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黒書院の六兵衛 (文春文庫)(上)(下) 浅田次郎

2012年頃、日本経済新聞に連載されていて、その後2013年に単行本、2017年に文庫化された時代劇長編小説です。

あらすじは、江戸幕府が終わり、新しい明治政府に江戸城を引き渡す段になったところ、どうしても江戸城から動かない武士がいて、なんとか円満に新政府に引き渡したい勝海舟など旧幕臣と、けしからんという新政府側でもめます。

その問題となった人物は不可解で、金で旗本の地位を買ったとされる一方、勤務はいたって真面目で堕落し腐りきっていた江戸末期の多くの武士達とは違うなにか本物の武士の魂をもっています。

そうした一本筋が通った謎多きラストサムライと、江戸から東京へと移り変わる混乱した世相を面白おかしく仕立てたもので、実際に活躍した歴史の人物が多く登場して楽しめます。

但し、江戸城の中や、しきたりなど、なかなか頭の中でイメージがしにくく、読んでいてもあまりワクワク感がなく、退屈この上なく、途中で断念しそうになりました。著者の作品はいつも一気に読み進められるのに、これは珍しいパターンです。

新聞連載小説と言うことで、一気に読むのではなく、かみしめながらじっくりと何ヶ月もかけて読むとまた違うのかも知れませんが、この作品はお得意の泣かせの場面もなく、ちょっと著者の作品らしくないなって感じです。

★☆☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

夢をかなえるゾウ 水野敬也

200万部を超えるベストセラーになった著者の三作目の小説というか、ライトノベルというか、人生の指南書というか、ビジネス本というか、よくわからないジャンルの本で、2007年に発刊されています。

またこの作品を原作として小栗旬主演でテレビドラマや、アニメ化(声優に草なぎ剛や笑福亭鶴瓶)もされていますので、知っている人は多いのではないでしょうか?

ヒットすると続編が出てくるのは世の常で、2012年に「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」、2014年に「夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え」が刊行されています。

内容は、しがないサラリーマンの若い独身男性がインド旅行に行った時、買ってきた置物(ガネーシャというヒンドゥー教の神)に乗り移った神様とのやりとりがメインで、「お金持ちになりたい」「今までとは違う自分になりたい」という男性の願いをかなえるため、なぜか関西弁あれこれ指示を出していきます。

その指示を正当化するため、過去の偉人や成功者、大金持ちの言葉や行動様式を引用することが多く、その点はいかにも軽い新書のノリがあります。

ま、そういう意味では、新書やビジネス書によくありそうな「こうすれば年収3000万円!」とか「あなたの人生が劇的に変わる!」とか「金持ち父さん、貧乏父さん」という本と変わりなさそうですが、それがアニメを見ているように二人のコミカルなやりとりを通じて面白くすっと入ってくるような感じで書かれているのが特徴的です。

読みやすい本で読書慣れしている人なら1~2日で軽く読み終えてしまうでしょうけど、活字離れした若い人にはアニメや映像、そしてオーディオブックまで準備されているので、それなりに幅広い需要があるのだと思われます。

でも結局は読んだだけでは、金持ちにもなれないし、自分も変われません。成功するには継続と行動力であることをもっと伝えるべきでしょうけど、なにかを50年間継続したからといって、自分が思い描く結果になるわけでもなく、結局は面倒なことでもなんでも進んでやる、その人のやる気次第なのかな。

★★☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

深川黄表紙掛取り帖 (講談社文庫) 山本一力

2002年に単行本、2005年に文庫化された著者お得意の江戸時代の庶民を描く時代劇小説の連作短編集です。

江戸の裏社会で恨みを晴らすため暗殺を手掛ける必殺シリーズはバイオレンス時代劇ですが、こちらも裏家業には違いないですが、殺しなどは一切なく、アイデアと知恵で阿漕な金持ちを懲らしめたり、困っている商売人を救う手立てを考えたりする温厚な裏家業集団です。

その主役を張るのは、それぞれに商売をしている4人の若者で、うち一人は男装の女性というちょっと魅力的なメンバーです。

時は生類憐れみの令が出された頃ですので、第5代将軍徳川綱吉の貞享から元禄時代と言ったところです。

この著者の描く江戸庶民の図は、直木賞に輝いた「あかね空」など、まるで実際に見てきたかのように生き生きと細かく描写されています。

緻密な時代考証をおこなえば、違っている点などもあるのでしょうけど、そうした細かなことを言わなければ今から320年前にタイムスリップができて楽しめます。

★★☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟


悪意のクイーン (徳間文庫) 井上 剛

京大卒で二足のわらじを履き、主としてSF小説を発表してきた作家さんで、2014年に発刊されたこの4作目の小説はSFではなく、いわゆる後味の悪い女性同士の憎しみのミステリー小説です。

