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1742
オロチの郷、奥出雲 古事記異聞(講談社文庫) 高田崇史

以前から行きたいと思っていた出雲について調べようと思い、今回の作品のシリーズ1作目の出雲が舞台の小説「鬼棲む国、出雲 古事記異聞」を読んで一気にファンになりました。

2022年12月後半の読書と感想、書評(鬼棲む国、出雲 古事記異聞)

おかげさまで、出雲4大神はじめ、多くの寺社、博物館など密度濃くまわることができました。あらためて御礼を。

さて、その前作に続き、主人公の大学院生の女性が、出雲を回った後、まだ解けない謎と見落としがあると思ってもう1泊増やして奥出雲へ行くことになります。

私も奥出雲へはこの小説を読む前に行ってきましたが、主人公が宿泊する亀嵩や、「奥出雲たたらと刀剣館」でたたら製鉄の地下施設「実物大断面模型」を見てきました。

小説では、「主人公が行く先に殺人事件あり」で、今回は遺体の発見者ではないものの、宿泊した民宿の主人が発見者で、その関係もあって前作で捜査に協力した島根県警の刑事とも再会します。

今回は奥出雲で残る八岐大蛇(やまたのおろち)伝説について、その謎解きと奥出雲のたたら製鉄との関係を結びつけていきます。

そして前作から引っ張ってきた「櫛(くし)」の謎について、今回の作品で主人公なりの解釈を披露します。

小説のストーリーとしてはやや心許ない感じですが、出雲や奥出雲の歴史や神話の世界の現代での解釈や推理などは、ふむふむと面白いものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

素晴らしき世界(上)(下)(講談社文庫) マイクル・コナリー

ハリー・ボッシュシリーズの21作目で、原題は「Dark Sacred Night」で、2018年にアメリカで出版され、日本語翻訳版は2020年に出版されています。

原題を直訳すると同じハリー・ボッシュシリーズの9作目のタイトルにつけられた「暗く聖なる夜」になるとのでそれは使えず、この原題タイトルはルイ・アームストロングの「What a A Wonderful World」の歌詞の中からとられていることから、曲のタイトルの直訳を日本語翻訳版のタイトルに使ったと訳者あとがきにありました。

また本文中でも、捨てられた殺人事件の遺体捜索のために、汚臭おびただしいゴミの集積場で数日前のゴミを調べていた捜査員が皮肉を込めて「なんて素敵な世界だ」と会話しています。

今回の特徴は、以前読んだ同じ著者の作品「レイトショー」で主人公だったハワイ生まれの女性刑事とボッシュの二人が勤務先の違いを超えてペアとなり古い未解決事件を解決していくという流れになっています。

2020年5月前半の読書と感想、書評(レイトショー)

前作「汚名」でボッシュが麻薬組織に潜入捜査をした時に助けられた薬物中毒の女性から、その娘の未解決殺害事件について聞かされ、その女性を救うとともに、娘の未解決事件について調べると約束をしていました。

その事件はロサンゼルスで起こり、ボッシュはロス市警に寄ったときに部外者であるに関わらず無断でキャビネットの中の古い資料を探しているときに、もう一人の主人公である女性刑事に見つかってしまい、女性刑事から理由を求められ、それに興味を持ち協力することを伝えられます。

それぞれに事件を抱える忙しい身でありながらも、9年前の未解決事件を探っていくという気の遠くなる調査です。

今回は、ボッシュ自身が勤務する地元の犯罪組織に拉致され閉じ込められるという危機一髪のシーンなどもあり、ヒヤヒヤし、また高齢から来る膝の痛みに耐え、針治療を受けるなど年齢を感じさせるものがありました。

著者と主人公がほぼ同年齢で進んできた本シリーズですから、そうした身体の衰えなどは自身が経験してきたことかも知れません。そうなんです、心身とも健康な若い人には、高齢になってやって来る様々な身体の衰えは実感がないからわからないし書けないものです。私自身、著者とほぼ同年齢なのでよくわかります。

★★★

著者別読書感想(マイクル・コナリー)
ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話(光文社文庫) 鯨統一郎

2007年に単行本、2010年に文庫化された、著者が得意とする昔話をテーマにした謎解きの短篇作品集で、9年前に読んだ桜川東子シリーズ「九つの殺人メルヘン」の続編です。

2012年2月前半の読書(九つの殺人メルヘン)

