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ハリー・クバート事件(上)(下) ジョエル・ディケール

スイス人作家が書いたアメリカが舞台の長編小説でベストセラーとなった作品です。これが長編作品としては実質的なデビュー作ということで驚きです。2014年に単行本、2016年に文庫本が出ています。

小説の中でも、デビュー作で大ヒット作をかっ飛ばした男性小説家が主人公で、その後、第2作目がさっぱり書けず、高額な出版契約をした会社とも気まずくなり始めています。

学生の頃に作家となるためにいろいろ指導してくれた師匠の大学教授にスランプだと泣き言を言うと、ニューヨークから離れ、師匠が住むニューイングランド地方の家へ来て静養すれば治るかもと言われ、しばらくそこで過ごすことになります。

その時、師匠の家で、ある少女と師匠が仲睦まじく一緒に写った写真と、その少女が33年前に謎の失踪を遂げたという新聞記事の切り抜きなどを見つけます。

そして、自宅のNYへ戻ったあと、今度はその師匠が33年前の殺人容疑で逮捕されたという連絡が入り、急ぎニューイングランドの師匠の家に向かいます。

師匠の家の庭で失踪した少女の骨が見つかったという容疑で、師匠は知らないと否定しますが、かなり不利な状況の中、そこでなにが起きたのか、小説の執筆は忘れて自分なりの捜査を始めます。

やがて、その捜査を通じてわかったことをノンフィクションとして書くことで、その本は大ヒット間違いないと出版社から言われ、昔、師匠から教えてもらった通りに、事件の模様を書いていくことになります。

ただそれだけですが、事件が複雑にあれこれ絡んでいて、恋愛あり、捜査を妨害する身元不明の人物の反撃あり、被害者家族の問題や、どんでん返しなど、エンタメ系小説に求められる要素を全部ぶち込んで、一気読みしたくなりそうな息つく間もないスケールの大きな作品に仕上がっています。

細かな点では、警察やマスコミの大げさな反応など、アメリカ人のステレオタイプ的な表現が多くあり、そこはアメリカで時々過ごしていたとは言え、外国人が描くアメリカ社会とアメリカ人像の象徴みたいなものなのだろうという感じがします。

上下巻で1000ページ近い長大なミステリー小説で、分厚い文庫を最初手に取ったときは読むのに骨が折れそうと暗い気持ちになりましたが、読み進めていく内に、謎が謎を呼び、上巻が終わる頃には、とにかく早く結末を知りたいという焦りと感情がわいてくる魅力ある作品でした。

★★★


 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

とにかくうちに帰ります (新潮文庫) 津村記久子

著者は作家になる前、約10数年間、会社員として勤めた経験がある方で、そうした職業経験からくる話しが多い作家さんです。

私は2015年に「ワーカーズ・ダイジェスト」(初出2011年)を読んでいます。

10月後半の読書と感想、書評「ワーカーズ・ダイジェスト」2015/10/31(土)

今回の作品は2012年に単行本、2015年に文庫化された、短編小説集で、テーマはいずれも普通にどこでもありそうな会社勤めの風景や、サラリーマン群像といったところです。

「職場の作法」は何話かの連作短編で、さらに同じ登場人物で「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」が続き、単独の短編として「とにかくうちに帰ります」が続きます。

正直言うと、あまりにも平凡で抑揚もない淡々とした語りで、読み進めていくのがつらいと何度も思いました。人の生き死にもなく、憎悪や嫉妬もなく、巨額マネーも動かず、愛憎や官能を揺すぶるものもないテーマで小説を書くという難しさがわかります。

それなら途中で読まなきゃいいのですが、その先になにか面白いことがあるかも?と思って、短編でもあるので最後まで読みました。でも最後まで特になにか心に響くようなこともなく、淡々としたまま終わってしまいました。

こういう小説に共感を感じる人も多いのでしょうけど、私には時間の無駄としか思えません。

そう言えば、前に読んだ小説でも、やたらと淡々と日々が過ぎていくだけという平坦な小説があり、最近そういうのが増えてきているのでしょうかね。

いや、別にド派手なジェットコースター小説を求めているわけではないのですけど、ここまで草食系に特化した小説というのは、今は私にとっては面白くもなんともないです。

★☆☆


 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

代償 (角川文庫) 井岡瞬

著者は1960年生まれで、広告会社を経て2005年に「いつか、虹の向こうへ」で作家デビュー、この作品はデビューから6番目(長編としては4番目)の小説で、2014年に単行本、2016年に文庫化された長編小説です。この著者の作品を読むのはこれが初めてです。

見てはいませんが、この小説を原作として、小栗旬主演のネットドラマが2016年に製作されたようです。

前半はとにかく主人公の暗くつらい日々が続きます。普通の家庭の一人っ子として生まれた主人公の子供時代ですが、近所に引っ越してきた親戚の同学年の子が現れたことで、その生活は一変してしまいます。

まず自宅が火事に遭い、両親が焼死してしまいます。火事になっても目が覚めなかった両親には一時的に預かっていたその親戚の子供が両親に睡眠薬を飲ませたからというのがあとでわかります。

両親を失った主人公はその親戚に預けられ、親が残した保険金や財産は後見人となったその親戚の両親に奪われ、さらに育ててやっているのだという差別的で屈辱的な日々を過ごすことになります。

後半は、一変して、そうした過酷な環境から友人とその叔父の助けで抜け出すことができ、大学にも通い、司法試験に合格した後、弁護士の職に就くことになります。

そんな中、両親を火事で殺し、その後一緒に住んでいた親戚の子が、強盗殺人容疑で逮捕され、その弁護人として主人公を指名してきます。

そうした様々な感情を持ちながら、弁護を引き受けることになった主人公は、再び親戚の子とその母親に巧妙な罠を仕掛けられながらも、同級生だった友人の助けもあり、切り抜けていくという気の重くなる話しです。