ママ友の輪の中で、ひとり浮いてしまっている恵まれた環境にいる若妻が主人公です。この若妻とは別で、ランクのが高い女学校の中学生ももうひとりの主人公です。

このふたりの女性の人生が狂い始め、憎しみや絶望が沸き起こり、そして最後にはもう一名の女性が加わって複雑に絡み合っていくという流れです。

ま、女性の恨み辛み、極度の憎しみを男性が描くとこういう事になるのでしょうけど、それにしてもやりすぎって思います。

正直にこれを読んで共感できたり、面白かったという人はほとんどいないでしょう。

ストーリー的にも同時に二つ(二人)の話しが同時に進行する、ありふれたパターンで、特に秀逸と思えるところがありません。

自殺や、飲酒運転による交通事故死、不登校、家庭崩壊、子育てヒステリー、売春、殺人とミステリー小説では定番とも言えるこれらを散らばめただけという感じもします。

才能ある作家さんなのでしょうから、もっと深いものを期待したいところです。

★☆☆



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秘められた貌 (ジェッシイ・ストーン・シリーズ) ロバート・B・パーカー

2007年刊の「High Profile」の翻訳版(翻訳版文庫は2010年刊)で、警察署長ジェッシイ・ストーンシリーズ6作目です。別のシリーズの主人公で女性私立探偵サニー・ランドルも主人公ジェッシイのガールフレンドとして登場しています。

パーカー言えばやはりボストンの私立探偵スペンサーシリーズが有名で私も大好きですが、1997年から始まったこのジェッシイ・ストーンシリーズもスペンサーにはない面白さがあって楽しめます。

探偵と警察署長という違いこそあれ、そのキャラクターは似通っています。

スペンサーシリーズをすべて読み終えた後、その余韻が冷めた頃を見計らって、このシリーズを読むとパーカー独特の言い回しや絶妙な会話がよみがえってくること請負です。

ストーリーは、ジェッシイが警察署長を勤めるマサチューセッツ州の架空の街パラダイスで、テレビやラジオで活躍している毒舌の人気司会者が殺され、公園の木に吊り下げられているのが発見されます。

それと同時に司会者のアシスタントで、愛人の女性も同じ銃で殺害されているのが発見され、マスコミの注目を浴びる中、小さな街の警察署長の主人公は、自ら部下とともに犯人探しに奔走します。

その捜査手法が、私立探偵スペンサーとも共通していて、関係者と順番に会って質問し、なにかが動き出すのをジッと待ちます。

最近のミステリー小説のような変に凝った「驚愕のラスト!」とかはありませんが、「なぜ?」という疑問を解き明かしていく丁寧な捜査が好感を呼びます。

スペンサーシリーズでもお馴染みのマサチューセッツ州警察殺人課のヒーリー警部もサポート役として登場したりして、スペンサーシリーズを懐かしがるには最適です。

★★☆

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ウルトラ・ダラー (新潮文庫) 手嶋龍一

元NHK記者で外交ジャーナリストとしてテレビにもちょくちょく登場している著者の2006年(文庫は2007年)刊の国際インテリジェンス(諜報活動)小説です。

いま2017年は北朝鮮の核実験と長距離ロケットの話題が世界中を揺るがしていますが、その根っことなった2000年前半の北朝鮮の核開発やミサイル技術の導入に関し、その資金調達に偽アメリカドル札の大量発行があったことをテーマとしています。

印刷技術者の拉致、偽札検査機のメーカーへの謀略、外交官との癒着、高額紙幣に刷り込まれるマイクロチップ技術の流出など、その手口や国を挙げての陰謀を現実に起きた事件ともリンクさせながらうまく小説に仕立てています。
 
主人公は日本語が達者で日本文化にも精通している英国BBCの日本駐在員、その駐在員と英国の大学で同級生だったアメリカの財務省シークレットサービス要員。

BBC記者は駐在員という肩書きと、もうひとつ英国情報部の顔を持っていますし、シークレットサービスは大統領警護で有名ですが、実は世界中に出現する偽札ハンターとしての役割も担っています。

現在の北朝鮮が核兵器を保有し、2500km以上飛ばせるロケットをロシアやウクライナの協力により保有するに至ったのは、こうした2000年代前半からの下準備があってのことで、ここ数年だけで成し遂げたわけではないでしょう。

