時には考慮すべき点です。

  ◇   ◇   ◇

まず「住みよさ」の算出指標ですが、安心度、利便度、快適度、富裕度の4つのカテゴリーからなる20項目を選択となっていて、10年前の5つのカテゴリー、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度とは少し変更されていて、住居水準充実度というカテゴリーがなくなっています。調査対象は全国の812市区です。

まずは2013年と2023年の「住みやすさランキング1位~25位」までです。

2013年 2023年
1 印西市 千葉     野々市市  石川  ↑ 
2 野々市市 石川 武蔵野市 東京
3 守谷市 茨城 福井市 福井
4 坂井市 福井 文京区 東京
5 本巣市 岐阜 白山市 石川
6 長久手市 愛知 長久手市 愛知
7 みよし市 愛知 つくば市 茨城
8 鯖江市 福井 倉吉市 鳥取
9 砺波市 富山 人吉市 熊本
10 福井市 福井 金沢市 石川
11 美濃加茂市  岐阜 駒ヶ根市 長野
12 日進市 愛知 合志市 熊本
13 かほく市 石川 鎌倉市 神奈川  
14 成田市 千葉 立川市 東京
15 東海市 愛知 昭島市 東京
16 鳥栖市 佐賀 渋谷区 東京
17 下松市 山口 越前市 福井
18 敦賀市 福井 敦賀市 福井
19 能美市 石川 水戸市 茨城
20 魚津市 富山 草津市 滋賀
21 草津市 滋賀 名古屋市 愛知
22 つくば市 茨城 印西市 千葉
23 桑名市 三重 下松市 山口
24 射水市 富山 かほく市 石川
 25  芦屋市 兵庫 小諸市 長野

次に、同、26位~50位までです。

2013年 2023年
 26  箕面市 大阪     大垣市 岐阜  ↑ 
27 白山市 石川 能美市 石川
28 中央市 山梨 国分寺市  東京
29 守山市 滋賀 四万十市 高知
30 生駒市 奈良 御坊市 和歌山  
31 名取市 宮城 北杜市 山梨
32 豊明市 愛知 東根市 山形
33 合志市 熊本 魚津市 富山
34 滑川市 富山 葛城市 奈良
35 三田市 兵庫 滑川市 富山
36 弥富市 愛知 調布市 東京
37 土浦市 茨城 府中市 東京
38 白井市 千葉 台東区 東京
39 東根市 山形 新宿区 東京
40 富山市 富山 小松市 石川
41 栗東市 滋賀 盛岡市 岩手
42 御前崎市   静岡 米子市 鳥取
43 宝塚市 兵庫 大阪市 大阪
44 駒ヶ根市 長野 大府市 愛知
45 加東市 兵庫 小浜市 福井
46 香芝市 奈良 箕面市 大阪
47 黒部市 富山 あわら市  福井
48 御殿場市 静岡 高山市 岐阜
49 高岡市 富山 由布市 大分
50 柳井市 山口 豊島区 東京

2023年のブルー背景で濃い市は、2013年にもトップ50に入っていた市ですので、この10年間は上位を維持している本当に住みやすそうな市と言えそうです。

その10年間トップ50を維持している市は17市で、特に2013年は2位だった石川県野々市市が2023年は1位に上がっていて現時点では最高ランクとなっています。

野々市市?ってどこよ?って私も無知ながら知りませんでした。

野々市市(ののいちし)
野々市市マップ
石川県のほぼ中央に位置し、山・海のない平坦な土地で、市は、北東部を金沢市と、南西部を白山市にそれぞれ接しています。

人口は57,238人、金沢市内のベッドタウンとして発展し、市内には中学校が2つ、高校は1つしかないのに、大学が石川県立大学と金沢工業大学の2つあるため、20歳前後の若い人が多く、平均年齢が若いのが大きな特徴です。

へぇー、北陸へは何度も行っていますが、金沢市内や能登などへ海水浴や観光で訪れたことしかなかったので、この街を知らなかったのも無理はありません。

2023年の2位には、10年前にはTOP50位に入っていなかった東京都の武蔵野市が大躍進しています。武蔵野市と言えば、若者にも人気の吉祥寺や都民の憩いの場の井の頭公園などが有名です。