邪悪な犯罪のオンパレードで、鬱の状態や、精神的に落ち込んでいるときなどはあまり読むのはお勧めしません。

★★☆


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介護ビジネスの罠 (講談社現代新書) 長岡美代

介護・医療ジャーナリストの著者が書いた2015年刊の新書です。タイトルで想像ができるとおり、介護ビジネスに巣くう怪しげな実態が赤裸々に書かれています。

真面目に取材をして丁寧に書かれたものですが、節々に「筆者が取材をしたので」「テレビや雑誌で筆者が訴えかけたので」という自身の売り込みがあちこちにみられ、新書にはよくある自身の自慢本、広告本とも言えます。

著者はこうした書籍などが元となって「介護ビジネスの専門家」「介護問題に詳しい識者」という社会的な位置づけを手に入れて、それを確固たるものにしようとしているのがわかります。なかなか商売上手な方です。

それはさておき、内容については、ややディフォルメがされているような気もしますが、著者の一方的な見解と持論が主になっていて、非難の的に上げられた介護施設などの事業者の言い分などは、取材を受けてもらえないという理由からかまったく不明で、したがって一方的な批判に終始しています。

しかも批判するだけして、その矛先は匿名で、実際の会社名や介護施設名を書くと名誉毀損で訴えられることを免れようとしているのか、あるいは確信を持った事実ではないのかも知れません。

役所や病院、福祉施設にも見放された行き場のない要介護者の受け入れ先として、囲い込みなど問題が多く、介護保険や医療保険の制度を食い物にしていると指摘する介護事業者は、糾弾されるべきなのか、それとも実際に多くの利用者があり、また今後も増加していく介護難民のことを考えると、どこかで折り合いを付けるべきなのか私にもわかりません。

ただ、この本を読んで、いかに国や自治体などの対応がいい加減で、付け焼き刃的なモノであるかと言うことは理解できますので、あらためて家族のことは家族で決め、対処するというのが大事だろうと思いました。

また本来なら要介護者の家族が本来一番表面に出てこなければならないはずが、この本ではなにか意図してのことなのか、まったくと言ってよいほどに触れられず、要介護者の代理人的に出てくるのはNPO団体だったり、ケースワーカーだったり、ケアマネージャーだったりが登場してくるのはちょっと偏向していて安易な感じもします。

タイトル含め刺激的な内容で、関係者以外にはなかなか知り得ないことも多く、またこれからは介護と無縁でいられる人は少なく、法律が改正される前の情報で書かれていることが多いものの、参考なる話しではないかと思います。

★★☆


 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

黒冷水 (河出文庫) 羽田圭介

2003年単行本、2005年に文庫版が発刊された小説で、著者がまだ17歳の高校生時代に、河出書房新社が主宰する文藝賞に応募、見事受賞した小説家デビュー作品です。

著者は2015年に「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞しましたが、その時同時受賞となった又吉直樹著「火花」が大きな話題となりました。

タイトルからホラー小説かな?と思って読み始め(最近カバー裏のあらすじ等は事前に読まないことが多い)ましたが、まったく違って、高校生と中学生の男兄弟をそれぞれの視点から、互いに憎しみ合っていく姿を描いたちょっと気味の悪い家庭内小説です。

個人的にも男兄弟がいるので、それと少しかぶってしまったせいか、夢にまで出てきました。

最後の最後で、ちょっとしたひねりもあり、本当に高校生が書いた小説か?と思える出来でした。賞の審査員達もみなそう思ったのでしょう。

その最後のひねりの箇所は必要だったかどうかは、読む人によって変わってくるかもしれません。私はひねくれですので、多くの人が「ひねり最高」派だと思うので、「なくてもよかったんじゃないの」派です。

ともかく、最近は本職の小説よりも、テレビのバラエティやコメンテーターで見かけることが多くなっていますが、読みたくなる長編の力作をお願いしたいばかりです。

★★☆


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孤舟 (集英社文庫) 渡辺淳一

2010年単行本刊、2013年に文庫版刊の定年後の男の悲哀と希望を描いた長編小説です。

医者として長く勤務されていたので、直木賞受賞作となった「光と影」など医療や病院に関係する小説や、「失楽園」など官能的な大人の恋愛小説で人気だった筆者に、このような定年後の男の惨めな姿をコミカルに描く小説があったとは知りませんでした。

著者は4年前に亡くなっていますが、この小説の団塊世代の主人公よりもずっと前の世代に生きた人で、この小説を書くにあたっては、様々な後輩達から定年後の話しを聞いて、それがこの小説のネタになっているものと思われます。

主人公は大手広告代理店で、執行役員まで上り詰めたものの、60歳になり大阪の子会社の社長へ転出を言い渡されますが、今さら転勤する気はなく、それを断り、会社を辞めてしまった団塊世代の男性です。

「男は仕事、女は家庭」という昭和時代の典型がモデルとなっていて、いかにもありそうな、そして定年後に起きそうなことが次々と予定調和的に起きます。

映画「家族はつらいよ」でも団塊世代の男性が主人公で、まったく似たような展開ですので、こうした団塊世代の男性は一種定型パターン化され、思い込みというかステレオタイプばかりでちょっとその点が気になります。

それにしても、この世代の平均図と言うとオーバーかもしれませんが、この主人公は二子多摩川(東京都世田谷区)にあるローンを終えた100平米もある豪華マンションに住み、60歳から企業年金がたっぷりともらえ、その他にも貯蓄した退職金もあって、仕事を辞めてから半分に減らされたものの、毎月5万円のお小遣いでは不満と言う主人公の設定は、これから60歳を迎えようとする人達にとってはなんとも羨ましい限りです。

さらにこの主人公、妻がプチ家出したことに乗じて、入会金5万円のデートクラブに入会し、1回デートするたびに2万円と、デートの費用を全部負担という、まったく贅沢三昧の生活です。

映画「家族はつらいよ」でも、団塊世代の主人公は横浜の住宅街にある大きな1戸建てに商社勤めの長男夫婦、孫達と住み、長男以外の子供達もそれぞれ結婚し、時々実家に帰ってくるという仲の良い家族がモデルとなっています。

それらが団塊世代の定年後の象徴だと言われると、そんなものかなとも、ちょっと違うんじゃないかとも思えてきますが、両者とも面白おかしく多少の波風は立ちますが、なんとも優雅な定年後です。

定年後、仕事を辞めた途端に毎日朝起きてから「なにやろうか」と悩むことが書かれてますが、よほど仕事一筋で趣味はなく、友達もいないという人でなければ、そうはならないかな。