著者の小説としては2021年に「邪馬台国殺人紀行 歴女学者探偵の事件簿」を読んで以来なので2年ぶりです。

今回の昔話は誰もがよく知っている日本の童話を元にして、探偵に依頼された事件の謎を解決していくというワンパターンの短篇集となっています。

バーに集まる還暦オヤジ3人衆が、昭和時代の話しをした流れで、不思議な事件について話しをすると、その謎解きをひとりで日本酒を飲んでいる美人大学院生の桜川東子が推理していきます。

その童話とは「浦島太郎の真相」「桃太郎の真相」「カチカチ山の真相」「さるかに合戦の真相」「一寸法師の真相」「舌切り雀の真相」「こぶとり爺さんの真相」「花咲爺の真相」の8篇です。

童話はいずれも子供の頃に絵本で読んだり、読み聞かせしてもらったりした懐かしい記憶が思い浮び、まだ純真な心だった時代に戻って気分がとても良くなってきます。それだけでもこの小説を読む意味があります。

★★☆

著者別読書感想(鯨統一郎)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

飛族(文春文庫) 村田喜代子

2019年に単行本、2022年に文庫化された小説で、時代を代表とする作品に贈られる谷崎潤一郎賞を受賞しています。

著者の作品を読むのは今回が初めてですが、1987年に芥川賞を受賞した「鍋の中」は、黒澤明監督の映画「八月の狂詩曲」(1991年)の原作になった小説で、著者は作品がお気に召さなかったようですが、その原作も読んでみたくなりました。

タイトルしか見ずに買いましたが、「なにかファンタジーもの?」ぐらいに思っていましたが、全然違って日本の西の果て、国境に近い離島に住む老婆が二人と、高齢の親が心配になって里帰りしてきた娘、と言っても60歳を過ぎている女性の3人が繰り広げる過疎化が進むリアリティのある物語です。

島で生まれ、高校に通うため本土(九州)に出てから、滅多に島には帰らなくなった娘が、90歳を超えてなおひとりで暮らしている離島に帰ってきて、親を引き取ろうと説得しますが、頑として受け入れてくれません。

島では3人の老婆が残っていましたが、そのうちのひとりが亡くなり、92歳と88歳の二人だけになり、それでもほぼ自給自足の生活を淡々と過ごしています。島の住人は、男は漁師、女は海女というのが普通で、残った二人の老婆も元海女でした。

そういう離島の話しは都会で生活しているとまったく見聞きすることはありませんが、昔は唐に渡るために遣唐使の船が最後の補給に寄ったとか、最近は中国の不法漁船や、アジアの難民船などがやってきたりする話しや、キリシタンが隠れ住んでいた五島列島に近い離島と思えるので、昔から伝わる歌の中には「ゼウス(神)」や「サルース(救済)」があったりして知的好奇心が満たされます。

またタイトルにもなっていますが、島に寄る海鳥たちも、カツオドリ、ハチクマ、シギ、ミサゴ、アジサシなど様々な種類があって、山育ちのあと都会暮らしのため海鳥というとウミネコかカモメぐらいしか知らない身にとって勉強になります。

★★☆

【関連リンク】
 8月後半の読書 妊娠カレンダー、告白、朝日新聞の黙示録、光と影
 8月前半の読書 彼岸先生、劣化するオッサン社会の処方箋、老いた男、暗闇・キッス・それだけで
 7月後半の読書 汚名(上)(下)、望み、ノヴァーリスの引用、遍路みち

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1741
先日、渡辺淳一著の直木賞受賞作品「光と影」を読みましたが、掲題の小説の他にもいくつか短編小説が収録されていて、どれもが医者としての見識や経験がないと書けないディテールに感心しました。

医者と創作活動を兼業している二足のわらじの作家さんは多いですが、その中では帚木蓬生氏や海堂尊氏、夏川草介氏などの作品が好きでよく読みます。

そこで調べられる範囲で、作家と医者の兼業として著名な人のリストを作ってみました。一応基準は、資格を持っているだけでなく、医療従事者として勤務経験があり、専門書以外の著作物がある方々です。