2023年の3位、福井市は、10年前は10位でしたから着実にランキングを上昇していて住みよさをアピールできそうです。今年は北陸新幹線が延長されて首都圏から一気に行けるようになります。

2023年の上位を見ると、1位の野々市市、5位の白山市、10位の金沢市とトップ10に石川県の市が3つも入っていますが、元日の地震の影響で2024年以降は少し状況が変わるかも知れません。

その他、トップ50を見ると、東京都の躍進が顕著です。

2位武蔵野市、4位文京区、14位立川市、15位昭島市、16位渋谷区、28位国分寺市、36位調布市、37位府中市などトップ50の中に11市区も入っています。これは10年前から評価基準が少し変更された影響があるのかも知れません。

大いに躍進した東京都と同様の大都市圏を抱える都市を見ると、神奈川県は13位に鎌倉市だけ、千葉県は22位の印西市だけ、大阪府では46位の箕面市だけ、愛知県では5位の長久手市、21位の名古屋市、44位の大府市の3つ、埼玉県や福岡県、北海道、宮城県はゼロです。

他にも地方の勇とも言える石川県はTOP50に6市、福井県は4市、富山県は2市と、北陸勢が強いのが特徴です。

逆に九州勢は熊本県に2市(合志市、人吉市)と大分県(由布市)の3市だけ、東北勢は山形(東根市)と岩手県(盛岡市)に各1市の計2市だけ、四国は高知市(四万十市)の1市だけと精彩がありません。

10年間でトップ50を維持したのは17市(濃いブルー)、逆に2013年にはトップ50だったのが10年で落ちてしまったのが33市という多さです。

2013年はトップ50の上位にいながら、2023年のトップ50に入らなかったのは、2013年3位の守谷市(茨城県)、4位だった坂井市(福井県)、5位だった本巣市(岐阜県)、7位だったみよし市(愛知県)、8位だった鯖江市(福井県)など。なにがあったのでしょうね。

いずれにしてもわずか10年でトップ50のうち6割以上がそこから転落してしまうということですから、20年30年と長く住むために家を購入しようという場合は、今の人気ランキングはあまり信用しないほうが良さそうです。

  ◇   ◇   ◇

次に、日本の人口が減少していく中で、11年後の2035年までに特に多い人口減少数が予想されている都市ランキングが載っていたので関東と近畿のデータを転記しておきます。出典は同じく東洋経済ONLINEです。

関東 近畿
都市名  減少数    都市名  減少数 
 1  横須賀市 -57,740  1  東大阪市 -54,713
2 日立市 -37,180 2 姫路市 -39,910
3 宇都宮市 -29,904 3 枚方市 -38,050
4 市原市 -29,038 4 奈良市 -36,741
5 春日部市 -26,710 5 和歌山市 -36,084
6 前橋市 -26,339 6 堺市南区 -31,042
7 桐生市 -25,151 7 神戸市西区 -30,983
8 横浜市金沢区  -22,331 8 神戸市北区 -29,413
9 足利市 -21,641 9 尼崎市 -27,879
10 栃木市 -19,986 10 神戸市垂水区  -27,549
11 熊谷市 -19,645 11 大阪市平野区 -27,385
12 小田原市 -19,104 12 八尾市 -26,463
13 狭山市 -18,023 13 寝屋川市 -26,360
14 日光市 -17,944 14 津市 -26,232
15 横浜市港南区 -17,579 15 加古川市 -25,688

人口減少は、災害や法改正と違って突然一気にやってくるものではなく、ボディブローのように時間をかけてジワジワと効いてきます。

そして人口減少のインパクトは想像以上に多くの点で影響を及ぼします。

例えば税収不足で公共サービスが低下していき手続きが不便になったり、道路や水道などの各種インフラの修理や更新が遅れ、医療や防犯などに手が回らず生活や住環境の悪化につながります。