それよりもお金がないので、なにもできず、どこにもいけず、家でジッと引きこもりって人がこれからは増えていきそう。

ただ、今まで、なんでも他人が代わりにやってくれていたことを、自分で(自分も)やらなければ進まないということはあり、そうしたことの中でも家事(料理や掃除、ペットの世話、近所付き合いなど)の習得だけでもしばらくは忙しく過ごせそうです。

★★☆


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天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫) 村山由佳

著者の多くの作品の中では初期の作品で、1994年刊、文庫が1996年刊の恋愛小説です。

その後に続編として10年後を描いた「天使の梯子」(2004年)、さらにその4年後を描いた「天使の柩」(2013年)、スピンオフの短編小説「ヘヴンリー・ブルー」(2006年)などがあります。

さらにこの作品を原作として映画が2006年に制作されています。監督は冨樫森、出演者は市原隼人、小西真奈美、沢尻エリカなど。

単純に言えば女性作家が描くベタベタのハードロマンス小説で、住野よる著の小説を原作とした映画が大ヒットした「君の膵臓をたべたい」と似た、悲恋に終わる恋愛小説の見本、テンプレートみたいな作品です。

主人公は高校卒業し美大を受けたけどダメで予備校通い中の男性と8歳年上の精神科医との恋ですが、まず出会いからして、電車の中がラッシュで窮屈だったのを助けてあげ、その後、主人公の父親が入院した精神病院で偶然にも父親の主治医となった彼女に再会します。しかもその彼女は、またまた偶然にも高校時代に付き合っていた女性の実姉というおまけ付き。あり得ないでしょう。

ま、一度は、こうした偶然がもたらしてくれた、燃えるような恋愛をしてみたい!と思うのは男女ともに共通することなのでしょうね。30年ぐらい前ならともかく、オッサンにはもう残念ながら共感を感じられません。

と言いつつこの著者の作品を読むのは3作品目で、直木賞受賞作「星々の舟」(2003年)、柴田錬三郎賞など3賞に輝いた「ダブル・ファンタジー」の2冊をいずれも2013年に読んでいます。

中毒性があるのか、忘れた頃にきっとまた別の作品を手に取ってしまうのでしょうねぇ、、、

★★☆


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完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 若林正恭

雑誌ダ・ヴィンチに2010年から連載していたコラムというかエッセイ「オードリー・若林の真社会人」を2013年に書籍化したもので、2015年にその後の追加をした完全版の文庫が出ました。

著者は漫才コンビオードリーの小柄なツッコミ担当のほうで、相方の春日俊彰がムキムキの身体を誇張するど派手で奇抜なイメージだけに、陰に隠れたような存在です。

個人的には著者や相方が出るようなバラエティテレビ番組はまったく見ないので、この本を読むまでは、オードリーという漫才コンビ名ぐらいは知っていても、その漫才師の名前までは知りませんでした。

内容は、大学を卒業し、相方とコンビを組んで始めた芸人生活も、なかなか売れない頃の話しを思いしろおかしく書いているのと、その後急に売れ出して、自慢話しではなく、この人気は一過性で、そのうち売れなくなる日がきっとくると、それに恐れながらも連日多くの仕事をこなしていく日々の話し。

人を笑わせてなんぼの世界にいる人が、なんてネガティブで後ろ向きな見方、考え方をする人なんだ!って思いましたが、世の中案外そういうものかもしれません。

ま、エッセイを読む限りは、著者は人気の芸人さんとは言え、ネガティブ思考も含め、取り立てて言うこともない、普通の方ですね。

特段、おぉ!と感心することもなく、自分の性格やら、考え、出来事の感想などが淡々と綴られているような感じで、日記ブログの延長と言うことなのでしょう。

この本を出すきっかけとなったのは、雑誌ダ・ヴィンチへの寄稿ですが、その前には長くブログを書いていて、それに対してネット上で「中二病」という批判というか評価が高まってしまい、やめてしまったということも書かれていました。

若くて壁にぶつかっている人が読むと共感を得られるかもしれませんが、60歳以上の年寄りが読むにはちょっと気恥ずかしい感じもします。

★★☆


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沈黙の町で (朝日文庫) 奥田英朗

この長編小説は朝日新聞朝刊に2011年から2012年にかけて連載されたもので、2013年に単行本として、そして2016年に文庫版として発刊されました。

著者の書く小説は、コミカル系、シリアス系などどれをとっても大好きで、文庫になったものはほとんど読んでいます。

直木賞にも輝いた「空中ブランコ」を含む「精神科医・伊良部シリーズ」はもちろん、映画やドラマになった「サウスバウンド」「オリンピックの身代金」などもどれも気に入っています。

普段はあまり好んで読まないエッセィ集も、著者が書いた「港町食堂」は、これは読まなくちゃと思って買ってきました。

5月後半の読書と感想、書評「港町食堂」2015/6/3(水)

この小説の内容はシリアス系で、しかも中学生のいじめ問題や、学校と親たちの葛藤を取り上げたかなり重い内容となっています。

地方都市の中学校で生徒が転落して亡くなっているのが発見されます。直前まで一緒にいたテニス部の同級生達との関係は?という点が焦点となっていきますが、生徒はもちろん、学校関係者、生徒の保護者たち、警察、検事、新聞記者などが入り乱れ、事件の真相が徐々にわかってくるという流れです。

新聞小説という長さが決まった小説の性なのかどうか不明ですけど、ちょっとあちこち余分と思えそうな話題に飛びがちで、それがちょっと気になるところです。

新聞連載小説の場合、毎回新聞紙上で読むと気にならなくても、こうした文庫で一気読みをすると、ちょっとまどろっこしく感じることがよくあります。

単行本で出すときには、多少は見直されているのでしょうけど、どうせなら、新聞で使われた挿絵でも入れた上で、思い切ってバッサリ余計な脂肪は削っちゃうというのも必要かも。

