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遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


今年も読書感想から1年がスタートです。芸がなくてすみません。


グレイヴディッガー(講談社文庫) 高野和明

著者の作品としては初期のもので2002年に単行本、2004年に文庫化されています。今年2023年には「踏切の幽霊」で直木賞候補になり、面白そうなので、早く文庫が出版されるのを待っています。

タイトルの「グレイヴディッガー」は、中世ヨーロッパの宗教裁判によって殺された死者が蘇って、審査した者を殺して回るという伝説に出てくる殺人者の名前ということです。ただこれらは作者の創作だと解説で知りました。

麻薬の売人だった男がトラブルからナイフで刺されて連れ去られます。目撃者の証言からひとりの麻薬中毒で売人から麻薬を買っていた男が捕まり、殺害した犯人を示す数多くの証言と証拠があります。

それとはまったく関係のないところで、主人公は小さな詐欺などを繰り返してきたワルですが、人生を変えたいと思って白血病患者に髄液を提供するドナー登録をし、適合する患者がいることがわかり翌日に病院へ行くことになっています。

その主人公が、金欠で病院へ入院する前に小銭を借りようとホストをやっている知人の東京都北区赤羽にあるマンションに行きますが、そこでその知人が惨殺されているのを発見します。

その知人とは、お互いにそれぞれに自分名義でマンションを借りて、実際に住むのは入れ替わって住むという、犯罪者の悪知恵を使っているため、自分の(名義の)部屋で知人が惨殺されているということになります。

さらにその部屋で呆然としている時、3人の男たちが強引に入ってきたので、殺人者が戻ってきたと思い、窓から逃げだします。

この時から何者かわからない男たちと、部屋に残された知人の死体のため警察の二つから追われることになります。そして翌日には大田区六郷にある病院に入院して全身麻酔で髄液を抜かなくてはそれを待っている患者の命に関わることになります。

東京近郊の地理に詳しくないとわかりませんが、北区赤羽は23区の最北部、病院のある大田区六郷は23区の最南部でもっとも距離があり、通常なら赤羽から京浜東北線で品川、品川から京浜急行で六郷土手という乗車時間約1時間のルートになります。

しかし逃げる主人公はお尋ね者で、タクシーに乗ると逃亡犯の情報提供を求める無線が隠語で入ってきたり、電車では駅の監視カメラに映り込むのと、すでに緊急指名手配となっていて警官がいる駅には近づけないので様々な工夫をしながら、また捕まりそうになりながらも逃げて逃げて・・・

こうした逃亡者が数々のピンチを切り抜けて逃げ回るというのは「逃亡者」(テレビドラマ1963年、映画1993年)が有名ですが、私は子供の頃に見たアメリカのコミカルな連続ドラマ「逃げろや!逃げろ(Run Buddy Run)」(1966年)が一番記憶に残っています。

追いつ追われつドキドキするのが普通ですが、この主人公はなにか天然っぽい感じで、詐欺師らしく人の裏をかこうとフラフラとしていてあまり緊張感がありません。エンタメとしては楽しめますが、逃亡中に携帯電話を何度も使うというのはこの時代だからでしょうね。今ならすぐに場所が特定されます。

★★☆

著者別読書感想(高野和明)

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駐車場のねこ(文春文庫) 嶋津輝

1969年東京生まれで、2018年に短編「駐車場の猫」を雑誌に、2019年にデビュー作「スナック墓場」を単行本で出版をしたというぐらいしか情報の少ない作家さんですが、本著はそれらの短編作品をまとめたもので、文庫化にあたりタイトルも変更されています。

収録されているのは、「ラインのふたり」「カシさん」「姉といもうと」「駐車場の猫」「米屋の母娘」「一等賞」「スナック墓場」の7編でそれぞれ独立した作品です。

日常のさりげない風景や人間関係を独特の視点で切り取った作品集で、どれも肩肘を張らないで気楽に面白く読めます。

印象が強かったのは、「ラインのふたり」と「姉といもうと」で、「ラインのふたり」は、ロマンチック街道と交差するドイツのライン川のほとりで恋人たちが、、、というような話ではなく(そういうのは宮本輝さんにおまかせ)、工場のラインで働く中年女性達の話で、「姉といもうと」は幸田文の「流れる」に触発され女中に憧れを持って家政婦をしている姉と、ラブホテルで働く妹の話です。

女性作家さんらしく、女性の日常や感情の機微、そしてたくましさがうまく文章で表現されていて、読み込むほどジワーと味がしみてきます。

内容的には中高年男性にはあまり向かないかもしれませんが、のんびりと頭をリセットしたいときに読めばスッキリするように思います。

★★☆

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平凡すぎて殺される(創元推理文庫) クイーム・マクドネル