そういうことから、この小説は、現在2017年のことをすでに予見していたノンフィクションに近い小説なのかもしれません。

ただ、小説の中で、偽札検知機器メーカーの社員が、世界中で偽札を集めて持ち帰り、それを実験用として使っているという話しが出てきますが、それはにわかには信じられません。

ほとんどの国では偽札と知って保有しているだけで、例えテスト用だと言い訳をしても必ず実刑をともなう重罪となり、そのようなリスクを冒すのは馬鹿げています。

日本の場合、偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)は、無期又は3年以上の懲役で、殺人(傷害致死)と同等の重罪です。普通そこまでの犯罪を犯してまで会社に尽くせません。

通常偽札の検査機器をチェックする場合、確か、ベンチマークテストの場が、国の公認でおこなわれていて、そこで過去に発見された偽札の反応テストなどが行えるようになっているはずです。

私が香港に少し滞在していたとき、友人がたまたま手に入れたという偽札の100ドル紙幣を見せてくれましたが、手触りも印刷も本物と並べて見比べても素人の目にはまったく違いがわからず、そんなの万が一持っているのを見つかったら、それこそ何年も外国の刑務所に収監される可能性があり、ジョークのつもりでも持ちたいとは思いませんでした。

★★☆


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創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」 (角川oneテーマ21) 村上隆

現代美術、ポップアーティストの地位をゆるぎなきものとしている著者の2012年の新書です。一方では芸術家と相容れそうもないビジネスマンでもあって、そういう意味では前例のない新しいエンタテナーなのかも知れません。

芸術家とビジネスマンが相容れないと書きましたが、そう思っているのは一部の偏見ある人だけかも知れません。ほとんど多くの芸術家はそれで飯を食うため、当然のことながら営業活動もすればスポンサーの意見や要望に譲歩することもあります。

ただそうしたことを芸術や美術学校では学生には教えない風習があって、著者は有名美大出身の社会経験もない芸術家気取りの若者が、多少作品が評価されただけで「オレは芸術家だ」と、まるで大物と勘違いしている人が増えてきていることを嘆いているというのがわかります。

さらに、著者は自分が批判の的になっていて多くの人から嫌われていることもよく理解していて、それでも自分の考えを通していく一本の筋が通った主張を述べているのは好感が持てそうです。

こういう創作の世界にいると、しかも突出していればいるほどに周囲からの妬みやひがみ、いいとこ取りだという非難なども多いでしょうし、私もニュースなどで訳のわからない醜悪なフィギュアに何億円という値段がついたとかの話しを聞いても「へぇ、こんな日本人がいるのか?」って思うぐらいで、その作者については芸術性の全くない平々凡々な人生をおくってきた身としては「なにかよくわからん」というのが実際のところでした。

一般的に新書というジャンルは、その著者や著者が関わる企業などのPR誌という趣向が強くあり、著者にしてみても、「プロフィールに著作物があると書ける自己満足とPR性」「初版本の大半を自分や会社が買い取り、名刺代わりにビジネスで会社案内代わりに使える」など多くのメリットがあります。

新書に対してはそうした多少ゆがんだ見方を持っていますが、この本もその例外とは言えず、著者も自分が設立した会社を10数回は登場させて盛んにPRしています。そのあたりもさすがにビジネスで成功を収めているアーチストなんだなということが理解できます。

内容自体は、美大や芸大などに通っている芸術家志望の若者に対して、「日本の芸術家業界で生き残る法」というような話しで、これが意外に知られていないことが多く、芸術とはまったく関係が薄い人間(私)が読んでも面白かったです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

海の見える街 (講談社文庫) 畑野智美

2010年に「国道沿いのファミレス」でデビューした作家さんで、若い人の青春恋愛小説を得意としている感じで、この本も若くはないけど20代~30代の男女4人の仕事と恋愛と趣味がうまくバランス良く絡み合った、短編連作の恋愛小説と言えます。

海の見える街」というと宮崎駿の大ヒットアニメ「魔女の宅急便」に登場する北欧の某都市をイメージする人が多いのですが、こちらはいたってドメスチックな青春物語です。

その短編には「マメルリハ」、「ハナビ」、「金魚すくい」、「肉食うさぎ」の4編が収録されていて、それぞれ4人の登場人物が主人公となって順番に話が進行していきます。

4人が働いているのは市の図書館と併設されている児童館。

30代半ばになっても彼女もいない独身でいる男性二人と、20代半ばのオタク系女子と職員の産休中に派遣でやってきた同年代の訳あり元ヤンキー女子。

この4人がそれぞれに抱えている問題や感情を出していき、複雑に絡み合っていくところをうまくひとつのストーリーにまとめているなって感じです。

また1話ではマメルリハという種類のインコや、2話ではミシシッピアカミミガメ、3話では琉金、4話ではウサギなど、ペットとセットになっているのは落ち着きが良すぎます。