ビックリするようなミステリー仕立てではなく、モンスター保護者や、学校関係者の危機管理の無能ぶりとか、実際起きそうな事象が丁寧に書き込まれているという印象です。

★★☆


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流れ星が消えないうちに (新潮文庫) 橋本紡

2006年に単行本が、2008年に文庫版が発刊された長編小説で、2015年にはこの小説を原作として柴山健次監督、波瑠や入江甚儀、葉山奨之らの出演で映画が公開されています。

いわゆるユルフワな恋愛小説で、60過ぎたオッサンが読むにはちょっと気恥ずかしく、また感情移入も難しいものですが、現代の恋愛事情をユルく知るにはまぁいいかなと。

特に最近は、内容を知って本を買うことは少なく、誰かが推薦していたり、この小説のように「新潮文庫100冊」に入っていたりするものを適当に買っているから、自分に合ったものかどうかは関係なくよく読むようにしています。

主人公は二人いて、ひとりは父親が遠くへ転勤したためにひとりで実家暮らししている若い女性、もうひとりはその女性と同級生の若い男性。

女性には同級生だった彼氏がいましたが、海外をひとりで旅行中に事故で亡くなり、その後に同じく同級生だった別の男性と現在付き合っています。

日常のことが淡々と語られ、亡くなった恋人との思い出や、恋人が亡くなった状況に一抹の不安があったりして、悶々としています。

新しい彼氏は死んだ恋人とは同級生で親友の間柄。つまり傍から見ると、親友が亡くなったおかげで彼女と付き合うことができたというこれもまた悩ましい立ち位置です。

そうしたちょっと複雑な関係から、父親が突然母親と気まずくなって実家へ帰ってきたり、新しい彼氏と父親が妙に仲良くなったりと、様々なことが進んでいきます。

タイトルは、死んだ彼氏と付き合うきっかけとなった高校生時代の学園祭で、彼氏が作ったプラネタリウムで流れ星を流していたこと、そのプラネタリウムを彼女が実家で預かったままになっていて、それが今もちゃんと動いたことが爽やかな話しになっています。

★★☆

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 7月前半の読書 シャンタラム(上)(中)(下)、老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路、昨夜のカレー、明日のパン




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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) 皆川 博子

著者は1986年に「恋紅」で直木賞を受賞されている方で、私はこの著者の作品を読むのはこれが最初です。今回読んだ作品は2011年単行本、2013年に文庫化された長編ミステリー小説です。

タイトルがちょっと意味不明ですが、これは解剖医が遺体にメスを入れるときに、「お会いできて光栄です」という挨拶をもじって遺体に対して感謝の意味を込めてかける言葉です。

小説の舞台は18世紀のロンドンで、地方からロンドンへ出てきた若い詩人の男と、当時タブーに近かった人体解剖学の医者とその弟子達がメインの登場人物です。

読みながらこの作品は外国人作家が書いた小説の日本語翻訳本を読んでいる感じってずっと思っていたら、あとがきでわかりましたが、著者もそういうつもりで書いたと言うことで、なるほどお見事です。

割り当てられた罪人の死体だけでは間に合わず、墓荒らしから買い取った新鮮な死体を解剖し、死因や身体の内部の詳細な図を作成し、人体の謎を解明を進めている作業場から、顔をつぶされた死体と、両手両足を切り取られた死体が見つかり、どういう経緯でこれらの死体が置かれたのかを盲目の判事が究明していくことになります。

そこは日本人作家らしく、かなり細やかな設定があったり、人の微妙な機微に触れるような場面があったりと、なかなか凝った作りとなっています。それだけにやや煩雑なところもあり、面倒くさい思いもします。

しかし、こうした日本人は一切出てこない、翻訳本のような日本人作家の小説というのも、おそらく初めてに近いかも知れないので、十分に楽しむことができました。

★★★


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〈新版〉ユダヤ5000年の教え (小学館新書 と 6-1) マービン トケイヤー

1975年に発刊された単行本をベースに2016年に新版新書として発刊されてます。著者はアメリカ在住の宗教指導者(ラビ)で、日本に長く住んでいたこともあり知日派としても知られています。

ユダヤ教やユダヤ人というのは日本や日本人にとってはあまり馴染みがないせいか、誤解されていることも多く、私も今回この本を読んでいくつか知ったことがあります。

ユダヤ教の経典「タナハ」を元にして書かれたのがキリスト教の「旧約聖書」で、そうした経典の他、「タルムード」と呼ばれる伝説をまとめた文学などにもその教えと精神が込められています。

そうした経典やタルムードに書かれた中から現代でも通用する核となる教えを抜き出したのがこの新書です。

朝礼などで挨拶が必要な人が、ちょっとした短い言葉とその意味を自慢げに語るのには、ほど良いアンチョコかも知れません。

ユダヤの教えと言うと、私は中学生の頃に読んだ日本マクドナルド創業者 藤田 田氏の「ユダヤの商法―世界経済を動かす」がすぐに思い浮かびます。ユダヤ人って凄いや!って思いました。

それはともかく、せっかくなので、いくつか印象に残った言葉を書いておくと、

・胃の三分の一は食べ物で埋め、もう三分の一を飲み物で埋め、三分の一を空にしておきなさい
 →何事も中庸というかほどほどがいいよという教え

・本は知識を与え、人生は知恵を与える
 →流浪の民でもあるユダヤ人にとって聖書を読むことで知識をつけていった

・当人の前でほめすぎてはならない。人をほめるときは、陰でほめよ

・失敗を極度に恐れることは、失敗するよりも悪い

・健康ほど大きな宝はない、睡眠ほど良い医者はいない

日本において40年以上読み続けられてきた本でもあり、そうしたロングセラーになるだけの魅力があるということなのでしょう。

★★☆


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深夜特急〈第一便〉黄金宮殿 沢木耕太郎

1986年に発刊され、1994年に文庫化されたバックパッカー旅行による紀行&冒険ノンフィクション作品です。

今回読んだ単行本は、文庫版の「深夜特急〈1〉香港・マカオ」と「深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール」を合わせたものとなっています。

その後の続編としては、単行本では「深夜特急〈第二便〉ペルシャの風」、「深夜特急〈第三便〉飛光よ、飛光よ」と続きます。

文庫本では、単行本1冊をそれぞれ2冊に分けて「深夜特急〈3〉インド・ネパール」、「深夜特急〈4〉シルクロード」、「深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海」、「深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン」、そして番外編?の「旅する力―深夜特急ノート」があります。

