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マッチメイク (講談社文庫) 不知火 京介

この小説「マッチメイク」は不知火京介氏のデビュー作品で、2003年第49回江戸川乱歩賞を受賞しています。この作家さんの作品を読むのはこれが最初です。

作品のタイトルのマッチメイクとは、プロレスの興業において、対戦するレスラーとその試合の流れを事前に考えて作ることを言うそうですが、それを八百長だとか言ってはいけません。あれはあくまでエンターテインメントなのですから。

初めて読む作家さんの小説は、自分にとって当たり外れの揺れ幅が大きいので慎重にならざるを得ませんが、食わず嫌いで終わるのももったいないので、できるだけ幅を広げて、意識して多くの作家さんの本を読むようにしています。

ストーリーは大阪のプロレス団体に加入したばかりの山田君が主人公で、周りの曰くがありそうな先輩や同僚達の中に混ざって成長していく姿が描かれています。

と言っても青春ドラマではなく、入門後と言っても組織は会社なので入社後、国会議員でもあるベテランレスラーの社長が試合中に不審死を遂げてしまいます。

警察の調べでは自殺との結論ですが、主人公始めそれを信じる人は少なく、誰がどうして社長を謀殺する必要があったのか?誰ならそれができたのか?と謎を追いかけていきます。

そのようなミステリー小説ではありますが、プロレスの世界の内輪話も豊富で、あまり興味のない人でも「へぇそうなんだ」と妙に納得できることも多く、楽しく読めます。

小説を読む醍醐味は、私の場合、このようにまったく知らない世界のことをのぞくことができるということにもあります。ある時は刑務所の中だったり、敏腕刑事だったり、ベンチャー企業の社長だったりします。

この小説では今まで知らなかったプロレスの世界と、レスラー達が日頃どうやって肉体を作っていくのかなどが面白く読めます。

プロレスの世界というのは、属人的で、体育会系のノリというのは想像できますが、さらに外国武者修行から帰ってきたレスラーや、外人レスラーが多いので意外と国際的だったりします。

また柔道や相撲などの格闘技出身者が多いかと言えば決してそれだけではなく、身体と腕っ節が強くて筋肉質であれば、あとは技を磨いていけば、柔道のメダリストに対しても渡り合えそうです。もちろんエンタメですからスター性がなければ魅力あるレスラーにはなれませんが。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

あなたに逢えてよかった (角川文庫) 新堂冬樹

1998年頃から数多くの作品がでていて書店の平積みでもよく見かけるのですが、著者の小説を読むのはこれが初めてです。

この作家さん、闇金など裏の世界を描く時(黒・新堂)と、甘く切ない恋愛小説を書く時(白・新堂)と、極端に対称的だそうです。この作品は2006年に初出の小説で、白・新堂作品です。

主人公は紅茶専門店で働く若い女性。えらく甘ったるいなぁと思いつつ読み進めていけば、やっぱり甘ったるい。

これはたぶん夢見がちな女性に向けて書かれた小説なのでしょうが、こうも甘いと辛口のおじさんはだんだんと腹が立ってきます。

でも主人公が見つけた理想の男性が、不治の病にかかりはじめてきた時には、「世界の中心で、愛をさけぶ」の男女を入れ替えたようなものかと納得も。

とにかくもう縁がなくなったおっさんがラブロマンスを読むときには、なにも考えずに淡々と文字だけを追っていくのがよさそうです。

この小説でテーマのひとつになっている認知症ですが、後日ブログにも書こうと資料を集めていたところで、なんでもすでに65歳以上で300万人を超える患者がいて、それは65歳以上人口の10%にのぼるということです。

今後さらにこの高齢化が加速するわけですから、13年後の2025年には470万人(65歳以上の13%、全人口の4%)がこの認知症に罹るだろうという凄まじいものです。こうなるともう完全に癌や成人病と同様の国民病と言えるのかもしれません。

もうひとつ出てくるテーマとして主人公がこだわっている紅茶のおいしい飲み方や、うんちく話しがこの小説では楽しめます。

無教養な私は「オレンジペコ」というのは「ダージリン」などと同様、紅茶の種類かと思っていたら全然違い、茶葉の大きさを表す等級区だったことをこの本で初めて知ったりと、宮本輝氏の小説同様、雑学にも役立ちそうです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

取引 (講談社文庫) 真保裕一

真保裕一氏の小説はすでに5~6冊は読んでいますが、この「取引」はデビュー作「連鎖」(1991年)のすぐ後1992年に刊行された第二作目の作品です。

そしてこの二作品や「密告」「震源」「天使の報酬」などは主人公が公務員なので、「小役人シリーズ」と呼ばれているそうです。

この「取引」では公正取引委員会の審査官が主人公です。この審査官が正義感が強く、上司に楯突いて不正を暴こうとしたところ、利権に巣くう組織から罠にはめられるところから非常に長い670ページの物語がスタートします。

とにかくでかくて重い、電車で片手で持ちながら読んでいると結構腕が疲れます。2010年の芥川賞作品の西村賢太氏著「苦役列車」など200ページもありませんから、その3倍以上ある小説です。

かと言ってすぐに二冊三冊に分けてしまうとそれだけでトータルが高くなってしまいますから、読者としては痛し痒しのところがあります。

私が最初に真保氏の作品を読んだのが「ホワイトアウト」で、2000年には織田裕二主演で映画化され大ヒットしました。実はこの作品を読んでから映画を見たのですが、正直に言ってこの作品に関しては映画のほうがずっとよかったという印象を持ちました。