ただ世の中はこれほどまでにのんびりもしていないし、4人だけの世界で閉じていることもまずなく、現実をほどよく知っている中年男性にとっては、なんだかこそばかゆく、また現実感のなさにちょっと反感も覚えたり。

★★☆


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象の墓場 (光文社文庫) 楡 周平

2013年に単行本、2016年に文庫化された現実に起きたデジタル革命によって象に見立てた巨大外資系企業の没落を描いた経済長編小説です。

1990年頃まではアメリカの超優良企業だったイーストマン・コダック社は、世界の写真フィルムや現像液、印画紙などで圧倒的な世界シェアを持ち、1ドルの売上で80セントの利益が得られたという高収益企業で、長く我が世の春を謳歌していました。

しかし1990年代に入り、写真の世界にデジタルの波がヒタヒタと忍び寄ってきて、従来の安定したビジネスモデルが壊されていくことになります。

当時、世界の写真フィルムメーカーは、圧倒的に強いコダックと、新参者の富士写真フイルム(現、富士フイルム)、ドイツのアグフア・ゲバルト社、小西六写真工業(現、コニカミノルタ)などがありましたが、日本以外の国ではコダック社が圧倒的なシェアを持つ巨象に例えられていました。

その巨象コダックがデジタルカメラ時代に乗り遅れ、経営判断の誤りもあって、2012年には上場廃止、2013年には倒産危機を迎えることになります。

デジタルカメラ時代に乗り遅れたと書きましたが、実は世界で最初にデジタルカメラを完成させたのはコダック社です。

しかしチェーン化していたフィルム現像所などパートナーとの関係から、フィルムも現像も不要なデジカメを普及させるのに抵抗があり、モタモタしているあいだに日本の家電メーカーやカメラメーカーからデジカメが次々と登場し、一気にフィルム市場を奪われていくことになります。

この小説では外資系企業日本法人の会社員が主人公で、まさかこの巨大企業が傾いていくなど夢にも思わず、その激しい逆流の中で必死に戦っていく姿を描いています。

コダックの社員というので思い出したのは、親しい知人がバブルの頃、投資用でファミリー向けのマンションを5千万円で購入し、まだ入居者が決まっていない時に、良かったら賃貸として借りないかと言われて一緒に物件を見に行ったことがあります。

しかしまだ結婚してまもなくの頃で、ファミリー向けの広いマンションを借りるには、家賃を大幅にまけてもらっても当時の収入ではとても厳しく、すぐに断りました。

その後、当時は優良企業だったコダックの社員に貸し出せたので安心だと聞いて、喜んでいたのもつかの間、その後1年も経たないうちにコダックの様子がおかしくなりました。

おそらく突然リストラをされたのか、その借主は何ヶ月分かの家賃を踏み倒したまま夜逃げ同然で行方不明となり、残された部屋には大物の家具等は持ち出され、粗大ゴミだけがそのまま散乱していたという悲惨な状態だったとか。コダックの社員にとってはそれほど寝耳に水の急な業績悪化とリストラだったのでしょうね。

なかなか読み応えのある、外資系ビジネスマンには身につまされるような話しも多く、面白く読めました。

★★☆


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ナイト&シャドウ (講談社文庫)  柳 広司

2014年単行本、2015年に文庫化された長編小説で、主人公は日本人の警察官ながら、舞台はワシントンD.C.という珍しいパターンです。

著者の出世作で代表作となった「ジョーカー・ゲーム」(2008年)のシリーズは、昭和初期の帝国陸軍のスパイ養成機関が舞台で、そこでは徹底した記憶力と卓越した推理と創造力を鍛えられます。

そうした特殊なスパイと能力的に共通するのがアメリカ財務省管轄の要人警護組織であるシークレット・サービスで、科学的な捜査とともに、身を犠牲にして要人を守り抜く強靱な身体と、犯行を未然に防ぐための予知能力、そして非常事態発生時の対応などが求められます。

そのシークレット・サービスへ警視庁から厄介払いとして研修に出されてD.C.へやってきたのが主人公で、現役のシークレット・サービスとともに、大統領を狙うテロ犯グループと知恵比べをするというストーリーです。

