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にぎやかな未来(角川文庫) 筒井康隆

1960年代に雑誌等で掲載されたショートショートを1冊にまとめたもので、最初は1968年に出版され、その後、文庫などが何度か再版された今や大御所となった著者のデビューまもない時期の作品集です。

基本はSFやファンタジーもので、ブラックユーモアの効いたものあり、刹那的な話あり、ディフォルメした未来をよく表しているものもあり、また意味不明なものもあったりと結構楽しめます。

各作品の感想はとにかく数が多くて(41篇収録)いちいち書けませんが、書籍のタイトルにもなっている「にぎやかな未来」の内容だけ少し触れておくと、マスメディアが力を持った未来の話しで、テレビやラジオの放送中にはCMばかりが流れ、買ったレコード(当時はまだCDなんかなかった)にも曲の途中にCMが挟まれようになり、さらに聞きたくないと思っても、法律で常時ラジオをつけておかなければならないと決められ、世の中、どこへ行っても広告の嵐の中におかれます。

これを読んだとき、今テレビをつける度にいつも思うのが「いつもどのチャンネルもCMばかり」で、測ったわけではありませんが、番組のおよそ半分はCMではないかなと思います。公共放送で受信料も払っているNHKですら、自局の放送予定の番組案内や、局の取り組み活動などのCMを流し続けています。

高い料金を支払う有料ネット放送でもCMが入ると嘆いている人がいましたし(私は有料がバカらしいので加入してないから知らない)、とにかくテレビでもラジオでもネットでもつなぐと視聴者は広告の大波にのまれてしまいます。

60年以上前に書かれた近未来のブラックコメディSF小説が、いよいよ現実化しつつあるのだなぁとこの小説を読んで感心しきりです。

★★☆

著者別読書感想(筒井康隆)

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凪の光景(文春文庫) 佐藤愛子

著者は大正生まれ、今年99歳の大御所で、1969年に「戦いすんで日が暮れて」で直木賞を受賞されています。戦前生まれの方にしてはかなり奔放でユニークな方のようで、ご自身の人生も波瀾万丈の中で生きてこられたという感じです。

今回の作品は、1987年から1988年まで朝日新聞に連載された長編小説で、2022年に文庫が発刊されています。1990年と1992年にはテレビドラマが作られています。

小説の中では作者と同じ、戦前生まれの老夫婦と、同じ敷地に住む息子夫婦の二組の夫婦がそれぞれ語り部となり、日々の生活や仕事などが描かれています。

教師生活を定年で辞め隠居生活をしている夫は、碁会所の友人へ後妻の世話をしようと奮闘したり、その妻でわがままし放題で横暴な夫と距離を置いて自由を手にしたいと考え、息子は自動車販売会社で売上ノルマと部下の管理に悩み、その妻はキャリアウーマンとしてバリバリ働く一方、子育てにはあまり関心がないという状態です。

老夫婦の妻は、隣に住むハンサムな浪人生にほのかな恋心をいだき、また長く横暴な夫に仕えてきたことに疑問を感じて離婚や別居を考えるようになり、息子は職場で受付の若い女性の悩みの相談を聞いていたことからやがて深い関係に陥ったりと、著者のリアルと同様に波瀾万丈な展開となっていきます。

それにしても内容はタイトルの「凪」とはまったく逆で、二つの夫婦関係にヒビが入り、それぞれの人生を考え直すことになっていきます。

朝日新聞を購読している読者の多くは、私を含めて中高年夫婦というパターンが多そうですから、身につまされるような内容で、心穏やかに読めない人も少なくなかったでしょう。

ただ一箇所、え!?と思ったのは、40年間教師や校長として奉職してきた男性が受け取っている年金が月30万円というのにはビックリ。

教師だと平均年収もそれほど高くはなかったと思いますが、1980年代にはそんなにもらえたのでしょうか?今だと40年間勤め上げてもその半分ぐらいでしょう。

いずれにしても広い敷地に自宅がある恵まれた環境で、有り余る年金をもらって息子夫婦や孫に囲まれ悠々自適の老後生活をおくる主人公達で、今の若い世代からすると、どこかよその国の話?と思ってしまいそうです。

★★☆

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コブラ(上)(下)(角川文庫) フレデリック・フォーサイス

2011年に前作の「アフガンの男」を読んで以来、12年ぶりのフォーサイスです。本作「The Cobra」は2010年に出版され、日本語版は2012年に単行本、2014年に文庫版が出版されています。