というのも、このような雪の中の巨大なダムという壮大な自然を文章で表すのは難しく、それよりも映像でドカッと見せるのがずっとダイレクトに頭の中に入ってきます。

この映画の脚本にも著者は関わり、オリジナルを大事にしながら、かつ、織田と佐藤浩市の二大俳優の対決をエンタテインメントとしてわかりやすくうまく作ってありました。

それ以来、「アマルフィ 女神の報酬」や「アンダルシア 女神の報復」など真保映画には織田裕二がベストマッチしていくことになります。

著者別読書感想(真保裕一)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ロマンス 柳広司

2011年に発刊されたこの「ロマンス」は著者お得意の日本近代史ロマン的作品です。

舞台は中国進出が始まった太平洋戦争の前、まだ外国人が珍しかった頃に、クオータの青年が様々な事情で公爵の地位にあり、友人のやはり公爵で軍人と殺人事件に巻き込まれるというミステリー小説です。

当然にタイトルになっているロマンスが深く関わってくるのですが、どちらかといえば、時代を反映してか色っぽい話しではなく、退廃的でありながらも純愛を貫き通すというイメージの作品です。

う~ん、、、「ジョーカー・ゲーム」や「トーキョー・プリズン」「新世界」などと比べると、ストーリー的には面白味に欠けるかなぁという感想です。

しかしこの時代のうんちくというか風俗や生活のことについては驚くべきよく調べて書かれている印象です。比較的まだ若い作家さんなのにその点は評価点は高いです。

柳広司氏と言えば陸軍スパイもののD機関シリーズが有名ですが、シリーズ2作目の「ダブル・ジョーカー」(2009年)がこのほどようやく文庫化されたようなので、今度買ってこようかと思っています。

著者別読書感想(柳広司)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

サラリーマンは2度破産する (朝日新書) 藤川太

ま、よくある釣りタイトルの新書だからと軽くみて読み始めたら、だんだんと背筋が寒くなってきました。

もうよく知られているように、自分のライフプランを作ってみると、家を買って子供の教育費の負担が増す頃、第1の破産状態に陥ることになり、さらに老後、年金しか収入がない人はふたりで3千万円ぐらいの預金でもないと、80歳ぐらいで破産しますよーという内容のものです。わかっちゃいるけど、もうどうしようもない。

親の遺産でもがっぽりある人でないと、例え住宅ローンがなくても退職するまでに数千万円を蓄えられている人って、現役世代ではそう多くないような気がします。

つまり逃げ切ったと言われる団塊世代までならば、退職金もそれなりに支払われたでしょうし、60歳から満額年金支給されます。

しかしいま50代の人はほとんど60歳から年金支給はされないのと、退職金も大手優良企業勤務以外では、大幅にカットされたり、転職後の退職金はほとんど出なかったりと、散々な状況です。

さらに希望退職などという甘い誘いで50歳代でやめちゃった人は、その後の再就職もほぼ絶望的なので、もらった割り増し退職金や雇用保険給付金を年金支給される前にほとんど使ってしまうことになります。

ならば、賢い人はどうするのか?というところまで一応書かれていますが、その内容については、おおよそ他の人生設計本などとそう変わるものではありません。つまり「貯めよ殖やせよ見直せよ、そして身体が動く限り働き続けよ」です。

これを読んでいて気になったのは、自宅を保有する人と、借家住まいの人で、典型的な例がひとつ示されているだけで、その差がわかりにくいです。

比較も3000万円のマンション購入と11万円の賃貸の比較ですが、いくつかの賃貸と購入を繰り返してきた私に言わせると、3000万円のマンションと11万円の賃貸では平等な比較ではありません。

それに購入派には住宅ローン以外の費用(修繕費、税金など)があると書いてありますが、賃貸にも当然それらは大家さんや不動産会社が手数料を上乗せして賃借人に負担させているだけで、それらが免除されているわけではありません(通常は賃料にその分が含まれる)。

通常賃貸マンションは分譲用のそれと比較すると壁や床は薄く、耐震性が劣り、都市部なら専用駐車場はなく、内装備品は安物です。

3000万円の分譲マンションと同等の耐震性、快適性、専用格安駐車場利用などのメリットを考え合わせると、賃貸なら13~15万円は必要でしょう。

また夫婦に子供がいるかいないか、老後にその子供に支援を受けられるかどうかにも変わってきます。

自宅を購入するために多額の資金を投資した場合と、子供に高等学校へ通わせて教育に投資した場合、それらによって得られる恩恵は少なからずあるはずです。

子供も一人より二人、二人より三人で変わってきます。古くなった持ち家の修繕やリフォームも、もし同居して働いている子供がいれば子供が負担するのが普通です。

介護費用も全部とはいわないまでも子供が負担するケースがあるでしょう。しかしDINKSで高級賃貸マンションで優雅に生活をエンジョイしてきた夫婦にはそういう恩恵はありません。

いえ、別に子供に養ってもらいたいと個人的な希望を言っているのではなく、子供が年取った親の面倒を見るというのは今までの日本では普通におこなわれてきたことです。

最近では親の年金をニートの子供が使ったりする逆転現象も起きていますが、それは普通ではないでしょう。

もし土地付き一戸建てを持っていれば、一時期より不動産価格が安くなってきたとはいえ最終的にはそれを担保にお金を借りたり、売って安い地方のアパートへ引っ越すことも可能です。

その分をずっと賃貸に住み続けてきた人が現金預金として持っているのか?という比較にもなります。

この住宅を取得すべきか借りるべきかや、生命保険の見直し、投資の3点について詳しく触れられていますので、ライフプランの入り口程度のことを知りたい人には最適です。

もっと細かく自分の生活に合ったライフプランを作成したいなら、どうぞ有料のサービスへとお約束の新書の流れです。

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