ちょっと主人公にできすぎた感はあるものの、最後のどんでん返しも見事で、単なるハッピーエンドで終わらないところが秀逸と言って良いでしょう。

★★☆

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美しい家 (講談社文庫) 新野剛志

八月のマルクス」(1999年)、「あぽやん」(2008年)など、毛色の違う多くのヒット作を持っている著者の2013年刊(文庫版は2017年)の長編社会ミステリー小説です。

主人公は二人で、その二人の視点で物語が同時並行して進められていきます。

一人目は最近は新作が書けないでいる小説家で、子供の頃に姉が何者かに拉致されて行方不明となってしまった過去を引きずっている男性と、もう一人は刑務所から出たばかりの暗い過去を持つ若い男性です。

と思っていたら、終盤近くでそのうちの一人、作家がもう一人の主人公男性にあっけなく殺されてしまいます。ネタバレ失礼。

行く当てのない家族を引き受けて、集団で生活をするというのは古くは1980年頃に起きた「イエスの方舟事件」や、2012年には「尼崎事件」というのもありましたが、そうしたところで育てられた子供達が、成長して大きくなってからも過去を引きずっていく様子がよく描かれています。

タイトルは転々と住まいを変える集団生活において、そこで生まれ育った子供達が、幼いときのイメージの中に生じさせる理想的な住まいを揶揄したものと思われます。

★★☆


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お別れの音 (文春文庫) 青山七恵

著者は2007年に「ひとり日和」で芥川賞受賞、2009年には短編「かけら」で川端康成文学賞を受賞した若手作家のホープのひとりで、2010年(文庫は2013年)刊の短編小説です。この作家さんの小説を読むのは今回が初めてです。

短編は、「新しいビルディング」「お上手」「ニカウさんの近況」「うちの娘」「役立たず」「ファビアンの家の思い出」の6編で、それぞれ「別れ」がテーマとなっていますが、関連はなく独立した話しです。

割とそれぞれが平坦な日常の光景を淡々と描いたもので、特にインパクトを感じる隙間もないのですが、その6編の中でかろうじて印象に残った作品はというと、街中でよく見かける靴の修理やキーの複製などをしてくれるワンオペのお店の男性に興味を持ってしまう女性を描いた「お上手」と、大学を卒業前の最後の夏休みに、英国へ留学している友人に誘われてスイスへ旅行する学生の一夏の体験とその後を描いた「ファビアンの家の思い出」ぐらいでしょうか。

小説というと非日常のあり得そうもない凶悪な事件や死に至る病気など、刺激的な話しが多い中、こうした薄味で淡々とした別に誰かが死ぬわけでもなく、家族が引き裂かれるわけでもなく、悪意がみなぎるわけでもない平凡な人の平凡な日常が逆に新鮮に思える時代になってきたのかも知れません。

そう、起承転結なんかくそ食らえ!って感じで、いつ終わったのかもわからないような。

私の年代(弱肉強食が普通に通用した年代)だと、どうにもまどろっこしく感じたり、物足りなく感じるでしょうけど、若い人、特に女性や草食系と言われる男子には、心穏やかに共感が得られそうな気がします。

ただ短編作品に関しては私の評価は厳しくて★1つです。

★☆☆


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偽悪のすすめ 嫌われることが怖くなくなる生き方 (講談社+α新書) 坂上忍

主としてテレビバラエティ番組のMCで活躍している著者の2014年刊のエッセイ本です。芸能人がよく出すゴーストが書いた当たり障りのない自慢話かと怖々読んでみたところ、なかなか毒舌を持ち味としたキャラを生かした人生の深い話が聞けます。

実は私自身がテレビのバラエティ番組はまず見ないので、この人のことはほとんど知らず、たまにワイドショーのMCやコメンテターで言いたい放題に話しをしているところをちょっとだけ見て、顔ぐらいは知っているというレベルです。

バラエティ番組のMCをする人はたいてい元アナウンサーとか、しゃべりが商売のコメディアンが多いのですが、この著者は元人気子役で、大人になってからも子役のしがらみを振り払い、俳優を続けているという割と珍しい人です。ってほとんどの人が私よりもよく知っているでしょうからあらためて説明する必要はないでしょう。

この著者の面白いところは、俳優ならば大手芸能事務所に所属して付き人やマネージャーをつけて自分は演技以外の仕事はしないというのが普通でしょうけど、著者は子役時代に個人事務所を設立し、その後も群れずに一人で芸能活動をやっていくことを善としています。

