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先月に書いた「タクシー業界の行く末 2023/10/28(土)」の続編で、書き漏らしたことを書いておきます。

前回はタクシー運転手の収入と労働時間を主に書きましたが、今回は現在のタクシー運転手の年齢と、今後期待されている女性運転手数の推移、そしてここのところ進歩が早い料金決裁システムの導入状況についてです。

まず、タクシー運転手の年齢層ですが、地域別に年齢層のグラフにしてみました。データ出典は、「一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会」です。

地域別タクシー運転手年齢層

関東を除き、年齢層で多いトップ2は60代と70代以上の高齢ドライバーです。関東だけは50代と60代がトップ2です。つまり関東だけはタクシードライバーの高齢化が他の地域よりはマシになっています。

東北、四国、九州・沖縄の3地域では、60歳以上のタクシードライバーが7割を超えています。住人の高齢化ばかりが言われていますが、サービス業の運転手の高齢化も顕著です。

そうした高齢のタクシードライバーが、限界を感じていよいよ引退する頃(5~10年後?)は、地方のタクシー事情はどうなるのでしょうか。

全国のタクシー運転手の年齢層別では下のグラフの通りです。

タクシー運転手年齢層(全国)

60代と70代以上を合わせると63%と、様々な産業(従業員)の中でも、このタクシー乗務員の圧倒的な高齢化が進んでいることがよくわかります。この年齢層は通常他の産業では心身ともに疲れて次々とリタイアしていく人達です。

ウーバーなど、配車アプリを使ったライドシェア(白タク?)の規制緩和は「安全管理面で懸念がある!」と堅固な利権を持つ国や政府は後ろ向きですが、果たしてこのような本来なら身体が弱って引退してもおかしくない60代以上が6割を超えるタクシー乗務員の運転が、若い人が最新の安全装備を備えた高級車を使ったライドシェア※と比べて安全か?というとなんとも言えなくなります。

※欧米のウーバーを見ていると、利用者が予約するときに運転手の評判や使っている自動車を見て選べるので、自ずとウーバーで人気(依頼が多くなる)となるためにはアウディやベンツなど安全で快適なクルマを使う人が増えています。

ライドシェアの現状は下記の記事の通り、まだまだ道険しです。

タクシー不足で地方が悲鳴 業界はライドシェア導入に反対(2023/10/17時事通信社)
一般の人が自家用車で客を有料で運ぶ「ライドシェア」導入に向け、「活力ある地方を創る首長の会」が17日、国に提言を出した。高齢化と人口減少が加速する中、地域社会での移動手段の確保は喫緊の課題だ。新型コロナウイルス禍の収束後、増加傾向にある外国人観光客の運送にも十分に対応できておらず、地方は悲鳴を上げている。

  ◇  ◇  ◇

運転手不足と乗務員の高齢化対策に有効なタクシーの女性運転手の割合は、まだ全体の2.3~2.5%に過ぎませんが、時間や日数など比較的多様な働き方ができるということもあり、今後の増加に期待できます。

その女性運転手の推移ですが、ここ数年はコロナ禍の影響もあってか意外に伸びてはいません。

女性タクシー運転手推移

女性運転手の10歳ごとの年齢層で一番多いのは50代でその次が60代、次が40代となっています。男女合計の全体では一番多いのが60代、次が70代以上の年齢層になるので、全体平均よりおよそ10歳以上若いということになります。

一般的にはタクシーの乗客が多いのは、公共交通がないか少ない早朝や深夜時間帯と言われますが、女性運転手の場合は、乱暴な酔っ払いなどを避けるなど、安全面を考えるとやはり勤務する時間帯に配慮が必要でしょう。