この作品が世に出る前の1984年には、私も仕事がらみで香港へ行き、著者が宿泊していたという黄金宮殿迎賓館のある尖沙咀(Tsim shatsui)の重慶大厦のすぐ近くにアパートを借り、3ヶ月間住んでいました。なので街の雰囲気などはよくわかります。

香港は1997年に、マカオは1999年に、99年間の租借地だった英国やポルトガルから中国に返還されましたので、その前と後では街の雰囲気が大きく変わってきています。

著者が香港へ降り立ったのが26歳の時と言うことですから、本書で書かれる香港は1973年頃の話しで、私はその約10年後に著者と同じ?中国に返還される前の香港やマカオの混沌とした街を歩いていたと言うことになります。

そして私も著者が香港を訪れた時と同じ26歳だったこともあり、香港に抱く感情が著者と近いかなと感じられました。

本書で書かれているのは当然返還前のそして観光客が訪れるような場所ばかりではなく、ディープな香港の熱気が描かれています。

私も仕事とは言いながら、当時まだ独身の気軽さもあって、休日や仕事が終わってからは、いつも地元人に間違えらるラフな格好で街中をブラブラと放浪していたので、その奥深い探究心には共通のものがあり、その頃を思い出しつつ、懐かしく読むことができました。

特に用事がなくてもスターフェリーに乗って、わずか数分の船上の旅をひとりで楽しんでいたなんて、まったく同じことをしていて涙が出てきそうです。

元々著者は、仕事に行き詰まりを感じ、友人と「インドのデリーから英国のロンドンまで路線バスに乗って行けるか」という賭けをして日本を出発したのですが、格安で買ったインド航空のチケットが、途中2カ所まで立ち寄りが可能ということになっていたので、それじゃあということで香港とバンコクに立ち寄ることにしたというもの。

その香港ですっかり魅了され、その後、タイやマレーシア、シンガポールとアジアを旅するも、香港の呪縛から離れられずにいるところが面白いところです。

★★★


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ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術 やましたひでこ

wikipediaによると、断捨離とは「不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想」で「ヨーガの行法である断行(だんぎょう:入ってくるいらない物を断つ)・捨行(しゃぎょう:家にずっとあるいらない物を捨てる)・離行(りぎょう:物への執着から離れる)を応用」すること。

2007年頃から著者がブログやセミナーを通じて世に広めていった言葉や思想で、2010年の流行語になりました。

その断捨離という言葉を最初に使った(登録商標もされています)著者は、その後は引っ張りだこの人気コンサルタントとなり、様々な関連本を執筆されています。この作品もそのひとつで、2010年に発刊されています。

最近は、高齢者が終活に合わせて、身辺整理をする断捨離とか、極力モノを持たないミニマリストになるための断捨離とかありそうですが、権者の了解なく勝手にこの言葉を使うと、商標違反に問われそうなので注意が必要です。

ちょっとそういう利権話しが絡んでくると、個人的には抵抗があり、気持ち的には引いてしまいそうになりますが、私も60歳となり、子供も大きくなり(まだ巣立ってくれませんが)、そろそろ周辺の片付けをしないとなぁと思って参考に読んでみました。

本書はとりとめなく、ブログに日記風に書いたことのまとめ直しで、どこから読んでも断捨離のエッセンスがなんとなくわかるというもの。

繰り返して書かれているのは、単にモノを捨てるのではなく、入れ替えるのだということ。呼吸や体内の消化系、川の流れと同じで、入りがあるなら同時に出るが必要と言うこと。流れず滞留してしまうとそこから腐ってしまったり悪臭を放つと。

そして断捨離は具体的な整理や破棄の実践ではなく、どういう精神構造になるべきか、気持ちを持って行くかという精神論的な話しがメインとなります。

そのノウハウや考え方については、著者の言い分を繰り返し丁寧に読んで、著者の開催するセミナーに出掛けたくなる断捨離信者となると、人生も変わるのかも知れません。

なかなか私には難しそうですけど、まずは無理しない範囲で、少しずつトライしてみようかなと思えてきます。そんなのじゃ、意味ないって!って声が聞こえてきそうですが、、、

【過去の関連記事】
捨てる技術と捨てられない性格の狭間で 2018/8/19(日)

★★☆


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傷痕 桜庭一樹

2008年に親子愛というか近親相姦で物議を醸した?「私の男」(2007年)で直木賞を受賞した著者の、2012年に発刊の長編小説です。

「私の男」10月前半の読書と感想、書評 2013/10/16(水)

この作品は、基本的にアメリカで活躍したマイケル・ジャクソンとその家族を、日本と日本人に置き換えて、King of Popsと呼ばれるようになった偉大で変人の歌手と、突然現れたその娘の話しです。

子供の頃から、歌手と、エンタテナーして育て上げられ、普通の子供時代をおくれなかった主人公は、やがて兄弟とともに活動するのをやめ、様々な奇怪な行動をしながらも単独で世界のエンタテナーとして人気を集めていきます。

そして銀座にあった廃校になった小学校を買い取り、自分の楽園として様々な動物や遊戯施設などを設置し、子供達だけを招待するという行動に出ます。言うまでもなくネバーランドですね。

その楽園に突然現れた主人公の子供で、名前はタイトルにもなっている「傷痕」へと興味が移っていきます。

マイケル/ジャクソンについてあまり詳しくないため、どこまで似せているのか、また似せる必要があるのかどうか不明ですが、あまりにも話しが突飛すぎて、さらに主人公の死後についても、なにか明確なストーリー展開があるわけでもなく、結果的によくわからない小説のまま終わってしまいました。

なにか最初は意気揚々、乗りに乗って書き始めたけど、途中から、自分でもよくわからなくなって、適当に収めたというような感じで残念。

読む人が読めば、最初から最後まで一貫して偉大なエンタテナーとその家族、周辺の人達を余すところなく描き出して素晴らしい!という評価にもなるのかも知れませんが、私にはわかりませんでした。