そうした「鶏口となるも牛後となるなかれ」主義は著者の数々の毒舌と称される発言にも影響していて、本人はいたって普通にしゃべったことが、芸能業界の中ではちょっと異例のことだったり、空気を読まないと非難されたりということのようです。

若者に対し「スマホなんかいじってないで、おっぱいをいじろう」みたいなエロオヤジ全開モードのところもありますが、この人も正直すぎて時代の趨勢には乗っかれない人なんだろうなぁと思ってしまいます。

いえ、それが間違っているというのではなく、誰でも年を重ねていくと、そういう上から目線で自己中気味の説教臭くなるってことで、この異端児?も同じ中年なんだなぁって嬉しく思う次第です。

★★☆


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1159
危険なささやき (1983年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) J.P.マンシェット

日本語版は1983年に発刊されたフランスの私立探偵小説というちょっと珍しいジャンルの作品です。

フランスの小説ということもあって、この小説を原作としたアラン・ドロンが制作・監督・主演をこなした同名の映画作品が1981年に作られていて、そちらのほうが一般的にはよく知られているかも知れません。

そしてこの小説の翻訳者が、フランスを舞台にした犯罪小説やミステリー小説を多く書き、また2001年に「愛の領分」で直木賞に輝いた藤田宜永氏というのも注目される点です。

小説の舞台になっているのが1970年代後半頃のフランスで、有名なシャンゼリゼや凱旋門など観光地ではなく、パリ郊外などあまり知らない場所で展開していきます。

また当然ですが、時代柄携帯電話やパソコンなど情報機器らしいものはなにもなく、昔ながらの知恵と足で情報を得て、事件に首を突っ込んでいきます。

主人公が行方不明になった女性を探そうとした途端に、殺し屋が現れ、事件から手を引くように脅されたり、依頼人と駅で待ち合わせをしたら目の前で射殺されてしまったり、さらにはガールフレンドが誘拐されてしまうという、よくわからないまま大きな陰謀に巻き込まれていきます。

派手なドンパチや暴力シーン、アクションシーンもふんだんにあり、確かに映画に向きそうなエンタメ的展開です。

書かれた時代が時代だけあって、今読むとなにか懐かしい香りがする上質なミステリー探偵小説でした。古い文庫本だけに文字のサイズが小さく、目の焦点が合いにくくなってきた高齢の身にはちょっとつらいのはやむを得ません。

★★☆


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会社の品格 (幻冬舎新書) 小笹芳央

著者は元リクで卒業してリンクアンドモチベーションを設立して活躍されている有名な方です。2007年に出版されました。

どうも私は「品格」という言葉に弱く、30数年前に新卒で入社した(営業が主体の)会社の当時の社長がよく言っていた「一流の環境にいれば一流の品格が身につき一流の営業ができる」と、当時はまだ小さい会社ながら、かなり無理をして超一流のビルの中に(小さく)事務所を構えていたことを思い出します。

で、「一流の品格」ってなんぞや?とずっと考え続けてきましたが、実は今でもよくわかっていません。品格って時と立場と環境によりますよね、たぶん。

それ故に、書籍で「品格」と名の付くものは、自然と手が動き、片っ端から買ってきて読んでいるってわけです。

国家の品格」「男の品格」「女性の品格」「女と男の品格。」「日本人の品格」「遊びの品格」「親の品格」などなど。

で、この本は新書にありがちな著者の会社の事業PR本という側面は多々あるものの、経営者が自分では気がつかず、残念な会社となっていく気づきになるかもしれません。

うつけな経営者が「なるほど!そうか!」と手を打つかどうかはわかりませんが、著者の経営する会社に相談してみよう!と考えるかも知れません。

企業経営者が書いた新書を読むと必ずと言って良いほどそうした自社PR本となっていて、印刷部数のうち書店で販売された数よりも会社が買い取って客や見込み客に配った数のほうが多いのではないか?って思うこともありますが、物書きができる中小企業経営者にとってはそれが最善の策とも言えそうです。

この本は、そうした自社PRももちろん詰め込まれていますが、ははーんなるほどねという納得感もあり、特に目新しさはありませんが、暇つぶしの自己啓発には悪くありません。

★★☆

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男の勘ちがい (文春文庫) 南美希子

amazonが日本に法人を設立したのが1998年ですから、この本が出版された1992年にはまだ本の通販は一般的ではなかったということになります。

だから何なのだ?と言われても困りますが、1991年に設立されて急拡大中のブックオフで見つけたこの本の中身はかなり赤茶けていて、いかにも古書という感じがします。1992年と言えばわずか25年前なんですけどね。