作家名 生年 専門医療 代表作
コナン・ドイル 1859年 開業医 シャーロック・ホームズシリーズ
チェーホフ 1860年 開業医 桜の園、三人姉妹
サマセット・モーム 1874年 軍医 月と六ペンス
ハンス・カロッサ 1878年 軍医 ドクトル・ビュルガーの最後
アルフレート・デーブリーン 1878年 精神科医 ベルリン・アレクサンダー広場
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ 1883年 小児科医 代表的アメリカ人
ルイ=フェルディナン・セリーヌ 1894年 開業医 夜の果てへの旅
ミゲル・トルガ 1907年 耳鼻科医 方舟
森鴎外 1862年 陸軍軍医 舞姫、阿部一族
伊良子清白 1877年 勤務医 孔雀船
斎藤茂吉 1882年 精神科医 歌集
木下杢太郎 1885年 皮膚科 南蛮寺門前、食後の唄
藤枝静男 1907年 眼科医 田紳有楽、悲しいだけ
宮林太郎 1912年 不明 サクラン坊とイチゴ
加藤周一 1919年 内科学、血液学 羊の歌―わが回想
小谷剛 1924年 産婦人科医 確証
北杜夫 1927年 精神科医 夜と霧の隅で
加賀乙彦 1929年 精神科医 帰らざる夏、宣告
なだいなだ 1929年 精神科医 娘の学校
渡辺淳一 1933年 整形外科医 光と影、遠き落日
高山路爛 1943年 地域医療医 孤高のメス
北山修 1946年 精神科医 戦争を知らない子供たち
帚木蓬生 1947年 精神科医 エンブリオ、閉鎖病棟
永井明 1947年 内科医 ぼくが医者をやめた理由
岡井崇 1947年 産婦人科医 デザイナーベイビー
南木佳士 1951年 内科医 阿弥陀堂だより
米山公啓 1952年 神経内科 男脳と女脳
霧村悠康 1953年 腫瘍外科 脳内出血、死の点滴
久坂部羊 1955年 在宅医療医 無痛、廃用身
松葉紳一郎 1955年? 内科医 虚構のER
香山リカ 1960年 精神科医 青のフェルマータFermata in Blue
南杏子 1961年 内科医 サイレント・ブレス
里見清一 1961年 内科医 見送ルある臨床医の告白
海堂尊 1961年 外科医、病理医 チームバチスタの栄光
太田靖之 1961年 産婦人科医 産声が消えていく
木々高太郎 1969年 大脳生理学 人生の阿呆
桂修司 1975年 内科医 パンデミック・アイ 呪眼連鎖
夏川草介 1978年 消化器内科 神様のカルテ
知念実希人 1978年 内科医 仮面病棟、螺旋の手術室
朝比奈秋 1981年 消化器内科 植物少女

先の渡辺淳一氏の専門医療は整形外科で、これは現役、過去問わず非常に珍しいケースだということが上記の小説の解説に書かれていました。

確かに、過去に読んでいる北杜夫氏や帚木蓬生氏、加賀乙彦氏、北山修氏は精神科医で、夏川草介氏や知念実希人氏は内科、久坂部羊氏も在宅医療医でジャンルとしてはおそらく内科、森鴎外氏は軍医と言うことで専門は衛生学、海堂尊氏が唯一外科医という専門分野で、意外に外科や整形外科の作家さんは少ないです。

整形外科(1)や腫瘍外科を含む外科(2)とともに少ないのは、歯科(0)や耳鼻科(1)、皮膚科(1)、眼科(1)、小児科(1)の専門の医者と作家という組み合わせです。

逆に上記のリストから兼業作家さんの医療専門分野で一番多いのは、大枠での内科医(消化器内科、神経内科含む)で11人、次が精神科医で8人、産婦人科が3人となっています。

開業医や勤務医、軍医、地域医療医となっているのは詳細不明で、一部には総合医療的なこともあるでしょう。それに1800年代にはまだ専門医療分野が今と違ってハッキリと分かれていないこともあり専門分野の区分けが難しいです。

外科や整形外科と作家の兼業が、精神科や内科と比べると少ないのは、様々な理由が考えられますが、派手な血を見る手術や解剖などで、体力や神経がすり減って創作活動どころではないということがあるかも知れません。素人考えですが。

私は両足の股関節が人工股関節ですが、その置換術の動画を見ると、整形外科手術というのはまるで大工さんのように、のこぎりやドリル、ハンマーなどを駆使していることに驚きます。音を聞いていてもまるで木工所の中にいるようでトンカントンカン、ガリガリガリとやっているのに驚きです。

いずれにしても医者を目指す人はそれなりに頭が良く、二足のわらじどころか、時間さえあれば三足、四足も可能でしょうし、医療以外の分野においても一流になれる方が多そうです。