また民間企業は、大きな人口減少がわかっているところに新たなスーパーやコンビニ、金融機関などを設置しようと思わないばかりか、現在ある店を閉じて、より売り上げの期待できる地域へ投資を集中するというのが営利企業として常道でしょう。

ヨーカドー、大量撤退で「無責任」批判なぜ起きた 「地元の商店街をぶち壊したのに…」の声の"誤解"(東洋経済ONLINE)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のイトーヨーカ堂が、北海道・東北・信越地方の17店を閉店すると報じられた。同エリアからの撤退により、ヨーカドー空白地帯が拡大することになる。中四国、九州、沖縄にはすでにヨーカドーはない。

すでに千葉県内の私鉄で、利用客の減少で大きく運行本数を減らす計画があったり、大阪府では唯一の路線バスの廃止などが社会問題化していますが、今後もそうした住民サービスの低下が続くでしょう。

ここに上がっている人口減少数の大きい都市へ新たに住もうとするのは、賃貸ならともかく購入するのは今後長い目で見ると様々な生活の不便を受け入れる覚悟が必要と思われます。


【関連リンク】
1735 地方の大問題は災害と公共サービス
1341 最新の住宅と空き家統計について語る
908 本当に住みよい街とは

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1770
昨年まで更新時3回連続して違反歴がなく、15年間運転免許証はゴールド免許でした。その間には高性能車にも乗っていた時期も含まれていたのに、よくぞゴールド免許が維持できたものです。えらいでしょ?って当たり前のことです。

高性能スポーツカーに乗っていると、高速道路では真っ先に覆面パトカーにマークされ、よく死角の斜め後ろで併走され続けたり、夜間は後ろからあおるように近づいて長く追尾をされました。

先頭で飛ばす場面は、周囲に人やクルマがないときや、ねずみ取りなどがなさそうなところ(山奥の峠道とか)だけで、いつも注意を払っていたことが功を奏しました。

しかし、昨年は初めて行く観光地の市営駐車場へ入るため、先行車が左折し、案内していたカーナビも「次の角を左です」と言うのでなにも考えずに左折したら白バイがやってきて、先行車は逃して自分だけ止められ、「ここは左折禁止」とキップを切られました。

これで、15年間のゴールド免許証は終焉を迎えました。

またその後、バイクで黄色から赤に変わるタイミングで交差点に入ってしまったことを見咎められ、ドラレコもないし抵抗するすべもなくキップを切られ2度目の汚点を残しました。

言い訳はあれど、ルール違反をしたことには違いないので、潔く反省し、運転免許証の更新時には2時間の違反者講習を受けることになりました。

違反者講習資料違反者講習では、20分間のビデオを見て、その後に安全運転自己診断というものをおこない、あとは最近のルール改正や、最近多い事故例などの話を聞くという流れです。

免許証更新時のビデオは、おそらく優良者講習(30分)の時に見せられるビデオと同じもので、最近の傾向か、ドライブレコーダーで撮影された事故のシーンなどが多用されています。テレビなどでよくやっている交通事故の動画シーンと同じです。

昔、免許証をとった40年ほど前の講習会用ビデオは、もっと悲惨な事故のシーンがてんこ盛りだったような気がします。道路上やクルマの中が血の海になっているとか、交通事故で亡くなった人の葬儀で遺族が号泣しているシーンとか。さすがに近年はそうした生々しいシーンは使えなさそうです。

さて、本題ですが、ビデオのあとに「安全運転自己診断」という31の質問に○×式でマークを付けて、それを元に、(A)ルール遵守意識(B)日常の安全意識(C)安全運転意識(D)総合評価を採点し、自分の運転や安全意識が正しいのかどうかをチェックできるというものです。

その中で???という質問が下記です。みなさんは○ですか、×ですか?