著者は元テレ朝のアナウンサーで、この本を執筆したときは33歳とありましたから、今では還暦を超え、立派な高齢者の仲間入りをされています。今でもバラエティ番組などに時々出演されているようです。

この本が書かれた頃の世の中はまだバブルに踊っているさなかで、「車載電話付きの高級外車」や「地上げオヤジとその愛人」とか、「カルティエのリング」「アラミスを付けた男」とか懐かしいことばが満載です。今真面目に書かれているそういう時代表現を読むとなんだか皮肉を綴った漫画です。

しかし著者とはひとつ違いの同年代で、そうした時代をともに見てきただけに、笑えるに笑えません。

ちょっと今読むと時代があまりにも違いすぎて、男女とも役には立ちそうもありませんが、バブル時代の饗宴をちょっと懐かしむにはちょうど良いかもしれません。

★☆☆

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安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録 (文春文庫) 加藤廣

信長の棺」(2005年)のスピンアウトもので2011年発刊(文庫は2013年)の短編集です。

「藤吉郎放浪記」「安土城の幽霊」「つくもなす物語」の三編からなるこの「小説は、タイトルにもある通り、「信長の棺」の戦国時代末期のそれぞれ独立した物語です。

しがない商人から時代の寵児へと駆け上がっていく秀吉=藤吉郎の身分や山の民として生まれた出自を必死に隠し、己の才能だけを頼りに信長に近づき、腹心として当時の家督制度、武家社会に真っ向立ち向かっていく姿を描いた「藤吉郎放浪記」。

信長の理不尽な命令に振り回されて悔しがる愚図で小心者の家康が、腹心の部下服部半蔵を使って信長に偽の幽霊を見せて一泡吹かせようとするものの、安土城には信長に取り憑いた本物の幽霊が先にいて、取り憑かれた幽霊を祓うために頼ったのが阿弥陀寺の住職、清玉上人だったという話しの「安土城の幽霊」。

室町時代に宋から日本へ渡り、足利義満に献上されたとされ、現在も静嘉堂文庫美術館に所蔵されている「九十九茄子〈つくもなす〉」という見事な茶器が、足利義満(金閣寺建立)→足利義政(銀閣寺建立)→山名是豊(応仁の乱)→伊佐宋雲→朝倉教景→松永久秀→足利義昭→織田信長→豊臣秀吉→有馬則頼→徳川家康→藤重藤元→岩崎弥之助(三菱グループ創設者)と数奇な運命をたどっていく話しの「つくもなす物語」。

いずれも戦国時代ファンにとってはフィクションとした「異聞」ではあるものの、なかなか面白い内容となっていて、エンタメとして楽しめます。

★★☆

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白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 湊かなえ

2012年単行本、2014年に文庫化された長編ミステリー小説で、2014年には「白ゆき姫殺人事件 容疑者【城野美姫】は、魔女か? 天使か?」というキャッチコピーで、井上真央、綾野剛の主演で映画化もされています。

なかなか凝ったミステリーで、長野県で起きた女性殺人事件について、主人公のひとりの気の弱そうなフリーライターが、犯人捜しのため、ネットを使ったり、関係者と会って順々に調べていくという形を取っています。

もうひとりの主人公は、その殺人事件で、一番の容疑者と見られた女性で、殺された美人会社員と同期入社で、なぜか事件後に行方不明となっています。

それにしても捜査をしているはずの警察の動きや情報はまったく出てこなく、雑誌のフリーライターが聞き回る情報だけで殺人事件の話しが進行していくというのは、ちょっと不思議な感覚です。

そうした不可解な点も含め、最後のクライマックスに向けて盛り上がったところで、あっさりと警察が真犯人が逮捕し、その模様がテレビから流れてくると言うのが意外と言えば意外なところです。

これはなかなか真犯人はわかりません。いや~女ってやっぱり怖い、、、

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く 藻谷浩介 NHK広島取材班

2010年に出版されて大ベストセラーになった「デフレの正体」の筆者とNHK広島取材班がタッグを組んだ作品です。

里山と言えば、少し前ならTOKIOのダッシュ村をふと思い出したりしますが、あのような山間に囲まれた地で農業を中心に半自給自足をおくっている昔ながらの風景です。

アメリカを中心とする「マネー資本主義」に対応した「里山資本主義」という造語を新たに作り、今後経済が縮小していく日本において、ある一定の人口を支える基礎的な生活パターンとして、里山で暮らすという選択肢を提案しています。