著者別読書感想(帚木蓬生)
著者別読書感想(渡辺淳一)
著者別読書感想(夏川草介)
著者別読書感想(海堂尊)
著者別読書感想(久坂部羊)

【関連リンク】
1565 芥川賞受賞作はどれだけ読んだか
1561 直木賞受賞作をどのぐらい読んだか
746 直木賞作家の前職は?
509 本屋大賞ノミネート作品について




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1739
妊娠カレンダー(文春文庫) 小川洋子

1991年に出版された芥川賞を受賞した作品「妊娠カレンダー」を含み、「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」の2編も合わせて収録された短中編の作品集です。

著者の作品は、「博士の愛した数式」(2003年)など3作品を過去に読んでいますが、外れがない作家と言えるでしょう。今回の作品も過去同様に面白く読めました。

女性作家が書く「妊娠カレンダー」ならば、読むまではきっと自分の体験談を小説にしたんだろうなぁと思って、文庫の裏表紙に書かれているあらすじも読まずにとりかかったところ、そうではなくて同居する実姉が妊娠したことで変わっていく感情と生活が刻々と書かれています。

結婚した姉夫婦と同居している妹というのも珍しいパターンですが、妊娠した姉はますますわがままになっていき、妹は相手にすることなく淡々と自分の生活をしていきます。この辺りの感覚が男にはなかなかわからないところで、そういうものなの?と興味が湧きました。

著者の作品に出てくる男性は、おしなべて頼りなかった病気だったりして目立った活躍はしません。今回出てくる姉の夫も小心者で、妻の妊娠でオロオロするばかりで、この気持ちはなんとなく男性でもわかったりします。

他の二編の小編も女性が主人公で、昭和時代のボロい学生寮や小学校の給食室など、懐かしい記憶が呼び起こされるような物語でした。

★★☆

著者別読書感想(小川洋子)

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告白(中公文庫) 町田康

2005年に単行本、2008年に文庫化された長編時代小説で、谷崎潤一郎賞を受賞しています。河内の怠け者の博徒の一代記ですが、これが小説になるのはわかりますが、文学賞を受賞するような内容か?というとちょっと疑問かも知れません。

関西出身の私ですが、この小説のモチーフとなった河内音頭のスタンダードにもなった実際に起きた事件「河内十人斬り」についてはまったく知りませんでしたので、今回読書をしながら事実関係を並行して調べながら読みました。

その「河内十人斬り」という1893年(明治26年)に実際に起きた殺人事件については、Wikipediaに詳しいのでそちらを読んでください。

主人公は事件の主犯で、大阪府南河内地域にあった水分村で百姓の子と生まれながら、根っからの怠け者で若い頃から博打や酒、女に溺れていた男で、その主犯の男の子ども時代から青年期を経て事件を起こした36歳までの人生とやり場のない自己嫌悪で自滅していくという流れです。

とにかく大作で文庫本で842ページあり、通常の文庫の3作品分ぐらいあります。そして関西生まれの私はまだ慣れていますが、下記のようにベタベタな河内弁ばかりで、関西以外の出身者には果たしてどこまで意味が通じるのかな?って思います。

「さよさよ。わたいもですわ。ほんにてーんとつけへん。出てはとられる茗荷の子っちゅうやってすわ」
「あ。ほんまや。ま、それやったらよけでんが。んえどないしなはる。きなはるか」
「なんじゃ、この餓っ鬼ゃあ、ちゅうたがな。ほしたらこの餓鬼なんちゅいよったと思う?」「なんちゅいよってん」
「おどりゃなめたらあかんど」「へげたれがっ」
「この餓鬼、短刀のんでけつかった」
「いやちゃいまんがな兄ちゃん」「なにがちゃうねん」
「どんなんやね。しゃあけどほんま大丈夫かいな。あないえらそうに言うて。どつきまわされよんど」
「しゃあけど、なんでわいやね。他のもんかてかまへんやんけ」・・・

河内弁は一般的に言う関西弁からさらに崩れた感じの言葉ですから、馴染みのない方が読むのはおそらく苦労するのを覚悟してください。

昔の関西ローカルのテレビで見た上方漫才では、こうした河内弁丸出しのしゃべくり漫才をよく見ていたので、私はそれで違和感を感じないのでしょう。

著者の出身地は大阪府の堺市なので、河内弁の地域ではないものの、河内地域とも地理的には近い上に私と同様テレビなどで馴染みがあって、違和感なくこの小説でも使えたのでしょう。関東人にはとてもこの小説は書けません。