A「渋滞にぶつかると、抜け道に入ることがある

B「見通しや路面状態がよくても、制限速度より遅めに走る

C「ちょっとしたことでも、よくブレーキを踏むほうだ

D「流れにのっていれば、制限速度どおりに走る必要はない

E「何度も信号で止められると、とてもいやな感じがする

F「長距離の運転をひかえる

 ◇   ◇   ◇

上記の正しい答えの前に、まず常識的な質問はこんな感じです。これなら間違えないでしょう。

G「同乗者が全員シートベルトをするように注意している

H「体調を整えてから運転する

I「後ろからクラクションを鳴らされると腹が立つ」 

J「一時停止の交差点で、完全に止まらず通過することがある

は、みなさん大丈夫でしょう。

G「同乗者が全員シートベルトをするように注意している」とH「体調を整えてから運転する」は○が正解、で、I「後ろからクラクションを鳴らされると腹が立つ」、J「一時停止の交差点で、完全に止まらず通過することがある」は×が正解です。 

正解だとプラス得点となり、その正解点合計で自己診断ができるようになっています。

それではAからFの質問の安全協会が決めた正解?を書いておきます。私は逆を回答していますがその理由を後に書いています。

A「渋滞にぶつかると、抜け道に入ることがある」→×

B「見通しや路面状態がよくても、制限速度より遅めに走る」→

C「ちょっとしたことでも、よくブレーキを踏むほうだ」→

D「流れにのっていれば、制限速度どおりに走る必要はない」→×

E「何度も信号で止められると、とてもいやな感じがする」→×

F「長距離の運転をひかえる」→○

A「渋滞にぶつかると、抜け道に入ることがある(×が正解)」は、近所のよく知った道では渋滞で時間と燃料を無駄にすることなく抜け道を走るのは普通のことで、それのどこがダメなの?と疑問です。

もっともその抜け道が「狭くて危険な道」ならともかく、A国道が混んでいるのでB国道を使うとか、抜け道の方が遠回りだけど広くて安全な道ということもあります。出題の仕方にも問題がありそうです。

B「見通しや路面状況がよくても、制限速度より遅めに走る(○が正解)」やD「流れにのっていれば、制限速度どおりに走る必要はない(×が正解)」は、安全車間距離をとった上で流れに乗って走る方が、周囲より遅めに走ったり、流れに乗らないでマイペースで走るより事故に遭う確率は格段に減ります。つまり事故やあおり運転に遭いやすい運転を推奨したいようです。

流れにのって走ることで、前への急な飛び出し、横断、強引な割り込み、無理な右折がなくなり、流れに乗り、制限速度近くで走らないと、このご時世は後続車がすぐにイライラし、あおり運転に遭いやすくマイペースで走ると余計に危険という実態を無視しています。

中でも一番違和感があったのがC「ちょっとしたことでも、よくブレーキを踏むほうだ(○が正解)」です。

ブレーキを不必要に思えるほど踏みながら走る輩を私は「パカパカ野郎」と名付けていますが、市街地では信号や踏切、一旦停止で停止するときや、直角以上の角度で方向を変える時以外にブレーキなど踏む必要はなく、安全な車間距離さえとっていればそのほうがスムーズに走れます。またブレーキばかり踏んで燃料を無駄にして走るのはSDGsに反し環境や財布にも優しくありません。

特に高速道路でブレーキパカパカしながら走っている馬鹿野郎が多くいますが、中にはドライバーの意思とは関係なく自動追従装置の自動ブレーキが細かくブレーキをかけていることがあるようです。いずれにしてもまったく迷惑な話です。

E「何度も信号で止められると、とてもいやな感じがする」(×が正解)は、信号に何度もひっかかって嫌な思いをしない人なんかいるのでしょうか?可能なら自分の前は常に青信号という状態を望むのではないでしょうか。質問の意図がよくわかりません。

F「長距離の運転をひかえる」(○が正解)は、ゴルファー、、、ではなく、日本の流通を担っている長距離トラックドライバーや、1日中運転して公共交通の一部を補完してくれているタクシードライバーなどプロドライバーに対する冒涜です。

またプロのドライバーでなくても、クルマは短距離だけ便利な交通手段ではなく、長距離では燃料効率が良くなり、高齢者や身障者、家族などの移動では公共交通機関を使うよりも便利に安く使えることもあります。