また疲弊した地方において、なぜそうなったのかという根本原因を明かし、これからの地方のあるべき姿も示しています。

長らく都市に住み続けていると、どうしても地方、その中のさらに人口減少地域のことについては、単に税金の無駄遣いというような理解しかできませんでしたが、実際にその中で知恵を絞り、仲間と共同社会を築いている人達もいるということに励まされます。

同書では「目のうろこが落ちた」という表現が何度も出てきますが、よほど分厚いうろこが覆っているのは都市住人に共通しているのかも知れません。

例えば、同志社大学教授の浜矩子教授の言葉として出てきていますが、「シェア」という言葉が今までは独占という「市場占有率」という意味で使われてきたものが、最近では「分かち合い」という意味で使われるという180度変わってしまう言葉すらあるということにはハッとさせられました。

そうした、地方に実際住んでみないとわからないことってあるものです。

都市住人がすべて地方に移住できるはずもありませんが、ある一定の老若男女が今後地方へU・Iターンすることで、成熟期におけるバランスがとれた都市部と地方の社会がうまく機能していくのかも知れないなとこの本を読んで気がつきました。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

デセプション・ポイント (上)(下) (角川文庫)(上)(下) ダン・ブラウン

トム・ハンクス主演で映画化もされた2003年刊の「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍大ベストセラー作家に上り詰めた著者の、その「ダ・ヴィンチ・コード」の2年前、2001年の作品です。

タイトルは直訳すると「欺瞞箇所」となりますが、アメリカ国家や巨大組織がもし徹底した欺瞞工作を国民や世界に向けておこなえば、どういうことが可能か、そしてどういうことになるかという実験的な小説です。

アポロ計画以来特に大きな成果を生んでいないNASA(アメリカ航空宇宙局)とそれをサポートし続けてきたアメリカ大統領の側近は、強い危機感から大きな博打をうつことを計画し、実行に移ります。

そしてNASAの活躍が認められれば、NASAの巨額の税金垂れ流し問題を糾弾し、民間での宇宙産業振興を進めたい現大統領の対立候補を打ちのめすことが可能になります。

それには多くの秘密と工作が必要となり、NSA(国家安全保障局)、NRO(国家偵察局)、そして民間の学者を含め、複雑に政治と軍とインテリジェンスと学術、それにマスメディアが絡み合ってきます。

古生物学や宇宙物理学などテクニカル面や、北極近くの気象情報など、読んでいても何のことかさっぱりわからないという部分も多々ありますが、それはさておき、昔、月面着陸陰謀説というのがあり、アポロ計画で実際には月面着陸はなく、映画セットを使って月面からの中継をしていたというようなスケールのでかい国家を揺るがす欺瞞と陰謀が今回のネタです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

漂流者たち 私立探偵・神山健介 (祥伝社文庫) 柴田哲孝

渇いた夏」(2008年)、「早春の化石」(2010年)、「冬蛾」(2011年)、「秋霧の街」(2012年)と春夏秋冬の4部作として終わったと思っていた私立探偵 神山健介シリーズで、2013年に発刊された番外?編です。

福島県白河市に住む私立探偵の主人公は3.11の東北地震に遭います。

そして同時に以前勤務していた弁護士事務所から、行方不明になった人を捜しをして欲しいと依頼がきます。

その行方不明となった人物は元弁護士で、現在は議員秘書ですが、東京で同じ議員秘書を殺害し、事務所にあった表には出せない6千万円を持ち逃げし、地震のあとの津波で流されたクルマが福島のいわきで発見されたとのこと。

しかし地震直後のこともあり、道は方々で寸断され、福島原発事故もあり通行止めに遭い、被災地ではガソリンは欠乏し、泊まるところも食べるものもない極限状態で、愛犬カイとともに男の影を追って被災地に入っていきます。

ちなみに、主人公が震災直後にたどる道は、私も震災発生から2年後の4年前にたどった道とかなりダブります。

ただ私が行ったときは震災後2年が経過し、主要な道路や橋はかなり復旧が進んでいましたが、少し脇道に入ると、まだあちこちに津波で流されてきた漁船やボート、壊れたクルマなどがそのまま放置されていて、その時の被害がありありと浮かんできます。

678 東北巡り 2013/1/16(水)

元々はこのシリーズは4作で終わるつもりだったのが、主人公が住む福島で大きな災害(地震、津波、原発事故)が起き、それを実際に目の当たりにした著者自身が、それをテーマにして番外編の作品として一気に書き上げたものと思われます(想像です)。

作品を通して、反原発、放射能への恐怖、政府への不信が客観的に語られていて、書かずにはおかれなかったという著者の信念が感じられる作品です。

★★★


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