★★☆

著者別読書感想(町田康)

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朝日新聞の黙示録 歴史的大赤字の内幕(宝島社新書) 宝島特別取材班編

先月には東芝の落日を書いたノンフィクション「東芝の悲劇」を読みましたが、今回は朝日新聞社の黙示録です。

2023年7月前半の読書と感想、書評(東芝の悲劇 大鹿靖明著)

「黙示録」とは「破滅的な状況や世界の終末などを示したもののこと」と解釈されていますが、朝日新聞社はまだそこまではひどくないと思ってます。2009年に発刊された「2011年 新聞・テレビ消滅」と同様、危機をあおって注目を集める狙いでしょう。

部数が激減しているのは、朝日新聞だけが減っているのではなく、新聞というアナログメディア自体が全体的に減っているので、本著で指摘されている数々のスキャンダルで減らしているわけでもなさそうです。

それでも、右傾化が進んできたこの20年ぐらいは朝日新聞にとっては厳しい環境だったことは間違いなく、内紛や記事の取り消しなど、メディアとしての存在意義を問われることもありました。

しかし現在70後半の団塊世代が新聞を取り続けているあいだはまだ安泰で、彼らが新聞を必要としなくなる10年後から20年後はいよいよ新聞という紙メディアが残るかどうかは不明です。

本著では、主に元朝日新聞社の記者だった複数の著者が慰安婦記事、原発事故後の吉田調書、池田コラム問題などの紙面上のスキャンダルの対応のまずさと、朝日新聞社の収益構造や、社主制度の廃止、東大卒エリートの減少など事業体としての変遷などを通してこのままでは瓦解するという警告です。

個人的には子供の頃からずっと朝日新聞を読んできていて、馴染みがあるというか相棒のような存在ですので、なくなるとそれも困りますが、多かれ少なかれ、企業の栄枯盛衰はつきものですから、20年後に読めなくなってもそれは仕方がありません。新聞に代わるメディアには事欠きませんからね。

★★☆

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光と影(文春文庫) 渡辺淳一

1970年(昭和45年)、著者が37歳の時に直木賞を受賞した短篇集作品で、これ以降、本業の医者から作家活動へと重心が移っていくことになる記念碑的作品です。

解説にも書かれていましたが、医者でありながら小説を書いている作家さんは国内はもとより世界中に多いですが、その中でも整形外科医と作家の二足のわらじをはいている方はほとんどいません。

なぜ整形外科医と作家活動が両立しにくいのか?については本当のことはわかりませんが、派手な出血を日常的に見たり、緊急外科手術の必要性から、精神的になかなか落ち着いた作家活動がしにくいのかな?と思ったりしますが、真実は不明です。

本著には「光と影」「宣告」「猿の抵抗」「薔薇連想」の4篇が収録されていますが、いずれも医療に関係する医者でしか書けないと思われる秀逸の作品集です。

その中でも直木賞を受賞した「光と影」は、明治初期、西南戦争で右腕に同じような銃創を受けた同期の二人の将校の運命が手術の先か後かで大きく変わってしまうという物語です。

主人公は将校のひとりで先に手術をおこない、その時代では普通だった腕の切断手術がおこなわれ、続いて二人目の手術の時には軍医の気まぐれで「実験で腕を残す」手術がおこなわれます。

結果的には、腕を切った将校は廃兵となり陸軍を辞め市井で働きますが、自分よりもすべての点で劣っていたもうひとりが腕が残されたおかげで陸軍に留まることができ、その後順調に出世していくのを見るという悲哀を味合うことになります。

人の運命が、カルテの上か下の差で決まってしまうという「光と影」にせつなくて儚い話しです。

他の作品も視点や時代はそれぞれ違いますが、著名な絵画家に最後の作品を描けるように余命を告げるべきか悩む医者、学生向けの症例としてまるで実験動物の猿のように扱われる患者、男に知った上で梅毒を感染させられた俳優の卵が考える復讐と悪意など、それぞれ印象深い作品でした。

★★★

著者別読書感想(渡辺淳一)

【関連リンク】
 8月前半の読書 彼岸先生、劣化するオッサン社会の処方箋、老いた男、暗闇・キッス・それだけで
 7月後半の読書 汚名(上)(下)、望み、ノヴァーリスの引用、遍路みち
 7月前半の読書 マルタの鷹、オライオン飛行、東芝の悲劇、流転の魔女