2024年問題でトラックドライバーや大型バスの運転手が不足し、若い新規参入者がいなくなり高齢化が進み流通や公共交通が滞ってしまいそうと言われているのはこうした警察(の外部団体)のアホな思い込み(長距離走行=悪)が影響しているのかも知れません。

【関連リンク】
1605 年齢層別交通事故数と運転免許取得者数
1233 運転免許証取得者は意外にも増えている
557 運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる

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1769
やがて、警官は微睡る(双葉文庫) 日明 恩

やがて警官は微睡る一般的に「武本&潮崎シリーズ」と言われる警察官が主人公の小説の第3作目で、2013年に単行本、2016年に文庫が出版されています。このシリーズはすでに2018年に第4作「ゆえに、警官は見護る」が単行本(文庫は2022年刊)で出版されています。

昭和時代の香りが漂う無口で強面の刑事と、名家のお坊ちゃまで、一度警察官を辞めi種キャリア採用で復帰してきた軽いノリで多弁な刑事のコンビで活躍するシリーズですが、この3作目は過去のものとは少し違っています。

横浜みなとみらい地区に新規オープンした外資系ホテルで人質を取ったテロが発生し、そのホテルで見合いのためにいた主人公刑事が、若いフロントマンと一緒に武装したテロリスト達と戦うという内容です。

しかし以前のような反社会組織や密輸業者など裏社会との戦いとは違い、多国籍のサイコキラーやあちこちに爆弾を仕掛け、情け容赦なく銃器を打ちまくるというまったくリアリティのない内容にはがっかりしました。

これは「ダイハード」のような、映画やテレビドラマを念頭に派手なエンタメ効果を狙ったものなのか、あまりにも過去の作風と違っていて、シリーズ第1作「それでも、警官は微笑う」(2002年)や、消防署員が主役の別シリーズ第1作で「鎮火報 Fire’s Out」(2003年)以来の著者のファンでしたがもう続編はいいかなという感じです。

★☆☆

著者別読書感想(日明恩)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

キル・リスト(上)(下)(角川文庫) F・フォーサイス

キル・リスト2014年に単行本、2020年に文庫化された著者お得意の国際謀略サスペンス小説です。

主役はアメリカ人のイラクやアフガニスタンで実戦経験のある中年の海兵隊員で、若いときにアラビア語を学んでいたことから、名前すらわからないイスラム過激派のテロリストを探し出して抹殺する仕事を与えられます。

この仕事では、アメリカの国防省、CIA、英国やイスラエルの情報機関、さらには英国の特殊部隊まで巻き込んだ掃討作戦に広がっていきます。

日本語翻訳版が2014年に出版されたと言うことは、英国本国では2013年頃には発刊されているはずで、これは、9.11テロの首謀者ウサーマ・ビン・ラーディンの暗殺(2011年)に触発されたんじゃないかなと勝手に思っています。

本著にも、どうやってウサーマ・ビン・ラーディンの居場所が特定できたかなど書かれていました。

今回は、中東からパキスタン、そしてアフリカと居場所を変えるテロリストを追いかけ、居所を突き止めますが、そこにはイスラエルの貴重な工作員が潜り込んでいるために無人機からミサイルを撃ち込むという荒っぽいことができず、おびき出しての軍事作戦を実行することになります。

盗聴やハッキング、無人偵察機などハイテク軍事技術も満載で、スパイの世界も007の時代からすると大きく変わってしまったものです。

作戦に大きな失敗や破綻はなく、アメリカと英国の密接な連携で淡々と進む話であまりひねりや盛り上がりはないですが、一般人にはまったく馴染みがなく縁がないSFのようなリアルの世界が確かにあるのだということは理解できました。

★★☆

著者別読書感想(フレデリック・フォーサイス)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

検事の本懐(宝島社文庫) 柚月裕子

検事の本懐最後の証人」(2010年)から始まった「佐方貞人シリーズ」の第2弾の連作短編集です。出版は2011年に単行本、2012年に文庫化されています。

短編は、「樹を見る」「罪を押す」「恩を返す」「拳を握る」「本懐を知る」の5編です。

地方検察庁に配属された若い検事を主人公としますが、その主人公の父親が元弁護士で、顧問弁護士をしていた企業のオーナーが亡くなった時に業務上横領が発覚し逮捕されて実刑を受けるという過去があります。