★☆☆


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季節の記憶 (中公文庫) 保坂和志

1996年発刊、1999年に文庫化された長編小説です。著者は私とほぼ同年代で、そういう方の小説を読むと、内容に自分が今まで実際に見聞きしてきたことが多くなり興味というか関心は高くなります。

例えば文中に出てくる、1960年代に流行った漫画、「伊賀の影丸」は、この世代以上でないと、タイトルから想像する以外、どういった漫画かもわからないでしょう。

著者のメジャーな受賞歴は、1995年に「この人の閾」で芥川龍之介賞、この「季節の記憶」では谷崎潤一郎賞、2013年には「未明の闘争」では野間文芸賞受賞などがあります。

とにかくセンテンスが長いのがこの著者の特徴というか癖なのでしょう、文庫で10行ぐらいをひとつのセンテンスにくくることぐらいは当たり前という文章です。

したがって、ちょっと読みづらい感じもしますが、慣れてしまうと、一気に塊として読み進められそれもありかなと。

私も以前はビジネス文書においてセンテンスが長い文をよく書いていて、読みにくいと指摘されたことがあり、意識して箇条書きなど、文章を短くするようにしてきました。

小説とビジネス文書は形式も文体もまったく違うものですが、自分の備忘録や日記とは違い、人が読むという点は共通するところがあり、やはり読みやすく書くというのがベースにあるのではないでしょうか。

それはさておき、小説は鎌倉に住むシングルファーザーの男性が主人公で、お隣の独身兄妹や、離婚して実家に帰ってきた妹の同級生などが、平凡な日々をそれでも毎日しっかりと生きていくという市井の人達の生活が描かれています。

鎌倉や湘南を舞台にした小説やドラマは古くから数多くあります。

本来なら鎌倉って言えば伝統や古くさくてい年寄りっぽい雰囲気がある場所ですが、著者を含め私たち世代には若いときにテレビで見た「俺たちの旅」(1975年~1976年)の印象が強烈に残っていて、この小説でもそうした若々しく新しいモノ好きなイメージを多少は引きずっているような気がします。

★★☆


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夜が明けたら (ハルキ文庫) 小松左京

元々は44年前の1974年に発刊され、その数年後に文庫化もされましたが、その後しばらく経った1999年に別の出版社からあらためて文庫で出版された短編小説集です。

収録作品は、「夜が明けたら」、「空飛ぶ窓」、「海の森」、「ツウ・ペア」、「真夜中の視聴者」、「葎生の宿」、「秘密」、「保護鳥」、「安置所の碁打ち」、「兇暴な口」、「沼」、「猫の首」、「腐蝕」、「青ひげと鬼」、「牛の首」、「黄色い泉」、「怨霊の国」の17篇。

また巻末にはシリーズ化された短編集を総括した著者へのインタビューが収録されています。インタビュアーはミステリ、SF研究家の日下三蔵氏で、これもまた作品の裏側や苦心の跡が垣間見られてよかったです。

著者お得意のSF、オカルト、ホラー、ミステリーといろんなパターンがあってとても楽しめます。

タイトルになっている「夜が明けたら」は、ある日の夜に大きな地震が起きて、大規模な停電になります。懐中電灯や携帯ラジオを点けようとするも、なぜか乾電池が全部ダメになっていて点きません。

隣人のひとりが電力会社の社員で、停電があまりに長く続くので緊急事態と判断し、会社へ行きたいのでクルマを貸してくれと家にやってきます。しかしクルマのエンジンをかけようとするも電装品がダメになっていて動きません。

そこで走っているクルマを停めて乗せてもらおうと外へ出ますがまったく来ず、季節は冬で寒いので焚き火に当たっていたら、近くの天文台から来たという人達がやってきて「地球の自転が停まったようだ」と告げられます。つまり夜明けはいつまで経っても来ない、、、

短編でなければ、その後のドタバタの話しが続くところですが、それは残念ながら想像するしかないです。

あと、怖いホラーやミステリーでは、「誰かに見られているような気がする」「何者かがいる気配がする」というセンテンスが常道なんだなということがよくわかります。そういう作品には必ずそうした場面が出てきますので。頻繁すぎて、ちょっと使いすぎって気もします。

元々がSF作家として有名な著者ですから、突拍子もない話しが多いのですが、夜にひとりで読んでいると「自分の後ろに誰かがいる気配がして背筋が冷え」、「窓から誰かがジッとのぞきこんでいるような不安」に陥ることは間違いありません。

★★☆


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お墓の大問題(小学館新書) 吉川美津子

2016年発刊の新書で、著者は自称、葬儀・お墓・終活ソーシャルワーカー。高齢化社会になって一躍注目されそうな職業です。

すでにお墓をめぐる様々なトラブルや将来の不安などが取り沙汰されていますが、それらを整理して、お墓の買い方から、先祖や親戚、自分のお墓についての考え方、お墓に関する法律などわかりやすく書かれています。

それにしても自宅の近くにある、かなり大きなK市営霊園の定期募集では競争率500倍にもなるらしく驚きです。市営だけに管理料は安いし、地元で便利だし、倒産することもなく、墓石の業者は自由に選べるし、お寺の檀家になる必要もなく人気が高いのがわかります。

この新書を積極的に読むのは、ほとんどが60代以上の中高年者ということになるでしょうけど、高齢の親の面倒を見ている40代、50代の子供もまた、お墓とは無縁でいられないでしょう。

最近流行の共同墓地や、マンション形式の納骨堂まで、様々に選択の幅が拡がってきましたが、なかなか親と子供でお墓についてどうして欲しいか話すことはないので、死後、親戚や寺社とトラブルが起きることもあるそうです。

よく遺産で兄弟や親戚などともめる話しは聞きますが、お墓についてももめることがありそうです。

例えば誰がそのお墓の管理者となるのか?血縁関係ではどこまでそのお墓に入れるのか?地方にあるお墓の墓じまいをどうするのか?親戚に散骨や共同墓地の理解を得られるか?墓地や墓石の種類と費用などなど。

遺産と同様に、墓地や管理者についても予め遺書などで定めておくことを推奨されていますが、後に託されても費用面や管理面、寺社との檀家としての付き合いがなかなか大変で、時代の変化とともに伝統を引き継いでいくというのが難しい世の中になってきたことがわかってきます。