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1737
彼岸先生(新潮文庫) 島田雅彦

1992年に発刊後、1995年に文庫化された長編小説で、一部自伝的?な内容を含んでいそうな気がします。

主人公は、大学生で多摩川近くの川崎市に姉と二人で住んでいて、そして主人公が師事することになる小説家の先生が多摩川を挟んで東京(たぶん世田谷区)に住んでいます。

川(多摩川)の向こう側に住んでいるので、主人公が変人の小説家先生を「彼岸先生」と名付けたことがタイトルになっています。

その学生の主人公と、波瀾万丈な生き方をしている作家先生との関係を中心に、主人公の姉や恋人、作家の妻や愛人、友人など多くの登場人物がおり、それらが揃いも揃ってなにか曰く付きという人物なのが面白いです。

個人的には、人生において師事したと思った人はいませんでしたが、こういう小説を読むと、例え反面教師になっても自分とは大きく価値観や思想がなにもかも違っていながらも気の合う先輩や師匠がいる人生もきっと面白そうだと思いました。

しかし小説家など芸術家というのは、一般人からするとどうにもとっつきにくそうで、なに言っているのかよくわからないことがありそうで、私には無理だなぁというのが実感です。

本著の小説家の先生も、美しく理解のある妻がいながら、複数の愛人がいたり、週休4日(つまり執筆するのは週3日)を決めていて、外泊するのも日常茶飯事というなかなか一般人には理解できない豪快な人です。

この小説が書かれたのは平成の時代ですが、以前読んだ著者のたいへん面白かった小説「退廃姉妹」(2005年)の舞台だった昭和の戦後間もない時代だったらそうした桁外れの芸術家は数多いただろうなと思った次第です。

★★☆

著者別読書感想(島田雅彦)

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劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか(光文社新書) 山口周

著者は1970年生まれのほぼ団塊ジュニア世代の方で、社会学や心理学の専門家というのではなく、慶応ボーイから電通、外資企業へと当時としてはキラキラの輝かしい経歴を持ってコンサルティング会社を起業したという方です。

本著は2018年に出版されましたが、これ以外にも数多くの著書があります。起業してやっている仕事にも良い影響がありそうでそのPR本と思えば大いに価値がありそうです。

内容ですが、ギリ逃げ切ったと言われそうな私のような昭和価値観で育ち仕事をしてきた人間にとっては耳の痛い話しばかりです。でも、「そう思われるだろうなぁ」という感じがよくわかります。

いわゆるホワイトカラーのオジサン方に対して、どう対処していくべきかという若者向けの内容ですが、逆にオジサンが読んで、自ら反省し、考え方を変えていくという使い方もできそうです。ただ歳を重ねるごとに頑固になるオジサン方が今さら反省するか?というのはさておいて。

しかしひとつだけ反論させてもらえるなら、オジサン方にも新入社員や若手だった頃はあり、その頃は団塊世代以上の先達に「お前達も長く細く生きていけば、最後には給料もポジションも良い思いできるから」と言われ続け、それを信用してやっていくしかない社会の中でやってきたわけです。

それを今さら「年功序列は廃止」や「終身雇用はできません」と急に言われても、そういう準備はできていないし、気持ちの整理も付きません。

上には団塊世代の重しがあり、下には何も考えていないバブル就職世代とその後の厳しい競争社会で揉まれてきた団塊ジュニア世代があり、それらに挟まれ、今の50代後半から60代のオジサン方というのはまったく気の毒な世代なのです。

確かに今の時代においては「劣化」したかも知れませんが、今の若者も20~30年したら、きっと令和生まれの若者から「劣化している」と言われるに決まっています。そう、時代は繰り返すものなのです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

老いた男(ハヤカワ文庫) トマス・ペリー

著者は1947年生まれのアメリカの作家さんで、冒険小説やミステリー小説がお得意のようです。著者の作品を読むのは今回が初めてです。

本著の原題は「The Old Man」で、ほぼそのままの日本語のタイトルになっています。2017年にアメリカで出版され、2020年に日本語翻訳版(文庫)が出ています。

主人公は元アメリカの秘密工作員で、35年前にリビアの反米政府に対抗するゲリラ組織に支援をするため200万ドルを秘密裏に届けたものの、その仲介した男がゲリラ組織には渡さず横領していると判断し、その金をまるごと奪い返します。