主人公の父親は収監中に病気で死亡していますが、今回の短編の中でその事件と、発覚してから一切の言い訳をせず実刑を言い渡されることになった理由などが明らかになります。

その他、大掛かりな事件捜査のため東京地検に呼ばれて地味な仕事を担当しますが、その中で見逃されていた謎に気がつき、上司に報告するも相手にされず、結果的に「できないやつ」という汚名を着せられてしまいます。しかしそのときに上司に伝えたヒントが元になって事件は大きく動くことになります。

5編、それぞれ、派手な活躍などはなく、検事の地味な仕事が綴られていきますが、その中にある人間の思いをくみ取れる正統派検事としての活躍が秀逸です。

このシリーズは、すでに第3弾の「検事の死命」(2013年)、第4弾の「検事の信義」(2019年)が発行されています。また機会を見て読んでみたいと思っています。

★★★

著者別読書感想(柚月裕子)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

みちづれ 短篇集モザイクI(新潮文庫) 三浦哲郎

みちづれ昨年、芥川賞を受賞した短編集「忍ぶ川」(1961年)を読んで、面白かったので1991年のこの短編集を読むことにしました。

サブタイトルに「短篇集モザイクI」とありますが、1作が約10ページ(文庫)程度のかなり短い作品で、こちらは純文学でジャンルは違いますが、星新一氏のショートショートのような感じです。

読むのは楽で良いですけど、あまりにも短いのでよく理解できないまま、あるいは余韻を楽しむまでもなく終わってしまうというパターンです。

したがって、感想も書きにくく、読んだそばから次の作品へ意識がいってしまい、せっかく面白かったのにすぐ忘れてしまうパターンでもったいない感じです。

収録作品は「みちづれ」「とんかつ」「めまい」「ひがん・じゃらく」「ののしり」「うそ」「トランク」「なわばり」「すみか」「マヤ」「くせもの」「おさかり」「ささやき」「ねぶくろ」「はらみおんな」「かきあげ」「てんのり」「おさなご」「こいごころ」「にきび」「オーリョ・デ・ボーイ」「さんろく」「ゆび」「じねんじょ」の24篇です。なぜかすべてひらがなかカタカナのタイトルです。

この短篇集モザイクには「ふなうた短篇集モザイクII」「わくらば短篇集モザイクIII」の続編があります。

★★☆

【関連リンク】
 1月後半の読書 25時、晴子情歌(上)(下)、淀川八景
 1月前半の読書 東京クルージング、資源カオスと脱炭素危機、カオスの娘、橋を渡る
 12月後半の読書 グレイヴディッガー、駐車場のねこ、平凡すぎて殺される、鬼統べる国大和出雲古事記異聞

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毎年1回、1年間に読んだ書籍(小説、エッセイ、ビジネス、教養、ノンフィクションなど)を思い出して、その中からジャンル別にナンバーワンを決めているシリーズで、2012年分から続いています。

1692 リス天管理人が2022年に読んだベスト書籍
1601 リス天管理人が2021年に読んだベスト書籍
1500 リス天管理人が2020年に読んだベスト書籍
1401 リス天管理人が2019年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍
1191 リス天管理人が2017年に読んだベスト書籍
1093 リス天管理人が選ぶ2016年に読んだベスト書籍
993 リス天管理人が選ぶ2015年に読んだベスト書籍
886 リス天管理人が選ぶ2014年に読んだベスト書籍
784 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍
676 2012年に読んだ本のベストを発表

私が読むのは基本的には文庫や新書の旧刊本で、単行本や新刊本はほとんどなく、あまり著者やジャンルが偏らないよう、できるだけバランス良く、読んでいるというのが特徴です。

2023年の1年間に読んだ本の合計は、作品数が96作品(2022年99作品)、上下巻を2冊とカウントする冊数では110冊(2022年107冊)となりました。前年(2022年)からは作品数では3作品減りましたが、総冊数では3冊増加しました。