★★☆


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嫉妬をとめられない人 (小学館新書) 片田珠美

久米宏氏のテレビ番組にゲストとして登場されていた時に「精神医学界の沢尻エリカ様」と紹介されたユニークな著者の2015年刊の新書です。

著者の本は、その時TV番組で紹介されていた「他人を攻撃せずにはいられない人」を2016年に読みました。

「他人を攻撃せずにはいられない人」6月前半の読書と感想、書評 2016/6/15(水)

羨望と嫉妬とは似てはいるもののそれが引き起こす問題には大きな違いがあります。事件や大きなトラブルに発展することが多いのは嫉妬で、これはあえて説明をするまでもないでしょう。

ちまたでは出世、所得、恋愛、貧富、家柄、学閥、家庭などなんでも嫉妬の対象となり、それが度を超えると嫉妬の対象者を悪意を持って引きずり下ろそうと画策したり、迷惑をかけるトラブルが発生しています。

そうした嫉妬が起きる原因、嫉妬の対象となりやすい関係、嫉妬されたされそうな時の対処法、そして自分が他人に嫉妬しているときの対処法などが事例と精神科医の冷静な目線で解説が書かれています。

ちょっと不足しているなと思えるのが、男女で嫉妬の種類や解決策が違っているように思えるのですが、それらにはまったく触れられていないことです。

あと、特に最近はFacebookなどSNSが流行ることにより、そうした他人への嫉妬が加速しているそうな。

というのも、そうしたSNSに書き込むのは、自慢話で自分の良い側面ばかりなのが多いのですが、友人(他人)からすると「どうしてあいつばかり良い思いしているのか?」「いつも高そうで良いものばかり食っている」「遊んでばかりいていつ仕事しているんだ?」「いつも周囲に友人に囲まれていて羨ましい」などと勘違いしてしまうケースがあるのだと。

確かにそう思えてしまう友人っています。別に嫉妬してませんが、、、してませんって、、、いえ、少ししてます、、、

いずれにしてもSNSは、人の自慢話ばかりが書かれている場所だって理解した上で「イイネ」するのが良いと思います。

実際には、水面を高貴に泳いでいる白鳥の足が水面下では必死にかいているのと同様、みんな良いことはSNSに書き、書けないことは水面下でもがき苦しみ、ゼイゼイと言いながら生きているんだと思うようにするのが一番です。

★☆☆

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1266
満願 (新潮文庫) 米澤穂信

2014年に単行本、2017年に文庫化されたベストセラー短編小説集です。

短編のそれぞれのタイトルは、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」で、6編が独自のストーリーとして構成されています。

その中の3編、「夜警」「万灯」「満願」は、この8月にNHKでドラマ化され放映されていました。

そのドラマはすべて見ましたが、その中の「万灯」は、映画でも主役を張れる俳優の西島秀俊が本格的な海外ロケをおこない、制作費が少なくて安いギャラのお笑い芸人を使ったバラエティぐらいしか作れない民放では製作不可能な1時間ドラマです。

6編のうち、ふたつを簡単に紹介しておきます。

まずテレビドラマ化もされた「万灯」。バングラデシュで天然ガス開発のために赴任した商社マンが主人公で、その開発の拠点とするためにある村に目を付けて、交渉を始めます。

ところが、英国に留学した経験があるこの村の若いリーダーが、この国の資源は自国の発展のために使うからと交渉が進みません。

そうこうしていると、村の若いリーダーと対立している別のリーダー達から、開発で村が裕福になるなら、拠点として村を使っても良いと話しが来ます。

ただしそれには条件がつき、それが資源開発に反対する若いリーダーを殺してくれというもので、背には腹を変えられず、それに従うことになりますが、、、

ただ、普通の商社マンが、仕事のためなら簡単に人を殺してしまうと言う設定は、会社のためなら命がけで競争に明け暮れた高度成長期の頃の商社マンならともかく、現代の風潮から言ってちょっとどうなのかなと。

もうひとつは、「関守」という短編で、これは他の作品と少し違う、ブラックミステリー。

伊豆の峠道でクルマの転落事故が相次いで起きた場所があると聞き、それをネタにした怪奇現象記事を書こうと考えたフリーライターが、その峠近くに古くからあるドライブインへ行き、店を守る老婆から過去に起きた事故や、立ち寄った人のことを聞き出します。

事故に遭った人はそれぞれ年齢や職業など様々ですが、事故を起こす前にみなこのドライブインに立ち寄っていることを知ります。

そして詳しく話しを聞いていくうちに、なぜそれらの人達が崖から転落して亡くなってしまったのか、それを聞いたライターは、、、

と、かなりスリル満点で、どの作品も面白かったです。

★★★


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ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) 東野圭吾

2012年刊、2014年に文庫版が発刊された、第1章から第5章までつながる中編の連作小説で、2017年には日本と中国でそれぞれ映画化されています。

日本版映画の監督は廣木隆一、出演者は山田涼介、西田敏行、尾野真千子などで公開済み。

一方の中国版は今年2018年10月に日本で公開されます(香港・中国・日本合作)。中国版では日本版の西田敏行と同じ役にジェッキー・チェンが従来のイメージとは違う老け役で登場しているそうです。

東京近郊の住宅地で、以前は活気があったものの、最近は人口流出が続き、商店街もシャッターが降りているようなイメージのある高台にある古びた雑貨店が舞台です。

話しに出てくる年代が、ビートルズが解散した1970年、政治的理由でボイコットしたモスクワオリンピックの1980年前後、そしてこの小説が書かれた現代(2010年頃?)と、行ったり来たりして、今読んでいるのはいつの年代?って迷ってしまうことがあります。

現代の人が書いた文章を1970年代の人が読むと、「携帯で」とか「ネットで」と書いてあっても、まったく意味が通じないということにあらためてそうだったなぁと思いました。

ネタバレが少し入りますが、つまり、1970年代から80年代に雑貨店を営んでいた経営者が、子供からの質問に対し、一つ一つ丁寧に返事を返していたことが拡がっていき、やがて人生相談など深刻な話しが持ち込まれるようになります。