ところがいつの間にか、200万ドルを横領したのはその工作員だということになってしまい、アメリカの情報機関とリビアで大物となった200万ドルを奪い返された男から主人公は追われることになります。

偽名をいくつも駆使し、目立たないように家庭を築いていたもののあるとき発見され、逃げても次々とリビアの殺し屋が送り込まれます。

それからリビアに協力するアメリカの情報機関との知恵比べで、まるでロードムービーのようにアメリカの各都市やカナダまで、名前を変えながらの逃避行が始まります。

そう言えば、6月に読んだダニエル・フリードマン著「もう年はとれない」は87歳の元刑事が主人公、先月7月に読んだマイクル・コナリー著「汚名」の主人公ハリー・ボッシュは65歳、今回の主人公はタイトルの老人というにはちょっと若めですが60歳と、いずれも高齢男性がハードボイルドの主人公です。

そういう高齢者のヒーロー、最近は流行っているのか、それともそういうのを選んでしまっているのかわかりません。

だいたい想像通りにテンポ良く話しは進みますが、ラストは逃避行中に知り合ったヒロインとハッピーエンドで終わるのかな?と思っていたら違っていて、ハードボイルドっぽくサラッと終わってしまいました。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

暗闇・キッス・それだけで(集英社文庫) 森博嗣

2015年に単行本、2018年に文庫化された長編ミステリー小説です。

過去に著者の小説をいくつか読んだ中では、今回はちょっと意外な設定で、東野圭吾氏のミステリー小説っぽい感じです。

軽井沢にあるアメリカの大富豪(ビル・ゲイツがモデル?)の別荘へ、主人公が出版社から頼まれてその大富豪が日本に滞在中に自伝を出版するため直接インタビューをすることになりやってきます。

その主人公の本業は探偵ながら、以前に書いた小説が大ヒットしたため、今回の仕事の依頼となりました。

その別荘に到着後、殺人事件が立て続けに2件起きて、探偵が自伝を書くためのインタビューをしながら様々な関係者からも話しを聞いて複雑な事件の謎に迫っていくというストーリーです。

パターンとしてはありきたりで、別荘で過ごす人達や、管理人など雇われて別荘内に住む人達などが、早いうちに登場し、その中に入っていく部外者の主人公と、事件が発生してからの警察とのやりとり、そして悲しい過去を掘り出すことになる謎解きというところです。

この主人公(独身)はやたらと女性にもてて、ジャニーズの俳優でも主演にした映画やドラマなど映像化できそうですが、今のところはドラマ化や小説のシリーズ化はされていないようです。

★★☆

著者別読書感想(森博嗣)

【関連リンク】
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ビジネスマン私が新卒で入社したのは1980年(昭和55年)のことで、1978年に起きた第2次オイルショックの影響があり、買い手市場で就職難だった時でした。

ただ就職難と言っても、団塊世代や団塊ジュニア世代が大量に就職期を迎える氷河期的な厳しいものではなく、元々団塊と団塊ジュニアに挟まれた人口が少なかった世代だったので、大企業など選り好みをしなければどこかには入れるという時代です。

1980年当時は終身雇用や年功序列という戦後の高度成長期に作られた人事制度が一般的な企業では主流となっていて、その制度をとっていない外資系企業などは異端的で学生に人気がありませんでした。

私が入社した企業も小さいながら、男性は転勤などがある総合職の正社員採用、女性は引っ越しをともなうような転勤はない契約社員採用と、今から考えると信じられないような差別制度があり、当然、社員のみが終身雇用、年功序列の慣習がおこなわれていました。

新入社員の頃は安い月給で、他の誰よりも早くから遅くまで働き、力仕事はもちろん、人が嫌がるようなつらい仕事ばかりをしていました。

その時に部長クラスの先輩に言われたのは「給料はこれから徐々に上がっていき、一番お金が必要になってくる中高年の頃にはたっぷりもらえるから、今は不満があっても若い間は我慢せよ」でした。年功序列を言い換えればそういうことなのでしょう。

さすがに今はそのような思想を説く人はいないでしょうけど、形を変えた若手社員からの搾取?は普通におこなわれています。

最近話題のビッグモーターで、「修理保険料の額を上げるために客の車を壊して修理代を増やす」、「展示車や廃車する車に社員が個人負担で保険契約をしてノルマの数を満たし、代理店手数料を稼ぐ」、「清掃が面倒でなので街路樹に除草剤をまいて枯らす」など、一般常識では明らかに違法なことでも、会社や上司の方針、意向があれば、現場の(若い)社員は躊躇もなく実行するという事実があります。