リタイア後には暇な時間が増えて読書数も増えるのか、それとも往復2時間の通勤時間がなくなり、その読書時間がなくなり減ってしまうのか、どうなるだろうって思っていましたが、ここ数年みてきた限りほとんど読書量に変化はなさそうです。

ただ、最近は、読書に集中していられる時間が徐々に短くなってきているのと、細かい文字を読むのがつらくなっていることを実感していて今後読書量が増えると言うことはなさそうです。集中力と視力の問題は老化現象ですからやむを得ないかなと思っています。

過去の年間読書数(作品数と冊数)は下記の通りです。

新書/NF 冊数 海外
小説
冊数 日本
小説
冊数 作品数計 冊数計 月間平均
冊数
2013年 86 98 8.2
2014年 26 26 13 17 62 70 101 101 8.4
2015年 17 17 12 65 94 107 8.9
2016年 14 14 12 16 65 79 91 109 9.1
2017年 26 26 16 21 62 70 104 117 9.8
2018年 26 26 9 13 64 71 99 110 9.2
2019年 29 29 8 9 71 77 108 115 9.6
2020年 29 30 14 19 51 56 94 105 8.8
2021年 22 22 13 21 58 69 93 112 9.3
2022年 11 11 15 16 73 80 99 107 8.9
2023年 16 16 17 27 63 67 96 110 9.2

  ◇   ◇   ◇

それでは、今回も「新書/ビジネス/ノンフィクション部門」「海外小説部門」「国内小説部門」の3部門に分けて候補作と大賞を発表します。

まずは「新書/ビジネス/ノンフィクション部門」ですが、2023年は16作品(16冊)読んでいます。前年の11作品(11冊)からは5作品増えています。

その中から大賞の候補作は、「最澄と空海」梅原猛著、「新老人の思想」五木寛之著、「年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方」荻原博子著、「定年バカ」勢古浩爾著の4作品です。

その候補から大賞に選んだのは、、、ドコドコドコドコ・・・

年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方」荻原博子著に決定!!

パチパチパチ!

感想は、
2023年4月前半の読書と感想、書評(年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方)

上記の感想でも書きましたが、結論としては「年金だけでは暮らせない」ということでタイトルに虚偽ありですが、こうしたタイトルは刺激的でなければ売れないので仕方ないでしょう。

できればこれは年金生活に入る前、それも10年以上前には読みたい本です。そうでないと、いろいろ準備ができません。

それでも、今の生活に無駄はないか?お金の使い方、貯め方は間違っていないか?など参考になることがいっぱいです。


  ◇   ◇   ◇

次は、「海外小説部門」です。昨年2023年は、17作品(27冊)読みました。2022年は15作品(16冊)でしたので、作品数と冊数も増えています。

その15作品の中から大賞候補は、「ロスト・シンボル(上)(中)(下)」ダン・ブラウン著、「大いなる遺産(上)(下)」ディケンズ著、「マルタの鷹」ダシール・ハメット著、「もう年はとれない」ダニエル・フリードマン著、「ホテル・ニューハンプシャー(上)(下)」ジョン・アーヴィング著の5作品です。

今回、この海外小説部門は力作や古典的名作が多くて迷いました。

大賞は!、、、ドコドコドコドコ・・・

大いなる遺産(上)(下)」ディケンズ著に決定です!

パチパチパチ!

感想は、
2023年3月前半の読書と感想、書評(大いなる遺産)

今回は候補に入りませんでしたが、同時期のロンドンが舞台の「ボートの三人男」ジェローム・K・ジェローム著を先に読んでいたことから、当時の社会情勢やテムズ川周辺の様子などがわかり面白く読めました。

アメリカンドリームが生まれる前の、産業革命の成功で世界の中で経済大国をひた走る英国の格差社会とイングランドドリームの話ですが、今読んでも色あせることがないよくできたドラマでした。