しかし、病院への送り迎えや、子どもの送迎など、昼間の高齢者や、習い事などで子どもの利用はこれからも増えていきますから、昼間の勤務だけでも活躍の場はあります。

運転手不足が叫ばれると、すぐに「自動運転だ!」とバカのひとつ覚えのように言う人がいますが、安全なレールの上だけを走る電車でさえ自動運転がほとんどできていないのに、特に都市部において、なにが起きるかわからない公道上で自動運転車が自由に走るようになるにはまだ十数年も先の話でしょう。

  ◇  ◇  ◇

最後にタクシーの料金決済方法の多様化です。私がよくタクシーを使っていた頃(20~30年前)は、ようやくクレジットカードが使えるようになってきてはいましたが、乗車中にスマホやICカードでかんたんに決済できるような仕組みはここ5年ぐらいで普及してきました。

一般的にタクシーで使えるキャッシュレス決済には、クレジットカード、非接触型ICカード、QRコードの3種類があります。

非接触型ICカードの中には、SuicaやPASMOのようなICカードの場合と、スマホでタッチして決済するApplePayや楽天Edyなど、QRコードにはPayPayやLINE Pay、楽天ペイなどがあります。

乗ったタクシーでどのキャッシュレスが使えて、なにが使えないのかというのは乗ってみないとわからない(ドアに書いてある場合が多いですが)というのは不便です。まだまだ改善の余地がありそうです。

そうしたキャッシュレス決済が今は当たり前だ!と言ってしまっては、運転免許証を返納して病院へ通うキャッシュレス・リテラシィが低い高齢者にとってはキツイものがあります。

特に地方の過疎地域の高齢者にとって、そうしたキャッシュレスの仕組みは他では必要がないので馴染みがなく、丁寧に教えてくれる若い人もいないので、混乱するばかりです。

タクシーが少ない地域で、限定的に配車アプリを使った白タクを許可しようという話もありますが、そうした地域に住む80代、90代の高齢者に配車アプリや電子決済がうまく使いこなせるとも思えません。

若い人はまったく考えられないことでしょうけど、高齢になって眼が悪くなると、あの小さなスマホの画面に出てくるボタンや説明文がよくわからないし読めないのです。

都会に住む高齢者ですら、コンビニやスーパーのレジで、スマホ決済やポイント利用のためにモタモタしている人をよく見かけますが、地方に住む高齢者には現状では配車アプリを使えと言ってもなかなか普及しないでしょう。

現在、クレジットカード決済を含むキャッシュレスの電子決済の機器を搭載しているタクシー車両は全国平均でおよそ90%に登っています(2022年3月、一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会調べ)。

ただ地域によって差があり、東京都と神奈川県においては99%の搭載率ですが、和歌山県や鳥取県、徳島県、愛媛県、佐賀県は60%台です(同)。60%の装着だとまだ普及しているとは言えません。

面白いのは昔からあるクレジットカードが利用できる車両と、比較的新しいSuicaやPASMO、PayPayなど非接触型ICカード(スマホ、QRコード決済含む)が使える決裁の機器設置は必ずしもリンクはしてなく、地域によって、例えば佐賀県はICカード決済が63%の普及率に対し、クレジットカード決済は22%と大きく開きがあります。

同様に宮崎県はICカード93%とかなり高い普及率に対し、クレジットカードが使える車両は35%という少なさです。県民性とかもあるのでしょうかね?

つまりひとつのキャッシュレス決済の手段だけ覚えておけば大丈夫ということになっていないことが問題です。現金なら同じ方法で全国共通で使えるのにです。

今はまだマイカーがあり仕事もしていないのでタクシーに乗ることはまずありませんが、やがて免許証の返納の時が来ることは確実で、そうなった10数年後にはタクシーの料金決済は業務効率と安全確保のため(少なくとも都市部では)現金は受け付けないということになっているかも知れません。

タクシー業界の行く末 2023/10/28(土)

【関連リンク】
1735 地方の大問題は災害と公共サービス
1315 キャッシュレスの流行にあえて逆らってみる
1154 地方の可能性と限界



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