それにも一生懸命返事を書いてきたことが、その後の人生に役立ったのかどうか知りたくて、自分が死んだあとの30年後に相談者にアドバイスが役立ったかどうかを書いてもらい、再び雑貨店のポストに投函して欲しいと息子に遺言で頼みます。

すると不思議なことに、その30年後に届くお礼の手紙が、その経営者が死ぬ直前に、時空を超えて届くという奇跡が起きます。

その時代感が上記に書いたようにちょっと複雑ですが、面白く楽しく読むことが出来ました。さすがベストセラー作家の作品だけあります。

★★★


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花まんま (文春文庫) 朱川湊人

ちょっと不思議な短編ミステリー、「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」「花まんま」「送りん婆」「凍蝶」の六編が収められた小説で、2005年に発刊、2008年に文庫化されています。そして2005年にはこの作品で直木賞を受賞されています。

著者は1963年(昭和38年)生まれですから、私とは6年違いで、同世代と言うにはちょっとアレですけど、小説を読んでいると、同世代の人?と思えるような表現や事象がよく登場して、懐かしい思いに浸ることができました。

それは著者の幼少期(9歳まで)は大阪の下町?で暮らしていたということで、昭和30~40年代の頃の大阪の下町が色濃く描かれています。なぜかわかりませんが、織田作之助賞を受賞されていないことが不思議なぐらいです。

どの短編も魅力的で、しかも読みやすく、後味も悪くない作品に仕上がっていて、直木賞もなるほどと納得がいく出来映えです。

関西人なら誰でもわかる共感性も感じられ、「在日朝鮮人」「差別部落」「飛田新地」など、そこで生活している人にとっての日常と同居している濃い話題がサラリと入ってくるところなど、心地よいぐらいです。

6編のうち、特に好きなのは、小さな女の子が主人公で、飼うと幸せになれると言われ、怪しげな露店で買った謎の生き物の話し「妖精生物」と、部落差別で友人が出来ない少年に、故郷の弟を思い出すと公園墓地で話しかけてきた下手な関西弁を使う若い女性との短い出会いと別れを描いた「凍蝶」かな。

いずれも悲しいお話ですが、後を引かない悲しさで、大げさに言うと、逆に生きる活力が得られそうな話しです。

★★★


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雑学の威力 (小学館新書) やくみつる

漫画家というか最近はテレビのコメンテーターや相撲のゲストなどで有名な著者の2016年発刊の新書です。

中身はタイトルそのままということで、特に説明する必要はなさそうですが、私はほとんど見ていませんが、クイズ番組などでの博識ぶりは子供の頃からの一風変わった趣味と好奇心、そして人から「物知りですね~」と言われたい一心から様々な努力をして雑学力を高めていった話しが書かれています。

そう言えばクイズダービーでブレークした同じく漫画家の黒鉄ヒロシ氏や故はらたいら氏もたいへんに博識な方です(でした)。

それらの方に共通している時事漫画を描く上では、様々な方面に感度の良いアンテナを張り巡らしていることが大事で、それが結果的に時事問題以外の雑学全般にも連鎖的に詳しくなっていくのでしょう。

それにあまり良い意味では使われない「衒学的(げんがくてき:学があることをひけらかす)」なことを自ら求めていると公言していると書かれていて、テレビの場でもそうした自信たっぷりと言うか、自慢気な雰囲気があることにこの新書を読んで納得です。

個人的には、どちらかと言うと自分が体育会系に近いので、理屈や知識でやりこめる、こういうタイプの人は苦手なのですが、テレビや新聞等で見かける分にはユニークな素養と趣味の持ち主としてリスペクトしておきたいと思います。野球や相撲を題材にした1コマ漫画も面白いものが多いですし。

自分が新入社員の頃には、NHKの元アナウンサー鈴木健二氏が司会を務める「クイズ面白ゼミナール」の前にいつも言っていた「知るは楽しみなりと申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます」を実践しようと、駅のホームで電車を待っている間にも、広告の看板を読み、流行を知ったり、景気の良さそうな業界を感じ取ったりと意識して知識を吸収するように心掛けていました。

そういうことの積み重ねが、その後の人生において、いろいろと身を助けてくれたこともあり、そうした雑学の威力は十分に同意するところです。

あとがきに、先々月寄って見学してきたばかりの、知る人ぞ知る鶴岡市の加茂水族館の話しがちょっと出ていてビックリ。

なんでも雑食性のウマヅラハギが集団で好物のエチゼンクラゲを襲って食い散らかす鬼畜なショーをクラゲで有名な加茂水族館でやれば盛り上がるのでは?というようなお話でした。

新書にはよくありがちなことですが、著者のちょっと自慢げな表現や事例が鼻につくところが減点1の★2です。

★★☆


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私たちの国に起きたこと (小学館新書) 海老名香葉子

初代林家三平の妻、長女・海老名美どり、次女・泰葉、長男・泰孝(九代目林家正蔵)、次男・泰助(二代目林家三平)の母として有名な著者で、落語一家の家族を書いた著述も多くあります。

この作品は、著者が11歳の時に起きた東京大空襲で、両親や兄弟を亡くすという壮絶な体験をしたのちに、貧しい戦後を親戚をたらい回しにされながらも生き抜き、縁があってまだ無名の落語家(初代林家三平)と結婚して現在までの話しが書かれている2015年発刊の新書です。

東京の下町で伝統ある釣り竿を製造販売していた家に生まれますが、ひとりで疎開をしていた3月10日に東京大空襲があり、兄の三男だけは生き延びて再会しますが、あとの親兄弟6人は行方不明となってしまいます。

自宅も焼けて跡かたなくなり、終戦後は戦災孤児として親戚の家を転々としますが、どこも自分の家族を養うことで手一杯で、歓迎されません。

そんなとき、亡くなった父親と釣りを通じて懇意にしていた顧客の3代目三遊亭金馬師匠を訪ねたところ、初めて歓迎してくれ、その後その家の子供のように育てられます。

そして落語家の林家三平との結婚、その後有名になっていく落語家の妻として、夫の闘病と死と、事実上、本人の自伝となっています。

その中でも特に戦災で家や家族を失った子供達の悲惨な状況を余すところなく書かれていて、それがこの新書の主題となっているようです。

★★☆


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