アベンジャー」(2003年、日本語版2004年)で主役だったベトナム帰りの弁護士デクスターと因縁深かったCIA捜査官(通称コブラ)がタッグを組んで、コロンビアのマフィアが支配するコカインの欧米への密輸ルートをアメリカ大統領命令でおこなうという痛快ドラマです。

米国と英国がタッグを組み、無人機を使ってコカインの密貿易の海路や空路を見つけ出して断ち、不正を働く税関官吏を罠にはめ、さらにコロンビアのマフィア幹部同士が誰かが情報を漏らしていると疑心暗鬼に陥るよう仕組んでいきます。

こうしたコロンビアマフィアを悪者にしてアメリカが叩く作品はいくつかありますが、ずっと以前に読んだトム・クランシー著「いま、そこにある危機」(1989年)にも詳しく書かれています。それらを最新の戦術でアップデートさせた内容でした。

しかしすべてが予定通りにうまくいきすぎて、そんなに簡単じゃないだろ?と思わなくもありませんが、そこは単なるエンタメフィクションということで納得しておくしかありません。

ヒヤヒヤ、ドキドキすることもなく、あっさりと麻薬戦争は勝利に終わりますが、最後にちょっとだけ意外な展開が待ち受けているのは読んだ人だけのお楽しみと言うことで。

★★☆

著者別読書感想(フレデリック・フォーサイス)

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百万のマルコ(集英社文庫) 柳広司

1篇を除いて2002年から2005年に小説すばるに掲載され、1篇だけ割と最近の2022年にweb集英社文庫に掲載された歴史物連作短編小説集です。

基本構成は、「東方見聞録」のマルコ・ポーロ(1254年頃~1324年)が、アジアへの旅の後にベネチアに戻ってからの話しが中心(1篇だけ東方への旅に出る前の話しが出てきます)で、ジェノバとの戦争で捕虜となり、ジェノバの収容所に閉じ込められている時(実話)の話しです。

実際にマルコ・ポーロには、イル・ミリオーネ(百万男)というあだ名がつけられていましたが、その理由は様々で定かではない(Wikipedia)ものの、本著では「ほら吹き男」という意味で使われています。

1話1話が、マルコが東方の地、大都(現在の北京)で権勢を振るう大ハーン(クビライ)に謁見後、相談役として仕えていた頃の驚くべき話し、言い方を考えるとホラ話のような話しを、戦争捕虜としてなにも楽しみがない娯楽の一つとして、同じく捕虜になっている僧侶や貴族、労働者などに話しをしていくという流れです。

現実にも、商人の息子マルコ・ポーロは、父親と叔父とともに東方へ商売のために訪問し、謁見したクビライに気に入られしばらくそこで過ごし、またクビライの依頼で近辺の国へ使節として訪問しています。そして故郷ベネチアへ帰ってきたら、敵のジェノバ軍に捕まり戦争捕虜として収容所に収監されています。

東方見聞録は、その捕虜収容所でマルコが語った小話を、同じく収監中の作家ルスティケロ・ダ・ピサが話しをまとめて出版したものが大ヒットしました。

したがって、小説とは言え、ある程度は歴史上の人物や出来事をうまくフィクション化していて、面白い内容です。

こうした歴史上起きた様々な事実や実在した人物を主人公としたり題材に使った作品は結構好きで、著者の作品「新世界」(2003年)では原爆の開発者オッペンハイマーが登場します。

今回の本著はややコミカルな要素があって少し違っていますが、著名人を用いた作品として浅田次郎氏の「終わらざる夏」(占守島守備隊)、「一刀斎夢録」(新選組の隊員だった斎藤一)、松岡圭祐氏の「黄砂の籠城」(北京駐在武官・柴五郎)、「ヒトラーの試写室」(特殊撮影・円谷英二)、服部まゆみ氏の「一八八八切り裂きジャック」(エレファントマン、森鴎外など)、原田マハ氏の「暗幕のゲルニカ」(ピカソ、ドラ・マール)などの小説が面白かったです。

ただ、短篇の頭に繰り返して出てくる前置きは、雑誌に掲載されるときは仕方がないでしょうけど、あらためて文庫化するときには、端折ってくれると(実際は読み飛ばしましたが)読者に優しいなと思いました。

★★☆

著者別読書感想(柳広司)

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