アイルランド出身の作家さんのおそらくデビュー作品で、原題は「A Man with One of Those Faces」です。元本は2016年に出版されましたが、日本語翻訳版(本著)は少し遅れて2022年に出ています。

アイルランド出身の作家さんの小説では過去にアーナルデュル・インドリダソン著の「湿地」と「緑衣の女」を読みましたがどちらも秀逸でした。また石持浅海著の「アイルランドの薔薇」は、アイルランドを舞台にした小説でした。

映画では「シング・ストリート 未来へのうた」や「デビル」などがアイルランドが舞台となったものでした。

本著はアイルランドのダブリンに住む20代の無職男性が、亡くなった叔母の遺言で遺産の一部を手に入れるためボランティアの社会貢献活動として病院の認知症患者や身寄りのない入院患者の話し相手をしています。

あるときいつもの病院で、看護師の女性に頼まれ話し相手として謎の老人の部屋へ行ったとき、突然誰かと間違われてナイフで刺されるという事件に遭います。どこにでもある平凡な顔をしていることが原因だと思われます。

そしてそれだけならともかく、老人は刺した後に心臓麻痺で亡くなり、殺人の疑いや、その謎の老人が実は過去に大きな話題となった未解決の誘拐事件に関与した疑いのある犯罪者だったことから、その誘拐事件の関係者から秘密を知ってしまったと思われて殺し屋を送られます。

先に読んだ高野和明著の「グレイヴディッガー」は東京で追いつ追われつの逃亡劇小説でしたが、こちらはダブリンやその近郊での逃亡劇小説でした。執拗に追われる秘密がクライマックスで明らかになるなど、なにか似ています。

こちらは比較的書かれた時代が新しいため、携帯電話で位置情報がバレるからと早々に破棄したり、誰も知らないボランティアで知り合ったお金持ちの老婆の家に逃げ込むなど現代的です。

そして未解決だった誘拐事件の真実が明らかになっていきますが、最後は荒唐無稽な感じで、やや興ざめしてしまいました。それでもまったく馴染みのないダブリンの街での追跡劇は楽しめました。

★★☆

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鬼統べる国、大和出雲 古事記異聞(講談社文庫) 高田崇史

鬼棲む国、出雲」、「オロチの郷、奥出雲」、「京の怨霊、元出雲」に次ぐ「古事記異聞シリーズ」第4弾の作品で2020年に新書が出版、2022年に文庫化されています。

出雲と奥出雲についてはすでに読んでいますが、京都はまだ読めていません。できれば順に読んだ方が良かったと後になって後悔しています。

既に2022年に次の第5作目「古事記異聞 陽昇る国、伊勢」が新書で出版されています。来年には文庫で出てくるかな。

しかし「出雲」という1つのテーマで島根県の出雲、奥出雲、京都、大和(奈良)、伊勢とよくぞ引っ張ります、お見事。

元々は、2023年に島根の松江や出雲へ旅行するため、関連する小説を探していて読んだところからスタートしましたが、その後もこのシリーズにすっかりはまってしまいました。

ほとんどの日本人は、「出雲」と言えば、山陰の島根県にある出雲大社を思い浮かべると思いますが、京都や奈良にも出雲を名乗っていた地や出雲地方で重要とされている神々を祀っている神社が多くあり、それはどうして?というのが第3弾と第4弾のテーマです。

実は京都に住んでいた頃、近所に加茂川にかかっている「出雲路橋」というのがあり、旧山陰道ではなく、どうしてこんな場所(京都市内の北部の鞍馬口近く)に出雲路?ってずっと不思議に思っていました。

その謎が明らかになるのは、まだ未読のシリーズ第3弾「京の怨霊、元出雲」ですが、今回の第4弾「大和出雲」にもその理由の一部が出てきました。

そのように、シリーズを飛ばして読んでもそれなりに物語は楽しめますが、やはり順を追って読む方が理解が進みやすそうです。

しかし、古代の神々や皇族、有力者の名前や、それが時代で変形していくなど、素人が入っていくには難解で難易度が高い内容ですが、主人公を女子大学院生として、できるだけわかりやすく解説(推理)されているところが上出来です。

ただ、このシリーズ、文庫カバーのキラキラなカワイコちゃんを描いたアニメチックな絵だけは、おそらく若い人にも気軽に手に取ってもらおうという出版社なりの理由がありそうですが、歴史ミステリーを扱うには中身が軽薄そうに見えるのと、中高年男が手に取るには敷居が高そうです。

★★☆

著者別読書感想(高田崇史)

【関連リンク】
 12月前半の読書 葬式組曲、ちえもん、夜市、歴史探偵 忘れ残りの記
 11月後半の読書 こちらあみ子、戦国武将、虚像と実像、極東動乱、二人のクラウゼヴィッツ
 11月前半の読書 忍ぶ川、定年バカ、二千七百夏と冬(上)(下)、長く高い壁 The Great Wall


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