そして問題化したときには、幹部は「知らなかった」とシラを切り逃げ切るのが普通で、罪に問われる可能性があるのは実際に不正をおこなった若い人ということになります。最高責任者はクルマの不正に対して「ゴルファーへの冒涜だ!」とトンチンカンな答えで世間を煙に巻きます。

なにか同じようなことが数年前にありました。当時の総理大臣や家族の発言や意向に忖度し、公文書を改竄したり、内部通報者を貶め自殺に追い込んだりしたことがありました。まだまだ役所や一部の会社の中には昭和時代の慣行などが色濃く残っているということです。

その昭和的な慣行である「終身雇用」と「年功序列」について少し考えました。

それらが自然発生的に生まれた時代と現在とでは、雇用状況や人口構成、事業スピード、国際競争、それに法律などが大きく違っているので、高度成長期に確立した制度の運用が現在通用しないことはわかっていますが、本当に「終身雇用」と「年功序列」は悪なのか?ということです。

終身雇用は、例え仕事で大きな失敗をしたり、不運にも長期の療養が必要な病気や怪我をしても、虫の好かない上司と喧嘩をしても雇用関係は守られるということです。もちろん、自らの意志で辞めて別のところで働くとか自分で起業するのは自由です。

ただ以前の終身雇用には長期間雇用することに制度や特典が最適化されていて、例えば格安の社員寮や社宅、退職金は30年以上勤務者に優遇、各種の手厚い福利厚生制度や各種の手当てがあり、気軽には転職できない(したいとは思わない)ようになっていました。

最近は、長期間勤務しないともらえない退職金制度をなくしたり、転職後も継続できる確定拠出年金制度に変更したりと変わってきています。

社員寮や社宅もなくなりつつあるのは承知の事実で、同様に不公平感があった住宅手当や家賃補助、配偶者手当や子ども手当など、諸手当も廃止されてきています。

つまり終身雇用の崩壊は、決して労働者側から要望したものではなく、企業が都合良く様々な福利厚生を削る目的と、「若い人にチャンスを与えるため」と称して中高年社員を早く追い出すための方便に過ぎません。

また年功序列制度は、バブル崩壊後に生産性向上と企業の負担減を主目的として年功で給料を保証するのではなく、能力給や成果主義へと変わってきました。

ちょうどその端境期にいた私の世代は、若い頃は「年功序列だから」と言われて安い給料で誰よりもこき使われ、歳を取ってから「成果主義に変わり、若い人の給料を上げなければならないから年配者の給料は下がります」と言われるのはつらいものがありました。もうリタイアしたからどうでもいいですけど。

年功序列の良かったところは、結婚して子供ができて、その子どもが中学生や高校生になる頃、概ね40歳から50歳頃ですが、その頃には会社で役職に就き、給料もほぼピークに近づくとともに、自宅を購入し、その住宅ローンや子どもの教育費、親の介護の負担などがあり、人生で一番支出がふくらむタイミングと重なることです。

現在は、能力主義だからと言っても若い人の給料はたいして上がらず、失われた30年と言われるようにこの30年間、実質的に給料の平均額は上昇していません。つまり企業が「能力主義」「成果主義」と言い出すのは、単に中高年者の給料を減らし、賃金総額を下げたいときに使うマジックワードだからです。

それよりも、人生計画を作っていく上で、今後10年後、20年後、30年後の収入の見込みが事前にわかり、それに沿った形で結婚や出産、自宅の購入、クルマの買い換えなどをおこなっていける年功序列的な収入予定も決して悪いことだとは思いません。

「年功序列だと中・高齢者は働かなくなる」というのは、一部にはそういう人もいるでしょうけど、中高年者は中高年者同士で誰が部長になるか、役員になるかの競争が常にあり、収入も一律皆同じというわけではありませんからほとんどの人はしっかり働きます。

別に「昔は良かった」と言いたいわけではなく、人によっては終身雇用制度や年功序列が生き方やライフスタイルに合っているのではないだろうかとふと感じた次第です。もういまさら後戻りはできないでしょうけど。

【関連リンク】
869 働かないおじさんと年功序列
852 中高年者の雇用不安
636 昨今の新入社員は終身雇用制を支持している




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