僅差の次点で「マルタの鷹」ダシール・ハメット著が続きますが、これは私の個人的な趣味(探偵好き)が影響しているせいかもしれません。

  ◇   ◇   ◇

最後にもっとも読んだ作品数が多い「国内小説部門」です。昨年2023年に読んだ国内小説は63作品(67冊)で、一昨年2022年の73作品(80冊)から大きく減りましたが、これはバランスを意識して前年より新書や海外小説を多めに読んできたためで想定内です。

その63作品の中から大賞候補としてあげたのは、

JR上野駅公園口」柳美里著、「漂流」吉村昭著、「オライオン飛行」高樹のぶ子著、「一八八八切り裂きジャック」服部まゆみ著、「光と影」渡辺淳一著、「二人のクラウゼヴィッツ」霧島兵庫著、「暗幕のゲルニカ」原田マハ著、「二千七百の夏と冬(上)(下)」荻原浩著の8作品です。

これらはどれも力作で、私の好奇心や趣向をくすぐり、感情を揺さぶり、そして読み終えてしまうのが残念に思った面白い小説でした。

それでもどれか一作を選ぶとすると、、、、、、ドコドコドコドコ・・・ドコドコドコドコ・・・ドコドコドコドコ・・・ドコドコドコドコ・・・

パンパカパーーーン!

暗幕のゲルニカ」原田マハ著に決定です!

パチパチパチ!パチパチパチ!パチパチパチ!

感想は、
2023年6月後半の読書と感想、書評(暗幕のゲルニカ)

こちらからでも感想が読めます。
著者別読書感想(原田マハ)

国連に飾られているピカソのゲルニカはピカソの祖国スペインが内戦で無差別爆撃で破壊された街を抽象的に描いたことは有名な話ですが、この小説ではそのゲルニカを描くことになったパリに住んでいたピカソの晩年生活と、恋人でカメラマンのドラの生活が生き生きと蘇ってきました。

個人的な趣味趣向で、小説でも実際に起きた歴史的事象や有名人をモチーフにした作品が好きで、過去には「マリー・アントワネット」シュテファン・ツヴァイク著や、「八甲田山死の彷徨」新田次郎著などが年間大賞に、太平洋戦争中、無謀とも言えるキスカ島からの撤退を描いた「八月十五日に吹く風」松岡圭祐著や、水戸の黄門様の真実に近い小説「光圀伝」冲方丁著が年間大賞次点に入っています。

今回の候補作の中にも、「漂流」吉村昭著、「オライオン飛行」高樹のぶ子著、「一八八八切り裂きジャック」服部まゆみ著、「光と影」渡辺淳一著、「二人のクラウゼヴィッツ」霧島兵庫著の5作品は、いずれも歴史に出てくる人物(有名・無名、本名・別名にかかわらず)が登場してくる作品です。

中でも「一八八八切り裂きジャック」が描く舞台は、先述の「海外小説部門」大賞の「大いなる遺産」と時代も場所も近く、知識の相乗効果が得られて楽しめました。

また無人島漂流ものが大好きな私としては、ノンフィクションに近いと思われる江戸時代に船が嵐に遭い漂流し凄まじい無人島生活をおくる「漂流」吉村昭著はお勧め小説です。

さて、それらの秀作揃いの「国内小説」の次点は、「一八八八切り裂きジャック」服部まゆみ著とさせていただきます。

感想は、
2023年1月前半の読書と感想、書評(一八八八切り裂きジャック)

日本でもよく知られている「切り裂きジャック」ですが、今回この小説を読み、その後wikiなどでも調べてかなり詳しくなりました。

この小説が舞台となった同時期に、日本から欧州へ公費留学していた森鴎外(森林太郎)や北里柴三郎が脇役で登場したり、昔映画化されて有名になったエレファントマンが大衆見世物小屋で客を集めていたのをうまく小説に取り込んでいます。そうすることで、なにかその時代と遠い場所が読者にとって身近に感じられるという巧い手法です。

以上、「リス天管理人が2023年に読んだベスト書籍」でした。
今年も面白い本に出会えますように。

【関連リンク】
1692 リス天管理人が2022年に読んだベスト書籍
1601 リス天管理人が2021年に読んだベスト書籍
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